JP2004120916A - 回転子 - Google Patents

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Hiroyuki Sugiura
杉浦 博幸
Shuichi Yamazaki
山崎 周一
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Aichi Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】電動機の特性に悪影響を与えることなく、回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐこと。
【解決手段】回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材のうち、一方の保持部材には、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石の周方向端面外周に跨る状態で当接する複数の押圧板を軸方向に沿って突設するとともに、他方の保持部材には、前記一方の保持部材と対向する部位に押圧板の先端側が嵌入する複数の嵌入孔を穿設して構成した。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子鉄心の外周に複数個の回転子磁石を配設して形成した回転子の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転子鉄心の外周に複数個の回転子磁石を備えてなる回転子においては、前記複数個の回転子磁石を回転子鉄心の外周に接着剤を用いて接着するとともに、前記接着剤の接着力が低下する等した際に、回転子磁石が回転子の回転に伴う遠心力によって、回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐために、回転子磁石の外周に非磁性体金属からなる円筒状のカバー体を被着するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−163803号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、回転子を組立てる場合、接着剤を塗布した回転子鉄心の外周に、複数の回転子磁石を順次貼り付けた後、前記接着剤を加熱硬化させた状態で、回転子磁石の外周にカバー体を取付けるようにしていたので、回転子の組立作業には手間と時間がかかり、非常に効率が悪かった。
【0005】
また、接着剤を均一な厚さで塗布しないと、回転子鉄心と回転子鉄心との間、並びに、回転子磁石と固定子鉄心との間の距離寸法にバラツキが生じ、磁路の形成に悪影響を与える等して、この種回転子を使用した電動機の特性低下を招くおそれがあった。
【0006】
更に、回転子磁石の外周をカバー体によって覆う場合、前記カバー体は、一般に回転子磁石の一方端側から該回転子磁石の外周に、圧入等することにより取付けるようにしている関係上、前記カバー体の圧入時に、回転子磁石に必要以上の力(荷重)が加わることにより、その軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石自体に割れが生じたりする等といった問題が発生するおそれがあった。
【0007】
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、組立作業を円滑・容易に行うことが可能で、かつ、回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを簡易に防ぐことが可能な回転子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を回転子鉄心に対して一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材のうち、一方の保持部材には、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石の周方向端面外周に跨る状態で当接する複数の押圧板を軸方向に沿って突設するとともに、他方の保持部材には、前記一方の保持部材と対向する部位に押圧板の先端側が嵌入する複数の嵌入孔を穿設して構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転子において、前記押圧板は、その回転子磁石と当接する側の面を、楔状となして構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材には、その互いに相対向する部位に回転子磁石の軸方向端部が嵌合する複数の凹溝を凹設して構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材には、その互いに相対向する部位に回転子磁石の軸方向端部が嵌合する凹陥部を周設して構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1,3,4記載の回転子において、前記固定部材は、回転子鉄心の回転子軸近傍の位置に挿通するように構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ保持部とを備え、前記回転子鉄心の所定位置には複数の透孔を穿孔し、成形金型内において前記透孔と回転子磁石の軸方向両端側外周とに跨る状態で合成樹脂を充填して保持部を形成するように構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項4または6記載の回転子において、前記回転子磁石は、その軸方向端部をテーパ状となして形成するとともに、前記保持部材または保持部には、回転子磁石のテーパ状の軸方向端部と対応する部位に、テーパ面を形成して構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項4,6,7記載の回転子において、前記保持部材または保持部は、その外周面と回転子磁石の外周面との間に段差が生じないような状態で形成したことを特徴とする。
【0016】
本発明は、押圧板,凹溝,凹陥部を設けた一対の保持部材を、回転子鉄心の軸方向端部に配設したり、回転子鉄心に穿孔した透孔と回転子磁石の軸方向両端側とに跨る状態で合成樹脂にて保持部を形成したりすることによって、前記回転子磁石を保持するようにしたので、接着剤を使用することなく回転子の組立作業を行うことが可能となり、この結果、回転子の組立作業を円滑、かつ、効率的に行うことができるとともに、接着剤の塗布厚さの不均一に起因する電動機の特性低下を確実に防ぐことが可能となる。しかも、前記保持部材や保持部の存在により、前記回転子磁石が回転子の回転に伴う遠心力を受けた場合でも、回転子鉄心の外周から剥離・飛散しようとするのを確実に防ぐことが可能となる。また、保持部材あるいは保持部は、圧入以外の方法で回転子磁石の軸方向端部に配設あるいは形成されるので、回転子の組立に当たり、回転子磁石に必要以上の力(荷重)が加わることにより、その軸方向端部の一部が欠落する等といった問題が発生するのを確実に防ぐことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図13を参照しながら説明する。はじめに、図1は本発明の回転子を具備した電動機Aを示す縦断側面図である。図1において、1は固定子鉄心、2は固定子鉄心1に巻装した固定子巻線である。3は固定子鉄心1が圧入・固定される負荷側のケーシング、3aは前記負荷側のケーシング3の開口部を閉鎖するように被着される反負荷側のケーシングである。
なお、前記ケーシング3,3aの底面中央部には、後述する回転子4の回転子軸5の基端部及び軸方向中央部に圧入・固定した軸受5a,5bが嵌合・保持される軸受保持部a,a1がそれぞれ形成されている。
【0018】
4は本発明の回転子であり、前記回転子4は、図2で示すように、回転子軸5の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着した回転子鉄心6と、前記回転子鉄心6より軸方向寸法を若干大きくなし、該回転子鉄心6の外周に周方向端面同士を当接させた状態(図4参照)で配設した複数個の回転子磁石7と、前記回転子磁石7の固定子鉄心1から突出する軸方向両端側に配設されて(図1参照)、該回転子磁石7を回転子鉄心6外周において保持する一対の保持部材8a,8bと、前記一対の保持部材8a,8bを一体的に固定する複数の固定部材9とを備えて概略構成されている。なお、図2において、6aは前記固定部材9が挿通される挿通孔であり、回転子鉄心6の回転子軸5と近接する部位に複数(固定部材9と同数)穿孔されている。
【0019】
前記一対の保持部材8a,8bは、例えば、合成樹脂等にて形成されており、前記一対の保持部材8a,8bのうち、第1の保持部材8a(図2の右側)には、回転子鉄心6外周に配設した各回転子磁石7の周方向端面同士の当接部外周に跨るような状態で、軸方向に向けて複数の押圧板8cが突設されており、また、第2の保持部材8b(図2の左側)には、前記第1の保持部材8aと対向する部位に、前記押圧板8cの先端側が嵌入する複数の嵌入孔8dが穿設されている。
【0020】
なお、前記第1,第2の保持部材8a,8bの中央部には、回転子軸5が貫通する貫通孔8eが穿孔されており、また、前記貫通孔8eと近接する部位には、回転子鉄心6に穿孔した挿通孔6aと対応する状態で、固定部材9が挿通される透孔8fが複数(固定部材9と同数)穿孔されている。更に、前記押圧板8cの回転子磁石7外周と当接する側の面は、図4で示すように、楔状に形成されている。
【0021】
次に、図2ないし図4を参照しながら、本発明の回転子4を組立てる場合について説明する。はじめに、回転子鉄心6を回転子軸5の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着する。つづいて、前記回転子鉄心6の外周に回転子磁石7を、各回転子磁石7間に隙間を形成することなく、互いに周方向端面を当接させた状態で配設し、図示しない治具を用いて仮固定する。
【0022】
この後、回転子磁石7の軸方向の一方端側に、図2の右方向から第1の保持部材8aを、その貫通孔8eに回転子軸5を貫通させ、かつ、押圧板8cを回転子鉄心6外周に配設した各回転子磁石7の周方向端面同士の当接部外周に跨らせた状態(図4参照)で当接させるとともに、回転子磁石7の軸方向の他方端側には、図2の左方向から第2の保持部材8bを、その貫通孔8eに回転子軸5を貫通させ、かつ、嵌入孔8dに押圧板8cの先端側を嵌入した状態で当接させる。
【0023】
そして、図2で示すように、第1の保持部材8a側から固定部材9を、前記第1の保持部材8aの透孔8f→回転子鉄心6の挿通孔6a→第2の保持部材8bの透孔8fの順に挿通し、前記第2の保持部材8bの透孔8fから突出する先端側(図示せず)を圧潰することにより、前記第1,第2の保持部材8a,8bを一体的に固定して、図3で示すように、回転子4の組立を終了する。なお、回転子磁石7を仮固定している図示しない治具は、回転子4の組立途中(例えば、第1の保持部材8aを回転子磁石7の一方端側に当接させた段階)、あるいは、回転子4の組立が終了した段階で取外すようにすればよい。
【0024】
このように、本発明の回転子4は、回転子鉄心6の外周に配設した回転子磁石7の軸方向両端部に第1,第2の保持部材8a,8bを当接し、かつ、前記第1の保持部材8aに設けた複数の押圧板8cによって回転子磁石7の外周面を、その周方向端面同士の当接部において保持し、この状態で、前記第1,第2の保持部材8a,8bを回転子鉄心6に対して固定部材9を用いて一体的に固定するようにしたので、前記回転子4の組立に際して接着剤を使用する必要がないため、その組立作業を迅速・容易に行うことができるとともに、接着剤の塗布厚さの不均一に起因する電動機Aの特性低下を確実に防ぐことができる。その上、保持部材8a,8bは、圧入以外の方法により回転子磁石7の軸方向端部に取付けられるため、回転子4の組立時に回転子磁石7の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石7自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0025】
次に、電動機Aを組立てる場合について説明する。はじめに、固定子巻線2を巻装した固定子鉄心1を、負荷側のケーシング3の開口部側からその内部に圧入・固定する。つづいて、前記固定子鉄心1の回転子挿入孔1aに、前述の如く組立てた回転子4を回転自在に挿入するとともに、回転子軸5の軸方向中央部に圧入・固定した軸受5aを、該回転子軸5の先端側を負荷側のケーシング3の軸受保持部aに穿設した貫通孔bから外方に突出させた状態で、前記軸受保持部aに嵌合・保持させる。この後、負荷側のケーシング3の開口部側に反負荷側のケーシング3aを、その軸受保持部a1に回転子軸5の基端部に圧入・固定した軸受5bを嵌合・保持させた状態で被着することにより、図1で示すように、電動機Aの組立を終了する。
【0026】
このように、本発明の回転子4においては、回転子鉄心6外周に配設された各回転子磁石7の固定子鉄心1から突出する軸方向両端側に第1,第2の保持部材8a,8bを配設し、前記回転子磁石7の周方向端面同士の当接部外周を、第1の保持部材8aに突設した押圧板8cにより保持するようにしたので、前記回転子4は、接着剤を使用することなく組立てることが可能となり、この結果、組立作業を円滑・容易に行うことができるとともに、接着剤が均一な厚さで塗布されていないことに起因する電動機Aの特性低下を確実に防ぐことが可能となる。
【0027】
また、本発明の回転子4においては、第1の保持部材8aに突設した押圧板8cの楔状の端面が、回転子鉄心6外周に配設した各回転子磁石7の周方向端面同士の当接部外周に跨るような状態で当接しているので、前記回転子磁石7は、回転子4の回転に伴う遠心力を受けても、前記押圧板8cの楔作用によって良好に保持される結果、接着剤やカバー体を使用して固定しなくても、前記回転子磁石7が回転子鉄心6の外周から剥離・飛散するのを確実に防ぐことが可能となる。
【0028】
更に、一対の保持部材8a,8bを一体的に固定する固定部材9は、前記回転子鉄心6の回転子軸5と近接する部位に挿通されているので、前記固定部材9が回転子鉄心6における回転子磁石7の磁束の流れに悪影響を及ぼすのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、この種回転子4を使用した電動機Aの特性低下を確実に防ぐことができる。
【0029】
なお、本実施例においては、複数の回転子磁石7を、その周方向端面同士を互いに当接させた状態で、回転子鉄心6の外周に配設するようにしているが、これに限定することなく、周方向端面間に所定間隔(隙間)を設けた状態で配設するようにしてもよい。この場合、第1の保持部材8aに突設した押圧板8cの楔状の端面を、前記各回転子磁石7間の隙間に挿入することにより、前記押圧板8cの楔作用によって回転子磁石7が回転子鉄心6外周から剥離・飛散するのを良好に防ぐことが可能となる。
【0030】
次に、図5ないし図7を参照しながら、本発明の第2実施例について説明する。図6において、14は第2実施例の回転子を示し、前記回転子14は、図5で示すように、回転子軸15の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着した回転子鉄心16と、前記回転子鉄心16より軸方向寸法を若干大きくなし、該回転子鉄心16の外周に周方向端面間に所定間隔(隙間)を設けた状態で配設した複数個の回転子磁石17と、前記回転子磁石7の固定子鉄心1(図1参照)から突出する軸方向両端側に配設されて、該回転子磁石17を保持する一対の保持部材18a,18bと、前記一対の保持部材18a,18bを一体的に固定する複数の固定部材19とを備えて概略構成されている。なお、図5において、16aは前記固定部材19が挿通される挿通孔であり、回転子鉄心16の回転子軸15と近接する部位に複数(固定部材19と同数)穿孔されている。
【0031】
前記一対の保持部材18a,18bは、例えば、合成樹脂等にて形成されており、図5で示すように、前記保持部材18a,18bの互いに相対向する部位には、回転子鉄心16外周に周方向端面間に所定間隔(隙間)を設けた状態で配設された各回転子磁石17の軸方向端部が嵌合する複数の凹溝18cが凹設されている(図5においては、保持部材18bに凹設した凹溝18cのみ示す)。なお、前記第1,第2の保持部材18a,18bの中央部には、回転子軸15が貫通する貫通孔18eが穿孔されており、また、前記貫通孔18eと近接する部位には、回転子鉄心16に穿孔した挿通孔16aと対応する状態で、固定部材19が挿通される透孔18fが複数(固定部材19と同数)穿孔されている。
【0032】
次に、第2実施例の回転子14を組立てる場合は、はじめに、回転子鉄心16を回転子軸15の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着し、つづいて、前記回転子鉄心16の外周に回転子磁石17を、各回転子磁石17間に所定間隔(隙間)を設けた状態で配設し、図示しない治具を用いて仮固定する。
【0033】
この後、回転子磁石17の軸方向の一方端に、図5の右方向から第1の保持部材18aを、その貫通孔18eに回転子軸5を貫通させ、かつ、複数の凹溝18cに各回転子磁石17の一方端側を嵌合した状態で当接させるとともに、回転子磁石17の軸方向の他方端には、図5の左方向から第2の保持部材18bを、その貫通孔18eに回転子軸15を貫通させ、かつ、複数の凹溝18cに各回転子磁石17の他方端側を嵌合した状態で当接させる。
【0034】
そして、図5で示すように、第1の保持部材18a側から固定部材19を、前記第1の保持部材18aの透孔18f→回転子鉄心16の挿通孔16a→第2の保持部材18bの透孔18fの順に挿通し、前記第2の保持部材18bの透孔18fから突出する先端側(図示せず)を圧潰することにより、前記第1,第2の保持部材18a,18bを一体的に固定して、図6で示すように、回転子14の組立を終了する。なお、回転子磁石17を仮固定している図示しない治具は、回転子14の組立途中(例えば、第1,第2の保持部材18a,18bを回転子磁石17の軸方向両端側に当接させた段階)、あるいは、回転子14の組立が終了した段階で取外すようにすればよい。また、電動機Aの組立については、第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0035】
このように、第2実施例の回転子14においては、回転子鉄心16の外周に配設した各回転子磁石17の軸方向両端部を、第1,第2の保持部材18a,18bに凹設した凹溝18cに嵌合・保持させ、この状態で、前記第1,第2の保持部材18a,18bを回転子鉄心16に対して固定部材19を用いて一体的に固定するようにしたので、前記回転子14は、接着剤を使用することなく組立てることが可能となり、この結果、組立作業を円滑・容易に行うことができるとともに、接着剤が均一な厚さで塗布されていないことに起因する電動機Aの特性低下を確実に防ぐことが可能となる。その上、保持部材18a,18bは、圧入以外の方法により回転子磁石17の軸方向端部に取付けられるため、回転子14の組立時に回転子磁石17の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石17自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0036】
また、第2実施例の回転子14においては、回転子磁石17の軸方向端部が保持部材18a,18bに凹設した凹溝18cに嵌合・保持されているので、前記回転子磁石17は、回転子14の回転に伴う遠心力を受けても、回転子鉄心16の外周から剥離・飛散するのを確実に防ぐことができるとともに、回転子磁石17が周方向に位置ズレを起こすのを良好に防ぐことが可能となる。
【0037】
更に、一対の保持部材18a,18bを一体的に固定する固定部材19は、前記回転子鉄心16の回転子軸15と近接する部位に挿通されているので、前記固定部材19が回転子鉄心16における回転子磁石17の磁束の流れに悪影響を及ぼすのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、この種回転子14を使用した電動機Aの特性低下を確実に防ぐことができる。
【0038】
次に、図8ないし図10を参照しながら、本発明の第3実施例について説明する。図9,10において、24は第3実施例の回転子であり、前記回転子24は、図8で示すように、回転子軸25の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着した回転子鉄心26と、前記回転子鉄心26より軸方向寸法を若干大きくなし、該回転子鉄心26の外周に周方向端面同士を当接させた状態(図10参照)で配設した複数個の回転子磁石27と、前記回転子磁石27の固定子鉄心1(図1参照)から突出する軸方向両端側に配設されて、該回転子磁石27を保持する一対の保持部材28a,28bと、前記一対の保持部材28a,28bを回転子鉄心26に対して一体的に固定する複数の固定部材29(図10参照)とを備えて概略構成されている。
【0039】
なお、図8において、26aは前記固定部材29が挿通される挿通孔であり、回転子鉄心26の回転子軸25と近接する部位に複数(固定部材29と同数)穿孔されている。また、前記回転子磁石27は、図8で示すように、その軸方向両端をテーパ状となして(軸方向における断面形状を台形状となして)形成されている。
【0040】
前記一対の保持部材28a,28bは、例えば、合成樹脂等にて形成されており、図8で示すように、前記保持部材28a,28bには、回転子磁石27のテーパ状の軸方向端部が嵌合する凹陥部28cが周設されている。なお、前記凹陥部28cには、回転子磁石27のテーパ状の軸方向端部と対応する部位に、テーパ面28dが形成されている。また、前記第1,第2の保持部材28a,28bの中央部には、回転子軸25が貫通する貫通孔28eが穿孔されており、更に、前記貫通孔28eと近接する部位には、回転子鉄心26に穿孔した挿通孔26aと対応する状態で、固定部材29が挿通される透孔28fが複数(固定部材29と同数)穿孔されている。また更に、前記保持部材28a,28bは、図9で示すように、回転子磁石27の軸方向両端側に配設された際に、その外周面と回転子磁石27の外周面とが平滑面状となるような(即ち、回転子磁石27の外周面との間に段差を生じないような)径寸法で形成されている。
【0041】
次に、第3実施例の回転子24を組立てる場合は、はじめに、回転子鉄心26を回転子軸25の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着し、つづいて、前記回転子鉄心26の外周に回転子磁石27を、各回転子磁石7間に隙間を形成することなく、互いに周方向端面を当接させた状態で配設し、図示しない治具を用いて仮固定する。
【0042】
この後、回転子磁石27の一方端に、図8の右方向から第1の保持部材28aを、その貫通孔28eに回転子軸25を貫通させ、かつ、凹陥部28cに回転子磁石27の一方端側を嵌合した状態で当接させるとともに、回転子磁石27の他方端に、図8の左方向から第2の保持部材28bを、その貫通孔28eに回転子軸25を貫通させ、かつ、凹陥部28cに回転子磁石27の他方端側を嵌合した状態で当接させる。
【0043】
そして、図8で示すように、第1の保持部材28a側から固定部材29を、前記第1の保持部材28aの透孔28f→回転子鉄心26の挿通孔26a→第2の保持部材28bの透孔28fの順に挿通し、前記第2の保持部材28bの透孔28fから突出する先端側(図8の左側)を圧潰することにより、前記第1,第2の保持部材28a,28bを一体的に固定して、図9,10で示すように、回転子24の組立を終了する。なお、回転子磁石27を仮固定している図示しない治具は、回転子24の組立途中(例えば、第1,第2の保持部材28a,28bを回転子磁石27の軸方向両端側に当接させた段階)、あるいは、回転子24の組立が終了した段階で取外すようにすればよい。また、電動機Aの組立については、第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
このように、第3実施例の回転子24においては、回転子鉄心26の外周に配設した回転子磁石27のテーパ状の軸方向両端部を、第1,第2の保持部材28a,28bに周設した凹陥部28cに嵌合し、この状態で、前記第1,第2の保持部材28a,28bを回転子鉄心26に対して固定部材29を用いて一体的に固定するようにしたので、前記回転子24は、接着剤を使用することなく組立てることが可能となり、この結果、組立作業を円滑・容易に行うことができるとともに、接着剤が均一な厚さで塗布されていないことに起因する電動機Aの特性低下を確実に防ぐことが可能となる。その上、保持部材28a,28bは、圧入以外の方法により回転子磁石27の軸方向端部に取付けられるため、回転子24の組立時に回転子磁石27の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石27自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0045】
また、第3実施例の回転子24においては、回転子磁石27の軸方向両端側に配設される保持部材28a,28bが、その外周面と回転子磁石27の外周面とが平滑面状となるような径寸法で形成されているので、前記保持部材28a,28bを使用して回転子磁石27を保持するようにしても、回転子24の外周には、該回転子24を固定子鉄心1の回転子挿入孔1a(図1参照)に挿入する際に邪魔となる段差等が存在しないため、前記固定子鉄心1と回転子磁石27との間の隙間(エアギャップ)を良好に減少させることが可能となり、この結果、電動機Aの特性低下を確実に防ぐことができる。
【0046】
更に、第3実施例の回転子24においては、回転子磁石27の軸方向端部がテーパ状に形成されており、また、一対の保持部材28a,28bに周設した凹陥部28cには、前記回転子磁石27のテーパ状の軸方向端部と対応する部位にテーパ面28dが形成されているので、前記回転子磁石27は、回転子24の回転に伴う遠心力を受けても、そのテーパ状の軸方向端部と凹陥部28cに形成されたテーパ面28dとの間における楔作用によって良好に保持される結果、接着剤やカバー体を使用して固定しなくても、回転子磁石27が回転子鉄心26の外周から剥離・飛散するのを確実に防ぐことが可能となる。
【0047】
また、一対の保持部材28a,28bを一体的に固定する固定部材29は、前記回転子鉄心26の回転子軸25と近接する部位に挿通されているので、前記固定部材29が回転子鉄心26における回転子磁石27の磁束の流れに悪影響を及ぼすのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、この種回転子24を使用した電動機Aの特性低下を確実に防ぐことができる。
【0048】
次に、図11ないし図14を参照しながら、本発明の第4実施例について説明する。図13,14において、34は第4実施例の回転子を示し、前記回転子34は、図13で示すように、回転子軸35の所定位置に圧入等することにより固着した回転子鉄心36と、前記回転子鉄心36より軸方向寸法を若干大きくなし、該回転子鉄心36の外周に周方向端面同士を当接させた状態で配設した複数個の回転子磁石37と、前記回転子磁石37を固定子鉄心1(図1参照)から突出する軸方向両端側において保持する保持部38とを備えて概略構成されている。
【0049】
なお、前記回転子鉄心36の径方向の所定位置には、図11,12で示すように、複数の透孔36aが穿孔されている。また、前記回転子磁石37は、図11で示すように、その軸方向両端をテーパ状となして(軸方向における断面形状を台形状となして)形成されている。更に、前記保持部38は、図13で示すように、回転子磁石37の軸方向両端部と回転子鉄心36の複数の透孔36aとに跨るようにして合成樹脂を充填することにより、その外周面が回転子磁石37の外周面と平滑面状となるように(即ち、回転子磁石37の外周面との間に段差が生じないように)して形成されている。
【0050】
次に、第4実施例の回転子34を組立てる場合は、はじめに、図11で示すように、回転子鉄心36を回転子軸35の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着する。つづいて、前記回転子軸35に固着した回転子鉄心36を、図示しない成形金型内に収容し、この状態で、前記回転子鉄心36の外周に回転子磁石37を、図12で示すように、各回転子磁石37間に隙間を形成することなく、互いに周方向端面を当接させた状態で配設する。
【0051】
この後、回転子磁石37の軸方向両端部と対応する部位及び回転子鉄心36の透孔36aに、合成樹脂を充填して保持部38を形成することにより、図13,14で示すように、回転子34の組立を終了する。なお、電動機Aの組立については、第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0052】
このように、第4実施例の回転子34においては、回転子磁石7の軸方向両端部と対応する部位及び回転子鉄心36の透孔36aに合成樹脂を充填して、前記回転子磁石7を保持する保持部38を形成するようにしたので、保持部材や固定部材を特別に使用することなく、回転子磁石7を回転子鉄心36に保持することが可能となり、この結果、回転子34における部品点数を良好に低減して、この種回転子34の製造コストの上昇を良好に防ぐことができるとともに、保持部38の形成に当たり、回転子磁石37を治具を用いて仮固定する必要がないため、回転子34の組立作業を簡易に行うことが可能となる。しかも、回転子34の組立に際して、固定部材や接着剤を使用する必要がないため、前記固定部材の存在や接着剤の塗布厚さの不均一によって、磁路の形成に悪影響を及ぼすのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、この種回転子34を使用した電動機Aの特性低下を確実に防ぐことが可能となる。
【0053】
また、第4実施例の回転子34においては、回転子磁石37を保持するための保持部38が、前記回転子磁石37の軸方向両端部及び回転子鉄心36に穿設した透孔36aとに跨る状態で、かつ、その外周面と回転子磁石27の外周面とが平滑面状となる状態で形成されているので、回転子34の外周には、該回転子34を固定子鉄心1の回転子挿入孔1a(図1参照)に挿入する際に邪魔となる段差等が存在しないため、前記固定子鉄心1と回転子磁石37との間の隙間(エアギャップ)を良好に減少させることが可能となり、この結果、電動機Aの特性低下を確実に防ぐことができる。
【0054】
更に、第4実施例の回転子34においては、回転子磁石37の軸方向端部がテーパ状に形成されているので、前記回転子磁石37は、回転子34の回転に伴う遠心力を受けても、そのテーパ状の軸方向端部と保持部38のテーパ面との間における楔作用によって良好に保持される結果、回転子磁石37の外周にカバー体を取付けなくても、前記回転子磁石37が回転子鉄心36の外周から剥離・飛散しようとするのを確実に防ぐことができる。その上、回転子磁石37の外周にカバー体を圧入等することにより取付ける必要がないため、回転子34の組立に際して、回転子磁石37の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石37自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0055】
なお、第1ないし第3実施例においては、第1,第2の保持部材をリベット等の固定部材を用いて一体的に固定するようにしているが、これに限定することなく、例えば、第1の保持部材に、回転子鉄心の挿通孔に挿通される固定部材を一体的に形成し、第2の保持部材側から突出する前記固定部材の先端側を圧潰することにより、第1,第2の保持部材を一体的に固定するようにしてもよい。
【0056】
この場合、固定部材を別個に用意する必要がなくなるため、部品点数を良好に低減することが可能となり、この結果、製造コストの上昇を良好に抑制して、この種回転子を安価に製造することができる。また、前記第1の保持部材に一体的に形成した固定部材が、該第1の保持部材を回転子鉄心へ取付ける際のガイドの役割を果たすこととなるので、第1,第2の保持部材の回転子磁石の軸方向両端部への取付け作業を円滑・容易に行うことが可能となり、利便である。
【0057】
また、第2,第3実施例においては、第1,第2の保持部材を同一形状となして形成するようにすれば、回転子において使用される部品種類を良好に低減することが可能となり、この結果、製造コストの上昇を良好に抑制して、この種回転子を安価に製造することができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の発明においては、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石の軸方向両端側に第1,第2の保持部材を配設し、かつ、前記第1の保持部材に突設した複数の押圧板によって各回転子磁石を、その周方向端面外周に跨るような状態で保持するようにしたので、前記回転子は、接着剤を使用することなく組立てることが可能となり、この結果、組立作業を円滑・容易に行うことができるとともに、接着剤が均一な厚さで塗布されていないことに起因する電動機の特性低下を確実に防ぐことが可能となる。また、第1,第2の保持部材は、回転子磁石の軸方向端部に配設した状態で、固定部材を用いて一体的に固定するようにしたので、回転子の組立に際して、回転子磁石の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0059】
請求項2記載の発明においては、第1の保持部材に突設した押圧板の回転子磁石と当接する側の面を、楔状となして形成したので、前記押圧板の楔状の端面を、回転子鉄心外周に配設した各回転子磁石の周方向端面外周に跨るような状態で当接させることにより、前記回転子磁石は、回転子の回転に伴う遠心力を受けても、前記押圧板の楔作用によって良好に保持される結果、前記回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを確実に防ぐことが可能となる。
【0060】
請求項3記載の発明においては、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石の軸方向端部を、第1,第2の保持部材に凹設した凹溝に嵌合して保持するようにしたので、前記回転子は、接着剤を使用することなく組立てることが可能となり、この結果、組立作業を円滑・容易に行うことができるとともに、接着剤が均一な厚さで塗布されていないことに起因する電動機の特性低下を確実に防ぐことが可能となる。また、第1,第2の保持部材は、回転子磁石の軸方向端部に配設した状態で、固定部材を用いて一体的に固定するようにしたので、回転子の組立に際して、回転子磁石の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。更に、回転子磁石の軸方向端部は、保持部材に凹設した凹溝に嵌合・保持されているので、前記回転子磁石は、回転子の回転に伴う遠心力を受けても、回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを確実に防ぐことができるとともに、回転子磁石が周方向に位置ズレを起こすのを良好に防ぐことが可能となる。
【0061】
請求項4記載の発明においては、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石の軸方向端部を、第1,第2の保持部材に周設した凹陥部に嵌合して保持するようにしたので、前記回転子は、接着剤を使用することなく組立てることが可能となり、この結果、組立作業を円滑・容易に行うことができるとともに、接着剤が均一な厚さで塗布されていないことに起因する電動機の特性低下を確実に防ぐことが可能となる。また、第1,第2の保持部材は、回転子磁石の軸方向端部に配設した状態で、固定部材を用いて一体的に固定するようにしたので、回転子の組立に際して、回転子磁石の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0062】
請求項5記載の発明においては、一対の保持部材を一体的に固定する固定部材を、回転子鉄心の回転子軸近傍の位置に挿通するようにしたので、前記固定部材が回転子鉄心における回転子磁石の磁束の流れに悪影響を与えるのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、この種回転子を使用した電動機の特性低下を確実に防ぐことができる。
【0063】
請求項6記載の発明においては、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石を、その軸方向両端側と回転子鉄心に穿設した透孔とに跨るようにして形成された保持部によって保持するようにしたので、保持部材や固定部材を特別に使用することなく、回転子磁石を保持することが可能となり、この結果、回転子の組立作業を簡易に行うことができるとともに、回転子における部品点数を良好に低減して、この種回転子の製造コストの上昇を良好に防ぐことが可能となる。しかも、回転子の組立に際して、固定部材や接着剤を使用する必要がないため、前記固定部材の存在や接着剤の塗布厚さの不均一によって、磁路の形成に悪影響を及ぼすのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、この種回転子を使用した電動機の特性低下を確実に防ぐことが可能となる。
【0064】
請求項7記載の発明においては、回転子磁石の軸方向端部をテーパ状となして形成するとともに、保持部材または保持部には、前記回転子磁石のテーパ状の軸方向端部と対応する部位にテーパ面を形成したので、前記回転子磁石は、回転子の回転に伴う遠心力を受けても、そのテーパ状の軸方向端部と保持部材または保持部に形成されたテーパ面との間における楔作用によって良好に保持される結果、回転子磁石の外周にカバー体を取付けなくても、前記回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散しようとするのを確実に防ぐことができる。その上、回転子磁石の外周にカバー体を圧入等することにより取付ける必要がないため、回転子の組立に際して、回転子磁石の軸方向端部の一部が欠落したり、回転子磁石自体に割れが生じたりするのを良好に防ぐことが可能となる。
【0065】
請求項8記載の発明においては、保持部材または保持部が、その外周面と回転子磁石の外周面との間に段差が生じないような(平滑面状となるような)状態で形成されているので、前記保持部材または保持部によって回転子磁石を保持するようにしても、回転子の外周には、該回転子を固定子鉄心の回転子挿入孔に挿入する際に邪魔となる段差等が存在しないため、前記固定子鉄心と回転子磁石との間の隙間(エアギャップ)を良好に減少させることが可能となり、この結果、電動機の特性低下を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転子を備えた電動機を示す縦断側面図である。
【図2】本発明の回転子を分解して示す斜視図である。
【図3】本発明の回転子を示す斜視図である。
【図4】本発明の回転子を示す縦断正面図である。
【図5】本発明の第2実施例における回転子を分解して示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例における回転子を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例における回転子を示す縦断正面図である。
【図8】本発明の第3実施例における回転子を分解して示す縦断側面図である。
【図9】本発明の第3実施例における回転子を示す縦断側面図である。
【図10】本発明の第3実施例における回転子を示す正面図である。
【図11】本発明の第4実施例において回転子に保持部を形成する前の状態を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第4実施例において回転子鉄心の外周に回転子磁石を配設した状態を示す平面図である。
【図13】本発明の第4実施例における回転子を示す縦断側面図である。
【図14】本発明の第4実施例における回転子を示す正面図である。
【符号の説明】
4,14,24,34 回転子
5,15,25,35 回転子軸
6,16,26,36 回転子鉄心
7,17,27,37 回転子磁石
8a,8b,18a,18b,28a,28b 保持部材
8c 押圧板
8d 嵌入孔
9,19,29 固定部材
18c 凹溝
28c 凹陥部
28d テーパ面
38 保持部

Claims (8)

  1. 回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材のうち、一方の保持部材には、回転子鉄心外周に配設された各回転子磁石の周方向端面外周に跨る状態で当接する複数の押圧板を軸方向に沿って突設するとともに、他方の保持部材には、前記一方の保持部材と対向する部位に押圧板の先端側が嵌入する複数の嵌入孔を穿設して構成したことを特徴とする回転子。
  2. 前記押圧板は、その回転子磁石と当接する側の面を、楔状となして構成したことを特徴とする請求項1記載の回転子。
  3. 回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材には、その互いに相対向する部位に回転子磁石の軸方向端部が嵌合する複数の凹溝を凹設して構成したことを特徴とする回転子。
  4. 回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石の軸方向両端側に配設されて該回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ一対の保持部材と、前記一対の保持部材を一体的に固定する固定部材とを備え、前記一対の保持部材には、その互いに相対向する部位に回転子磁石の軸方向端部が嵌合する凹陥部を周設して構成したことを特徴とする回転子。
  5. 前記固定部材は、回転子鉄心の回転子軸近傍の位置に挿通するように構成したことを特徴とする請求項1,3,4記載の回転子。
  6. 回転子軸に回転不能に固着された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の外周に配設された複数個の回転子磁石と、前記回転子磁石が回転子鉄心の外周から剥離・飛散するのを防ぐ保持部とを備え、前記回転子鉄心の所定位置には複数の透孔を穿孔し、成形金型内において前記透孔と回転子磁石の軸方向両端側外周とに跨る状態で合成樹脂を充填して保持部を形成するように構成したことを特徴とする回転子。
  7. 前記回転子磁石は、その軸方向端部をテーパ状となして形成するとともに、前記保持部材または保持部には、回転子磁石のテーパ状の軸方向端部と対応する部位に、テーパ面を形成して構成したことを特徴とする請求項4または6記載の回転子。
  8. 前記保持部材または保持部は、その外周面と回転子磁石の外周面との間に段差が生じないような状態で形成したことを特徴とする請求項4,6,7記載の回転子。
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