JP2006009817A - 流体伝動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチ及びトルクダンパの容量を増加すべく伝動カバーを大径化しても,伝動カバーの軸方向の膨出変形を防ぎつゝ,エンジンにコンパクトに結合し得る流体伝動装置を提供する。
【解決手段】ポンプ羽根車2,タービン羽根車3,ポンプ羽根車2の外周部に連設されてタービン羽根車3の背面との間にクラッチ室22を画成する伝動カバー5,クラッチ室22に配設されるロックアップクラッチL及びトルクダンパDを備える流体伝動装置において,伝動カバー5には,駆動摩擦面35を形成した環状側壁部5bとカバーハブ5hとの間を接続する,該環状側壁部5bからカバーハブ5hに向うにつれてタービン羽根車3に近接する円錐状側壁部5cを設け,この円錐状側壁部5cの外側面により,クランク軸1の端部を受容する円錐状凹部5fを画成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は,自動車等に使用されるトルクコンバータや流体継手を含む流体伝動装置に関し,特に,ポンプ羽根車と,このポンプ羽根車に対置されて,それとの間に作動オイルの循環回路を画成するタービン羽根車と,ポンプ羽根車の外周部に連設されてタービン羽根車の背面との間に前記循環回路に連通するクラッチ室を画成する伝動カバーと,前記クラッチ室に配設されるロックアップクラッチとを備えてなり,伝動カバーに,エンジンのクランク軸に連なる駆動板を連結し,タービン羽根車のハブ(以下,タービンハブという。)に,前記クランク軸と同軸配列の出力軸を連結し,伝動カバーのハブ(以下,カバーハブという。)を出力軸と同軸に配列し,前記ロックアップクラッチを,伝動カバーの内側壁外周部に形成された環状の駆動摩擦面と,タービン羽根車のハブに回転及び軸方向移動可能に支承されるハブ(以下,ピストンハブという。),並びに前記駆動摩擦面に係合・離脱し得る環状の従動摩擦面を内側面に形成した環状壁部を有するクラッチピストンと,このクラッチピストンの環状壁部に隣接して環状に配列される複数のダンパスプリングを有してクラッチピストン及びタービン羽根車間を緩衝的に連結するトルクダンパとで構成した流体伝動装置の改良に関する。
かゝる流体伝動装置は,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
特開2003−106403号公報
従来のかゝる流体伝動装置では,特許文献1にも開示されるように,伝動カバーに,複数の環状段部を同心状に形成して,該部材の曲げ剛性を高めている。しかしながら,ロックアップクラッチ及びトルクダンパの容量を増加すべく,伝動カバーを大径に形成する場合,或る限界を越えると,伝動カバーが内部の高油圧により,複数の環状段部の伸びに伴ない軸方向に膨出変形する傾向が生じることが判明した。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,伝動カバーの大径化によるも伝動カバーの軸方向の膨出変形を防ぎつゝ,エンジンにコンパクトに結合し得るようにした,前記流体伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,ポンプ羽根車と,このポンプ羽根車に対置されて,それとの間に作動オイルの循環回路を画成するタービン羽根車と,ポンプ羽根車の外周部に連設されてタービン羽根車の背面との間に前記循環回路に連通するクラッチ室を画成する伝動カバーと,前記クラッチ室に配設されるロックアップクラッチとを備えてなり,伝動カバーに,エンジンのクランク軸に連なる駆動板を連結し,タービン羽根車のハブ(以下,タービンハブという。)に,前記クランク軸と同軸配列の出力軸を連結し,伝動カバーのハブ(以下,カバーハブという。)を出力軸と同軸に配列し,前記ロックアップクラッチを,伝動カバーの内側壁外周部に形成された環状の駆動摩擦面と,タービン羽根車のハブに回転及び軸方向移動可能に支承されるハブ(以下,ピストンハブという。),並びに前記駆動摩擦面に係合・離脱し得る環状の従動摩擦面を内側面に形成した環状側壁部を有するクラッチピストンと,このクラッチピストンの環状側壁部に隣接して環状に配列される複数のダンパスプリングを有してクラッチピストン及びタービン羽根車間を緩衝的に連結するトルクダンパとで構成した流体伝動装置において,前記伝動カバーには,前記駆動摩擦面を形成した環状側壁部と前記カバーハブとの間を接続する,該環状側壁部からカバーハブに向うにつれてタービン羽根車に近接する円錐状側壁部を設け,この円錐状側壁部の外側面により,前記クランク軸の端部を受容する円錐状凹部を画成したことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記クラッチピストンには,前記従動摩擦面を形成した環状側壁部と前記ピストンハブとの間を接続する,円錐角度を前記伝動カバーの円錐状側壁部と略同じくする円錐状側壁部を設けたことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,環状に配列された前記複数のダンパスプリングの環状配列中心円の直径を,タービン羽根車の外径より大きく設定したことを第3の特徴とする。
尚,前記流体伝動装置は後述する本発明の実施例中のトルクコンバータTに対応し,また前記伝動カバーの環状側壁部及び前記クラッチピストンの環状側壁部は,同実施例中の伝動カバー5の外周環状側壁部5b及びクラッチピストン25の外周環状側壁部25bにそれぞれ対応し,前記従動摩擦面は同実施例中の摩擦ライニング36に対応する。
本発明の第1の特徴によれば,駆動摩擦面を形成した環状側壁部とカバーハブとの間を接続する円錐状側壁部が設けられ,その間には環状段部が存在しないから,大容量のロックアップクラッチ及びトルクダンパを収容すべく伝動カバーを大径に形成する場合でも,その耐圧性が高く,内部の高油圧による伝動カバーの軸方向の膨出変形を極力小さく抑えることができると共に,応力集中を効果的に回避することができる。
しかも上記円錐状側壁部の外側面により,クランク軸の端部を受容する円錐状凹部が画成されるので,流体伝動装置及びエンジンの組立体の軸方向寸法の短縮化を図ることができ,その組立体のコンパクト化に寄与し得る。
また本発明の第2の特徴によれば,クラッチピストンには,環状の従動摩擦面を形成した環状側壁部とピストンハブとの間を接続する,前記伝動カバーの円錐状側壁部と略同じくする円錐状側壁部が設けられるので,伝動カバーを,クラッチピストンと共に,タービン羽根車に極力近接して配置することが可能となり,トルクコンバータのコンパクト化を図ることができる。
さらに本発明の第3の特徴によれば,伝動カバーの外周部内側には,環状配列の複数のダンパスプリングの環状配列中心円をタービン羽根車の外径より大径にした大容量のトルクダンパの配設を可能にして,ロックアップクラッチの接続ショックを効果的に吸収して,車両の乗り心地の向上に大いに寄与することができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る自動車用トルクコンバータの上半部縦断側面図(図2の1−1線断面図),図2は図1の2−2線断面図,図3は図1の3−3線断面図である。
先ず,図1において,自動車用のトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置されるステータ羽根車4とを備え,これら羽根車2,3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循環回路6が画成される。ポンプ羽根車2には,タービン羽根車3の外側面を覆う伝動カバー5が連設される。
図1及び図3に示すように,伝動カバー5は,ポンプ羽根車2のシェルの外周端から半径方向外方に延出させたシェル拡径部2aに溶接により一体に連設される円筒状の周壁部5aと,この周壁部5aの外端から半径方向内方に直角に屈曲した外周環状側壁部5bと,この外周環状側壁部5bの内周端から中心側に向かうに従いタービン羽根車3側に近接する円錐状側壁部5cと,この円錐状側壁部5cの内周端から半径方向内方に外周環状側壁部5bと平行に延びる内周環状側壁部5dと,この内周環状側壁部5dの内周端に溶接により連設されるキャップ状のカバーハブ5hとからなっており,円錐状側壁部5cは,中間部に環状段部を全く持たない。またカバーハブ5hは,閉じた先端部を外周環状側壁部5bの外側面より軸方向外方に突出するように配置される。
伝動カバー5の,上記周壁部5aから内周環状側壁部5dまでは,ポンプ羽根車2のシェルと略同厚の鋼板をプレス成形することにより構成され,外周環状側壁部5bの内側面は,後述するロックアップクラッチLの環状の駆動摩擦面35に切削加工により形成される。また伝動カバー5の外側面には,前記円錐状側壁部5cにより,カバーハブ5hを囲繞する円錐状の凹部5fが画成される。
再び図1において,伝動カバー5の周壁部5a外周面には,始動用のリングギヤ7が嵌合して溶接され,このリングギヤ7に,エンジンのクランク軸1の端面にボルト9で結合した駆動板8がボルト9′で固着される。駆動板8は,概ね伝動カバー5の外側面に沿うように形成されており,クランク軸1の端部及びボルト9の頭部は,伝動カバー5外側面の前記凹部5fに受容される。特に,凹部5fの最深部にボルト9の頭部が配置される。またクランク軸1の端面には,袋状の位置決め孔1aが設けられており,この位置決め孔1aに前記カバーハブ5hが嵌合される。
タービン羽根車3のハブ3h(以下,タービンハブ3hという。)と伝動カバー5との間にスラストニードルベアリング26が介裝される。
トルクコンバータTの中心部にクランク軸1と同軸上に出力軸10が配置される。この出力軸10は,図示しない多段変速機の主軸となるもので,これにタービンハブ3hがスプライン嵌合される。また出力軸10の端部は,軸受ブッシュ23を介してカバーハブ5hに回転自在に支承される。
出力軸10の外周には,ステータ羽根車4のハブ4h(以下,ステータハブ4hという。)をフリーホイール11を介して支承する中空円筒状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及びステータ軸12間には,それらの相対回転を許容する軸受ブッシュ13が介裝される。ステータ軸12の外端部はミッションケース14に回転不能に支持される。
フリーホイール11は,ステータハブ4hの内周面に圧入により結合されるアウタレース15と,ステータ軸12の外周にスプライン結合されるインナレース16と,これらレース15,16間に介裝される環状配列のスプラグ17,17…群とからなっている。ステータ羽根車4は,Al合金等の軽合金製であり,そのステータハブ4hの内周面に圧入されるアウタレース15は鋼鉄製である。このアウタレース15の一端面を支承すると共にスプラグ17,17…群の一端面に対向する端壁27がステータハブ4hに一体に形成され,この端壁部27とポンプ羽根車2のポンプハブ2hとの間にスラストニードルベアリング29が介装される。
またステータハブ4h内には,アウタレース15の外端面に当接すると共にスプラグ17,17…群の他端面に対向する押さえ板28が配置され,この押さえ板28とタービンハブ3hとの間にスラストニードルベアリング29′が介装される。
ステータ軸12の外周には,ポンプ羽根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータTに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動されるようになっている。
タービン羽根車3及び伝動カバー5には,前記循環回路6と外周部で連通するクラッチ室22画成され,このクラッチ室22には,タービン羽根車3及び伝動カバー5間を直結し得るロックアップクラッチLが設けられる。即ち,ロックアップクラッチLの主体をなすクラッチピストン25が,クラッチ室22をタービン羽根車3側の内側室22aと伝動カバー5側の外側室22bとに区画するようにクラッチ室22に配置される。
クラッチピストン25は,伝動カバー5の周壁部5aの内周面に近接する円筒状のリム部25aと,このリム部25aの外端から半径方向内方へ直角に屈曲した外周環状側壁部25bと,この外周環状側壁部25bの内周端から中心部に向かう従いタービン羽根車3に近接する円錐状側壁部25cと,この円錐状側壁部25cの内周端から半径方向内方に外周環状側壁部25bと平行に延びる内周環状側壁部25dと,この内周環状側壁部25dの内周端に溶接されるピストンハブ25hとから構成され,このクラッチピストン25はタービン羽根車3の外側面に可及的に近接配置され,またこのクラッチピストン25の外周環状側壁部25b,円錐状側壁部25c及び内周環状側壁部25dに,前記伝動カバー5の外周環状側壁部5b,円錐状側壁部5c及び内周環状側壁部5dがそれぞれ近接して対向するように配置される。
クラッチピストン25の外周環状側壁部25bの外側面には,前記駆動摩擦面35に対向する環状の摩擦ライニング36が接着により形成されており,クラッチピストン25は,その摩擦ライニング36を駆動摩擦面35に圧接させる接続位置と,その駆動摩擦面35から離間する非接続位置との間を移動し得るように,ピストンハブ25hをタービンハブ3hの外周面に摺動可能に支承されている。
図1及び図2に示すように,クラッチ室22には,クラッチピストン25及びタービン羽根車3間を緩衝的に連結する公知のトルクダンパDが配設される。このトルクダンパDは,クラッチピストン25のリム部25aと,このリム部25aの半径方内側で環状に配列される,コイルスプリングからなる複数のダンパスプリング32A,32A…;32B,32B…と,これらダンパスプリング32A,32A…;32B,32B…の内周側を保持すべく環状に配列されて,それぞれ一対のリベット38,38でクラッチピストン25に固着される複数の円弧状のスプリング保持部材30,30…とを備える。クラッチピストン25の前記円錐状側壁部25cの外周部には,各スプリング保持部材30をリベット38,38で固着するための平坦部25caが部分的に形成される。
上記ダンパスプリング32Aは,比較的細い線材で成形されて比較的低いばね定数が付与され,ダンパスプリング32Bは比較的太い線材で成形されて比較的高いばね定数が付与され,これらはリム部25aの周方向に交互に配置される。
各隣接するスプリング保持部材30,30の相対向する端部には,各隣接するダンパスプリング32A,32B間に挿入される第1伝動爪33,33…が一体に形成され,このら第1伝動爪33,33…と共に各隣接するダンパスプリング32A,32B間に挿入される複数の第2伝動爪34A,34A…;34B,34B…がタービン羽根車3の外周面に溶接される。その際,セット状態では,各ダンパスプリング32A,32Bは,隣接する第1伝動爪33,33間に所定のセット荷重をもって縮設される。また一部の第2伝動爪34Aは,ばね定数の低いダンパスプリング32Aに当接するが,ばね定数の高いダンパスプリング32Bからは所定距離離間するように配置され,他の第2伝動爪34Bは,それとは反対に,ばね定数の高いダンパスプリング32Bに当接するが,ばね定数の低いダンパスプリング32Aからは所定距離離間するように配置される。
而して,トルクコンバータTの各部は,複数のダンパスプリング32A,32Bの環状配列中心円Cの直径d2がタービン羽根車3の外径d1より大となるように構成される。
再び図1において,出力軸10の中心部には,横孔24及びスラストニードルベアリング26を介してクラッチ室22の外側室22bに連通する第1油路40が設けられる。また補機駆動軸20とステータ軸12との間には,前記スラストニードルベアリング29を介して循環回路6の内周部に連通する第2油路41が画成され,これら第1油路40及び第2油路41は,ロックアップ制御弁42により,オイルポンプ21の吐出側とオイル溜め43とに交互に接続されるようになっている。
次に,この実施例の作用について説明する。
エンジンのアイドリングないし極低速運転域では,ロックアップ制御弁42は,図1に示すように,第1油路40をオイルポンプ21の吐出側に接続する一方,第2油路41をオイル溜め43に接続するように,図示しない電子制御ユニットにより制御される。したがって,エンジンのクランク軸1の出力トルクが駆動板8,伝動カバー5,ポンプ羽根車2へと伝達して,それを回転駆動し,更にオイルポンプ21をも駆動すると,オイルポンプ21の吐出作動オイルがロックアップ制御弁42から第1油路40,横孔24及びスラストニードルベアリング26,クラッチ室22の外側室22b,内側室22aを順次経て循環回路6に流入し,該回路6を満たした後,スラストニードルベアリング29を経て第2油路41に移り,ロックアップ制御弁42からオイル溜め43に還流する。
而して,クラッチ室22では,上記のような作動オイルの流れにより外側室22bの方が内側室22aよりも高圧となり,その圧力差によりクラッチピストン25が伝動カバー5の駆動摩擦面35から離れる方向へ押圧されるので,ロックアップクラッチLは非接続状態となっており,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の相対回転を許容している。したがって,クランク軸1からポンプ羽根車2が回転駆動されると,循環回路5を満たしている作動オイルが矢印のように循環回路5を循環することにより,ポンプ羽根車3の回転トルクをタービン羽根車4に伝達し,出力軸10を駆動する。
このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ羽根車4に負担され,ステータ羽根車4は,フリーホイール11のロック作用により,即ちスプラグ17,17…群がアウタレース15及びインナレース16の相対回転を阻止するように両レース15,16間にロックされることにより,ステータ軸12に連結,固定される。
トルク増幅作用を終えると,ステータ羽根車4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイール11が空転すること,即ちスプラグ17,17…群が両レース15,16の相対回転を許容することでポンプ羽根車2及びタービン羽根車3と共に同一方向へ回転するようになる。
トルクコンバータTがこのようなカップリング状態となったところで,電子制御ユニットによりロックアップ制御弁42を切換える。その結果,オイルポンプ21の吐出作動オイルは,先刻とは反対に,ロックアップ制御弁42から第2油路41を経て循環回路6に流入して,該回路6を満たした後,クラッチ室22の内側室22aに移って,該内側室22aをも満たす。一方,クラッチ室22の外側室22bは,第1油路40及びロックアップ制御弁42を介してオイル溜め43に開放されるので,クラッチ室22では,内側室22aの方が外側室22bよりも高圧となり,クラッチピストン25は,その圧力差により伝動カバー5側に押圧され,摩擦ライニング36を伝動カバー5の駆動摩擦面35に圧接させ,ロックアップクラッチLは接続状態となる。すると,クランク軸1からポンプ羽根車2に伝達した回転トルクは,伝動カバー5からクラッチピストン25,トルクダンパDを介してタービン羽根車3に機械的に伝達することになるから,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車4は直結の状態となり,クランク軸1の出力トルクを出力軸10に効率良く伝達することができ,燃費の低減を図ることができる。その際,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間でトルク変動が生ずると,エンジンの加速,減速に関わらず,最初にばね定数の低いダンパスプリング32Aが第1伝動爪33及び第2伝動爪34A間で圧縮され,その圧縮量が所定以上になると,ばね定数の高いダンパスプリング32Bが第1伝動爪30及び第2伝動爪34B間で圧縮される。こうしてトルクショックを段階的に吸収することで,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間の比較的少ない角変位で大なるトルクショックでも効果的に吸収することが可能となる。
ところで,このようなトルクコンバータTにおいて,伝動カバー5には,駆動摩擦面35を形成した外周環状側壁部5bとカバーハブ5hとの間を接続する,外周環状側壁部5bからカバーハブ5hに向うに従いタービン羽根車3に近接する円錐状側壁部5cが設けられ,その間には環状段部が存在しないから,大容量のロックアップクラッチL及びトルクダンパDを収容すべく伝動カバー5を大径に形成する場合でも,その耐圧性が高く,内部の高油圧による伝動カバー5の軸方向の膨出変形を極力小さく抑えることができ,また応力集中を効果的に回避することができる。
しかも上記円錐状側壁部5cの外側面により画成される円錐状凹部5fには,クランク軸1の端部が受容されるのみならず,特に,該凹部5fの最深部には,クランク軸1の端面に駆動板8を結合するボルト9の頭部が収められるので,ボルト9の比較的背丈の高い頭部を採用して駆動板8のクランク軸1への大なる緊締力を確保しながら,トルクコンバータT及びエンジンの組立体の軸方向寸法の短縮化を図ることができ,その組立体のコンパクト化に寄与し得る。
またキャップ状のカバーハブ5hは,閉じた先端部を外周環状側壁部5bの外側面より軸方向外方に突出させていて,クランク軸1の端面中心部の袋状の位置決め孔1aに嵌合されているから,クランク軸1端部の凹部5fへの突入と相俟ってカバーハブ5hと位置決め孔1aとの嵌合深さを充分に確保することができる。
ロックアップクラッチLのクラッチピストン25には,環状の摩擦ライニング36を形成した外周環状側壁部25bとピストンハブ25hとの間を接続する,円錐角度を前記伝動カバー5の円錐状側壁部5cと略同じくする円錐状側壁部25cが設けられるので,伝動カバー5を,クラッチピストン25と共に,タービン羽根車3に極力近接して配置することが可能となり,トルクコンバータTのコンパクト化を図ることができる。
また伝動カバー5に前記円錐状側壁部5cを設けたことで,伝動カバー5の外周部内側には,タービン羽根車3に干渉されない比較的大きな環状スペースをつくることができ,このスペースを利用して,比較的大容量のロックアップクラッチLの摩擦係合部とトルクダンパDを配設することができる。特に,環状配列の複数のダンパスプリング32A,32Bの環状配列中心円Cの直径d2をタービン羽根車3の外径d1より大とした大容量のトルクダンパDの配設を可能にして,ロックアップクラッチLの接続ショックを効果的に吸収して,自動車の乗り心地の向上に大いに寄与することができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
本発明の実施例に係る自動車用トルクコンバータの上半部縦断側面図(図2の1−1線断面図)。 図1の2−2線断面図。 図1の3−3線断面図。
符号の説明
C・・・・・・タービン羽根車の外径
D・・・・・・トルクダンパ
L・・・・・・ロックアップクラッチ
T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ)
1・・・・・・エンジンのクランク軸
2・・・・・・ポンプ羽根車
3・・・・・・タービン羽根車
5・・・・・・伝動カバー
5b・・・・・環状側壁部(外周環状側壁部)
5c・・・・・円錐状側壁部
5f・・・・・凹部
5h・・・・・カバーハブ
6・・・・・・循環回路
8・・・・・・駆動板
10・・・・・出力軸
22・・・・・クラッチ室
25・・・・・クラッチピストン
25b・・・・環状側壁部(外周環状側壁部)
25c・・・・円錐状側壁部
25h・・・・ピストンハブ
32A,32B・・・・ダンパスプリング
35・・・・・駆動摩擦面
36・・・・・従動摩擦面(摩擦ライニング)

Claims (3)

  1. ポンプ羽根車(2)と,このポンプ羽根車(2)に対置されて,それとの間に作動オイルの循環回路(6)を画成するタービン羽根車(3)と,ポンプ羽根車(2)の外周部に連設されてタービン羽根車(3)の背面との間に前記循環回路(6)に連通するクラッチ室(22)を画成する伝動カバー(5)と,前記クラッチ室(22)に配設されるロックアップクラッチ(L)とを備えてなり,伝動カバー(5)に,エンジンのクランク軸(1)に連なる駆動板(8)を連結し,タービン羽根車(3)のタービンハブ(3h)に,前記クランク軸(1)と同軸配列の出力軸(10)を連結し,伝動カバー(5)のカバーハブ(5h)を出力軸(10)と同軸に配列し,前記ロックアップクラッチ(L)を,伝動カバー(5)の内側壁外周部に形成された環状の駆動摩擦面(35)と,タービン羽根車(3)のタービンハブ(3h)に回転及び軸方向移動可能に支承されるピストンハブ(25h),並びに前記駆動摩擦面(35)に係合・離脱し得る環状の従動摩擦面(36)を内側面に形成した環状側壁部(25b)を有するクラッチピストン(25)と,このクラッチピストン(25)の環状側壁部(25b)に隣接して環状に配列される複数のダンパスプリング(32A,32B)を有してクラッチピストン(25)及びタービン羽根車(3)間を緩衝的に連結するトルクダンパ(D)とで構成した流体伝動装置において,
    前記伝動カバー(5)には,前記駆動摩擦面(35)を形成した環状側壁部(5b)と前記カバーハブ(5h)との間を接続する,該環状側壁部(5b)からカバーハブ(5h)に向うにつれてタービン羽根車(3)に近接する円錐状側壁部(5c)を設け,この円錐状側壁部(5c)の外側面により,前記クランク軸(1)の端部を受容する円錐状凹部(5f)を画成したことを特徴とする流体伝動装置。
  2. 請求項1記載の流体伝動装置において,
    前記クラッチピストン(25)には,前記従動摩擦面(36)を形成した環状側壁部(25b)と前記ピストンハブ(25h)との間を接続する,円錐角度を前記伝動カバー(5)の円錐状側壁部(5c)と略同じくする円錐状側壁部(25c)を設けたことを特徴とする流体伝動装置。
  3. 請求項1又は2記載の流体伝動装置において,
    環状に配列された前記複数のダンパスプリング(32A,32B)の環状配列中心円(C)の直径(d2)を,タービン羽根車(3)の外径(d1)より大きく設定したことを特徴とする流体伝動装置。
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