JPH1189141A - 永久磁石回転子及びその製造方法 - Google Patents

永久磁石回転子及びその製造方法

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JPH1189141A
JPH1189141A JP9243839A JP24383997A JPH1189141A JP H1189141 A JPH1189141 A JP H1189141A JP 9243839 A JP9243839 A JP 9243839A JP 24383997 A JP24383997 A JP 24383997A JP H1189141 A JPH1189141 A JP H1189141A
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yoke
fixed
piece
groove
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JP9243839A
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Inventor
Yusuke Soma
雄介 相馬
Hisashi Otsuka
久 大塚
Yuji Nakahara
裕治 中原
Yoshio Kasuga
芳夫 春日
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石片がヨークから剥離しにくい永久磁
石回転子を得ること。 【解決手段】 ヨーク2の外周面に固定された複数個の
永久磁石片1と、ヨーク2の中央部に固定された軸5と
を備えた永久磁石回転子において、ヨーク2の外周面に
は、永久磁石片1の中央部を固定する位置に、軸5の方
向に延びる溝103を上記永久磁石片1に対応して一つ
設け、ヨーク2の溝103に充填すると共に、永久磁石
片1を固定した接着剤105とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、永久磁石片をヨ
ークに固定した永久磁石回転子及びその製造方法の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石回転子は、永久磁石をヨークに
固定して形成されており、永久磁石をヨークに固定する
手段としては、第1に、永久磁石とヨークとの間に接着
剤を介在させて固定したり、第2に、回転子全体を樹脂
により被覆してモールドしたり、第3に、固定強度を増
すために回転子を固定部材で締め付けたりしている。
【0003】従来の第1の固定手段を実開昭57−63
78号公報に開示された図12によれば、ヨーク2の中
央に固定された軸5が設けられており、ヨーク2には、
複数のスリット状の溝3を設け、この溝3に接着剤5を
充填して永久磁石片1とヨーク2とを固定している。
【0004】従来の第2の固定手段を特開昭60−10
2854号公報に開示された図13によれば、永久磁石
片1を接着剤で、スロット13を有するヨーク2に固定
し、この上から樹脂18により被覆している。
【0005】従来の第3の固定手段を特開平8−223
834号公報に開示された図14によれば、回転子は積
層したヨーク2を、両端面に配置した端板12に突設し
た係合部の相互を噛合してこの間に永久磁片1を介在固
定され、ボルト9を挿通固定して形成している。
【0006】そして、上記のように形成された永久磁石
回転子の磁石の表面を仕上げ加工することが行われてい
る。この磁石の研磨手段を特開平1−186145号公
報に開示された図15によれば、回転子はヨーク2に軸
5が固定され、ヨーク2の表面に鍛造により形成された
円筒状の磁石11が固定されている。この円筒状の磁石
11を研磨加工し、磁石11の表面を非磁性物で皮膜2
8して磁石11の破片が飛び散ることを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の固定手段では、複数の溝3が設けられているために
永久磁石片1間の磁束の流れを阻害し、永久磁石片1の
端部の熱応力集中により各永久磁石片1がヨーク2から
剥離し易いという問題点があった。
【0008】また、上記第2の固定手段では、スロット
13に樹脂18が流れ込むので、各磁石片1の磁束の流
れを阻害するという問題点があった。
【0009】また、上記第3の固定手段では、端板12
をボルト9で締めて永久磁石片1を固定しなければなら
ず構造が複雑であるという問題点があった。
【0010】また、磁石を研磨する手段では、円筒状の
磁石11を対象にしているので、複数の磁石片で構成さ
れる板状の焼結磁石を切削加工するには、不適切である
という問題点があった。
【0011】また、ヨークと軸とをレーザによって溶接
固定して回転子を形成することが考えられる。しかし、
溶接熱による永久磁石の減磁が生じるというという問題
点があった。
【0012】この発明は、上記の課題を解決するために
なされたもので、各永久磁石片がヨークから剥離しにく
く、永久磁石片の磁束の流れを阻害しにくく、構造が簡
易で、レーザ溶接によって減磁が生じにくい永久磁石回
転子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る永久磁石
回転子は、ヨーク外周面に固定された複数個の永久磁石
片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備えた永
久磁石回転子において、上記ヨークの外周面には、上記
永久磁石片の中央部を固定する位置に、上記軸の方向に
延びる溝を上記永久磁石片に対応して一つ設け、上記ヨ
ークの溝に充填すると共に、上記永久磁石片を固定した
接着剤とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】請求項2に係る永久磁石回転子の製造方法
は、ヨーク外周面に固定された複数個の永久磁石片と、
上記ヨークの中央部に固定された軸とを備えた永久磁石
回転子の製造方法において、上記ヨーク外周面の円周方
向に溝を設ける工程と、上記ヨークの溝に接着剤を充填
する工程と、上記充填された接着剤に上記永久磁石片を
固定する工程を順に実行することを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項3に係る永久磁石回転子は、ヨーク
外周面に固定された複数個の永久磁石片と、上記ヨーク
の中央部に固定された軸とを備えた永久磁石回転子にお
いて、上記ヨークの外周面には、上記永久磁石片間の軸
方向の各隙間に、入り口よりも奥の方が広い先太状の溝
を設け、各永久磁石片及び上記ヨークを成形した樹脂と
を備えたことを特徴とするものである。
【0016】請求項4に係る永久磁石回転子は、ヨーク
外周面に固定された複数個の永久磁石片と、上記ヨーク
の中央部に固定された軸とを備えた永久磁石回転子にお
いて、上記ヨーク外周面の円周方向に入り口よりも奥の
方が広い先太状の溝を設け、上記永久磁石片及び上記ヨ
ークを成形した樹脂とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0017】請求項5に係る永久磁石回転子は、ヨーク
外周面に固定された複数個の永久磁石片と、上記ヨーク
の中央部に固定された軸とを備えた永久磁石回転子にお
いて、上記ヨークの両側面のそれぞれに当接する板状部
を有する第1及び第2の部材と、上記第1及び第2の部
材には、上記板状部から上記各永久磁石片の間の隙間に
係合させる複数の突起片と、上記永久磁石片の端部を押
さえる複数の押え片とを備え、上記第1及び第2の部材
の板状部を上記ヨークの側面に固定すると共に、上記第
1の部材の押え片と上記第2の部材の押え片とを溶接に
より固定したことを特徴とするものである。
【0018】請求項6に係る永久磁石回転子の製造方法
は、ヨーク外周面に固定された複数個の永久磁石片と、
上記ヨークの中央部に固定された軸とを備えた永久磁石
回転子の製造方法において、上記永久磁石片を最終加工
後の形状とほぼ一致するように焼結し、上記永久磁石片
を上記ヨーク外周面に固定し、上記永久磁石片の表面形
状と摺嵌する研削部を有する研削手段により上記永久磁
石片を、上記軸方向に研磨することを特徴とするもので
ある。
【0019】請求項7に係る永久磁石回転子は、ヨーク
の孔に軸を挿入してレーザ照射により溶接固定する永久
磁石回転子において、上記ヨークには、上記孔の周囲に
上記レーザを照射する突起を設けたことを特徴とするも
のである。
【0020】請求項8に係る永久磁石回転子は、ヨーク
には、孔の周囲に溝を設け、この溝内に突起を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明の一実施の形態を図1及び図2
によって説明する。図1はこの発明の一実施の形態によ
るヨークに軸方向の溝を設けた永久磁石回転子の斜視
図、図2は図1の側面図である。図1及び図2におい
て、永久磁石回転子は、溝103を有する円筒状のヨー
ク2と、この溝103に接着剤105を充填されて固定
した永久磁石片1と、ヨーク2に係合された軸5とから
成っている。
【0022】溝103は、ヨーク2の外周面に軸方向に
延びて、各永久磁石片1一つに対して一つで、この磁石
片1の中央部に設けており、溝103の形状は、例え
ば、径方向の深さが0.1〜0.2mm、円周方向の幅
が永久磁石片1の円周方向長さの1/2〜1/5であ
り、この溝103により永久磁石回転子の磁気および電
気特性に悪影響を及ぼしにくくしている。
【0023】接着剤105は溝103内から僅かに溢れ
るように充填され、各永久磁石片1をヨーク2に接着固
定されている。ここで、接着剤105の量を上記のよう
にするのは、永久磁石片1とヨーク2の外周面との接着
面積を極力抑え、直接、永久磁石片1とヨーク2との外
周面とを接触させて磁束の流れを円滑にするためであ
る。
【0024】上記のように構成された永久磁石回転子の
製造方法を図1から図2によって説明する。まず、ヨー
ク2の外周面に軸方向に延びる溝103を永久磁石片1
の数だけ切削し、この溝103に接着剤105を溝10
3内から僅かに溢れるように充填し、永久磁石片1をヨ
ーク2の外周面に固定する。
【0025】なお、永久磁石側に接着剤105を付けた
後に、接着剤105と溝103を合致してヨーク2に接
着しても良い。また、溝103はヨーク2の軸方向の一
部に切削しても良いし、図3に示すように上記と同様な
形状の溝203をヨーク2の円周方向に設けても良い。
【0026】この実施の形態によれば、永久磁石回転子
の運転時に発生する温度上昇によりヨーク2と永久磁石
片1との間に熱膨張差が生じ、永久磁石片1とヨーク2
との歪み量は端部で最も大きくなる。従って、永久磁石
片1に対応してヨーク2の中央部軸方向に一つの溝10
3を設けているので、永久磁石片1とヨーク2との熱歪
み量が小さくなり、ヨーク2から永久磁石片1の剥離を
防止できる。
【0027】さらに、接着剤105を溝103内から僅
かに溢れるように充填しているので、永久磁石片1とヨ
ーク2との接着部分を除き、接着剤105を介すること
なく直接ヨーク2と永久磁石片1とが接触できて永久磁
石片1の磁束が円滑に流れ、しかも、接着剤105の量
によって永久磁石回転子の外径が変化しないので、固定
子とのエアギャップ量にバラツキが生じにくい。
【0028】実施の形態2.この発明の他の実施の形態
を図4から図6によって説明する。図4はこの発明の他
の実施の形態による永久磁石間に軸方向の溝を設けた永
久磁石回転子の斜視図、図5は図4の回転子を樹脂モー
ルドした斜視図、図6は図5の断面図である。図4から
図6において、永久磁石回転子は、各永久磁石片1の間
に設けられた先太状の溝303を有する円筒状のヨーク
2と、ヨーク2に僅かな接着剤305で固定された永久
磁石片1と、ヨーク2に係合された軸5と、永久磁石片
1の表面をモールドした樹脂118とから成っている。
【0029】溝303の形状は、入り口よりも奥の方が
広く形成されている先太状の溝で、例えば、逆楔状に形
成されており、深さが2mm、幅が2〜3mmである。
【0030】上記の永久磁石回転子の製造方法を図4か
ら図6によって説明する。まず、ヨーク2の外周面の軸
方向に先太状の溝303を、各永久磁石片1の間に設
け、この溝303を挟んで、永久磁石片1を僅かな接着
剤305により仮固定し、この上から樹脂118を流し
込み一体成形する。なお、溝303の方向は図3に示す
ように円周方向でも良い。
【0031】上記実施の形態によれば、先太状の溝30
3に樹脂118が流し込まれているので、永久磁石回転
子が回転して遠心力が加わっても、樹脂118が剥離し
にくい。また、軸5がヨーク2に挿入されていない状態
で、樹脂成形ができるので、金型キャビティの大きさを
最少にすることができ、金型の共有化が図れる。
【0032】実施の形態3.この発明の他の実施の形態
を図7及び図8によって説明する。図7はこの発明の他
の実施の形態による保持部材を係合させた永久磁石回転
子の斜視図、図8は図7の分解斜視図である。図7及び
図8において、永久磁石回転子は、ヨーク2に配置され
た複数の永久磁石片1と、この永久磁石片1を固定させ
る保持部材100とから成り、保持部材100は例えば
ステンレス鋼又はバネ鋼で、円盤状の板状部100a
と、この板状部100aの中央に設けられた軸が貫通す
る孔100bと、板状部100aから垂直に突設して設
けられ、永久磁石片1の間の隙間に係合する複数の突起
片100cと、各永久磁石片1を押さえる押え片100
dとから成っている。
【0033】上記のように構成された永久磁石回転子の
製造方法を図7及び図8によって説明する。各永久磁石
片1をヨーク2の外周面の所定位置に配置した後、ヨー
ク2の軸方向両端から二つの保持用部材100の板状部
100aをヨーク2の側面に当接し、ヨーク2の側面と
保持用部材100の板状部100aとを溶接で固定し、
各永久磁石片1の隙間に突起片100cを係合し、各永
久磁石片1の表面の両端部を二つの押え片100dによ
り押さえ、各押え片100dの先端部を溶接し、ヨーク
2に軸5を係合して永久磁石回転子が完成する。
【0034】この永久磁石回転子は、各永久磁石片1の
間の円周方向の隙間に嵌合する保持用部材100の突起
片100cは、永久磁石片1の円周方向の動きを抑制す
るとともに、保持用部材100の円周方向の位置決めを
兼ねている。また、各永久磁石片1を径方向へ押さえ付
ける押え片100dは、永久磁石片1の軸方向の動きを
抑制している。
【0035】上記の実施の形態によれば、保持用部材1
00は永久磁石片1を所定の位置に固定し、永久磁石片
1の形状が断面円弧状の場合には、永久磁石回転子の最
外径からはみ出さすことなく、保持用部材100を固定
することができる。さらに、保持用部材100のみで永
久磁石片1を固定できるので、永久磁石回転子の外周面
を覆う補強材を不要にできる。
【0036】実施の形態4.この発明の他の実施の形態
を図9によって説明する。図9はこの発明の他の実施の
形態による永久磁石片の研磨を示す斜視図である。図9
において、永久磁石回転子は、円筒状のヨーク2と、ヨ
ーク2に固定された永久磁石片101と、ヨーク2に係
合された軸5とから成っており、永久磁石片101は材
料が焼結合金で、表面の形状が円弧又は弓形状である。
【0037】上記のように構成された永久磁石回転子の
製造方法を図9によって説明する。まず、永久磁石片1
01を最終加工後の形状とほぼ一致するように焼結し、
この永久磁石片101を接着剤305により固定し、各
永久磁石片101の外周面を、永久磁石片101の表面
形状と摺嵌する凹部313aを有する研削用の砥石31
3により、永久磁石片101を軸方向に研削加工し、各
永久磁石片101の外周面を熱硬化性樹脂で被覆する。
【0038】この実施の形態によれば、永久磁石片10
1の表面形状が加工終了後の形状に近く形成されている
ので、研削用の砥石313による加工代が少なく、しか
も、永久磁石片101を軸方向に研削加工をするので、
永久磁石片101の欠損を抑制することができる。
【0039】実施の形態5.この発明の他の実施の形態
を図10及び図11によって説明する。図10はこの発
明の他の実施の形態による軸とヨークとをレーザ光で固
定させる工程を示す斜視図、図11は図10のレーザ溶
接前のヨークの断面図である。図10及び図11におい
て、永久磁石回転子のヨーク102には、中央に孔10
2aを設け、この孔102aの周囲にレーザ照射が容易
なように凹部102bを設け、この凹部102bの内側
端に突起102cを有している。
【0040】ヨーク102の突起102cの形状は、小
さすぎると軸5を固定する強度が不足し、大きすぎると
レーザにより生じた熱が逃げ易く、溶け込み量が不足す
るので、この点を考慮して決められ、突起102cが凹
部102bの内部にあるのは、溶接の肉盛り部がヨーク
102の側面から出ないためのもので、特に、ヨーク1
02が複数個並行する場合、ヨーク102の間に溶接肉
盛り部により隙間が生じない。
【0041】上記のように構成された永久磁石回転子の
製造方法を図7及び図8によって説明する。まず、ヨー
ク102の孔102aを、軸5の外径と同等あるいは僅
かな隙間を有するように形成し、ヨーク102の孔10
2aに軸5を挿入後、所定位置にて、突起102cにレ
ーザ照射装置200からレーザ光を照射して溶接して軸
5を固定する。
【0042】この実施の形態によれば、ヨーク102に
設けた凹部102bにより容易に突起102cにレーザ
を照射でき、しかも、適切な突起102cにより溶接強
度が確保でき、ヨーク102全体に熱が加わりにくいの
で、永久磁石片1の減磁を生じにくくなる。更に、僅か
に突起102cの先端がヨーク102の側面よりも奥に
あるので、溶接により突起102cを溶融して固化した
溶融物がヨーク102の側面よりも突出しないので、特
に、ヨーク102を複数個軸5に固定する場合、ヨーク
102の側面同士を当接させることができるので、各ヨ
ーク102間に隙間が生じにくく、効率の良い永久磁石
回転子を得る。
【0043】
【発明の効果】請求項1の永久磁石回転子によれば、ヨ
ークの外周面には、永久磁石片の中央部を固定する位置
に、軸の方向に延びる溝を永久磁石片に対応して一つ設
け、上記ヨークの溝に充填すると共に、上記永久磁石片
を固定した接着剤とを備えたので、各永久磁石片に単一
の溝が設けたから、各永久磁石片間の磁束の流れを阻害
しにくく、永久磁石片の端部の熱応力集中により各永久
磁石片がヨークから剥離しにくいという効果がある。
【0044】請求項2の永久磁石回転子の製造方法によ
れば、ヨーク外周面の円周方向に溝を設ける工程と、ヨ
ークの溝に接着剤を充填する工程と、上記充填された接
着剤に上記永久磁石片を固定する工程を順に実行したの
で、必要な接着剤を抑制しつつ、簡易に永久磁石回転子
を製造できるという効果がある。
【0045】請求項3の永久磁石回転子によれば、永久
磁石間の隙間に溝が設けられているので、磁束の流れを
害しにくく、この溝が先太状であるので、永久磁石回転
子の回転により大きな遠心力が発生しても、ヨークから
樹脂が剥離しにくいという効果がある。
【0046】請求項4の永久磁石回転子によれば、ヨー
クの外周面には、永久磁石片間の軸方向の各隙間に、入
り口よりも奥の方が広い先太状の溝を設け、各永久磁石
片及び上記ヨークを成形した樹脂とを備えたので、永久
磁石回転子の回転により大きな遠心力が発生しても、ヨ
ークから樹脂が剥離しにくいという効果がある。
【0047】請求項5の永久磁石回転子によれば、ヨー
クの両側面のそれぞれに当接する板状部を有する第1及
び第2の部材と、第1及び第2の部材には、板状部から
各永久磁石片の間の隙間に係合させる複数の突起片と、
永久磁石片の端部を押さえる複数の押え片とを備え、第
1及び第2の部材の板状部をヨークの側面に固定すると
共に、第1の部材の押え片と上記第2の部材の押え片と
を溶接により固定したから、ヨークに永久磁石片をボル
ト締め等しなくても、固定強度を増すことができるの
で、永久磁石回転子の構造が簡易で、製作が容易である
という効果がある。
【0048】請求項6の永久磁石回転子の製造方法によ
れば、永久磁石片を最終加工後の形状とほぼ一致するよ
うに焼結し、永久磁石片を上記ヨーク外周面に固定し、
永久磁石片の表面形状と摺嵌する研削部を有する研削手
段により永久磁石片を、軸方向に研磨したので、永久磁
石片の形状が最終形状に近い形状で、この形状に係合す
る切削部を有する研削手段で研磨するので、永久磁石の
表面の加工量が少なくて良く、しかも、軸方向に研削加
工をするので、永久磁石片の欠損を抑制することができ
るという効果がある。
【0049】請求項7の永久磁石回転子によれば、ヨー
クには、孔の周囲にレーザを照射する突起を設けたか
ら、溶接強度が確保でき、ヨーク全体に熱が加わりにく
いので、永久磁石の減磁を生じにくくなるという効果が
ある。
【0050】請求項8の永久磁石回転子によれば、請求
項7の効果に加え、ヨークには、孔の周囲に溝を設け、
この溝内に上記突起を設けたので、ヨークの側面から溶
接後の溶融して固化した溶融物が突出しにくいという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態によるヨークに軸方
向の溝を設けた永久磁石回転子の斜視図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 この発明の他の実施の形態によるヨークに円
周方向の溝を設けた永久磁石回転子の斜視図である。
【図4】 この発明の他の実施の形態による永久磁石間
に軸方向の溝を設けた永久磁石回転子の斜視図である。
【図5】 図4の回転子を樹脂モールドした斜視図であ
る。
【図6】 図5の断面図である。
【図7】 この発明の他の実施の形態による保持部材を
係合させた永久磁石回転子の斜視図である。
【図8】 図7の分解斜視図である。
【図9】 この発明の他の実施の形態による永久磁石片
の研磨を示す斜視図である。
【図10】 この発明の他の実施の形態による軸とヨー
クとをレーザ光で固定させる工程を示す斜視図である。
【図11】 図10のレーザ溶接前のヨークの断面図で
ある。
【図12】 従来の永久磁石回転子の断面図である。
【図13】 従来の永久磁石回転子を樹脂モールドした
断面図である。
【図14】 従来の端板により固定した永久磁石回転子
の斜視図である。
【図15】 従来の永久磁石の研磨を示す永久磁石回転
子の断面図である。
【符号の説明】
1 永久磁石片、5 軸、100 保持部材(第1の部
材,第2の部材)、100a 板状部、100c 突起
片、100d 押え片、102 ヨーク、102a ヨ
ークの孔、102b ヨークの溝、102c ヨークの
突起、103軸方向の溝、105 接着剤、118 樹
脂、203 円周方向の溝、突起片303 先太状の
溝、313 研削用砥石(研削手段)、313a 研削
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春日 芳夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨーク外周面に固定された複数個の永久
    磁石片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備え
    た永久磁石回転子において、 上記ヨークの外周面には、上記永久磁石片の中央部を固
    定する位置に、上記軸の方向に延びる溝を上記永久磁石
    片に対応して一つ設け、 上記ヨークの溝に充填すると共に、上記永久磁石片を固
    定した接着剤とを備えたことを特徴とする永久磁石回転
    子。
  2. 【請求項2】 ヨーク外周面に固定された複数個の永久
    磁石片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備え
    た永久磁石回転子の製造方法において、 上記ヨーク外周面の円周方向に溝を設ける工程と、 上記ヨークの溝に接着剤を充填する工程と、 上記充填された接着剤に上記永久磁石片を固定する工程
    を順に実行することを特徴とする永久磁石回転子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ヨーク外周面に固定された複数個の永久
    磁石片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備え
    た永久磁石回転子において、 上記ヨークの外周面には、上記永久磁石片間の軸方向の
    各隙間に、入り口よりも奥の方が広い先太状の溝を設
    け、 各永久磁石片及び上記ヨークを成形した樹脂とを備えた
    ことを特徴とする永久磁石回転子。
  4. 【請求項4】 ヨーク外周面に固定された複数個の永久
    磁石片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備え
    た永久磁石回転子において、 上記ヨーク外周面の円周方向に入り口よりも奥の方が広
    い先太状の溝を設け、 上記永久磁石片及び上記ヨークを成形した樹脂とを備え
    たことを特徴とする永久磁石回転子。
  5. 【請求項5】 ヨーク外周面に固定された複数個の永久
    磁石片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備え
    た永久磁石回転子において、 上記ヨークの両側面のそれぞれに当接する板状部を有す
    る第1及び第2の部材と、 上記第1及び第2の部材には、上記板状部から上記各永
    久磁石片の間の隙間に係合させる複数の突起片と、上記
    永久磁石片の端部を押さえる複数の押え片とを備え、 上記第1及び第2の部材の板状部を上記ヨークの側面に
    固定すると共に、上記第1の部材の押え片と上記第2の
    部材の押え片とを溶接により固定したことを特徴とする
    永久磁石回転子。
  6. 【請求項6】 ヨーク外周面に固定された複数個の永久
    磁石片と、上記ヨークの中央部に固定された軸とを備え
    た永久磁石回転子の製造方法において、 上記永久磁石片を最終加工後の形状とほぼ一致するよう
    に焼結し、 上記永久磁石片を上記ヨーク外周面に固定し、 上記永久磁石片の表面形状と摺嵌する研削部を有する研
    削手段により上記永久磁石片を、上記軸方向に研磨する
    ことを特徴とする永久磁石回転子の製造方法。
  7. 【請求項7】 ヨークの孔に軸を挿入してレーザ照射に
    より溶接固定する永久磁石回転子において、 上記ヨークには、上記孔の周囲に上記レーザを照射する
    突起を設けたことを特徴とする永久磁石回転子。
  8. 【請求項8】 上記ヨークには、上記孔の周囲に溝を設
    け、 この溝内に上記突起を設けたことを特徴とする請求項7
    に記載の永久磁石回転子。
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