JP2001311460A - 流体伝動装置のロックアップクラッチ - Google Patents
流体伝動装置のロックアップクラッチInfo
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Abstract
において,摩擦板に加える押圧力をサイドカバーに負担
させることなく,接続を可能にしながら,大なるトルク
容量を確保する。 【解決手段】 サイドカバー5に設けられる環状のクラ
ッチアウタ23と,タービン羽根車3に連結されるクラ
ッチインナ24と,クラッチアウタ23に軸方向移動可
能に連結される駆動摩擦板25と,この駆動摩擦板25
を挟んで互いに近接,離反を可能にしてクラッチインナ
24に連結される第1及び第2被動摩擦板26,26′
と,両被動摩擦板26,26′間に画成される内側室4
5と,第1及び第2被動摩擦板26,26′の各外側面
が臨む外側室46とを備え,外側室46を内側室45よ
り高圧にすると,両被動摩擦板26,26′を駆動摩擦
板25に圧接させることができ,その押圧力はサイドカ
バー5には加わらない。
Description
タービン羽根車間に設けられて両羽根車を相互に直結し
得る,流体伝動装置のロックアップクラッチに関する。
て,特開平7−4497号公報に開示されているよう
に,ポンプ羽根車に連設されてタービン羽根車の背面を
覆うサイドカバーと,タービン羽根車との間に駆動摩擦
板と,それを挟む一対の被動摩擦板とを配設し,これら
摩擦板を油圧により一斉にサイドカバーの内壁に押圧す
ることにより,接続状態とするものが知られている。
アップクラッチでは,複数枚の摩擦板を使用することに
より,大なるトルク容量を得ることができる利点を有す
るものゝ,接続時,全摩擦板に加える押圧力をサイドカ
バーで受けるようになっているため,サイドカバーを,
その板厚を厚くする等して高剛性に構成する必要があ
り,流体伝動装置の軽量化を図る面では不利となる。
ので,摩擦板に加える押圧力をサイドカバーに負担させ
ることなく,接続を可能にしながら,大なるトルク容量
を確保することができ,もってサイドカバー等の薄肉
化,延いては流体伝動装置の軽量化に寄与し得る,流体
伝動装置のロックアップクラッチを提供することを目的
とする。
に,本発明は,ポンプ羽根車及びタービン羽根車間に設
けられて両羽根車を相互に直結し得る,流体伝動装置の
ロックアップクラッチにおいて,ポンプ羽根車に連設さ
れてタービン羽根車の背面を覆うサイドカバーに設けら
れる環状のクラッチアウタと,タービン羽根車に連結さ
れてクラッチアウタの半径方向内方に配置されるクラッ
チインナと,クラッチアウタに軸方向移動可能に結合さ
れる駆動摩擦板と,この駆動摩擦板を挟んで互いに近
接,離反を可能にしてクラッチインナに連結される第1
及び第2被動摩擦板と,これら第1及び第2被動摩擦板
間に画成される内側室と,第1及び第2被動摩擦板の各
外側面が臨むサイドカバー内の外側室とを備え,内側室
を外側室より高圧にして両被動摩擦板を駆動摩擦板から
離反させる非接続状態とし,外側室を内側室より高圧に
して両被動摩擦板を駆動摩擦板に圧接させる接続状態と
するようにしたことを第1の特徴とする。
ラッチの接続状態では,外側室を内側室よりも高圧にす
ることにより,一対の被動摩擦板を駆動摩擦板の両側面
に圧接させるので,大なるトルク容量を得ることができ
る。しかも駆動摩擦板及び被動摩擦板の何れかもサイド
カバーの内壁に直接押圧されることはないから,サイド
カバーを特別,高剛性に構成する必要はなくなり,それ
を極力薄肉に形成して,流体伝動装置の軽量化を図るこ
とができる。
サイドカバーとは別体に構成したクラッチアウタをサイ
ドカバーに固着したことを第2の特徴とする。
のトルク容量を上げるべく,それを厚肉に形成する場合
でも,それをサイドカバーに関係なく行うことができ,
流体伝動装置の重量増を殆ど招かずに済む。
て,クラッチアウタを,周方向に配列する複数のセクタ
部材で構成し,各セクタ部材をサイドカバーに固着した
ことを第3の特徴とする。
アウタを構成する複数のセクタ部材は,これらを鋼板等
の素材から歩留り良く製作することが可能であり,クラ
ッチアウタを安価に得ることができる。
徴の何れかに加えて,クラッチアウタを,軸方向に相対
向する一対の側壁部と,これら側壁部を外周側で相互に
一体に連結する周壁部とで構成し,このクラッチアウタ
に,両側壁部の間隔が狭い幅狭部と,両側壁部の間隔が
広い幅広部とをそれぞれ複数交互に形成し,その幅狭部
内に駆動摩擦板の外周に突設された伝動爪を軸方向移動
可能に配置し,幅広部内にはダンパスプリングを収容し
て,その両端を幅狭部及び伝動爪の端面に弾発係合した
ことを第4の特徴とする。
グの端部を,幅狭部及び幅広部間の段部を利用して安定
良く支持することができると共に,該スプリング及び駆
動摩擦板間での緩衝的なトルク伝達を確実に行うことが
できる。
徴の何れかに加えて,クラッチインナを,タービン羽根
車に分離可能に係合したことを第5の特徴とする。
組立時,タービン羽根車に関係なく,ロックアップクラ
ッチをサイドカバーに組み付けることができ,またター
ビン羽根車はロックアップクラッチの組立後,サイドカ
バー内に収めるだけで,クラッチインナに簡単に連結す
ることができ,組立性が極めて良好となる。
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
えたトルクコンバータの縦断面図で,ロックアップクラ
ッチを非接続状態で示す。図2は図1の2−2線断面
図,図3は図1の3−3線断面図,図4は図2の4−4
線断面図,図5はロックアップクラッチの駆動摩擦板の
側面図,図6はロックアップクラッチのクラッチアウタ
23を構成するセクタ部材の側面図,図7は同セクタ部
材23a,23a…の平面図,図8はロックアップクラ
ッチの接続状態を示す,図1に対応した縦断面図であ
る。
のトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対
置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置
されるステータ羽根車4とを備え,これら羽根車2,
3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循環回
路6が形成される。
外側面を覆うサイドカバー5が溶接により一体的に連設
される。サイドカバー5には,その外側面中心部に支軸
5aが固設され,また外周面に連結リング7が溶接され
ており,その支軸5aは,エンジンのクランク軸1の軸
端中心部の軸孔1aに嵌合され,連結リング7は,クラ
ンク軸1に結合した駆動板8にボルト9で固着される。
1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置され,この出力軸1
0の外周にタービン羽根車3のボス3aがスプライン嵌
合される。出力軸10は図示しない多段変速機の主軸と
なる。
のボス4aをフリーホイール11を介して支承する円筒
状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及び
ステータ軸12間には,それらの相対回転を許容する軸
受ブッシュ13が介裝される。ステータ12の外端部は
ミッションケース14に回転不能に支持される。
のボス4aの内周にスプライン嵌合するアウタレース1
5と,ステータ軸12の外周にスプライン嵌合するイン
ナレース16と,これらレース15,16間に介裝され
る環状配列の複数のスプラグ17とからなる従来公知の
もので,両レース15,16は,ステータ羽根車4のボ
ス4a内周面にスプライン嵌合した一対の側板18,1
8′によって軸方向移動が拘束される。
根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置
され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータ
Tに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動され
るようになっている。
に本発明のロックアップクラッチLが設けられるもの
で,以下,このロックアップクラッチLについて詳細に
説明する。
ッチLは,サイドカバー5の内周壁に近接して,その内
側壁に固着される環状のクラッチアウタ23と,タービ
ン羽根車3のボス3aに隣接して出力軸10の外周面に
相対回転可能に支承されるクラッチインナ24と,クラ
ッチアウタ23に軸方向移動可能に連結される環状の駆
動摩擦板25と,この駆動摩擦板25を挟んで相対向す
るようにクラッチインナ24に支持される一対の第1及
び第2被動摩擦板26,26′とを備える。駆動摩擦板
25の両側面には,被動摩擦板26,26′が圧接可能
な摩擦ライニング32,32が接着されている(図5参
照)。サイドカバー5の内側壁側の第1被動摩擦板26
はクラッチインナ24に溶接等により連結され,タービ
ン羽根車3側の第2被動摩擦板26′は,クラッチイン
ナ24の外周面に軸方向摺動可能に支承される。
5の半径方向内方側で,両被動摩擦板26,26′の対
向面には,互いに軸方向摺動可能に係合する凸部27及
び凹部28がそれぞれ形成され,これらの係合により両
被動摩擦板26,26′は,相互に近接,離反を可能に
しながら一体的に回転し得るようになっている。
インナ24とタービン羽根車3のボス3aとの対向面に
は,互いに係合するドグ爪29及びドグ孔30がそれぞ
れ形成され,これらの係合により両者24,3aの一体
的回転が可能であり,またその係合を解除することによ
り両者24,3aの分離が可能である。クラッチインナ
24は,その一側面が上記ボス3aに当接し,他側面が
スラストベアリング31を介してサイドカバー5の内壁
に当接していて,軸方向の移動が規制される。
て,クラッチアウタ23は,複数のセクタ部材23a,
23a…を環状に配列して構成される(特に,図2及び
図4参照)。各セクタ部材23a,23a…は,一枚の
鋼板をプレス成形してなるもので,軸方向に相対向する
一対の側壁部35,35′と,これら側壁部35,3
5′を外周側で相互に一体に連結する周壁部36とで構
成され,断面U字状をなしている。一方の側壁部35に
は複数の結合孔37が穿設されており,サイドカバー5
の内側壁に突設された複数の結合突起38を上記結合孔
37に嵌合して,かしめることにより,各セクタ部材2
3a,23a…はサイドカバー5に固着される。
35′の間隔が狭く且つ周方向長さが短い幅狭部40,
40…と,両側壁部35,35′の間隔が広く且つ周方
向長さが長い幅広部41,41…とがそれぞれ複数交互
に形成され,その幅狭部40,40…内に駆動摩擦板2
5の外周に突設された複数の伝動爪25a,25a…
(図5参照)が軸方向移動可能に配置される。幅広部4
1,41…内にはコイルスプリングからなるダンパスプ
リング42,42…が収納され,該スプリング42,4
2…の両端は幅狭部40,40…及び伝動爪25a,2
5a…の端面に弾発係合される。こうして駆動摩擦板2
5は,その回転方向においてダンパスプリング42,4
2…を介してクラッチアウタ23に連結される。
切欠き43,43…が設けられており,これらを通して
伝動爪25a,25a…及びダンパスプリング42,4
2…がクラッチアウタ23内に装着される。
ビン羽根車3間のスペースは,駆動摩擦板25及び被動
摩擦板26,26′によって,両被動摩擦板26,2
6′間の内側室45と,両被動摩擦板26,26′の各
外側面が臨む外側室46とに区画され,外側室46は,
ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間に連通し,内側
室45は,クラッチインナ24の半径方向の通孔47を
介して,出力軸10の中心部に形成された第1油路48
に連通する。
間には筒状の第2油路49が画成されており,この第2
油路49は,フリーホイール11のインナレース16内
周面のスプライン溝と,両側板18,18′外側面の放
射状溝50,50′を介してポンプ羽根車2の入口及び
タービン羽根車3の出口に連通する。
との嵌合部には,第1及び第2油路48,49間の短絡
を防ぐシール部材19が介裝される。
アップ制御弁51により,オイルポンプ21の吐出側と
オイル溜め52とに交互に接続されるようになってい
る。
る。
では,図1に示すように,ロックアップ制御弁51によ
り,第1油路48をオイルポンプ21の吐出側に接続す
る一方,第2油路49をオイル溜め52に接続してお
く。そこで,エンジンのクランク軸1の回転トルクが,
駆動板8,サイドカバー5及びポンプ羽根車2を介して
補機駆動軸20に伝達すると,オイルポンプ21が駆動
され,それから吐出された作動オイルが,ロックアップ
制御弁51から第1油路48及び通孔47を経て内側室
45に流入し,次いで駆動摩擦板25と両被動被動板2
6,26′との各間を通って外側室46に移る。その
際,内側室45は外側室46より高圧となるため,その
圧力差により両被動摩擦板26,26′は,駆動摩擦板
25の摩擦ライニング32,32から離れるように開
き,ロックアップクラッチLはオフ状態となり,ポンプ
羽根車2及びタービン羽根車3の相対回転を許容する。
は,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間から循環回
路6に流入して,該回路6を満たした後,フリーホイー
ル11の側板18,18′の放射状溝50,50′を通
り,第2油路49を経てオイル溜め52に還流する。
車2に伝達されると,循環回路6を満たしている作動オ
イルは,ポンプ羽根車2の回転により,ポンプ羽根車2
→タービン羽根車3→ステータ羽根車4→ポンプ羽根車
2と循環しながらポンプ羽根車2の回転トルクをタービ
ン羽根車3に伝達し,出力軸10を駆動する。このと
き,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間でトルクの
増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ羽
根車4に負担され,ステータ羽根車4は,フリーホイー
ル11のロック作用により固定される。
車4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリー
ホイール11を空転させながらポンプ羽根車2及びター
ビン羽根車3と共に同一方向へ回転するようになる。
ング状態となったところで,図8に示すように,ロック
アップ制御弁51を切換えて,第2油路49をオイルポ
ンプ21の吐出側に接続すると共に,第1油路48をオ
イル溜め52に接続する。その結果,オイルポンプ21
から吐出された作動オイルは,先刻とは反対に,第2油
路49から循環回路6に流入して,該回路6を満たした
後,外側室46に移る。一方,内側室45は,第1油路
48を介してオイル溜め52に開放されるので,外側室
46は内側室45よりも高圧となり,この圧力差により
両被動摩擦板26,26′は駆動摩擦板25を両側から
挟み込むように押圧され,摩擦ライニング32,32に
圧接するので,ロックアップクラッチLは接続状態とな
る。
ー5に伝達した回転トルクは,クラッチアウタ23,ダ
ンパスプリング42,42…,駆動摩擦板25の伝動爪
25a,25a…,駆動摩擦板25の両摩擦ライニング
32,32,第1及び第2被動摩擦板26,26′,ク
ラッチインナ24,タービン羽根車3のボス3aを順次
経て出力軸10の機械的に伝達することになり,ポンプ
羽根車2及びタービン羽根車3間の滑りを無くして,伝
動効率を向上させることができる。
5の摩擦ライニング32,32に圧接すると,その圧接
部を通して外側室46から内側室45へリークするオイ
ル量は僅かとなり,両室45,46間の圧力差は確保さ
れる。
状態では,駆動摩擦板25の両側面に第1及び第2被動
摩擦板26,26′が圧接係合するので,ロックアップ
クラッチLに大なるトルク容量を与えることができる。
しかも,駆動摩擦板25は,サイドカバー5に固着され
るクラッチアウタ23に軸方向移動可能に連結され,第
1及び第2被動摩擦板26,26′が,この駆動摩擦板
25を両側から挟み込むように両室45,46間の圧力
をもって押圧するので,各摩擦板25,26,26′が
サイドカバー5の内壁に押圧されることはなく,したが
ってサイドカバー5を特別,高剛性に構成する必要はな
くなり,それを極力薄肉に形成して,トルクコンバータ
Tの軽量化を図ることができる。
バー5とは別体に構成したものであるので,クラッチア
ウタ23のトルク容量を上げるべく,それを厚肉に形成
する場合でも,それをサイドカバー5に関係なく行うこ
とができる。即ちクラッチアウタ23のみを厚肉に形成
するだけで足り,トルクコンバータTの重量増を殆ど招
かずに済む。
する複数のセクタ部材23a,23a…は,これらを鋼
板から歩留り良く製作することが可能であり,クラッチ
アウタ23の製作コストの低減を図ることができる。
40,40…内には駆動摩擦板25の伝動爪25a,2
5a…を軸方向移動可能に配置し,幅広部41,41…
内にはダンパスプリング42,42…が収納され,その
両端は幅狭部40,40…及び伝動爪25a,25a…
の端面に弾発係合されるので,ダンパスプリング42,
42…の端部を,幅狭部40,40…及び幅広部41,
41…間の段部を利用して安定良く支持することができ
ると共に,該スプリング42,42…及び伝動爪25
a,25a…間での緩衝的なトルク伝達を確実に行うこ
とができる。
するドグ爪29及びドグ孔30を介してタービン羽根車
3のボス3aと分離可能に連結されるので,トルクコン
バータTの組立時,タービン羽根車3に関係なく,ロッ
クアップクラッチLをサイドカバー5に組み付けること
ができ,またタービン羽根車3はロックアップクラッチ
Lの組立後,サイドカバー5内に収めるだけで,ドグ爪
29及びドグ孔30の係合を得て,クラッチインナ24
と簡単に連結することができ,組立性が極めて良好であ
る。
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。例えば本発明のロックアップクラッチLを流
体継手のポンプ羽根車及びタービン羽根車間に設けるこ
ともできる。
ば,ポンプ羽根車及びタービン羽根車間に設けられて両
羽根車を相互に直結し得る,流体伝動装置のロックアッ
プクラッチにおいて,ポンプ羽根車に連設されてタービ
ン羽根車の背面を覆うサイドカバーに設けられる環状の
クラッチアウタと,タービン羽根車に連結されてクラッ
チアウタの半径方向内方に配置されるクラッチインナ
と,クラッチアウタに軸方向移動可能に結合される駆動
摩擦板と,この駆動摩擦板を挟んで互いに近接,離反を
可能にしてクラッチインナに連結される第1及び第2被
動摩擦板と,これら第1及び第2被動摩擦板間に画成さ
れる内側室と,第1及び第2被動摩擦板の各外側面が臨
むサイドカバー内の外側室とを備え,内側室を外側室よ
り高圧にして両被動摩擦板を駆動摩擦板から離反させる
非接続状態とし,外側室を内側室より高圧にして両被動
摩擦板を駆動摩擦板に圧接させる接続状態とするように
したので,ロックアップクラッチの接続状態では,外側
室を内側室よりも高圧にすることにより,一対の被動摩
擦板を駆動摩擦板の両側面に圧接させ,大なるトルク容
量を得ることができ,しかも駆動摩擦板及び被動摩擦板
の何れかもサイドカバーの内壁に直接押圧されることは
ないから,サイドカバーを特別,高剛性に構成する必要
はなくなり,それを極力薄肉に形成して,流体伝動装置
の軽量化を図ることができる。
特徴に加えて,サイドカバーとは別体に構成したクラッ
チアウタをサイドカバーに固着したので,クラッチアウ
タのトルク容量を上げるべく,それを厚肉に形成する場
合でも,それをサイドカバーに関係なく行うことがで
き,流体伝動装置の重量増を殆ど招かずに済む。
の特徴に加えて,クラッチアウタを,周方向に配列する
複数のセクタ部材で構成し,各セクタ部材をサイドカバ
ーに固着したので,各セクタ部材を鋼板等の素材から歩
留り良く製作することが可能であり,クラッチアウタを
安価に得ることができる。
第1〜第3の特徴の何れかに加えて,クラッチアウタ
を,軸方向に相対向する一対の側壁部と,これら側壁部
を外周側で相互に一体に連結する周壁部とで構成し,こ
のクラッチアウタに,両側壁部の間隔が狭い幅狭部と,
両側壁部の間隔が広い幅広部とをそれぞれ複数交互に形
成し,その幅狭部内に駆動摩擦板の外周に突設された伝
動爪を軸方向移動可能に配置し,幅広部内にはダンパス
プリングを収容して,その両端を幅狭部及び伝動爪の端
面に弾発係合したので,ダンパスプリングの端部を,幅
狭部及び幅広部間の段部を利用して安定良く支持するこ
とができると共に,該スプリング及び駆動摩擦板間での
緩衝的なトルク伝達を確実に行うことができる。
第1〜第3の特徴の何れかに加えて,クラッチインナ
を,タービン羽根車に分離可能に係合したので,流体伝
動装置の組立性を極めて良好にすることができる。
コンバータの縦断面図で,ロックアップクラッチを非接
続状態で示す。
するセクタ部材の側面図。
に対応した縦断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポンプ羽根車(2)及びタービン羽根車
(3)間に設けられて両羽根車(2,3)を相互に直結
し得る,流体伝動装置のロックアップクラッチ(L)に
おいて,ポンプ羽根車(2)に連設されてタービン羽根
車(3)の背面を覆うサイドカバー(5)に設けられる
環状のクラッチアウタ(23)と,タービン羽根車
(3)に連結されてクラッチアウタ(23)の半径方向
内方に配置されるクラッチインナ(24)と,クラッチ
アウタ(23)に軸方向移動可能に連結される駆動摩擦
板(25)と,この駆動摩擦板(25)を挟んで互いに
近接,離反を可能にしてクラッチインナ(24)に連結
される第1及び第2被動摩擦板(26,26′)と,こ
れら第1及び第2被動摩擦板(26,26′)間に画成
される内側室(45)と,第1及び第2被動摩擦板(2
6,26′)の各外側面が臨むサイドカバー(5)内の
外側室(46)とを備え,その内側室(45)を外側室
(46)より高圧にして両被動摩擦板(26,26′)
を駆動摩擦板(25)から離反させる非接続状態とし,
また外側室(46)を内側室(45)より高圧にして両
被動摩擦板(26,26′)を駆動摩擦板(25)に圧
接させる接続状態とするようにしたことを特徴とする,
流体伝動装置のロックアップクラッチ。 - 【請求項2】 請求項1記載の流体伝動装置のロックア
ップクラッチにおいて,サイドカバー(5)とは別体に
構成したクラッチアウタ(23)をサイドカバー(5)
に固着したことを特徴とする,流体伝動装置のロックア
ップクラッチ。 - 【請求項3】 請求項2記載の流体伝動装置のロックア
ップクラッチにおいて,クラッチアウタ(23)を,周
方向に配列する複数のセクタ部材(23a)で構成し,
各セクタ部材(23a)をサイドカバー(5)に固着し
たことを特徴とする,流体伝動装置のロックアップクラ
ッチ。 - 【請求項4】 請求項1〜3何れかに記載の流体伝動装
置のロックアップクラッチにおいて,クラッチアウタ
(23)を,軸方向に相対向する一対の側壁部(35,
35′)と,これら側壁部(35,35′)を外周側で
相互に一体に連結する周壁部(36)とで構成し,この
クラッチアウタ(23)に,両側壁部(35,35′)
の間隔が狭い幅狭部(40)と,両側壁部(35,3
5′)の間隔が広い幅広部(41)とをそれぞれ複数交
互に形成し,その幅狭部(40)内に駆動摩擦板(2
5)の外周に突設された伝動爪(25a)を軸方向移動
可能に配置し,幅広部(41)内にはダンパスプリング
(42)を収容して,その両端を幅狭部(40)及び伝
動爪(25a)の端面に弾発係合したことを特徴とす
る,流体伝動装置のロックアップクラッチ。 - 【請求項5】 請求項1〜3何れかに記載の流体伝動装
置のロックアップクラッチにおいて,クラッチインナ
(24)を,タービン羽根車(3)に分離可能に係合し
たことを特徴とする,流体伝動装置のロックアップクラ
ッチ。
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