JP3348965B2 - 高分子量ポリエチレンと高分子量ポリプロピレンの組成物よりなる微孔性二軸延伸フィルム、その製法およびその用途 - Google Patents

高分子量ポリエチレンと高分子量ポリプロピレンの組成物よりなる微孔性二軸延伸フィルム、その製法およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、高分子量ポリエチレン
と高分子量ポリプロピレンからなる微孔性二軸延伸フィ
ルム、その製法およびその用途に関するものであって、
より詳しくは、引張強度及び透気性に優れるマイクロフ
ィブリルよりなる微孔性二軸延伸フィルムおよびその好
適な用途である電池セパレータ、なかんずく、主として
非水電解液系二次電池のセパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】電池用セパレータとして、ポリプロピレ
ン製の微孔性フィルムが用いられることは、例えば、特
公昭46−40119号公報に記載されているように、
本出願前に知られている。このフィルムは、ポリプロピ
レンが本来もつ剛性に加えて、微孔構造が貫通孔である
ことからフィルムに腰があり(剛性に優れる)、電池組
立時の機械的ストレスに対する抵抗性に優れ、セパレー
タ適性が良く、使い易いとともに、製造時の不良率の少
ないフィルムである。このポリプロピレン微孔性フィル
ムは、電解液と電解質を微孔中に含有した状態で常温付
近では良好な電気伝導性を示すが、高温領域では電気抵
抗が増大する特性を示すことが知られている。
【0003】この性質は、セパレータとして用いた電池
が短絡等で異常電流が流れたときに、電池内部の熱抵抗
により、温度が上昇する結果、更に内部抵抗が増大し、
過大電流が流れるのを阻止する機能が期待できるが、ポ
リプロピレンの場合、180℃以上でないとそのための
十分な内部抵抗の増大はないとされている。近年、電池
の高性能化が進むことにより、小さな容積の中に大エネ
ルギーを貯蔵することになったこともあり、異常電流が
流れたときにその阻止機能を比較的低温領域においてセ
パレータにも求めることは安全性の観点から当然の成り
行きである。
【0004】そこで、このような機能(短絡時等の電流
遮断機能)を期待し、更にその強化と低温化を目的とし
た技術として、粘度平均分子量30万以下のポリエチレ
ンと粘度平均分子量100万以上のポリエチレンの混合
物を用いた微孔性フィルムからなる電池用セパレータフ
ィルムが提案されている(特開平2−21559号公
報)。
【0005】また、これの関連技術として、特開平3−
105851号公報には、重量平均分子量が70万以上
の超高分子量ポリエチレンを1重量%以上含有し、重量
平均分子量/数平均分子量が10〜300のポリエチレ
ン組成物からなるリチウム電池用のセパレータが開示さ
れている。
【0006】更に特開平5−25305号公報には、重
量平均分子量70万以上の超高分子量ポリエチレンの1
〜69重量%と高密度ポリエチレンの98〜1重量%と
低密度ポリエチレンの1〜30重量%を含有する成分の
重量平均分子量/数平均分子量が10〜300である組
成物、あるいは、前記超高分子量ポリエチレン30ない
し90重量%と低密度ポリエチレン70ないし10重量
%からなる組成物を二軸延伸して得られた電池用セパレ
ータ用途を目的としたポリエチレン微多孔膜の技術が開
示されている。
【0007】これらのフィルムは従来用いられていた、
ポリプロピレン製微孔性フィルムと比較するとより低温
(例えば130℃)での電流遮断機能の付与には成功し
ているが、分子量の異なるポリエチレン混合物からなる
セパレータはフィルムの製法が二軸延伸であるため微孔
性構造がポリエチレンフィブリルよりなる網目状の構造
であることに加え、ポリエチレンが本来、剛性に乏しい
ために、フィルムに腰がなく、電池組立時の使いやす
さ、すなわち機械的ストレスに対する抵抗性が十分でな
く、正負両極間に配置して渦巻状に巻回する際、あるい
は渦巻状物を電池ケースに収納する際に破れたり、裂け
たりする欠点があることは後述する特開平4−2062
57号公報にも述べられており、公知の事実である。
【0008】すなわち、上記先行技術は、いずれも引張
強度に十分でないという問題点があった。また、これら
の先行技術の基本的な考え方は、超高分子量ポリエチレ
ンで二軸延伸特性を付与し、それによりフィルム強度を
確保するとともに、それに汎用分子量の高密度ポリエチ
レンもしくは低密度ポリエチレン成分を加えることによ
り、低温で軟化もしくは溶融するような構造を形成せし
めることにより、電流遮断温度を低温化しようとするも
のである。
【0009】通常、セパレータの電気抵抗の増大は、微
孔構造が閉塞する過程で起こるとされており、この現象
は、ポリエチレンであれば、昇温過程で徐々に起こるも
のであり、閉塞温度の低温化で電流遮断機能を追求する
ことは、結果として、例えば100℃程度の実用領域で
の内部抵抗も増加させ、すなわち高温実用領域での電池
性能の低下は避けられない。
【0010】さらに、これらポリエチレン系の組成物の
場合、電流遮断機能の働いたセパレータの閉塞状態はフ
ィルム全体が軟化もしくは溶融状態においてはじめて達
成されるため、何らかの理由による更に少しの温度上昇
でセパレータが流動破膜することは十分考えられること
であり、このような状態は、電池にとっては破滅的状態
である。
【0011】すなわち、このポリエチレン系の組成に依
存する限り、一旦電池の温度が上昇したときにセパレー
タの閉塞温度と更にそれに続く、破膜温度の間の比較的
狭い温度領域で電池機能を何とか停止させなければなら
ない。これを確実にするためには、セパレータの透気性
を抑制するなどして、予め、電池の内部抵抗を大きく
し、電池の放電性能を犠牲にするしかない。
【0012】また、一方で、このようなポリエチレン系
組成物を用いたセパレータの欠点を鑑みて、以下の先行
技術が提案されている。すなわち、特開平4−1263
52号公報には、粘度平均分子量30万以下のポリエチ
レンと、粘度平均分子量100万以上の高分子量ポリエ
チレンと更にポリプロピレンを含む混合物からなる微孔
性電池セパレータ及びその製法が開示されている。この
技術は、ポリエチレン系組成物を用いたセパレータと同
様な低温での電流遮断機能を持つこと、またポリエチレ
ン系の組成物を用いたセパレータの欠点である機械的ス
トレスに対する優れた抵抗性、すなわち、電池組立時の
使いやすさや製品不良率の発生を改良したものである。
【0013】また、特開平4−206257号公報に
は、ポリエチレン10〜90重量%とポリプロピレン9
0〜10重量%の混合物からなる多孔質形状を有する電
池用セパレータが開示されている。しかし、この特許で
使用されているポリエチレン、ポリプロピレンは、いず
れも高分子量の範疇に入るものではなく、通常の分子量
域のものである。
【0014】さらに、特開平5−234578号公報に
は、分子量が1,000,000以上の部分を10重量
%以上かつ分子量が100,000以下の部分を5重量
%以上含むポリエチレン及び重量平均分子量が10,0
00ないし1,000,000のポリプロピレン(PP
含有量5ないし45重量%)を包含するマトリックスよ
りなる微多孔膜で構成されるセパレータが開示されてい
る。
【0015】しかしながら、この特許に記載されている
セパレータの製法は、ポリマー混合物に有機液体および
無機微粉体を混合して押出成形して膜を形成後、膜から
有機液体および無機微粉体を抽出する方法であり、高い
延伸倍率は期待できないものである。従って、高い強度
が望めず、二軸延伸フィルムであっても引張強度の記載
はないものの引張弾性率の値は5600/3200(K
g/cm2 )[実施例7]にとどまっている。
【0016】また、特開平5−331306号公報に
は、ポリプロピレン10〜90%と、高温ゲルパーミエ
イションクロマトグラフで測定した重量平均分子量/数
平均分子量が10以下のポリエチレン90〜10%を混
合した組成物から形成された多孔質構造を有するフィル
ムが開示されている。この発明で使用されているポリプ
ロピレン、ポリエチレンは、ともに通常の分子量域のも
のである。
【0017】特開平4−126352号公報、特開平4
−206257号公報および特開平5−331306号
公報記載の発明は、前述の特公昭46−40119号公
報に開示されたポリプロピレン多孔質フィルムを利用し
たセパレータの派生技術であり、そのことは、いずれの
発明とも、実施例においてフィルムの調製方法が一軸延
伸によっていることからも明かである。
【0018】すなわち、上記3公報に開示された先行技
術では、特公昭46−40119号公報で開示されたポ
リプロピレン多孔質フィルムが、ポリプロピレン本来の
もつ剛性に基づく優れたフィルムの腰の強さを確保した
まま、ポリエチレン系組成物を用いたセパレータと同様
な低温での電流遮断機能を持たすことを目的として原料
ポリプロピレンにポリエチレンを添加するに到ったと考
えられる。
【0019】しかしながら、これらの先行技術は、先に
述べたように特公昭46−40119号公報から派生し
た技術であるため、二軸延伸で調製されるポリエチレン
系の組成物よりなるフィルムに比較して、ポリプロピレ
ン特有の剛性に優れるものの、一軸延伸フィルムである
ため、フィルム強度の等方性に劣り、特に延伸軸に垂直
方向の機械強度が弱く、また縦裂きし易いといった問題
点があった。
【0020】ポリエチレンとポリプロピレンの組成物か
らなるセパレータは、上記3件の公報の明細書中には示
唆されていないが、本発明者等らが考えるところにおい
て、セパレータの電池機能の停止、すなわち電流遮断機
能について、革新的である。すなわち、前述のポリエチ
レン系の組成物よりなるセパレータが閉塞状態をフィル
ム全体の軟化点もしくは融点以上の軟化状態もしくは溶
融状態で保つのに対して、はるかに融点の高いポリプロ
ピレンが固相状態で強度を確保し、ポリエチレンの組成
が軟化もしくは溶融状態でフィルム閉塞状態を保持する
ことを提案しているところにある。
【0021】この方法では、ポリエチレンの融点が閉塞
温度であり、ポリプロピレンの融点より若干高い温度が
フィルムの破膜温度とすれば、その間の温度を少なくと
も40℃以上確保できる利点があり、この場合、電池の
高温特性(100℃前後の領域)を犠牲にして、ポリエ
チレンを低融点化する必要はない。また前述のように電
池の放電特性を犠牲にする必要もない。ただし、従来技
術では、セパレータの閉塞機能と機械強度を両立するこ
とができないのが実状である。
【0022】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、基本的
には特開平4−126352号公報および特開平4−2
06257号公報で提案された先行技術と目的を同じく
するものであるが、解決しようとする課題はその延長線
上にあるものの、高度化されているところが特徴であ
り、具体的には、 ポリエチレン系の組成物よりなるセパレータと同程度
の閉塞温度を持つ。 閉塞温度付近の温度雰囲気下でフィルムの強度にすぐ
れる。 ポリエチレン系の組成物よりなるセパレータよりも遥
かに高い破膜温度をもつ。 ポリプロピレン製多孔質フィルムの持つ剛性(フィル
ムの腰の強さ)を持つ。 機械的強度が等方性であり、かつ特に引張強度に優れ
る。 透気性に優れる。 電池セパレータに好適なフィルムを提供することを目的
としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは特
定分子量の高分子量ポリエチレンと特定分子量の高分子
量ポリプロピレンからなる組成物を可塑剤の存在下で溶
融混練し、冷却固化することによりシートを得て、該シ
ートを二軸延伸するに当たって、特定の延伸温度と延伸
倍率を選び、この時、用いる可塑剤を、延伸前、延伸過
程で、もしくは延伸後に一部もしくは全部を抽出するこ
とによって得られる可塑剤を除去した二軸延伸フィルム
を示差走査熱量計で測定したときに、ポリエチレンに帰
属する二つの融点ピークとポリプロピレンに帰属する一
つの融点ピークが観察される様に調製したフィルムが上
記課題を解決することを見いだした。
【0024】すなわち、本発明によれば、極限粘度
[η]が10dl/g以上の高分子量ポリエチレン20
ないし80重量%と極限粘度[η]が3ないし15dl
/gの高分子量ポリプロピレン80ないし20重量%と
を含有する組成物からなる二軸延伸フィルムであって、
該フィルム物性が(a)引張強度が全方向で900Kg
/cm2 以上であり、(b)透気度が0.5ないし50
秒/10ccであり、さらに該フィルム構造が(c)ポ
リエチレンとポリプロピレンのマイクロフィブリルより
構成され、(d)それぞれのマイクロフィブリルの少な
くとも一部が連続層を形成し、(e)該フィルムを示差
走査熱量計で観察したときに、ポリエチレンに帰属する
二つの融点ピークとポリプロピレンに帰属する一つの融
点ピークが観察されることを特徴とする微孔性二軸延伸
フィルムが提供される。また、本発明の微孔性二軸延伸
フィルムは、ポリエチレンに帰属する二つの融点ピーク
のうち、低温側の融点は、130.0ないし140.0
℃に現れ、高温側の融点は140.0ないし152.0
℃に現れ、その融点の差が5℃以上あることが好まし
く、このような特性を備えることにより、とくに電池用
セパレータとして好適に使用される。
【0025】また、本発明によれば、極限粘度[η]が
10dl/g以上の高分子量ポリエチレン(A)と極限
粘度[η]が3ないし15dl/gの高分子量ポリプロ
ピレン(B)と可塑剤(C)とをA/B=80ないし2
0/20ないし80(重量比)、C/A+B=80ない
し25/20ないし75(重量比)[但し、A+B+C
=100重量%]の割合で溶融混合し、次いで冷却固化
することにより、原反シートを得、その後、得られたシ
ートを固相状態で140℃未満の温度で縦横共に3倍以
上延伸し、その際、少なくとも1方向の延伸温度が11
0ないし140℃未満の温度であり、その延伸前、延伸
の途中または延伸後に、可塑剤を抽出することを特徴と
する微孔性二軸延伸フィルムの製造方法が提供される。
【0026】
【発明の具体的説明】本発明のポリエチレンとポリプロ
ピレンのマイクロフィブリルより構成され、それぞれの
マイクロフィブリルの少なくとも一部が連続層を形成し
てなる微孔性二軸延伸フィルムは、高分子量ポリエチレ
ンと高分子量ポリプロピレンからなる組成物を可塑剤の
存在下に溶融混練し、冷却固化することによりシートを
得て、該シートを二軸延伸するに当たって、特定の延伸
温度を選んで二軸延伸することにより得られ、可塑剤を
除去した二軸延伸フィルムを示差走査熱量計(DSC)
で観察したときに、ポリエチレンに帰属する二つの融点
ピークとポリプロピレンに帰属する一つの融点ピークが
観察されることが重要な特徴である。
【0027】本発明のフィルムの調製方法 以下、本発明のフィルムがどの様に調製されるべきか、
すなわち、原料、調製方法(原反シートの調製方法、二
軸延伸の方法)、得られたフィルムの物性と構造につい
て順次述べる。
【0028】〈原料〉原料として用いられる高分子量ポ
リエチレン(A)は、極限粘度[η]が10dl/g以
上、好ましくは10ないし30dl/gの範囲のもので
ある。[η]が10dl/gを下回るものは、得られた
フィルムの示差走査熱量計での観察でポリエチレンの二
つの融点ピークのうちの高温側のピークが認められず、
結果として、高強度フィルムを得ることが難しい。一
方、極限粘度[η]の上限は特には限定されないが、3
0dl/gを越えるものは、詳しくは後述する加工時に
用いる可塑剤(C)を添加した場合、均一な混合物をつ
くるのが難しいばかりでなく、溶融粘度が高くなり、成
形性に劣ることとなる。
【0029】このような高分子量ポリエチレンとは、エ
チレン単独やエチレンと少量のα−オレフィンを、いわ
ゆるチーグラー触媒により重合して得られるポリエチレ
ンの中で分子量の高い範疇のものである。共重合の場合
に用いられるα−オレフィンとはプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等で、その炭素数が3ないし9個
の範囲にあるものであり、その含有量は5重量%以下が
好ましい。またα−オレフィンの中ではプロピレン、1
−ブテンが好ましい。
【0030】高分子量ポリプロピレン(B)とは、極限
粘度[η]が3ないし15dl/gのものである。極限
粘度が3dl/gを下回るものは、フィルムにしたとき
にポリエチレンの融点以上の領域で強度を保つことが出
来ず、また15dl/g以上を越えるものはポリエチレ
ンとの相溶性が乏しい。ポリプロピレンはプロピレン単
独、もしくはプロピレンとエチレンもしくは/および1
−ブテンとを重合して得ることができる。共重合の場合
はエチレンもしくは/および1−ブテンの含有量は5重
量%以下である。
【0031】流動性改良剤として、用いる可塑剤(C)
は沸点が高分子量ポリプロピレン(B)の融点を超える
もので、好ましくは沸点が高分子量ポリプロピレン
(B)の融点+10℃以上であり、また融点が一般的に
110℃以下のものであり、110℃以上の温度で溶融
混練することにより、容易に、高分子量ポリエチレン
(A)と高分子量ポリプロピレンに相溶し、均一な混合
物をつくるもので、大別してE、Fの二つの群より選ば
れる。まずE群としては分子量2000以下の室温固体
の炭化水素系可塑剤であって、好ましくは、相溶性の観
点から、分子量400以上、1000以下のパラフィン
系ワックスである。
【0032】パラフィン系ワックスとしては、具体的に
はドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタ
ン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはそれらを
主成分とした低級n−アルカン等の混合物、石油から分
離生成されたいわゆるパラフィンワックス、エチレン単
独およびエチレンと他のα−オレフィンとを重合して得
られる低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワ
ックス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合
ワックス、あるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポ
リエチレン等のポリエチレンを熱減成により分子量を低
下させたワックス及びそれらワックスの酸化物あるいは
変性物等の酸化ワックスまたは変性ワックスが挙げられ
る。
【0033】またF群としては、特に炭素数15以上で
水酸基を有する脂肪族化合物が好ましい。その具体例と
してはセチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ス
テアリルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアル
コール等のアルコール類;ジオクチルエーテル、ジデシ
ルエーテル、ジドデシルエーテル等のエーテル類;メチ
ルテトラデシルケトン、ジドデシルケトン、n−プロピ
ルヘキサデシルケトン、ジオクタデシルケトン等のケト
ン類;ラウリル酸オクチル、パルミチン酸エチル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル等のエステル類
等の脂肪族化合物、ジシクロペンタジエンを主成分とす
る平均分子量500ないし2000程度の石油樹脂又は
該石油樹脂の水添物等の脂環式化合物等が挙げられる。
【0034】〈原反シートの調製〉原反シートの調製方
法は、以下の通りである。高分子量ポリエチレン(A)
と高分子量ポリプロピレン(B)の組成比は、高分子量
ポリエチレン(A)80ないし20重量%と高分子量ポ
リプロピレン(B)20ないし80重量%であり、好ま
しくは高分子量ポリエチレン(A)70ないし30重量
%と高分子量ポリプロピレン(B)30ないし70重量
%、より好ましくは高分子量ポリエチレン(A)60な
いし40重量%と高分子量ポリプロピレン(B)40な
いし60重量%である。
【0035】高分子量ポリエチレン(A)と高分子量ポ
リプロピレン(B)の混合物全体、すなわち、高分子量
ポリマー混合物(A+B)と可塑剤(C)の組成比は、
高分子量ポリマー混合物(A+B)20ないし75重量
%と可塑剤(C)80ないし25重量%であり、これら
を均一に配合し、溶融混合し、ついで冷却固化すること
により、原反シートを得る。前記高分子量ポリマー混合
物(A+B)と可塑剤(C)との組成比は上述の範囲に
あれば特に限定されないが、好ましくは、高分子量ポリ
マー(A+B)が20ないし50重量%(ポリマーと可
塑剤の混合物全体を100%とする)、特に好ましくは
20ないし40重量%の範囲にある。
【0036】前記高分子量ポリマー混合物(A+B)と
可塑剤(C)との溶融混練は、たとえば、ヘンシェルミ
キサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラ
ーブレンダーで混合後、一軸押出機、二軸押出機等のス
クリュー押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で、
通常、融点以上300℃以下の温度で行い得る。高分子
量ポリプロピレンの融点以下の混練は、混合物の粘度が
高く、均一に混合できない。また300℃を超える温度
での溶融混練では高分子量ポリエチレンおよび特に高分
子量ポリプロピレンの熱劣化が起こるために好ましくは
ない。特に好ましい溶融混練温度は180ないし250
℃の範囲である。
【0037】原反シートへの成形は、通常、T−ダイを
装着した押出機による押出成形が好ましく、また生産性
は劣るものの、圧縮成形による方法でもよい。溶融混練
はシートの成形に先だってあらかじめ、行ってもよい
し、スクリュー押出機等で溶融混練しながら、ダイより
原反シートを押し出す連続法で行ってもよい。圧縮成形
による場合は、予め溶融混練を別途行い、シート状の形
状付与を圧縮成形にて行う。原反シートの厚みは延伸時
にチャックで挟み操作するため、0.05mmないし5
mmの範囲にあることが好ましい。
【0038】〈可塑剤(C)の除去〉可塑剤(C)は、
最終的にはフィルムから実質的に全量除去される。除去
の工程は特に限定されない。上述した様に調製した原反
シートから、延伸に先だって可塑剤(C)の一部もしく
は全部を抽出除去して、その後延伸してもよいし、延伸
しながら一部もしくは全部抽出除去してもよい。また、
延伸後に全部かまたは残存する可塑剤(C)を全部抽出
除去してもよい。ただし、工程の管理のし易さからは、
延伸時に一部もしくは全部の可塑剤(C)を残して、延
伸後に、全部または一部残った可塑剤を抽出除去するの
が好ましい。
【0039】〈原反シートから可塑剤(C)の抽出〉可
塑剤の除去の工程については上述したが、以下、延伸に
先だって抽出除去する方法について述べる。前記方法に
て調製されたシートは、この後、80℃以下の温度で、
可塑剤(C)を一部または実質的に残存しないように抽
出除去処理を施される。かかる可塑剤(C)を抽出除去
することの出来る溶剤(D)としては、E群の可塑剤
(C)においては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n
−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン
のような炭化水素系低分子量溶剤が適している。F群の
可塑剤においては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類;芳香族
炭化水素、クロロホルム、アセトン、四塩化炭素などあ
るいはこれらの混合物を用いることが出来る。
【0040】抽出除去に当たっては、常温下で行うこと
もできるが、約50ないし60℃前後の温度下で行うの
も、処理速度を向上させるため好ましいことである。抽
出除去処理温度の上限はポリエチレン原反シートの軟化
点であるが、これは可塑剤(C)の種類、高分子量ポリ
エチレン(A)と高分子量ポリプロピレン(B)と可塑
剤(C)の組成によっても、多少異なるが、80ないし
85℃の範囲にある。シートの軟化点以上での長時間に
よる抽出除去処理は、可塑剤(C)との共存下で高分子
量ポリエチレン(A)と高分子量ポリプロピレン(B)
が結晶化することによって形成された、二軸延伸性に優
れた球晶構造からなる、好適な構造を変化させるため好
ましくない。
【0041】原反シートを非拘束状態(自由端)で抽出
除去処理を行った場合、原反シートは収縮するが、面積
比で30%までの収縮であれば、続く二軸延伸工程での
延伸特性を損なうものではないが、原反が反って、皺が
入ることがあり、これはテンターに装着する際、クリッ
プミスなどを起こす可能性があり、操作上好ましいもの
ではない。したがって、原反シートからの可塑剤の抽出
除去は少なくとも一方向を拘束状態(固定端)で行うこ
とが好ましい。
【0042】抽出効率を上げる観点から、抽出温度を上
げることが良い。このためには比較的沸点の高い抽出溶
剤(D)を用いることが好ましい。しかし抽出溶剤
(D)の乾燥を考えると、n−ヘプタン、n−オクタン
の様な比較的低沸点溶剤では室温に近い温度(例えば6
0℃以下)で直接行うことができる利点を有する。n−
デカン、n−ドデカンのような高沸点溶剤の場合には乾
燥温度を高くするよりもむしろ、一旦低沸点溶剤に置換
し、その後室温に近い温度で乾燥することが好ましい。
【0043】抽出除去処理後の、シートへの可塑剤
(C)の残存量は、可塑剤(C)が結晶性であれば、示
差走査型熱量計(DSC)により、融点の大小有無で確
認することが出来るし、ソックスレー抽出器を用いて、
高分子量ポリエチレンや高分子量ポリプロピレンを溶解
しない、かつ可塑剤(C)を溶解し得る適当な溶剤、例
えば可塑剤がパラフィンワックスであれば、例えば沸騰
n−ヘキサンのようなものをもちいて、原反シートを抽
出処理することにより、その重量の減少から確認するこ
ともできる。
【0044】二軸延伸後に可塑剤(C)の除去工程を省
略するためには、実質的に可塑剤(C)が残存しない様
に除去しなければならない。多少の残存量で有れば、こ
れは二軸延伸時に飛散消失する。実質的に残存しない量
とは、可塑剤(C)の種類にもよるが、目安は8重量%
以下である。
【0045】〈二軸延伸〉可塑剤を除去した場合と、可
塑剤を含んだまま延伸する場合とでは多少条件を調整す
る必要があるが、基本的な取扱いは同じである。得られ
たシートは固相状態で140℃未満の温度で二軸延伸を
行う。 その際、少なくとも1方向の延伸温度が110な
いし140℃未満であることが好ましい。この際の延伸
温度の下限は110℃である。少なくとも1方向の延伸
をこの範囲内の温度で行うことにより、フィルムは示差
走査熱量計による観察で2つのポリエチレンに帰属する
融点と1つのポリプロピレンに帰属する融点を持つ。
【0046】二軸方向ともに110℃以下の温度での延
伸では到達可能な延伸倍率が低い値に留まるし、またフ
ィルムは1つのポリエチレンに帰属する融点と1つのポ
リプロピレンに帰属する融点しか持たず、その結果、高
強度を発現することが困難である。また延伸応力も大き
く延伸操作上、不利である。延伸温度が140℃以上の
ときはポリエチレンに延伸応力が掛かりにくいため、こ
の場合も、フィルムは1つのポリエチレンに帰属する融
点と1つのポリプロピレンに帰属する融点しか持たず、
その結果、高強度を発現することが困難である。
【0047】延伸温度が160℃以上の場合には微孔性
構造をとらず、緻密構造となる。延伸開始に当たって、
シートを加熱して延伸温度に調製する前段階で、長時
間、80℃以上の温度に暴露することは好ましくない。
延伸は原反シートを80℃以上に加熱して後、5分以
内、好ましくは3分以内に開始されるべきである。調製
された原反シートを二軸延伸する方法は、テンター法に
よる同時もしくは逐次二軸延伸、あるいは、ロール等に
より縦方向に延伸後、テンターにより横方向に延伸する
逐次二軸延伸法が挙げられる。逐次二軸延伸法の場合に
は、90ないし110℃の温度で縦方向に延伸後、12
0ないし130℃の温度で横方向の延伸を行うことが好
ましい。
【0048】延伸倍率が縦方向、横方向それぞれ6倍以
上の場合には多段延伸が好ましい。この時、延伸温度
は、140℃を越えない範囲で前段の延伸工程から後段
の延伸工程に向かって温度を上昇させていってもよい。
押し出された原反シートを延伸する際には、ダイより押
し出された溶融状態のシートが冷却されて延伸温度に入
ったときに、延伸を行う方法もあるが、本発明に於いて
は、シート状溶融混合物を、一旦、可塑剤(C)ととも
に冷却固化した後、再度加熱し、上記延伸温度内で延伸
するのが好ましい。
【0049】通常、延伸時の熱媒体は空気であるが、延
伸中に可塑剤(C)の除去を行うのであれば、比較的沸
点が高く、延伸温度でポリエチレンやポリプロピレンと
相溶せず、可塑剤(C)と相溶するような溶剤(D)が
選ばれる。また二軸延伸する際の延伸倍率は、通常、縦
方向が3倍以上、好ましくは4倍ないし20倍、横方向
が3倍以上、好ましくは4倍ないし20倍であり、面倍
率で20倍以上が好ましい。
【0050】超薄膜の作製を目的とするときには、縦方
向、横方向ともに20倍以上の延伸倍率が好ましい。延
伸倍率が20倍を超えると、延伸により作製される高分
子量二軸延伸フィルムの厚さは、空孔率、原反シートの
組成にもよるが、400分の1以下になるため、超極薄
フィルム(膜厚1μ以下)の製作に適しているが、本発
明が主目的とするセパレータとしてのフィルム製造にお
いては現行では特殊な場合を除いて不向きであると云え
る。
【0051】本発明では、高分子量フィルムの調製に先
だって、高分子量ポリエチレン(A)と高分子量ポリプ
ロピレン(B)には、可塑剤(C)に加えて、耐熱安定
剤、耐候安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、スリッ
プ剤、顔料、染料、界面活性剤、無機充填剤等、通常ポ
リオレフィンに添加して使用される各種添加剤を本発明
の目的を損なわない範囲で配合しておいてもよい。
【0052】〈フィルムからの可塑剤(C)の除去〉前
述したように、可塑剤(C)の除去は延伸後、行うこと
もできる。延伸フィルムは厚みが延伸前と比較して薄く
なっているために抽出で除去する場合は抽出効率から見
て好ましい。抽出除去の条件や用いられる溶剤(D)は
原反シートの項で述べた条件にほぼ準ずる。ここまでに
可塑剤(C)はほぼ完全に除去されていなければならな
い。ほぼ完全とは残存量で1%以下であることを意味す
る。
【0053】〈フィルムの熱処理〉得られるフィルム
は、用途によっては、寸法安定性、引張弾性率や引張強
度を改良するために、熱処理をすることができる。延伸
操作を終了したフィルムを一旦60℃以下の温度に冷却
し、この後、定長拘束下で80ないし170℃の範囲の
温度で処理することが好ましい。この段階に先だって、
可塑剤(C)は実質的に除去されていなければならな
い。
【0054】熱処理を行うための熱媒体は、空気、窒素
ガスなどの気体やポリエチレンを溶解、変性しない水、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのよう
な液体が用いられる。好適な処理温度は、140℃ない
し160℃付近であるが処理時間を選ぶことによりこの
温度に制限されない。上述の処理により、空孔率は若干
低下しフィルムは処理前に比べて、薄くなる。
【0055】〈本発明によって得られるフィルムの構造
と物性について〉本発明のフィルムは厚みにもよるが、
半透明か、不透明で光沢のある白色を呈している。フィ
ルムの構造はポリエチレンのマイクロフィブリルとポリ
プロピレンのマイクロフィブリルが均一に分散し、不織
布状の微孔性構造をしている。この構造は走査型電子顕
微鏡による3000ないし10000倍の倍率での観察
により容易に確認することができる。ポリエチレンやポ
リプロピレンの延伸物はマイクロフィブリルとその集合
体であるフィブリルから構成されていることはピーター
リン(A. Peterlin, Collid and Polymer Science, Vo
l.253, Pages 809-823(1975) )によって明らかにされ
ている。それによるとマイクロフィブリルは100ない
し数百オングストローム程度のサイズの幅を持った繊維
状組織である。通常の高分子成形体は、マイクロフィブ
リルの集合体であるフィブリルで形成され、その幅方向
のサイズは1000オングストローム以上である。従っ
て、本発明のフィルムがマイクロフィブリルから構成さ
れていることは一目瞭然である。本発明で得られる微孔
性フィルムの代表例として、後述する実施例1の試料番
号2のフィルムの電子顕微鏡写真(倍率10,000
倍)を図3に示した。
【0056】通常、ポリエチレンとポリプロピレンをブ
レンドした場合には、ポリエチレンとポリプロピレンは
お互いに相分離をして、比較的大きな単位で分散する
(ドメイン構造あるいは海島構造と云われるもの)。し
たがって、このようなフィルムを二軸延伸しても構造が
均一でないため、高倍率の延伸が達成できないばかりで
なく、その結果、均一の透気性を持つフィルムとならな
いし、勿論引張強度も発現しない。
【0057】本発明のフィルムがなぜマイクロフィブリ
ルの単位にまでわたって、微細な分散構造をとるのか、
その理由は明かでないが、1)可塑剤(C)を介して両者
を溶融混練していること、2)ポリエチレンが高分子量の
領域のものであること、ポリプロピレンが特定の高分子
量の領域のものを用いていることが必要条件として挙げ
られる。このフィルムの構造は示差走査熱量計(DS
C)により結晶の融解挙動を観察することによりさらに
詳しく特性付けを行うことができる。
【0058】すなわち、本発明で得られるフィルムの融
解特性曲線はポリエチレンに帰属する二つの融点ピーク
とポリプロピレンに帰属する一つの融点ピークで構成さ
れる。示差走査熱量計での観察は、例えば5ないし10
mgのフィルム試料をパンに封入し、昇温速度10℃/
分の条件で観察することにより行われる。
【0059】図1および図2に実施例および比較例で得
られたフィルムの融解特性曲線を示した。図1が実施例
1の試料番号3の引張強度の優れたフィルムの融解特性
曲線で、図2は比較例1の試料番号11の高引張強度が
発現しないフィルムの融解特性曲線である。ポリエチレ
ンに帰属する二つの融解ピークのうち低温側の融点は1
30.0ないし140.0℃に現れ、高温側の融点は1
40.0ないし152.0℃に現れ、その融点の差は5
℃以上、好ましくは10℃以上である。空孔率にもよる
が、この差が大きければ大きいほど、高引張強度のフィ
ルムが得られる。比較例中で詳述するが機械強度の劣る
フィルムの場合は、ポリエチレンに帰属する融点ピーク
は一つであり、それは本発明のフィルムのポリエチレン
融点ピークの低温側のピークに相当しており、高温側の
ピークは認められない。
【0060】したがって、ポリエチレンに帰属する融点
のうち、高温側融点ピークに相当する構造が高引張強度
を担っており、それゆえ、この構造は、フィルム内で連
続層を形成していることは明らかである。
【0061】高引張強度が発現するフィルムのポリエチ
レンに帰属する融点ピークが二つとなる理由については
学問的にはさらに厳密に解明されなければならないが、
引張強度の優れたフィルムにおいては、ポリエチレンの
結晶が2種類生成されているものと考えられる。すなわ
ち、低温側の融点ピークに相当する結晶は通常のポリエ
チレンフィルムに生成される折れ畳鎖結晶であり、高温
側の融点ピークの相当する結晶は引張強度の発現に直接
関係する伸び切り鎖結晶であると考える。そして、この
伸び切り鎖結晶層がフィルム内で連続層を形成してい
る。このことは、高温側のピーク位置が140.0から
152.0℃であり、これは高弾性率・高強度ポリエチ
レン繊維での一軸超延伸の際に見られる複数の融点ピー
クの高温側融点に相当することからも明かであると考え
られる。
【0062】したがって、本発明での最大のポイントは
伸び切り鎖結晶連続層を生成するようにフィルムを調製
することにある。本発明で得られるフィルムの常温での
引張強度は、フィルム全方向で900kg/cm2
上、好ましくは1000kg/cm2 以上、さらに好ま
しくは1200kg/cm2 以上である。同様に引張弾
性率はフィルムの全方向で5000kg/cm2 以上、
好ましくは、8000kg/cm2 以上、さらに好まし
くは10000kg/cm2 以上である。ポリエチレン
が溶融し、フィルムが不透気性となったときの引張強
度、すなわち150℃における引張強度は、フィルム全
方向で50kg/cm2 以上、好ましくは100kg/
cm2 以上である。ポリエチレンが溶融した後、ポリプ
ロピレンが持つ本来の機械強度を確保できることは、ポ
リエチレンの一部が連続層であるとともに、ポリプロピ
レンもフィルム内で連続層を形成しているものと思われ
る。
【0063】本発明で得られるフィルムの厚みは、延伸
前のシート厚みや可塑剤との組成比、そして延伸倍率、
さらに得られたシートの空孔率によって調整されるが、
フィルム調製時の操作性や調製後のフィルムの取扱い易
さから見て、100μm以下で1μm以上、好ましくは
50μm以下で4μm以上である。本発明で得られるフ
ィルムの空孔率は20ないし80%、好ましくは30な
いし60%である。フィルムの空孔率が20%を下回る
ときは本発明のフィルムの特徴である良好な透気性が得
られない。また空孔率が80%を上回るときには上述し
たフィルムの引張強度が得られない。
【0064】本発明で得られるフィルムの透気性は、ガ
ーレーデンソメーターで測定することにより評価するこ
とができる。好ましい透気度は、0.5ないし50秒/
10cc、好ましくは1.0ないし20秒/10ccで
ある。本発明で得られるフィルムは雰囲気温度の上昇に
ともない、ポリエチレンの溶融により、短時間で透気性
を失う。またポリエチレンの溶融後もフィルムは形状を
保持し、強度に優れるため、さらに雰囲気温度が上昇し
ても、フィルムが破損することなく不透気状態を保つ。
【0065】〈発明の効果〉本発明で得られるフィルム
は、良好な透気性とともに、引張強度に優れるために、
電池セパレータとしてとくに有用であり、これを用いる
ことによって、電池製造時に機械的ストレスに耐え、不
良率の低減に寄与する。またこの他に、一旦電池に組み
込まれたときに、短絡などにより電池温度が上昇したと
きに、速やかに不透気化し、電池機能を停止するととも
に、万一何らかの理由によりさらに温度が上昇しても、
フィルムが破損する虞が少なく、安全性に優れる。
【0066】以下、本明細書中で用いている物性値の測
定法について述べる。
【0067】〈極限粘度〉本明細書中での極限粘度は、
デカリン溶媒にて135℃で測定する値である。測定法
はASTM D4020に基づいて行う。
【0068】〈融点〉本明細書中で用いる融点(℃)は
特に断わりのない限り、ASTM D3417により、
示差走査型熱量計(DSC)により測定したサーモグラ
フの吸熱ピークのピークトップを測定したものである。
【0069】〈引張特性〉オリエンテック社製引張試験
機テンシロン(型式RTM100型)で室温(23℃)
で行った。試料形状はJIS1号ダンベルであり、クラ
ンプ間距離は80mmで引張速度は20mm/分である。引
張弾性率は初期接線弾性率であり、強度は破断点応力で
ある。計算に必要な断面積は実際にフィルムの厚みを測
定して、求めた。高温引張強度はクランプ部分を高温槽
に収納し、雰囲気温度を150℃として測定した。
【0070】〈膜厚の測定〉東京精密株式会社製膜厚測
定機ミニアックス(型式DH−150型)にて測定し
た。
【0071】〈空孔率〉試料重量を測定し、フィルムの
密度を0.95g/cm3 として、緻密フィルムとして
の厚みを計算で求め、上述の膜厚測定機による値との関
係で求めた。
【0072】 ここで、TO は膜厚測定機で求めた実際のフィルムの厚
み、そして、TW は重量から計算した空孔率0%のフィ
ルムの厚みである。
【0073】〈透気性の測定(ガーレー試験)〉AST
M D726に従い、フィルムを標準ガーレーデンソメ
ーター(GurleyDensometer) に装着することにより測定
される。すなわち水12.2インチの標準差圧(フィル
ム両面の圧力差)でフィルムの一平方インチの面積を通
して、空気10ccが流れるのに要する時間(秒)を測
定する。
【0074】〈フィルムの体積電気抵抗率、不透気化温
度と破損温度の測定〉予め、乾燥窒素雰囲気下(水分量
50ppm以下)で無水過塩素酸リチウムの1mole
/lの溶液をモレキュラーシーブ(和光純薬製:4A)
で脱水処理した炭酸プロピレンを溶媒として調製した。
この溶液を、減圧操作を利用して、フィルムに含浸し
た。このフィルムをニッケル電極に挟み、昇温下でイン
ピーダンスメーター(三田無線研究所製:モデルD−5
2S)でフィルムの体積電気抵抗率を測定した。装置、
測定法はラマンらの報告(F. C. Laman et al., J. Ele
ctrochme. Soc., Vol.140, 51-53 (1993))に基づいた。
常温(23℃)での体積電気抵抗率をフィルムの体積電
気抵抗率、抵抗率が急激に増大した温度を不透気化温
度、さらに昇温して抵抗率が急激に減少した温度をフィ
ルム破損温度とした。体積電気抵抗率は電極の材質形状
構造、電解液・電解質の種類によって異なるが本方法で
の測定値では80Ωcm2 /枚であれば、電池のセパレー
タ適性を有すると考えられる。
【0075】
【実施例】本発明の好適な実施態様を、実施例を挙げて
説明する。本明細書中や以下の実施例および比較例での
%は他に特定のない限り、すべて重量規準(内重量%)
である。
【0076】<実施例1>高分子量ポリエチレンの粉
末、高分子量ポリプロピレンの粉末とパラフィンワック
スの粉末を均一に混合した。得られた粉末状混合物を二
軸スクリュータイプの溶融混練機ラボプラストミル(東
洋精機製作所製:型式20R200型)を用いて、20
0℃で、10分間溶融混練し、均一な溶融混合物とし
た。この際スクリューの回転数は50回転であった。こ
の溶融混合物を溶融状態で取り出して、一対のプレス板
の間にいれて、金枠で厚みを調整し、直ちに熱板を20
0℃に設定した熱プレス成形機に挟み込むことにより、
シート状に加工した。5分間熱プレス成形機で圧縮した
後、プレス板に挟んだ溶融混合物を金枠ごと取り出し
て、20℃に冷却板を調整した冷却プレス成形機に挟
み、圧縮し、冷却固化させて、厚さ約1mmのシートを
得た。
【0077】次に得られたシートを用いて、同時二軸延
伸を行い、二軸配向フィルムを得た。二軸延伸機はテン
タークリップ方式の東洋精機製作所製二軸延伸機ヘビー
型を用いて、延伸速度は1.5m/分であった。次い
で、得られたフィルムからパラフィンワックスを抽出す
るため、フィルムを金枠に四方向固定して、60℃の温
度に設定したn−デカン浴槽の中に約30分間放置し、
続いて、室温でn−ヘキサンで洗浄し、放置し、乾燥し
た。得られた乾燥フィルムを示差走査熱量計で観察した
ところ、69℃にパラフィンワックスの融解ピークは認
められなかった。表1−1に原料、表1−2に原料組
成、調製条件を示す。また得られたフィルムの結果につ
いて表1−3と表1−4に示した。
【0078】
【0079】 表1−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 1 20 30 50 125 6 ×6 2 20 30 50 125 8 ×8 3 25 25 50 125 6 ×6 4 30 20 50 125 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0080】 表1−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 1 25.2 37.4 15.7 1700 10,330 90 220 2 29.5 32.9 39.2 1910 11,070 92 280 3 29.0 36.6 20.7 1620 10,940 99 260 4 29.4 33.2 38.1 1390 12,530 94 290 ────────────────────────────────────
【0081】 表1−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 1 137.4 149.5 169.1 52 140 190 2 137.9 148.1 170.0 70 140 190 3 136.5 149.9 170.0 61 140 190 4 135.6 149.1 170.5 72 140 190 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0082】<実施例2>分子量の異なる原料ポリプロ
ピレンを用いた他は実施例1と同様にしてフィルムを調
製した。表2−1に原料、表2−2に原料組成、調製条
件を示した。また得られたフィルムの結果について表2
−3と表2−4に示した。
【0083】 表2−1 原料 ┌────────────┬───────────────┐ │高分子量ポリプロピレン │極限粘度[η]=7.9 dl/g │ ├────────────┼───────────────┤ │高分子量ポリエチレン │極限粘度[η]=14.0 dl /g │ ├────────────┼───────────────┤ │パラフィンワックス │融点=69℃、分子量=460 │ └────────────┴───────────────┘
【0084】 表2−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 5 25 25 50 125 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0085】 表2−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 5 23.5 35.2 19.6 1720 11,180 94 180 ────────────────────────────────────
【0086】 表2−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 5 136.1 149.5 166.5 53 140 180 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0087】<実施例3>原料の組成を代えた他は実施
例1と同様にして、フィルムを調製した。表3−1に原
料、表3−2に原料組成、調製条件を示した。また得ら
れたフィルムの結果について表3−3と表3−4に示し
た。
【0088】
【0089】 表3−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 6 15 15 70 125 6 ×6 7 18 12 70 125 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0090】 表3−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 6 18.8 51.9 7.5 1220 4970 107 220 7 18.0 48.7 11.9 1410 7180 110 240 ────────────────────────────────────
【0091】 表3−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 6 135.2 149.2 168.5 38 140 180 7 136.2 148.6 169.7 45 140 180 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0092】<実施例4>高分子量ポリエチレンの粉
末、高分子量ポリプロピレンの粉末とパラフィンワック
スの粉末から実施例1の方法と同様にして、厚さ約1m
mのシートを得た。次に、得られたシートの収縮を防ぐ
ために一対の金枠に挟んで、シートの四方向を固定し
た。これを60℃のn−デカン浴に約2時間放置するこ
とによりパラフィンワックスを抽出除去した。この際、
パラフィンワックスの除去を容易にするためにn−デカ
ンは撹拌された。次いでn−ヘキサンで溶媒置換を行
い、室温で四方向固定のまま、減圧下で乾燥した。得ら
れた乾燥シートを示差走査熱量計で観察したところ、パ
ラフィンワックスの融点は確認されなかった。この乾燥
シートを用いて、実施例1と同様にして二軸延伸をおこ
ない、フィルムを得た。表4−1に原料、表4−2に原
料組成、調製条件を示す。また得られたフィルムの結果
について表4−3と表4−4に示した。
【0093】 表4−1 原料 ┌────────────┬───────────────┐ │高分子量ポリプロピレン │極限粘度[η]=10.4 dl /g │ ├────────────┼───────────────┤ │高分子量ポリエチレン │極限粘度[η]=14.0 dl /g │ ├────────────┼───────────────┤ │パラフィンワックス │融点=69℃、分子量=460 │ └────────────┴───────────────┘
【0094】 表4−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 8 15 15 70 135 6 ×6 9 18 12 70 135 5 ×5 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0095】 表4−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 8 17.1 45.6 4.2 1770 13,460 74 230 9 21.6 42.3 6.3 1540 10,390 62 250 ────────────────────────────────────
【0096】 表4−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 8 130.7 151.7 169.6 22 140 190 9 130.7 151.7 169.2 30 140 190 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0097】<比較例1>実施例1の方法で延伸温度だ
け変えて、フィルムを調製した。表5−1に原料、表5
−2に原料組成、調製条件を示した。また得られたフィ
ルムの結果について表5−3と表5−4に示した。
【0098】
【0099】 表5−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 10 20 30 50 140 6 ×6 11 25 25 50 140 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0100】 表5−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 10 27.8 32.5 34.3 650 8600 204 120 11 27.8 37.1 27.6 750 9910 182 160 ────────────────────────────────────
【0101】 表5−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 10 132.9 164.1 67 135 175 11 132.9 165.1 75 135 175 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0102】<比較例2>実施例1と同様にしてフィル
ムを調製した。表6−1に原料、表6−2に原料組成、
調製条件を示した。また得られたフィルムの結果につい
て表6−3と表6−4に示した。
【0103】
【0104】 表6−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 12 15 15 70 140 6 ×6 13 18 12 70 140 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0105】 表6−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 12 20.4 52.7 9.3 450 4970 196 130 13 20.0 51.4 10.1 730 5830 134 180 ────────────────────────────────────
【0106】 表6−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 12 133.8 163.3 43 135 170 13 133.4 164.2 45 135 175 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0107】<比較例3>実施例1と同様にして、フィ
ルムを調製した。表7−1に原料、表7−2に原料組
成、調製条件を示した。また得られたフィルムの結果に
ついて表7−3と表7−4に示した。
【0108】
【0109】 表7−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 14 15 15 70 125 6 ×6 15 15 15 70 125 8 ×8 16 15 15 70 140 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0110】表7−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%) (秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 14 19.2 59.8 6.0 290 3210 140 105 15 13.5 56.3 5.5 390 3680 129 135 16 22.4 58.2 7.0 310 3500 180 125 ────────────────────────────────────
【0111】 表7−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 14 132.0 165.6 35 135 170 15 130.7 164.2 34 135 170 16 132.0 165.6 38 135 170 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0112】<比較例4>実施例1の方法でフィルムの
調製を行った。表8−1に原料を、表8−2に組成、フ
ィルムの調製条件を示した。各成分が均一に溶融混練さ
れず、フィルムの破損により延伸することが出来なかっ
た。
【0113】
【0114】 表8−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 17 15 15 70 125 4 ×4 18 15 15 70 140 4 ×4 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0115】<比較例5>実施例1と同様にして、フィ
ルムを調製した。表9−1に原料、表9−2に原料組
成、調製条件を示す。また得られたフィルムの結果につ
いて表9−3と表9−4に示した。
【0116】
【0117】 表9−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 19 50 − 50 125 5×5 20 50 − 50 140 5×5 21 50 − 50 140 6×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0118】 表9−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%)( 秒/10cc) (Kg/cm2) (Kg/cm2) (%) 引張強度 (Kg/cm2) ──────────────────────────────────── 19 27.5 34.0 40.1 1330 13,500 85 470 20 25.9 40.0 21.1 1100 9,000 93 440 21 19.5 36.1 16.1 1310 10,500 81 520 ────────────────────────────────────
【0119】 表9−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 19 − 170.2 75 180 190 20 − 171.4 54 180 190 21 − 171.4 50 180 190 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【0120】<比較例6>実施例1と同様にして、フィ
ルムを調製した。表10−1に原料、表10−2に原料組
成、調製条件を示した。また得られたフィルムの結果に
ついて表10−3と表10−4に示した。
【0121】
【0122】 表10−2 原料組成およびフィルム調製条件 ──────────────────────────────────── 試料番号 原料組成(%) 延伸温度 延伸倍率 PP PE WAX (℃) 縦×横 ──────────────────────────────────── 22 − 25 75 120 6 ×6 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、WAX :パラフ
ィンワックス
【0123】 表10−3 結果1 ──────────────────────────────────── 試料 フィルム 空孔率 透気度 引張強度 引張弾性率 伸び 高温 番号 厚さ (%)(秒/10cc) (kg/cm2) (kg/cm2 ) (%) 引張強度 (μ) (kg/cm2) ──────────────────────────────────── 22 23.8 56.3 3.9 2980 14,070 78 20以下 ────────────────────────────────────
【0124】 表10−4 結果2 ──────────────────────────────────── 試料 PEの融点 PP の融点 体積電気抵抗率 不透気化温度 破損温度 番号 (℃) (℃) (Ωcm2/枚) (℃) (℃) ──────────────────────────────────── 22 148.0 − 20 150 160 ──────────────────────────────────── PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた試料番号3のフィルムの融
解特性曲線を示すグラフである。
【図2】比較例1で得られた試料番号11のフィルムの
融解特性曲線を示すグラフである。
【図3】実施例1で得られた試料番号2のフィルムの電
子顕微鏡写真(10,000倍)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−234578(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度[η]が10dl/g以上の高
    分子量ポリエチレン20ないし80重量%と極限粘度
    [η]が3ないし15dl/gの高分子量ポリプロピレ
    ン80ないし20重量%とを含有する組成物からなる二
    軸延伸フィルムであって、該フィルム物性が(a)引張
    強度が全方向で900Kg/cm2 以上であり、(b)
    透気度が0.5ないし50秒/10ccであり、さらに
    該フィルム構造が、(c)ポリエチレンとポリプロピレ
    ンのマイクロフィブリルより構成され、(d)それぞれ
    のマイクロフィブリルの少なくとも一部が連続層を形成
    し、(e)該フィルムを示差走査熱量計で観察したとき
    に、ポリエチレンに帰属する二つの融点ピークとポリプ
    ロピレンに帰属する一つの融点ピークが観察されること
    を特徴とする微孔性二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンに帰属する二つの融点ピー
    クのうち、低温側の融点は、130.0ないし140.
    0℃に現れ、高温側の融点は140.0ないし152.
    0℃に現れ、その融点の差が5℃以上あることを特徴と
    する請求項1記載の微孔性二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 極限粘度[η]が10dl/g以上の高
    分子量ポリエチレン(A)と極限粘度[η]が3ないし
    15dl/gの高分子量ポリプロピレン(B)と可塑剤
    (C)とをA/B=80ないし20/20ないし80
    (重量比)、C/A+B=80ないし25/20ないし
    75(重量比)[但し、A+B+C=100重量%]の
    割合で溶融混合し、次いで冷却固化することにより、原
    反シートを得、その後、得られたシートを固相状態で1
    40℃未満の温度で縦横共に3倍以上延伸し、その際、
    少なくとも1方向の延伸温度が110ないし140℃未
    満の温度であり、その延伸前、延伸の途中または延伸後
    に、可塑剤を抽出することを特徴とする請求項1ないし
    2のいずれか1項記載の微孔性二軸延伸フィルムの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2項記載の微孔性二軸延
    伸フィルムからなることを特徴とする電池用セパレー
    タ。
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