JP5821261B2 - 車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ - Google Patents

車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ Download PDF

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Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機の多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータに関し、車両用変速機の技術分野に属する。
自動変速機に組み込まれて、エンジン出力を変速機構に伝達するトルクコンバータは、エンジンのクランクシャフトと一体的に回転するポンプと、該ポンプに対向配置され、該ポンプにより流体を介して駆動されるタービンと、該ポンプとタービンとの対向部の内側に配置されてトルク増大作用を行なうステータとで構成される。さらに、エンジンの燃費性能を向上させるため、トルク増大作用を利用する発進時等やポンプとタービンの相対回転を許容する必要がある変速時等を除いて、該ポンプとタービンとを直結するロックアップクラッチを設けることがあり、この場合には、ロックアップクラッチ締結時のショックを吸収するため、該ロックアップクラッチの入力側または出力側にロックアップダンパが配設される。
例えば下記特許文献1に開示されたトルクコンバータでは、インペラー、タービン及びステータからなるトーラス形状の流体作動部の外径D1に対する内径D2の比を0.61〜0.77の範囲内に設定、つまり前記外径D1と内径D2との比D1/D2を1.298〜1.639の範囲内に設定することにより、前記流体作動部の内径D2を従来に比べて大きく設定し、該流体作動部の内周側に所定の大きさを有するロックアップダンパ(トーションスプリング)を配設することを可能とし、トルクコンバータの軸方向寸法を大きくすることなく、その性能を向上するように構成されている。
特開2002−147563号公報
しかし、従来のトルクコンバータは、流体が循環する前記トーラスの外径D1との内径D2との比D1/D2に応じてトルクコンバータの容量係数が変化することが知られている。例えば、トーラスの外径D1が240mm〜270mmの範囲内に設定されたトルクコンバータでは、図3に示すように、前記比D1/D2が1.5以下となった領域で、当該比D1/D2が小さくなるのに応じてトルクコンバータの容量係数Kpが低下する傾向がある。したがって、特許文献1に記載されているように前記比D1/D2の下限値を1.3程度に設定した場合には、トルクコンバータの容量係数が小さくなって、エンジンの燃費が悪化するという問題があった。
また、エンジンの低速回転領域でロックアップクラッチを締結可能に構成することにより燃費を向上させるためには、トルクコンバータの内周側にロックアップクラッチを配設して油圧を迅速に供給し得るよう構成すると共に、そのクラッチ面積を確保するためにクラッチ板を多板化することにより、その作動応答性を向上させる必要がある。しかし、トーラスの内径が小さい従来のトルクコンバータにおいて、トルクコンバータの内周側に配設されたロックアップクラッチを多板化した場合には、該ロックアップクラッチと前記トーラスとが径方向にオーバラップしてトルクコンバータの軸方向寸法が大きくなることが避けられず、特にエンジンが軸方向を車体の幅方向に向けて配置されるFF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)の場合に、当該自動変速機の車体への搭載性が悪化することになる。これに対してトルクコンバータの軸方向寸法が大きくなるのを防止するために、前記ロックアップクラッチをトルクコンバータの外周側に配設した場合には、油圧の迅速な供給が困難となってピストンの応答性を維持することができないという問題がある。
さらに、トルクコンバータの内周側には、ワンウェイクラッチ及びスラストベアリング等からなる各部品が配設されている関係上、これに加えて前記ロックアップクラッチを軸方向に配設することが困難である。また、トーラスの外径D1が240mm〜270mmの範囲内に設定されると共に、トーラスの外径D1との内径D2との比D1/D2が1.6よりも大きな値に設定されたトルクコンバータにおいて、トーラスの内周側部に配設される各部品と干渉させることなく、略円筒形状のロックアップクラッチを配設しようとした場合には、該ロックアップクラッチの径方向寸法を大きくしてトルクコンバータの軸方向寸法をコンパクト化せざるを得ないが、この構成ではロックアップクラッチの応答性が悪化するという問題がある。
そこで、本発明は、優れた性能を有すると共に、その軸方向寸法を効果的にコンパクト化することができる多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、エンジンの出力軸に連結されたケース内に、ポンプ、タービン及びステータで構成されるトーラスを備え、前記タービンとケースとを直結するロックアップクラッチが内周側に配設されると共に、ロックアップダンパが外周側に配設された車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、前記トーラスの外径D1が240mm〜270mmの範囲内に設定されると共に、前記ロックアップクラッチとロックアップダンパとが互いに軸方向にオーバラップした状態で配設され、前記トーラスの外径D1とトーラスの内径D2との比D1/D2が1.5〜1.6の範囲内に設定されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、前記ケースの内周部におけるエンジン側及び反エンジン側の面の最も近接した部位の外面間の軸方向寸法をW1としたときに、28≦W1≦0.05×D1+34(単位:mm)となる関係式が成立するように、トーラスの外径D1、寸法W1が設定されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、前記ケースの内周部におけるエンジン側及び反エンジン側の面の最も近接した部位の外面間の軸方向寸法をW1とし、前記ケースの前記部位より外周側のエンジン側及び反エンジン側の面の最も離間した部位の外面間の軸方寸法をW2としたときに、前記外面間の軸方向寸法W1と外面間の軸方向寸法W2との比W1/W2が0.5〜0.6の範囲内に設定されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、前記ステータの内側に配設されたワンウェイクラッチが、前記トーラスの中心に対して軸方向のエンジン側にオフセットされていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、前記ロックアップクラッチは、前記ポンプの回転数と前記タービンの回転数とで規定される速度比が0.3以上の領域で締結制御されるものであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、当該トルクコンバータは、前進6速の自動変速機に搭載されるものであることを特徴とするものである。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、エンジン出力軸に連結されたケース内に、ポンプ、タービン及びステータでなるトーラスが形成されたトルクコンバータにおいて、前記ロックアップダンパと、その内周側に位置するロックアップクラッチとを互いに軸方向にオーバラップさせて配設したので、これらを軸方向にオフセットして配設した場合に比べてトルクコンバータの軸方向寸法を効果的にコンパクト化することができる。
その場合に、ロックアップダンパをロックアップクラッチよりもトルクコンバータの外周側に配置したことにより、ロックアップダンパの周方向に延びるように配設されるダンパスプリングの長さや収縮量を大きくすることができ、また、該スプリングに作用する遠心力が大きくなって、該スプリングの側部と該スプリングの保持部材との間の摺接による摩擦減衰効果が大きくなり、該ダンパを内周側に配置する場合に比べて、ロックアップクラッチ締結時のショック吸収作用が増大する。
また、ロックアップクラッチは、前記ダンパの内周側に配置することで、摩擦板やピストンの径を小さくして軽量化することができ、これにより、油圧の立ち上がりに対する応答性が向上し、外側に配置する場合に比べて、特に締結動作開始直後におけるスリップ状態の制御を緻密に行なうことが可能となる。その結果、前記ダンパのロックアップクラッチ締結時のショック吸収作用が増大することと相まって、該ロックアップクラッチを、ショックを生じることなく円滑かつ応答性よく締結することが可能となる。
さらに、請求項1に記載の発明においては、トーラスの外径D1と内径D2との比D1/D2が、1.5〜1.6の範囲内に設定されていることにより、エンジンの定格出力トルクに対応させて設定される外径D1が同等であるとしたときに、D1/D2が約2もしくはそれ以上である従来のものに比べて、内径D2が大きくなる。
これにより、トーラスの内側における設計の自由度が向上し、例えば前記ロックアップクラッチをトーラスの内周側に配置したり、ケースの反エンジン側の面の内周部をエンジン側に寄せたりすることなどが可能となり、特にケースの反エンジン側の面の内周部をエンジン側に寄せれば、その背部に位置するオイルポンプをエンジン側に寄せて配置することが可能となって、自動変速機の全長が効果的に短縮されることになる。
ところで、前記比D1/D2を小さくし、トーラスの内径D2を大きくすると、トーラス内を循環する流体量が少なくなって、トルクコンバータの容量が小さくなり、また伝達効率も低下することになるが、その差は、主としてトルクコンバータの速度比(タービン回転数/ポンプ回転数)が大きな領域で現れる。
したがって、発進時等に、速度比が比較的小さい領域でロックアップクラッチの締結を開始すれば、トーラスの前記比D1/D2を小さくすることによる容量の減少や伝達効率の低下は、実質上、問題になることはない。
また、速度比が小さな領域でロックアップクラッチの締結を開始すると、速度比が大きな領域で締結を開始する場合に比べて該クラッチ締結時のショックが大きくなるが、前述のように、ロックアップクラッチを内側に、ダンパを外側に配置することでショックを効果的に抑制することが可能となるので、ロックアップクラッチの締結時に大きなショックが生じるのを回避できるという利点がある。
さらに、前記比D1/D2を小さくすると、この比が大きいものに比べてトルク比も小さくなるが、例えば前進6速等の多段型の自動変速機の場合には、低変速段の減速比を大きく設定することができるので、トルク比の減少による発進加速性能の低下等を回避することが可能である。
なお、前記トーラスの外径D1が240mm〜270mmの範囲内に設定されたトルクコンバータにおいて、前記比D1/D2が1.5未満になると、トルクコンバータの容量係数が著しく低下して実用化が困難となり、前記比D1/D2が1.6を超えると、前記のようにトーラスの内径D2が小さくなることに起因して自動変速機の全長の短縮効果が十分得られなくなる。しかし、前記のようにトーラスの外径D1と内径D2との比を1.5〜1.6の範囲内に設定することにより、トルクコンバータの容量係数が低下するのを抑制しつつ、自動変速機の全長を効果的に短縮化することが可能となる。
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、自動変速機の全長の短縮を実現しながら、締結ショックの増大を招くことなく、速度比が比較的小さい領域からロックアップクラッチの締結を開始させる制御が可能となり、このように制御すれば、トルクコンバータの容量の減少や伝達効率の低下の影響が回避されると共に、ロックアップクラッチの締結領域が拡大することにより、エンジンの燃費性能を向上することができる。また、当該自動変速機の多段化により加速性能の低下を回避することも可能である。
したがって、多段型の自動変速機に適用されるトルクコンバータとして、ロックアップクラッチの締結制御開始時のショックが少なく、かつ良好な発進加速性能等も維持され、しかも、コンパクトで、FF車における車載性に優れ、エンジンの燃費性能の向上にも寄与するトルクコンバータの実現が可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記ケースの内周部におけるエンジン側及び反エンジン側の面の最も近接した部位の外面間の軸方向寸法W1を、28≦W1≦0.05×D1+34(単位:mm)となる関係式が成立するように設定したから、トーラスの外径D1の増大に応じて寸法W1が増大するときに、その増加率が小さく、該寸法W1の増大が抑制されることになる。したがって、定格出力の大きなエンジンに適用されるトルクコンバータにおいて、前記トーラスの外径D1を240mm〜270mmの範囲内で大きな値に設定したとしても、前記軸方向寸法W1は比較的短く抑制されることになる。
そして、前記軸方向寸法W1が短く抑制されることにより、自動変速機の全長も短縮されることになる。つまり、トルクコンバータの内周部のエンジン側には、該トルクコンバータをエンジン出力軸に連結するためのクランクボルトの頭部が位置し、反エンジン側にはオイルポンプが位置するが、前記軸方向寸法W1が短く抑制されることにより、前記クランクボルトの頭部とオイルポンプとの間の軸方向の間隔を狭くすることができ、その結果、自動変速機の全長の短縮が可能となる。
これにより、トルクコンバータの軸方向寸法の増大を抑制しつつ、その性能を効果的に向上させることができるという前記請求項1の発明の効果が、広範囲の定格出力のエンジンに適用される自動変速機について、さらに充分に達成されることになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記ケースの内周部におけるエンジン側及び反エンジン側の面の最も近接した部位の外面間の軸方向寸法W1と、ケースの前記部位より外周側のエンジン側及び反エンジン側の面の最も離間した部位の外面間の軸方寸法W2との比W1/W2を0.5〜0.6の範囲内に設定したから、この比W1/W2の値が大きい場合に比べて、トルクコンバータの内周部が大きくくびれることになり、前記クランクボルトの頭部とオイルポンプとの間の軸方向の間隔を確実に狭くすることができて、前記請求項1、2に記載の発明の効果がさらに確実に達成されることになる。
なお、前記比W1/W2が0.5未満の場合は、ステータを支持するワンウエイクラッチの収納が困難になるなど、実現性が乏しく、また、0.6を超えると、自動変速機の全長の短縮効果が十分得られなくなる。
そして、請求項4に記載の発明によれば、前記ステータの内側に配設されるワンウェイクラッチを前記トーラスの中心に対して軸方向のエンジン側にオフセットさせて配設したので、ケースの反エンジン側の面の内周部を確実にエンジン側へ寄せることが可能となり、前記請求項1〜3に記載の発明と同様の効果が実現される。
また、請求項5に記載の発明によれば、容量係数及び伝達効率が小さいことによる発進加速性能等に与える影響を回避することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明によれば、低速変段の減速比を大きく設定することができるので、トルク比の減少による発進加速性能の低下等を回避することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るトルクコンバータの断面図である。 同トルクコンバータの特性を従来品と比較して示す特性図である。 トーラス外径と内径との比と容量係数との関係を示す特性図である。 本発明の第2実施形態に係るトルクコンバータの断面図である。 第1、第2実施形態に基づいて設定した寸法関係の範囲を規定する領域図である。 本発明の第3実施形態に係るトルクコンバータの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るトルクコンバータを示すもので、このトルクコンバータ1は、その外殻を形成するケース10を有し、該ケース10は、そのエンジン側の半部を構成するフロントカバー11の外周部に固設された複数のスタッドボルト12と該ボルト12に螺合されるナットAとにより、エンジンのクランクシャフトBの端部にクランクボルトCを用いて取り付けられたドライブプレートDの外周部に取り付けられ、これにより、トルクコンバータ1の全体がクランクシャフトBに連結されて、図外のエンジンにより駆動されるようになっている。
なお、以下の説明では、便宜上、エンジン側(図の右側)を前方、反エンジン側(図の左側)を後方とする。
前記トルクコンバータ1は、主たる構成要素として、ポンプ20、タービン30、ステータ40、ワンウェイクラッチ50、ロックアップクラッチ(以下「クラッチ」ともいう)60及びロックアップダンパ(以下「ダンパ」ともいう)70を有し、これらが前記ケース10内に収納されていると共に、該ケース10内には流体が充満されるようになっている。
前記ポンプ20は、ケース10の後半部を構成するポンプシェル21と、該シェル21の外周部に設けられた後方へ膨出する湾曲部21aの内部に周方向に所定間隔を隔てて配設された多数のブレード22とで構成されている。そして、ケース10と一体的に回転することにより、該ケース10内に充満されている流体を前記ブレード22と湾曲部21aの内面とで案内して、その軸心回りに旋回しながら外方から前方へ向う流体の流れaを発生させるようになっている。
なお、前記ポンプシェル21の内周端部には後方に延びるスリーブ23が設けられており、該スリーブ23の先端がトルクコンバータ1の後方に配設されたギヤ式オイルポンプEのインナギヤE’に係合されることにより、クランクシャフトBの回転によってケース10及び前記スリーブ23を介して、オイルポンプEが駆動されるようになっている。
また、前記タービン30は、外周部に前記ポンプシェル21の湾曲部21aと反対側に湾曲する湾曲部31aを有するタービンシェル31と、該シェル31の湾曲部31aの内部に周方向に所定間隔を隔てて配設された多数のブレード32と、前記シェル31の内周端部に溶接によって結合されたタービンハブ33とで構成されており、前記ポンプ20の前方側に配置されて、ケース10内に回転自在に収納されている。
そして、前記タービンシェル31のブレード32が配設された湾曲部31aと、前記ポンプシェル21のブレード22が配設された湾曲部21aとが対向配置されていることにより、前記ポンプ20の回転によって生じた流体の流れaがタービンシェル31の湾曲部31a内に導入されて、該湾曲部31aの内面とブレード32とによって内周側へ向う流れbが形成され、この流れbがブレード32を押圧することにより、タービン30が周方向に力を受け、ポンプ20と同方向に駆動されるようになっている。そして、この駆動力は、前記タービンハブ33の内周端部にスプライン嵌合されたタービンシャフトFにより、当該自動変速機の変速機構へ伝達されるようになっている。
また、前記ステータ40は、その内輪部41と外輪部42との間に、放射方向に延びる多数のブレード43を周方向に所定間隔を隔てて設けて全体を一体化した構成とされ、前記ブレード43が、前記ポンプ20におけるブレード22の内周側の端部とタービン30におけるブレード32の内周側の端部との間に位置するように配置されていることにより、タービン30を駆動した流体の流れbが該タービン30側から導入されて、各ブレード43の間を通過する流れcが形成されるようになっている。
そして、この流れcがポンプシェル21の湾曲部21aに内周側から導入されて流れaとなることにより、ポンプ20、タービン30及びステータ40の各ブレード22、32、43の間を通過して循環する流体の流れが形成され、トルクコンバータ1の全体として、この循環流が形成されるドーナッツ状の空間、即ちトーラスTが形成されるようになっている。
また、前記ワンウェイクラッチ50は、前記ステータ40を支持して該ステータ40によるトルク増大作用を実現させるもので、アウタレース51と、インナレース52と、両レース51、52の間に介設された複数のスプラグ53とを有し、アウタレース51の外周面に前記ステータ40の内輪部41の内周面が圧入されてスプライン嵌合されると共に、インナレース52は、内周面が当該自動変速機の変速ケースの一部であるオイルポンプスリーブGの先端にスプライン嵌合されることにより、変速機ケースに固定されるようになっている。
なお、前記ワンウェイクラッチ50のアウタレース51は、その前方に位置するタービンハブ33との間、及び後方に位置するポンプシェル21の内周部との間にそれぞれ配設されたスラストベアリング54、55により軸方向の位置が規制されており、これにより、前記ステータ40がポンプ20及びタービン30に対して軸方向に位置決めされている。
そして、ステータ40は、前記流体の流れcにより、ブレード43の一方の面に押圧力が作用して一方向の回転力を受けたときに、ワンウエィクラッチ50が空転することにより自由に回転し、また、ブレード43の他方の面に押圧力が作用して他方向の回転力を受けたときには、ワンウエィクラッチ50がロックすることにより固定される。このとき、トルク増大作用が発生し、エンジンからポンプ20に入力されたトルクが増大されて、タービン30からタービンシャフトFに出力される。
その場合に、トルク比が1以上となるトルク増大作用は、速度比が0から0.8〜0.9までの範囲で得られるのが通例であり、速度比0でトルク比(トルクの増大率)が最大となる(図2参照)。
一方、前記クラッチ60は、同芯状に配置されたクラッチハブ61及びクラッチドラム62と、該ハブと61とドラム62との間に配設され、これらに交互に係合された複数の摩擦板63と、前記クラッチハブ61に一体的に設けられたピストンシリンダ64に摺動自在に収納されたピストン65とを有し、前記クラッチハブ61及びピストンシリンダ64が、フロントカバー11の内面に溶接により固着されている。
そして、前記ピストンシリンダ64内におけるピストン65の背部が油圧室66とされ、該油圧室66に、前記タービンシャフトFに設けられた油穴F’から、フロントカバー11とその内面に固着されたプレート部材67との間に設けられた油路67aや、前記ピストンシリンダ64に設けられた油孔64a等を通って作動油圧が導入されたときに、ピストン65により前記複数の摩擦板63がリテーナ68側に押付けられ、該クラッチ60が締結されるようになっている。
さらに、前記ダンパ70は、スプリング保持プレート71と、該プレート71に沿って周方向に延びるように配設されるとともに一端が該プレート71に設けられたスプリング受け部71aに受け止められた複数のダンパスプリング72と、前記タービンシェル31の外周部の外面に固着されて前方へ突出し、前記ダンパスプリング72の他端を受けるスプリング受け部材73とを有する。
そして、前記保持プレート71の内周部が前記クラッチ60のドラム62に結合され、該クラッチ60が締結されたときに、フロントカバー11の回転、即ちクランクシャフトBの回転が、該クラッチ60を介してダンパ70のスプリング保持プレート71に入力され、ダンパスプリング72を圧縮しながらスプリング受け部材73からタービン30に伝達されるようになっている。
なお、前記スプリング受け部材73には、タービンシェル31に固着された基部73aの内周端部から前方に突出するストッパ部73bが設けられており、該ストッパ部73bが前記スプリング保持プレート71に設けられた周方向に長い長穴71bに突入されていることにより、該スプリング受け部材73とスプリング保持プレート71の相対回転が所定量に規制され、ダンパスプリング72の過度な圧縮が阻止されるようになっている。
ここで、このトルクコンバータ1の作用を説明すると、まず、発進時や変速時等のクラッチ60の非締結時には、エンジンのクランクシャフトBと一体的に回転するポンプ20により、トーラスT内で循環する流体を介してタービン30が駆動され、タービンシャフトFを介して変速機構に動力が伝達されることになる。その場合に、速度比が約0.8〜09以下のコンバータ領域では、ステータ40のトルク増大作用により、エンジン出力トルクが増大されて変速機構へ出力される。
また、発進時や変速時等以外の運転状態において、前記タービンシャフトFに設けられた油穴F’から油路67a、油孔64a等を介してクラッチ60の油圧室66に作動油圧を供給すれば、該クラッチ60が締結されて、ケース10のフロントカバー11とタービン30とがダンパ70を介して連結されることになり、エンジン出力トルクは、クランクシャフトBからケース10、クラッチ60及びダンパ70を介して直接タービン30に伝達されるロックアップ状態となる。このロックアップ状態では、動力は流体を介することなく変速機構へ伝達されることにより、クラッチ60の非締結時よりトルク伝達効率が向上し、エンジンの燃費性能が向上する。
そして、クラッチ60を締結する際には、該クラッチ60の締結時のショックを抑制するため、前記油圧室66に供給する油圧を制御して該クラッチ60を一旦スリップ状態とし、その後、完全に締結するのであるが、該クラッチ60の複数の摩擦板63が接触し始めてトルクの伝達が開始されたときに、ダンパ70のダンパスプリング72が圧縮されることによりトルク伝達開始時のショックが吸収され、これにより、クラッチ60が円滑に締結されることになる。
次に、このトルクコンバータ1の前記各構成要素の配置や寸法関係等と、それに伴う作用効果について説明する。
まず、前記クラッチ60は、前記フロントカバー11とタービンシェル31との間の空間における径方向の中間部において、タービンシェル31の湾曲部31aより内周側、つまりタービンシャフトFの軸心側に配置されている。その場合に、前記フロントカバー11における径方向の中間部が前方に膨出されて膨出部11aが形成されると共に、前記タービンシェル31における湾曲部31aの内周側が後方へ凹陥され、該フロントカバー11の膨出部11aとタービンシェル31の凹陥部31bとの間に、クラッチ60を収納するための軸方向スペースが確保されている。
また、前記ダンパ70は、前記フロントカバー11とタービンシェル31との間の空間の最外周部に配置され、前記クラッチ60の外側で該クラッチ60と軸方向にオーバラップした位置に配置されている。このようにクラッチ60とダンパ70とを軸方向にオーバラップさせた状態でケース10内に収納するように構成した場合には、前記クラッチ60とダンパ70とを軸方向にオフセットして配設した場合のようにトルクコンバータ1の軸方向寸法ないし当該自動変速機の全長が増大することがなく、該軸方向寸法を効果的に低減して自動変速機の全長を短縮化することができる。
その場合に、クラッチ60を内側に、ダンパ70を外側に配置したことにより、前述のように、クラッチ締結時のショックの吸収効果が増大すると共に、クラッチ締結動作開始時におけるスリップ制御を応答性よく緻密に行なうことが可能となり、該クラッチ締結時のショックが効果的に抑制されることになる。
また、前記フロントカバー11におけるクラッチ60を収納した膨出部11aの内周側は後方に凹陥され、この凹陥部11b内に前記クランクボルトCの頭部を位置させることにより、フロントカバー11ないしトルクコンバータ1の全体をエンジンに近接させることが可能とされている。
さらに、前記ステータ40の内輪部41は、外輪部42、即ち前記トーラスTの中心に対して前方へオフセットされ、これに伴ってワンウェイクラッチ50の軸方向の配設位置も前方側へ寄せられていると共に、その後方に位置するポンプシェル21の湾曲部21aの内周側が前方に凹陥されており、この凹陥部21bにより、その後方に位置するオイルポンプEをエンジン側へ寄せることが可能とされている。
そして、前記フロントカバー11の凹陥部11b内にクランクボルトCの頭部を位置させると共に、ポンプシェル21の凹陥部21bによってオイルポンプEをエンジン側へ寄せることができるように構成したため、該クランクボルトCの頭部とオイルポンプEとの軸方向の間隔を狭くすることが可能となり、これにより、当該自動変速機の全長が効果的に短縮されることになる。
さらに、トルクコンバータ1の流体が循環するトーラスTの流路の外径(ポンプ20及びタービン30のブレード22、32の先端部が位置する円周の直径)D1は、240mm〜270mmの範囲内に設定されると共に、前記トーラスTの外径D1とトーラスTの内径D2との比D1/D2が1.5〜1.6の範囲内に設定されている。
例えば前記第1実施形態に係るトルクコンバータ1では、トーラスTの外径D1及び内径D2と、その比D1/D2は以下の値に設定されている。
D1=246mm
D2=158mm
D1/D2=1.56
また、前記フロントカバー11の内周部における凹陥部11bの外面と、前記ポンプシェル21の内周部における凹陥部21bの外面との間、即ちケース10の前後の面が最も近接した部位の外面間の軸方向寸法W1と、前記フロントカバー11における膨出部11aの外面と前記ポンプシェル21における湾曲部21aの外面との間、即ちケース11の前後の面が最も離間した部位の外面間の軸方向寸法W2と、これらの比W1/W2は、以下のように設定されている。
W1=43.3mm
W2=79.0mm
W1/W2=0.55
そして、このような寸法を有する第1実施形態のトルクコンバータ1と、一般的に市販されているものであって、下記の寸法を有する比較例に係るトルクコンバータとの特性を比較すると、図2に示すようになる。
D1=236mm
D2=99mm
D1/D2=2.38
前記寸法と図2に示す特性とから、第1実施形態のトルクコンバータ1は、次のような特徴を有するということができる。
まず、前記トーラス外径D1は、トルクコンバータが適用されるエンジンの定格出力に対応させて設定された寸法であり、比較例においても略同等の値を有している。これに対して第1実施形態に係るトルクコンバータ1では、そのトーラス内径D2が比較例に比べて大きな値に設定されることにより、前記外径D1の内径D2に対する比が比較例に比べてトルクコンバータ1が小さく設定されてトーラスTが細く形成されている。この場合、図2に示すように、第1実施形態に係るトルクコンバータ1の容量係数、伝達効率及びトルク比が比較例より小さくなる。
しかし、容量係数及び伝達効率が比較例より小さくなるのは、速度比が約0.3以上の領域であるので、発進時等に速度比が比較的小さい領域でクラッチ60の締結制御(スリップ制御)を開始すれば、容量係数及び伝達効率が小さいことによる発進加速性能等に与える影響を事実上回避することができる。また、速度比が小さい領域でクラッチ60の締結制御を開始するとショックが大きくなるという問題に対しては、前述のように、クラッチ60を内側に、ダンパ70を外側に配置することによるショック吸収効果の向上によって回避可能である。
また、トルク比の低下に対しては、例えば前進6速等の多段型の自動変速機の場合には、低変速段の減速比を大きく設定することができるので、この第1実施形態のトルクコンバータ1をこのような多段型の自動変速機に用いて低変速段の減速比を大きく設定することにより、トルク比の減少による発進加速性能の低下等を回避して良好な発進加速性能を維持することができる。
その結果、このトルクコンバータ1によれば、自動変速機の全長が効果的に短縮されると共に、クラッチ締結時のショックの増大や発進加速性能の低下を招くことがなく、また、速度比が比較的小さいエンジンの低速回転領域でクラッチ60の締結を開始してロックアップ状態とすることによりエンジンの燃費性能の向上が可能となる。
さらに、トーラスTの外径D1が240mm〜270mmの範囲内に設定されたトルクコンバータにおいて、図3に示すように、前記比D1/D2が1.5以下となった領域では、当該比D1/D2が小さくなるのに応じてトルクコンバータ1の容量係数が低下しエンジンの燃費が悪化する傾向があるが、前記のように前記比D1/D2の下限値を1.5に設定することにより、トルクコンバータ1の容量係数が小さくなることに起因するエンジンの燃費が防止できるという利点がある。
また、前記トーラスTの外径D1と内径D2との比D1/D2を1.6以下に設定したため、トーラスTの内径D2が小さくなり過ぎることを防止し、前記ロックアップクラッチ60とロックアップダンパ70とを互いに軸方向にオーバラップさせた状態でケース10内において配設することができ、これにより自動変速機の全長を効果的に短縮化することができるという利点がある。
また、前記第1実施形態では、ケース10の前後の面が最も離間した部位の外面間の軸方向寸法W2に対して、該ケース10の内周部の前後の面が最も近接した部位の外面間の軸方向寸法W1の比を、比較的小さい値である0.55に設定したため、該ケース10の内周部が十分にくびれた形状として、前方に位置するクランクボルトCの頭部と後方に位置するオイルポンプEとを近接させることが可能であり、当該自動変速機の全長をさらに効果的に短縮化することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態の構成要素は前記第1実施形態と同様であり、図4に示すように、この実施形態に係るトルクコンバータ101も、外殻を形成するケース110がドライブプレートDを介してクランクシャフトBの端部に連結されるようになっていると共に、主たる構成要素として、ポンプ120、タービン130、ステータ140、ワンウェイクラッチ150、クラッチ160及びダンパ170を有し、これらが前記ケース110に収納されている。
また、前記各要素110〜170のそれぞれの構成や、これらの配置は、前記第1実施形態に係るトルクコンバータ1では、ダンパスプリング72の中心がトーラスTの外径D1に対応した位置に配設されているのに対し、第2実施形態に係るトルクコンバータ101では、ダンパスプリング72の外周部がトーラスTの外径D1に対応した位置に配設されている点を除いて、略同様に構成されている。
つまり、この第2実施形態のトルクコンバータ101においても、前記クラッチ160は、フロントカバー111とタービンシェル131との間の空間における径方向の中間部において、タービンシェル131の湾曲部131aより内側に配置されていると共に、該クラッチ160を収納するために、前記フロントカバー111における径方向の中間部に前方への膨出部111aが設けられると共に、前記タービンシェル131における湾曲部131aの内周側に後方への凹陥部131bが設けられている。
また、前記ダンパ170は、前記フロントカバー111とタービンシェル131との間の空間の最外周部に配置され、前記クラッチ160の外側で該クラッチ160と軸方向にオーバラップさせて配置されており、これにより、ケース110内にクラッチ160とダンパ170とを収納することによるトルクコンバータ101の軸方向寸法ないし当該自動変速機の全長の増大が抑制されている。
また、前記フロントカバー111におけるクラッチ160を収納した膨出部111aの内周側に凹陥部111bが設けられ、この凹陥部111b内にクランクボルトCの頭部が位置するようになっている。
さらに、前記ステータ140の内輪部141が外輪部142に対して前方へオフセットされていると共に、ワンウェイクラッチ150の軸方向の配設位置が前方へ寄せられていることにより、その後方に位置するポンプシェル121の湾曲部121aの内周側に前方への凹陥部121bが設けられ、その後方に位置するオイルポンプEをエンジン側へ寄せることが可能とされている。
そして、前記フロントカバー111の凹陥部111bにクランクボルトCの頭部を位置させることと、ポンプシェル21の凹陥部121bによってオイルポンプEをエンジン側へ寄せることとにより、前記第1実施形態のトルクコンバータ1と同様に、自動変速機の軸方向寸法が確実に短縮されることになる。
さらに、この第2実施形態に係るトルクコンバータ101においては、トーラスTの外径D1及び内径D2は以下のように設定されると共に、その比D1/D2は前記第1実施形態のトルクコンバータ1と同じ値に設定されている。
D1=265mm
D2=170mm
D1/D2=1.56
また、ケース110の前後の面が最も近接した部位の外面間の軸方向寸法W1と、最も離間した部位の外面間の軸方向寸法W2は以下のように設定されると共に、これらの比W1/W2は、は前記第1実施形態のトルクコンバータ1と同じ値に設定されている。
W1=44.2mm
W2=79.9mm
W1/W2=0.55
したがって、この第2実施形態のトルクコンバータ101によっても、第1実施形態のトルクコンバータ1と同様に、自動変速機の全長が確実に短縮されると共に、クラッチ締結時のショックの増大や発進加速性能の低下を招くことがなく、また、速度比が比較的小さい領域でクラッチを締結開始させることによりエンジンの燃費性能の向上が可能となる。
そして、前記第1、第2実施形態のトーラスTの外径D1と、ケース10、110の前後の面が最も近接した部位の外面間の軸方向寸法W1との値から下記関係式が得られる。
W1≒0.047×D1+31.7
この関係式は、当該トルクコンバータ1、100が適用されるエンジンの定格出力に対応するトーラス外径D1の増加に対して、ケース10、110の最もくびれた部位の軸方向寸法W1の増加が極めて少ないことを示し、第1、第2実施形態に係るトルクコンバータ1、101は、最も薄い部分の厚さW1がもともと薄くされているだけに限らず、定格出力の大きさに応じてトーラス外径D1が変化した場合でも、その厚さがほとんど変化しないことを意味する。
そこで、図5に示すように、本発明においては、第1、第2実施形態のトルクコンバータ1、101の寸法D1、W1を示す点X、Yに基づき、若干の幅を持たせて、以下のような関係式を設定し、トーラス外径D1に対するケース10、110の最もくびれた部位の軸方向寸法W1の範囲を図5の斜線部に示すように設定した。なお、前記寸法W1が28mm未満では、ケース10、110の基端部及びワンウェイクラッチ50のインナレース52等を設置するためのスペースを確保することができず、実現性がないので、前記範囲はW1≧28以上とした。
W1≦0.05×D1+34
この範囲内では、トーラス外径D1が180〜270の範囲で、前記寸法W1は、43〜47.5の範囲で変化するだけである。
このように、ケース10、110の内周部における最もくびれた部位の軸方向寸法W1の範囲を規定することにより、本発明によれば、前述のように、クランクボルトCの頭部とオイルポンプEとの間隔を狭くすることができ、広範囲の定格出力のエンジンに適用される自動変速機について、いずれも全長が効果的に短縮されることになる。
なお、前記第1実施形態のトルクコンバータ1(第2実施形態のトルクコンバータ101も同様)においては、ダンパ70のスプリング保持プレート71がクラッチ60のドラム62に、スプリング受け部材73がタービンシェル31にそれぞれ結合され、該ダンパ70がクラッチ60とタービン30との間に介設された構成とされているが、図6に示すトルクコンバータ201のように、ダンパ270をフロントカバー211とクラッチ260との間に介設してもよい。
つまり、図6に示す第3実施形態に係るトルクコンバータ201においては、フロントカバー211とタービンシェル231との間の空間の径方向の中間部にクラッチ260が配設されると共に、該空間の最外周部にダンパ270が配置された構成において、前記ダンパ270のダンパスプリング272を保持するスプリング保持プレート271がフロントカバー211の内面の最外周部に溶接により固着され、ダンパスプリング272の一端を受け止めるスプリング受け部材273がクラッチ260のドラム262に連結されている。
そして、該クラッチ260のハブ261と一体のピストンシリンダ264が前記タービンシェル231に溶接により固着され、ピストン265の背部に油圧室266が形成されていると共に、その内周側にプレート部材267が配設され、該プレート部材267とタービンハブ233及びタービンシェル231との間に、前記油圧室266に油圧を供給するための油路267aが形成されている。
したがって、このトルクコンバータ201においても、クラッチ260の油圧室266に作動油圧を供給すれば、ピストン265によって摩擦板263がリテーナ268側に押付けられて該クラッチ260が締結され、これにより、フロントカバー211とタービン230とが連結されることになるが、その際に、該フロントカバー211とクラッチ260との間に介設されたダンパ270のダンパスプリング272が圧縮されることにより、締結開始時のショックが吸収されることになる。
なお、このトルクコンバータ201の前記クラッチ260及びダンパ270以外の構成要素の配置や寸法関係等は前記第1実施形態に係るトルクコンバータ1と同じであり、したがって、このトルクコンバータ201によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上のように、本発明によれば、ロックアップクラッチ締結時の応答性やショックの吸収性が良く、しかもコンパクトなトルクコンバータが実現され、したがって、この種のトルクコンバータないし自動変速機、或いはこれを搭載する車両の製造技術分野において、好適に利用される可能性がある。
1、101、201 トルクコンバータ
10、110 ケース
20、120 ポンプ
30、130、230 タービン
40、140 ステータ
60、160、260 ロックアップクラッチ
70、170、270 ロックアップダンパ
T トーラス

Claims (6)

  1. エンジンの出力軸に連結されたケース内に、ポンプ、タービン及びステータで構成されるトーラスを備え、前記タービンとケースとを直結するロックアップクラッチが内周側に配設されると共に、ロックアップダンパが外周側に配設された車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータにおいて、
    前記トーラスの外径D1が240mm〜270mmの範囲内に設定されると共に、
    前記ロックアップクラッチとロックアップダンパとが互いに軸方向にオーバラップした状態で配設され、
    前記トーラスの外径D1とトーラスの内径D2との比D1/D2が1.5〜1.6の範囲内に設定されていることを特徴とする車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ。
  2. 前記ケースの内周部におけるエンジン側及び反エンジン側の面の最も近接した部位の外面間の軸方向寸法をW1としたときに、28≦W1≦0.05×D1+34(単位:mm)となる関係式が成立するように、トーラスの外径D1、寸法W1が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ。
  3. 前記ケースの内周部におけるエンジン側及び反エンジン側の面の最も近接した部位の外面間の軸方向寸法をW1とし、前記ケースの前記部位より外周側のエンジン側及び反エンジン側の面の最も離間した部位の外面間の軸方寸法をW2としたときに、前記外面間の軸方向寸法W1と外面間の軸方向寸法W2との比W1/W2が0.5〜0.6の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ。
  4. 前記ワンウェイクラッチが、前記トーラスの中心に対して軸方向のエンジン側にオフセットした位置に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ。
  5. 前記ロックアップクラッチは、前記ポンプの回転数と前記タービンの回転数とで規定される速度比が0.3以上の領域で締結制御されるものである、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ。
  6. 前記トルクコンバータは、前進6速の自動変速機に搭載されるものである、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用多板式ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ。
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