JPS6245496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、電動機ブラシホルダの取付構造に係
り、特に、フラツトモータに使用するに好適なブ
ラシホルダの取付構造に関する。

（従来の技術） 従来から一般に、直流モータにおけるブラシホ
ルダの取付構造として、第１図および第２図に示
すものがある。第１図の構造は、モータのケーシ
ング１の一部にベークライト製の支持板４をリベ
ツト５で固着し、この支持板４にブラシ２を内装
したブラシホルダ３をリベツト６で固着したもの
である。第２図の構造は、モータのケーシング１
の一部にブラシホルダ３の一部に突設した複数本
の爪７をそれぞれ差込み、これらの爪７を折曲げ
てカシメたものである。

しかしながら、このようなブラシホルダの取付
構造にあつては、コンミユテータとの摺動による
ブラシおける振動がブラシホルダを介してケーシ
ングに直接伝達され、ケーシングが共振して騒音
を発するという欠点がある。

そこで、このような欠点を解消するためのブラ
シホルダの取付構造として、第３図および第４図
に示すものがある。第３図の構造は、１個のブラ
シホルダ３毎にゴム等弾性材製の支持部材８を冠
着し、この支持部材８を１個づつケーシング１の
取付孔９に圧入したものである。第４図の構造
は、ケーシング１に嵌合用凹部１０を没設し、こ
の凹部１０のブラシホルダ３をゴム等の弾性材よ
りなる防振部材１１を介在させて嵌入したもので
ある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のブラシホルダの取付構造
にあつては、弾性材製の支持部材または防振部材
の大きさ、肉厚が小さいため、防振効果が不十分
で、また部品数、加工組付工数の増加を招来し、
所定の組立精度が得られない虞れがある。

本考案の目的は、前記従来技術の欠点を解消
し、ブラシホルダからケーシングへの振動伝達を
十分に絶縁して騒音を軽減化し、さらにリード線
のグロメツトも兼ねることができ、かつ、構造簡
単なブラシホルダの取付構造を提供するにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は、前記目的を達成するため、ほぼ扁平
な円盤形中空体形状に形成されたケーシングの端
面に、筒状のブラシホルダを一対、前記端面とほ
ぼ直角に弾性材製の支持部材を介して支持すると
ともに、これらホルダ内にそれぞれブラシをスプ
リングの押圧下で進退自在に侵入し、これらブラ
シをコンミユテータの整流子片上に摺接せしめた
ブラシホルダの取付構造において、前記支持部材
を弾性材により一体成形した単一体により構成
し、この支持部材に所定間隔だけ離間した前記一
対のブラシホルダが圧入される保持孔を形成し、
この支持部材を、前記ケーシングの外側端面に取
付けた支持部材取付用の窓孔を有する取付ブラケ
ツト内に前記支持部材に形成された膨出部を前記
取付ブラケツトの窓孔に装着せしめるように構成
したことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、一対のブラシホルダを単一体
の弾性材製支持部材で支持するように構成したの
で、ブラシの振動がケーシングに伝達することを
防止することができ、また、構造を簡略化するこ
とができ、部品点数及び製造面できわめて有利と
なり、コストの低減を図ることができる。

（実施例） 以下図面に即して本考案の実施例を説明する。

第５図ないし第７図は、本考案に係るブラシホ
ルダの取付構造を適用したフラツトモータの一施
例を示すものである。

このフラツトモータは、ほぼ扁平な円盤中空体
形状に形成されたケーシング２０と、磁界を作る
界磁としての複数個のマグネツト２１と、その磁
束を切つて磁界中を回転する扁平円盤状のアマチ
ユア２２と、アマチユア２２に電流を供給するコ
ンミユテータ２３およびブラシ２４とを備えてい
る。ケーシング２０は、円周に側壁を有するほぼ
円盤形状のＡブラケツト２０Ａと、Ａブラケツト
２０Ａの環状側壁に嵌合固着されたほぼ円形板形
状のＢブラケツト２１とから形成されている。複
数個のマグネツト２１は、Ｂブラケツト２０Ｂの
内側端面状に等角放射状に配置されている（但
し、図では１個のみ示している。他の構成部分に
ついても同様である）。Ａブラケツト２０Ａの中
心線上には、回転軸２６がＡブラケツト２０Ａに
固着された軸受支持部材２５に支持された軸受２
７により回転自在に支承され、この回転軸２６の
外端には雄ねじ部２６が形成され、フアン（図示
せず）を取付けるようになつており、また、この
回転軸２６の内端部にはほぼハブ２８が圧入固定
されている。このハブ２８の外周上には合成樹脂
材により扁平なほぼドーナツ形状に形成されたコ
ンミユテータ２３が圧入固定されており、このコ
ンミユテータ２３の環状一端面上には複数個の整
流子片２３Ａが等角放射状に配設されている。ま
た、ハブ２８の外周には、前記アマチユア２２
と、このアマチユア２２と電気的に接続されたコ
ンミユテータ２３が圧入固定されており、このア
マチユア２２は、前記複数個のマグネツト２１に
対向する複数の磁極を等角放射状に形成するよう
にコイルを巻線されて形成され、各磁極毎に各整
流子片２３Ａに結線されている。

前記Ｂブラケツト２０Ｂの中央部には、長円形
状の窓孔２９が穿設され、この窓孔２９は断面が
コ字形状の取付ブラケツト３０により覆われ、こ
の取付ブラケツト３０は周縁に形成された鍔部３
０Ａがビス３１によりブラケツト２０Ｂに取付け
られている。またこの取付ブラケツト３０には、
一対の窓孔３２，３２が穿設され、この窓孔３
２，３２には前記取付ブラケツト３０の内底部に
密着収納された支持部材３３の膨出部３４，３４
が突出している。この支持部材３３は、前記膨出
部３４，３４の基端部外周に形成された環状溝３
５，３５が前記取付ブラケツト３０に嵌合するこ
とにより固定され、この各膨出部３４の内側には
ほぼ正方形状の保持孔３６がそれぞれ形成され、
この保持孔３６内には、ほぼ正方形筒形状の一対
のブラシホルダ３７，３７が圧入されている。こ
れらホルダ３７には、ブラシ２４がホルダ３７に
内装されたスプリング３８の押圧下で進退自在に
それぞれ嵌挿され、これらブラシ２４は前記コン
ミユテータ２３の整流子片２３Ａ上に前記スプリ
ング３８により通撥的習性をもつて摺接されてい
る。なお、このブラシ２４，２４相互の関係は、
これらが摺接する一対の整流子片２３Ａ，２３Ａ
のコンミユテータ２３に対する相対角度について
所定の位相差を有するように設定されている。図
中の符号は「３９」はリード線である。

特に本実施例では、前記支持部材３３をゴム等
の弾性材により一体成形した単一体により構成
し、この支持部材３３の膨出部３４を窓孔３６に
装着し、ブラシ２４からの振動をこの大きな支持
部材３３全体で減衰するようにしている。

このように構成されたフラツトモータは、ブラ
シ２４からコンミユテータ２３の整流子片２３Ａ
に通電すると、マグネツト２１の磁界の磁束を切
りながらアマチユア２２が転回し、回転軸２６に
取付けられたフアン等が回転することになる。

この運転中、一対のブラシ２４，２４は、回転
するコンミユテータ２３の整流子片２３Ａ相互の
境目におけるわずかな凹凸やブラシ２４とコンミ
ユテータ２３との間の摺動摩擦抵抗によつて生じ
る回転力のわずかな変動等により、微細に振動す
る。このブラシ２４の振動は、一対のブラシホル
ダ３７，３７を介してゴム等弾性材製の支持部材
３３に伝わるが、この支持部材３３は両ブラシホ
ルダ３７を一括して支持する大きな弾性部材より
なるため、前記振動はこの支持部材３３により吸
収されることになり、取付ブラケツト３０には伝
達されない。よつて、ケーシング２０はブラシ２
４の振動から絶縁された状態になつて、ケーシン
グの共振がなくなりモータにおける騒音は著じる
しく低減することになる。

特に、この支持部材３３は一対のブラシホルダ
３７，３７を一体的に支持するように成形されて
いるので、質量が大きくかつ肉厚を十分にとるこ
とができ、前記ブラシホルダ３７についての振動
の吸収、絶縁機能を十分に発揮することができ
る。また、この支持部材３３は一対のブラシホル
ダ３７，３７を単一体で支持しているので、部品
点数、加工組付工数を低減することができる。

［考案の効果］ 以上説明するように、本考案によれば、一対の
ブラシホルダを単一体の弾性材製支持部材で支持
するように構成したので、ブラシの振動がケーシ
ングに伝達することを防止することができ、ま
た、構造を簡略化することができ、部品点数及び
製造面できわめて有利となり、コストの低減を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図および第４図はそれぞ
れ従来例を示す各部分断面図、第５図ないし第７
図は本考案の一実施例を示すもので、第５図はフ
ラツトモータの正面図、第６図は第５図−線
に沿う一部切断側面図、第７図は第５図−線
に沿う断面図である。 ２０……ケーシング、２２……アマチユア、２
３……コンミユテータ、２３Ａ……整流子片、２
４……ブラシ、２９……窓孔、３０……取付ブラ
ケツト、３２……窓孔、３３……支持部材、３４
……膨出部、３５……環状溝、３６……保持孔、
３７……ブラシホルダ、３８……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ扁平な円盤形中空体形状に形成されたケー
   シング２０の端面に、筒状のブラシホルダ３７を
   一対、前記端面とほぼ直角に弾性材製の支持部材
   ３３を介して支持するとともに、これらホルダ３
   ７内にそれぞれブラシ２４をスプリング３８の押
   圧下で進退自在に侵入し、これらブラシ２４をコ
   ンミユテータ２３の整流子片２４上に摺接せしめ
   たブラシホルダ３７の取付構造において、前記支
   持部材３３を弾性材により一体成形した単一体に
   より構成し、この支持部材３３に所定間隔だけ離
   間した前記一対のブラシホルダ３７が圧入される
   保持孔３６を形成し、この支持部材３３を、前記
   ケーシング２０の外側端面に取付けた支持部材取
   付用の窓孔３２を有する取付ブラケツト３０内に
   前記支持部材３３に形成された膨出部３４を前記
   取付ブラケツト３０の窓孔２９に装着せしめたこ
   とを特徴とするブラシホルダの取付構造。