JP4567980B2 - 熱膨張性マイクロカプセルおよび中空樹脂粒子 - Google Patents
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Description
また中空樹脂粒子の利用分野としても高い耐熱性が要求される分野、例えば自動車に使用されるエンジニアリングプラスチック用の軽量化材、プリンターの定着ロール用断熱材等への適用が検討されている。
すなわち本発明は、ガラス転移温度が75℃以上200℃以下であって、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びエポキシ樹脂樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であるポリマー(A)からなるシェルを有し、溶剤(B)を内包することを特徴とする熱膨張性マイクロカプセル(C);およびそれを加熱膨張してなる中空微粒子(D)である。
(A)のTgは75℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110℃以上であり、200℃以下、好ましくは190℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。Tgが75℃未満の場合は耐熱性に劣り、200℃を越える場合は、膨張温度が高くなりすぎる。
(a21)の具体例としては、2価アルコール、例えば脂肪族ジオール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)など]、および環状基を有するジオール[たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレングリコール、2価フェノール[ビスフェノールAなどの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4)など];3価〜10価またはそれ以上の多価アルコール、例えばアルカンポリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど、およびそれらの分子間もしくは分子内脱水物[ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜8)、ソルビタンなど]、糖類およびその誘導体(配糖体)(蔗糖、メチルグルコシドなど);およびこれらのアルキレンオキサイド[以下AOと略記。炭素数2〜10またはそれ以上、例えば後述の(a32)の製造において挙げるもの]低モル付加物;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいものは多価アルコールであり、さらに好ましいものはグリセリンおよびペンタエリスリトールである。
これらのうち好ましいものは多官能アミンであり、特に好ましいものはジエチレン取りアミンおよびトリエチレンテトラミンである。
(a3)には、ポリエステルポリオール(a31)、ポリエーテルポリオール(a32)、およびこれら2種以上の混合物が含まれる。
具体例としては、脂肪族ポリカルボン酸[官能基数2〜6、炭素数3〜30のポリカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸など]、芳香族ポリカルボン酸[官能基数2〜6、炭素数8〜30のポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラブロムフタル酸、テトラクロルフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など];これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(ジメチルエステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライド等)など:例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチルなど];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらの内で好ましいのは、脂肪族ポリカルボン酸である。
また、(a)のイソシアネート基含量は通常0.5〜10重量%、好ましくは1.5〜6重量%である。
これらのうち好ましいものはジアルカノールアミンであり、特に好ましいものはジエタノールアミンおよびジプロパノールアミンである。
これらのうち好ましいものはヒドロキシル基を有しない脂肪族モノアミンであり、特に好ましいものはブチルアミン、オクチルアミン、2−エチルへキシルアミン、ジブチルアミンである。
また、(a)のイソシアネート基1当量に対する、伸長剤+停止剤+架橋剤の合計の当量比は好ましくは0.1〜2.3当量、さらに好ましくは0.3〜1.7当量である。
ポリカルボン酸類としては、前述の(a311)に記載のものが挙げられる。これらのうちで好ましいものは、脂肪族ポリカルボン酸類(特にコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸)および芳香族ポリカルボン酸類(特にフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチルなど)である。
これらのポリカルボン酸類は1種または2種以上の混合物として使用することができる。
また、ポリエステル化反応工程中で架橋させる場合は、3官能以上のポリカルボン酸類(例えばトリメリット酸、ピロメリット酸など)を併用することができる。
低分子ポリオールとしては、前述の(a2)が挙げられる。好ましいものは2価アルコール、例えば脂肪族ジオール(特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール)、ビスフェノールAの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4)などである。
低分子ポリオール(特に脂肪族ジオール)にAO(特にPO)が付加したものである。
重合時のポリカルボン酸類とポリオール類の当量比はカルボン酸/水酸基の当量比で、好ましくは1/0.7〜1/1.1である。
重縮合後の酸価は好ましくは10以下である。
ポリカルボン酸類としては、前述の(a311)で記載されたポリカルボン酸類が挙げられる。これらのうちで好ましいのは、脂肪族ポリカルボン酸類(特に、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸)および芳香族ポリカルボン酸類(特にフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチルなど)である。
これらのポリカルボン酸類は1種または2種以上の混合物として使用することができる。
カルボン酸基とアミノ基を同一分子内にもつ化合物またはその無水物の具体例としては、ε−アミノウンデカン酸などの炭素数2〜30のアミノ酸類、ラウリルラクタム、エナントラクタム、ε−カプロラクタムなどの炭素数4〜10のラクタム類などがあげられる。
多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、またはホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリンおよびN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミンが挙げられる。さらに、本発明において前記芳香族系として、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマーおよびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。
多価アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、前記(a21)のポリグリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテルが挙げられる。
ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル体としては、前記(a311)のポリグリシジルエステル、例えばジグリシジルアジペート、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、前記(a22)のポリグリシジル化物、例えばN,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
重合後の架橋剤としては公知のものが使用でき、例えば樹脂中に官能基としてカルボキシル基が存在する場合はポリエポキシド[例えば前述のポリエポキシド、好ましくはビスフェノールAジグリシジルエーテル等の芳香族系、トリスグリシジルメラミン等の複素環系、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の脂環族系およびポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体等の脂肪族系]およびメラミン樹脂[トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、メトキシトリメチロールメラミンおよびこれらの混合物]等が挙げられる。
ポリマー(A)中の反応性官能基が水酸基の場合は、架橋剤としては、前述のポリカルボン酸類、ポリイソシアネート(a1)および上記メラミン樹脂等が挙げられる。反応性官能基がエポキシ基の場合は、前述のポリカルボン酸類などが挙げられる。
ポリマー(A)の架橋間分子量は膨張後の比重の観点から500以上が好ましく、さらに好ましくは1000以上であり、液保持性の観点から5000以下であることが好ましく、さらに好ましくは4000以下である。
架橋間分子量は例えば下記の式を用いることで算出できる。
架橋間分子量=ΣW/Σ[{W(f−2)}/M]
(Mはポリマー(A)を構成する各単量体成分の数平均分子量、Wはポリマー(A)を構成する各単量体成分の仕込み重量、fはポリマー(A)を構成する各単量体成分の官能基数)
上記貯蔵弾性率は動的粘弾性装置により測定することができる。
溶剤(B)はポリマー(A)を溶解せず、このためポリマー(A)と相分離し、熱膨張マイクロカプセルにおける中心(コア)を形成する。逆にポリマー(A)は熱膨張マイクロカプセルにおけるシェルを形成する。
ポリマー(A)と相分離させるため、本発明のポリマー(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値と記載する。)から溶剤(B)のSP値を差し引いた差が好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上である。
なお、SP値は、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
但しただし、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
この数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
(1)ポリマー(A)がポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂である場合において、溶剤(B)を含む(A)の前駆体(モノマー、オリゴマー等)、または溶剤(B)を含む(A)の前駆体の溶剤(X)溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化しても良い)中に下記の乳化剤を溶解させた後水を加えて転相乳化し、重合する方法。
(2)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成したポリマー(A)を溶剤(B)を含む溶剤(X)に溶解した樹脂溶液に貧溶剤(Y)を添加するか、又は該ポリマー(A)を溶剤(X)に溶解した樹脂溶液に溶剤(B)を含む貧溶剤(Y)を添加するか、又は該ポリマー(A)を溶剤(B)を含む溶剤(X)に溶解した樹脂溶液に溶剤(B)を含む貧溶剤(Y)を添加するか、又はあらかじめ溶剤(B)を含む溶剤(X)に加熱溶解したポリマー(A)溶液を冷却することによりポリマー(A)粒子を析出させて水中に分散させる方法。
(3)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成したポリマー(A)を溶剤(B)を含む溶剤(X)に溶解したポリマー(A)溶液を、下記の分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法。
(4)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成したポリマー(A)を溶剤(B)を含む溶剤(X)に溶解したポリマー(A)溶液中に下記の乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
上記の方法の中で、(3)の方法が最も好ましい。
具体例としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらのうち好ましくは芳香族炭化水素系溶剤の溶剤であり、さらに好ましくはトルエン、キシレンである。
具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらのうち好ましくは脂肪族炭化水素系溶剤の溶剤であり、さらに好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタンである。
[R−NH−(CH2)n−COO]mM[式中、Rは1価の炭化水素基;nは通常1または2;mは1または2;Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]具体的には、例えば、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど);アルキルアミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらのうち好ましいのはケトン系の溶剤であり、さらに好ましくはアセトン、メチルエチルケトンである。
また溶剤(U)の添加量はポリマー(A)の重量に対して0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5%である。
本発明の製法において、反応温度は通常0〜50℃、好ましくは20〜40℃である。
得られた微粒子を乾燥するには、循風乾燥機、スプレードライヤー、流動層式乾燥機等の公知の設備を用いて行うことができる。
熱膨張マイクロカプセルの耐熱性の指標としては、例えば以下に示される高温膨張性試験を用いて評価できる。高温膨張性試験は 熱膨張性マイクロカプセル10gを高温領域である220℃の循風乾燥機で15分間加熱処理し、得られた中空樹脂微粒子の真比重を測定する試験である。耐熱性が良好というのは、得られた中空樹脂微粒子の比重が好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.22以下、より好ましくは0.18以下であるものを言う。
比重変化率=200℃で加熱処理後の真比重/加熱処理前の真比重
(加熱処理とは循風乾燥機において所定の温度で1時間乾燥させることである。)
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
<Tg> ポリマー(A)のTgの測定は、180℃×10hrの加熱処理をし、完全に溶剤を揮発させた後、示差走査熱量計UV−DSC220C(セイコー(株)製)を用いて行った。
<体積平均粒径> 体積平均粒径の測定は、トルエンを溶媒にしてレーザー散乱式粒度分布測定装置例えばLA−920(堀場製作所(株)製)で行った。
<貯蔵弾性率> レオバイブロンDDV−25FP(エーアンドディー社製:動的粘弾性測定装置)を用い、引っ張りモード、加重50kgf、振動周波数10Hz、温度幅30〜200℃で、粘弾性スペクトルにおける180℃における貯蔵弾性率の値を測定する。
<架橋間分子量> 架橋間分子量は各成分の数平均分子量、仕込み重量、官能基数に対して、前記の式を用いて計算で算出した。
<真比重> 真比重の測定はルシャトリエ比重びん法(JISR5201)を用いて測定した。
ペンタン100部(溶剤(B−1):沸点36℃)、イソフタル酸クロリド100部、ヘキサメチレンジアミン80部、ジエチレントリアミン15部及びMEK120部を加えて溶解させ、これを油相とする。イオン交換水800部に乳化剤(キャリボンB(三洋化成品))10部を溶解させ、これを水相とする。水相と油相を混合し、ホモミキサーを用いて4000rpm×1分の条件で分散させる。油滴の体積平均粒径は20μmであった。この分散液を60℃の条件で10hr反応させる。反応終了後、得られた球状体の樹脂を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−1)280部を得た(体積平均粒径24.7μm、ポリマーTg:114.6℃、貯蔵弾性率:4.0×106(Pa)、架橋間分子量:3500)。また得られたポリマー(A−1)のSP値から溶剤(B−1)のSP値を差し引いた値は4.1であった。
ペンタン100部(溶剤(B−2):沸点36℃)、テレフタル酸クロリド100部、メタキシレンジアミン100部、及びMEK120部を加えて溶解させ、これを油相とする。イオン交換水800部に乳化剤(キャリボンB(三洋化成工業社製))10部を溶解させ、これを水相とする。水相と油相を混合し、ホモミキサーを用いて4000rpm×1分の条件で分散させる。油滴の体積平均粒径は20μmであった。この分散液を60℃の条件で10hr反応させる。反応終了後、得られた樹脂を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−2)を得た(体積平均粒径26.1μm、ポリマーTg:119.6℃、貯蔵弾性率:5.1×106(Pa)、架橋間分子量:2800)。また得られたポリマー(A−2)のSP値から溶剤(B−2)のSP値を差し引いた値は4.4であった。
ポリエチレンテレフタラート(数平均分子量2,000、酸価0.2)650部に、1,000部のトルエンを添加し、さらに142部のIPDIを添加し、トルエン還流下に120℃で5時間反応を行った(イソシアネート基含量3.2%)後、室温まで冷却し、25部のヘキサメチレンジアミン、及び20部のジエチレントリアミンを添加し60℃で5時間反応を行った後、トルエンを減圧下に留去し、両末端に水酸基を持ちウレタンおよびウレア結合を有するポリウレタン樹脂を得た。得られた樹脂400部、黄酸化鉄12部、n−ヘキサン(溶剤(B−3):沸点69℃)62部、酢酸エチル380部を混合し、あらかじめ作成したポリビニルアルコール0.5%水溶液2000部に滴下しながら分散した。得られた樹脂を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、、熱膨張性マイクロカプセル(C−3)を得た(体積平均粒径25.5μm、ポリマーTg:113.6℃、貯蔵弾性率:3.8×106(Pa)、架橋間分子量:3600)。また得られたポリマー(A−3)のSP値から溶剤(B−3)のSP値を差し引いた値は3.8であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド(EO)2モル付加物(三洋化成工業社製BPE−20T)450部に、テレフタル酸242部、無水トリメリト酸28部を添加し、さらに触媒としてジブチルチンオキサイド3部を添加し、230℃で10時間反応を行った(酸価0.5、数平均分子量5000)。これを150℃でバットに取り出し、室温まで冷却しポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂400部、n−ヘキサン(溶剤(B−4):沸点69℃)62部、酢酸エチル380部を混合し、これを油相とする。イオン交換水800部に乳化剤(キャリボンB(三洋化成工業社製))20部を溶解させ、これを水相とする。水相をTK式ホモミキサーで8,000rpmに撹拌しながら、油相を投入し3分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付の反応容器に移し、昇温して酢酸エチルを留去し、得られた樹脂分散液を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−4)を得た(体積平均粒径23.5μm、ポリマーTg:106.6℃、貯蔵弾性率:1.8×106(Pa)、架橋間分子量:4900)。また得られたポリマー(A−4)のSP値から溶剤(B−4)のSP値を差し引いた値は4.7であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、スチレン化フェノールポリエチレンオキサイド付加物(エレミノールHB−12、三洋化成工業社製)47部とビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート828、油化シェル社製)232部、さらにn−ヘキサン(溶剤(B−5):沸点69℃)23部を投入し均一に溶解させた。攪拌下で反応容器に水を滴下した。水を38部投入したところで、系が乳白色に乳化した。更に水を224部滴下し、乳濁液を得た。これを加熱して、系内温度70℃まで昇温した後、エチレンジアミンを20部を水446部に溶解した液を70℃を維持したまま2時間かけて滴下した。滴下後、70℃で5時間、90℃で5時間反応・熟成してエポキシ樹脂水性分散液を得た。ついでこの得られた樹脂分散液を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−5)を得た(体積平均粒径18.5μm、ポリマーTg:120.6℃、貯蔵弾性率:6.7×106(Pa)、架橋間分子量:2900)。また得られたポリマー(A−5)のSP値から溶剤(B−5)のSP値を差し引いた値は4.4であった。
上記で得られた熱膨張性マイクロカプセル(C−1〜C−5)100gを離型紙上に約100cm31の面積に拡げて180℃の循風乾燥機で15分間加熱処理することで、中空樹脂微粒子(D−1〜5)を得た。(D−1)の性状(体積平均粒径:64.5μm、真比重:0.05)、(D−2)の性状(体積平均粒径:77.2μm、真比重:0.04)、(D−3)の性状(体積平均粒径:62.5μm、真比重:0.07)、(D−4)の性状(体積平均粒径:58.5μm、真比重:0.15)、(D−5)の性状(体積平均粒径:51.5μm、真比重:0.13)
ペンタン(溶剤(B−1’):沸点36℃)100部、アジピン酸クロリド100部、ヘキサメチレンジアミン85部、ジエチレントリアミン10部及びMEK120部を加えて溶解させ、これを油相とする。イオン交換水800部に乳化剤(キャリボンB(三洋化成品))10部を溶解させ、これを水相とする。水相と油相を混合し、ホモミキサーを用いて4000rpm×1分の条件で分散させる。油滴の体積平均粒径は20μmであった。この分散液を60℃の条件で10hr反応させる。反応終了後、得られた樹脂を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−1’)を得た(体積平均粒径21.5μm、ポリマーTg:64.9℃、貯蔵弾性率:6.9×104(Pa)、架橋間分子量:2800)。また得られたポリマー(A−1’)のSP値から溶剤(B−1’)のSP値を差し引いた値は3.4であった。
ポリエチレンアジペート(数平均分子量2,000、酸価0.2)650部に、1,000部のトルエンを添加し、さらに142部のIPDIを添加し、トルエン還流下に120℃で5時間反応を行った(イソシアネート基含量3.2%)後、室温まで冷却し、25部のヘキサメチレンジアミン、及び20部のジエチレントリアミンを添加し60℃で5時間反応を行った後、トルエンを減圧下に留去し、両末端に水酸基を持ちウレタンおよびウレア結合を有するポリウレタン樹脂を得た。得られた樹脂400部、黄酸化鉄12部、n−ヘキサン(溶剤(B−2’):沸点69℃)62部、酢酸エチル380部を混合し、あらかじめ作成したポリビニルアルコール0.5%水溶液2000部に滴下しながら分散した。得られた樹脂を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−2’)を得た(体積平均粒径29.2μm、ポリマーTg:38.1℃)。また得られたポリマー(A−2’)と溶剤(B−2’)のSP値差は3.1であった。
アクリル樹脂熱膨張性マイクロカプセルとしてマツモトマイクロスフェアーM−610(松本油脂(株)社製)を用いた(C−3’)。(体積平均粒径20.2μm、ポリマーTg:96.8℃、貯蔵弾性率:6.6×104(Pa))
(1)水相の調整 イオン交換水340重量部にコロイダルシリカ20重量%水溶液25重量部、アジピン酸ージエタノールアミン縮合物10重量%水溶液10重量部、塩化ナトリウム110重量部を記載順に加え、均一に混合してこれを水相とする。
(2)油相の調整 アクリロニトリル80重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート0.8重量部、エチレングリコールジメタクリレート1.5重量部、メタクリル酸メチル20重量部、ペンタン(溶剤(B−4’):沸点36℃)25重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を混合して均一に溶解しこれを油相とする。
(3)懸濁液の調整と懸濁重合 調整した水相と油相を混合し、ホモミキサーで4000rpmにて1分間撹拌し、油相/水相の懸濁液を得る。この懸濁液をオートクレープに仕込み、0.3MPa、60℃にて20時間かけて重合を行った。
(4)得られた樹脂分散液を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−4’)を得た(体積平均粒径21.4μm、ポリマーTg:92.6℃、貯蔵弾性率:6.7×104(Pa)、架橋間分子量:3500)。また得られたポリマー(A−4’)と溶剤(B−4’)のSP値差は2.8であった。
(1)水相の調整 イオン交換水340重量部にコロイダルシリカ20重量%水溶液25重量部、アジピン酸ージエタノールアミン縮合物10重量%水溶液10重量部、塩化ナトリウム110重量部を記載順に加え、均一に混合してこれを水相とする。
(2)油相の調整 アクリロニトリル70重量部、N,N,ジメチルアクリルアミド18重量部、エチレングリコールジメタクリレート0.3重量部、メタクリル酸20重量部、ペンタン(溶剤(B−5’):沸点36℃)25重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を混合して均一に溶解しこれを油相とする。
(3)懸濁液の調整と懸濁重合 調整した水相と油相を混合し、ホモミキサーで4000rpmにて1分間撹拌し、油相/水相の懸濁液を得る。この懸濁液をオートクレープに仕込み、0.3MPa、60℃にて20時間かけて重合を行った。
(4)得られた樹脂分散液を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により解砕して篩い分け、熱膨張性マイクロカプセル(C−5’)を得た(体積平均粒径23.4μm、ポリマーTg:95.6℃、貯蔵弾性率:6.3×104(Pa)、架橋間分子量:3900)。また得られたポリマー(A−5’)と溶剤(B−5’)のSP値差は2.6であった。
上記で得られた熱膨張性マイクロカプセル(C−1’〜C−5’)100gを離型紙上に約100cm2の面積に拡げて180℃の循風乾燥機で15分間加熱処理することで、中空樹脂微粒子(D−1’〜D−5’)を得た。(D−1’)の性状(体積平均粒径:66.5μm、真比重:0.07)、(D−2’)の性状(体積平均粒径:71.2μm、真比重:0.06)、(D−3’)の性状(体積平均粒径:83.5μm、真比重:0.03)、(D−4’)の性状(体積平均粒径:75.5μm、真比重:0.03)、(D−5’)の性状(体積平均粒径:86.5μm、真比重:0.03)
熱膨張性マイクロカプセル10gを高温領域である220℃の循風乾燥機で15分間加熱処理し、得られた中空樹脂微粒子の真比重を測定する。本評価方法では、膨張性に不安定性を有するものは十分に膨張していない粒子を含むため比重値が高くなる。
中空樹脂微粒子を1g秤量し、これを循風乾燥機を用いて200℃で1hr加熱処理を行い、比重変化率を算出する。比重変化率は下記の定義に従い算出される。
比重変化率=200℃で加熱処理後の真比重/加熱処理前の真比重
本評価方法では、高温で体積収縮をおこすものは比重変化率が高い値を示す。
また中空樹脂粒子の利用分野としても高い耐熱性が要求される分野、例えば自動車に使用されるエンジニアリングプラスチック用の軽量化材、プリンターの定着ロール用断熱材等の用途で利用できる。
Claims (7)
- ガラス転移温度が75℃以上200℃以下であって、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であるポリマー(A)からなるシェルを有し、溶剤(B)を内包することを特徴とする熱膨張性マイクロカプセル(C)。
- 前記ポリマー(A)の180℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以上1×107Pa以下である請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル(C)。
- 前記ポリマー(A)がポリアミド樹脂である請求項1又は2記載の熱膨張性マイクロカプセル(C)。
- 前記溶剤(B)が前記ポリマー(A)を溶解せず沸点が0℃以上150℃以下である請求項1〜3いずれか記載の熱膨張性マイクロカプセル(C)。
- 前記熱膨張性マイクロカプセル(C)の体積平均粒径が0.5μm以上50μm以下である請求項1〜4いずれか記載の熱膨張性マイクロカプセル(C)。
- 前記ポリマー(A)の架橋間分子量が500以上5000以下である請求項1〜5いずれか記載の熱膨張性マイクロカプセル(C)。
- 請求項1〜6いずれか記載の熱膨張性マイクロカプセルを加熱膨張させてなる中空樹脂粒子(D)。
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