JP3555398B2 - クラッチのダンパ装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の動力伝達装置に設けられるクラッチのダンパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機のトルクコンバータは、動力源と変速機構との間に配置されてトルクの伝達を行う流体機械である。このトルクコンバータは、ポンプインペラとタービンランナとステータとを備えている。そして、ポンプインペラがコンバータハウジングに取り付けられ、タービンランナが入力軸に取り付けられている。また、ステータは、ポンプインペラとタービンランナとの間に設けられている。
【0003】
そして、動力源の回転がポンプインペラに伝達され、ポンプインペラの回転によりトルクコンバータ内部に油の流れが発生する。すると、タービンランナは油の流れによって回転され、その回転が入力軸を介して変速機構に伝達される。この動作中、ステータは油の流れを変え、ポンプインペラからタービンランナに伝達されるトルクを増大する。
【0004】
ところで、トルクコンバータは流体によりトルクの伝達を行っているため、コンバータハウジングと入力軸とに回転差が発生し、トルクの伝達損失が発生する。そこで、トルクの増幅が行われない流体継手レンジにおいて、いわゆるロックアップ機能によりトルクの伝達効率を向上させるロックアップクラッチ(クラッチ)が採用されている。
【0005】
このロックアップクラッチは、ピストン(駆動部材)とドライブプレート(駆動部材)とドリブンプレート(従動部材)とを備えている。このピストンはコンバータハウジングに対して接続・解放可能に構成されている。また、ピストンとドライブプレートとが一体的に連結されている。さらに、ピストンおよびドライブプレートと、ドリブンプレートとが相対回転可能に構成されている。これらピストンとドライブプレートとドリブンプレートとの間には、円周方向に複数の弾性体が配置されている。各弾性体の円周方向の両端には、ドリブンプレートとドライブプレートとが別個に当接されている。なお、弾性体の外周側には保持部材が配置され、この保持部材により弾性体が保持されている。
【0006】
そして、動力源のトルクを変速機構に伝達している場合に、トルクコンバータによりトルクが増幅されるトルクコンバータレンジではロックアップクラッチが解放され、油によりトルクの伝達が行われる。これに対して、ロックアップクラッチが係合されると、コンバータハウジングとピストンとが直結状態になる。その結果、動力源のトルクがピストンを介してドライブプレートに伝達される。このトルクは、弾性体を介してドリブンプレートに伝達される。
【0007】
一方、ロックアップクラッチが係合された状態で、動力源でトルクの変動が発生する場合がある。この場合は、弾性体が伸縮してトルク変動が吸収される。すなわち、弾性体がダンパ装置として機能している。また、保持部材は弾性体の伸縮を円滑に行わせる機能を備えている。
【0008】
このように、弾性体を保持する保持部材を備えたダンパ装置の一例が、発明協会公開技法・公技番号97−55(発行日1997年1月6日)に記載されている。この文献に記載されたダンパ装置は、ピストンの内周側に、円弧形状の保持部材が複数配置されている。各保持部材はピストンの内周に沿って円周方向に移動可能に構成され、かつ、各保持部材とピストンとの間にはボールが介在されている。
【0009】
上記文献に記載されたダンパ装置においては、弾性体の伸縮に対応してボールが転動し、ピストンと各保持部材との摺動抵抗を抑制できる利点があるとされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記文献に記載されたダンパ装置においては、遠心力により弾性体が外周側に押し付けられた場合に、各保持部材とピストンとの摺動抵抗を十分に抑制できなくなる。また、各保持部材自体に作用する遠心力により、各保持部材が第1伝達部材に押し付けられる。このため、各保持部材と第1伝達部材との摺動抵抗が増大して弾性体の伸縮によるヒステリシスが大きくなり、駆動部材の振動が従動部材に伝達されやすくなる。その結果、従動部材から出力されるトルクの変動量が増大される問題があった。
【0011】
この発明は上記事情を背景としてなされたもので、駆動部材から従動部材に伝達される振動を可及的に抑制することの可能なクラッチのダンパ装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、軸線を中心として相対回転可能に配置された駆動部材および従動部材と、前記軸線を中心とする円周上に配置され、かつ、前記駆動部材と従動部材とが円周方向の両端に当接されて、前記駆動部材のトルクを従動部材に伝達する弾性体と、この弾性体の外周側に配置され、かつ、この弾性体を保持する環状の保持部材とを備え、前記弾性体が、前記保持部材の内周面形状に沿って円周方向に伸縮可能な構成を有するクラッチのダンパ装置において、前記駆動部材が外筒部を備え、この外筒部の内周側に前記環状の保持部材が配置されているとともに、前記環状の保持部材と前記外筒部との間に径方向の隙間が形成されて、前記環状の保持部材と前記駆動部材とが相対回転可能に構成されていることを特徴とする。また、請求項2の発明は、軸線を中心として相対回転可能に配置された駆動部材および従動材と、前記軸線を中心とする円周上に配置され、かつ、前記駆動部材と従動部材とが円周方向の両端に当接されて、前記駆動部材のトルクを従動部材に伝達する弾性体と、この弾性体の外周側に配置され、かつ、この弾性体を保持する環状の保持部材とを備え、前記弾性体が、前記保持部材の内周面形状に沿って円周方向に伸縮可能な構成を有するクラッチのダンパ装置において、前記駆動部材が外筒部を備え、この外筒部の内周側に前記環状の位置決め部材が配置されているとともに、この環状の位置決め部材の内周側に、前記環状の保持部材が保持されており、前記環状の位置決め部材と前記外筒部との間に径方向の隙間が形成されて、前記環状の位置決め部材と前記駆動部材とが相対回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
の請求項1または請求項2の発明によれば、弾性体の伸縮による外周側への押し付け力と、遠心力により弾性体に生じる外周側への押し付け力とが、保持部材により吸収される。そして、駆動部材と、保持部材または位置決め部材との間に所定の隙間が維持され、駆動部材と保持部材との摺動抵抗が可及的に抑制される。したがって、駆動部材の振動が従動部材に伝達されることが可及的に抑制され、従動部材に伝達されるトルクの変動量が小さくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明のクラッチのダンパ装置を、自動変速機の流体式動力伝達装置に適用した実施例に基づいて説明する。図1は、流体式動力伝達装置の一例であるトルクコンバータ1の正面半断面図である。トルクコンバータ1は、エンジンなどの動力源(図示せず)と、変速機構(図示せず)との間に設けられており、このトルクコンバータ1は、以下に述べるような構成を備えている。
【0015】
まず、コンバータハウジング2は、円板部3と円筒部4とを有する。円筒部4は、円板部3の外周端から変速機構(図示せず)側、つまり図中右側へ向けて軸線A1方向に突出して形成されている。また、円板部3における動力源側、つまり図中左側の側面にはナット5が円周方向に沿って複数固定されている。そして、動力源のフライホイール(図示せず)にボルト(図示せず)が取り付けられており、このボルトがナット5にねじ込まれて、フライホイールとコンバータハウジング2とが連結される。
【0016】
コンバータハウジング2の変速機構側、つまり図中右側には、軸線A1を中心として回転する環状のポンプインペラ6が配置されている。このポンプインペラ6の外周端が、円筒部4の自由端に溶接されている。また、ポンプインペラ6の内周側には中空軸7が配置されている。中空軸7には外向きフランジ8が形成され、外向きフランジ8の外周端と、ポンプインペラ6の内周端とが溶接されている。なお、中空軸7は軸受(図示せず)により支持され、中空軸7は軸線A1を中心として回転可能である。
【0017】
一方、中空軸7の内部には出力軸9が配置されている。この出力軸9は、軸線A1を中心として回転可能に構成されている。この出力軸9の一方の端部が、コンバータハウジング2の円板部3の近傍まで到達している。出力軸9には、軸線A1に沿って油路10が形成され、この油路10から半径方向に油路10Aが形成されている。この油路10Aは、出力軸9の外周に開口している。
【0018】
また、出力軸9におけるコンバータハウジング2側の外周には、環状のクラッチハブ11がスプライン嵌合されている。このクラッチハブ11は、ボス12と、ボス12の外周に設けられたフランジ13とを有する。このフランジ13におけるポンプインペラ6側の側面には、環状のタービンランナ14がリベット34により固定されている。
【0019】
そして、フランジ13と、コンバータハウジング2の円筒部3との間には、スラスト軸受14Aが設けられている。なお、ボス12の内周にはリップパッキン12Aが取り付けられている。このリップパッキン12Aにより、出力軸9の外周と、クラッチハブ11の内周との間が液密にシールされている。
【0020】
前記中空軸7と出力軸9との間には、固定筒16が設けられている。この固定筒16は、自動変速機のハウジング(図示せず)により回転不能に支持されている。固定筒16の端部はクラッチハブ11の近傍まで到達している。固定筒16の内径は出力軸9の外径よりも大きく設定され、固定筒16の外径は中空軸7の内径よりも小さく設定されている。
【0021】
上記の構成により、固定筒16と出力軸9との間に油路17が形成されている。この油路17は、油圧制御回路に設けられた制御バルブ(図示せず)に接続されている。また、油路17は、油路10Aを介して油路10に連通している。そして、固定筒16の先端内周と、出力軸9の外周との間にはブッシュ9Aが配置されている。さらに、固定筒16と中空軸7との間には油路18が形成されている。前記ブッシュ9Aは、出力軸9を支持する軸受としての機能と、油路17と油路18との間をシールする機能とを備えている。
【0022】
前記固定筒16の外周において、中空軸7とクラッチハブ11との間には一方向クラッチ19が取り付けられている。一方向クラッチ19は、内輪20と外輪21と係合体22とを備えている。この内輪20が固定筒16にスプライン嵌合され、外輪21が内輪20の外側に配置されている。また、係合体22が内輪20と外輪21との間に配置されている。
【0023】
そして、一方向クラッチ19と、クラッチハブ11のフランジ13との間には、スラスト軸受23が設けられている。また、一方向クラッチ19と、コネクティングドラム7のフランジ8との間には、スラスト軸受24が設けられている。さらに、外輪21の外周には環状のステータ25が固定されている。
【0024】
さらに、トルクコンバータ1の内部、具体的にはコンバータハウジング2とタービンランナ14との間には、ロックアップクラッチ26が設けられている。以下、ロックアップクラッチ26の構成について具体的に説明する。
【0025】
図2は、ロックアップクラッチ26をポンプインペラ6側から見た側面図である。まず、前記フランジ13の外周には、環状のピストン27が取り付けられている。このピストン27は、軸線A1を中心として回転可能に構成されている。このピストン27は、内筒部28と円板部29と外筒部30とを備えている。この内筒部28は、フランジ13に対して相対回転可能に取り付けられている。また、円板部29は内筒部28の一端に一体的に接続されて外周側に伸びている。さらに、外筒部30は、円板部29の外周端に一体的に接続され、かつ、外筒部30は、ポンプインペラ6側に向けて軸線A1方向に突出されている。
【0026】
さらに、円板部29のコンバータハウジング2側の側面には、軸線A1を中心とする同一円周上にクラッチフェーシング31が固定されている。また、円板部29における軸線A1を中心とする同一円上には、軸線A1方向に貫通する孔32が複数形成されている。
【0027】
前記クラッチハブ11のフランジ13の外周には、環状の中間ハブ33が固定されている。この中間ハブ33の内周端は、タービンランナ14とフランジ13との間に挟まれている。そして、タービンランナ14と中間ハブ33とクラッチハブ11とが、リベット34により固定されている。また、中間ハブ33の外径は、外筒30の内径よりも小さく設定されている。そして、中間ハブ33は、内筒部28と外筒部30との間に位置している。
【0028】
また、中間ハブ33の外周には、ピストン27側へ向けて突出した円筒部35が形成されている。この円筒部35の外周には、環状のドリブンプレート36がスプライン嵌合されている。このドリブンプレート36の外径は、外筒30の内径よりも小さく設定されている。つまり、ドリブンプレート36は、円筒部35と外筒部30との間に位置している。
【0029】
このドリブンプレート36は円板形状に構成され、ドリブンプレート36における軸線A1を中心とする同一円周上には、長孔37が複数形成されている。各長孔37は、円周方向に伸びた円弧形状に構成されている。各長孔37内には、円筒状のカラー38がそれぞれ配置されている。各カラー38は、各長孔37内を円周方向に移動可能に構成されている。
【0030】
そして、各カラー38およびピストン27の孔32にリベット39が挿入されている。したがって、ピストン27とドリブンプレート36とが、長孔37の円周方向の長さの範囲内で、軸線A1を中心として相対回転可能である。さらに、ドリブンプレート36の外周には、タービンランナ14側に向けて突出された突出部40が、円周方向に所定間隔をおいて複数形成されている。
【0031】
前記ドリブンプレート36におけるタービンランナ24側の側面には、環状のドライブプレート41が取り付けられている。このドライブプレート41は、円筒部35と外筒部30との間に配置され、ドライブプレート41とドリブンプレート36とピストン27とが、リベット39により固定されている。そして、ドライブプレート41とピストン27とが、軸線A1を中心として一体回転可能に構成されている。
【0032】
また、ドライブプレート41におけるリベット39よりも外周側には、タービンランナ14側に膨らむ方向に湾曲された湾曲部42が形成されている。この湾曲部42は、軸線A1を中心として全周に亘り形成されている。また、湾曲部42の外周には、円周方向に所定間隔をおいて突出部43が複数形成されている。各突出部43はピストン27側に向けて突出されている。
【0033】
各突出部43の円周方向の配置位置と、各突出部40の円周方向の配置位置とが同一に設定されている。そして、各突出部43が各突出部40の外側に配置されている。なお、湾曲部42には、厚さ方向に貫通する開口部44が複数形成されている。各開口部44は軸線A1を中心とする同一円周上に配置され、各開口部44が円周方向に伸びた円弧形状に構成されている。
【0034】
一方、前記外筒部30の内周側には環状の位置決め部材45が配置されている。位置決め部材45は金属材料により構成されている。位置決め部材45は円板部29とドリブンプレート36との間に介在され、位置決め部材45と、ピストン27およびドリブンプレート36とが相対回転可能に構成されている。位置決め部材45の外周には、外筒部30に向けて膨らむ方向に湾曲された湾曲部46が形成されている。この湾曲部46の外径は外筒部30の内径未満に設定され、湾曲部46と外筒部30との間に隙間が形成されている。
【0035】
また、湾曲部46の内周側には環状のガイド部材47が保持されている。このガイド部材47は金属材料などにより構成されている。このガイド部材47の軸線A1方向の断面形状は、湾曲部46に近似する形状に湾曲されている。そして、ガイド部材47が湾曲部46の内周に嵌合固定されている。つまり、ガイド部材47は位置決め部材45と一体化されている。このガイド部材47は、位置決め部材45により、半径方向および軸線A1方向に位置決めされている。また、ガイド部材47は前記各突出部43の外周側に配置されている。
【0036】
そして、ガイド部材47の内周側には、円周方向に複数のコイルばね(圧縮ばね)48が配置されている。各コイルばね48は、ガイド部材47により円弧形状に弾性変形された状態に維持されるため、アークスプリングと称される場合もある。各コイルばね48は、突出部40,43と突出部40,43との間に配置されている。そして、各コイルばね48の円周方向の両端が、各突出部40,43に当接されている。
【0037】
したがって、前記ガイド部材47の内周面の軸線A1方向の内径が、各コイルばね48の軸線A1方向の外径に合わせて構成されている。上記のように構成されたガイド部材47とドライブプレート41と位置決め部材45とにより、各コイルばね48が保持されている。つまり、各コイルばね48は、ガイド部材47の内周面形状に沿って円周方向に伸縮可能である。
【0038】
ここで、実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ピストン27およびドライブプレート41がこの発明の駆動部材に相当する。また、ドリブンプレート36がこの発明の従動部材に相当し、ガイド部材47がこの発明の保持部材に相当し、各コイルばね48がこの発明の弾性体に相当する。
【0039】
また、カラー38と、リベット39と、ドライブプレート41と、各コイルばね48と、ガイド部材47と、位置決め部材45とにより、ダンパ装置B1が構成されている。さらに、自動変速機の油圧制御回路を制御する電子制御装置(図示せず)が設けられている。そして、車両の走行状態に関するデータが電子制御装置に入力され、電子制御装置によりロックアップクラッチ26の制御が行われるように構成されている。
【0040】
つぎに、トルクコンバータ1およびロックアップクラッチ26の動作を説明する。まず、図示しない制御バルブから油路18,10を介してトルクコンバータ1の内部に油が供給されている。そして、動力源の回転がコンバータハウジング2およびポンプインペラ6に伝達され、ポンプインペラ6の回転によりトルクコンバータ1の内部で油の流れが発生する。すると、タービンランナ14は油の流れによって回転され、そのトルクがクラッチハブ11および出力軸9を介して変速機構に伝達される。この動作中、ステータ25により油の流れが変えられ、ポンプインペラ6からタービンランナ14に伝達されるトルクが増大される。
【0041】
上記トルクの伝達中、トルクコンバータレンジにおいては、油路10から油路17に油が流れ、ピストン27をポンプインペラ6側に押圧する油圧が作用する。このため、クラッチフェーシング31とコンバータハウジング2とが解放された状態に維持される。
【0042】
一方、流体継手レンジでは、所定の条件が満たされた場合に、ピストン27の両側面に作用する油圧の差により、ピストン27がコンバータハウジング2側に移動してクラッチフェーシング31とコンバータハウジング2とが機械的に接続される。すなわち、ロックアップクラッチ26が係合状態になる。その結果、コンバータハウジング2のトルクが、ピストン27およびリベット39を介してドライブプレート41に伝達される。
【0043】
そして、ドライブプレート41が回転すると、突出部43と突出部40とによりコイルばね48が円周方向に圧縮される。そして、コイルばね48が所定量圧縮されると、突出部40が円周方向に押圧される。その結果、ドリブンプレート36が回転され、ドリブンプレート36のトルクが中間ハブ33およびクラッチハブ11を介して出力軸9へと伝達される。
【0044】
このように、ロックアップクラッチ26を係合させてトルクを伝達すれば、油の流れによりトルクを伝達する場合に比べてその伝達効率が向上する。言い換えれば、ロックアップクラッチ26は、トルクコンバータ1の流体クラッチに並列して配置された直結クラッチとして機能する。
【0045】
一方、ロックアップクラッチ26の係合中に、動力源側でトルクの変動が発生した場合は、各コイルばね48が伸縮することでトルク変動が吸収される。したがって、ピストン27とドリブンプレート36との間で円滑なトルク伝達が行われる。
【0046】
なお、ダンパ装置B1は、ロングトラベルダンパと称されるものである。すなわち、各コイルばね48のばね定数が可及的に低く設定され、各コイルばね48の共振点が下げられている。このため、低車速領域、言い換えればコンバータハウジング2の低速回転領域において、ロックアップクラッチ26が係合された場合でも振動が抑制される。
【0047】
以上のように、この実施例では、ガイド部材47が環状に構成され、かつ、ガイド部材47とピストン27とが相対回転可能に構成されている。また、ガイド部材47の外周側に配置された位置決め部材45が環状に構成され、かつ、位置決め部材45とピストン27とが相対回転可能に構成されている。さらに、位置決め部材45の内周側にガイド部材47が嵌合固定されている。そして、ガイド部材47の内周側に各コイルばね48が保持されている。
【0048】
このため、円弧形状に保持された各コイルばね48の伸縮による外周側への押し付け力と、遠心力により各コイルばね48に生じる外周側への押し付け力とが、ガイド部材47により吸収される。つまり、ピストン27と位置決め部材45との間に所定の隙間が維持され、ピストン27と位置決め部材45との間に生じる摺動抵抗が可及的に抑制される。
【0049】
その結果、ロックアップクラッチ26の係合状態において、動力源の振動が、ピストン27から位置決め部材45およびガイド部材47を介してコイルばね48に伝達されることが可及的に抑制され、出力軸9に伝達されるトルクの変動量が小さくなる。
【0050】
また、ガイド部材47とピストン27とが相対回転可能に構成されているため、各コイルばね48とガイド部材47とに摺動摩擦が生じた場合は、この摺動摩擦力に応じてガイド部材47が回転し、各コイルばね48とガイド部材47との相対回転量が最小に維持される。したがって、ロックアップクラッチ26の係合状態において、動力源の振動が、ピストン27から位置決め部材45およびガイド部材47にコイルばね48とのヒステリシスを介して伝達されることが一層抑制される。
【0051】
図3は、動力源の回転数と、出力軸9の出力トルクの変動量との対応関係を示す線図である。実施例が実線で示され、比較例が一点鎖線で示されている。比較例のクラッチのダンパ装置(図示せず)は、ピストンの円筒部の内周側に円弧形状のガイド部材を円周方向に複数配置し、各ガイド部材の内周側にコイルばねを配置した装置である。
【0052】
比較例のクラッチのダンパ装置においては、コイルばねの伸縮による押し付け力、および遠心力による押し付け力により、各ガイド部材とピストンとの摺動抵抗が高められる。つまり、クラッチの係合状態において、動力源の振動が、各ガイド部材を介してコイルばねに伝達されやすい。このため、比較例の出力トルクの変動量に比べて、実施例の出力トルクの変動量の方が小さいという結果が得られた。
【0053】
なお、この実施例では、外筒部30の内周面と、湾曲部46の外周面との間に所定の隙間が形成されている。この隙間は、各コイルばね48が遠心力により外周側に押し付けられ、その荷重によりガイド部材47および位置決め部材45が拡径する方向に弾性変形した場合でも、位置決め部材45と外筒部30との当接が回避される寸法に設定されている。したがって、ガイド部材47および位置決め部材45が拡径する方向に弾性変形した場合でも、位置決め部材45と外筒部30との間の摺動抵抗の抑制機能に支障が生じることはない。
【0054】
ところで、動力源と変速機構との間に配置される回転部材の振動特性は、動力源と一体的に回転する回転部材の慣性力と、変速機構側の回転部材の慣性力とにより決定される。そして、動力源側の回転部材の慣性力に対する変速機構側の回転部材の慣性力の比率が大きく設定されるほど、振動特性が良好に維持されることが確認されている。
【0055】
そして、この実施例では、ロックアップクラッチ26の係合時に動力源と一体的に回転されるピストン27と、ガイド部材47および位置決め部材45とが相対回転可能に構成されている。このため、動力源と一体的に回転される回転部材の慣性力が抑制され、上記振動特性を向上させることができる。
【0056】
図4は他の実施例を示す部分的な正面断面図である。図4の実施例では、前述の位置決め部材45が設けられていない。すなわち、外筒部30の内周側に、直接ガイド部材47が配置されている。このガイド部材47とピストン27とが相対回転可能に構成され、かつ、ガイド部材47と外筒部30との間に所定の隙間が形成されている。その他の構成は、図1および図2の実施例と同様である。
【0057】
図4の実施例においては、各コイルばね48の伸縮による外周側への押し付け力と、遠心力により各コイルばね48に生じる外周側への押し付け力とが、ガイド部材47により吸収される。つまり、ピストン27とガイド部材47との間に所定の隙間が維持され、ピストン27とガイド部材47との間に生じる摺動抵抗が可及的に抑制される。したがって、図4の実施例においても、図1及び図2と同様の効果を得られる。
【0058】
なお、この発明は、多板クラッチにより、駆動部材と第1伝達部材とを係合・解放する構成のクラッチにも適用可能である。また、この発明は、遠心力により、駆動部材と第1伝達部材とを係合・解放する構成のクラッチにも適用可能である。さらにこの発明は、他の流体式動力伝達装置、例えばフルードカップリングにも適用可能である。なお、この発明は摩擦式クラッチにも適用可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または請求項2の発明によれば、弾性体の伸縮による外周側への押し付け力と、遠心力により弾性体に生じる外周側への押し付け力とが、保持部材により吸収される。そして、駆動部材と、保持部材または位置決め部材との間に所定の隙間が維持され、駆動部材と保持部材との摺動抵抗が可及的に抑制される。したがって、駆動部材の振動が従動部材に伝達されることが可及的に抑制され、従動部材に伝達されるトルクの変動量が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるクラッチのダンパ装置を、自動変速機のトルクコンバータに適用した例を示す正面半断面図である。
【図2】この発明の実施例に係るクラッチのダンパ装置の半分の構成を示す側面図である。
【図3】エンジン回転数と出力トルクの変動量との関係を示す線図である。
【図4】この発明の他の実施例を示す部分的な正面断面図である。
【符号の説明】
26 ロックアップクラッチ
27 ピストン
36 ドリブンプレート
41 ドライブプレート
47 ガイド部材
48 コイルばね
A1 軸線
B1 ダンパ装置

Claims (2)

  1. 軸線を中心として相対回転可能に配置された駆動部材および従動部材と、前記軸線を中心とする円周上に配置され、かつ、前記駆動部材と従動部材とが円周方向の両端に当接されて、前記駆動部材のトルクを従動部材に伝達する弾性体と、この弾性体の外周側に配置され、かつ、この弾性体を保持する環状の保持部材とを備え、前記弾性体が、前記保持部材の内周面形状に沿って円周方向に伸縮可能な構成を有するクラッチのダンパ装置において、
    記駆動部材が外筒部を備え、この外筒部の内周側に前記環状の保持部材が配置されているとともに、前記環状の保持部材と前記外筒部との間に径方向の隙間が形成されて、前記環状の保持部材と前記駆動部材とが相対回転可能に構成されていることを特徴とするクラッチのダンパ装置。
  2. 軸線を中心として相対回転可能に配置された駆動部材および従動部材と、前記軸線を中心とする円周上に配置され、かつ、前記駆動部材と従動部材とが円周方向の両端に当接されて、前記駆動部材のトルクを従動部材に伝達する弾性体と、この弾性体の外周側に配置され、かつ、この弾性体を保持する環状の保持部材とを備え、前記弾性体が、前記保持部材の内周面形状に沿って円周方向に伸縮可能な構成を有するクラッチのダンパ装置において、
    前記駆動部材が外筒部を備え、この外筒部の内周側に前記環状の位置決め部材が配置されているとともに、この環状の位置決め部材の内周側に、前記環状の保持部材が保持されており、前記環状の位置決め部材と前記外筒部との間に径方向の隙間が形成されて、前記環状の位置決め部材と前記駆動部材とが相対回転可能に構成されていることを特徴とするクラッチのダンパ装置。
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