JP4414205B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は,自動二輪車,バギー車等の車両に用いる動力伝達装置に関し,特に,エンジンの駆動軸に,出力ギヤを回転自在に支承すると共に,これら駆動軸及び出力ギヤ間に,発進クラッチ及びトルクコンバータを直列に介装してなる,車両用動力伝達装置の改良に関する。
従来のかゝる車両用動力伝達装置では,例えば下記特許文献1に開示されているように,トルクコンバータが,タービンランナ及び発進クラッチ間にポンプインペラを配置して構成され,ポンプインペラには,タービンランナの背面との間に,ポンプインペラ及びタービンランナ間の循環油路に連通する油室を画成するサイドカバーを一体に連設している。
特開2001−141025号公報
上記従来装置では,トルクコンバータ及び発進クラッチがそれぞれ独立して構成しており,部材の共通化について殆ど考慮されていなかった。
そこで本発明は,トルクコンバータのポンプインペラ及びタービンランナを合理的に配置して,発進クラッチの出力部材が従来のサイドカバーを兼用することを可能にして,構造が簡単でコンパクトな前記車両用動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,エンジンの駆動軸に,出力ギヤを回転自在に支承すると共に,これら駆動軸及び出力ギヤ間に,発進クラッチ及びトルクコンバータを直列に介装してなる,車両用動力伝達装置において,前記トルクコンバータを,ポンプインペラ及び前記発進クラッチ間にタービンランナを配置するように構成し,前記発進クラッチを,前記駆動軸に結合する駆動板と,前記ポンプインペラに,前記タービンランナを囲繞する連結部材を介して連結される,端壁を有する出力ドラムと,前記駆動板に支持されて該駆動板の所定回転数以上の回転時に該駆動板及び出力ドラム間を接続する接続手段とで遠心式に構成し,前記端壁を,これと前記タービンランナの背面との間に前記ポンプインペラ及びタービンランナ間の循環油路に連通する油室を画成するように配置したことを第1の特徴とする。
尚,前記駆動軸は,後述する本発明の実施例中のクランク軸2に対応し,また駆動板及び接続手段は,第1駆動板5及び第1クラッチシュー7にそれぞれ対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記駆動軸の外周に,前記タービンランナのタービンハブにスプライン嵌合されると共に,端部に前記出力ギヤを備える中空のタービン軸を回転自在且つ軸方向移動不能に嵌合し,またこのタービン軸に,前記タービンハブと軸方向に並ぶ第2のハブをスプライン嵌合し,この第2のハブと前記駆動軸との間に,前記出力ドラム内で第2のハブから駆動軸への逆負荷の伝達のみを可能にする一方向クラッチを介装し,前記タービンハブ及び第2のハブの外周面に,前記端壁のハブを回転自在且つ軸方向移動不能に支承させたことを第2の特徴とする。
尚,前記第2のハブは,後述する本発明の実施例中の第2駆動板ハブ40hに対応する。
さらに本発明は,第2の特徴に加えて,前記タービンハブ及び第2のハブには,協働して前記端壁のハブを挟んでその軸方向移動を規制する一対の環状肩部を形成したことを第3特徴とする。
本発明によれば,出力ドラムの端壁が,タービンランナの背面側の油室を画成するサイドカバーを兼ねることになり,伝動装置の構造の簡素化を図ることができ,またトルクコンバータと,発進クラッチとの近接配置を可能にして,伝動装置のコンパクト化をも図ることができる。
また本発明の第2の特徴によれば,タービンハブ,タービン軸及び第2のハブに,それぞれの機能に応じた窒化処理や浸炭処理等の表面処理を個別に施して,それぞれの機能に応じた硬度を容易に付与することができ,それらの耐久性を確保することができる。しかもタービンハブ及び第2のハブの外周面に,出力ドラムの端壁のハブを回転自在且つ軸方向移動不能に支承させただけで,出力ドラム及びポンプインペラの軸方向移動を規制することができ,出力ドラム及びポンプインペラの軸方向位置決め構造が簡単である。また出力ドラムは,タービンハブ及び第2のハブの外周面に支承されるハブを有することで,出力ドラム自体の倒れを強力に防ぎ,発進クラッチの安定作動に寄与し得る。
さらに本発明の第3の特徴によれば,タービンハブ及び第2のハブに,出力ドラムの端壁のハブを挟む一対の環状肩部を形成するといった,極めて簡単な構造により,出力ドラム及びポンプインペラの軸方向移動を規制することができ,出力ドラム及びポンプインペラの軸方向位置決め構造を一層簡単にすることができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な一実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る自動二輪車用動力伝達装置の縦断面図,図2は図1の2部拡大図,図3は図1の3−3線断面図,図4は図1の4−4線断面図,図5は図1の5−5線断面図,図6はフリーホイールの分解斜視図である。
図1及び図2において,自動二輪車に搭載されるエンジンEのクランクケース1にクランク軸2がメインベアリング3を介して支承されており,このクランク軸2のメインベアリング3外に突出した部分には,メインベアリング3側からクランクケース1外方に向かって,出力ギヤ4,トルクコンバータT,ロックアップクラッチC2及び発進クラッチC1が順次取り付けられる。
先ず,発進クラッチC1の構成について,図3をも参照しながら説明する。
発進クラッチC1は,クランク軸2の端部に結合される第1駆動板5と,この第1駆動板5に枢軸6を介して揺動可能に支持される一対の第1クラッチシュー7,7と,両第1クラッチシュー7,7間に接続されて,それらを縮径方向に付勢する一対の第1戻しばね8,8と,両第1クラッチシュー7,7を取り囲むように配置される有底円筒状の出力ドラム9とから構成される。クランク軸2の端部への第1駆動板5の結合は,第1駆動板5の中心部に形成した第1駆動板ハブ5hをクランク軸2にスプライン嵌合し,これをクランク軸2の環状肩部10に規制板11を介して突き当て,クランク軸2に螺着されるナット12で緊締することにより行われる。
出力ドラム9は,トルクコンバータTのポンプインペラ15に連結されるもので,その構造については後述する。
第1クラッチシュー7,7の外周面には出力ドラム9の内周面に摺接可能な摩擦ライニング7a,7aが接着されている。また第1駆動板5には,第1クラッチシュー7,7の縮径を制限すべく,それらの内周部に当接するストッパ13,13が設けられる。第1クラッチシュー7,7の重量及び戻しばね8,8のセット荷重は,クランク軸2がアイドリング回転数を超えた所定回転数以上で回転したとき,遠心力の作用で第1クラッチシュー7,7が拡径して,摩擦ライニング7a,7aを出力ドラム9の内周面に圧接し得るように設定される。
次に,トルクコンバータTの構成について説明する。
再び図1及び図2において,トルクコンバータTは,ポンプインペラ15と,それに対置されるタービンランナ16と,それらの内周部間に配置されるステータ17とからなっており,これら三者15〜16間には作動オイルによる動力伝達のための循環油路18が画成される。
こゝで注目すべき点は,ポンプインペラ15がクランクケース1側に,タービンランナ16が出力ドラム9側に配置される点,即ちポンプインペラ15及び出力ドラム9間にタービンランナ16が配置される点である。そして,ポンプインペラ15のシェルには,その外周部からタービンランナ16を越えて軸方向に延びる円筒状の連結部材14が一体に連設され,この連結部材14の先端は前記出力ドラム9の外周面に溶接等により液密に結合される。
タービンランナ16のハブ,即ちタービンハブ16hは,クランク軸2の外周に相対回転自在に嵌合した中空のタービン軸20の外周にスプライン結合される。タービン軸20の一端は,前記メインベアリング3のインナレースにオイルポンプ駆動用ギヤ26及びスラストニードルベアリング22を介して当接するように配置され,その他端は,前記規制板11に当接するように配置される。結局,タービン軸20は,スラストニードルベアリング22及び規制板11間に挟まれて軸方向の動きが規制される。
このタービン軸20の外周にスラストニードルベアリング22に隣接する出力ギヤ4がスプライン結合され,この出力ギヤ4には,変速機の入力軸(図示せず)に連結される被動ギヤ25が噛合される。この出力ギヤ4との対応位置において,タービン軸20及びクランク軸2間にはラジアルニードルベアリング23が介装される。
ステータ17のハブ,即ちステータハブ17hは,上記タービン軸20の外周に相対回転自在に嵌合した中空のステータ軸21にスプライン結合される。そのステータ軸21の外周面により,ポンプインペラ15のハブ,即ちポンプハブ15hが軸受ブッシュ24を介して回転自在に支承される。
ポンプハブ15hより出力ギヤ4側に突出したステータ軸21の先端部には,ステータ17の回転を所定の一方向でのみ許容するフリーホイールFが接続される。
図1,図2図5及び図6に示すように,上記フリーホイールFは,ステータ軸21の先端に溶接等により結合されるフリーホイールインナ板27と,このフリーホイールインナ板27の,ポンプインペラ15側の側面に枢軸28を介して揺動自在に支持される複数のラチェットポール29,29…と,クランクケース1に連設された支持壁1aにボルト32で固着されて上記複数のラチェットポール29,29…を囲むフリーホイールアウタ板30とを備え,このフリーホイールアウタ板30の内周面には,上記複数のラチェットポール29,29…が係脱し得るラチェットギヤ31が形成されている。各ラチェットポール29は,枢軸28を境にして,一端にラチェットギヤ31に係脱する爪部29a,他端にウエイト29bを備えており,このラチェットポール29をラチェットギヤ31との係合方向に付勢するように,捩じりコイルばね33が枢軸28に装着されると共に,そのばね33の一端のフック33aはフリーホイールインナ板27の係止孔34に,他端のフック33bはウエイト29bの係止孔35にそれぞれ弾発的に係合される。フリーホイールインナ板27には,その所定の高速回転時,各ラチェットポール29がウエイト29bの遠心作用によりラチェットギヤ31から離脱したときの揺動限界を規定するストッパ36が設けられる。またラチェットギヤ31の滑り斜面には,ゴムや合成樹脂等の防音材37,37…が接合されている。
かくして,フリーホイールFは,ポンプインペラ15及び出力ギヤ4間に配置され,特に,複数のラチェットポール29,29…及びフリーホイールアウタ板30は,ポンプハブ15hを囲繞するように,その外周に配置される。
次に,図1及び図4を参照しながら,ロックアップクラッチC2の構成について説明する。
ロックアップクラッチC2は,タービンハブ16hと軸方向に並んでタービン軸20の外周にスプライン結合される第2駆動板ハブ40hを備えた第2駆動板40と,この第2駆動板40に枢軸41を介して揺動可能に支持される一対の第2クラッチシュー42,42と,両第2クラッチシュー42,42間に接続されて,それらを縮径方向に付勢する一対の第2戻しばね43,43と,両第2クラッチシュー42,42を取り囲むように前記出力ドラム9とから構成される。したがって,前記出力ドラム9は,発進クラッチC1とロックアップクラッチC2とに共有されることになる。
その際,発進クラッチC1の第1駆動板5は,出力ドラム9の開放面側に,またロックアップクラッチC2の第2駆動板40は,出力ドラム9の端壁9a側にそれぞれ配置され,それぞれのクラッチシュー7,42は互いに対面配置される。こうすることにより,両駆動板5,40間のスペースを,両クラッチシュー7,42の設置に効率良く利用することができる。
第2クラッチシュー42,42の外周面には出力ドラム9の内周面に摺接可能な摩擦ライニング42a,42aが接着されている。また第2駆動板40には,第2クラッチシュー42,42の縮径を制限すべく,それらの内周部に当接するストッパ44,44が設けられる。第2クラッチシュー42,42の重量及び戻しばね43,43のセット荷重は,タービン軸20が所定の高速回転状態になったとき,遠心力の作用で第2クラッチシュー42,42が拡径して,摩擦ライニング42a,42aを出力ドラム9の内周面に圧接し得るように設定される。第2駆動板40の中心寄りの部分には,その内外を連通する1個若しくは複数個の油孔49が設けられる。
出力ドラム9の端壁9aの内周端には,出力ドラム9の軸方向内方に屈曲したドラムハブ9hがバーリング加工により形成されており,このドラムハブ9hは,タービンハブ16h及び第2駆動板ハブ40hに亙って,それらの外周に軸受ブッシュ45を介して回転自在に支承される。而して,出力ドラム9の端壁9aは,タービンランナ16の背面との間に前記循環油路18の外周部と連通する油室18aを画成するサイドカバーの役割を果たす。この端壁9aは,タービンランナ16の椀状の背面に沿って湾曲形成されると共に,その背面に近接配置される。こうすることで油室18aの容積を極力小さくすると共に,トルクコンバータTと発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2との近接配置を可能にし,伝動装置のコンパクト化を図ることができる。
また出力ドラム9の周壁には,端壁9aに近接した部位に,出力ドラム9の内部を外部に開放する排出孔46が周方向に複数並んで穿設され,これら排出孔46は,出力ドラム9内に流入した潤滑兼冷却オイルを摩擦ライニング7a,42aの摩耗粉等の異物と共に出力ドラム9外に排出させる。
互いに隣接したタービンハブ16h及び第2駆動板ハブ40hは,タービン軸20の中間部外周に形成した環状肩部47と,前記規制板11とに挟まれて軸方向の動きが規制される。またドラムハブ9hは,上記タービンハブ16h及び第2駆動板ハブ40hの互いに対向する環状肩部48,48′に挟まれて軸方向の動きが規制され,その結果,連結部材14を介して一体化されたポンプインペラ15及び出力ドラム9の軸方向の動きが規制されることになる。しかもドラムハブ9hは,端壁9aの内周端から出力ドラム9の内方に突出しているから,これが軸受ブッシュ45を介してタービンハブ16h及び第2駆動板ハブ40hに支承されることで,出力ドラム9の倒れを強力に防ぎ,発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2の安定作動に寄与し得る。
出力ドラム9において,タービン軸20及びクランク軸2間に前者20から後者2への逆負荷の伝動のみを可能にする一方向クラッチC3が介装される。この一方向クラッチC3は,タービン軸20にスプライン結合した第2駆動板ハブ40hに一体に連設される円筒状のクラッチアウタ50を備えており,このクラッチアウタ50は,前記規制板11を越えて前記第1及び第2クラッチシュー7,42の半径方向内側に配置される。このクラッチアウタ50に同心で囲繞されるクラッチインナ51が第1駆動板ハブ5hの外周にスプライン嵌合され,クラッチアウタ50からクラッチインナ51への逆負荷の伝動を可能にすべく,これらクラッチアウタ50及びクラッチインナ51間に環状配列の多数のスプラグ,ローラ等のクラッチ素子52,52…が介装される。こうして一方向クラッチC3は構成される。
クランク軸2には,その長手方向に延びる給油路55及び排出油路59が設けられ,給油路55には,前記オイルポンプ駆動用ギヤ26により駆動されるオイルポンプ(図示せず)の吐出オイルがクランク軸2の軸端から供給される。またクランク軸2及びタービン軸20間には,規制板11側から環状の第1,第3及び第2油溜り561 ,563 ,562 が設けられ,給油路55から半径方向に延びる第1及び第2油孔571 ,572 が第1及び第2油溜り561 ,562 に達し,また排出油路59から半径方向に延びる第3油孔563 は第3油溜り563 に達する。排出油路59は,エンジンEの図示しない潤滑部に接続される。
タービン軸20及びステータ軸21には,第2油溜り562 をステータ17及びポンプインペラ15間に連通する横孔581 ,582 がそれぞれ設けられ,またタービン軸20には,第3油溜り563 をステータ17及びタービンランナ16間に連通する横孔583 が設けられる。
以上において,タービン軸20,出力ギヤ4及び,クラッチアウタ50付きの第2駆動板ハブ40hは,その表面硬度を極力高めるために浸炭処理される。またスプライン嵌合部を有するタービンハブ16h及びステータハブ17hは,その表面硬度を適度に上げるために窒化処理される。このように,出力ギヤ4,タービン軸20,タービンハブ16h,ステータハブ17h,第2駆動板ハブ40hには,それぞれの機能に応じた窒化処理や浸炭処理等の表面処理を個別に施すことで,それぞれの機能に応じた硬度を容易に付与することができ,それらの耐久性を確保することができる。
次に,この実施例の作用について説明する。
エンジンEの運転中,図示しないオイルポンプから給油路55に供給されたオイルの一部は,第1油孔571 から第1油溜り561 に入り,クランク軸2及びタービン軸20の回転面を潤滑すると共に,それらの回転面間の隙間を通過して,ステータ軸21の軸端と規制板11との隙間を通り,タービン軸20とタービンハブ16h及び第2駆動板ハブ40hとのスプライン嵌合部に供給されて,それらを潤滑する。
また給油路55の他のオイルは,第2油孔572 から第2油溜り562 に入り,そして横孔581 ,582 を経てステータ17及びポンプインペラ15間から循環油路18に供給され,ポンプインペラ15の回転に伴ない生じる遠心力の作用により循環油路18を矢印のように循環し,その一部はステータ17及びタービンランナ16間から横孔583 ,第3油溜り563 及び第3油孔573 を順次経て排出油路59に排出される。
循環油路18の他のオイルは,ポンプインペラ16及びタービンランナ15の外周部間から油室18aに移り,軸受ブッシュ45を潤滑しながら出力ドラム9内に移り,その一部は,駆動40の複数の油孔49から発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2の可動部に流入して,それらの潤滑と冷却に供され,そして最終的には出力ドラム9内のオイルは,出力ドラム9の開放面や排出孔46から出力ドラム9外に排出される。
その際,摩擦ライニング7a,72aの摩耗粉等の異物もオイルと共に排出される。特に,排出孔46は,出力ドラム9の端壁9aに近接した部位に設けられるので,出力ドラム9の奥に摩耗粉等の異物が滞留することを防ぎ,摩耗粉等の異物によるクラッチシュー7,42の摩擦ライニング7a,42aの早期摩耗を回避することができる。
また第2油溜り562 の一部のオイルは,,クランク軸2及びタービン軸20間の隙間からリークしてラジアルニードルベアリング23及びスラストニードルベアリング22に供給され,それらの潤滑を果たす。
クランク軸2のアイドリング回転時には,第1クラッチシュー7,7は第1戻しばね8,8のセット荷重によりストッパ13,13に当接する縮径位置に保持され,その摩擦ライニング7a,7aを出力ドラム9の内周面から離間させているので,発進クラッチC1はオフ状態を保つ。したがって,トルクコンバータTの存在に関係なく車両を停止状態に保持することができる。
クランク軸2がアイドリング回転数を超えた所定値以上の回転数で回転するようになると,第1クラッチシュー7,7が遠心力により第1戻しばね8,8のセット荷重に抗して拡径方向に揺動し,摩擦ライニング7a,7aを出力ドラム9の内周面に圧接させるようになると,発進クラッチC1はクラッチオン状態となる。したがってクランク軸2の回転が出力ドラム9から取り出され,連結部材14を介してトルクコンバータTのポンプインペラ15に伝達される。
出力ドラム9によりポンプインペラ15が回転されると,循環油路18を満たしている作動オイルは,遠心力の作用により図1の矢印のように,ポンプインペラ15→タービンランナ16→ステータ17→ポンプインペラ15と循環しながらポンプインペラ15の回転トルクをタービンランナ16に伝達し,タービン軸20から出力ギヤ4に,更に図示しない変速機を経て車両の駆動車輪へと伝達して,それを駆動するので,車両は発進する。このとき,発進クラッチC1に接続ショックがあっても,それはトルクコンバータTで吸収されるので,車両のスムーズな発進が保障される。
トルクコンバータTにおけるポンプインペラ15及びタービンランナ16間のトルク増幅時には,それに伴う反力がステータ17に負担されるが,そのステータ17は,フリーホイールFのロック作用,即ちラチェットポール29,29…がラチェットギヤ31の歯底に係合することにより,フリーホイールインナ板27と共に回転を阻止される。
トルク増幅を終えると,ステータ17は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイールFを空転させながら,即ちラチェットポール29,29…をラチェットギヤ31の斜面に滑らせながらポンプインペラ15及びタービンランナ16と共に同一方向へ回転するようになる。そして,フリーホイールインナ板27がタービンランナ16と共に,所定の高速回転状態になると,各ラチェットポール29は,そのウエイト29bに加わる遠心力の作用により,ラチェットギヤ31から離脱する方向に揺動して,ラチェットギヤ31との滑り接触から解放され,その滑り接触による摩耗及び騒音の発生を防ぐことができる。
タービン軸20の回転は,ロックアップクラッチC2の第2駆動板40をも伝達するので,タービンランナ16の所定の高速回転時には,第2クラッチシュー42,42が遠心力により第2戻しばね43,43のセット荷重に抗して拡径方向に揺動し,摩擦ライニング42a,42aを出力ドラム9の内周面に圧接させるようになり,ロックアップクラッチC2はロックアップ状態となる。したがって,ポンプインペラ15及びタービン軸20間が機械的な直結状態とされるので,タービンランナ16及びポンプインペラ15間の滑り損失を無くし,伝動効率を高めることができる。
車両の減速時,逆負荷が出力ギヤ4からタービン軸20に伝達されると,一方向クラッチC3が接続状態となり,上記逆負荷は,タービン軸20から第2駆動板ハブ40h,クラッチアウタ50,クラッチ素子52,52…,クラッチインナ51及び第1駆動板ハブ5hを順次経てクランク軸2へと伝達される。このように,出力ギヤ4の逆負荷は,トルクコンバータT及び発進クラッチC1を経由することなくクランク軸2に伝達するので,発進クラッチC1のオフ状態やタービンランナ16及びポンプインペラ15間の滑りに関係なく,良好なエンジンブレーキ効果を得ることができる。
ところで,出力ギヤ4は,フリーホイールFに邪魔されることなく,クランクケース1のメインベアリング3に近接して配置されるので,出力ギヤ4の駆動反力によるクランク軸2の曲げモーメントを小さく抑え,クランク軸2及びメインベアリング3の耐久性を高めることができる。しかも,発進クラッチC1及びポンプインペラ15間にタービンランナ16を配置すると共に,タービン軸20の外周にステータ軸21を相対回転自在に嵌合することで,タービン軸20をクランク軸2の外周に相対回転自在に嵌合することが可能となり,したがって出力ギヤ4との対応位置でクランク軸2及びタービン軸20間に介装されるベアリング23は一個で足り,タービン軸20の軸受構造の簡素化を図ることができる。しかもクランク軸2及び出力ギヤ4間の部品点数の減少により,部品の集積誤差も減少して,その誤差による出力ギヤ4と被動ギヤ25とのバックラッシュの変動を小さく抑え,騒音の低減に寄与し得る。
またポンプインペラ15は,連結部材14を介して,発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2の出力ドラム9に連結されるので,トルクコンバータTと,発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2との間のデッドスペースを極力少なくして,伝動装置のコンパクト化を図ることができる。
さらに出力ドラム9の端壁9aは,タービンランナ16の背面側の油室18aを画成するサイドカバーを兼ねることになり,伝動装置の構造の簡素化を図ることができ,またトルクコンバータT及び発進クラッチC1の近接配置を可能にして,伝動装置のコンパクト化をも図ることができる。
さらにまた出力ドラム9の端壁9aは,タービンランナ16の椀状の背面に沿って湾曲形成されるので,トルクコンバータT及び出力ドラム9の一層の近接配置が可能となり,伝動装置の更なるコンパクト化を図ることができる。
また発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2は,共に遠心式に構成されると共に,一個の出力ドラム9を共有するので,両クラッチC1,C2の組立体構造の簡素化とコンパクト化を効果的に図ることができる。
またクランク軸2及びタービン軸20を相互に回転自在に嵌合することから,クランク軸2に結合する発進クラッチC1の第1駆動板ハブ5hと,タービン軸20に結合するロックアップクラッチC2の第2駆動板ハブ40hとの間に逆負荷のみを伝達する一方向クラッチC3を構成することが可能となり,これにより伝動経路に介装する単一の一方向クラッチC3をもって,発進クラッチC1の存在に関係なく,またタービン軸20等の他の部材に干渉されることなく,エンジンブレーキ効果を得ることができ,伝動装置の構成の簡素化に大きく貢献することができる。
しかも上記一方向クラッチC3は,発進クラッチC1の第1駆動板5と,ロックアップクラッチC2の第2駆動板40との間に配置されるので,スペース効率が高く,発進クラッチC1及びロックアップクラッチC2が出力ドラム9を共有することゝ相俟って,発進クラッチC1,ロックアップクラッチC2及び一方向クラッチC3の組立体のコンパクト化を大いに図ることができる。
またタービン軸20の外周に配置されるステータ軸21には,ポンプインペラ15及び出力ギヤ4間に配置されるフリーホイールFを介してクランクケース1に連設される支持壁1aに連結されるので,ポンプインペラ15及び出力ギヤ4間のスペースをフリーホイールFの設置に有効に利用することができる。特に,フリーホイールFはラチェット式に構成され,そのラチェットポール29,29…と,ラチェットギヤ31を有するフリーホイールアウタ板30は,ポンプハブ15hを囲繞するように,その外周に配置されるので,ポンプインペラ15及び出力ギヤ4間の狭いスペースを効率良く利用することができ,伝動装置のより一層のコンパクト化を図ることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,ラジアルニードルベアリング23に代えて,ボールベアリングやプレーンベアリングを使用することもできる。
本発明の実施例に係る自動二輪車用動力伝達装置の縦断面図。 図1の2部拡大図。 図1の3−3線断面図。 図1の4−4線断面図。 図1の5−5線断面図。 フリーホイールの分解斜視図。
符号の説明
C1・・・・・・発進クラッチ
C2・・・・・・ロックアップクラッチ
C3・・・・・・一方向クラッチ
E・・・・・・・エンジン
T・・・・・・・トルクコンバータ
2・・・・・・・駆動軸(クランク軸)
4・・・・・・・出力ギヤ
5・・・・・・・第1駆動板
7・・・・・・・第1接続手段(第1クラッチシュー)
9・・・・・・・出力ドラム
9a・・・・・・出力ドラムの端壁
14・・・・・・連結部材
15・・・・・・ポンプインペラ
16・・・・・・タービンランナ
18・・・・・・循環油路
18a・・・・・油室
40・・・・・・第2駆動板
40h・・・・・第2のハブ(第2駆動板ハブ)
42・・・・・・第2接続手段(第2クラッチシュー)
46・・・・・・排出孔
50・・・・・・クラッチアウタ
51・・・・・・クラッチインナ
52・・・・・・クラッチ素子

Claims (3)

  1. エンジン(E)の駆動軸(2)に,出力ギヤ(4)を回転自在に支承すると共に,これら駆動軸(2)及び出力ギヤ(4)間に,発進クラッチ(C1)及びトルクコンバータ(T)を直列に介装してなる,車両用動力伝達装置において,
    前記トルクコンバータ(T)を,ポンプインペラ(15)及び前記発進クラッチ(C1)間にタービンランナ(16)を配置するように構成し,前記発進クラッチ(C1)を,前記駆動軸(2)に結合する駆動板(5)と,前記ポンプインペラ(15)に,前記タービンランナ(16)を囲繞する連結部材(14)を介して連結される,端壁(9a)を有する出力ドラム(9)と,前記駆動板(5)に支持されて該駆動板(5)の所定回転数以上の回転時に該駆動板(5)及び出力ドラム(9)間を接続する接続手段(7)とで遠心式に構成し,前記端壁(9a)を,これと前記タービンランナ(16)の背面との間に前記ポンプインペラ(15)及びタービンランナ(16)間の循環油路(18)に連通する油室(18a)を画成するように配置したことを特徴とする,車両用動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の車両用動力伝達装置において,
    前記駆動軸(2)の外周に,前記タービンランナ(16)のタービンハブ(16h)にスプライン嵌合されると共に,端部に前記出力ギヤ(4)を備える中空のタービン軸(20)を回転自在且つ軸方向移動不能に嵌合し,またこのタービン軸(20)に,前記タービンハブ(16h)と軸方向に並ぶ第2のハブ(40h)をスプライン嵌合し,この第2のハブ(40h)と前記駆動軸(2)との間に,前記出力ドラム(9)内で第2のハブ(40h)から駆動軸(2)への逆負荷の伝達のみを可能にする一方向クラッチ(C3)を介装し,前記タービンハブ(16h)及び第2のハブ(40h)の外周面に,前記端壁(9a)のハブ(9h)を回転自在且つ軸方向移動不能に支承させたことを特徴とする,車両用動力伝達装置。
  3. 請求項2記載の車両用動力伝達装置において,
    前記タービンハブ(16h)及び第2のハブ(40h)には,協働して前記端壁(9a)のハブ(9h)を挟んでその軸方向移動を規制する一対の環状肩部(48,48′)を形成したことを特徴とする,車両用動力伝達装置。
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