JP2003020357A - ポリオレフィン微多孔膜およびその製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン微多孔膜およびその製造方法Info
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Abstract
セパレータに好適なポリオレフィン微多孔膜を提供する
ことであり、具体的には突刺強度が大きく、電気抵抗因
子が小さく、孔閉塞温度が低く、かつ孔が閉塞する温度
での熱収縮が小さなポリオレフィン微多孔膜およびその
製造方法を提供することにある。 【解決手段】 突刺強度が0.18N/μm以上、電気
抵抗因子が46Ωcm以下、孔閉塞温度が137℃以
下、135℃での熱収縮率が縦、横方向ともに40%以
下であることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。
Description
孔膜に関し、特にリチウムイオン二次電池用セパレータ
に好適なポリオレフィン微多孔膜およびその製造方法に
関する。
濾材、通気性衣料用途、電池用セパレータや電解コンデ
ンサ用セパレータ等の材料として従来より使用されてき
た。近年では、リチウムイオン二次電池用途の需要が顕
著に伸びてきている。リチウムイオン二次電池用セパレ
ータとして備えるべき性質には多くの項目があるが、主
に電池の高容量化、高出力化、および安全性に適した膜
物性が求められている。
をできるだけ多くすることが第一の対応策であり、その
ためにセパレータの膜厚はできるだけ薄いことが求めら
れている。しかし、この薄膜化は単に従来の膜を薄くす
るだけではセパレータの機械強度の低下をもたらし電池
組立の際の短絡不良が増加し組立収率が低下するため、
機械強度すなわち突刺強度の向上が求められている。電
池の高出力化では大電流放電を可能とするために電池缶
内の電極や電解液等の構成部材の電気抵抗をできるだけ
小さくする必要があり、セパレータも低電気抵抗化が必
要である。微多孔膜の電気抵抗は膜の空隙量すなわち気
孔率に大きく依存するが、気孔率が大きくなるほど膜強
度は低下してしまう。そのため膜の強度を維持しつつ電
気抵抗をできるだけ小さくできる適切な孔構造の形成が
求められる。
理論式が提出されている。 R=r・(τ2・L)/(ε・A) (1) ここで膜の電気抵抗をR(Ω)、電解液の比抵抗をr
(Ωcm)、膜の曲路率をτ、膜厚をL(cm)、膜の
気孔率をε、膜面積(測定面積)をA(cm2)とし
た。曲路率τは膜の孔構造を表す因子であるが測定困難
な因子である。そのため曲路率は通常気孔率が大きいほ
ど小さくなることからτ=1/εと近似し、この関係を
(1)式に代入すると(2)式となる。 R=r・L/(ε3・A) (2) (2)式から、膜形状因子としてL/(ε3・A)が導
出される。この膜形状因子で電気抵抗の実測値Rを割っ
た値R・(ε3・A)/Lは、膜形状(膜厚と気孔率)
を規格化した電気抵抗値となりこの値を比較することに
より低電気抵抗に適した孔構造かどうかが判断できるこ
とになる。以上より、R・(ε3・A)/Lを電気抵抗
因子としてこの因子が小さいほど電池の高出力化に適し
た膜となる。
ーズ温度」すなわち膜の孔閉塞温度が重要な物性であり
孔閉塞温度ができるだけ低いことが求められている。ま
た、孔が閉塞する温度では膜は溶融し大きく収縮するこ
とが常であるが、この際正極と負極間の短絡が生じ電池
が熱暴走してしまう危険性が指摘されている。このため
膜の孔閉塞が生じる高温での熱収縮ができるだけ小さい
ことが電池安全性の面から求められるようになってい
る。
点の低密度ポリエチレン又は線状共重合ポリエチレンの
使用が考えられるが、これらのポリエチレンでは延伸に
よる高強度化には限界があった。逆に高密度ポリエチレ
ンや超高分子ポリエチレンを高倍率延伸した膜では、大
きな突刺強度を示すが孔閉塞温度が上昇し孔閉塞時の熱
収縮も非常に大きくなってしまうことが常であった。こ
のように高性能リチウムイオン二次電池用セパレータと
しては突刺強度が強く、電気抵抗因子が小さく、孔閉塞
温度が低く、かつ孔閉塞時の熱収縮率が小さい微多孔膜
が最適であるが、これらの四物性は相互に密接に関連し
あっている。このため、従来数多く提案されてきている
製膜技術では四物性のいずれかの物性を特に改善するこ
とを目的としたり、二、三の物性のみを同時に達成する
ことが可能な技術である。これらの物性に関して何らか
の記載がある提案としては、特開平4−212265号
公報、特開平5−25305号公報、特開平6−212
006号公報、特開平7−29563号公報、特開平8
−34873号公報、特開平8−73643号公報、特
開平9−157423号公報、WO97/20883号
公報、特開11−130899等多数あるが、四物性を
同時に高いレベルで達成できる微多孔膜は製膜すること
ができなかった。
ウムイオン二次電池用セパレータに好適なポリオレフィ
ン微多孔膜を提供することであり、具体的には突刺強度
が大きく、電気抵抗因子が小さく、孔閉塞温度が低く、
かつ孔が閉塞する温度での熱収縮が小さなポリオレフィ
ン微多孔膜およびその製造方法を提供することにある。
対して鋭意研究をかさねた結果、原料ポリマーとして適
切な分子量のポリエチレンを主成分とするポリオレフィ
ンと可塑剤からなる組成物を用いてゲル状シートを作り
これに適切な延伸およびそれに続く高温加熱処理工程を
加えることを特徴とする製膜方法を施すことにより、突
刺強度が大きく、電気抵抗因子が小さく、孔閉塞温度が
低く、かつ孔が閉塞する温度での熱収縮が小さなポリオ
レフィン微多孔膜が得られることを見出し、本発明をな
すに至った。
が46Ωcm以下、孔閉塞温度が137℃以下、135
℃での熱収縮率が縦、横方向ともに40%以下であるこ
とを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。 (2)膜を構成するポリエチレンが粘度平均分子量30
万から200万であるとともに、DSCで137℃以下
の融点ピークと142℃以上の融点ピークのポリエチレ
ンに帰属される少なくとも二つの融点ピークを有するこ
とを特徴とする(1)記載のポリオレフィン微多孔膜。 (3)(1)または(2)記載のポリオレフィン微多孔
膜からなるセパレータ。 (4)(a)ポリオレフィンと可塑剤からなる組成物を
溶融混練し押出してゲル状シートを得る工程、(b)工
程(a)の後に二軸延伸を行いゲル状延伸フィルムを得
る工程、(c)工程(b)で得られたゲル状延伸フィル
ムのポリエチレンに帰属される融点ピーク以上の温度
(融点ピークが二つ以上有る場合は最も低温側の融点ピ
ーク以上の温度)に加熱後冷却してポリエチレン結晶の
少なくとも一部を溶融再結晶する加熱処理工程、(d)
工程(c)の後に可塑剤を抽出する工程からなることを
特徴とするポリオレフィン微多孔膜の製造方法。 (5)可塑剤を抽出する工程の後、少なくとも一軸方向
に少なくとも一回の延伸を行う工程および幅方向に熱緩
和を施す工程が加わることを特徴とする(4)記載のポ
リオレフィン微多孔膜の製造方法である。
よって異なる結晶構造を形成し広範囲の膜物性を実現す
る。特にフィルム成形加工では適切な延伸工程によって
分子鎖が配向した結晶いわゆる「配向結晶」を形成し高
強度化することはよく知られている。ポリエチレンの完
全結晶の融点は141℃とされているが、加工成形条件
によってはDSCの融点ピークが141℃を越える「高
融点結晶」の生成も知られている。例えば特開平7−2
68118号公報では、極限粘度[η]が10dl/g
以上の高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]が3ない
し15dl/gの高分子量ポリプロピレン組成物の延伸
膜でポリエチレンに帰属する二つの融点ピークが観察さ
れることを特徴とする微多孔性二軸延伸フィルムを提案
している。低温側の融点ピークは延伸フィルムの折り畳
鎖結晶の融点であり、高温側の融点ピークは伸び切り鎖
結晶の融点であるとしている。ここで延伸フィルムの折
り畳鎖結晶はいわゆる配向結晶に対応しており、伸び切
り鎖結晶は高融点結晶に対応すると考えられる。
ポリエチレンを主成分とするゲル状シートを延伸してい
る。この延伸工程によって得られたゲル状延伸フィルム
ではポリエチレンの配向結晶と高融点結晶が少なくとも
一部形成されていると推定される。続いて本発明ではこ
のゲル状延伸フィルムのポリエチレンに帰属される融点
ピークのうち最も低温側のピーク以上の温度に加熱後冷
却している。この工程によってポリエチレンの配向結晶
の少なくとも一部を溶融し再結晶化することによって低
融点の結晶を形成している。このため二つ以上の融点ピ
ークがDSCで観測されることになる。この加熱処理に
よって低融点の結晶が形成されることにより孔閉塞温度
が低くなるとともに、配向結晶の減少から高温での熱収
縮が小さくなっていると推定される。
工程については国際公開番号WO00/20492にお
いて例がある。この場合の加熱温度はポリオレフィン組
成物の結晶分散温度以上で融点+30℃以下の温度範囲
としているが、加熱工程の目的は結晶ラメラの再配列を
行い透過性を向上させることにあり膜の溶解はさける温
度としている。加熱温度が結晶分散温度よりも高温であ
れば、結晶構造の再配列が生じ微多孔膜の孔構造の変化
が生じるが、結晶の融解が生じなければ低融点の結晶は
形成されないことから、本発明の加熱処理とは明らかに
異なっている。
エチレン単独またはポリオレフィン組成物である。ポリ
オレフィン組成物はポリエチレンを主成分として、ポリ
エチレン以外にポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1
−ペンテンなどのポリオレフィンを合計で50wt%未
満、より好ましくは20wt%未満、加えた組成物であ
る。ポリエチレンの粘度平均分子量は、加熱処理での膜
形状および突き刺し強度の保持、さらには膜の加工性の
観点から30万から200万が好ましい。より好ましく
は40万から150万である。本発明で用いるポリエチ
レンとは、エチレンを重合した結晶性の単独重合体もし
くはエチレンと10モル%以下のプロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等の共重
合体があげられる。また、これらの単独重合体および共
重合体の混合物であることも差し支えない。
レフィンと混合した際にポリオレフィンの融点以上にお
いて均一溶液を形成しうる不揮発溶媒であればよい。例
えば、流動パラフィンやパラフィンワックス等の炭化水
素類、フタル酸ジオクチルやフタル酸ジブチル等のエス
テル類、オレイルアルコールやステアリルアルコール等
の高級アルコールが挙げられる。また本発明における組
成物には、酸化防止剤等の添加物を適宜加えても構わな
い。
と可塑剤からなる組成物を溶融混練し、押し出して冷却
固化させゲル状シートを成形する。ポリオレフィンの配
合割合は微多孔膜として適性な性能を発現するために好
ましくは20〜70wt%、より好ましくは30〜50
wt%である。続いてこのシートを延伸する工程ではゲ
ル状シートを加熱しテンター法、ロール法、圧延法もし
くはこれらの方法を組み合わせて行うが、テンターを用
いた同時二軸延伸が好ましい。延伸温度は使用するポリ
オレフィンの結晶分散温度から結晶融点の間の温度であ
る。具体的には90〜140℃で、好ましくは100〜
130℃の範囲である。延伸倍率は使用するポリオレフ
ィンによって可能な範囲があるが、延伸時の破膜が生じ
ない範囲でできるだけ高倍率が好ましい。高倍率延伸ほ
どポリエチレンの配向結晶化が進むとともに伸びきり鎖
に対応する高融点結晶が形成し易い。
だ延伸膜のポリエチレンに帰属される融点ピークのうち
最も低温側のピークよりも高温で加熱する。膜強度を保
持しつつ、低融点の結晶を形成させるため、具体的には
130〜150℃が好ましい。可塑剤を抽出する抽出溶
媒は、ポリオレフィンに対して貧溶媒でありかつ可塑剤
に対して良溶媒であればよく、沸点が原料ポリオレフィ
ンの融点よりも低いことが望ましい。このような抽出溶
媒としては、例えば、n−ヘキサンやシクロヘキサン等
の炭化水素類、塩化メチレンや1,1,1-トリクロロエタン
等ハロゲン化炭化水素類、エタノールやイソプロパノー
ル等のアルコール類、アセトンや2-ブタノン等のケト
ン類等が挙げられる。
に少なくとも一回延伸操作を行うこともできる。この抽
出後延伸では、可塑剤を除去した状態で延伸するので延
伸に伴ってポリマー界面の破壊が支配的に生じ、微多孔
膜の気孔率を増大させる効果がある。抽出後延伸の延伸
倍率は任意の倍率に設定できるが倍率が大きいと熱収縮
が大きくなるので、一軸方向の倍率で5倍以内、二軸方
向の面積倍率で20倍以内が好ましい。
に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例において示される試験方法は次の
通りである。 (1)膜厚(μm) ダイヤルゲージ(尾崎製作所製PEACOCK No.
25)を用いて測定。 (2)気孔率(%) 10cm角の試料を用意し、その試料体積(cm3 )と
質量(g)を測定し得られた結果から次式を用いて気孔
率(%)を計算した。 気孔率=(1−質量/(樹脂密度×試料体積))×10
0 なお、樹脂密度(g/cm3)はASTM−D1505
に準拠し、密度勾配法により測定した。 (3)透気度(秒) JIS P−8117に準拠しガーレー式透気度計(東
洋精器(株)製G−B2型)にて測定。
先端の曲率半径0.5mmの針を用いて突き刺し速度2
mm/sで突き刺し試験を行い最大突刺荷重(N)を得
る。この最大突刺加重(N)を試料の膜厚(μm)で除
することにより突刺強度(N/μm)を算出した。 (5)電気抵抗因子(Ωcm) 微多孔膜試料を内径1cm、外径2cm、厚み1mmの
テフロン(登録商標)パッキングで上下から挟みさらに
その外側に白金黒電極を上下に設置した測定セルを用い
て、安藤電気製LCRメーターAG−4311を使用し
て1kHzの交流にて測定し、膜がある状態の電気抵抗
値から膜の無い状態の電気抵抗値を差し引くことで電気
抵抗値(Ω)を求めた。この電気抵抗値(R)と膜厚
(L)、気孔率(ε)、測定面積(A)を(2)式に代
入して電気抵抗因子を算出した。なお、測定にはプロピ
レンカーボネートとジメトキシエタンの混合液(50/
50容量%)を溶媒として電解質に過塩素酸リチウム1
mol/リットルを用いた電解液を使用した。
Ni箔Aを縦15mm、横10mmの長方形部分を残し
てテフロン(登録商標)テープでマスキングするととも
に他方のNi箔Bには測定試料のセパレータを置き、セ
パレータの両端をテフロン(登録商標)テープで固定し
た。このNi箔Bを電解液(1mol/リットルLiB
F4/プロピレンカーボネート溶液)に浸漬してセパレ
ータに電解液を含浸させた後、Ni箔A,Bを張り合わ
せ2枚のガラス板で両側を押さえた。このようにして作
製したNi箔電極を25℃のオーブンに入れ180℃ま
で2℃/minで昇温した。この際のインピーダンス変
化を1V、1kHzの条件下で測定した。この測定にお
いてインピーダンス値が1000Ωに達した温度を孔閉
塞温度(℃)とした。
ーク温度(℃) セイコー電子工業(株)製DSC−220Cを使用し測
定した。サンプルは直径5mmの円形に打ち抜き、数枚
重ね合わせて3mgとし、これを直径5mmのアルミ製
オーブンサンプルパンに敷き詰め、クリンピングカバー
をのせサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。昇
温速度10℃/minで、30℃から180℃までを測
定し、融解吸熱曲線の極大点の温度を融点ピーク温度
(℃)とした。 (8)熱収縮率(%) 微多孔膜から縦(機械方向)および横(幅方向)ともに
10cm角で試料を切り取り、該試料の四方を拘束しな
い状態で135℃に加熱された熱風循環式オーブンに入
れ、2時間加熱後取り出し30分間静置した。その後試
料の縦(機械方向)および横(幅方向)の寸法を計測し
算出した。
し、135℃に調整された動粘度測定用恒温槽(トーマ
ス科学機器(株)製)内でキャノンフェンスケ粘度計
(SO100)を用いて極限粘度[η]を測定した。得
られた[η]を用いて次のChiangの式により粘度
平均分子量Mvを算出した。 [η]=6.77×10-4Mv0.67
リエチレン(UHMWPE)50質量部及び粘度平均分
子量が25万の高密度ポリエチレン(HDPE)50質
量部及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.
3質量部をヘンシェルミキサーを用いてドライブレンド
し、35mm二軸押出機に投入した。さらに、押出機に
流動パラフィンを注入して200℃で溶融混練し、コー
トハンガーダイを経て表面温度80℃に制御された冷却
ロール上に吐出量10kg/hで押出し、キャストする
ことにより厚み1.5mmのシートを得た。ここで組成
物の比率はポリエチレン混合物40質量部に対して、流
動パラフィン60質量部となるよう調整した。
延伸機を用いて延伸および加熱処理を行った。まず予熱
ゾーンで126℃で30秒間予熱した後122℃で7×
7倍に同時二軸延伸した。続いて延伸後の加熱ゾーンで
143℃で10秒間加熱した後同時二軸テンターから出
して空冷した。続いて塩化メチレン中に浸漬して流動パ
ラフィンを抽出除去し、その後付着した塩化メチレンを
乾燥除去した。さらにテンター延伸機を用いて115℃
で幅方向に1.2倍延伸した後1.1倍に緩和した。得
られた微多孔膜の粘度平均分子量は83万であり、DS
Cの測定では135.1℃と147.7℃に融点ピーク
が観測された。膜成形条件を表1に、得られた微多孔膜
の物性を表2に記載した。
0万の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を20
質量部及び粘度平均分子量が25万の高密度ポリエチレ
ン(HDPE)を80質量部とする以外は実施例1と同
様にして厚み1.5mmのシートを得た。ここで組成物
の比率はポリエチレン混合物45質量部に対して、流動
パラフィン55質量部となるよう調整した。該ゲル状シ
ートを用いて表1に記載した成形条件の内容に変更した
こと以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得ら
れた微多孔膜の物性を表2に記載した。
た。該ゲル状シートを用いて表1に記載した成形条件の
内容に変更したこと以外は実施例1と同様にして微多孔
膜を得た。得られた微多孔膜の物性を表2に記載した。
加熱条件の温度が低いとDSCの融点ピークが一つであ
るとともに孔閉塞温度が高くかつ135℃での熱収縮率
も大きくなっている。
万の高密度ポリエチレン(HDPE)を100質量部と
した以外は実施例1と同様にして厚み1.5mmのシー
トを得た。ここで組成物の比率はポリエチレン混合物4
5質量部に対して、流動パラフィン55質量部となるよ
う調整した。得られたゲル状シートを同時二軸テンター
延伸機を用いて延伸及び加熱処理を行った。まず予熱ゾ
ーンで115℃で30秒間予熱した後110℃で7×7
倍に同時二軸延伸した。続いて延伸後の加熱ゾーンで1
38℃で加熱したところ膜が溶融して破膜した。
た。該ゲル状シートを用いて表1に記載した成形条件の
内容に変更したこと、および予熱を115℃で30秒間
としたこと以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得
た。得られた微多孔膜の物性を表2に記載した。粘度平
均分子量が25万の高密度ポリエチレンでは、加熱処理
工程の温度を下げて破膜を防止しつつ加熱処理すること
はできるので、低い孔閉塞温度や低い熱収縮率は達成可
能であるが、突刺強度は大幅に低下している。
及び電気的特性に加えて優れた高温特性を有することか
らリチウムイオン二次電池用セパレータに好適である。
Claims (5)
- 【請求項1】 突刺強度が0.18N/μm以上、電気
抵抗因子が46Ωcm以下、孔閉塞温度が137℃以
下、135℃での熱収縮率が縦、横方向ともに40%以
下であることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。 - 【請求項2】 膜を構成するポリエチレンが粘度平均分
子量30万から200万であるとともに、示差走査熱量
計(DSC)でポリエチレンに帰属する融点ピークを1
37℃以下と142℃以上の少なくとも二つ有すること
を特徴とする請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のポリオレフィン
微多孔膜からなるセパレータ。 - 【請求項4】 (a)ポリオレフィン、可塑剤からなる
組成物を溶融混練し押出してゲル状シートを得る工程、
(b)工程(a)の後に二軸延伸を行いゲル状延伸フィ
ルムを得る工程、(c)工程(b)で得られたゲル状延
伸フィルムのポリエチレンに帰属される最も低温側の融
点ピーク以上の温度に加熱後冷却してポリエチレン結晶
の少なくとも一部を溶融再結晶する加熱処理工程、
(d)工程(c)の後に可塑剤を抽出する工程からなる
ことを特徴とするポリオレフィン微多孔膜の製造方法。 - 【請求項5】 可塑剤を抽出する工程の後、少なくとも
一軸方向に少なくとも一回の延伸を行う工程および幅方
向に熱緩和を施す工程が加わることを特徴とする請求項
4記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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