JP7330010B2 - ロータ、モータ及びブラシレスワイパーモータ - Google Patents
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この種のモータとして、ロータコアの外周面に永久磁石を配置した表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)モータの構成が知られている。表面磁石型モータでは、ロータが回転する際の遠心力により永久磁石が飛散するのを防止するための技術が種々提案されている。
一方、永久磁石の飛散を防止する他の方法として、永久磁石の外周部に筒状のカバーを設ける構成が一般に知られている。しかしながら、ロータの外周部にカバーを配置した場合、突極の径方向の長さがカバーにより制限され、ステータとの間のギャップが大きくなることによりモータトルクが低下するおそれがある。
前記ロータコアは、前記複数の永久磁石間において前記軸線の径方向の外側に向かって突出する突極を有し、前記ホルダは、前記突極よりも前記軸方向の外側を保持することを特徴としている。
(ブラシレスワイパーモータ)(モータ)
図1は、第1実施形態に係るブラシレスワイパーモータ1の断面図である。
ブラシレスワイパーモータ1(以下、単にモータ1という。)は、例えば車両に搭載される電装品の駆動源となるものである。電装品とは、例えば、ワイパー装置等(不図示)である。ワイパー装置は、車両のウィンドウガラス(不図示)に設けられ、ウィンドウガラスに付着した雨や汚れ等を払拭して運転者の視界を確保する。
なお、モータ1は、ブラシレスワイパーモータ以外のモータ1として利用してもよい。
以下の説明において、単に軸方向という場合は、モータ部2の回転軸(シャフト31)の軸方向をいい、単に周方向という場合は、シャフト31の周方向をいい、単に径方向という場合は、シャフト31の径方向をいうものとする。
モータ部2は、モータケース5と、モータケース5内に収納されている環状のステータ6と、ステータ6の径方向内側に設けられ、ステータ6に対して回転可能に設けられたロータ7と、を備えている。モータ部2は、ステータ6に電力を供給する際にブラシを必要としない、いわゆるブラシレスモータである。
第一モータケース11は、軸方向の一方からモータ部2を覆っている。第一モータケース11は、円形状の第一底部11aと、第一底部11aの外周部から軸方向の他方に突出する筒状の第一側部11bと、第一側部11bの軸方向における他方の端部から周方向全体に亘って径方向外側に突出する第一縁部11cと、を有している。第一縁部11cには、軸方向に貫通するボルト孔(不図示)が形成されている。
図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
図1及び図2に示すように、ステータ6は、シャフト31と同軸に配置された環状のコア部21と、コア部21から径方向内側に向かって突出する複数のティース22とが一体形成されたステータコア23と、ステータコア23のティース22に装着されたコイル24と、を備えている。ステータ6は、この外周面がモータケース5の内周面に固定され、ロータ7に対して回転磁界を作用させる。
ステータコア23は、電磁鋼板が軸方向に積層されて構成されている。なお、ステータコア23は、いわゆる圧粉コアであってもよい。
図3は、第1実施形態に係るロータ7の斜視図である。
ロータ7は、ステータ6の径方向内側に微小隙間を介して回転自在に設けられている(図1参照)。ロータ7は、軸線C回りに回転するシャフト31(図1参照)と、軸線Cを径方向中心としてシャフト31と一体に回転する円柱状のロータコア32と、ロータコア32の外周面に配置された複数(本実施形態では4個)の永久磁石33と、ロータコア32及び永久磁石33を軸方向から覆うホルダ34と、を備えている。シャフト31は、後述する減速部3を構成するウォーム軸54と一体成形されている。
ロータコア32は、複数の金属板が軸方向に積層されて構成されている。なお、ロータコア32は、いわゆる圧粉コアであってもよい。ロータコア32は、径方向中央にシャフト保持孔35を有する円筒部36と、円筒部36の外周面から径方向の外側へ向かって突出する突極37と、が一体形成されている。シャフト保持孔35には、シャフト31(図1参照)が圧入固定されている。なお、シャフト保持孔35に対してシャフト31を挿入とし、接着剤等を用いてシャフト31の外周面にロータコア32の内周面を固定してもよい。
このように形成された円筒部36の外周面には、周方向で隣り合う2つの突極37の間に、それぞれ永久磁石33が配置される。換言すれば、周方向で隣り合う永久磁石33の間に、突極37が配置されている。永久磁石33は、例えば接着剤等によりロータコア32に固定される。
永久磁石33の軸方向の長さは、ロータコア32の軸方向の長さよりも長い。永久磁石33の軸方向の両端部は、ロータコア32の軸方向を向くコア端面40(請求項のロータコアの軸方向の端面)より軸方向の外側にそれぞれ突出している。
このように形成された永久磁石33の内表面42は、ロータコア32の円筒部36の外周面に接着されている。軸方向から見て永久磁石33の周方向両側に位置する側面43,43は、各側面43,43が対向する突極37にそれぞれ当接している。
図3に示すように、ロータコア32の軸方向の両端には、ホルダ34が配置されている。ホルダ34は、ロータコア32の軸方向を向くコア端面40(図5参照)より軸方向の外側に配置された本体部45と、本体部45に一体成形されて永久磁石33の軸方向を向く磁石端面48に当接する寸法誤差吸収部46と、本体部45から軸方向に沿って突出する位置決め部47と、を有する。ホルダ34は、例えば樹脂材料により形成されている。
第二位置決め部50は、ロータ7を製造する際に用いる不図示の外部装置等に取り付けられる。第二位置決め部50は、この外部装置に取り付けられる際、外部装置に対するロータ7の位置決めとして機能する。外部装置とは、例えば永久磁石33を着磁するための着磁装置等である。
図1に戻り、減速部3は、軸方向の一端にモータケース5が取り付けられているギヤケース13と、ギヤケース13内に収容されるウォーム減速機構51と、を備えている。ギヤケース13は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料により形成されている。ギヤケース13は、一面が開口した箱状に形成されており、内部にウォーム減速機構51を収容するギヤ収容部52を有する。ギヤケース13の軸方向の一方には、第二モータケース12が一体形成されている。ギヤケース13の側壁には、第二モータケース12が一体成形されている箇所に、この第二モータケース12の貫通孔14とギヤ収容部52とを連通する開口部15が形成されている。これにより、ギヤケース13の軸方向の一端にモータケース5が設けられている。
モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4は、磁気検出素子70が実装されたコントローラ基板71と、ギヤケース13の開口部15を閉塞するように設けられたカバー72と、を有している。そして、コントローラ基板71が、ウォームホイール55のセンサマグネット側(ギヤケース13の開口部15側)に対向配置されている。
また、カバー72の外周部に、不図示のコネクタが一体成形されている。このコネクタは、不図示の外部電源から延びるコネクタと嵌着されている。そして、不図示のコネクタの端子に、コントローラ基板71が電気的に接続されている。これにより、外部電源の電力がコントローラ基板71に供給される。
次に、上述のモータ1を製造する手順について説明する。
まず、ロータ7を製造する。ロータ7の製造手順では、まず、ロータコア32の外周面に接着剤を用いて永久磁石33を接着する。このとき、永久磁石33の軸方向の両端部がロータコア32のコア端面40よりも軸方向の外側にそれぞれ突出するように、永久磁石33を配置する。次に、ロータコア32の取付孔38にホルダ34の第一位置決め部49を圧入することにより、ロータコア32にホルダ34を固定する。このとき、ホルダ34の本体部45に形成された磁石収容部44に永久磁石33の端部が挿入されるとともに、寸法誤差吸収部46が弾性変形することにより永久磁石33の軸方向の寸法誤差が吸収される。その後、周方向においてN極とS極とが交互に並ぶように、ロータコア32に装着された永久磁石33を着磁する。これにより、ロータ7が製造される。
次に、ステータ6を製造する。ステータ6の製造手順では、ステータコア23のティース22にコイル24を巻回する。これにより、コイル24が装着されたステータ6が製造される。なお、ステータ6及びロータ7を製造する順番は、逆でもよい。
次に、上述のロータ7及びモータ1の作用、効果について説明する。
ロータ7は、ロータコア32に対して永久磁石33の軸方向の両端部と永久磁石33の外周面の角部33aとを保持するホルダ34を有する。このように、ホルダ34は永久磁石33の角部33aを保持するので、応力の集中し易い角部33aに外力が作用することによる永久磁石33の割れを抑制できる。また、ロータコア32に対して永久磁石33の両端部を保持するので、ロータ7回転時に永久磁石33が飛散するのを抑制できる。ホルダ34は寸法誤差吸収部46を有するので、寸法誤差吸収部46が弾性変形することにより、永久磁石33の軸方向の寸法誤差が吸収される。また、寸法誤差吸収部46は永久磁石33の軸方向を向く磁石端面48に当接している。これにより、周方向に複数の永久磁石33が配置された場合に、各永久磁石33の個体差による寸法誤差を吸収しつつ、永久磁石33の軸方向の移動を制限できる。
したがって、永久磁石33を安定的に保持し、永久磁石33の割れを抑制するとともにモータトルクを向上したロータ7を提供できる。
永久磁石33はロータコア32の外周面に接着されているので、永久磁石33をロータコア32の外周面に強固に固定できる。
したがって、永久磁石33を安定的に保持し、永久磁石33の割れを抑制するとともにモータトルクを向上したロータ7を備えた、高性能なモータ1を提供できる。
また、ブラシレスワイパーモータは、車両のワイパー装置用としてこのモータを備えるので、低コストかつ簡素な構成で永久磁石を安定的に保持し、モータトルクを向上したロータを備えたブラシレスワイパーモータを提供できる。
次に、図6及び図7に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係るロータ207の斜視図である。図7は、第2実施形態に係るロータ207の断面図である。以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、本第2実施形態では、ホルダ234に永久磁石33が埋設されることによりホルダ234と永久磁石33とが一体に形成された点で上述した第1実施形態と相違している。
本体部245は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。図7に示すように、本体部245には、ロータコア32のコア端面40より軸方向外側に突出した永久磁石33の端部が埋設されている。より具体的に、永久磁石33の端部は、ホルダ234の本体部245にモールドされることによりホルダ234に固定されている。
なお、位置決め部47の形状や位置決め部47の奏する作用、効果等は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
寸法誤差吸収部46は、例えばバネ等を用いた構成としてもよい。この場合、バネの弾性力により永久磁石33の軸方向の寸法誤差が吸収されてもよい。
ロータコア32の取付孔38は、軸方向に貫通しない凹陥部であってもよい。
永久磁石33の内表面42の円弧中心と外表面41の円弧中心とは一致していてもよい、例えば、内表面42の円弧中心と外表面41の円弧中心とがいずれもシャフト31の軸線Cと同軸の円弧状に形成されていてもよい。
6…ステータ
7…ロータ
32…ロータコア
33…永久磁石
33a…角部
34…ホルダ(ホルダ本体)
37…突極
38…取付孔
40…コア端面(ロータコアの軸方向の端面)
44…磁石収容部
46…寸法誤差吸収部
47…位置決め部
48…磁石端面
L1…永久磁石の突出高さ
L2…ホルダの突出高さ
C…軸線
Claims (6)
- 軸線回りに回転し、前記軸線の軸方向の端面に取付孔を有するロータコアと、
前記ロータコアの外周面に配置され、前記軸方向における少なくとも一方の端部が前記ロータコアより前記軸方向の外側に突出する永久磁石と、
前記ロータコアの前記端面に設けられ、前記ロータコアに対して前記永久磁石の前記軸方向の両端部を保持し、前記永久磁石の外周面の角部を覆う一対のホルダと、
を備え、
前記ホルダは、
前記ロータコアの前記端面に当接するホルダ本体と、
前記ホルダ本体を前記軸方向に貫通するように形成され、前記永久磁石の端部が収容される磁石収容部と、
前記磁石収容部に収容された前記永久磁石の前記軸方向の磁石端面に当接し、弾性変形することにより前記永久磁石の前記軸方向の寸法誤差を吸収する寸法誤差吸収部と、
前記ロータコアの前記取付孔に挿入される位置決め部と、
を有することを特徴とするロータ。 - 前記永久磁石は、前記軸線の周方向に複数配置され、
前記ロータコアは、前記ロータコアの径方向の外側に向かって、かつ前記周方向で隣り合う前記永久磁石の間を通って突出する突極を有し、
前記ホルダは、前記突極よりも前記軸方向の外側を保持することを特徴とする請求項1に記載のロータ。 - 前記軸方向において、前記ロータコアの前記端面からの前記ホルダの突出高さは、前記ロータコアの前記端面からの前記永久磁石の突出高さよりも高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロータ。
- 前記永久磁石は、前記ロータコアの外周面に接着されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロータ。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロータと、
前記ロータの外周部に間隔をあけて配置され、前記ロータコアの径方向の内側に向かって形成されている複数のティースを有する環状のステータと、
前記ティースに巻回されるコイルと、
を備え、
前記ステータは、前記ホルダよりも前記軸方向の内側において前記ロータと対向していることを特徴とするモータ。 - 車両のワイパー装置用として請求項5に記載のモータを備えたことを特徴とするブラシレスワイパーモータ。
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