JP7072375B2 - 回転機器用ローター及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、回転機器用ローター及びその製造方法に関する。
モーターあるいは発電機等の回転機器用ローターとしては、鉄等の強磁性体からなるローターコアの外周に複数の永久磁石(以下、磁石と略称する)を取り付けたインナーローターと、ローターコアの内周に複数の磁石を取り付けたアウターローターとが知られている。しかしながら、いずれのタイプであっても、ローターコアが鉄からなるローターは、鉄の密度が室温において約7.9g/cmと比重が大きいため、重量が重く機械的時定数が高くなってしまう。そのため、このようなローターを、例えばモーターに適用した場合に、始動速度を上げ、高速回転を実現できない可能性がある。
モーターにおける始動速度を上げ、回転数を高くするためには、ローターコアを強磁性体によって構成し、かつ、低密度で軽い材料で形成することが好ましい。しかしながら、現状、そのような材料は存在しない。このような課題に対し、特許文献1は、合成樹脂のような非磁性体によるローターコア中に磁石を埋め込んだローターの製造方法を開示している。
特開2000-197287号公報
ローターコアが強磁性体であれば、ローターコアと磁石との間の結合力は強いため、ローターの高速回転時において、ローターコアから磁石が剥がれてしまうリスクは緩和される。しかしながら、ローターコアを非磁性体で形成した場合、接着だけではローターコアと磁石との間の結合力が不十分となり、ローターコアから磁石が剥がれてしまうおそれがある。
例えば特許文献1に開示されたようなローターをモーターに適用した場合、ローターは高速で回転するため、経年変化で合成樹脂のローターコアと磁石との結合力が劣化してしまうことがある。この場合には、ローターの高速回転時において合成樹脂のローターコア中に埋設された磁石が回転により剥がれてしまう可能性がある。
また、特許文献1では、合成樹脂のローターコア中に磁石を埋め込むために、例えば複数の磁石の配置を特別な治具でセットしたうえで、特別な金型を用いて射出成形を行うようにしており、特別な治具や金型が必要となるうえに、射出成形作業が必要となる。
本発明の目的は、非磁性体のローターコアであっても磁石が剥がれず、かつ製造時の作業性を改善することのできる回転機器用ローター及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、回転機器のローターコアの外周側に、軸心方向に関して前記ローターコアと同じ長さを持つ複数の磁石を環状に並べて接着してなる磁石ユニットを有する回転機器用インナーローターにおいて、前記ローターコアは密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をしており、前記複数の磁石はそれぞれ、前記ローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁が面取りされており、前記ローターコアの軸心方向の端面及び前記複数の磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数の磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記ローターコアから離れる半径方向外側への各磁石のずれを掛止する爪を全周にわたって持つ2枚の環状の磁石押さえ部を前記軸心方向の両端に備え、前記2枚の磁石押さえ部を、前記ローターコアの軸心方向の端面に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定したことを特徴とする回転機器用ローターが提供される。
前記磁石ユニットはハルバッハ配列磁石から成るようにしても良い
本発明の第2の態様によれば、回転機器のローターコアとして密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をした前記ローターコアとその軸心方向に関して同じ長さを持つ複数の磁石を用意し、前記複数の磁石をそれぞれ、前記ローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りし、前記ローターコアの外周側に、前記複数の磁石を接着して環状の磁石ユニットを形成し、前記ローターコアの軸心方向の端面及び前記複数の磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数の磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記ローターコアから離れる半径方向外側への各磁石のずれを掛止する爪を全周にわたって持つ環状の2枚の磁石押さえ部を、前記ローターコアの軸心方向の端面に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定することにより、前記ローターコアから半径方向外側への前記複数の磁石の剥がれを防止することを特徴とする回転機器用インナーローターの製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、複数のコイルを環状に組合せてなるステーターを間にして該ステーターの内周側にはインナーローターコアの外周側に、軸心方向に関して前記インナーローターコアと同じ長さを持つ複数のインナー磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着してなるインナーローターを配置し、前記ステーターの外周側にはアウターローターコアの内周側に、軸心方向に関して前記アウターローターコアと同じ長さを持つ複数のアウター磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着してなるアウターローターを配置したダブルハルバッハ配列磁石を備えた回転機器用ローターにおいて、前記インナーローターコア、前記アウターローターコアはそれぞれ、密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をしており、前記複数のインナー磁石はそれぞれ、前記インナーローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁が面取りされており、前記インナーローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のインナー磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のインナー磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記インナーローターコアから離れる半径方向外側への各インナー磁石のずれを掛止する第1の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のインナー磁石押さえ部を前記インナーローターコアの軸心方向の両端に備え、前記2枚のインナー磁石押さえ部を、前記インナーローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定し、前記複数のアウター磁石はそれぞれ、前記アウターローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁が面取りされており、前記アウターローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のアウター磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のアウター磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記アウターローターコアから離れる半径方向内側への各アウター磁石のずれを掛止する第2の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のアウター磁石押さえ部を前記アウターローターコアの軸心方向の両端に備え、前記2枚のアウター磁石押さえ部を、前記アウターローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定したことを特徴とする回転機器用ローターが提供される。
本発明の第4の態様によれば、複数のコイルを環状に組合せてなるステーターを間にして該ステーターの内周側にはインナーローターを、外周側にはアウターローターをそれぞれ配置した回転機器用ローターの製造方法において、インナーローターコアとして密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をした前記インナーローターコアの外周側に、軸心方向に関して前記インナーローターコアと同じ長さを持つ複数のインナー磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着して前記インナーローターを形成する工程と、アウターローターコアとして密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をした前記アウターローターコアの内周側に、軸心方向に関して前記アウターローターコアと同じ長さを持つ複数のアウター磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着して前記アウターローターを形成する工程と、を含み、前記インナーローターを形成する工程は、前記複数のインナー磁石をそれぞれ、前記インナーローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りする工程と、前記インナーローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のインナー磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のインナー磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記インナーローターコアから離れる半径方向外側への各インナー磁石のずれを掛止する第1の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のインナー磁石押さえ部を、前記インナーローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定する工程と、を含み、前記アウターローターを形成する工程は、前記複数のアウター磁石をそれぞれ、前記アウターローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りする工程と、前記アウターローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のアウター磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のアウター磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記アウターローターコアから離れる半径方向内側への各アウター磁石のずれを掛止する第2の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のアウター磁石押さえ部を、前記アウターローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定する工程と、を含むことを特徴とする、ダブルハルバッハ配列磁石を備えた回転機器用ローターの製造方法が提供される。
本発明によれば、密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体のローターコアによってローターの軽量化を実現することができ、始動速度を上げ、高速回転を実現できる。そして、高速回転時にあってもローターコアから磁石が剥がれず、かつ製造時の作業性の改善、特に作業時間の短縮を実現することができる。
一般的な同期モーターのローター及びステーターの構造を説明するための断面図である。 ローターコアの外周にハルバッハ配列磁石を持つインナーローターの一般的な構成の第1の例を示す図である。 ローターコアの外周にハルバッハ配列磁石を持つインナーローターの一般的な構成の第2の例を示す図である。 本発明による回転機器用ローターの第1の実施形態を示し、本発明をモーターのインナーローターに適用した例の斜視図である。 図4の線A-A´による縦断面図である。 本発明による回転機器用ローターの第2の実施形態を示し、本発明をモーターのアウターローターに適用した例の斜視図である。 図6の線B-B´による縦断面図である。 本発明による回転機器用ローターの第3の実施形態を示し、本発明を、ダブルハルバッハ配列磁石を持つモーター用ローターに適用した場合のローター及びステーターの断面図である。 図8の線C-C´による断面図である。
本発明は、複数の磁石をローターコアの外周又は内周に周方向に並べて設置した通常の回転機器だけでなく、複数の磁石をローターコアの外周又は内周にハルバッハ配列構造にて設置した回転機器にも適用できる。本発明はモーター用ローター、発電機用ローターのいずれにも適用可能であり、特にモーター用ローターに好適である。
そこで、本発明の好ましい実施形態を説明する前に、図1~図3を参照して、一般的な同期モーターの構造と、ローターコアの外周にハルバッハ配列磁石を持つインナーローターの一般的な構成及びその組立手順について説明する。
図1において、この同期モーターはステーター100と、その内側に回転可能に設置されたローター110を有する。ステーター100は、円筒状のステーターコア101の内周に周方向に間隔を置いて形成された複数のティース102を有し、各ティース102にコイル103を設置して成る。ローター110はインナーローターであり、強磁性体による円筒状のローターコア111の外周に複数の磁石112を周方向に並べて接着、固定して成る。
次に、図2を参照して、強磁性体によるローターコア120の外周に固定された、ハルバッハ配列磁石を持つ環状の磁石ユニット130を構成する複数の磁石における、それぞれの磁石の磁化方向について説明する。
磁石ユニット130は、円周方向に対して垂直な第1の磁化領域を有する、第1の主磁石130a-1、第2の主磁石130a-2、第3の主磁石130a-3、第4の主磁石130a-4を有する。磁石ユニット130はまた、円周方向に対して略平行な第2の磁化領域を有する、第1の副磁石130b-1、第2の副磁石130b-2、第3の副磁石130b-3、第4の副磁石130b-4を有する。ここで、第1の磁化領域と、第2の磁化領域とは磁化の方向が概ね直交している。
第1の主磁石130a-1と、第3の主磁石130a-3とは、中心側に向かう同じ方向の磁化を有している。第2の主磁石130a-2と、第4の主磁石130a-4とは、第1の主磁石130a-1と、第3の主磁石130a-3の磁化方向に対して、180°反転させた方向の磁化を有している。
第1の副磁石130b-1と、第3の副磁石130b-3とは周方向に沿った同じ方向の磁化を有している。第2の副磁石130b-2と、第4の副磁石130b-4とは、第1の副磁石130b-1と、第3の副磁石130b-3の磁化方向に対して、180°反転させた方向の磁化を有している。
磁石ユニット130において、第1の副磁石130b-1は、第1の主磁石130a-1と、第2の主磁石130a-2との間に密着させて設けられている。第2の副磁石130b-2は、第2の主磁石130a-2と、第3の主磁石130a-3との間に密着させて設けられている。第3の副磁石130b-3は、第3の主磁石130a-3と、第4の主磁石130a-4との間に密着させて設けられている。第4の副磁石130b-4は、第1の主磁石130a-1と、第4の主磁石130a-4との間に密着させて設けられている。
以上の通り、磁石ユニット130は、隣接する磁石の磁化方向が90°異なったハルバッハ配列による複数の磁石からなる。これにより、インナーローターにおいてバックヨークを構成しなくても漏れ磁束を任意の箇所に集中させて、十分な磁束密度を得ることができる。なお、図2は、磁石ユニット130を構成する磁石の数を限定するものではない。具体的には、図2は、4ポールの回転モーターで使用される磁石ユニット130の例を示している。通常、回転モーターはnポール(nは偶数)で構成されており、以降で説明される実施形態はポールの数に応じた任意の数の磁石によって磁石ユニット130を形成することができる。これは、次に説明される図3の磁石ユニット130Aでも同様である。
図3を参照して、強磁性体によるローターコア120Aの外周に固定された、ハルバッハ配列磁石を持つ環状の磁石ユニット130Aを構成する複数の磁石における、それぞれの磁石の磁化方向について説明する。
図3に示すように、磁石ユニット130Aは、第1の磁石130Aa-1と、第2の磁石130Aa-2と、第3の磁石130Aa-3と、第4の磁石130Aa-4とを有する。第1の磁石130Aa-1~第4の磁石130Aa-4は、それぞれ、周方向の中央部に円周方向と略平行な磁化方向を持つ磁化領域を有している。第1の磁石130Aa-1~第4の磁石130Aa-4はまた、それぞれ、両端部において中央部における磁化領域の方向と実質的に直交する方向の磁化方向を有しており、しかも両端部における磁化方向は互いに180°反転している。すなわち、第1の磁石130Aa-1~第4の磁石130Aa-4は、それぞれ、円周方向において複数(ここでは3種)の磁化領域を有している。
より詳細には、第1の磁石130Aa-1及び第3の磁石130Aa-3は、それぞれ、中央部及び両端部において同じ磁化方向を有している。第2の磁石130Aa-2及び第4の磁石130Aa-4は、それぞれ、中央部及び両端部において同じ磁化方向を有している。また、第1の磁石130Aa-1及び第3の磁石130Aa-3の中央部及び両端部における磁化方向と、第2の磁石130Aa-2及び第4磁石130Aa-4の中央部及び両端部の磁化方向とは、それぞれ、180°反転している。
このような第1の磁石130Aa-1~第4の磁石130Aa-4は、例えば、本発明者により提案されている特願2016-233189号に記載の方法により得ることができる。本例のように、第1の磁石130Aa-1~第4の磁石130Aa-4のような複数の磁化領域を有する磁石をローターコア120Aの外周上にハルバッハ配列磁石を成すように配置することによっても、磁束を任意の箇所に集中させて、十分な磁束密度を得ることができる。
なお、アウターローターは、図2、図3の磁石ユニットがローターコアの内周側に配置され、周方向に略平行な磁化方向を持つ磁石の磁化方向が180度反転される点を除いてインナーローターと同じと考えて良い。このような違いにより、インナーローターでは、図2で言えば、各磁石の磁極を周方向に略90°ずつ回転させながら配列しているので、配列の内側の磁場が弱まり、配列の外側では、その分磁場が強くなって、ハルバッハ配列磁石の外側に強い磁場を発生させる。これに対し、アウターローターでは、各磁石の磁極を周方向に略90°ずつ回転させながら配列しているが、周方向に略平行な磁化方向を持つ磁石の磁化方向を180度反転させているので、配列の外側の磁場が弱まり、配列の内側でその分磁場が強くなって、ハルバッハ配列磁石の内側に強い磁場を発生させる。
図2の例の一般的なインナーローター組立の手順を説明する。先ず、図2の円周方向に磁化された磁石130b-1、130b-2、130b-3、130b-4を、位置決め冶具を用いてローターコア120の正確な外周位置に接着剤を使って接着し、接着剤が十分に固化するまで待機する。固化時間は接着剤によるが8時間~24時間である。その後に、磁石130a-1、130a-2、130a-3、130a-4を同じ接着剤で接着し、十分に固化するまで待機する。
図3の例のインナーローター組立の手順も同様である。また、ローターコアの内周に磁石が配列されるアウターローター組立の手順もほぼ同じである。
図2、図3のいずれの例も、ローターコアが強磁性体であることから、ローターコアと磁石との間に強い結合力が得られるが、接着剤の固化時間を長くしなければならないという問題点がある。
これに対し、インナーローター、アウターローターにおいて、ローターコアの材料として軽量化に有効な密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体を使用したことが本発明の第一の特徴であり、しかも高速回転時においてもローターコアから磁石が剥がれにくくしたことが本発明の第二の特徴である。非磁性体材料としては、密度2.7~3.1g/cmのアルミニウム及びアルミニウム合金、合成樹脂、特に密度1.6~2.7g/cmのFRP(繊維強化プラスチック)、密度4.5g/cmのチタン等が挙げられる。
(第1の実施形態)
はじめに、図4、図5を参照して、本発明を、図2、図3で説明したようなハルバッハ配列磁石を持つインナーローターに適用した第1の実施形態について説明する。
図4は、本発明による回転機器用ローターの第1の実施形態を示し、本発明を回転モーターのインナーローターに適用した例の斜視図である。図5は、図4の線A-A´による縦断面図である。図5においては、磁石の磁化方向は図示を省略している。
図4において、非磁性体による円筒状のローターコア200の外周に複数の磁石300が周方向に並んでハルバッハ配列磁石を形成するように接着、固定されている。複数の磁石300は、それぞれ、ローターコア200の軸心方向の長さと同じ長さを有する。複数の磁石300の配列形態は、図2、図3のいずれの例も適用できる。ローターコア200の両端には、それぞれ、環状の磁石押さえ部400(上側のみ図示)が複数のネジでローターコア200に取り付けられている。上述したように、非磁性体材料としては、アルミニウム及びアルミニウム合金、合成樹脂、特にFRP(繊維強化プラスチック)、チタン等が挙げられる。
図5をも参照して、ローターコア200の外周に、周方向に並べて接着固定された複数の磁石300は、それぞれ、ローターコア200と接する面とは反対側の面であってローターコア200の軸心と同じ方向の両端縁が面取り加工されている。磁石押さえ部400は、図5中の上側について言えば、ローターコア200の内径と同じ内径及びローターコア200の外径より少し大きめの外径を有する環状体である。磁石押さえ部400はまた、ローターコア200の軸心方向の端面及び同じ方向の複数の磁石300の端面に接する面を有すると共に、複数の磁石300の面取りされた部分、ここでは斜面、の少なくとも一部と接してローターコア200から離れる方向への磁石300のずれを掛止する爪410を、外周側の全周にわたって持つ。磁石押さえ部400は、周方向に間隔をおいた複数個所で、頭部埋め込み型のネジ500によりローターコア200に取り付けられる。図5中の下側の磁石押さえ部500についても同様である。磁石押さえ部400は、ローターコア200と同様の密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料が望ましい。
以上のように、環状の磁石押さえ部400で複数の磁石300をローターコア200側に押さえつつ、磁石押さえ部400をローターコア200の軸心方向の端面にネジ500で固定することで、複数の磁石300を一括して物理的に固定することができる。特に、磁石押さえ部400は、その一部が、磁石300とコイルとの間のギャップに突出することなく磁石300を押さえることができる。
なお、磁石押さえ部400の爪410は、磁石押さえ部400の周方向に間隔をおいて磁石300毎に少なくとも1個ずつ設けるようにしても良い。また、磁石300の面取りを斜面では無く段部とし、磁石押さえ部400の爪を、前記段部の少なくとも一部と接する逆L字形状としても良い。これらの変形例は、後述される第2、第3の実施形態においても同様である。
また、ローターコアとして、軸心方向の一端側が回転軸用の穴を除いて塞がれた有底円筒体を用いる場合がある。この場合、ローターコアの底がある方の端部に磁石押さえ部400と同形状の爪付きの環状突部を一体的に形成して磁石押さえ部として機能させても良い。
次に、本実施形態の組立作業を、図2のハルバッハ配列磁石を持つインナーローターの場合について図2を援用して説明する。はじめに、ローターコア200と、その軸心方向に関して同じ長さを持つ複数の磁石300(図2の磁石130a-1~130a-4、130b-1~130b-4)を用意し、これらの磁石300に対して、それぞれ、ローターコア200と接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りする。続いて、ローターコア200の外周に磁石300(面取りされた図2の磁石130b-1、130b-2、130b-3、130b-4)をエポキシ樹脂等の樹脂系接着剤で接着した後、初期硬化時間5分~30分後に次の磁石300(面取りされた図2の磁石130a-1、130a-2、130a-3、130a-4)を同じ接着剤で接着する。そして、初期硬化時間後に爪410付きの磁石押さえ部400をローターコア200にネジ500で装着することでインナーローターの組立作業が終了する。その結果、前述したこれまでの組立作業に比べて接着作業時間の短縮が著しく、接着後は接着剤の硬化時間を待たずに次の工程に移ることができる。
(第1の実施形態の効果)
本発明の第1の実施形態によれば、密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体のローターコア200によってモーター用ローターの軽量化を実現することができるので、始動速度を上げ、高速回転を実現できる。そして、高速回転時にあってもローターコア200から磁石300が剥がれることを防止することができ、かつローター製造時の作業性の改善、特に接着時間の大幅な短縮による組立作業時間の短縮を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、図6、図7を参照して、本発明を、ハルバッハ配列磁石を持つアウターローターに適用した第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明による回転機器用ローターの第2の実施形態を示し、本発明を回転モーターのアウターローターに適用した例の斜視図である。図7は、図6の線B-B´による縦断面図である。
図6において、円筒状のローターコア600の内周に複数の磁石700が周方向に並んでハルバッハ配列磁石を形成するように接着、固定されている。複数の磁石700は、それぞれ、ローターコア600の軸心方向の長さと同じ長さを有する。複数の磁石700の配列形態は、図2、図3のいずれの例(但し、アウターローターとしての例)も適用できる。ローターコア600の両端には、それぞれ、環状の磁石押さえ部800が複数のネジでローターコア600に取り付けられている。前述したように、密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料としては、アルミニウム及びアルミニウム合金、合成樹脂、特にFRP(繊維強化プラスチック)、チタン等が挙げられる。
図7をも参照して、ローターコア600の内周に、周方向に並べて接着固定された複数の磁石700は、それぞれ、ローターコア600と接する面とは反対側の面であってローターコア600の軸心と同じ方向の両端縁が面取り加工されている。磁石押さえ部800は、図7中の上側について言えば、ローターコア600の外径と同じ外径及びローターコア600の内径より少し小さめの内径を有する環状体である。磁石押さえ部800はまた、ローターコア600の軸心方向の端面及び同じ方向の複数の磁石700の端面に接する面を有すると共に、複数の磁石700の面取りされた部分、ここでは斜面の少なくとも一部と接してローターコア600から離れる方向への磁石700のずれを掛止する爪810を、内周側の全周にわたって持つ。磁石押さえ部800は、周方向に間隔をおいた複数個所で、頭部埋め込み型のネジ900によりローターコア600に取り付けられる。図7中の下側の磁石押さえ部800についても同様である。磁石押さえ部800は、ローターコア600と同様の密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料が望ましい。
以上のように、環状の磁石押さえ部800で複数の磁石700をローターコア600側に押さえつつ、磁石押さえ部800をローターコア600の軸心方向の端面にネジ900で固定することで、複数の磁石700を一括して物理的に固定することができる。本実施形態においても、磁石押さえ部800は、その一部が、磁石700とコイルとの間のギャップに突出することなく磁石700を押さえることができる。
第1の実施形態と同様、ローターコアとして、軸心方向の一端側が回転軸用の穴を除いて塞がれた有底円筒体を用いる場合がある。この場合、ローターコアの底がある方の端部に磁石押さえ部800と同形状の爪付きの環状突部を一体的に形成して磁石押さえ部として機能させても良い。
本実施形態の組立作業を、図2のようなハルバッハ配列磁石を持つアウターローターの場合について図2を援用して説明する。はじめに、ローターコア600と、その軸心方向に関して同じ長さを持つ複数の磁石700(図2の磁石130a-1~130a-4、130b-1~130b-4)を用意し、これらの磁石700に対して、それぞれ、ローターコア600と接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りする。続いて、ローターコア600の内周に磁石700(面取りされた図2の磁石130b-1、130b-2、130b-3、130b-4)をエポキシ樹脂等の樹脂系接着剤で接着した後、初期硬化時間5分~30分後に次の磁石700(面取りされた図2の磁石130a-1、130a-2、130a-3、130a-4)を同じ接着剤で接着する。そして、初期硬化時間後に爪810付きの磁石押さえ部800をローターコア600にネジ900で装着することでアウターローターの組立作業が終了する。その結果、前述したこれまでの組立作業に比べて接着作業時間の短縮が著しく、接着後は接着剤の硬化時間を待たずに次の工程に移ることができる。
(第2の実施形態の効果)
本発明の第2の実施形態によれば、密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体のローターコア600によってモーター用ローターの軽量化を実現することができるので、始動速度を上げることができる。本実施形態のようなアウターローターの場合、高速回転による磁石の剥がれを考慮する必要性はほとんど無いが、ローター製造時の作業性の改善、特に接着時間の大幅な短縮による組立作業時間の短縮を実現することができる。
以上述べた第1の実施形態、第2の実地形態のいずれにおいても、ステーターコアについては本発明の要旨ではないので、詳しい図示、説明は省略する。
(第3の実施形態)
次に、図8、図9を参照して、本発明を、ダブル(あるいはデュアル)ハルバッハ配列磁石を持つモーター用ローターに適用した第3の実施形態について説明する。
図8は、本発明による回転機器用ローターの第3の実施形態を示し、本発明を、ダブルハルバッハ配列磁石を持つ回転モーター用ローターに適用した場合のローター及びステーターの断面図である。図9は、図8のC-C´線による縦断面図である。
図8において、ダブルハルバッハ配列磁石を持つモーター用ローターの場合、複数のコイル1010を環状に組合せてなるステーター1000を間にして、内周側にはインナーローター1020が、外周側にはアウターローター1030が、それぞれ、回転可能に設置されている。インナーローター1020は、筒状のインナーローターコア1021の外周に複数のインナー磁石1022を周方向に並べてハルバッハ配列磁石とし、接着固定して成る。一方、アウターローター1030は、筒状のアウターローターコア1031の内周に複数のアウター磁石1032を周方向に並べてハルバッハ配列磁石とし、接着固定して成る。
インナー磁石1022とアウター磁石1032の数は同じであり、インナーローター1020とアウターローター1030は一体的に回転するように構成される。
複数のインナー磁石1022のうち径方向に着磁したインナー磁石1022の磁極方向と、複数のアウター磁石1032のうち径方向に着磁したアウター磁石1032の磁極方向は、同じ半径上に配置されているもの同士は同じである。一方、複数のインナー磁石1022のうち周方向に着磁したインナー磁石1022の磁極方向と、複数のアウター磁石1032のうち周方向に着磁したアウター磁石1032の磁極方向は、同じ半径上に配置されているもの同士は反対である。
インナーローター1020では、インナー磁石1022の磁極を周方向に略90°ずつ回転させながら配列しているので、配列の内側の磁場が弱まり、配列の外側では、その分磁場が強くなって、インナー磁石1022の配列の外側に強い磁場を発生させることができる。一方、アウターローター1030では、前述したように、アウター磁石1032の磁極を周方向に略90°ずつ回転させながら配列しているが、周方向に略平行な磁化方向を持つ磁石の磁化方向を180度反転させているので、配列の外側の磁場が弱まり、配列の内側では、その分磁場が強くなって、アウター磁石1032の配列の内側に強い磁場を発生させることができる。その結果、インナーローター1020の内径側とアウターローター1030の外径側には磁場は殆ど漏れず、コイル1010が配置されている空間の磁場が強くなる。
本実施形態では、インナーローター1020が第1の実施形態で説明したインナーローターと同じであり、アウターローター1030は第2の実施形態で説明したアウターローターと同じである。
図9をも参照して、環状に組合された複数のコイル1010を固定子部材1005に設置してなるステーター1000の内周側にインナーローター1020が回転可能に設置され、ステーター1000の外周側にはアウターローター1030が回転可能に設置されている。それゆえ、インナーローター1020には、図5で説明したローターコア200、磁石300、爪410を持つ磁石押さえ部400と同じインナーローターコア1021、インナー磁石1022、爪1024を持つインナー磁石押さえ部1023、ネジ1025が適用される。同じ理由により、アウターローター1030には、図7で説明したローターコア600、磁石700、爪810を持つ磁石押さえ部800と同じアウターローターコア1031、アウター磁石1032、爪1034を持つアウター磁石押さえ部1033、ネジ1035が適用される。
また、インナーローター1020の組立作業は第1の実施形態(図4、図5)で説明したインナーローターの組立作業と同じであり、アウターローター1030の組立作業は第2の実施形態(図6、図7)で説明したアウターローターの組立作業と同じである。
従って、インナーローター1020側は第1の実施形態で説明したのと同じ効果を奏し、アウターローター1030側は第2の実施形態で説明したのと同じ効果を奏する。
以上、本発明を、ハルバッハ配列磁石を持つ回転モーター用ローターに適用した第1~第3の実施形態について説明したが、ハルバッハ配列磁石を持つ発電機用ローターとしても適用可能であることは言うまでもない。本発明はまた、ハルバッハ配列磁石を持つ回転機器用ローターだけでなく、ハルバッハ配列磁石ではない、通常の配列磁石を持つ通常の回転機器用ローターにも適用可能である。つまり、インナーローターの場合には、図1で説明したようなインナーローター110に図5の構造が適用され、アウターローターの場合には図7の構造が適用される。
本発明は、モーター及び発電機等の回転機器用ローター全般において有用に利用することができる。
100、1000 ステーター
101 ステーターコア
102 ティース
103、1010 コイル
110、1020 インナーローター
111、120、120A、200、600、1021、1031 ローターコア
112、300、700、1022、1032 磁石
130、130A 磁石ユニット
400、800、1023、1033 磁石押さえ部
410、810、1024、1034 爪
500、900、1025、1035 ネジ
1005 固定子部材
1030 アウターローター

Claims (7)

  1. 回転機器のローターコアの外周側に、軸心方向に関して前記ローターコアと同じ長さを持つ複数の磁石を環状に並べて接着してなる磁石ユニットを有する回転機器用インナーローターにおいて、
    前記ローターコアは密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をしており、
    前記複数の磁石はそれぞれ、前記ローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁が面取りされており、
    前記ローターコアの軸心方向の端面及び前記複数の磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数の磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記ローターコアから離れる半径方向外側への各磁石のずれを掛止する爪を全周にわたって持つ環状の2枚の磁石押さえ部を前記軸心方向の両端に備え、
    前記2枚の磁石押さえ部を、前記ローターコアの軸心方向の端面に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定したことを特徴とする回転機器用インナーローター。
  2. 前記磁石ユニットは、ハルバッハ配列磁石から成ることを特徴とする請求項1に記載の回転機器用インナーローター。
  3. 前記ローターコアは、アルミニウム、アルミニウム合金、合成樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)、およびチタンから選択された前記非磁性体材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機器用インナーローター。
  4. 回転機器のローターコアとして密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をした前記ローターコアとその軸心方向に関して同じ長さを持つ複数の磁石を用意し、
    前記複数の磁石をそれぞれ、前記ローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りし、
    前記ローターコアの外周側に、前記複数の磁石を接着して環状の磁石ユニットを形成し、
    前記ローターコアの軸心方向の端面及び前記複数の磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数の磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記ローターコアから離れる半径方向外側への各磁石のずれを掛止する爪を全周にわたって持つ環状の2枚の磁石押さえ部を、前記ローターコアの軸心方向の端面に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定することにより、前記ローターコアから半径方向外側への前記複数の磁石の剥がれを防止することを特徴とする回転機器用インナーローターの製造方法。
  5. 複数のコイルを環状に組合せてなるステーターを間にして該ステーターの内周側にはインナーローターコアの外周側に、軸心方向に関して前記インナーローターコアと同じ長さを持つ複数のインナー磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着してなるインナーローターを配置し、前記ステーターの外周側にはアウターローターコアの内周側に、軸心方向に関して前記アウターローターコアと同じ長さを持つ複数のアウター磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着してなるアウターローターを配置したダブルハルバッハ配列磁石を備えた回転機器用ローターにおいて、
    前記インナーローターコア、前記アウターローターコアはそれぞれ、密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をしており、
    前記複数のインナー磁石はそれぞれ、前記インナーローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁が面取りされており、
    前記インナーローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のインナー磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のインナー磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記インナーローターコアから離れる半径方向外側への各インナー磁石のずれを掛止する第1の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のインナー磁石押さえ部を前記インナーローターコアの軸心方向の両端に備え、
    前記2枚のインナー磁石押さえ部を、前記インナーローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定し、
    前記複数のアウター磁石はそれぞれ、前記アウターローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁が面取りされており、
    前記アウターローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のアウター磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のアウター磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記アウターローターコアから離れる半径方向内側への各アウター磁石のずれを掛止する第2の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のアウター磁石押さえ部を前記アウターローターコアの軸心方向の両端に備え、
    前記2枚のアウター磁石押さえ部を、前記アウターローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定したことを特徴とする回転機器用ローター。
  6. 前記インナーローターコア、前記アウターローターコアはそれぞれ、アルミニウム、アルミニウム合金、合成樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)、およびチタンから選択された前記非磁性体材料からなることを特徴とする請求項5に記載の回転機器用ローター。
  7. 複数のコイルを環状に組合せてなるステーターを間にして該ステーターの内周側にはインナーローターを、外周側にはアウターローターをそれぞれ配置した回転機器用ローターの製造方法において、
    インナーローターコアとして密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をした前記インナーローターコアの外周側に、軸心方向に関して前記インナーローターコアと同じ長さを持つ複数のインナー磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着して前記インナーローターを形成する工程と、
    アウターローターコアとして密度が1.5~5.0g/cmの非磁性体材料からなって非積層で円筒状をした前記アウターローターコアの内周側に、軸心方向に関して前記アウターローターコアと同じ長さを持つ複数のアウター磁石を環状のハルバッハ配列磁石を構成するように並べて接着して前記アウターローターを形成する工程と、を含み、
    前記インナーローターを形成する工程は、
    前記複数のインナー磁石をそれぞれ、前記インナーローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りする工程と、
    前記インナーローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のインナー磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のインナー磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記インナーローターコアから離れる半径方向外側への各インナー磁石のずれを掛止する第1の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のインナー磁石押さえ部を、前記インナーローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定する工程と、を含み、
    前記アウターローターを形成する工程は、
    前記複数のアウター磁石をそれぞれ、前記アウターローターコアと接する面とは反対側の面であって前記軸心方向の両端縁を面取りする工程と、
    前記アウターローターコアの軸心方向の端面及び前記複数のアウター磁石それぞれの前記軸心方向の端面に接する面を有すると共に、前記複数のアウター磁石それぞれの面取りされた部分の少なくとも一部と接して前記アウターローターコアから離れる半径方向内側への各アウター磁石のずれを掛止する第2の爪を全周にわたって持つ環状の2枚のアウター磁石押さえ部を、前記アウターローターコアの軸心方向の両端に、周方向に間隔をおいた複数箇所でネジで固定する工程と、を含むことを特徴とする、ダブルハルバッハ配列磁石を備えた回転機器用ローターの製造方法。
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