JPH0834873A - 微孔性ポリエチレンの二軸延伸フィルム、その製法お よびその用途 - Google Patents

微孔性ポリエチレンの二軸延伸フィルム、その製法お よびその用途

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JPH0834873A
JPH0834873A JP6249843A JP24984394A JPH0834873A JP H0834873 A JPH0834873 A JP H0834873A JP 6249843 A JP6249843 A JP 6249843A JP 24984394 A JP24984394 A JP 24984394A JP H0834873 A JPH0834873 A JP H0834873A
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polyethylene
film
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stretching
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JP6249843A
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Akinao Hashimoto
暁直 橋本
Kazuo Yagi
和雄 八木
Hitoshi Mantoku
均 萬徳
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分子量
ポリエチレンと、密度0.915ないし0.930g/
ccの低密度ポリエチレンおよび/または密度0.95
0ないし0.970g/ccの高密度ポリエチレンとを
含有する組成物からなる二軸延伸フィルムであって、そ
のフィルムが、特定の下記特性を有するものであるマイ
クロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸延伸
フィルム、およびその製法。 (a)平均細孔径、(b)空孔率、(c)引張強度、
(d)透過性遮断温度、(e)105℃での収縮率、お
よび(f)重量平均分子量/数平均分子量 【効果】 本願発明によって提供される二軸延伸フィル
ムは、引張強度および高温における寸法安定性に著しく
優れ、適度の透過性遮断温度を有するため、電池用セパ
レータとして好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微孔性ポリエチレンの二
軸延伸フイルムに関するものであって、より詳しくは、
特定の平均細孔径、空孔率および透過性遮断温度を有
し、引張強度、寸法安定性に優れたマイクロフィブリル
よりなる微孔性ポリエチレンの二軸延伸フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電池用セパレータとして、ポリプロピレ
ンの微孔性フィルムが使用されることは特公昭46−4
0119号公報に記載されているように、本出願前に知
られている。このフィルムはポリプロピレンが本来有す
る剛性に加えて、微孔構造が貫通孔であることからフィ
ルムに腰があり(剛性に優れる)、電池組立時の機械的
ストレスに対する抵抗性に優れ、セパレータ適性が良
く、使い易いとともに、製造時の不良率の少ないフィル
ムである。このポリプロピレン微孔性フィルムは電解液
と電解質を微孔中に含有した状態で常温付近では良好な
電気伝導性を示すが、高温領域では電気抵抗が増大する
特性を示すことが知られている。
【0003】この性質はセパレータとして用いた電池が
短絡等で異常電流が流れたときに、電池内部の熱抵抗に
より、温度が上昇する結果、更に内部抵抗が増大し、過
大電流が流れるのを阻止する機能が期待できるが、ポリ
プロピレンの場合、180℃以上でないとそのための十
分な内部抵抗の増大はないとされている。近年、電池の
高性能化が進むことにより、小さな容積の中に大エネル
ギーを貯蔵することになったこともあり、異常電流が流
れたときにその阻止機能を比較的低温領域においてセパ
レータにも求めることは安全性の観点から当然の成り行
きである。
【0004】そこで、このような機能(短絡時等の電流
遮断機能)を期待し、更にその強化と低温化を目的とし
た技術として、粘度平均分子量30万以下のポリエチレ
ンと粘度平均分子量100万以上のポリエチレンの混合
物を用いた微孔性フィルムからなる電池用セパレータが
提案されている(特開平2−21559号公報)。この
発明は、実施例によれば、粘度平均分子量20万の高密
度ポリエチレン17重量%と粘度平均分子量300万の
ポリエチレン83重量%との混合物(実施例1)、およ
び粘度平均分子量25万の低密度ポリエチレン17重量
%と粘度平均分子量300万のポリエチレン83重量%
とからなる混合物(実施例2)を一軸延伸することによ
って、厚さ25μm、気孔率80%のポリエチレン微孔
フィルムからなる電池用セパレータを作製している。
【0005】また、これの関連技術として、特開平3−
105851号公報には重量平均分子量が70万以上の
超高分子量ポリエチレンを1重量%以上含有し、重量平
均分子量/数平均分子量が10〜300のポリエチレン
組成物からなるリチウム電池用のセパレータが開示され
ている。この発明の実施例においては、前記高分子量ポ
リエチレンは、いずれも少量成分として使用されてお
り、ポリエチレンの全体量に対して、13.3重量%
(実施例1)の割合で用いられているにすぎない。この
発明におけるポリエチレン組成物は、重量平均分子量/
数平均分子量が10〜300と比較的広い分子量分布の
ものを使用しており、得られるセパレータは、強度は、
2.0Kg/10mm幅(厚みから換算すると、200
0Kg/cm2 )のものが得られている。
【0006】更に特開平5−25305号公報には、重
量平均分子量70万以上の超高分子量ポリエチレンの1
〜69重量%と高密度ポリエチレンの98〜1重量%と
低密度ポリエチレンの1〜30重量%を含有する成分の
重量平均分子量/数平均分子量が10〜300である組
成物、あるいは、前記超高分子量ポリエチレン30ない
し90重量%と、低密度ポリエチレンからなる組成物を
二軸延伸して得られた電池用セパレータ用途を目的とし
たポリエチレン微多孔膜の技術が開示されている。この
発明においても、実施例に示されたセパレータの特性
は、引張破断強度が、3成分系での最大値がMD方向で
920Kg/cm2 、TD方向で720Kg/cm2
2成分系での最大値が両方向ともに720Kg/cm2
である。
【0007】一般に、ポリエチレン成形物の場合、原料
ポリエチレンの分子量分布を広くしたときの利点とし
て、1)溶融/溶液時の流動性が良くなるため、成形性
が向上する。従って、溶液や可塑剤との共存下で成形を
行うときは、ポリエチレン濃度を上げることができる。
また2)示差走査熱量計(DSC)で観察する融点ピー
クはブロードとなり、軟化点が低下するため、セパレー
タに電流遮断機能を強化するには都合が良い。しかしな
がら、その反面、分子量分布を広げた時の欠点として、
一般的に、1)分子鎖長が不揃いであるために、機械強
度が低下する。また、2)延伸物の場合、同様に分子鎖
長が不揃いであるために、機械設定延伸倍率で、それぞ
れの分子が受ける効果が様々であり、歪み履歴が残るた
めか、100℃程度の高温での収縮率が大きいという欠
点を有し、またその収縮の度合いが均一でない。
【0008】すなわち、これらのフィルムは、従来用い
られていたポリエチレン製微孔性フィルムと比較する
と、引張強度がまだ充分ではなく、電池組立時に正負両
極間に配置して渦巻状に巻回する際、あるいは、渦巻状
物を電池ケースに収納する際に破れたり、避けたりする
という問題点や、一旦、電池に組み立てた後で、比較的
低い温度(例えば130℃)での電流遮断機能を付与す
ることには成功しているが、収縮率が大きく、このた
め、電極端部が露出し、ショートを起こすような問題点
を有している。従って、広い分子量分布のポリエチレン
を原料とした場合には、引張強度と収縮率を両方兼ね備
えることは出来ないのが実状である。
【0009】さらに、これらの先行技術の基本的な考え
方は、主要部分の汎用分子量の高密度ポリエチレンもし
くは低密度ポリエチレン成分で、電流遮断温度の低温化
を計り、さらに少量の超高分子量ポリエチレンを加える
ことで、二軸延伸特性を付与し、同時に、フィルム強度
を確保するものである。したがって、通常、セパレータ
の電気抵抗の増大は微孔構造が閉塞する過程で起こると
されているから、この現象はポリエチレンであれば、昇
温過程で徐々に起こり、原料の広分子量分布化で、閉塞
温度の低温化で追求することは、結果として、例えば1
00℃程度の実用領域での内部抵抗も増加させ、すなわ
ち実用領域での電池性能の低下は避けられないことにな
る。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】そこで、本発明の
目的は、引張強度に優れるとともに、高温での寸法安定
性に優れた、マイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエ
チレンの二軸延伸フィルムおよびその製造法を提供する
ことにある。さらに本発明の他の目的は、前記方法によ
って得られる、電流遮断機能に優れると共に、機械的ス
トレスに対する抵抗が十分であるため、正負両極間に配
置して渦巻状に巻回する際、あるいは渦巻状物を電池ケ
ースに収納する際に破れたり、裂けたりすることが著し
く改善され、電池組立装置の各種接触部材に対する摺動
性にすぐれた電池用セパレータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであって、特定のポリエチ
レン系組成物からなり、かつ、平均細孔径、空孔率、引
張強度、透過性遮断温度および105℃での収縮率を規
定したマイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレン
二軸延伸フィルムに重要な技術的特徴を有するものであ
る。
【0012】すなわち、本発明によれば、極限粘度
[η]が5dl/g以上の高分子量ポリエチレン(A
1)70ないし90重量%と、密度0.915ないし
0.930g/ccの低密度ポリエチレン(A2)30
ないし10重量%とを含有する組成物(AA)からなる
重量平均分子量/数平均分子量が15以下である二軸延
伸フィルムであって、そのフィルムの物性が、(a)平
均細孔径が0.01ないし0.5μmであり、(b)空
孔率が30ないし70%であり、(c)引張強度が90
0Kg/cm2 以上であり、(d)透過性遮断温度が1
55℃以下であり、(e)105℃での収縮率が5%以
下である、ことを特徴とするマイクロフィブリルよりな
る微孔性ポリエチレンの二軸延伸フィルムが提供され
る。
【0013】このフィルムは、(1)極限粘度[η]が
5dl/g以上の高分子量ポリエチレン(A1)70な
いし90重量%と、密度0.915ないし0.930g
/ccの低密度ポリエチレン(A2)30ないし10重
量%とを含有する組成物(AA)、及び該組成物と均一
な混合物を作り得る室温固体の炭化水素系可塑剤(B)
からなる混合物を溶融混練し、さらに冷却固化してシー
トを作成し、該シートを二軸延伸するに当たって、
(2)該炭化水素系可塑剤(B)を溶解しうる溶剤
(C)を用いて、80℃以下の温度で、延伸に先立っ
て、全量もしくは一部の該炭化水素系可塑剤(B)を抽
出除去するか、延伸過程で全量もしくは一部の該炭化水
素系可塑剤(B)を抽出除去するか、延伸終了時に一括
して全量か、もしくは残存する一部の該炭化水素系可塑
剤(B)の全量を抽出除去し、(3)その時の、延伸操
作が135℃未満の温度で縦横方向ともに3倍以上行う
ことによって好適に製造することができる。
【0014】また、本発明によれば、極限粘度[η]が
5dl/g以上の高分子量ポリエチレン(A1)70な
いし90重量%と、密度0.950ないし0.970g
/ccの高密度ポリエチレン(A3)30ないし10重
量%とを含有する組成物(AB)からなる、重量平均分
子量/数平均分子量が15以下である二軸延伸フィルム
であって、そのフィルムの物性が、(a)平均細孔径が
0.01ないし0.5μmであり、(b)空孔率が30
ないし70%であり、(c)引張強度が900Kg/c
2 以上であり、(d)透過性遮断温度が155℃以下
であり、(e)105℃での収縮率が5%以下である、
ことを特徴とするマイクロフィブリルよりなる微孔性ポ
リエチレンの二軸延伸フィルムが提供される。
【0015】このフィルムは、表面静摩擦係数が0.5
以下であることが好ましく、極限粘度[η]が5dl/
g以上の高分子量ポリエチレン(A1)70ないし90
重量%と、密度0.950ないし0.970g/ccの
高密度ポリエチレン(A3)30ないし10重量%とを
含有する組成物(AB)、及び該組成物と均一な混合物
を作り得る室温固体の炭化水素系可塑剤(B)からなる
混合物を溶融混練し、さらに冷却固化してシートを作成
し、該シートを二軸延伸するに当たって、(2)該炭化
水素系可塑剤(B)を溶解しうる溶剤(C)を用いて、
80℃以下の温度で、延伸に先立って、全量もしくは一
部の該炭化水素系可塑剤(B)を抽出除去するか、延伸
過程で全量もしくは一部の該炭化水素系可塑剤(B)を
抽出除去するか、延伸終了時に一括して全量か、もしく
は残存する一部の該炭化水素系可塑剤(B)の全量を抽
出除去し、(3)その時の、延伸操作が135℃未満の
温度で縦横方向ともに3倍以上行うことによって好適に
製造することができる。
【0016】さらに、本発明によれば、極限粘度[η]
が5dl/g以上の高分子量ポリエチレン(A1)60
ないし90重量%と、密度0.915ないし0.930
g/ccの低密度ポリエチレン(A2)25ないし9重
量%、および密度0.950ないし0.970g/cm
2 の高密度ポリエチレン(A3)15ないし1重量%と
を含有する組成物(AC)からなる、重量平均分子量/
数平均分子量が15以下である二軸延伸フィルムであっ
て、そのフィルムの物性が、(a)平均細孔径が0.0
1ないし0.5μmであり、(b)空孔率が30ないし
70%であり、(c)引張強度が900Kg/cm2
上であり、(d)透過性遮断温度が155℃以下であ
り、(e)105℃での収縮率が5%以下である、こと
を特徴とするマイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエ
チレンの二軸延伸フィルムが提供される。
【0017】このフィルムも表面静摩擦係数が0.5以
下であることが好ましく、極限粘度[η]が5dl/g
以上の高分子量ポリエチレン(A1)60ないし90重
量%と、密度0.915ないし0.930g/cm3
低密度ポリエチレン(A2)25ないし9重量%、およ
び密度0.950ないし0.970g/ccの高密度ポ
リエチレン(A3)15ないし1重量%とを含有する組
成物(AC)、及び該組成物と均一な混合物を作り得る
室温固体の炭化水素系可塑剤(B)からなる混合物を溶
融混練し、さらに冷却固化してシートを作成し、該シー
トを二軸延伸するに当たって、(2)該炭化水素系可塑
剤(B)を溶解しうる溶剤(C)を用いて、80℃以下
の温度で、延伸に先立って、全量もしくは一部の該炭化
水素系可塑剤(B)を抽出除去するか、延伸過程で全量
もしくは一部の該炭化水素系可塑剤(B)を抽出除去す
るか、延伸終了時に一括して全量か、もしくは残存する
一部の該炭化水素系可塑剤(B)の全量を抽出除去し、
(3)その時の、延伸操作が135℃未満の温度で縦横
方向ともに3倍以上行うことによって好適に製造するこ
とができる。
【0018】さらに、本発明によれば、上記マイクロフ
ィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸延伸フィル
ムからなる引張強度等の特性に優れた電池用セパレータ
が提供される。
【0019】本発明で用いる極限粘度[η]が5dl/
g以上の原料高分子量ポリエチレンとしては、重量平均
分子量/数平均分子量が10以下であるポリエチレンが
好ましい。また、上記フィルムは、フィルムのガーレー
秒数が50ないし1000sec/100ccおよび/
または突き刺し強度が500g以上であることが、特に
優れた前記特性を発揮し得るものである。
【0020】
【発明の具体的説明】本願の第1番目の発明は、極限粘
度[η]が5dl/g以上の高分子量ポリエチレン70
ないし90重量%、好ましくは75ないし85重量%
と、密度0.915ないし0.930g/ccの低密度
ポリエチレン30ないし10重量%、好ましくは25な
いし15重量%とを含有する組成物からなる、重量平均
分子量/数平均分子量が15以下、好ましくは10以下
の二軸延伸フィルムであって、その物性が、(a)平均
細孔径が0.01ないし0.5μm、好ましくは0.0
5ないし0.2μmであり、(b)空孔率が30ないし
70%、好ましくは35ないし60%であり、(c)引
張強度が900Kg/cm2 以上、好ましくは1000
Kg/cm2 以上であり、(d)透過性遮断温度が15
5℃以下、好ましくは150℃以下あり、更に好ましく
は145℃以下であり、(e)105℃での収縮率が5
%以下、好ましくは3%以下である、ことを特徴とする
マイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸
延伸フィルムであることによって特徴付けられる。
【0021】本発明によって提供される二軸延伸フィル
ムは、引張強度が著しく大きく、さらに寸法安定性、特
に高温(105℃)での寸法安定性が優れていることが
重要な特徴である。このような優れた物性を有する二軸
延伸フィルムは、電池用セパレータ、特にリチウムイオ
ン二次電池用セパレータとしての用途に好適である。す
なわち、リチウムイオン二次電池用セパレータに求めら
れる物性としては、強度が大きく、大電流が流れた時の
電流遮断温度がある程度低いこと、また高温寸法安定性
に優れていることが必要であり、本発明の二軸延伸フィ
ルムは、これらの要望特性をことごとく満足するもので
ある。
【0022】これに対して、フィルムの強度が小さい
と、電池組立時の作業中に破損して生産性が悪くなり、
また、大電流が流れた時に電流が遮断されないと、リチ
ウム電池の場合は180℃程度でリチウム電極が溶解し
て発火してしまうし、さらに、105℃程度の温度でフ
ィルムが収縮してしまうと、電極両端部が露出してしま
うため、正極と負極が短絡する虞があり、電池の安全性
の点で問題がある。
【0023】本願の第2番目の発明は、極限粘度[η]
が5dl/g以上の高分子量ポリエチレン70ないし9
0重量%、好ましくは75ないし85重量%と、密度
0.950ないし0.970g/ccの高密度ポリエチ
レン30ないし10重量%、好ましくは25ないし15
重量%とを含有する組成物からなる、重量平均分子量/
数平均分子量が15以下、好ましくは10以下の二軸延
伸フィルムであって、その物性が、(a)平均細孔径が
0.01ないし0.5μm、好ましくは0.05ないし
0.2μmであり、(b)空孔率が30ないし70%、
好ましくは35ないし60%であり、(c)引張強度が
900Kg/cm2 以上、好ましくは1000Kg/c
2 以上、更に好ましくは1300Kg/cm2 以上で
あり、(d)透過性遮断温度が155℃以下、好ましく
は150℃以下あり、(e)105℃での収縮率が5%
以下、好ましくは3%以下であり、(f)フィルム表面
の静摩擦係数が0.5以下である、ことを特徴とするマ
イクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸延
伸フィルムであることによって特徴付けられる。
【0024】この発明によって提供される二軸延伸フィ
ルムは、前記第1番目の発明と同様に、引張強度が大き
く、高温(105℃)における寸法安定性が優れてい
る。またフィルム表面の静摩擦係数が小さいために金属
等の機械部材との摺動性に優れる。このような優れた物
性を有する二軸延伸フィルムは、電池用セパレータ、特
にリチウムイオン二次電池用セパレータとしての用途に
好適である。
【0025】本願の第3番目の発明は、極限粘度[η]
が5dl/gの高分子量ポリエチレン60ないし90重
量%、好ましくは70ないし90重量%と、密度0.9
15ないし0.930g/ccの低密度ポリエチレン2
5ないし9重量%、好ましくは15ないし9重量%、お
よび密度0.950ないし0.970g/ccの高密度
ポリエチレン15ないし1重量%、好ましくは15ない
し1重量%とを含有する組成物からなる、重量平均分子
量/数平均分子量が15以下、好ましくは10以下の二
軸延伸フィルムであって、その物性が、(a)平均細孔
径が0.01ないし0.5μm、好ましくは0.05な
いし0.2μmであり、(b)空孔率が30ないし70
%、好ましくは35ないし60%であり、(c)引張強
度が900Kg/cm2 以上、好ましくは1100Kg
/cm2 以上、更に好ましくは1300Kg/cm2
上であり、(d)透過性遮断温度が155℃以下、好ま
しくは150℃以下あり、(e)105℃での収縮率が
5%以下、好ましくは3%以下であり、(f)フィルム
表面の静摩擦係数が0.5以下である、ことを特徴とす
るマイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二
軸延伸フィルムであることによって特徴付けられる。
【0026】この発明によって提供される微孔性二軸延
伸フィルムも、前記第1及び第2番目の発明と同様に、
引張強度が大きく、高温における寸法安定性が優れてい
る。またフィルム表面の静摩擦係数が小さいために金属
等の機械部材との摺動性に優れる。従って、このフィル
ムも、電池用セパレータ、特にリチウムイオン二次電池
用セパレータとして好ましく用いられる。
【0027】本発明の第1ないし第3番目の発明の二軸
延伸フィルムは、前記特性に加えて、ガーレー秒数が5
0ないし1000秒/100cc、好ましくは100な
いし250秒/100ccであること、および/また
は、突き刺し強度が500g以上、好ましくは600g
以上である特性を有するものであることが好ましい。
【0028】前記第1ないし第3番目の発明において用
いられる極限粘度[η]が5dl/gの高分子量ポリエ
チレンの分子量分布、すなわち、重量平均分子量/数平
均分子量は10以下が好ましく、更に好ましくは6以下
である。原料高分子量ポリエチレン(A1)の分子量分
布が10を超えるときには、引張強度や突き刺し強度な
どの機械強度が低下するし、100℃程度の高温での収
縮率が許容できない範囲で大きくなる。また、低密度ポ
リエチレン(A2)や高密度ポリエチレン(A3)を添
加して、電流遮断特性を改善するための添加量も制限さ
れる。
【0029】本発明における前記特性は、下記の方法に
よって測定されたものである。
【0030】〈極限粘度〉本明細書中での極限粘度はデ
カリン溶媒にて135℃で測定する値である。測定法は
ASTM D4020に基づいて行う。
【0031】〈膜厚の測定〉東京精密株式会社製膜厚測
定機ミニアックス(型式DH−150型)にて測定し
た。
【0032】〈平均細孔径〉走査型電子顕微鏡による1
0,000倍程度の拡大倍率で観察することにより求め
る。
【0033】〈空孔率〉試料重量を測定し、フィルムの
密度を0.95g/ccとして、緻密フィルムとしての
厚みを計算で求め、上述の膜厚測定機による値との関係
で求めた。 ここで、TO は膜厚測定機で求めた実際のフィルムの厚
み、そして、TW は重量から計算した空孔率0%のフィ
ルムの厚みである。
【0034】〈引張強度〉オリエンテック社製引張試験
機テンシロン(型式RTM100型)で室温(23℃)
で行った。試料形状はJIS1号ダンベルであり、クラ
ンプ間距離は80mmで引張速度は20mm/分であ
る。本発明に規定する引張強度は、フィルムの全方向に
わたって前述した値を保持されなければならない。
【0035】〈フィルムの体積電気抵抗率と透過性遮断
温度〉予め、乾燥窒素雰囲気下(水分量50ppm以
下)で無水過塩素酸リチウムの1mole/リットルの
溶液をモレキュラーシーブ(和光純薬製:4A)で脱水
処理した炭酸プロピレンを溶媒として調製した。この溶
液を、減圧操作を利用して、フィルムに含浸した。この
フィルムをニッケル電極に挟み、昇温下でインピーダン
スメーター(三田無線研究所製:モデルD−52S)で
フィルムの体積電気抵抗率を測定した。装置及び測定法
はラマンらの報告(F. C. Laman et al.,J. Electrochm
e. Soc., Vol.140, 51-53 (1993) )に基づいた。常温
(23℃)での体積抵抗率をフィルムの体積電気抵抗率
とした。
【0036】また、等速昇温下(6℃/分)で体積電気
抵抗率を測定したときその値が急激に増大した温度を透
過性遮断温度とした。具体的な透過性遮断温度の求め方
としては、グラフの縦軸に体積電気抵抗率の対数を、横
軸に温度を取り、得られたデータをプロットしたとき
に、その体積電気抵抗率が1000Ωcm2/枚となる点で
接線を引き、横軸温度軸との交点を透気性遮断温度とす
る。体積電気抵抗率は電極の材質、形状、構造、電解液
・電解質の種類によって異なるが、本方法での測定値で
は80Ωcm2 /枚であれば、電池のセパレータ適性を有
すると考えられる。
【0037】〈105℃での熱収縮率〉フィルムのMD
方向(機械軸方向)とTD方向(機械軸を横断する軸方
向)が四辺に平行になるように、5cm×5cmの試料
を切出す。針金の先端に試料の対角線の交点を接着剤
(ボンドアロンアルファ:東亜合成化学製)で固定す
る。針金を支持し、105℃に調整したエアーオーブン
中に5分間放置する。この後室温に戻して、四辺の長さ
を測定して、元の長さとの比をとることにより、MD方
向、TD方向それぞれの熱収縮率を算出する。
【0038】〈分子量分布〉ウォーターズ社製GPC装
置(型番:150C)を用いて、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー法で求めた。溶媒にo−ジクロルベ
ンゼンを使用し、東ソー(株)製カラム(GMH−6)
で温度135℃で測定した。そのときの条件は流量1.
0mで試料の調製濃度は約0.05%であった。分子量
の換算はポリスチレン標準試料を用いて行った。分子量
分布は本方法で求めることの出来る、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の
値を用いた。
【0039】〈透気性の測定(ガーレー試験)〉AST
M D726に準じ、フィルムを標準ガーレーデンソメ
ーター(GurleyDensometer:東洋精機製作所製B型ガー
レーデンソメーター)により測定した。
【0040】〈突き刺し強度〉オリエンテック社製テン
シロン引張試験機(型式RMT100型)を用い、23
℃にて、クロスヘッドスピード100mm/分で測定し
た。突き刺し用の針は針先端が0.5mmRである、直
径1mmの針を用いて行った。突き刺し強度は針がフィ
ルムを突き破る時の力をもって、その値とした。この時
の突き刺し力は当然のことながら、フィルムのポリエチ
レンの真の厚みに依存する。そのために得られた結果
は、ポリエチレンの真の厚み12.5μm相当に換算し
た。すなわち、一定面積のフィルムの重量を測定し、ポ
リエチレンの緻密膜としての厚み(真の厚み)をポリエ
チレン密度から計算し、結果を比例計算で12.5μm
厚みに相当するように標準化した。
【0041】〈メルトフローレート:MFR〉ASTM
D1238に記載された方法で、ポリエチレンに相当
する方法で原料ポリエチレンを用いて求めた。
【0042】〈フィルムの静摩擦係数の測定〉二枚のフ
ィルムの接触面に生じる摩擦力と接触面に垂直に働く力
との比を摩擦係数とし、二枚のフィルムが相対運動を開
始するときの摩擦係数を静摩擦係数として求めた。測定
条件は接触面形状が12×12cm、荷重が200g、
フィルムの相対移動速度200mm/minであった。
【0043】[本発明の微孔性ポリエチレン二軸延伸フ
ィルムの構造に関する説明]本発明の微孔性ポリエチレ
ン二軸延伸フィルムのフィルム厚は、前述の方法で測定
して、10ないし100μm、好ましくは10ないし5
0μm、更に好ましくは10ないし30μmである。本
発明の微孔性ポリエチレン二軸延伸フィルムは、フィル
ム厚みや製法により異なるが、半透明白色かもしくは不
透明で光沢のある白色を呈している。走査型電子顕微鏡
によると、マイクロフィブリルを構成単位とする、均一
網目構造や一部マイクロフィブリルが凝集して、フィブ
リルを形成しているために広葉樹の葉を薬液処理して得
られる葉脈状の網目構造が観察される。
【0044】フィルムの厚さは用途によって適宜選択さ
れ得るが、セパレータとして用いる場合は、通常50μ
m以下、好ましくは25ないし5μmの範囲である。詳
しいフィルムの製法については後述するが、おおむね延
伸に先立って、一部もしくは全部の炭化水素系可塑剤
(B)を抽出除去した場合には、葉脈状網目構造になる
傾向があり、延伸後に炭化水素系可塑剤(B)の抽出除
去を行った場合には、均一網目構造になる傾向がある。
どちらのフィルムが電池セパレータ用途に適するかは用
いられる電池の種類、サイズ、設計の違いによって異な
り、一概にどちらが良いかはいえない。
【0045】ポリエチレンの一軸延伸物は、分子鎖を最
小単位として結晶と非結晶から構成される、マイクロフ
ィブリルとその集合体であるフィブリルとから構成され
ていることは、ピーターリン(A. Peterlin, Colloid a
nd Polymer Science, Vol.253, page 809-823(1975) )
によって明らかにされている。マイクロフィブリルは1
00ないし300オングストローム(0.01ないし
0.03μm)程度の幅を持った繊維状の組織であり、
フイブリルは、マイクロフィブリルが集合して構成され
る、幅1000ないし3000オングストローム(0.
1ないし0.3μm)のさらに大きな繊維状組織であ
る。
【0046】すなわち、本発明によるフィルムは、葉脈
状網目構造の場合、フィブリルが円弧状の主骨格すなわ
ち中央脈を形成し、その開口部の中をさらにマイクロフ
ィブリル網目状に脈を形成していることがわかってい
る。フイブリルより形成される円弧状の開口の径は約3
ないし10μmである。また、その開口部の中のマイク
ロフィブリルよりなる網目状の組織の発達が不十分の場
合には、フィブリルより形成される開孔が平均細孔径と
なる。この場合、フィルムは電池セパレータとして用い
たときに、電極からの脱落活物質の通過を許すために、
不適当である。
【0047】本発明の二軸延伸フイルムは、均一網目構
造の場合、マイクロフイブリルのみによって構成され
る、極めて微細な紙漉き状の組織である。
【0048】平均細孔径は細孔径分布によって、多少の
ずれはでるが、電子顕微鏡写真より求めた。バブルポイ
ント法による平均細孔径の測定も提案されている。本発
明によって得られるフィルムは、葉脈状の構造部分のほ
とんどは0.01ないし0.3μmの範囲にあることが
特徴として挙げられる。
【0049】本発明の微孔性ポリエチレン二軸延伸フィ
ルムは、30ないし70%、好ましくは35ないし60
%の空孔率をもつ。空孔率は、フィルムの実際の厚み
(引張特性の算出で用いている厚み)をひいて、これを
さらに、フィルムの実際の厚みで割ることにより求めた
ものであり、表裏に貫通する孔ばかりでなく、フィルム
内部に存在する空孔をも含めた空孔率を意味する。電池
のセパレータとしては引張強度、透過性遮断温度、10
5℃での収縮率、突き刺し強度そして静摩擦係数が好ま
しい範囲に満たされれば、空孔率は大きい方が良いが、
引張強度や突き刺し強度とは逆相関の関係にあるため上
述の範囲に保たれるべきである。
【0050】本発明によって提供されるポリエチレン二
軸延伸フィルムは、微孔性であり、良好な透気性を有す
るものである。透気性の程度はガーレー秒数で表され
る。透気性はガーレイ(Gurley)試験により、すなわち、
ASTM D726に準拠して、1平方インチの面積を
有するフィルムを標準ガーレイ・デンソメーター(denso
meter)に装着することにより測定される。すなわち、フ
イルムに水12.2インチの標準差圧(フィルムを通る
圧力低下)をかけ、空気100cm3 がフィルムを通過
するのに要する時間(秒)が透気性の尺度である。約3
000秒以上のガーレー秒が目詰まりの目安である。本
発明によって提供されるポリエチン二軸延伸フイルムの
ガーレー秒は、50ないし1000秒の範囲にあり、好
適には100ないし250秒の範囲である。本願明細書
で用いるガーレー秒は、B型ガーレー型デンソメーター
(東洋精機製作所製)で求めた値である
【0051】[本発明の微孔性ポリエチレン二軸延伸フ
ィルムの物性に関する説明]本発明の微孔性ポリエチレ
ン二軸延伸フィルムの引張強度は、900Kg/cm2
以上、好ましくは1000Kg/cm2 以上、更に好ま
しくは1300Kg/cm2 以上である。フィルムの引
張強度は、特にセパレータと電極を渦巻き状に巻き回し
てなる電池の場合、フィルムに高張力をかけて巻くため
に、上述の値が確保されねばならない。従って、この引
張強度は少なくともフィルムの機械方向(長手方向)で
保持されていなければならない。
【0052】本発明のフィルムの突き刺し強度は、50
0g以上が確保されなければならない。上述のように電
極とセパレータを巻き回してなる電池の場合、電極より
活物質の粒子(粒径:数10ないし数100μm)が往
々にして脱落する場合がある。従って、巻き回す際に層
間のこのような突起物による突き刺しに耐えなければな
らないし、また金属リチウム、金属亜鉛を正極材料とし
て用いる二次電池の場合、充放電の繰り返しの結果、正
極に生成する針状結晶の突き刺しに耐えなければならな
いので、上述の強度が確保されなければならない。フィ
ルムの突き刺し強度の確保はフィルムの厚みが大きいと
きが有利であるが、本発明のフィルムにおいては主要目
的がセパレータに供するためであるため、10ないし1
00μm、好ましくは、10ないし50μm、更に好ま
しくは10ないし30μmのフィルム厚さで上述の突き
刺し強度が確保されなければならない。
【0053】本発明のフィルムの透気性遮断温度は前述
の測定法で求めることができる。本発明のフィルムの透
気性遮断温度は155℃以下であり、好ましくは150
℃以下である。フィルムの透気性遮断温度が155℃を
上回る場合には、過充電電池の短絡テストではフィルム
の破膜温度を高くしても、155℃を上回る温度でフィ
ルムが透気性を遮断して、電池機能を停止させたとして
も、電池温度は大きくオーバーシュートするために、フ
ィルムの破膜温度を上回り、電池は不安全な状態にな
る。
【0054】120℃でヒートセット処理した後のフィ
ルムの105℃での収縮率は少なくともTD方向で5%
以内であり、好ましくは全方向で5%以内、更に好まし
くは、全方向で3%以内である。ヒートセットは全方向
で寸法を固定して行うか、少なくとも一軸方向(一般的
にはTD方向)で10%以内で収縮させながら行う。ヒ
ートセットを行う時間はフィルム自体の温度が120℃
となってから2秒以上30秒以下の温度で行うのが好ま
しい。斯くして、ヒートセット処理を行ったフィルムは
前述の測定法で105℃の収縮率を測定する。
【0055】フィルムの使用方法によっては、フィルム
の静摩擦係数は0.5以下が好ましく、特に好ましくは
0.4以下である。0.5以下の静摩擦係数のフィルム
はすべり性が良好で、電池組立時に金属等の摺動部品と
の間ですべりがよく、作業性がよい。フィルム表面の静
摩擦係数は原料の高分子量ポリエチレンの分子量分布が
広かったり、低密度ポリエチレン成分が組成中に存在す
るときに高くなる。すなわち、分子量分布が所望量より
広いときには、低分子量成分がフィルム表面に存在する
ために静摩擦係数が高くなると考えられる。また逆に高
密度ポリエチレンを添加した場合には高密度成分がフィ
ルム表面に存在するためにフィルム静摩擦係数が低下す
ると考えられる。また低密度ポリエチレンを添加した場
合、低密度の柔らかい成分が表面に存在するために、フ
ィルムの静摩擦係数は高くなる。
【0056】フィルムの分子量分布は、重量平均分子量
と数平均分子量との比、すなわち重量平均分子量/数平
均分子量が15以下でなければならない。また同値の好
ましい範囲は10以下である。重量平均分子量/数平均
分子量が15以上の場合には、比較的低分子量のポリエ
チレンの存在により、透気性の遮断現象が低温度(10
5℃)で起こるために電池のサービス温度が狭くなり、
電池として好ましいものではなく、これに加え、上述し
たようにフィルムの静摩擦係数も大きくなり、電池組立
時の作業性に劣り、好ましくない。
【0057】フィルムの体積電気抵抗率は前述のフィル
ムの透気性遮断温度の測定時に副次的に測定される。本
発明で提供されるフィルムの体積電気抵抗率は、80Ω
cm2/枚、好ましくは60Ωcm2/枚、更に好ましくは50
cm2/枚であり、80Ωcm2/枚以上の場合には、電池の低
温特性が損なわれるし、電池の放電開始直後の瞬間的な
電圧降下が大きく、セパレータとしては好ましくない。
【0058】原料 本発明の微孔性ポリエチレン二軸延伸フイルムは、前述
したように、デカリン溶媒135℃における極限粘度
[η]が5dl/g以上、好ましくは10ないし30d
l/gの範囲の高分子量ポリエチレン(A1)と、密度
0.915ないし0.930g/ccの低密度ポリエチ
レン(A2)および/または密度0.950ないし0.
970g/ccの高密度ポリエチレン(A3)との組成
物(A)から得られるものである。
【0059】原料高分子量ポリエチレン(A)の極限粘
度[η]の上限は特には限定されないが、30dl/g
を超えるものは、詳しくは後述する炭化水素系可塑剤
(B)を添加しても、均一な混合物をつくるのが難しい
ばかりでなく、溶融粘度が高くなり、成形性に劣ること
となる。また極限粘度[η]の下限は5dl/gであ
る。極限粘度[η]が5dl/gを下回ると、フィルム
の延伸性が乏しく、必要な引張強度や突き刺し強度が確
保されない虞がある。このような高分子量ポリエチレン
としては、エチレンや、エチレンと小量のα−オレフィ
ンをいわゆるチーグラー触媒により重合して得られるポ
リエチレンの中で分子量の高い範疇のものである。共重
合の場合に用いられるα−オレフィンとは、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン等で、その炭素数が
3ないし9個の範囲にあるものであり、その含有量は5
重量%以下が好ましい。またα−オレフィンの中ではプ
ロピレン、1−ブテンが好ましい。
【0060】低密度ポリエチレン(A2)とは、高圧重
合法によって、製造されるポリエチレンであって、密度
が0.915g/ccから0.930g/ccの範囲の
ものである。メルトフローレート(MFR:g/10m
in)の範囲は0.1から50である。このような低密
度ポリエチレンは、エチレン単独、もしくはエチレンと
他のビニルモノマーを重合したものである。他のビニル
モノマーの代表例は酢酸ビニルであり、その含有量は最
大で5重量%である。低密度ポリエチレンの分子量分布
(Mw/Mn)は本発明で用いる高分子量ポリエチレン
と異なって、特に制限はないが、調製するフィルムの分
子量分布が15を越えないことが本発明の必須要件であ
ることから、分子量と分子量分布によって、その添加量
はおのずと制限される。低密度ポリエチレンとして、低
圧重合法で製造される、線状低密度ポリエチレンが知ら
れるが、これは本発明の低密度ポリエチレンからは除外
される。
【0061】高密度ポリエチレン(A3)とは、チーグ
ラー系の触媒を用いて、低圧重合法で製造した、密度で
0.950g/ccから0.980g/ccの範囲のも
のである。メルトフローレート(MFR:g/10mi
n.)の範囲は0.5から30である。このような高密
度ポリエチレンとは、エチレンや、エチレンと小量のα
−オレフィンを、いわゆるチーグラー触媒により重合し
て得られるものである。共重合の場合に用いられるα−
オレフィンとは、プロピレン、1−ブテンであり、その
含有量は5重量%以下が好ましい。高密度ポリエチレン
の分子量分布(Mw/Mn)は本発明で用いる高分子量
ポリエチレンと異なって、特に制限はないが、調製する
フィルムの分子量分布が15を超えないことが本発明の
必須要件であることから、分子量と分子量分布によっ
て、その添加量はおのずと制限される。
【0062】本発明において使用する炭化水素系可塑剤
(B)は、沸点が高分子量ポリエチレン(A1)の融点
を超えるもので、好ましくは沸点が高分子量ポリエチレ
ン(A1)の融点+10℃以上であり、また融点が一般
的に110℃以下のものであり、110℃以上の温度で
溶融混練することにより、容易に、高分子量ポリエチレ
ン(A1)と分散し、均一な混合物をつくる分子量20
00以下の室温固体の炭化水素系可塑剤であって、好ま
しくは、分散性の観点から、分子量400以上、100
0以下のパラフィン系ワックスを例示することができ
る。
【0063】パラフィン系ワックスとしては、具体的に
は、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコン
タン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはそれら
を主成分とした低級n−アルカン等の混合物、石油から
分離生成された、いわゆるパラフィンワックス、エチレ
ンおよびエチレンと他のα−オレフィンとを重合して得
られる低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワ
ックス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合
ワックス、あるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポ
リエチレン等のポリエチレンを熱減成により分子量を低
下させたワックス及びそれらワックスの酸化物あるいは
変性物等の酸化ワックスまたは変性ワックスが例示され
る。本発明にいうところの融点は、ASTM D341
7により、示差走査型熱量計(DSC)により測定した
値である。
【0064】原反シートの調製 本発明の二軸延伸フイルムは、高分子量ポリエチレン
と、汎用の分子量を有する高密度ポリエチレンおよび/
または低密度ポリエチレンとの組成物(A)と、炭化水
素系可塑剤(B)とを、組成比が組成物(A)20ない
し75重量部と炭化水素系可塑剤(B)80ないし25
重量部とからなるように配合し、溶融混合し、ついで冷
却固化することにより、原反シートを得る。前記組成物
(A)と炭化水素系可塑剤(B)との組成比は上述の範
囲にあれば特に限定されないが、好ましくは、組成物
(A)が20ないし50重量%(混合物全体を100%
とする)、特に好ましくは20ないし40重量%の範囲
にある。前記組成物(A)と炭化水素系可塑剤(B)と
の溶融混練は、たとえば、ヘンシェルミキサー、V−ブ
レンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーで
混合後、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等で、通常、融点以
上、300℃以下の温度で行い得る。
【0065】組成物の融点以下の混練は、混合物の粘度
が高く、均一に混合できない虞がある。また、300℃
以上の温度での溶融混練では、組成物の劣化がおこり、
好ましくはない。特に好ましい溶融混練温度は160な
いし250℃の範囲である。原反シートへの成形は、通
常、T−ダイを装着した押出機による押出成形が好まし
く、また生産性は劣るものの、圧縮成形による方法でも
よい。溶融混練は、シートの成形に先だってあらかじめ
行ってもよいし、スクリュー押出機等で溶融混練しなが
ら、ダイより原反シートを押し出す連続法で行ってもよ
い。圧縮成形による場合は予め溶融混練を別途行い、シ
ート状の形状付与を圧縮成形にて行う。原反シートの厚
みは延伸時にチャックで挟み操作するため、0.05m
mないし5mmの範囲にあることが好ましい。
【0066】炭化水素系可塑剤(B)の抽出 炭化水素系可塑剤(B)の抽出除去は、延伸前、あるい
は延伸後に行うことができる。更に炭化水素系可塑剤
(B)の抽出除去は延伸中、さらには逐次延伸の途中で
も行うことができる。二軸延伸後のフィルムは、用途に
よっては炭化水素系可塑剤(B)を残存させたまま用い
ることもあるが、本発明では実質的に炭化水素系可塑剤
(B)が残存しない二軸延伸後のフィルムを得ることが
目的である。
【0067】延伸前の抽出処理としては、前記方法によ
って調製された原反シートに、延伸に先立ち、80℃以
下の温度で、炭化水素系可塑剤(B)が実質的に残存し
ない状態、あるいはその一部が残存する状態に、抽出除
去処理を行う。
【0068】かかる炭化水素系可塑剤(B)を抽出除去
することのできる溶剤(C)としては、n−ヘキサン、
シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デ
カン、n−ドデカンのような炭化水素系低分子量溶剤が
適している。
【0069】抽出除去に当たっては、炭化水素系可塑剤
(B)に融点が存在すれば、その融点以上の温度で行う
のも、処理速度を向上させるため好ましいことである。
抽出除去処理温度の上限は、ポリエチレン原反シートの
軟化点であるが、これは、炭化水素系可塑剤(B)の種
類、高分子量ポリエチレン(A)と炭化水素系可塑剤
(B)の組成によっても多少異なるが、概ね80℃であ
る。シートの軟化点以上での長時間による抽出除去処理
は、炭化水素系可塑剤(B)との共存下で高分子量ポリ
エチレンが結晶化することによって形成された、二軸延
伸性に優れた好適な構造を変化させるため好ましくな
い。
【0070】原反シートを非拘束状態(自由端)で抽出
除去処理を行った場合、原反シートは収縮するが、面積
比で30%程度までの収縮であれば、続く延伸工程での
延伸特性を損なうものではないが、原反が反ったり、皺
が入ることによりテンターに装着する際、操作上、煩雑
となる。したがって、原反シートからの可塑剤の抽出除
去は拘束状態(固定端)で行うことが好ましい。
【0071】延伸中の抽出処理としては、前述の方法に
より得られた原反シート、あるいは延伸前の処理により
炭化水素系可塑剤(B)の一部を抽出除去したシートに
ついて、後述の延伸操作を、炭化水素系可塑剤(B)を
抽出除去可能である溶剤(C)中で行いながら、かかる
炭化水素系可塑剤(B)の抽出除去処理を施される。延
伸中の抽出除去処理に適当な溶剤(C)としては、n−
ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカンの
ような沸点が延伸温度以上である、炭化水素系低分子量
溶剤が適している。
【0072】延伸中の抽出処理に当たっては、抽出速度
を向上させるため、60℃ないし抽出可能な溶剤(C)
の沸点未満の温度、もしくは135℃以下の温度で延伸
と同時に行うが、抽出温度(延伸温度)が135℃を上
回ると緻密な透明フィルムとなる。また延伸中の抽出除
去処理においては、炭化水素系可塑剤(B)の全量をあ
るいはその一部を抽出することができる。
【0073】延伸中の抽出処理は、135℃以下の延伸
温度で、まず縦方向に延伸する際に行ってもよいし、つ
いで、135℃以下の延伸温度で、横方向に延伸する際
に行ってもよいし、また両方の延伸工程で行ってもよ
い。さらに、横方向の延伸や縦方向に延伸工程を多段化
し、そのいずれの工程で行ってもよい。
【0074】多段延伸の途中の抽出処理としては、前述
の方法により得られた原反シート、あるいは延伸前の処
理により炭化水素系可塑剤(B)の一部を抽出除去した
シートについて、多段延伸の一段目の延伸を行った後、
該延伸シートに上述の炭化水素系可塑剤(B)を抽出可
能な溶剤(C)で、延伸シートに存在する炭化水素系可
塑剤(B)の一部、あるいは実質的にその全量の抽出除
去処理を行う。更に二段目の延伸を行い配向フィルムを
得た後、延伸後の抽出処理を行なう。また、多段延伸の
延伸中に抽出処理を行うこともできるため、延伸中の抽
出処理及び多段延伸間の抽出処理の組合せにより抽出除
去処理を行うこともできる。なお、ここでは代表例をあ
げたが、例示したこれらの方法に限定されるものでない
ことは理解されるであろう。
【0075】延伸後の抽出処理としては、後述の延伸操
作により得られた二軸配向フィルムについて、該フィル
ムに含まれる炭化水素系可塑剤(B)を上述の抽出除去
処理の可能な溶剤(C)で抽出除去処理を施される。延
伸後の抽出処理においても、原反や延伸途上のシートか
らの炭化水素系可塑剤(B)の抽出除去処理と同様に、
80℃を上回らない温度で行うことにより、迅速な処理
を行うことができる。また延伸フィルムは原反シートと
比較して収縮し難いので、必ずしも固定端で抽出処理を
行うことを必要としないが、固定端で抽出処理を行うこ
とが望ましい。
【0076】したがって、まとめると、原反シート、延
伸途上のシート、二軸配向フィルムからの炭化水素系可
塑剤(B)の抽出処理温度は、上限が延伸前では約80
℃、延伸過程では約135℃、延伸後では約80℃であ
る。また、抽出処理温度の下限は、好ましくは用いる炭
化水素系可塑剤(B)が融点を有すれば、その融点以上
である。
【0077】抽出除去処理後の、原反シート、配向フィ
ルム等への炭化水素系可塑剤(B)の残存の有無は、炭
化水素系可塑剤(B)が結晶性であれば、示差走査型熱
量計(DSC)により確認することが出来るし、ソック
スレー抽出器を用いて、高分子量ポリエチレンを溶解し
ない、かつ炭化水素系可塑剤(B)を溶解し得る適当な
溶剤、例えば炭化水素系可塑剤がパラフィンワックスで
あれば、例えば沸騰n−ヘキサンのようなものを用い
て、原反シート及び配向フィルム等を処理することによ
り、その重量の減少から確認することもできる。
【0078】延伸 上述の方法で得られた、炭化水素系可塑剤(B)を含
み、もしくはその少なくとも一部を除去したシートは、
135℃以下の温度で二軸延伸される。延伸温度の下限
は60℃である。60℃以下の温度での延伸では到達可
能な延伸倍率が低い値に留まるため、高弾性率・高強度
を発現することが困難である。また延伸応力も大きく、
延伸操作上不利である。延伸温度が135℃を上回る場
合には不織布状の透気性構造をとらず、緻密構造とな
る。したがって、135℃が延伸温度の上限である。
【0079】また、二軸延伸する際の延伸倍率は、通常
縦方向が3倍以上、好ましくは5倍ないし20倍、横方
向が3倍以上、好ましくは5倍ないし20倍である。い
ずれの方向でも、最も好適には6ないし10倍である。
超薄膜の作製を目的とするときには、縦方向、横方向と
もに20倍以上の延伸倍率が好ましい。延伸倍率が20
倍を超えると、延伸により作製される高分子量二軸延伸
フィルムの厚さは、空孔率、原反シートの組成にもよる
が400分の1以下になるため超極薄フィルム(膜厚1
μm以下)の製作に適している。ただし、本発明の主目
的は電池セパレータを提供することにあるから、最終製
品のフィルムとして、5μmから50μmの範囲に調製
できるように原反シート厚みと延伸倍率を選ぶことが好
ましい。
【0080】前述の方法により調製された原反シート、
及び炭化水素系可塑剤(B)の一部あるいは実質的にそ
の全量を抽出除去したシートを延伸する方法は、テンタ
ー法による同時もしくは逐次二軸延伸、あるいは、ロー
ル等による縦方向の延伸と、テンターによる横方向の延
伸の組合せによる逐次二軸延伸法が挙げられる。縦方向
の延伸倍率が6倍以上の場合には、縦方向では多段延伸
が好ましい。延伸中に抽出除去処理を伴わない場合、延
伸温度は、135℃を上回らない範囲で前段の延伸工程
から後段の延伸工程に向かって温度を上昇させていくと
よい結果が得られる。
【0081】押し出された原反シートを延伸する際に
は、ダイより押し出された溶融状態のシートが冷却され
て延伸温度に入ったときに、延伸を行う方法もあるが、
本発明に於いては、シート状溶融混合物を、一旦、炭化
水素系可塑剤(B)とともに冷却固化した後、炭化水素
系可塑剤(B)の抽出を行うかどうかに拘らず、再度加
熱し、上記延伸温度内で延伸したほうが、よい結果が得
られる。
【0082】高分子量ポリエチレン二軸配向フィルムの
調製に先だって、高分子量ポリエチレン(A)には、炭
化水素系可塑剤(B)に加えて、耐熱安定剤、耐候安定
剤、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、顔料、
染料、無機充填剤等、通常ポリオレフィンに添加して使
用される各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で
配合しておいてもよい。
【0083】延伸を終了し、延伸前、延伸中、もしくは
延伸後に炭化水素系可塑剤(B)が実質的に除去された
フィルムは完成した製品であるが、必要によって、いく
つかの後処理をすることができる。以下、例として熱処
理と表面処理について述べる。
【0084】高分子量ポリエチレン二軸延伸フィルムの
ヒートセット(熱処理) 前記微孔性ポリエチレン二軸延伸フィルムは、用途によ
っては、寸法安定性、引張弾性率や引張強度を改良する
ためにヒートセットをすることができる。延伸操作を終
了したフィルムを一旦60℃以下の温度に冷却し、この
後、定長拘束下で80ないし150℃の範囲の温度で処
理することが好ましい。
【0085】ヒートセットを行うための熱媒体は、空
気、窒素ガスなどの気体やポリエチレンを溶解、変性し
ない水、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ルのような液体が用いられる。好適な処理温度は、12
0ないし140℃付近であるが処理時間を選ぶことによ
りこの温度に制限されない。ヒートセット温度は、高け
れば高い程、高温でのフィルムの寸法安定性は向上する
が、逆に空孔率や透気性は低下する。この度合は原料高
分子量ポリエチレン(A1)の分子量や組成物(A)の
組成、可塑剤に対する組成物(A)の割合、そして延伸
倍率や延伸湿度に依存する。したがって、ヒートセット
温度は、空孔率、透気性など必要なフィルム物性を確保
できる範囲で個々のフィルムに対して処理時間と合せて
決められるべきである。
【0086】高分子量ポリエチレン二軸延伸フィルムの
表面処理 前記微孔性ポリエチレン二軸延伸フィルムは、用途によ
っては、表面処理を施し、水等との親和性を改善するこ
とができる。特に、ポリエチレンは水との親和性に乏し
いため、このような処理は用途によっては欠くことがで
きないものである。表面処理を行う方法としては、コロ
ナ放電処理、プラズマ放電処理、電子線処理等が挙げら
れる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カル
ボン酸、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルおよ
びこれらの混合物からなる群より選択された親水性基を
有するビニル単量体でフイルムを前処理し、更に、その
後電子線照射処理する方法も特に有効である。親和性の
改善の度合いは水の表面張力を利用した接触角によって
示される。例えば、協和界面科学(株)製自動接触角
計:型式CA−Z型等によって、行うことができる。こ
れらの処理によって得られる親和性は、接触角で90度
以下、好ましくは80度以下、更に好ましくは70度以
下である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、引張強度および高温に
おける寸法安定性に著しく優れ、電池セパレータとして
要求される適度の透過性遮断温度を有し、特定の平均細
孔径及び空孔率を有するポリエチレンの二軸延伸フィル
ムが提供され、これによって得られたフィルムは、電池
用セパレータ、特にリチウム電池用セパレータとして好
適に用いられる。
【0088】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に
説明する。以下実施例及び比較例での部及び%は他に特
定のない限り、すべて重量規準である。
【0089】<実施例1>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
低密度ポリエチレン(MFR=3.0、密度=0.92
7g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、分
子量=460)とを表1−1に示した組成で配合した。
さらにこの混合物に、プロセス安定剤としてポリエチレ
ンの総量に対して0.5%の3,5−ジターシャリ−ブ
チル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)を添加した。
この混合物を二軸スクリュータイプの溶融混練機ラボプ
ラストミル(東洋精機製作所製:型式20R200型)
で均一な溶融混合物とした。この時の条件は溶融混練温
度190℃でスクリュー回転数は50回転/分、混練時
間は10分間であった。
【0090】この溶融混合物を溶融状態で取り出し、一
対のステンレス製のプレス板の間にいれて、金枠(スペ
ーサー:厚さ1mm)で厚みを調整し、それをすばや
く、190℃に温度設定した熱プレス機の熱板に挟ん
だ。5分間圧縮した後、取り出して更に20℃に温度設
定した冷却プレスの冷却板に挟み、10分間圧縮して冷
却固化し、プレスシートとした。二軸延伸に先だって、
パラフィンワックスを抽出するためにシートの周囲四辺
を二枚の金枠で挟み、シートの収縮を防ぐように固定
し、60℃に加温したn−デカン槽に約二時間放置し
た。この際に抽出除去を容易にするために、n−デカン
は撹拌された。次いで二枚の金枠に固定した脱パラフィ
ンワックスシートを室温(20℃)のn−ヘキサン槽に
浸漬し、含浸しているn−デカンをn−ヘキサンに置換
した。次いで金枠に固定したシートを室温で減圧乾燥
し、脱パラフィンワックス乾燥シートを作成した。
【0091】得られた原反シートを示差走査型熱量計
(DSC)により観察したところ、69℃のパラフィン
ワックスの融点は認められなかった。このシートを用い
て二軸延伸を行った。二軸延伸は、テンターチャック方
式の東洋精機製作所製二軸延伸機ヘビー型を用いて行っ
た。この後、脱パラフィンワックスを行ったと同様に、
フィルムを金枠に固定し、120度で30秒間ヒートセ
ットを行った。フィルム調製条件を表1−1に、結果を
表1−2に示した。
【0092】注1):引張強度は、同時二軸延伸で調製
したフィルムはほぼ等方的であったため代表値を示し
た。逐次二軸延伸で調製したフィルムの場合、一旦先に
延伸した方向(MD方向)と引き続き、二段目でMD方
向に直交した方向(TD方向)で引張強度は異なる場合
があったため、両者について記した。 注2):105℃の収縮率も引張強度と同様に、同時二
軸延伸で調製したフィルムはほぼ等方的であったため代
表値を示した。逐次二軸延伸で調製したフィルムの場
合、一旦先に延伸した方向(MD方向)と引き続き、二
段目でMD方向に直交した方向(TD方向)で引張強度
は異なる場合があったため、両者について記した。
【0093】
【0094】
【0095】<実施例2>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
低密度ポリエチレン(MFR=0.35、密度=0.9
19g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、
分子量=460)とを表2−1に示した組成で配合し、
実施例1に記載した方法でフィルムを調製した。調製条
件を表2−1に、結果を表2−2に示した。
【0096】
【0097】
【0098】<実施例3>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
高密度ポリエチレン(MFR=0.36、密度=0.9
58g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、
分子量=460)とを表3−1に示した組成で配合し、
実施例1に記載した方法でフィルムを調製した。調製条
件を表3−1に、結果を表3−2に示した。
【0099】
【0100】
【0101】<実施例4>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
高密度ポリエチレン(MFR=0.03、密度=0.9
56g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、
分子量=460)とを表4−1に示した組成で配合し、
実施例1に記載した方法でフィルムを調製した。調製条
件を表4−1に、結果を表4−2に示した。
【0102】
【0103】
【0104】<実施例5>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
低密度ポリエチレン(実験番号13,14はMFR=
0.35、密度=0.919g/ccで、実験番号15
はMFR=3.0、密度=0.927g/cc)と高密
度ポリエチレン(MFR=0.36、密度=0.956
g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、分子
量=460)とを表5−1に示した組成で配合し、実施
例1に記載した方法でフィルムを調製した。調製条件を
表5−1に、結果を表5−2に示した。
【0105】
【0106】
【0107】<実施例6>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=8.0dl/g、Mw/Mn=4.3)
と低密度ポリエチレン(MFR=3.0、密度=0.9
27g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、
分子量=460)とを表6−1に示した組成で配合し、
実施例1に記載した方法でフィルムを調製した。調製条
件を表6−1に、結果を表6−2に示した。
【0108】
【0109】
【0110】<実施例7>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[ η] =14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
低密度ポリエチレン(MFR=3.0、密度=0.92
7g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、分
子量=460)とを表7−1に示した組成で配合し、実
施例1で作成したと同様にしてプレスシートを作成し
た。このプレスシートを用いて二軸延伸を行った。二軸
延伸したフィルムは周辺四方を固定する二枚の金枠で挟
み、フィルムの収縮を防ぐようにして60℃に加温した
n−デカン槽に約30分間放置した。この際にパラフィ
ンワックスの抽出除去を容易にするためにn−デカンは
撹拌された。次いでフィルムは二枚の金枠に固定した状
態で室温(20℃)のn−ヘキサン槽に浸漬し、フィル
ムに含浸しているn−デカンをn−ヘキサンに置換し
た。次いでフィルムを金枠に固定した状態で室温で乾燥
した。更にフィルムを金枠に固定した状態で120℃に
設定されたエアーオーブン(田葉井製作所製)中に30
秒間放置しヒートセット処理を行いフィルムの調製を終
了した。フィルム調製条件を表7−1に、結果を7−2
に示した。
【0111】
【0112】
【0113】<実施例8>高分子量エチレン・ブテン共
重合体(極限粘度 [η] =6.8dl/g、Mw/Mn
=5.2、ブテン含有量=1.2個/1000炭素原
子)と高密度ポリエチレン(MFR=0.36、密度=
0.958g/cc)とパラフィンワックス(融点=6
9℃、分子量=460)とを配合し、実施例1で作成し
たと同様にしてプレスシートを作成した。次いで実施例
7に記載された方法でフィルムを調製した。フィルムの
調製条件を表8−1、結果を表8−2に示した。
【0114】
【0115】
【0116】<実施例9>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[ η] =14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
高密度ポリエチレン(MFR=0.36、密度=0.9
58g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、
分子量=460)とを表9−1に示した組成で配合し、
実施例1で作成したと同様にしてプレスシートを作成し
た。このプレスシートを用いて実施例7の方法でフィル
ムを調製した。フィルムの調製条件を表9−1に結果を
表9−2に示した。
【0117】
【0118】
【0119】<比較例1>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14.0dl/g、Mw/Mn=5.
0)とパラフィンワックス(融点=69℃、分子量=4
60)とを表10−1に示した組成で配合し、実施例1
に記載した方法でフィルムを調製した。調製条件を表1
0−1に、結果を表10−2に示した。なお、本比較例
で調製されたフィルムは温度上昇下で、電気抵抗率の増
大を示さなかった。
【0120】
【0121】
【0122】<比較例2>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=8.0dl/g、Mw/Mn=4.3)
とパラフィンワックス(融点=69℃、分子量=46
0)とを表11−1に示した組成で配合し、実施例1に
記載した方法でフィルムを調製した。調製条件を表11
−1に、結果を表11−2に示した。
【0123】
【0124】
【0125】<比較例3>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
低密度ポリエチレン(MFR=3.0、密度=0.92
7g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、分
子量=460)とを表12−1に示した組成で配合し、
実施例1に記載した方法でフィルムを調製した。ここで
調製したフィルムは透気性を示さなかった。調製条件を
表12−1に、結果を表12−2に示した。
【0126】
【0127】
【0128】<比較例4>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
高密度ポリエチレン(MFR=0.36、密度=0.9
58g/cc)とパラフィンワックス(融点=69℃、
分子量=460)とを表13−1に示した組成で配合
し、実施例1に記載した方法でフィルムを調製した。調
製条件を表13−1に、結果を表13−2に示した。
【0129】
【0130】
【0131】<比較例5>高分子量ポリエチレン(極限
粘度:[η]=14dl/g、Mw/Mn=5.0)と
高密度ポリエチレン(MFR=0.36、密度=0.9
58g/cc)と流動パラフィン(和光純薬製試薬)と
を表14−1に示した組成で配合し、以下のようにして
フィルムを調製した。調製条件を同様に表14−1に示
す。高分子量ポリエチレンと高密度ポリエチレンと流動
パラフィンの混合物を200℃に保った、撹拌翼付きセ
パラブルフラスコで1時間半撹拌溶解して、均一な溶液
とした。この溶液をトレーに約2mmの厚さになるよう
に、流延し、この後、冷却して、ゲル状シートを得た。
過剰の流動パラフィンを取り除いた後、ゲル状シートを
115℃で二軸延伸した。延伸フィルムは金枠にはさ
み、周囲を固定した後、塩化メチレンで流動パラフィン
を完全に除去し、乾燥し、さらに、その状態で、120
度で10秒間のヒートセットを行った。結果を表14−
2に示す。
【0132】
【0133】

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分
    子量ポリエチレン(A1)70ないし90重量%と、密
    度0.915ないし0.930g/ccの低密度ポリエ
    チレン(A2)30ないし10重量%とを含有する組成
    物(AA)からなる重量平均分子量/数平均分子量が1
    5以下である二軸延伸フィルムであって、そのフィルム
    の物性が、(a)平均細孔径が0.01ないし0.5μ
    mであり、(b)空孔率が30ないし70%であり、
    (c)引張強度が900Kg/cm2 以上であり、
    (d)透過性遮断温度が155℃以下であり、(e)1
    05℃での収縮率が5%以下である、ことを特徴とする
    マイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸
    延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 (1)極限粘度[η]が5dl/g以上
    の高分子量ポリエチレン(A1)70ないし90重量%
    と、密度0.915ないし0.930g/ccの低密度
    ポリエチレン(A2)30ないし10重量%とを含有す
    る組成物(AA)、及び該組成物と均一な混合物を作り
    得る室温固体の炭化水素系可塑剤(B)からなる混合物
    を溶融混練し、さらに冷却固化してシートを作成し、該
    シートを二軸延伸するに当たって、(2)該炭化水素系
    可塑剤(B)を溶解しうる溶剤(C)を用いて、80℃
    以下の温度で、延伸に先立って、全量もしくは一部の該
    炭化水素系可塑剤(B)を抽出除去するか、延伸過程で
    全量もしくは一部の該炭化水素系可塑剤(B)を抽出除
    去するか、延伸終了時に一括して全量か、もしくは残存
    する一部の該炭化水素系可塑剤(B)の全量を抽出除去
    し、(3)その時の、延伸操作が135℃未満の温度で
    縦横方向ともに3倍以上行う、請求項1に記載された二
    軸延伸フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分
    子量ポリエチレン(A1)70ないし90重量%と、密
    度0.950ないし0.970g/ccの高密度ポリエ
    チレン(A3)30ないし10重量%とを含有する組成
    物(AB)からなる、重量平均分子量/数平均分子量が
    15以下である二軸延伸フィルムであって、そのフィル
    ムの物性が、(a)平均細孔径が0.01ないし0.5
    μmであり、(b)空孔率が30ないし70%であり、
    (c)引張強度が900Kg/cm2 以上であり、
    (d)透過性遮断温度が155℃以下であり、(e)1
    05℃での収縮率が5%以下である、ことを特徴とする
    マイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸
    延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 表面静摩擦係数が0.5以下である請求
    項3記載のマイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチ
    レンの二軸延伸フィルム。
  5. 【請求項5】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分
    子量ポリエチレン(A1)70ないし90重量%と、密
    度0.950ないし0.970g/ccの高密度ポリエ
    チレン(A3)30ないし10重量%とを含有する組成
    物(AB)、及び該組成物と均一な混合物を作り得る室
    温固体の炭化水素系可塑剤(B)からなる混合物を溶融
    混練し、さらに冷却固化してシートを作成し、該シート
    を二軸延伸するに当たって、(2)該炭化水素系可塑剤
    (B)を溶解しうる溶剤(C)を用いて、80℃以下の
    温度で、延伸に先立って、全量もしくは一部の該炭化水
    素系可塑剤(B)を抽出除去するか、延伸過程で全量も
    しくは一部の該炭化水素系可塑剤(B)を抽出除去する
    か、延伸終了時に一括して全量か、もしくは残存する一
    部の該炭化水素系可塑剤(B)の全量を抽出除去し、
    (3)その時の、延伸操作が135℃未満の温度で縦横
    方向ともに3倍以上行う、請求項3または4に記載され
    た二軸延伸フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分
    子量ポリエチレン(A1)60ないし90重量%と、密
    度0.915ないし0.930g/ccの低密度ポリエ
    チレン(A2)25ないし9重量%、および密度0.9
    50ないし0.970g/ccの高密度ポリエチレン
    (A3)15ないし1重量%とを含有する組成物(A
    C)からなる、重量平均分子量/数平均分子量が15以
    下である二軸延伸フィルムであって、そのフィルムの物
    性が、(a)平均細孔径が0.01ないし0.5μmで
    あり、(b)空孔率が30ないし70%であり、(c)
    引張強度が900Kg/cm2 以上であり、(d)透過
    性遮断温度が155℃以下であり、(e)105℃での
    収縮率が5%以下である、ことを特徴とするマイクロフ
    ィブリルよりなる微孔性ポリエチレンの二軸延伸フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 表面静摩擦係数が0.5以下である請求
    項6記載のマイクロフィブリルよりなる微孔性ポリエチ
    レンの二軸延伸フィルム。
  8. 【請求項8】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分
    子量ポリエチレン(A1)60ないし90重量%と、密
    度0.915ないし0.930g/ccの低密度ポリエ
    チレン(A2)25ないし9重量%、および密度0.9
    50ないし0.970g/ccの高密度ポリエチレン
    (A3)15ないし1重量%とを含有する組成物(A
    C)、及び該組成物と均一な混合物を作り得る室温固体
    の炭化水素系可塑剤(B)からなる混合物を溶融混練
    し、さらに冷却固化してシートを作成し、該シートを二
    軸延伸するに当たって、(2)該炭化水素系可塑剤
    (B)を溶解しうる溶剤(C)を用いて、80℃以下の
    温度で、延伸に先立って、全量もしくは一部の該炭化水
    素系可塑剤(B)を抽出除去するか、延伸過程で全量も
    しくは一部の該炭化水素系可塑剤(B)を抽出除去する
    か、延伸終了時に一括して全量か、もしくは残存する一
    部の該炭化水素系可塑剤(B)の全量を抽出除去し、
    (3)その時の、延伸操作が135℃未満の温度で縦横
    方向ともに3倍以上行う、請求項6または7に記載され
    た二軸延伸フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高分
    子量ポリエチレン(A1)の重量平均分子量/数平均分
    子量が10以下である請求項1、3、4、6、及び7の
    いずれか1項記載の二軸延伸フィルム。
  10. 【請求項10】 極限粘度[η]が5dl/g以上の高
    分子量ポリエチレン(A1)の重量平均分子量/数平均
    分子量が10以下である請求項2、5、及び8のいずれ
    か1項記載の二軸延伸フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 フィルムのガーレー秒数が50ないし
    1000sec/100ccである請求項1、3、4、
    6、7、及び9のいずれか1項記載の二軸延伸フィル
    ム。
  12. 【請求項12】フィルムのガーレー秒数が50ないし1
    000sec/100ccである請求項2、5、8、及
    び10のいずれか1項記載の二軸延伸フィルムの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 フィルムの突き刺し強度が500g以
    上である請求項1、3、4、6、7、及び11のいずれ
    か1項記載の二軸延伸フィルム
  14. 【請求項14】フィルムの突き刺し強度が500g以上
    である請求項2、5、8、10、及び12のいずれか1
    項記載の二軸延伸フィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1、3、4、6、7、11、及
    び13のいずれか1項記載の二軸延伸フィルムからなる
    電池用セパレータ。
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