JP4537871B2 - 流体伝動装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H41/24Details
    • F16H2041/243Connections between pump shell and cover shell of the turbine

Description

本発明は,自動車等に使用されるトルクコンバータや流体継手を含む流体伝動装置に関し,特に,タービン羽根車に対置されて,それとの間に作動オイルの循環回路を画成するポンプ羽根車のポンプシェルの外周側端部に拡径部を延設し,この拡径部外周の雄嵌合面と,タービン羽根車の背面との間に循環回路に連通する油室を画成する円筒状の伝動カバーの周壁部内周の雌嵌合面とを相互に嵌合し,前記周壁部の端面と前記拡径部の外周面との間に全周に亙る第1の隅肉溶接部を形成することにより,ポンプシェル及び伝動カバーを相互に結合し,また前記周壁部の外周面に,始動用のリングギヤを前記雌嵌合面から軸方向に離間して嵌合し,このリングギヤの前記第1の隅肉溶接部側の側面と前記周壁部の外周面との間に第2の隅肉溶接部を形成することにより,前記リングギヤ及び前記周壁部を相互に結合しした流体伝動装置の改良に関する。
かゝる流体伝動装置は,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
特開2004−239365号公報
近年,かゝる流体伝動装置では,エンジンの高出力化に伴ない負荷容量の増加が要求され,それに対応してポンプシェル及び伝動カバーからなる流体容器の大径化が必要となる。しかしながら,上記流体容器が大径化すると,遠心力及び内部圧力の増加により,その周壁に作用する半径方向の荷重が大幅に増大するため,ポンプシェル及び伝動カバー間の溶接部に過大な応力が集中し易くなる。そこで,ポンプシェル及び伝動カバーの板厚を増し,それらの剛性を高めて,溶接部の応力を軽減することができるが考えられるが,そのようにすれば流体容器の重量が大幅に増加し,コスト高を招くのみならず,加速応答性等の性能の低下を来すことになる。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ポンプシェル及び伝動カバーからなる流体容器の大径化によるも,それらの板厚を特に増すことなく,ポンプシェル及び伝動カバー間の溶接部での過大な応力集中を緩和して,その耐久性の向上を図ることができるようにした前記流体伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,タービン羽根車に対置されて,それとの間に作動オイルの循環回路を画成するポンプ羽根車のポンプシェルの外周側端部に拡径部を延設し,この拡径部外周の雄嵌合面と,タービン羽根車の背面との間に循環回路に連通する油室を画成する円筒状の伝動カバーの周壁部内周の雌嵌合面とを相互に嵌合し,前記周壁部の端面と前記拡径部の外周面との間に全周に亙る第1の隅肉溶接部を形成することにより,ポンプシェル及び伝動カバーを相互に結合し,また前記周壁部の外周面に,始動用のリングギヤを前記雌嵌合面から軸方向に離間して嵌合し,このリングギヤの前記第1の隅肉溶接部側の側面と前記周壁部の外周面との間に第2の隅肉溶接部を形成することにより,前記リングギヤ及び前記周壁部を相互に結合した流体伝動装置において,前記第1及び第2の隅肉溶接部間の前記周壁部の内周面に,両内側面と底面とを連続した曲面で構成した環状の凹部を,前記雌嵌合面と隣接するように形成して,この凹部に対応する伝動カバーの部分を,該部分により,前記ポンプ羽根車の回転時,前記第1の隅肉溶接部に発生する応力を分散させるべく,該部分の両側の部分より肉厚が薄い環状薄肉部となし,前記拡径部の端部に,前記凹部を内周側から覆って該凹部を袋状の異物溜まりにする環状の覆い壁を延設し,この覆い壁の外周面に前記凹部に臨む環状の肉抜き部を形成し,この覆い壁の先端側で前記異物溜まりを前記油室に連通したことを特徴とする。
尚,前記流体伝動装置は,後述する本発明の実施例中のトルクコンバータTに対応する。
本発明の特徴によれば,第1及び第2の隅肉溶接部間の伝動カバーの周壁部の内周面に,環状の凹部を雌嵌合面と隣接するように形成して,この凹部に対応する伝動カバーの部分を,該部分により,ポンプ羽根車の回転時,前記第1の隅肉溶接部に発生する応力を分散させるべく,該部分の両側の部分より肉厚が薄い環状薄肉部となしたので,ポンプシェル及び伝動カバーに,遠心力及び内部圧力による半径方向の大なる荷重が加わっても,前記環状薄肉部が適度に撓むことにより,第1の隅肉溶接部から環状薄肉部に応力が分散することになり,第1の隅肉溶接部での過大応力の集中を効果的に緩和することができ,ポンプシェル及び伝動カバーの板厚を増すことなく,その耐久性の向上を図ることができる。
しかも前記凹部の両内側面と底面とを,連続した曲面で構成したので,前記環状薄肉部全体に応力を分散させて,該薄肉部の強度低下を防ぐことができ,更に環状薄肉部に隣接する雌嵌合面では周壁部の肉厚の減少はないから,第1の隅肉溶接部の溶接代を充分に確保し得て,第1の隅肉溶接部の強度を高めることができる。
また,ポンプシェルの拡径部の端部には,前記凹部を内周側から覆って該凹部を袋状の異物溜まりにする環状の覆い壁を延設し,この覆い壁の先端側で前記異物溜まりを前記油室に連通したので,前記凹部を異物溜まりに利用して,流体伝動装置の作動中,作動オイルから遠心分離された異物を捕捉することができる。
しかも前記覆い壁の外周面に,前記凹部に臨む環状の肉抜き部を形成したので,前記異物溜まりの容積を増加させることができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る自動車用トルクコンバータの上半部縦断側面図,図2は図1の2部拡大図である。
図1において,自動車用のトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置されるステータ羽根車4とを備え,これら羽根車2,3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循環回路6が画成される。ポンプ羽根車2のシェル,即ちポンプシェル2sには,タービン羽根車3の外側面を覆う伝動カバー5が次のように結合される。
図2に明示するように,ポンプシェル2sは,その外周端から半径方向外方に延びてタービン羽根車3の外周面を覆う円筒状の拡径部2saを一体に有しており,この拡径部2saの外周には,雄嵌合面45と,この雄嵌合面45の内端から立ち上がる環状の位置決め段部46とが形成される。一方,伝動カバー5はポンプシェル2sより板厚が厚くなっており,上記拡径部2sa側に開口する円筒状の周壁部5aを有する。この周壁部5aの内周には,その外端に連なる雌嵌合面47と,この雌嵌合面47の内端に隣接する環状の凹部48とが形成され,周壁部5aの,この凹部48に対応する部分は,肉厚が凹部48の両側部分のよりも薄い環状薄肉部49となる。上記凹部48の両側面及び底面は連続した曲面で構成されている。
而して,ポンプシェル2s及び伝動カバー5の結合に際しては,ポンプシェル2sの拡径部2saの雄嵌合面45と,伝動カバー5の周壁部5aの雌嵌合面47とを相互に嵌合して,拡径部2saの位置決め段部46に周壁部5aの先端面を当接させる。しかる後,周壁部5aの先端面と拡径部2saの外周面と間に全周に亙る第1の隅肉溶接部52を形成する。こうしてポンプシェル2s及び伝動カバー5は相互に結合される。
また拡径部2saには,凹部48を内周側から覆って,その内部を異物溜まり51とする円筒状の覆い壁50が延設されており,上記異物溜まり51は,覆い壁50の先端側で伝動カバー5の内部と連通している。
再び図1において,伝動カバー5は,周壁部5aの外端から半径方向内方に直角に屈曲した外周環状側壁部5bと,この外周環状側壁部5bの内周端から中心側に向かうに従いタービン羽根車3側に近接する円錐状側壁部5cと,この円錐状側壁部5cの内周端から半径方向内方に外周環状側壁部5bと平行に延びる内周環状側壁部5dと,この内周環状側壁部5dの内周端に溶接により連設されるキャップ状のカバーハブ5hとを備えており,円錐状側壁部5cは,中間部に環状段部を全く持たない。またカバーハブ5hは,閉じた先端部を外周環状側壁部5bの外側面より軸方向外方に突出するように配置される。
伝動カバー5の外周環状側壁部5bの内側面は,切削加工により環状の駆動摩擦面35に形成される。また伝動カバー5の外側面には,前記円錐状側壁部5cにより,カバーハブ5hを囲繞する円錐状の凹部5fが画成される。
伝動カバー5の周壁部5aの,前記雌嵌合面47から軸方向に離間した外周面には,前記環状薄肉部49(図2参照)と外周環状側壁部5bとの間で始動用のリングギヤ7が嵌合して,このリングギヤ7の第1の隅肉溶接部52側の側面と前記周壁部5aの外周面との間に第2の隅肉溶接部53を形成することにより,前記リングギヤ7及び前記周壁部5aが相互に結合され,このリングギヤ7に,エンジンのクランク軸1の端面にボルト9で結合した駆動板8がボルト9′で固着される。その結果,前記環状の凹部48は第1及び第2の隅肉溶接部52,53間の前記周壁部5aの内周面に位置することになる。駆動板8は,概ね伝動カバー5の外側面に沿うように形成されており,クランク軸1の端部及びボルト9の頭部は,伝動カバー5外側面の前記凹部5fに受容される。特に,凹部5fの最深部にボルト9の頭部が配置される。またクランク軸1の端面には,袋状の位置決め孔1aが設けられており,この位置決め孔1aに前記カバーハブ5hが嵌合される。
タービン羽根車3のハブ,即ちタービンハブ3hと伝動カバー5との間にスラストニードルベアリング26が介裝される。
トルクコンバータTの中心部にクランク軸1と同軸上に出力軸10が配置される。この出力軸10は,図示しない多段変速機の主軸となるもので,これにタービンハブ3hがスプライン嵌合される。また出力軸10の端部は,軸受ブッシュ23を介してカバーハブ5hに回転自在に支承される。
出力軸10の外周には,ステータ羽根車4のハブ4h(以下,ステータハブ4hという。)をフリーホイール11を介して支承する中空円筒状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及びステータ軸12間には,それらの相対回転を許容する軸受ブッシュ13が介裝される。ステータ軸12の外端部はミッションケース14に回転不能に支持される。
フリーホイール11は,ステータハブ4hの内周面に圧入により結合されるアウタレース15と,ステータ軸12の外周にスプライン結合されるインナレース16と,これらレース15,16間に介裝される環状配列のスプラグ17,17…群とからなっている。ステータ羽根車4は,Al合金等の軽合金製であり,そのステータハブ4hの内周面に圧入されるアウタレース15は鋼鉄製である。このアウタレース15の一端面を支承すると共にスプラグ17,17…群の一端面に対向する端壁27がステータハブ4hに一体に形成され,この端壁部27とポンプ羽根車2のポンプハブ2hとの間にスラストニードルベアリング29が介装される。
またステータハブ4h内には,アウタレース15の外端面に当接すると共にスプラグ17,17…群の他端面に対向する押さえ板28が配置され,この押さえ板28とタービンハブ3hとの間にスラストニードルベアリング29′が介装される。
ステータ軸12の外周には,ポンプ羽根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータTに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動されるようになっている。
タービン羽根車3及び伝動カバー5には,前記循環回路6と外周部で連通するクラッチ油室22画成され,このクラッチ油室22には,タービン羽根車3及び伝動カバー5間を直結し得るロックアップクラッチLが設けられる。即ち,ロックアップクラッチLの主体をなすクラッチピストン25が,クラッチ油室22をタービン羽根車3側の内側室22aと伝動カバー5側の外側室22bとに区画するようにクラッチ油室22に配置される。
クラッチピストン25は,伝動カバー5の周壁部5aの内周面に近接する円筒状のリム部25aと,このリム部25aの外端から半径方向内方へ直角に屈曲した外周環状側壁部25bと,この外周環状側壁部25bの内周端から中心部に向かう従いタービン羽根車3に近接する円錐状側壁部25cと,この円錐状側壁部25cの内周端から半径方向内方に外周環状側壁部25bと平行に延びる内周環状側壁部25dと,この内周環状側壁部25dの内周端に溶接されるピストンハブ25hとから構成され,このクラッチピストン25はタービン羽根車3の外側面に可及的に近接配置され,またこのクラッチピストン25の外周環状側壁部25b,円錐状側壁部25c及び内周環状側壁部25dに,前記伝動カバー5の外周環状側壁部5b,円錐状側壁部5c及び内周環状側壁部5dがそれぞれ近接して対向するように配置される。
クラッチピストン25の外周環状側壁部25bの外側面には,前記駆動摩擦面35に対向する環状の摩擦ライニング36が接着により形成されており,クラッチピストン25は,その摩擦ライニング36を駆動摩擦面35に圧接させる接続位置と,その駆動摩擦面35から離間する非接続位置との間を移動し得るように,ピストンハブ25hをタービンハブ3hの外周面に摺動可能に支承されている。
クラッチピストン25のリム部25a内には,クラッチピストン25及びタービン羽根車3間を緩衝的に連結する公知のトルクダンパDが配設される。
出力軸10の中心部には,横孔24及びスラストニードルベアリング26を介してクラッチ油室22の外側室22bに連通する第1油路40が設けられる。また補機駆動軸20とステータ軸12との間には,前記スラストニードルベアリング29を介して循環回路6の内周部に連通する第2油路41が画成され,これら第1油路40及び第2油路41は,ロックアップ制御弁42により,オイルポンプ21の吐出側とオイル溜め43とに交互に接続されるようになっている。
次に,この実施例の作用について説明する。
エンジンのアイドリングないし極低速運転域では,ロックアップ制御弁42は,図1に示すように,第1油路40をオイルポンプ21の吐出側に接続する一方,第2油路41をオイル溜め43に接続するように,図示しない電子制御ユニットにより制御される。したがって,エンジンのクランク軸1の出力トルクが駆動板8,伝動カバー5,ポンプ羽根車2へと伝達して,それを回転駆動し,更にオイルポンプ21をも駆動すると,オイルポンプ21の吐出作動オイルがロックアップ制御弁42から第1油路40,横孔24及びスラストニードルベアリング26,クラッチ油室22の外側室22b,内側室22aを順次経て循環回路6に流入し,該回路6を満たした後,スラストニードルベアリング29を経て第2油路41に移り,ロックアップ制御弁42からオイル溜め43に還流する。
而して,クラッチ油室22では,上記のような作動オイルの流れにより外側室22bの方が内側室22aよりも高圧となり,その圧力差によりクラッチピストン25が伝動カバー5の駆動摩擦面35から離れる方向へ押圧されるので,ロックアップクラッチLは非接続状態となっており,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の相対回転を許容している。したがって,クランク軸1からポンプ羽根車2が回転駆動されると,循環回路5を満たしている作動オイルが矢印のように循環回路5を循環することにより,ポンプ羽根車3の回転トルクをタービン羽根車4に伝達し,出力軸10を駆動する。
このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ羽根車4に負担され,ステータ羽根車4は,フリーホイール11のロック作用により,即ちスプラグ17,17…群がアウタレース15及びインナレース16の相対回転を阻止するように両レース15,16間にロックされることにより,ステータ軸12に連結,固定される。
トルク増幅作用を終えると,ステータ羽根車4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイール11が空転すること,即ちスプラグ17,17…群が両レース15,16の相対回転を許容することでポンプ羽根車2及びタービン羽根車3と共に同一方向へ回転するようになる。
トルクコンバータTがこのようなカップリング状態となったところで,電子制御ユニットによりロックアップ制御弁42を切換える。その結果,オイルポンプ21の吐出作動オイルは,先刻とは反対に,ロックアップ制御弁42から第2油路41を経て循環回路6に流入して,該回路6を満たした後,クラッチ油室22の内側室22aに移って,該内側室22aをも満たす。一方,クラッチ油室22の外側室22bは,第1油路40及びロックアップ制御弁42を介してオイル溜め43に開放されるので,クラッチ油室22では,内側室22aの方が外側室22bよりも高圧となり,クラッチピストン25は,その圧力差により伝動カバー5側に押圧され,摩擦ライニング36を伝動カバー5の駆動摩擦面35に圧接させ,ロックアップクラッチLは接続状態となる。すると,クランク軸1からポンプ羽根車2に伝達した回転トルクは,伝動カバー5からクラッチピストン25,トルクダンパDを介してタービン羽根車3に機械的に伝達することになるから,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車4は直結の状態となり,クランク軸1の出力トルクを出力軸10に効率良く伝達することができ,燃費の低減を図ることができる。
トルクコンバータTのこのような作動中,ポンプシェル2s及び伝動カバー5の特に拡径部2sa及び周壁部5aには,遠心力及び内部圧力による半径方向の大なる荷重が加わり,ポンプシェル2s及び伝動カバー5間の第1の隅肉溶接部52に応力が集中しようとするが,第1及び第2の隅肉溶接部52,53間の伝動カバー5の周壁部5a内周面には,雌嵌合面47と隣接するようにして環状の凹部48が形成され,この凹部48に対応する伝動カバー5の部分が,該部分により,ポンプ羽根車2の回転時,第1の隅肉溶接部52に発生する応力を分散させるべく,該部分の両側の部分より肉厚が薄い環状薄肉部49とされているので,ポンプシェル2s及び伝動カバー5に,遠心力及び内部圧力による半径方向の大なる荷重が加わっても,この環状薄肉部49が適度に撓むことにより,第1の隅肉溶接部52から環状薄肉部49に応力が分散することになり,第1の隅肉溶接部52での過大応力の集中を効果的に緩和することができ,ポンプシェル2s及び伝動カバー5の板厚を増すことなく,その耐久性の向上を図ることができる。
しかも環状薄肉部49に隣接する雌嵌合面47では周壁部5aの肉厚の減少はないから,第1の隅肉溶接部52の溶接代を充分に確保し得て,第1の隅肉溶接部52の強度を高めることができる。
また前記凹部48の両内側面と底面とは,連続した曲面で構成されるので,前記環状薄肉部49全体に応力を分散させて,該薄肉部49の強度低下を防ぐことができる。
またポンプシェル2sの拡径部2saの端部には,前記凹部48を内周側から覆って該凹部48を袋状の異物溜まり51にする環状の覆い壁50が延設され,この覆い壁50の先端側で前記異物溜まり51がクラッチ油室22に連通されるので,凹部48を異物溜まり51に利用して,トルクコンバータTの作動中,作動オイルから遠心分離された異物を捕捉することができる。
しかも前記覆い壁50の外周面には,前記凹部48に臨む環状の肉抜き部50aが形成されるので,前記異物溜まりの容積を増加させることができる。
また伝動カバー5には,駆動摩擦面35を形成した外周環状側壁部5bとカバーハブ5hとの間を接続する,外周環状側壁部5bからカバーハブ5hに向うに従いタービン羽根車3に近接する円錐状側壁部5cが設けられ,その間には環状段部が存在しないから,大容量のロックアップクラッチL及びトルクダンパDを収容すべく伝動カバー5を大径に形成する場合でも,その耐圧性が高く,内部の高油圧による伝動カバー5の軸方向の膨出変形を極力小さく抑えることができ,また応力集中を効果的に回避することができる。
しかも上記円錐状側壁部5cの外側面により画成される円錐状凹部5fには,クランク軸1の端部が受容されるのみならず,特に,該凹部5fの最深部には,クランク軸1の端面に駆動板8を結合するボルト9の頭部が収められるので,ボルト9の比較的背丈の高い頭部を採用して駆動板8のクランク軸1への大なる緊締力を確保しながら,トルクコンバータT及びエンジンの組立体の軸方向寸法の短縮化を図ることができ,その組立体のコンパクト化に寄与し得る。
またキャップ状のカバーハブ5hは,閉じた先端部を外周環状側壁部5bの外側面より軸方向外方に突出させていて,クランク軸1の端面中心部の袋状の位置決め孔1aに嵌合されているから,クランク軸1端部の凹部5fへの突入と相俟ってカバーハブ5hと位置決め孔1aとの嵌合深さを充分に確保することができる。
ロックアップクラッチLのクラッチピストン25には,環状の摩擦ライニング36を形成した外周環状側壁部25bとピストンハブ25hとの間を接続する,円錐角度を前記伝動カバー5の円錐状側壁部5cと略同じくする円錐状側壁部25cが設けられるので,伝動カバー5を,クラッチピストン25と共に,タービン羽根車3に極力近接して配置することが可能となり,トルクコンバータTのコンパクト化を図ることができる。
また伝動カバー5に前記円錐状側壁部5cを設けたことで,伝動カバー5の外周部内側には,タービン羽根車3に干渉されない比較的大きな環状スペースをつくることができ,このスペースを利用して,比較的大容量のロックアップクラッチLの摩擦係合部とトルクダンパDを配設することができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
本発明の実施例に係る自動車用トルクコンバータの上半部縦断側面図。 図1の2部拡大図。
T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ)
2・・・・・・ポンプ羽根車
2s・・・・・ポンプシェル
2sa・・・・拡径部
3・・・・・・タービン羽根車
5・・・・・・伝動カバー
5a・・・・・周壁部
5b・・・・・側壁部(外周環状側壁部)
7・・・・・・リングギヤ
22・・・・・油室(クラッチ油室)
45・・・・・雄間面
47・・・・・雌間面
48・・・・・凹部
49・・・・・環状薄肉部
50・・・・・覆い壁
50a・・・・肉抜き部
51・・・・・異物溜まり
52・・・・・第1の隅肉溶接部
53・・・・・第2の隅肉溶接部

Claims (1)

  1. タービン羽根車(3)に対置されて,それとの間に作動オイルの循環回路(6)を画成するポンプ羽根車(2)のポンプシェル(2s)の外周側端部に拡径部(2sa)を延設し,この拡径部(2sa)外周の雄嵌合面(45)と,タービン羽根車(3)の背面との間に循環回路(6)に連通する油室(22)を画成する円筒状の伝動カバー(5)の周壁部(5a)内周の雌嵌合面(47)とを相互に嵌合し,前記周壁部(5a)の端面と前記拡径部(2sa)の外周面との間に全周に亙る第1の隅肉溶接部(52)を形成することにより,ポンプシェル(2s)及び伝動カバー(5)を相互に結合し,また前記周壁部(5a)の外周面に,始動用のリングギヤ(7)を前記雌嵌合面(47)から軸方向に離間して嵌合し,このリングギヤ(7)の前記第1の隅肉溶接部(52)側の側面と前記周壁部(5a)の外周面との間に第2の隅肉溶接部(53)を形成することにより,前記リングギヤ(7)及び前記周壁部(5a)を相互に結合した流体伝動装置において,
    前記第1及び第2の隅肉溶接部(52,53)間の前記周壁部(5a)の内周面に,両内側面と底面とを連続した曲面で構成した環状の凹部(48)を,前記雌嵌合面(47)と隣接するように形成して,この凹部(48)に対応する伝動カバー(5)の部分を,該部分により,前記ポンプ羽根車(2)の回転時,前記第1の隅肉溶接部(52)に発生する応力を分散させるべく,該部分の両側の部分より肉厚が薄い環状薄肉部(49)となし,前記拡径部(2sa)の端部に,前記凹部(48)を内周側から覆って該凹部(48)を袋状の異物溜まり(51)にする環状の覆い壁(50)を延設し,この覆い壁(50)の外周面に前記凹部(48)に臨む環状の肉抜き部(50a)を形成し,この覆い壁(50)の先端側で前記異物溜まり(51)を前記油室(22)に連通したことを特徴とする流体伝動装置。
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