JP4167473B2 - トルクコンバータ - Google Patents
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- F16H41/00—Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,入力軸上でポンプハブが軸方向移動を規制されるポンプ羽根車と,入力軸の外周に相対回転可能に支承されるステータ軸にステータハブを連結するステータ羽根車と,前記ステータ軸の外周にタービンハブをボールベアリングを介して支承させるタービン羽根車とを備え,前記ポンプ羽根車に連設されて前記タービン羽根車の背面を覆うサイドカバーのハブと,これを相対回転可能に支承する前記タービンハブとの間に,タービンハブ側からサイドカバーのハブ側への逆負荷のみの伝達を可能にする一方向クラッチを介裝し,前記タービンハブの外端には前記ステータ軸の外周に相対回転可能に支承される出力ギヤを連結したトルクコンバータに関し,特に,前記出力ギヤのスラスト荷重に対応する支持構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるトルクコンバータは,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−241530号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝるトルクコンバータでは,入力軸にポンプ羽根車を軸方向移動不能に結合し,サイドカバーのハブとタービンハブとを,その間に介裝されるボールベアリングを介して互いに軸方向移動不能に連結し,上記タービン軸の外端に出力ギヤを固着して,出力ギヤに作用するスラスト荷重を前記ボールベアリングに受け止めさせていた。
【0005】
しかしながら,こうした構造では,前記ボールベアリングは,エンジンの減速時と加速時とで力の作用方向を反転させる出力ギヤのスラスト荷重を常に受けることになるから,荷重負担が極めて大きい。そこで,前記ボールベアリングは,上記スラスト荷重に耐える得るよう,大容量型のものを採用する必要があるが,そうしたボールベアリングは必然的に大径となり,その上,前記一方向クラッチと軸方向に隣接して配置されることになるため,サイドカバーのハブの軸方向寸法を長く設定することを余儀なくされ,トルクコンバータのコンパクト化を困難にしていた。
【0006】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,出力ギヤに作用するスラスト荷重に充分に耐え,しかもサイドカバーのハブの軸方向寸法の短縮化を可能にした前記トルクコンバータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,入力軸上でポンプハブが軸方向移動を規制されるポンプ羽根車と,入力軸の外周に相対回転可能に支承されるステータ軸にステータハブを連結するステータ羽根車と,前記ステータ軸の外周にタービンハブをボールベアリングを介して支承させるタービン羽根車とを備え,前記ポンプ羽根車に連設されて前記タービン羽根車の背面を覆うサイドカバーのハブと,これを相対回転可能に支承する前記タービンハブとの間に,タービンハブ側からサイドカバーのハブ側への逆負荷のみの伝達を可能にする一方向クラッチを介裝し,前記タービンハブの外端には前記ステータ軸の外周に相対回転可能に支承される出力ギヤを連結したトルクコンバータにおいて,入力軸上で軸方向移動を規制されるフリーホイールの外筒を前記ステータ軸の外端に,前記出力ギヤの外端面に隣接して形成すると共に,該外筒の端面を前記出力ギヤの歯底の径を越えて前記出力ギヤの外端面に対峙させ,軸方向に順次隣接する前記ステータハブ,ボールベアリング,タービンハブ及び出力ギヤの全体の軸方向両端を,前記ポンプハブと,前記フリーホイールの外筒とにそれぞれ第1及び第2ニードルベアリングを介して支承させ,前記第2ニードルベアリングは,その内径が前記ステータ軸の外径に略等しく,且つその外径が前記外筒の端面の外径に略等しい大きさとし,前記サイドカバーのハブと前記タービンハブとの間にはボールベアリングを介在させないことを特徴とする。
【0008】
尚,前記入力軸及びポンプハブは,後述する本発明の実施例中のクランク軸1及び共通ハブ11にそれぞれ対応する。
【0009】
上記特徴によれば,エンジンブレーキ時とエンジンの加速時に,出力ギヤに作用するスラスト荷重が外筒側からポンプハブ側へ,あるいはポンプハブ側から外筒側へと作用方向を変えても,軸方向に順次隣接するステータハブ,ボールベアリング,タービンハブ及び出力ギヤの全体の両端が,ポンプハブ及びステータ軸の外端に出力ギヤの外側面に隣接して形成された上記外筒により,第1及び第2スラストニードルベアリングを介して支承されることで,出力ギヤの回転を何等妨げることなく,上記スラスト荷重を第1及び第2スラストニードルベアリングに交互に分担させることができ,したがって第1及び第2スラストニードルベアリングのスラスト荷重負担は比較的少なく,それらの耐用寿命を延ばすことができる。しかもタービンハブとサイドカバーのハブとの間には,前記一方向クラッチに隣接して,従来のような大容量のボールベアリングを介裝させないから,サイドカバーのハブの軸方向寸法,延いてはトルクコンバータの軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な一実施例に基づいて以下に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施例に係る小型車両用動力伝達装置の縦断面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は出力ギヤの製造方法説明図である。
【0012】
図1において,小型車両のエンジンEのクランクケース2にラジアルボールベアリング4を介して支承されるクランク軸1上には,上記ラジアルボールベアリング4の外側方で,軸端側から遠心クラッチC,トルクコンバータT及び出力ギヤ3が順次配設される。
【0013】
先ず,遠心クラッチCの構成について,図2をも参照しながら説明する。
【0014】
遠心クラッチCは,クランク軸1に端部にハブ5hがスプライン結合される駆動板5と,この駆動板5に枢軸7,7を介して揺動可能に支持される一対のクラッチシュー6,6と,両クラッチシュー6,6間に接続されて,それらを縮径方向に付勢する一対の戻しバネ8,8と,両クラッチシュー6,6を取り囲むように配置される有底円筒状の出力ドラム9とから構成される。
【0015】
出力ドラム9は,その開放面をトルクコンバータTと反対側に向けて配置され,それの端壁部9aが,クランク軸1にラジアルボールベアリング10を介して支承されるハブ11の外周に嵌合して溶接される。このハブ11は,後述するポンプ羽根車20と共有するものであるので,以下,これを共通ハブと呼ぶ。
【0016】
クラッチシュー6,6の外周面には出力ドラム9の内周面に摺接可能な摩擦ライニング6aが接着されている。また駆動板5には,クラッチシュー6,6の縮径を規制すべく,それらの内周部に当接するストッパ12,12が設けられる。クラッチシュー6,6の重量及び戻しバネ8,8のセット荷重は,クランク軸1がアイドリング回転数を超えた所定回転数以上で回転したとき,遠心力の作用でクラッチシュー6,6が拡径して,摩擦ライニング6aを出力ドラム9の内周面に圧接し得るように設定される。
【0017】
共通ハブ11は,前記ラジアルボールベアリング10より出力ドラム9の内方に張り出して駆動板5のハブ5hを囲繞する円筒状の張り出し部11aを有しており,この張り出し部11aをクラッチアウタとして,駆動板5のハブ5hとの間に一方向クラッチ13が構成される。即ち,その一方向クラッチ13は,張り出し部11aと,駆動板5のハブ5hの外周のスプライン結合されるクラッチインナ14との間に環状配列の多数のスプラグ,ローラ等のクラッチ素子15を介装して構成され,この一方向クラッチ13は,共通ハブ11側から駆動板5側,即ちクランク軸1側への一方向のみ動力伝達を可能にする。
【0018】
駆動板5のハブ5hと前記ラジアルボールベアリング10のインナレースとは,クランク軸1外周面の環状肩部16と,クランク軸1の端部に螺着,緊締されるナット17とにより,クランク軸1上に固定される。また共通ハブ11は,その内周の環状肩部11bを前記ラジアルボールベアリング10のアウタレースに当接させていて,クランク軸1の軸端方向への軸方向移動が規制される。
【0019】
次に,トルクコンバータTの構成について説明する。
【0020】
再び図1において,トルクコンバータTは,ポンプ羽根車20と,その外周部に外周部を対置させるタービン羽根車21と,それらの内周部間に配置されるステータ羽根車22とからなっており,これら三羽根車20,21,22間には作動オイルによる動力伝達のための循環回路19が画成される。
【0021】
ポンプ羽根車20のシェル20sは,前記共通ハブ11の外周に嵌合して溶接される。こうして,ポンプ羽根車20と遠心クラッチCの出力ドラム9とは共通ハブ11を介して同軸に一体に結合されて,単一部品を構成する。
【0022】
ステータ羽根車22のハブ,即ちステータハブ22hには,その一端面側から鋼製のスリーブ23が圧入されており,このスリーブ23が,クランク軸1の外周に相対回転可能に嵌合する中空円筒状のステータ軸24(鋼製)の一端にスプライン結合される。
【0023】
而して,鋼製の圧入スリーブ23にステータ軸24をスプライン結合することにより,ステータ羽根車22とステータ軸24との結合部の耐久性を高めることができる。
【0024】
ステータ軸24とクランク軸との間には,左右一対のラジアルニードルベアリング25,25′が介装される。またステータハブ22hと前記共通ハブ11との間には第1スラストニードルベアリング26が介裝される。
【0025】
タービン羽根車21のシェル21sに溶接されるタービンハブ21hは,ステータ軸24の外周にラジアルボールベアリング27を介して支承される。
【0026】
前記出力ギヤ3は,タービンハブ21hに連結されると共に,ステータ軸24の外周にラジアルニードルベアリング28を介して支承されるものである。この出力ギヤ3には,伝動歯部3aと,それより幅狭で小径の連結歯部3bとが軸方に並んで形成されており,その連結歯部3bが,上記タービンハブ21hの外端部に形成された内歯ギヤ29に嵌合され,これにより出力ギヤ3及びタービンハブ21h間が連結される。伝動歯部3aには,変速機の入力軸(図示せず)に連結される被動ギヤ30が噛合される。上記内歯29は,切削や鍛造等により形成される。
【0027】
ポンプ羽根車20のシェル20sの外周端には,タービン羽根車21の背面を覆うサイドカバー31が溶接して連設される。このサイドカバー31のハブ31hは,タービンハブ21hを囲繞するように配置され,この両ハブ31h,21h間に環状配列の多数のスプラグ,ローラ等のクラッチ素子32を介装して一方向クラッチ33が構成される。この一方向クラッチ33は,タービン羽根車21側からサイドカバー31側,即ちポンプ羽根車20側への一方向のみ動力伝達を可能にする。
【0028】
また上記両ハブ31h,21h間には,一方向クラッチ33の外側に隣接するシール兼軸受スリーブ35が介装される。
【0029】
ステータ軸24には,出力ギヤ3の外端面に隣接する外筒36が,その端面を前記出力ギヤ3の歯底の径を越えて前記出力ギヤ3の外端面に対峙させながら一体に形成され,これら出力ギヤ3及び外筒36間に,その内径が前記ステータ軸の外径に略等しく,且つその外径が前記外筒36の端面の外径に略等しい大きさの第2スラストニードルベアリング26′が介装される。この外筒36内には,クランク軸1にニードルベアリング38を介して相対回転自在に支承される内筒39が配置され,これら内,外筒39,36間に環状配列の多数のスプラグ,ローラ等のクラッチ素子40を介装してフリーホイール41が構成される。内筒39は,その一端にフランジ39aを有しており,このフランジ39aから側方に突出した突起42がクランクケース2に設けられたストッパ溝43に係止されると共に,スペーサを兼ねる補機駆動用ギヤ44及びワッシャ45を介して前記ラジアルボールベアリング4のインナレース端面に支承される。またステータ軸24はスラストワッシャ46を介して上記内筒39の端面に支承される。こうしてステータ軸24及びそれと一体の外筒36はクランクケース2側への軸方向移動を阻止される。
【0030】
一方,共通ハブ11は,前述のようにラジアルボールベアリング10のアウタレースによりクランク軸1の軸端方向への軸方向移動が規制されているので,互いに軸方向に隣接するステータハブ22h,スラストボールベアリング27,タービンハブ21h及び出力ギヤ3の全体の軸方向両端は,それぞれ第1及び第2スラストニードルベアリング26,26′を介して共通ハブ11及び外筒36によって支承されることになり,クランクケース2側及びクランク軸1軸端側の両方向への軸方向移動が規制される。
【0031】
また前記ステータ軸24及び内筒39間のスラストワッシャ46は,軸方向に隣接する前記ニードルベアリング25,38間に,それらの相互干渉を防ぐべく介入している。
【0032】
クランク軸1の中心部には,図示しないオイルポンプの吐出ポートに連なる上流油路50と,エンジンEの潤滑部に連なる下流油路51とが隔壁52を挟んで形成され,またこれら上流油路50及び下流油路51から放射状に延びる入口孔53及び出口孔54がクランク軸1に穿設される。その入口孔53は,スラストニードルベアリング26を介して循環回路19に連通し,出口孔54は,ステータ軸24の通孔55,並びに前記スリーブ23及びラジアルボールベアリング27間を介して下流油路51に連通する。したがってエンジンEの運転中,循環回路19は,上流油路50から入口孔53を通して供給されるオイルで満たされ,循環回路19から出口孔54を通して下流油路51に排出されるオイルによってエンジンEの各部が潤滑される。
【0033】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0034】
クランク軸1のアイドリング回転時には,クラッチシュー6,6は戻しバネ8,8のセット荷重によりストッパ12,12に当接する縮径位置に保持され,その摩擦ライニング6aを出力ドラム9の内周面から離間させているので,遠心クラッチCはオフ状態を保つ。
【0035】
クランク軸1がアイドリング回転数を超えた所定値以上の回転数で回転するようになると,クラッチシュー6,6が遠心力により戻しバネ8,8のセット荷重に抗して拡径方向に揺動し,摩擦ライニング6aを出力ドラム9の内周面に圧接させるようになると,遠心クラッチCはクラッチオン状態となる。したがってクランク軸1の回転が出力ドラム9から出力され,トルクコンバータTのポンプ羽根車20に伝達され,車両の発進が開始される。
【0036】
出力ドラム9によりポンプ羽根車20が回転されると,循環回路19を満たしている作動オイルは,図1の矢印のように,ポンプ羽根車20→タービン羽根車21→ステータ羽根車22→ポンプ羽根車20と循環しながらポンプ羽根車20の回転トルクをタービン羽根車21に伝達し,タービンハブ21hから出力ギヤ3に,更に図示しない変速機を経て車両の駆動車輪へと伝達して,それを駆動する。このとき,ポンプ羽根車20及びタービン羽根車21間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ羽根車22に負担されるが,ステータ羽根車22は,フリーホイール41のロック作用により,内筒39の突起42を介してクランクケース2により回転を阻止される。
【0037】
トルク増幅作用を終えると,ステータ羽根車22は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイール41を空転させながらポンプ羽根車20及びタービン羽根車21と共に同一方向へ回転するようになる。
【0038】
車両の減速時,逆負荷が出力ギヤ3からタービンハブ21hに伝達されると,一方向クラッチ33が接続状態となって,タービンハブ21h及びサイドカバー31間を直結するので,上記逆負荷はタービンハブ21hからサイドカバー31へ直接伝達される。そして更にポンプ羽根車20から共通ハブ11に伝達されると,一方向クラッチ13が接続状態となって,共通ハブ11及び駆動板5間を直結させるので,遠心クラッチCがオフ状態になっている場合でも,上記逆負荷はクランク軸1に直接伝達されることになる。したがって,タービン羽根車21及びポンプ羽根車20間に滑りを起こさせることがなく,良好なエンジンブレーキ効果を得ることができる。
【0039】
このように,逆負荷がクランク軸1に機械的に伝達されることは,エンジンEのキック始動や押しかけ始動が可能であることを意味する。
【0040】
エンジンEの上記のような減速時と加速時には,出力ギヤ3に作用するスラスト荷重が外筒36側から共通ハブ11側へ,あるいは共通ハブ11側から外筒36側へと作用方向を変えるが,互いに軸方向に隣接するステータハブ22h,ラジアルボールベアリング27,タービンハブ21h及び出力ギヤ3の全体が,前述のように第1及び第2スラストニードルベアリング26,26′を介して共通ハブ11及び外筒36によって軸方向に支承されているから,出力ギヤ3の回転を何等妨げることなく,上記スラスト荷重を両スラストニードルベアリング26,26′に交互に分担させることになり,したがって各スラストニードルベアリング26,26′のスラスト荷重負担は比較的少なく,それらの耐用寿命を延ばすことができる。
【0041】
しかもサイドカバー31のハブ31hとタービンハブ21hとの間には,一方向クラッチ33の他に,小部品のシール兼軸受スリーブ35を介在させるだけであるから,サイドカバー31のハブ31hの軸方向寸法,延いてはトルクコンバータTの軸方向寸法の短縮が可能であり,トルクコンバータTのコンパクト化を図ることができる。
【0042】
ところで,ポンプ羽根車20と遠心クラッチCの出力ドラム9とは共通ハブ11を介して一体に結合されて,単一部品を構成するので,高精度な加工を必要とせずに,ポンプ羽根車20及び出力ドラム9の同心性を確保しつゝ両者20,9間を一体に結合し得て,両者20,9の回転振動及び異音の発生を防ぐことができ,部品点数及び組立工数の削減と相俟ってコストの低減をも図ることができる。
【0043】
また共通ハブ11は,ポンプ羽根車20からクランク軸1への逆負荷の伝達を可能にする一方向クラッチ13のクラッチアウタを兼用するので,一方向クラッチ13の構造の簡素化をもたらし,コストの一層の低減を図ることができる。
【0044】
しかも有底円筒状の出力ドラム9は,その開放面をポンプ羽根車20と反対側に向けているから,これがポンプ羽根車20から分離し得ずとも,その開放面側より出力ドラム9内部の部品の脱着が可能であり,メンテナンス性が良好である。
【0045】
また出力ギヤ3は,その連結歯部3bをタービンハブ21hに形成した内歯ギヤ29に嵌合することによりタービンハブ21hと連結されるので,その連結構造が簡単であり,しかも出力ギヤ3の小径化が可能となり,出力ギヤ3及び被動ギヤ30間の減速比を大きく設定することができる。
【0046】
さらに,出力ギヤ3の連結歯部3bは,伝動歯部3aよりも小径に形成されるので,それを嵌合させる内歯ギヤ29の大径化,延いてはタービンハブ21hの大径化を回避して,トルクコンバータTのコンパクト化に寄与し得る。
【0047】
次に,上記出力ギヤ3の能率的な製造方法について図3により説明する。
【0048】
先ず,図3(A)に示すように,多数の出力ギヤ3,3…を軸方向に並べた長さに相当する長尺の中空円筒状素材Mを用意し,その外周面には,各出力ギヤ3,3…の連結歯部3bに対応して環状溝56を切削や鍛造等により形成する。次に図3(B)に示すように,素材Mの外周面に連続して歯切り又は歯型成形を行うことにより,多数の出力ギヤ3,3…の伝動歯部3a及び連結歯部3bを一挙に形成する。しかる後,図3(C)に示すように,各出力ギヤ3毎に素材Mを輪切り状に切断し,最後に図3(D)に示すように各出力ギヤ3に仕上げ加工を施す。
【0049】
出力ギヤ3のこのような製造方法によれば,特に,多数の出力ギヤ3,3…の伝動及び連結歯部3a,3bが,一回の歯切り又は歯型成形により形成されることになるから,多数の出力ギヤ3,3…を能率良く製造することができ,それを安価に提供することができる。
【0050】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば出力ギヤ3は,タービンハブ21hに一体に形成することもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば,エンジンブレーキ時とエンジンの加速時に,出力ギヤに作用するスラスト荷重がフリーホイールの外筒側からポンプハブ側へ,あるいはポンプハブ側から外筒側へと作用方向を変えても,軸方向に順次隣接するステータハブ,ボールベアリング,タービンハブ及び出力ギヤの全体の両端が,ポンプハブ及びステータ軸の外端に出力ギヤの外側面に隣接して形成された上記外筒により,第1及び第2スラストニードルベアリングを介して支承されることで,出力ギヤの回転を何等妨げることなく,上記スラスト荷重を第1及び第2スラストニードルベアリングに交互に分担させることができ,したがって第1及び第2スラストニードルベアリングのスラスト荷重負担は比較的少なく,それらの耐用寿命を延ばすことができる。しかもタービンハブとサイドカバーのハブとの間には,前記一方向クラッチに隣接して,従来のような大容量のボールベアリングを介裝しないから,サイドカバーのハブの軸方向寸法,延いてはトルクコンバータの軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る小型車両用動力伝達装置の縦断面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 出力ギヤの製造方法説明図
【符号の説明】
T・・・・・・トルクコンバータ
1・・・・・・入力軸(クランク軸)
3・・・・・・出力ギヤ
11・・・・・ポンプハブ(共通ハブ)
20・・・・・ポンプ羽根車
21・・・・・タービン羽根車
21h・・・・タービンハブ
22・・・・・ステータ羽根車
22h・・・・ステータハブ
24・・・・・ステータ軸
26・・・・・第1スラストニードルベアリング
26′・・・・第2スラストニードルベアリング
27・・・・・ベアリング
31・・・・・サイドカバー
31h・・・・サイドカバーのハブ
33・・・・・一方向クラッチ
36・・・・・外筒
41・・・・・フリーホイール
Claims (1)
- 入力軸(1)上でポンプハブ(11)が軸方向移動を規制されるポンプ羽根車(20)と,入力軸(1)の外周に相対回転可能に支承されるステータ軸(24)にステータハブ(22h)を連結するステータ羽根車(22)と,前記ステータ軸(24)の外周にタービンハブ(21h)をボールベアリング(27)を介して支承させるタービン羽根車(21)とを備え,前記ポンプ羽根車(20)に連設されて前記タービン羽根車(21)の背面を覆うサイドカバー(31)のハブ(31h)と,これを相対回転可能に支承する前記タービンハブ(21h)との間に,タービンハブ(21h)側からサイドカバー(31)のハブ(31h)側への逆負荷のみの伝達を可能にする一方向クラッチ(33)を介裝し,前記タービンハブ(21h)の外端には前記ステータ軸(24)の外周に相対回転可能に支承される出力ギヤ(3)を連結したトルクコンバータにおいて,
入力軸(1)上で軸方向移動を規制されるフリーホイール(41)の外筒(36)を前記ステータ軸(24)の外端に,前記出力ギヤ(3)の外端面に隣接して形成すると共に,該外筒(36)の端面を前記出力ギヤ(3)の歯底の径を越えて前記出力ギヤ(3)の外端面に対峙させ,軸方向に順次隣接する前記ステータハブ(22h),ボールベアリング(27),タービンハブ(21h)及び出力ギヤ(3)の全体の軸方向両端を,前記ポンプハブ(11)と,前記フリーホイール(41)の外筒(36)とにそれぞれ第1及び第2ニードルベアリング(26,26′)を介して支承させ,前記第2ニードルベアリング(26′)は,その内径が前記ステータ軸(24)の外径に略等しく,且つその外径が前記外筒(36)の端面の外径に略等しい大きさとし,前記サイドカバー(31)のハブ(31h)と前記タービンハブ(21h)との間にはボールベアリングを介在させないことを特徴とするトルクコンバータ。
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