JPH083152Y2

JPH083152Y2 - モータのマグネット保持構造

Info

Publication number: JPH083152Y2
Application number: JP1988038372U
Authority: JP
Inventors: 豊彦畑; 悦夫青木
Original assignee: カルソニック株式会社
Priority date: 1988-03-25
Filing date: 1988-03-25
Publication date: 1996-01-29
Anticipated expiration: 2003-03-25
Also published as: DE68909458D1; EP0334662B1; EP0334662A3; JPH01143275U; EP0334662A2; US4933582A; DE68909458T2

Description

【考案の詳細な説明】［考案の目的］（産業上の利用分野）本考案は、直流モータに係り、特に、マグネットの保
持構造の改良に関する。

（従来の技術）従来この種の直流モータにおけるマグネットの保持構
造として、例れば第４図（Ａ）（Ｂ）に示す、実開昭60
-93,465号公報に開示されているものがある。

図示するモータ１は、その本体として有底円筒状のケ
ーシング２を有し、このケーシング２にはシャフト（図
示せず）を挿通する負荷側中心孔３が形成されている。

また、前記ケーシング２には、その内部に装着される
２個のマグネット４の負荷側軸方向位置を規制するため
の第１切り起こし部5a、5bと、円周方向位置を規制する
ための第２切り起こし部6a,6bとが形成されている。前
記マグネット４は、ケーシング２内周面形状に対応し互
いに相似な円弧形状を有しており、その両端は装着時に
ケーシング２のほぼ中心軸に向う端面７となっている。

前記マグネット４をケーシング２内に装着する際に
は、円周方向位置が規制されたマグネットをケーシング
２内周面に対し径方向に押圧固着する二股形状のマグネ
ット固定部材８が用いられる。

このマグネット固定部材８は、図示するように、丸棒
部材をＵ字形状に折曲げ加工されたものであり、その先
端部8aの幅はマグネット相互間の距離とほぼ等しく、両
脚部8b、8bの端部側にいくにつれその幅は前記距離より
も所定間隔だけ大きく成形されている。

このように成形されたマグネット固定部材８を用いて
の、マグネットの保持は次のように行なわれる。

まず、２個のマグネット４を、負荷側軸方向、及び、
円周方向の位置が規制される状態に、反負荷側の開口部
９からケーシング内に挿入配設する。このときの、マグ
ネットの位置規制は、マグネットを各切り起こし部5a、
5b、6a、6bに当接させることにより行なわれる。

次に、マグネット固定部材８の両脚部8b、8bを互いに
接近させ、この状態のままで反第２切り起こし部6a,6b
側の相対するマグネット４の端面７間に、先端部8aより
挿入する。

そして、マグネット固定部材８を所定位置まで挿入し
た後、両脚部8b、8bの接近を解放する。これにより、マ
グネット固定部材８の弾発力は、図中Ａ方向に作用し、
したがって、マグネット４は径方向に押圧固着がなされ
て保持されることになる。

尚、中心方向（シャフト側）へのマグネット固定部材
の脱落は、端面７により防止されている。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、従来のマグネットの保持構造にあって
は、マグネット固定部材８は反負荷側（図中Ｂ方向）へ
抜ける虞れがあった。つまり、マグネット固定部材８の
弾発力は常時図中Ａ方向に作用しているため、固定部材
８自身には図中Ｂ方向への力が作用することになり、そ
の力の方が、端面７との摩擦力よりも強くなると「抜
け」が発生することになる。この「抜け」は、マグネッ
ト固定部材８の弾発力、換言すればマグネットの径方向
への押圧固着を強固にすればするほど発生しやすくなっ
てしまう。

また、マグネット４の反負荷側への移動を防止する手
段もとられていないので、モータの設置状態、振動等に
よりマグネットが反負荷側へ移動してしまうという問題
点がある。

このような、マグネット固定部材の抜け、若しくは、
マグネットの移動を防止するためには、例えば、マグネ
ットを固定部材によって押圧固着した後に、これらを係
止する切り起こし等をケーシングに形成しなければなら
ず、製造工程上煩雑となる欠点があった。

本考案は上述した従来技術に共なう欠点、問題点を解
決するためになされたもので、簡単な構造で、マグネッ
ト固定部材の抜け、及び、マグネットの移動を防止する
マグネットの保持構造を提供することを目的とする。

［考案の構成］（課題を解決するための手段）かかる目的を達成するための本考案は、開口部がエン
ドブラケットにより閉塞される有底筒状のケーシング
と、当該ケーシングの内面に沿って配設される円弧形状
の２個のマグネットと、前記マグネットの磁束を切って
回転するアマチュアと、当該アマチュアに電気的に接続
されたコンミュテータに給電するブラシと、当該ブラシ
に外部電流を供給するカプラーと、前記各マグネットの
軸方向両端面のうち前記開口部から離間した側の端面に
当接する第１当接部と、前記各マグネットの相対する２
組の周方向端面のうち一方の相対する周方向端面のそれ
ぞれに当接する第２当接部と、前記マグネットの他方の
相対する周方向端面間に挿入されると共に前記マグネッ
トを径方向に押圧固着する弾発力を付与する二股形状の
マグネット固定部材と、を有してなるモータのマグネッ
ト保持構造において、前記マグネットの前記端面のそれぞれを、挿入された
前記マグネット固定部材の浮きを阻止する傾斜面に形成
し、前記カプラーの上端面に、前記ブラシが取付けられた
板バネを相対して立設し、前記ケーシングを前記開口部から切り欠いて、前記カ
プラーを装着するためのカプラー差込口を形成し、前記カプラーの一方の端面を、前記各マグネットの軸
方向両端面のうち前記開口部側の端面に当接させると共
に前記マグネット固定部材の脚部の端部に臨ませる一
方、前記カプラーの他方の端面を、前記エンドブラケッ
ト内面に当接させて、前記カプラーを前記マグネットと
前記エンドブラケットとの間で挟持固定するようにした
ことを特徴とするモータのマグネット保持構造である。

（作用）このように、ケーシング内の所定位置に挿入配設され
た円弧形状のマグネットの相対する端面間に、マグネッ
ト固定部材を挿入すれば、マグネット固定部材の弾発力
によりマグネットを径方向に押圧固着することになる。

また、カプラーの一方の端面を、各マグネットの軸方
向両端面のうち開口部側の端面に当接させると共にマグ
ネット固定部材の脚部の端部に臨ませる一方、カプラー
の他方の端面を、エンドブラケット内面に当接させて、
カプラーをマグネットとエンドブラケットとの間で挟持
固定するようにしたので、マグネット固定部材のエンド
ブラケット側への抜けと、マグネットのエンドブラケッ
ト側への移動とを生じさせることなくマグネットを保持
することができる。

（実施例）以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示す分解斜視図、第３
図及び第３図は、同実施例を示す断面図であり、第４図
に示す部材と同一部材には同一符号を付し、その説明は
一部省略する。

このモータ1aは、その本体として有底筒状のケーシン
グ２を有し、当該ケーシング２にはモータの設置位置を
容易に規制するため若しくは後述するカプラー装着時の
シール性を向上させるための平坦面10、11が形成されて
いる。また、このケーシング２の底部にはシャフト（図
示せず）を挿通する負荷側の中心孔３が形成されてい
る。

前記ケーシング２には、その内部に装着される２個の
マグネット４の負荷側軸方向位置を規制する第１切り起
こし部（第１当接部）5a、5bが形成され、さらに、マグ
ネット４の円周方向位置を規制する第２切り起こし部
（第２当接部）6a、6bが一方の前記平坦面10に形成され
ている。第１切り起こし部5a、5bは、各マグネット４の
軸方向両端面のうち開口部９から離間した側の端面23b
に当接して、マグネット４の負荷側軸方向位置を規制し
ている。第２切り起こし部6a、6bは、各マグネット４の
相対する２組の周方向端面のうち一方の相対する周方向
端面7a,7aのそれぞれに当接して、マグネット４の円周
方向位置を規制している。また、他方の前記平坦面11に
は、後述するカプラーを装着するカプラー差込口12が、
反負荷側に開設された開口部９から切り欠いて所定位置
まで設けられている。

前記開口部９の閉塞は、エンドブラケット13をかしめ
止めすることにより行なわれ、このかしめ止めを行うた
め、ケーシング２の反負荷側端部つまり開口部９の周縁
に、かしめ部14が形成されている。

前記マグネット４の外周面は、前記ケーシング２の円
弧状部分の内周面形状に対応する一方、内周面は、マグ
ネット４の磁束を切って回転するアマチュア14（第３図
参照）と所定距離隔てた円弧形状となっている。このマ
グネット４の両端は、ケーシング２内に装着した際に、
ケーシングのほぼ中心軸に向う傾斜面である端面7bとな
っている。

このようなマグネット４をケーシング２内に装着する
際には、前述したように、Ｕ字形状に折曲げ加工された
マグネット固定部材８によって、円周方向位置が規制さ
れたマグネット４をケーシング２内周面に対し径方向に
押圧固着する。

本考案のマグネット保持構造では、所定位置に装着さ
れたマグネット４の移動及びマグネット固定部材８の抜
けを防止するため、これらの反負荷側の位置を規制する
と共に、前記アマチュア14と電気的に接続されたコンミ
ュテータ15に給電するブラシ16を一体的に備えたカプラ
ー17を有している。つまり、カプラー17は、ブラシホル
ダーの機能をも持っている。

このカプラー17には、図示のように、前記カプラー差
込口12の側部平坦面18に案内されつつカプラー17が差込
まれるための案内溝19がカプラー本体20の両側面に形成
されており、また、本体20の上端面21には、先端部に前
記ブラシ16が取付けられた板バネ22が相対して立設され
ている。当該板バネ22は、その弾発力によって前記ブラ
シ16を好適に前記コンミュテータ15に当接させると共
に、本体内部で端子26と電気的に接続されており、この
端子26を介して外部から給電されることになる。

このようにブラシ16を一体的に備えたカプラー17の本
体20は、マグネット４の反負荷側端面23a及びマグネッ
ト固定部材８の両脚部8bの端部8cが当接する前端面24
と、かしめ止めされた前記エンドブラケット13の内面に
当接する後端面25とを有している。

次に、本考案のマグネット保持構造によるマグネット
の保持を説明する。

まず、前述したように、２個のマグネット４を各切り
起こし部5a、5b、6a、6bに当接させて負荷側軸方向及び
円周方向の位置規制がなされるように開口部９からケー
シング２内に挿入配設する。

次に、マグネット固定部材８の両脚部8b、8bを第１図
の破線で示すように互いに接近させ、この状態のまま
で、反第２切り起こし部側の相対するマグネット４の端
面7b,7b間に先端部8aより挿入する。

このようにしてマグネット固定部材８を所定位置まで
挿入した後に、両脚部8b、8bの接近を解放する。これに
より、マグネット固定部材８の弾発力は、第３図に示す
Ａ方向に作用し、したがって、マグネット４は径方向に
押圧固着がなされて保持されることになる。

そして、アマチュア14、コンミュテータ15等のモータ
構成部材をケーシング２内に取付けた後に、カプラー17
を、その案内溝19がカプラー差込口12の両側部平坦面18
に案内された状態の下で、カプラー本体20の前端面24が
マグネット４の反負荷側端面23aに当接するまで挿入す
る。マグネット固定部材８の脚部8bの端部8cは、カプラ
ー本体20の前端面24に臨んでいる。このとき、カプラー
17が備えるブラシ16はコンミュテータ15と当接するよう
に挿入される。

そして、ケーシング２の開口部９は、エンドブラケッ
ト13をかしめ止めして閉塞される。

このようにエンドブラケット13の取付けが完了する
と、第１切り起こし部5bとエンドブラケット13の間で、
マグネット４及びカプラー17が挟持固定されると共に、
マグネット固定部材８の脚部8bの端部8cがカプラー17の
前端面24に当接する状態になる。したがって、マグネッ
ト４の反負荷側への移動、及び、マグネット固定部材８
の反負荷側への抜けを防止するとが可能となり、マグネ
ットの保持が確実に行われることになる。

一方、マグネット固定部材８の中心方向（シャフト
側）への脱落は、前述した通り、マグネット４の傾斜し
た端面7bにより防止されている。

尚、図示した実施例においては、カプラー装着時のシ
ール性の容易さを考慮してケーシングには平坦面を形成
してあるが、この形状に限定されるものではなく、円筒
状のケーシングの場合にも本考案を適用することは可能
である。

また、カプラーと一体的に備えられたブラシ、及び、
板バネにおいても、図示した形状に限定されるものでは
なく、種々の変形使用が可能である。

さらに、図示した実施例においては、シャフトが挿通
される中心孔は、ケーシングの底部に形成されたもので
あるが、この位置に限定されるものではなく、エンドブ
ラケットに形成した場合にも、本考案を適用することは
可能である。

［考案の効果］以上述べたように、本考案によれば、マグネットの端
面のそれぞれを、挿入されたマグネット固定部材の浮き
を阻止する傾斜面に形成し、カプラーの上端面に、ブラ
シが取付けられた板バネを相対して立設し、ケーシング
を開口部から切り欠いて、カプラーを装着するためのカ
プラー差込口を形成し、カプラーの一方の端面を、各マ
グネットの軸方向両端面のうち開口部側の端面に当接さ
せると共にマグネット固定部材の脚部の端部に臨ませる
一方、カプラーの他方の端面を、エンドブラケット内面
に当接させて、カプラーをマグネットとエンドブラケッ
トとの間で挟持固定するようにしたので、マグネット固
定部材の弾発力によりマグネットが径方向に押圧固着さ
れると共に、マグネット固定部材の浮き、マグネット固
定部材のエンドブラケット側への抜け、および、マグネ
ットのエンドブラケット側への移動が生じることがなく
なり、マグネットを確実に保持することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るマグネット保持構造の一実施例
を示す分解斜視図、第２図は、第１図に示す実施例を示
す断面図、第３図は、第２図のIII-III線に沿う断面
図、第４図（Ａ）は、従来のマグネット保持構造を示す
断面図、第４図（Ｂ）は、第４図（Ａ）のIV-IV線に沿
う断面図である。１、1a……モータ、２……ケーシング、４……マグネッ
ト、5a、5b……第１切り起こし部（第１当接部）、6a、
6b……第２切り起こし部（第２当接部）、7a……端面
（マグネットの一方の相対する周方向端面）、7b……端
面（マグネットの他方の相対する周方向端面）、８……
マグネット固定部材、8b……脚部、8c……端部、９……
開口部、12……カプラー差込口、13……エンドブラケッ
ト、14……アマチュア、15……コンミュテータ、16……
ブラシ、17……カプラー、21……上端面、22……板バ
ネ、23a……反負荷側端面（開口部側のマグネットの軸
方向端面）、23b……負荷側端面（開口部から離間した
側のマグネットの軸方向端面）、24……前端面（一方の
端面）、25……後端面（他方の端面）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】開口部（９）がエンドブラケット（13）に
より閉塞される有底筒状のケーシング（２）と、当該ケーシング（２）の内面に沿って配設される円弧形
状の２個のマグネット（4,4）と、前記マグネット（4,4）の磁束を切って回転するアマチ
ュア（14）と、当該アマチュア（14）に電気的に接続されたコンミュテ
ータ（15）に給電するブラシ（16）と、当該ブラシ（16）に外部電流を供給するカプラー（17）
と、前記各マグネット（4,4）の軸方向両端面のうち前記開
口部（９）から離間した側の端面（23b）に当接する第
１当接部（5a,5b）と、前記各マグネット（4,4）の相対する２組の周方向端面
のうち一方の相対する周方向端面（7a,7a）のそれぞれ
に当接する第２当接部（6a,6b）と、前記マグネット（4,4）の他方の相対する周方向端面（7
b,7b）間に挿入されると共に前記マグネット（4,4）を
径方向に押圧固着する弾発力を付与する二股形状のマグ
ネット固定部材（８）と、を有してなるモータのマグネ
ット保持構造において、前記マグネット（4,4）の前記端面（7b,7b）のそれぞれ
を、挿入された前記マグネット固定部材（８）の浮きを
阻止する傾斜面に形成し、前記カプラー（17）の上端面（21）に、前記ブラシ（1
6）が取付けられた板バネ（22）を相対して立設し、前記ケーシング（２）を前記開口部（９）から切り欠い
て、前記カプラー（17）を装着するためのカプラー差込
口（12）を形成し、前記カプラー（17）の一方の端面（24）を、前記各マグ
ネット（4,4）の軸方向両端面のうち前記開口部（９）
側の端面（23a）に当接させると共に前記マグネット固
定部材（８）の脚部（8b）の端部（8c）に臨ませる一
方、前記カプラー（17）の他方の端面（25）を、前記エ
ンドブラケット（13）内面に当接させて、前記カプラー
（17）を前記マグネット（4,4）と前記エンドブラケッ
ト（13）との間で挟持固定するようにしたことを特徴と
するモータのマグネット保持構造。