JPH08277905A - トルクコンバータ - Google Patents

トルクコンバータ

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JPH08277905A
JPH08277905A JP7082192A JP8219295A JPH08277905A JP H08277905 A JPH08277905 A JP H08277905A JP 7082192 A JP7082192 A JP 7082192A JP 8219295 A JP8219295 A JP 8219295A JP H08277905 A JPH08277905 A JP H08277905A
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turbine
front cover
torque converter
outer peripheral
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Yoshihiro Matsuoka
佳宏 松岡
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    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
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    • F16H61/143Control of torque converter lock-up clutches using electric control means
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    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0278Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch comprising only two co-acting friction surfaces

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の摩擦面を有するロックアップクラッチ
を有するトルクコンバータにおいて、動力伝達系の出力
側機構の入力側機構に対する慣性モーメント比を充分に
大きくする。 【構成】 ロックアップクラッチ20において、コイル
スプリング25はイナーシャプレート22とフロントカ
バー2とを円周方向に連結する。ピストンプレート23
はイナーシャプレート22のタービン側に配置され、タ
ービン4に係合している。出力側プレート21はイナー
シャプレート22のフロントカバー側に配置され、ター
ビン4に固定されている。油圧制御装置は、トルクコン
バータ1の作動油室内を油圧制御することで、出力側プ
レート21とイナーシャプレート22とピストンプレー
ト23とを摩擦連結及び連結解除させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクコンバータ、特
に、入力側のフロントカバーとタービンとの間に配置さ
れたロックアップクラッチを有するトルクコンバータに
関する。
【0002】
【従来の技術】図6には、従来技術のトルクコンバータ
60の力学モデル図を示す。このトルクコンバータ60
は主にフロントカバー51と3種の羽根車(インペラ5
2,タービン53,ステータ)とからなり、インペラ5
2がフロントカバー51とともに回転すると作動油が流
れてタービン53を回転させる。従来のトルクコンバー
タ60には、フロントカバー51とタービン53とを直
接連結するロックアップクラッチ54が取り付けられて
いる。ロックアップクラッチ54はフロントカバー51
側から、摩擦板部55、ピストン56、コイルスプリン
グ57の順でトルクを伝達するように配置されている。
従来のロックアップクラッチ54は、トルクの伝達容量
を増やすために複数の摩擦部材を用いて複数の摩擦面を
確保している。
【0003】このようなトルクコンバータ60の動作に
ついて説明する。車輌の発進時には入力側部材からトル
クコンバータ60にトルクが入力され、ここでは作動油
の流れによるトルク比増大作用により車輌はスムーズに
発進する。トランスミッションの入力軸の回転数が一定
に達すると、油圧制御によりピストン56がフロントカ
バー51側に移動し、摩擦板部55がフロントカバー5
1とピストン56との間で圧接される。この結果、フロ
ントカバー51からタービン53に直接トルクが伝達さ
れる。ここでは、トルクは機械的に伝達されるために、
車輌は燃費の良い状態で走行する。
【0004】トルクコンバータ60を含む動力伝達系
は、クラッチ連結時にコイルスプリング57を境として
入力側機構と出力側機構に分かれる。図から明らかなよ
うに、このロックアップクラッチ54では、ピストン5
6と摩擦板部55は入力側機構の部材として機能する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前記動力伝達
系においては入力側機構の慣性モーメントが出力側機構
の慣性モーメントより大きくなっている。そのため、共
振周波数が車輌のアイドル回転数(実用回転数)以上に
なり、車輌の一般走行中におけるトラスミッションの歯
打ち音やこもり音等の異音が発生しやすい。その上、ピ
ストン56と摩擦板部55は入力側機構の部材として機
能しているため、入力側機構の出力側機構に対する慣性
モーメント比がさらに大きくなり、異音の問題が悪化す
る。
【0006】本発明の目的は、複数の摩擦面を有するロ
ックアップクラッチにおいて、動力伝達系の出力側機構
の入力側機構に対する慣性モーメント比を充分に大きく
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトルクコン
バータは、入力側フロントカバーと、トルクコンバータ
本体と、ロックアップクラッチとを備えている。トルク
コンバータ本体は、フロントカバーに固定されてフロン
トカバーとともに作動油室を形成するインペラと、作動
油室内でインペラに対向して配置されたタービンとを含
む。ロックアップクラッチは、フロントカバーとタービ
ンとの軸方向間に配置されており、円板状第1プレート
と、弾性部材と、円板状ピストンプレートと、円板状第
2プレートと、油圧制御装置とを備えている。円板状第
1プレートはフロントカバーとタービンとの間に配置さ
れている。弾性部材は第1プレートとフロントカバーと
を円周方向に連結する。円板状ピストンプレートは、第
1プレートのタービン側に配置され、タービンに相対回
転不能にかつ軸方向に移動可能に係合されている。円板
状第2プレートは、第1プレートのフロントカバー側に
配置され、タービンに相対回転不能に連結されている。
油圧制御装置は、トルクコンバータの作動油室内を油圧
制御することで、第1プレートと第2プレートとピスト
ンプレートとを摩擦連結及び連結解除させる。
【0008】第1プレートの外周部両面には円環状摩擦
部材が固定されており、ピストンプレートと第2プレー
トには摩擦部材に軸方向に対向する環状平坦面がそれぞ
れ形成されているのが好ましい。タービンは、タービン
シェルと、タービンシェルに固定された複数のタービン
ブレードと、タービンシェルの内周端に固定されたター
ビンハブとから構成されているのが好ましい。この場
合、第1プレートとピストンプレートの内周部はタービ
ンハブの外周面に相対回転可能にかつ軸方向に移動自在
に支持されている。第1プレートには軸方向に貫通した
孔が形成されている。第2プレートの内周端はタービン
ハブに固定されている。タービンハブには、油圧制御装
置が第1プレートと第2プレートとの間の空間に作動油
を送り込むまたは前記空間から作動油ドレインするため
の通路が形成されている。
【0009】フロントカバーの内周部に固定されたハブ
をさらに備えており、第2プレートの内周部はハブの外
周面に当接しており、第2プレートの内周部とハブの外
周面との間をシールするシール部材をさらに備えてお
り、フロントカバーと第2プレートとの間の空間は外周
側でトルクコンバータ本体と連通しているのが好まし
い。
【0010】第1プレートの外周部に固定された円環状
のウェイト部材をさらに備えているのが好ましい。イン
ペラは、外周端がフロントカバーの内側に固定されてウ
ェイト部材に軸方向に対向するインペラシェルと、イン
ペラシェルに固定された複数のインペラブレードとから
構成されているのが好ましい。この場合、ウェイト部材
はインペラシェルの外周端によってタービン側への移動
を制限される。
【0011】
【作用】本発明の一見地に係るトルクコンバータでは、
油圧制御装置が作動油室内を油圧制御することでロック
アップクラッチが連結解除される。このとき、フロント
カバーのトルクはインペラから作動油を介してタービン
に伝達される。ロックアップクラッチが連結されると、
フロントカバーのトルクは弾性部材を介して第1プレー
トに伝達され、さらに第2プレート及びピストンプレー
トを介してタービンに伝達される。このとき、第1プレ
ートの両面が摩擦面として機能する。また、第1プレー
ト、第2プレート及びピストンプレートは動力伝達系に
おいて出力側機構の部材として機能する。この結果、出
力側機構の入力側機構に対する慣性モーメント比が充分
に大きくなり、トルクコンバータを含む動力伝達系にお
いて共振周波数がエンジンのアイドル回転数以下に下げ
られる。その結果、トランスミッション側で生じるこも
り音や歯打ち音等の異音が生じにくい。
【0012】第1プレートの外周部両面に円環状摩擦部
材が固定されている場合は、クラッチ連結時に第1プレ
ートの両摩擦部材にピストンプレートと第2プレートの
平坦面が圧接される。タービンハブに通路が形成されて
いる場合は、油圧制御装置が通路から第1プレートと第
2プレートとの間の空間に作動油を送り込む。すると、
第1プレートがタービン側に移動して第2プレートから
離れる。続いて、第1プレートの孔を通じて第1プレー
トとピストンプレートとの間の空間に作動油が流れ、ピ
ストンプレートをタービン側に移動させる。このように
して、クラッチが連結解除される。油圧制御装置が通路
から第1プレートと第2プレートとの間の空間の作動油
をドレインすると第1プレートが第2プレート側に移動
し、さらに第1プレートの孔を通じて第1プレートとピ
ストンプレートとの間の空間の作動油がドレインされ
て、ピストンプレートがフロントカバー側に移動する。
この結果、クラッチが連結される。
【0013】第2プレートの内周部とハブの外周面との
間にシール部材が配置されている場合は、第2プレート
とフロントカバーとの間の空間は内周側が第2プレート
と第1プレートとの間の空間からシールされており、外
周側がトルクコンバータ本体と連通している。この結
果、第2プレートとフロントカバーとの間の空間はトル
クコンバータ本体内と同じ高い油圧を維持しており、そ
のため第2プレートはロックアップクラッチ連結時に第
1プレート及びピストンプレートから与えられる荷重に
耐えられる。
【0014】円環状のウェイト部材をさらに備えている
場合は、クラッチ連結時に出力側機構の入力側機構に対
する慣性モーメント比がさらに大きくなる。インペラシ
ェルの外周端がウェイト部材に対して軸方向に対向して
いる場合は、第1プレートがタービン側に移動したと
き、ウェイト部材がインペラシェルの外周端に当接して
移動が制限される。このため、第1プレートが作動油の
流れにもかかわらずピストンプレートに対して接触しな
くなり、クラッチ連結解除時のドラッグトルクが低減す
る。
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例としてのトルクコン
バータ1を示す部分縦断面概略図である。図2は図1の
部分拡大図であり、図3はトルクコンバータ1の力学モ
デル図である。このトルクコンバータ1は、エンジン側
のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッショ
ン(図示せず)のメインドライブシャフト9にトルクを
伝達するための機構である。
【0016】トルクコンバータ1は、3種類の羽根車
(インペラ3,タービン4,ステータ5)からなるトル
クコンバータ本体と、ロックアップクラッチ20とから
主に構成されている。インペラ3は、エンジン側のクラ
ンクシャフト(図示せず)に連結されたフロントカバー
2とともに作動油室を構成している。インペラ3は、イ
ンペラシェル3aと、インペラブレード3bと、インベ
ラハブ3cとを有している。インペラシェル3aの外周
端3dは、フロントカバー2の外周筒状部2aの内側に
配置されて溶接されている。外周端3dは内径が外周筒
状部2aより小さくなっている。インペラブレード3b
はインペラシェル3aの内側に複数固定されている。イ
ンペラハブ3cはインペラシェル3aの内周端に固定さ
れている。
【0017】タービン4は、タービンシェル4aと、タ
ービンブレード4bと、タービンハブ6とから構成され
ている。タービンシェル4aは作動油室内でインペラ3
に対向して配置されている。タービンブレード4bはタ
ービンシェル4aの内側に複数固定されている。タービ
ンシェル4aの内周端はリベット7によりタービンハブ
6に固定されている。タービンハブ6の内周部にはメイ
ンドライブシャフト9に係合するスプライン孔6aが形
成されている。タービンハブ6の外周面6bには、ロッ
クッアップクラッチ20の各プレートが支持されている
(後述)。また、タービンハブ6のエンジン側には、放
射状に延び径方向に連通する複数の切欠き6cが形成さ
れている。
【0018】ステータ5は、インペラ3の内周部とター
ビン4の内周部との間に配置されており、ワンウェイク
ラッチ8を介して図示しない固定シャフトに支持されて
いる。フロントカバー2の内周端にはハブ10が固定さ
れている。ハブ10とタービンハブ6との間にはスラス
トワッシャ12が挟まれている。スラストワッシャ12
には複数の放射状溝12aが形成されている。
【0019】フロントカバー2の外周側で作動油室外側
には、たとえばクランクシャフトに連結されたフレキシ
ブルプレート(図示せず)が連結されるボルト11が固
定されている。ロックアップクラッチ20はフロントカ
バー2とタービン4の軸方向間に配置されている。ロッ
クアップクラッチ20は、出力側プレート21と、イナ
ーシャプレート22と、ピストンプレート23と、リテ
ーニングプレート24と、複数のコイルスプリング25
と、ウェイト26とから構成されている。以後ロックア
ップクラッチ20を構成する各部品を説明するときに、
図1の左側をフロントカバー側とし、右側をタービン側
とする。
【0020】出力側プレート21は肉厚の円板状の部材
であり、フロントカバー2に近接して配置されている。
出力側プレート21の外周部タービン側には平坦な環状
摩擦面21aが形成されている。出力側プレート21の
内周端は前述したリベット7によりタービンハブ6に固
定されている。出力側プレート21の内周端部はフロン
トカバー側に延びる内周筒状部21bとなっており、こ
の内周筒状部21bはハブ10の外周面10aに相対回
転自在に支持されている。ハブ10の外周面10aで内
周筒状部21bが摺動する部分には、この部分を作動油
が流通するのを防止するためにシールリング28が配置
されている。
【0021】イナーシャプレート22は、円板状の部材
であり、出力側プレート21のタービン側に配置されて
いる。イナーシャプレート22の外周部にはフロントカ
バー側に折り曲げられた複数の外周爪部22aが形成さ
れている。また、イナーシャプレート22の外周部には
ウェイト26が固定されている。ウェイト26はイナー
シャプレート22からタービン側に延びる円環筒状の部
材であり、そのタービン側先端はインペラシェル3aの
外周端3dに軸方向に対向している。イナーシャプレー
ト22において、出力側プレート21の摩擦面21aに
対向する部分及びそれと対応するタービン側部分には、
環状の摩擦部材22bが貼り付けられている。イナーシ
ャプレート22の内周端部はフロントカバー側に延びる
内周筒状部22cになっており、タービンハブ6の外周
面6bに相対回転自在にかつ軸方向に移動自在に支持さ
れている。イナーシャプレート22の内周端近傍部分と
摩擦部材22bより外周側の部分には、円周方向に等間
隔で並んだ複数の内周孔22d,外周孔22eがそれぞ
れ形成されている。
【0022】ピストンプレート23は、円板状のプレー
ト部材であり、イナーシャプレート22とタービンシェ
ル4aとの間に配置されている。ピストンプレート23
の外周部には、タービン側に延びる複数の外周爪部23
aが形成されており、この外周爪部23aはタービンシ
ェル4aに固定された係合突起30に対して相対回転不
能にかつ軸方向に移動自在に係合している。なお、ピス
トンプレート23は係合突起30によってタービン側へ
の移動が規制されている。ピストンプレート23におい
て摩擦部材22bに対向する部分には平坦な環状摩擦面
23cが形成されている。出力側プレート21の摩擦面
21a、イナーシャプレート22の摩擦部材22b、及
びピストンプレート23の摩擦面23cによってクラッ
チ部分50(図2参照)が形成されている。また、ピス
トンプレート23の内周端はタービン側に延びる内周筒
状部23bとなっており、この内周筒状部23bはター
ビンハブ6の外周面6bに相対回転可能にかつ軸方向に
移動自在に支持されている。なお、タービンハブ6の外
周面6bにおいて内周筒状部23bが摺動する部分に
は、この部分での作動油の流通を防止するためのOリン
グ29が配置されている。
【0023】リテーニングプレート24は、リング状の
部材であり、フロントカバー2の作動油室内側外周部に
固定されている。リテーニングプレート24は、円周方
向に延びて配置された複数のコイルスプリング25の内
外周を保持する保持爪24aと、コイルスプリング25
の両端を保持する保持爪24bとを有している。コイル
スプリング25の両端には、前述した外周爪部22aが
当接している。
【0024】以上の構成によって、ピストンプレート2
3とイナーシャプレート22との間には空間Iが形成さ
れている。空間Iは摩擦部材22bと摩擦面23cとが
当接した状態で外周側が閉じられる。空間Iの内周側に
おいてタービン側はOリング29によってシールされて
いる。イナーシャプレート22と出力側プレート21と
の間には、空間IIが形成されている。空間IIは、摩擦部
材22bと摩擦面21aとが当接した状態で外周側が閉
じられる。空間IIの内周側は複数の内周孔22dを介し
て空間Iに連通している。さらに、空間IIの内周部は、
タービンハブ6の切欠き6c及びワッシャ12の溝12
aによって第3油路48(後述)に連通している。出力
側プレート21とフロントカバー2との間には空間III
が形成されている。空間III は、外周側がたとえばイナ
ーシャプレート22の外周孔22eを介してトルクコン
バータ本体と連通している。空間III の内周部は、シー
ルリング28によって空間IIとの連通を防止されてい
る。
【0025】図4は、トルクコンバータ1内の油圧を制
御するための油圧制御回路40を示している。作動油は
オイルポンプ41からプレッシャ・レギュレータ42を
介してトルクコンバータ1とロックアップ制御バルブ4
3とロックアップ・ソレノイド44とに供給される。第
1油路46はプレッシャ・レギュレータ42から延びイ
ンペラ3に作動油を供給するための油路である。第2油
路47はタービン4から流れる作動油を排出するための
油路である。第3油路48は、ロックアップ制御バルブ
43から延び、さらにメインドライブシャフト9内を通
ってトルクコンバータ1内の空間IIに連通している。
【0026】次に動作について説明する。クラッチ連結解除 図4に示す状態では、ロックアップ・ソレノイド44が
オフされており、作動油はロックアップ・ソレノイド4
4のバルブからドレインされている。その結果、ロック
アップ制御バルブ43のピストン頭部の油圧がなくな
り、ピストンはスプリングの力で図の右側に押されドレ
インを閉じている。このようにしてロックアップ制御バ
ルブ43は、プレッシャ・レギュレータ42からの作動
油を第3油路48に導く。この結果、トルクコンバータ
1内の空間IIに作動油が流入し、イナーシャプレート2
2がタービン側に移動開始する。イナーシャプレート2
2は、ウェイト26がインペラシェル3aの外周端3d
に当接することで、軸方向への移動が停止する。イナー
シャプレート22の移動が停止すると、次にイナーシャ
プレート22の内周孔22dを通じて空間Iにも作動油
が流れ、これによりピストンプレート23がタービン側
に移動を開始する。ピストンプレート23は、外周部が
係合突起30に当接することで、軸方向への移動が停止
する。このようにイナーシャプレート22とピストンプ
レート23とが移動することでクラッチ部分50の連結
(すなわちロックアップクラッチ20の連結)が解除さ
れる。このとき、イナーシャプレート22は作動油によ
ってタービン側への力を受けるが、ウェイト26がイン
ペラシェル3aの外周端3dに当接することでタービン
側への移動が制限されている。この結果、ピストンプレ
ート23の摩擦面23cとイナーシャプレート22の摩
擦部材22bとの間には所定の隙間が確保される。この
結果、クラッチ連結解除時のドラッグトルクが少なくな
る。
【0027】クラッチ連結 車速が一定に達すると、図示しない車速センサからの信
号によりロックアップ・ソレノイド44がオンされる。
すると、図5に示すように、作動油圧によってロックア
ップ制御バルブ43のピストンが図の左側に押され、そ
のためトルクコンバータ1の空間II内の作動油は第3油
路48を介してさらにロックアップ制御バルブ43を介
してドレインされる。すると、空間II内の作動油圧が空
間I,III より低くなり、その結果イナーシャプレート
22がフロントカバー側に移動する。さらに、内周孔2
2dを通じて空間I内の作動油がドレインされ、ピスト
ンプレート23もフロントカバー側に移動する。この結
果、摩擦面21,23cがそれぞれ摩擦部材22bに圧
接される。すなわち、クラッチ部分50が連結される。
【0028】このロックアップクラッチ連結時に、図3
から明らかなように、クラッチ部分50を構成する部材
(出力側プレート21,イナーシャプレート22,ピス
トンプレート23)が全て出力側機構として機能する。
すなわち、トルクコンバータ1を含む動力伝達系におい
て出力側機構の入力側機構に対する慣性モーメント比が
従来より大きくなる。この結果、共振周波数がエンジン
のアイドル回転数以下に下げられ、トランスミッション
側で生じるこもり音や歯打ち音等の異音が生じにくい。
特に、イナーシャプレート22にはウェイト26が固定
されているため、前記効果がより顕著になる。
【0029】さらに、クラッチ部分50は摩擦面が2面
あるためにトルク伝達容量が大きくなっている。また、
空間III は外周部でトルクコンバータ本体と連通してお
り、さらに内周部がシールリング28により空間IIから
シールされているため、トルクコンバータ本体内と同じ
高い油圧が確保されている。すなわち、出力側プレート
21はイナーシャプレート22及びピストンプレート2
3からフロントカバー側に大きな荷重を受けるが、空間
III の高い油圧により変形しにくくなっている。特に、
出力側プレート21はイナーシャプレート22及びピス
トンプレート23より肉厚に形成されているため、荷重
に耐えられる。 〔他の実施例〕前記実施例ではウェイト26をインペラ
シェル3aの外周端3dに当接させることでイナーシャ
プレート22の移動を制限させたが、ウェイトを用いず
にたとえばイナーシャプレートから延ばした突起をイン
ペラシェルの外周端に当接させても良い。
【0030】内周孔22d,外周孔22eは前記実施例
の数、配置、形状、大きさに限定されない。
【0031】
【発明の効果】本発明の一見地に係るトルクコンバータ
では、ロックアップクラッチが連結されるときに第1プ
レートの両面が摩擦面として機能する。また、第1プレ
ート、第2プレート及びピストンプレートは動力伝達系
において出力側機構の部材として機能する。この結果、
出力側機構の入力側機構に対する慣性モーメント比が充
分に大きくなり、トルクコンバータを含む動力伝達系に
おいて共振周波数がエンジンのアイドル回転数以下に下
げられる。その結果、トランスミッション側で生じるこ
もり音や歯打ち音等の異音が生じにくい。
【0032】第1プレートの外周部両面に円環状摩擦部
材が固定されている場合は、クラッチ連結時に第1プレ
ートの摩擦部材にピストンプレートと第2プレートの平
坦面が圧接される。タービンハブに通路が形成されてい
る場合は、作動油はタービンハブの通路及び第1プレー
トの孔を通って第1プレートとピストンプレートとを移
動させる。
【0033】第2プレートの内周部とハブの外周面との
間にシール部材が配置されている場合は、第2プレート
とフロントカバーとの間の空間はトルクコンバータ本体
内と同じ高い油圧を維持しており、そのため第2プレー
トはロックアップクラッチ連結時に第1プレート及びピ
ストンプレートから与えられる荷重に耐えられる。円環
状のウェイト部材をさらに備えている場合は、クラッチ
連結時に出力側機構の入力側機構に対する慣性モーメン
ト比がさらに大きくなる。
【0034】インペラシェルの外周端がウェイト部材に
対して軸方向に対向している場合は、第1プレートが作
動油の流れにもかかわらずピストンプレートに対して接
触しなくなり、クラッチ連結解除時のドラッグトルクが
低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのトルクコンバータ
の部分縦断面概略図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】トルクコンバータの力学モデル図。
【図4】ロックアップ解除時における油圧回路図。
【図5】ロックアップ作動時における油圧回路図。
【図6】従来例における、図3に相当する図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 フロントカバー 3 インペラ 4 タービン 20 ロックアップクラッチ 21 出力側プレート 22 イナーシャプレート 23 ピストンプレート 24 リテーニングプレート 25 コイルスプリング 26 ウェイト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側フロントカバーと、 前記フロントカバーに固定されて前記フロントカバーと
    ともに作動油室を形成するインペラと、前記作動油室内
    で前記インペラに対向して配置されたタービンとを含む
    トルクコンバータ本体と、 前記フロントカバーと前記タービンとの軸方向間に配置
    されたロックアップクラッチとを備え、 前記ロックアップクラッチは、 前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置された
    円板状第1プレートと、 前記第1プレートと前記フロントカバーとを円周方向に
    連結する弾性部材と、 前記第1プレートの前記タービン側に配置され、前記タ
    ービンに相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合さ
    れた円板状ピストンプレートと、 前記第1プレートの前記フロントカバー側に配置され、
    前記タービンに相対回転不能に連結された円板状第2プ
    レートと、 前記トルクコンバータの作動油室内を油圧制御すること
    で前記第1プレートと第2プレートとピストンプレート
    とを摩擦連結及び連結解除させるための油圧制御装置と
    を有している、トルクコンバータ。
  2. 【請求項2】前記第1プレートの外周部両面には円環状
    摩擦部材が固定されており、 前記ピストンプレートと第2プレートには前記摩擦部材
    に軸方向に対向する環状平坦面がそれぞれ形成されてい
    る、請求項1に記載のトルクコンバータ。
  3. 【請求項3】前記タービンは、タービンシェルと、前記
    タービンシェルに固定された複数のタービンブレード
    と、前記タービンシェルの内周端に固定されたタービン
    ハブとから構成されており、 前記第1プレートとピストンプレートの内周部は前記タ
    ービンハブの外周面に相対回転可能にかつ軸方向に移動
    自在に支持されており、 前記第1プレートには軸方向に貫通した孔が形成されて
    おり、 前記第2プレートの内周端は前記タービンハブに固定さ
    れており、 前記タービンハブには、前記油圧制御装置が前記第1プ
    レートと前記第2プレートとの間の空間に作動油を送り
    込むまたは前記空間から作動油ドレインするための通路
    が形成されている、請求項1または2に記載のトルクコ
    ンバータ。
  4. 【請求項4】前記フロントカバーの内周部に固定された
    ハブをさらに備えており、 前記第2プレートの内周部は前記ハブの外周面に当接し
    ており、前記第2プレートの内周部と前記ハブの外周面
    との間をシールするシール部材をさらに備えており、 前記フロントカバーと前記第2プレートとの間の空間は
    外周側で前記トルクコンバータ本体と連通している、請
    求項1〜3のいずれかに記載のトルクコンバータ。
  5. 【請求項5】前記第1プレートの外周部に固定された円
    環状のウェイト部材をさらに備えている、請求項1〜4
    のいずれかに記載のトルクコンバータ。
  6. 【請求項6】前記インペラは、外周端が前記フロントカ
    バーの内側に固定されて前記ウェイト部材に軸方向に対
    向するインペラシェルと、前記インペラシェルに固定さ
    れた複数のインペラブレードとから構成されており、 前記ウェイト部材は前記インペラシェルの前記外周端に
    よって前記タービン側への移動を制限される、請求項5
    に記載のトルクコンバータのロックアップクラッチ。
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