JPH0312036Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数の弧状マグネツトを等間隔に保
持した小型モーターのマグネツト保持構造に関す
る。

従来ローターの外側に対向配置された複数の弧
状マグネツトをケースに保持した小型モーターは
第１図イ，ロのようにケース１に２組各２本の切
り起こし片１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅを設けて複数
の弧状マグネツト３，４を切り起こし片間に嵌合
挾持したり、第１図のハ，ニのように１組２本の
切り起こし片１ｂ，１ｃとＵ字状の綿バネ１１と
で複数の弧状マグネツト３，４を挾持していた。

しかし、ケース１に切り起こし片を設けて孔１
ｆが穿設されることはケースが磁路を形成し、か
つ弧状マグネツト間のケースは磁束密度の高い部
分なので磁気特性を低下させることになつてモー
ターの性能面から不利であり、ケースに孔１ｆが
あいていると防塵性が悪く、ブラシ摩耗粉がケー
ス外に出る欠点がある。更に弧状マグネツトの幅
方向の寸法精度は加工上最も出にくい部分である
から、前記前者の場合は切り起こし片と弧状マグ
ネツトの間に間隙が出来ることが避けられず、弧
状マグネツトが遊動して確実に挾持することが出
来ないと共に両弧状マグネツトの幅の中心がケー
スの中心を通る線ａ上に正確に対向しない欠点が
ある。又、前記前者は間隙を吸収するために一方
の切り起こし片に代えてＵ字状線バネ１１が用い
られたが、弧状マグネットが切り起こし片１ｂ，
１ｃ側面に片寄せされるので、前記と同様に両弧
状マグネツトの幅の中心がケースの中心を通る線
上に対向配置されず、両弧状マグネツトの幅の中
心間の角度が180゜に配置されないから、モーター
の回転性能が悪く、振動や騒音の原因になる欠点
がある。

本考案の目的は、前述の欠点に鑑み、複数の弧
状マグネツトの幅方向の中心の間隔が等間隔にな
るよう簡単確実に挾持出来る小型モーターのマグ
ネツト保持構造を提案することである。

本考案の特徴は、ローターの外側に対向配置さ
れた複数の弧状マグネツトをホルダーに取付けて
ケースの内側に挿入保持した小型モーターにおい
て、上記ホルダーは、モーターの軸線方向に関し
て上記弧状マグネツトの端部に当接して該マグネ
ツトの位置を決める複数の互いに離間して設けら
れた弧状の連結腕と、該連結腕の端部から上記複
数の弧状マグネツトの側面に当接するよう一体連
設された複数の弾性腕とからなり、上記弾性腕に
よつて一方の連結腕の端部と他方の連結腕の端部
との間に空間部を形成し、上記複数の弧状マグネ
ツトは、上記弾性腕間に各々挟持されて上記ケー
スの内側に挿入保持されたことである。

以下、図示の実施例で本考案を説明する。小型
モーターのマグネツト保持構造は第２図、第３図
で有底筒状のケース１の内側にホルダー２に取り
付けられた２個の弧状マグネツト３，４が挿入さ
れ、ケース１の開口部に一対のブラシ５，５が取
り付けられたブラシホルダーケース６が嵌合され
てケース１内の中心には前記弧状マグネツト３，
４と対応する位置にローター７が、ブラシ５位置
には整流子８が夫々ローター軸９に固定されて配
置され、ローター軸９はケース１とブラシホルダ
ーケース６の軸受１０で軸承されている。

前記ホルダー２は第４図のように合成樹脂材又
は金属材で２組のＸ字状の弾性腕２ａ，２ａと弾
性腕の２組各４本の端部２ｂを等間隔に一体連設
する上下４本の弧状の連結腕２ｃとで形成されて
いる。

前記ケース１にホルダー２と弧状マグネツト
３，４が組み立てられるときは第４図のように上
下の連結腕２ｃ間に弧状マグネツト３及び４が挿
入されて、連結腕２ｃによつて弧状マグネツト３
及び４はモーターの軸線方向に関する位置が決め
られこのときホルダー２の連結腕２ｃと弧状マグ
ネツト３，４を中心方向に押しながら弾性腕２ａ
の端部２ｂの間隔を狭めるように弾性変形してケ
ース１に挿入される。

即ち、弾性腕２ａの端部２ｂが弧状マグネツト
３及び４の側面に当接し、該端部２ｂによつて離
間させられた連結腕２ｃの端部の間には空間部が
形成されているので、弧状マグネツト３及び４の
幅寸法に応じて弾性腕２ａの弾性変形によつて狭
められ、確実に弧状マグネツト３，４を保持する
ことができる。

前記組み立てによつて両弧状マグネツト３，４
は弾性腕２ａの端部２ｂで第５図のようにケース
１の内周面に押し当てられると共に、両弧状マグ
ネツト３，４の幅の中心がケース１又はローター
軸９の中心を通る線上に対称に挾持され、両弧状
マグネツト３，４は連結腕２ｃで軸線方向に位置
決めされると共に抜け止めされる。

小型モーターのマグネツト保持構造が前記のよ
うに構成されると両弧状マグネツト間のケースに
切り起こし片で孔が形成されないので磁気特性を
低下することがなく、防塵性も向上され、組み立
ても簡単で、かつ両弧状マグネツトはホルダーの
複数の弾性腕で等間隔に遊動することなく中心が
対称位置になるように挾持されてモーターの回転
性能が向上されると共に振動や騒音の原因が解消
される。

第６図は弾性腕の変形例で、ホルダー２は合成
樹脂材で弾性腕２ｄは端部２ｂが長いＶ字状に形
成され、２組の弾性腕２ｄの一側端部２ｂが連結
腕２ｃ，２ｃで連設されて弾性腕が両弧状マグネ
ツト３，４間に挿入されて弾性腕と端部が弧状マ
グネツトに当てられ、弾性腕の弾性変形で弧状マ
グネツトが挾持されている。

第７図は第６図のホルダー２が板金加工で形成
されている。

第８図のホルダー２は連結腕２ｃに略く字状の
弾性腕２ｅの一側端部２ｂが連結され、２組のホ
ルダー２を用いることで弾性腕２ｅがＸ字状に組
み合わされて両弧状マグネツトが挾持される。弧
状マグネツトをケースに挿入後略く字状の弾性腕
２ｅを夫々略弧状マグネツト間に押し込んでもよ
いし、あらかじめ弾性腕同志をスポツト溶接して
弧状マグネツト間に押し込んでもよい。

第９図は略く字状の弾性腕２ｅの両側端部２
ｂ，２ｂに連結腕２ｃが連設されている。

前記説明においてケース１の内底側に第２図、
第３図のように外部取り付け螺子用ボス部１ａを
突出して前記ホルダー２の連結腕２ｃ又は弧状マ
グネツトの端面を押し当てると弧状マグネツトの
軸線方向の位置決めがなされ、連結腕の厚さを変
えてその位置を決めてもよい。又、ボス部に代え
てケース１の筒部内側からエンボスを突出させて
連結腕を当てて位置決めしてもよい。

更に連結腕２ｃとブラシホルダーケース６の当
接面のいずれか一方に凸部を、他方に凹部を設け
て弧状マグネツトに対して整流子８に摺接するブ
ラシの位置が特定出来るようにしてもよい。

前記説明では２個の弧状マグネツトをホルダー
２で位置決め挾持する保持構造で述べたが、２個
以上の弧状マグネツトをホルダーで等間隔に挾持
するように構成してもよい。

本考案は前述のように構成されたから、簡単な
構成で弧状マグネツトの幅寸法のバラツキに無関
係に中心がホルダーの複数の弾性腕で等間隔に正
確に位置出し挾持されてマグネツトの磁力がロー
ターに均一に働いてローターの回転が安定され、
モーターの回転性能が向上されると共に振動や騒
音が改善され、磁束密度の高い弧状マグネツト間
のケースに切り起こし片による孔が穿設されない
ので磁気回路として有利となつてモーターの特性
が向上される等実用上優れた効果を奏する小型モ
ーターのマグネツト保持構造を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマグネツト保持構造の説明図、
第２図以下は本考案小型モーターのマグネツト保
持構造が示され、第２図は小型モーターの縦断面
側面図、第３図はケースとホルダーの要部断面側
面図、第４図はケースとホルダーと弧状マグネツ
トの分解外観斜視図、第５図は第３図の−線
横断面図、第６図は弾性腕の変形例でイ側面図、
ロ平面図、第７図は材料の異なるホルダーの変形
例でイ側面図、ロ平面図、第８図は他の弾性腕の
変形例でイ側面図、ロ外観斜視図、第９図は第８
図の弾性腕の上下端部に夫々連結腕が連設された
側面図である。 ２……ホルダー、２ａ，２ｄ，２ｅ……弾性
腕、２ｂ……端部、２ｃ……連結腕、３，４……
弧状マグネツト、７……ローター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローターの外側に対向配置された複数の弧状マ
   グネツトをホルダーに取付けてケースの内側に挿
   入保持した小型モーターにおいて、上記ホルダー
   は、モーターの軸線方向に関して上記弧状マグネ
   ツトの端部に当接して該マグネツトの位置を決め
   る複数の互いに離間して設けられた弧状の連結腕
   と、該連結腕の端部から上記複数の弧状マグネツ
   トの側面に当接するよう一体連設された複数の弾
   性腕とからなり、上記弾性腕によつて一方の連結
   腕の端部と他方の連結腕の端部との間に空間部を
   形成し、上記複数の弧状マグネツトは、上記弾性
   腕間に各々挟持されて上記ケースの内側に挿入保
   持されたことを特徴とする小型モーターのマグネ
   ツト保持構造。