JPH08319290A - イミダゾール誘導体 - Google Patents

イミダゾール誘導体

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JPH08319290A
JPH08319290A JP8105162A JP10516296A JPH08319290A JP H08319290 A JPH08319290 A JP H08319290A JP 8105162 A JP8105162 A JP 8105162A JP 10516296 A JP10516296 A JP 10516296A JP H08319290 A JPH08319290 A JP H08319290A
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Application number
JP8105162A
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English (en)
Inventor
John Mcgarrity
マクガリティ ジョン
Leander Tenud
テヌート レアンダー
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Lonza AG
Original Assignee
Lonza AG
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D495/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D495/02Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D495/04Ortho-condensed systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 (+)−ビオチン製造の中間体として有用なイ
ミダゾール誘導体を提供する。 【解決手段】 下式で示される1H−フロ−〔3,4−
d〕−イミダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオ
ン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(+)−ビオチン
製造の中間体として有用な、新規なイミダゾール誘導体
に関する。
【0002】
【従来の技術】(+)−ビオチンは、ヒトビタミン、ビ
タミンHとして知られている。 これは皮膚病治療薬の
有効成分、および有用動物用の発育促進作用をもつ飼料
添加物として用いられる。
【0003】アメリカ特許第2,489,232号によ
り、ビオチンのラセミ体を製造する方法は知られてい
る。 この場合には、周知のように、製造したビオチン
のラセミ体を光学分割して、光学活性な(+)−ビチオ
ンを生物活性を有するものにしなければならない。 こ
の際、一方で、すべての反応段階でラセミ体の物質を用
いるから、二倍量の原料を用いなければならない。 他
方で、ビオチンラセミ体を対応するアンチポードに分割
するにはきわめて複雑な工程を要し、経済的に不利であ
り、分割された望まない方のアンチポードは実際にはラ
セミ化されず、工程で再使用することはできない。
【0004】アメリカ特許第2,489,232号に
は、この方法を改良したものが開示されている。 これ
はラセミ体分割以降の段階を連続プロセスで行なうもの
であるが、分割により生じた望まないアンチポードは前
記と同様にラセミ化はされず、工程での再使用はできな
い、という欠点が依然として存在している。
【0005】M.ムラカミとその共同研究者らは、dl
−ビオチオンの製造方法を改良した(特許出願公告第3
1,669/1970号、第37,775/1970
号、第37,776/1970号および第3,580/
1971号参照)。 この改良方法は、dl−1,3−
ジベンジルヘキサヒドロチエノ−〔3,4−d〕−イミ
ダゾール−2,4−ジオンの4−位置にカルボキシブチ
ル基を導入することである。 このジオンを、1,4−
ジハロゲンマグネシウムブタンと反応させ、続いて二酸
化炭素でカルボキシル化する。
【0006】ゲレック(Gerecke)らは、改良された方
法を開発した(ドイツ連邦特許出願公告第2,058,
248号)。 これは、次式〔式中、Rはコレステリル
残基をあらわす。〕で示されるトリエチルアミン塩、ま
たは次式〔式中、Rはジクロヘキシル残基をあらわ
す。〕で示されるエフェドリン塩
【0007】
【化3】
【0008】の光学分割を連続工程で行ない、さらにハ
ロゲン化アルキルと反応させて、光学活性中間体とし
て、次式
【0009】
【化4】
【0010】で示される光学活性なラクトンを製造する
ものである。 この方法の工業上の大きな欠点は、高価
な光学活性物質であるコレステレンおよびエフェドリン
を使用するだけでなく、高価なハロゲン化アルカリを使
用する点にある。 ヨーロッパ特許出願第016158
0号および第0173185号に開示された方法も、同
上の、すなわち高価な光学活性物質を用いるという欠点
を有する。
【0011】そのほか、ヨーロッパ特許出願第0154
225号により、1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1
H−チエノイミダゾールジオンをトリオキサアダマンチ
ルブチルマグネシウムブロミドと特殊なグリニヤール反
応を行なわせることにより脱水し、対応する保護基を脱
離してビオチンを製造する方法が知られている。 この
方法は、とくに高価なグリニヤール試薬を使用するか
ら、工業的にはやはり不利である。
【0012】発明者らは、容易に合成できる中間体を原
料として、(+)−ビオチンを、最も少ない反応工程に
より工業的に実施可能な方法で製造することができる方
法を提供することを意図して研究し、この課題が、以下
に述べる方法により解決されることを見出した。 すな
わち、(+)−ビオチンは、式
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、R1 は(R)−もしくは(S)−
1−フェニルアルキル基、(R)−もしくは(S)−1
−アルコキシカルボニル−1−フェニルメチル基、また
は(R)−もしくは(S)−1−アリールオキシカルボ
ニル−1−フェニルメチル基をあらわし、R2 は水素、
置換もしくは未置換のアルカノイル基、置換もしくは未
置換のベンゾイル基、置換もしくは未置換のベンジル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アリールオキシアルキル基、アルコキシアルキル
基、ピラニル基、置換もしくは未置換のベンゾスルホニ
ル基、アルキルスルホニル基、ジアリールホスフィニル
基、ジアルコキシホスフィニル基、またはトリアルキル
シリル基をあらわす。〕の化合物を、水素で接触還元
し、式
【0015】
【化6】
【0016】の目的とするジアステレオマーを分離し、
2 がHである場合には、これを脂肪族もしくは芳香族
の酸クロリド、脂肪族もしくは芳香族のカルボン酸無水
物、ハロゲン化ギ酸アルキルエステル、ベンジルハロゲ
ン化物、1−アルコキシアルキルハロゲン化物、エノ−
エーテル、芳香族もしくは脂肪族のスルホン酸ハロゲン
化物、ジアリールホスフィン酸ハロゲン化物、リン酸ジ
アルキルエステルハロゲン化物、トリアルキルシリルハ
ロゲン化物、またはトリアルキルシリルアセトアミドと
反応させることにより保護基を導入し、さらに既知の方
法でチオカルボン酸塩誘導体と反応させて対応するチオ
ラクトンに転化し、これにさらにグリニヤール反応を行
なわせて生成水を除去するか、または塩基の存在下で、
【0017】
【化7】
【0018】〔式中、R3 はHまたはC原子数1〜4の
アルキル基を、Xはハロゲン原子を、それぞれあらわ
す。〕の化合物と反応させて、式
【0019】
【化8】
【0020】〔式中、R3 は前記と同意義である。〕の
化合物に転化し、この化合物を直ちに水素で接触還元
し、最後に保護基を脱離させて目的生成物とすることに
より製造される。
【0021】上記の(+)−ビオチン製造方法の重要な
ポイントは、式
【0022】
【化9】
【0023】〔式中、R1およびR2は前記と同意義であ
る。〕で示される新規な1H−フロ−〔3,4−d〕−
イミダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオンである
イミダゾール誘導体、とくに、式
【0024】
【化10】
【0025】で示される(3a R,6a R)−〔(R)
−(1−フェニルエチル)〕−3−ベンジルジヒドロ−
1H−フロ−〔3,4d〕−イミダゾール−2,4(3
H,3a H)−ジオンであるイミダゾール誘導体を、中
間体として用いる点にある。
【0026】式
【0027】
【化11】
【0028】で示される出発原料は、スイス連邦特許公
報第4790/86号に記載の方法に従って、次のスキ
ームにより製造することができる。
【0029】
【化12】
【0030】R3 =置換または未置換のフェニル基 X =ハロゲン、BF4,HSO4 Y =Z=塩素、イミダゾリル基 Y =塩素 Z =アリールオキシ基またはアルコキシ基 R1,R2=前記と同意義 R2 がHである場合には、本発明の方法により水素化す
る前に、まず前記スイス連邦特許第4790/86号に
従って、保護基を導入することができる。
【0031】化合物Iの水素化は、水素を用いる接触還
元による。 それによって、式
【0032】
【化13】
【0033】で示される(3a S,6a R)の立体配座
をもつジアステレオマーが優先的に生成する。
【0034】このような触媒としては、白金、パラジウ
ム、ルテニウム、ロジウムまたはラネーニッケルなどが
好適であり、必要に応じて炭素、二酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、ケイ酸アルミニウムまたは炭酸カルシウム
などの担体に担持させる。その中でもとくに好ましい触
媒の代表例は、酸化アルミニウム担体に担持させたロジ
ウムである。 また、ロジウムまたはイリジウムとトリ
フェニルホスフィンまたはシクロオクタジエンなどの配
位子とから成る、均一系触媒も用いることができる。
反応の立体選択性は、水素化触媒およびそのときの置換
基R1 に強く左右される。 従って、たとえばパラジウ
ム触媒ではR1 =(S)−1−フェニルエチルの、白金
触媒ではR1 =(R)−1フェニルエチルの、ジアステ
レオマーIIが得られる。
【0035】担体に対する触媒濃度は通常1〜100%
であるが、1〜10%の範囲が好ましい。 反応に用い
る触媒量は、1〜50モル%、好ましいのは1〜10モ
ル%である。
【0036】反応は、通常は溶媒中で行なう。 好まし
い溶媒としては、エタノール、プロパノールなどの低級
アルコール、酢酸などの低級脂肪族カルボン酸、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど
のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどのカルボン酸アミド、たとえば酢酸エチルエス
テルのようなカルボン酸エステル、ジクロロメタンのよ
うなハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0037】反応は常圧で行なうこともできるが、加圧
下で行なうのが有利である。 圧力は1〜70バール、
とくに5〜30バールの範囲が好ましい。
【0038】溶媒から自明のように、反応温度は−25
〜100℃の範囲で変えることができる。
【0039】所望の光学活性ジアステレマーを得るため
には、最初に反応溶液を触媒と引き離し、次いで溶媒を
分離し、残渣を適当な溶媒を用いて再結晶させ、不要の
ジアステレオマー(3a R−,6a S−異性体)と分離
する。 そのための適当な溶媒としては、酢酸エチルエ
ステルなどの酢酸アルキルエステル、エタノールなどの
低級アルコールまたはトルエンが用いられる。
【0040】ジアステレオマーIIのR2 がHである場合
には、チオラクトンに転化する前にHを保護基で保護す
る。
【0041】保護基R2 ′の導入は、化合物Vを、たと
えばアセチルクロリド、プロピオニルクロリドまたはベ
ンゾイルクロリドなどの置換もしくは未置換の脂肪族ま
たは芳香族の酸ハロゲン化物、ベンジルハロゲン化物ま
たは1−メトキシ−ベンジルクロリドなどの置換ベンジ
ルクロリド、クロロギ酸エチルエステル、クロロギ酸ベ
ンジルエステル、 クロロギ酸−tert.−ブチルエステル
もしくはクロロギ酸フェニルエステルなどのクロロギ酸
エステル、ジフェニルホスフィン酸クロリドもしくはリ
ン酸ジエチルエステルクロリドなどのリン化合物、メタ
ンスルホン酸クロリド、p−トルエンスルホン酸クロリ
ドもしくはベンゼンスルホン酸クロリドなどの芳香族も
しくは脂肪族スルホン酸ハロゲン化物、ビス−(トリメ
チルシリル)−アセトアミド、トリメチルシリルクロリ
ドもしくはtert.−ブチル−ジメチルシリルクロリドな
どのシリル化合物、メトキシメチルクロリドのようなア
ルコキシアルキルハロゲン化物、またはジヒドロピラン
などのエノールエーテルと反応させることにより行な
う。 また、無水酢酸などの置換もしくは未置換の脂肪
族または芳香族のカルボン酸無水物も好適に用いられ
る。
【0042】保護基の導入は既知の方法に従って行なう
ことができるから、詳細な説明は省略する。
【0043】保護基R2 ′で保護した化合物は、チオカ
ルボン酸塩誘導体との反応により、対応するチオールラ
クトンに転化することができる。
【0044】R1とR2がベンジル基である場合の反応
は、ドイツ連邦特許第2,058,234号により知ら
れている。
【0045】チオカルボン酸塩誘導体としては、チオ酢
酸カリウム、チオ酢酸ナトリウム、チオ安息香酸カリウ
ムまたはチオ安息香酸ナトリウムのような、脂肪族また
は芳香族チオカルボン酸のアルカリ土類金属またはアル
カリ金属の塩が好適である。優先して用いられるのは、
チオ酢酸カリウムである。
【0046】触媒として、たとえば18−クラウン−6
のようなクローンエーテルを併用するのが有利である。
【0047】反応は、不活性有機溶媒中80〜200℃
の間で行なうのが有利である。
【0048】溶媒は反応温度によって異なるが、高沸点
溶媒として、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセ
トアミドなどの高沸点アミド、ルチジンなどの置換アニ
リン、または高沸点炭化水素としてトルエンなどがあ
る。 低沸点溶媒を用いることができることは、いうま
でもない。 反応は加圧下で行なうのが好ましい。
【0049】常法に従って操作することにより、チオラ
クトンが良好な収率で得られる。
【0050】チオラクトンのグリニヤール反応による再
処理とこれに続く脱水処理は、R1およびR2 がベンジ
ル基の場合につき、ドイツ連邦特許第2,058,23
4号公報にすでに記載されている。
【0051】本発明による方法を実施するために、グリ
ニヤール試薬として、式
【0052】
【化14】
【0053】〔式中、Xは塩素または臭素をあらわ
す。〕の化合物を用いるのが目的に適うことが判明し
た。
【0054】第二段階において、酸化炭素との処理によ
りカルボキシ基を側鎖に導入することができる。 続い
て、好ましくは酸性媒体中で脱水することにより、化合
物IVへの転化が起る。 これには、1−トルエンスルホ
ン酸を用いるのが有利であることが判明している。
【0055】チオラクトンの再処理はまた、III をウィ
ティッヒ(Wittig)反応によりIVに転化することもでき
る。 これはR1およびR2がベンジル基の場合につき、
ヨーロッパ特許出願第0084377号に記載されてい
る。
【0056】従ってチオラクトンは、塩基の存在下で、
【0057】
【化15】
【0058】〔式中、R3 は水素または炭素原子数1〜
4のアルキル基を、Xはハロゲン原子を、それぞれあら
わす。〕の化合物と反応させることにより、式
【0059】
【化16】
【0060】の化合物に転化される。
【0061】式III のうち優先的に用いられる化合物
は、カルボキシルブチル−トリフェニルホスフィンブロ
ミドである。
【0062】上記の化合物は、チオラクトン1モル当り
1〜5モル、とくに1.5〜2.5モルの量を用いるの
が好ましい。
【0063】III からウィティッヒ試薬を調製するのに
好ましい塩基としては、たとえばブチルリチウムなどの
アルキルアルカリ金属、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムジメチル
スルフィニルカルバニオンなどの、式
【0064】
【化17】
【0065】〔式中、Yはアルカリ金属原子をあらわ
す。〕の化合物、 ナトリウムメトキシドもしくはカリ
ウム−tert.−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキ
シド、リチウムイソプロピルアミドなどのアルカリ金属
アルキルアミド、ナトリウムアミドなどのアルカリ金属
アミド、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化
物、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、またはアルカリ金属
−ヘキサメチルジシリルアジドなどのケイ素化合物など
が用いられる。
【0066】溶媒の選択に際しては、溶媒が他の反応試
剤と反応しないように注意しなければならない。 それ
には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タンまたはジエチルエーテルなどのエーテル、トルエ
ン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンな
どの塩素化炭化水素、またはジメチルスルホキシドなど
の溶媒が好適である。
【0067】反応温度は−50〜100℃、とくに0〜
80℃の間に設定すべきである。
【0068】反応終結後、酸性にして通常の操作を行な
う。 その後の化合物IVの還元は、対応するヨーロッパ
特許出願第0084377号の記載に従って、水素で接
触還元することによって行なう。
【0069】触媒としては、炭素、バン土などの通常の
担体に担持させたパラジウム、白金、ルテニウム、ロジ
ウムなどが好適である。 ラネーニッケルも同様であ
る。
【0070】触媒量は、化合物IVの1モル当り1〜20
モル%が適当である。
【0071】反応は、トルエンなどの芳香族炭化水素、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノールなどの脂肪族アルコール、酢酸エステルなどの
カルボン酸エステル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル、および水または酢酸中で行なうのが有
利である。
【0072】水素圧は5〜80バール、とくに10〜6
0バールの範囲内で選ぶのが好ましいが、常圧で行なう
ことも可能である。
【0073】水素化温度は20〜150℃、とくに40
〜80℃が好ましい。
【0074】反応後の処理は、常法に従って触媒を分離
し、溶媒を除去することである。
【0075】得られた、式
【0076】
【化18】
【0077】の生成物は、ビオチンの光学活性前駆体に
相当する。 所望の生成物を得るためには、特公昭45
−31669号および特公昭53−27279号公報と
アメリカ特許明細書第4,537,973号の教示に従
って、加温下にメタンスルホン酸と処理して保護基を脱
離すればよい。
【0078】式VのR3 がエステル官能基の場合には、
保護基の脱離後そのままにして、これを水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムなどの塩基と処理してビオチン
を製出する。
【0079】他の方法は、化合物Vを鉱酸の水溶液とく
にHBrと、30〜90℃の温度で処理することであ
る。 これにより、保護基の脱離とエステルの加水分解
が同時に達成される。
【0080】保護基の脱離後、常法の操作に従えば、式
【0081】
【化19】
【0082】のd−(+)−ビオチンが得られる。
【0083】
【実施例】
a1)(3a S,6a R)−1−〔(R)−(1−フェ
ニルエチル)〕−ジヒドロ−1H−フロ−〔3,4−
d〕−イミダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオン
の製造 250mlのオートクレーブに、1−〔(R)−(1−フ
ェニルエチル)〕−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミ
ダゾール−2,4(3H,6H)−ジオン8.98g
(36.8ミリモル)/ジメチルホルムアミド90mlの
溶液を入れ、0.90gのRh /Al23(5%)を加
えた。 次いで、オートクレーブを水素で2回パージ
し、水素を40バールに充填加圧した。 混合物を10
時間反応させた。 次に触媒を濾別した。 溶媒を1
3.3ミリバールで留去し、残渣を酢酸エチルエステル
10mlから再結晶した。
【0084】その結果、(3a S,6a R)−1−
〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−ジヒドロ−1H
−フロ−〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4(3
H,3a H)−ジオンが、白色結晶生成物として、4.
89g(54%)得られた。
【0085】融点:153−154℃1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.61,d,J=7Hz,3H 3.45,dd,J=10.5Hz,1.4Hz,1H 3.95,dd,J=10.5Hz,5Hz,1H 4.21,d,J=9.5Hz,1H 4.57,ddd,J=10.5Hz,95Hz,1.4H
z,1H 5.24,bs,1H 5.31,q,J=7Hz,1H 7.4,m,5H MS:(E.I.70ev)m/e 246(30%)M+ ,231(45%),161(28%),
105(100%) IR(KBr) cm-1 3388,1771(s),1669(s),1422,125
5,699. UV(MeOH)λmax. 372nm,ε=119 256nm,ε=764 元素分析 C131423(246.27) 理論値 C 63.1% H 5.7% N 1
1.3% 実験値 C 63.4% H 5.7% N 1
1.4%。
【0086】〔α〕D 25〔c=1 CHCl3〕+21
1.7°。
【0087】a2)(3a S,6a R)−1−〔(S)
−(1−フェニルエチル)〕−ジヒドロ−1H−フロ−
〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4(3H,3a
H)−ジオン 250mlのオートクレーブに、1−〔(S)−(1−フ
ェニルエチル)〕−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミ
ダゾール−2,4(3H,6H)−ジオン3.7g(1
5.16ミリモル)/酢酸100mlの溶液を入れ、0.
4gのパラジウム−活性炭(5%)を加えた。 オート
クレーブを水素で2回パージし、水素を50バールに充
填加圧した。 混合物を15時間室温で反応させた。
次いで触媒を濾別した。 溶媒を20ミリバールで留去
し、残渣をシリカゲルと酢酸エチルエステルでクロマト
グラフィーにかけた。
【0088】その結果、2.0g(収率54%)の表題
生成物が溶離した。 メタノールで再結晶し、白色針状
結晶生が得られた。
【0089】融点:123−125℃1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.65,d,J=7.4Hz,3H 4.08,d,J=8.6Hz,1H 4.12,m,1H 4.37,dd,J=10.3Hz,4.8Hz,1H 4.48,dd,J=10.2Hz,1.3Hz,1H 5.36,q,J=7.3Hz,1H 5.48,s,1H MS:(E.I.70ev)m/e 246(30%)M+ ,231(45%),161(28%),
105(100%), 〔α〕D 20〔c=1 CHCl3〕+6.7°。
【0090】続く工程で、(3a R,6a S)−異性体
が1.05g(28%)溶離した。
【0091】b1)(3a S,6a R)−1−〔(R)
−(1−フェニルエチル)〕−3−ベンジル−ジヒドロ
−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4
(3H,3a H)−ジオンの製造 マグネットスターラーを備えた100mlの三ツ口フラス
コに、アルゴン雰囲気下、完全に湿気を除いてジメトキ
シエタン48mlと水素化ナトリウム0.39g(16.
2ミリモル)とを入れた。 これに(3a S,6a R)
−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−ジヒドロ
−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4
(3H,3a H)−ジオン3.24g(13.2ミリモ
ルを加えた。 10分間撹拌したのち、臭化ベンジル
2.76g(16.2ミリモル)を加え、懸濁液を30
分間撹拌した。 次いで反応混合物を蒸発させた。 残
渣を、ジクロロメタン25mlおよび水25mlに溶解し
た。 両相を分離し、水層を各15mlの水で3回洗浄し
た。 有機層を一つに合わせて硫酸マグネシウム5gで
乾燥し、蒸発濃縮した。
【0092】その結果、(3a S,6a R)−1−
〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−3−ベンジル−
ジヒドロ−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミダゾール
−2,4(3H,3a H)−ジオンが、黄灰色の生成物
として、3.56g(80.5%)得られた。
【0093】融点:163−164.5℃1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.58,d,J=7Hz,3H 3.38,dd,J=10Hz,3Hz,1H 3.82,dd,J=10Hz,5Hz,1H 3.89,d,J=9Hz,1H 4.32,d,J=15Hz,1H 4.44,ddd,J=9Hz,5Hz,3Hz,1H 5.05,d,J=15Hz,1H 5.36,q,J=7Hz,1H 7.30−7.41,m,10H MS:(E.I.70ev)m/e 336(26%)M+,321(9%),231(22%),
187(16%),174(14%),105(56%),9
1(100%) 元素分析 C202023(336.36) 理論値 C 71.4% H 6.0% N
8.3% 実験値 C 71.3% H 6.2% N
8.3%。
【0094】〔α〕D 25〔c=0.5 CHCl3〕+1
22.3°。
【0095】b2)(3a S,6a R)−1−〔(R)
−(1−フェニルエチル)〕−3−(4−メトキシベン
ジル)−ベンジル−ジヒドロ−1H−フロ−〔3,4−
d〕−イミダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオン
の製造 (3a S,6a R)−1−〔(R)−(1−フェニルエ
チル)〕−ジヒドロ−1H−フロ−〔3,4−d〕−イ
ミダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオン50.0
g(0.2モル)および4−メトキシベンジルクロリド
39.8g(0.25モル)の、乾燥したN,N−ジメ
チルホルムアミド(500ml)溶液に、アルゴン雰囲気
下、−10℃で9.75g(0.22モル)の水素化ナ
トリウム(55%ホワイト油)を10回に分けて、2時
間で添加した。 反応混合物を5℃で2時間、次いで室
温で2時間撹拌した。 これに酢酸8mlを加えた。 続
いて混合物を蒸発乾固した。 残渣を水100mlおよび
ジクロロメタン200mlに入れ、両相を分離し、水層を
各100mlのジクロロメタンで2回抽出した。 有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。
【0096】この濃縮物をエタノールに入れて還流、冷
却および濾過したところ、表題生成物が白色針状結晶と
して53.5g(72%)得られた。
【0097】融点:146.1−146.4℃1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.58,d,J=7Hz,3H 3.37,dd,J=10Hz,3Hz,3H 3.82,s,3H 3.82,dd,J=10Hz,5.5Hz,1H 3.88,d,J=8.5Hz,1H 4.25,d,J=14.5Hz,1H 4.34,ddd,J=8.5Hz,5.5Hz,3H 4.97,d,J=14.5Hz,1H 5.34,q,J=7Hz,1H 6.88,d,J=8.5Hz,2H 7.32−7.38,m,7H 〔α〕D 20〔c=1 CHCl3〕+104.7°。
【0098】b3)(3a S,6a R)−〔(R)−
(1−フェニルエチル)〕−3−tert.−ブトキシカル
ボニル−ジヒドロ−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミ
ダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオンの製造 (3a S,6a R)−〔(R)−(1−フェニルエチ
ル)〕−ジヒドロ−1H−フロ−〔3,4−d〕−イミ
ダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオン20.0g
(97ミリモル)およびジ−tert.−ブチルジカルボネー
ト21.3g(97ミリモル)の乾燥したN,N−ジメ
チルホルムアミド(200ml)の溶液に、アルゴン雰囲
気下、−10℃で3.83g(88ミリモル)の水素化
ナトリウム(55%ホワイト油)を10回に分けて、2
時間で添加した。 反応混合物を5℃で2時間、次いで
室温で2時間撹拌した。 これに酢酸1mlを加えた。
続いて、混合物を蒸発乾固した。 残渣を水50mlおよ
びジクロロメタン100mlに入れ、両相を分離し、水層
を各100mlのジクロロメタンで2回抽出した。 有機
層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。
【0099】この濃縮物をエタノールに入れて還流し、
冷却および濾過したところ、表題生成物が白色針状結晶
として25.8g(92%)得られた。
【0100】融点:177.4−178.1℃1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.59,s,9H 1.63,d,J=7.5Hz,3H 3.51,d,J=11Hz,1H 3.97,dd,J=11Hz,5Hz,1H 4.50,dd,J=8Hz,5Hz,1H 4.90,d,J=8Hz,1H 5.39,q,J=7.5Hz,1H 7.3−7.4,m,5H 〔α〕D 20〔c=1 CHCl3〕+55.8°。
【0101】c)(3a S,6a R)−1−〔(R)−
(1−フェニルエチル)〕−3−ベンジル−ジヒドロ−
1H−チエノ−〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4
(3H,3a H)−ジオン マグネチックスターラーとアリーンコンデンサーとを備
えた25mlのフラスコに、ジメチルアセトアミド2mlを
入れて、(3a S,6a R)−1−〔(R)−(1−フ
ェニルエチル)〕−3−ベンジル−ジヒドロ−1H−フ
ロ−〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4(3H,3
a H)−ジオン(6.03ミリモル)を溶解した。 この
溶液を150℃に加熱し、チオ酢酸カリウム0.81g
(7.14モル)を加えた。 45分後に反応混合物を
冷却し、トルエン40mlおよび水40mlで処理した。
両相を分離し、トルエン層を水20mlで3回洗浄し、水
層を合してトルエン各30mlで3回洗浄した。 トルエ
ン層を合して乾燥し、蒸発濃縮した。 得られた褐色の
固体をエーテル5mlで洗浄した。 黄灰色の生成物(3
a S,6a R)−1−〔(R)−(1−フェニルエチ
ル)〕−3−ベンゼン−ジヒドロ−1H−チエノ−
〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4(3H,3a
H)−ジオンを濾別し、これを乾燥した。
【0102】収量:1.82g(85%) 融点:144−145℃1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.67,d,J=7Hz,3H 2.71,dd,J=12.5Hz,2.5Hz,1H 3.03,dd,J=12.5Hz,5Hz,1H 3.81,d,J=8Hz,1H 4.34,d,J=15Hz,1H 4.40,ddd,J=8Hz,5Hz,2.5Hz,1H 5.04,d,J=15Hz,1H 5.41,q,J=7Hz,1H 7.30−7.50,m,10H MS:(E.I.70ev)m/e 352(1%)M+,324(30%),278(35%),
174(80%),146(30%),105(70%),
91(100%) 元素分析 C202023S(352.46) 理論値 C 68.2% H 5.7% N 7.
9% S 9.1% 実験値 C 67.9% H 5.9% N 8.
0%。
【0103】〔α〕D 20〔c=0.5 CHCl3〕+2
38.5°。
【0104】d1)(3a S,6a R)−ヘキサヒドロ
−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2−オキ
ソ−3−ベンジル−チエノ−〔3,4−d〕−イミダゾ
ール−4−イリデン−ペンタン酸の製造 25mlの丸底フラスコに、水酸化ナトリウム159.8
mgとジメチルスルホキシド1.7mlを入れた。 この懸
濁液を、アルゴン雰囲気中で、撹拌しながら70℃に加
熱した。 さらに40分間、水素が発生しなくなるまで
撹拌した。 この溶液を室温に冷却し、(4−カルボキ
シブチル)−トリフェニルホスホニウムブロミド80
1.5mg(1.8ミリモル)/ジメチルスルホキシド1
mlの溶液を加えた。 暗赤色の反応混合液を15分間撹
拌し、これに(3a S,6a R)−1−〔(R)−(1
−フェニルエチル)〕−3−ベンジル−ジヒドロ−1H
−チエノ−〔3,4−d〕−イミダゾール−2,4(3
H,3a H)−ジオン271mg(0.77ミリモル)を
ジメチルスルホキシド2mlとトルエン0.2mlに溶かし
た溶液を滴下した。 反応混合液を2時間、室温で撹拌
した。 これに氷1g、濃HCl1mlを加え、さらに氷
9gを加えた。
【0105】5分間、水5ml、ベンゼン10mlと酢酸エ
チルエステル5mlを加えた。 それから混合物を1時
間、60℃で撹拌した。 両相を分離し、褐色の有機層
を硫酸マグネシウム5gで乾燥し、4枚のシリカゲル薄
層板(1mm)で酢酸エチルエステルを展開溶液として分
離した。
【0106】その結果、(3a S,6a R)−ヘキサヒ
ドロ−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2−
オキソ−3−ベンジルチエノ−〔3,4−d〕−イミダ
ゾール−4−イリデンペンタン酸が、無色の油状生成物
として38.2mg(12%)得られた。
【0107】1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.58,d,J=7Hz,3H 1.59,q,J=7Hz,2H 1.98,m,2H 2.22,t,J=7.5Hz,2H 2.29,dd,J=11.5Hz,4Hz,1H 2.41,dd,J=11.5Hz,5Hz,1H 3.97,d,J=15Hz,1H 4.18,m,2H 4.84,d,J=15Hz,1H 5.30,q,J=7Hz,1H 5.31,t,J=7Hz,1H 7.10−7.40,m,10H MS:(E.I.70ev)m/e 436(55%)M+,331(55%),252(32
%),237(60%),120(40%),106(100
%)。
【0108】d2)(3a S,6a R)−ヘキサヒドロ
−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2−オキ
ソ−3−ベンジル−チエノ−〔3,4−d〕−イミダゾ
ール−4−イリデンペンタン酸の製造 テトラヒドロフラン5mlにマグネシウム片0.802g
(33ミリモル)を投入した。 これにジブロムブタン
2.37g(11ミリモル)/テトラヒドロフラン30
mlの溶液を、1時間かけて添加した。 この反応混合物
を2時間還流し、次いでテトラメチルエチレンジアミン
2.55g(22ミリモル)を加え、さらに1時間還流し
た。 0℃に冷却した懸濁液に、(3a S,6a R)−1
−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−3−ベンジル
−ジヒドロ−1H−チエノ−〔3,4−d〕イミダゾー
ル−2,4−(3H,3a H)−オンをテトラヒドロフ
ラン50mlに溶かした溶液を加えた。 次いで、反応混
合物を2時間室温で撹拌した後、0℃に冷却した。 こ
れに0℃で1時間、さらに室温で1時間、二酸化炭素ガ
スを通した。
【0109】反応混合物を氷85gと濃塩酸11.5ml
の混合物に注ぎ、酢酸エチルエステルで抽出した。 有
機層を一つに合して水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濃縮した。
【0110】残渣をトルエン170mlに注ぎ、これにp
−トルエンスルホン酸50mgを加えた。 加熱還流し、
反応水を水分離器により留去した。 残ったトルエン溶
液を濃縮し、得られた油状生成物をシリカゲル−酢酸エ
チルエステル/トルエンでクロマトグラフィーを行なっ
た。
【0111】その結果、表題生成物が淡黄色の油状で
1.22g(28%)が得られた。
【0112】d3)(3a S,6a R)−ヘキサヒドロ
−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2−オキ
ソ−3−ベンジルチエノ−〔3,4−d〕−イミダゾー
ル−4−イリデンペンタン酸の製造 テトラヒドロフラン75mlにマグネシウム片8.6gを
投入した。 これに1,2−ジブロモエタン3.2gと
1,4−ジクロロブタン2.5gとの混合物を15分間
以内で加え、温度を30〜35℃の間に保てるようにし
た。 さらに1,4−ジクロロブタン20.5g/テト
ラヒドロフラン75mlを加えた。 反応混合物をこの温
度で3時間撹拌し、テトラメチルエチレンジアミン9g
とテトラヒドロフラン180mlを加えた。 反応液を−
40〜−45℃に冷却し、これに、(3a S,6a R)
−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−3−ベン
ジル−ジヒドロ−1H−チエノ〔3,4−d〕−イミダ
ゾール−2,4(3H,3a H)−オン30gをテトラ
ヒドロフラン180mlに溶かした溶液を、20分間で加
えた。 この温度で1時間撹拌し、続いて30分間CO
2 ガスを通した。
【0113】反応混合物を400mlの10%硫酸に注
ぎ、トルエンで数回抽出した。 トルエン層に0.8g
の濃硫酸を加え、水で洗浄し、ロータリー蒸発器で濃縮
した。残渣に400mlの10%炭酸カリウム水溶液を加
え、酢酸エチルエステルで抽出した。 有機層を新たに
10%炭酸カリウム水溶液で洗浄した。 水層を一つに
合し、硫酸を加えてpH7.3に調整し、酢酸エチルエ
ステルで数回抽出した。続いて有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、蒸発濃縮した。 ヘキサンを加えて生成物
を沈でんさせ、濾過、乾燥した。
【0114】その結果、亜鉛華状の表題生成物32.5
g(89.3%)が得られた。 純度(HPLC)99
%以上 融点:101.0−102.0℃ 〔α〕D 20〔c=1.0,メタノール)+253.8
°。
【0115】e)(3a S,6a R)−ヘキサヒドロ−
1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2−オキソ
−3−ベンジルチエノ−〔3,4−d〕−イミダゾール
−4−イル−ペンタン酸 100mlのオートクレーブに、(3a s,6a R)−ヘキ
サヒドロ−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2−
オキソ−3−ベンジルチエノ−〔3,4−d〕−イミダ
ゾール−4−イリデンペンタン酸をイソプロパノール5
mlに溶かした溶液を入れ、これに39mgのPd−C(5
%)を加えた。 オートクレーブを水素で2回パージ
し、混合物を水素圧50バール、50℃で24時間撹拌
した。 次いで触媒を濾別し、溶媒を留去した。
【0116】その結果、生成物である(3a S,6a
R)−ヘキサヒドロ−1−〔(R)−(1−フェニルエ
チル)〕−2−オキソ−3−ベンジルチエノ−〔3,4
−d〕−イミダゾール−4−イル−ペンタン酸が、無色
油状で56.1mg(72%)得られた。
【0117】1 H−NMR:(CDCl3,300MHz) δ 1.57,m,6H 1.61,d,J=7Hz,3H 2.13,m,1H 2.33,m,2H 3.03,m,1H 3.90,dd,J=10Hz,5Hz,1H 3.94,d,J=15Hz,1H 4.22,m,1H 5.06,d,J=15Hz,1H 5.28,q,J=7Hz,1H 7.20−7.40,m,10H MS:(E.I.70ev)m/e 438(13%),423(6%),333(16%),18
7(30%),174(15%),105(63%),91
(100%)。
【0118】f)d−ビオチンの製造 25ml丸底フラスコ中で、(3a S,6a R)−ヘキサ
ヒドロ−1−〔(R)−(1−フェニルエチル)〕−2
−オキソ−3−ベンジルチエノ−〔3,4−d〕−イミ
ダゾール−4−イル−ペンタン酸100mg/臭化水素酸
4ml(48%)の溶液を3時間、400ミリバールの真
空下、120℃に加熱した。 反応混合物を冷却後、ト
ルエン5mlで抽出した。 そののち水層を蒸発させた。
残渣を水10mlに溶解し、60℃のクロロホルム10
mlで抽出した。 水層を1mlまで濃縮し、冷却した。
【0119】その結果、d−(+)−ビオチン40mg
(72%)が得られた。
【0120】融点:227−229℃ 〔α〕D 25〔c=0.1,1N NaOH〕+84.5
°。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中、R1 は(R)−もしくは(S)−1−フェニル
    アルキル基、(R)−もしくは(S)−1−アルコキシ
    カルボニル−1−フェニルメチル基、または(R)−も
    しくは(S)−1−アリールオキシカルボニル−1−フ
    ェニルメチル基をあらわし、R2 は水素、置換もしくは
    未置換のアルカノイル基、置換もしくは未置換のベンゾ
    イル基、置換もしくは未置換のベンジル基、アルコキシ
    カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリール
    オキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ピラニル
    基、置換もしくは未置換のベンゾスルホニル基、アルキ
    ルスルホニル基、ジアリールホスフィニル基、ジアルコ
    キシホスフィニル基、またはトリアルキルシリル基をあ
    らわす。〕で示される1H−フロ−〔3,4−d〕−イ
    ミダゾール−2,4(3H,3a H)−ジオンであるイ
    ミダゾール誘導体。
  2. 【請求項2】 式 【化2】 で示される(3a R,6a R)−〔(R)−(1−フェ
    ニルエチル)〕−3−ベンジル−ジヒドロ−1H−フロ
    −〔3,4d 〕−イミダゾール−2,4(3H,3a
    H)−ジオンである特許請求の範囲第1項のイミダゾー
    ル誘導体。
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