JP2007009991A - ダンパー機構及び流体式トルク伝達装置のロックアップ装置 - Google Patents

ダンパー機構及び流体式トルク伝達装置のロックアップ装置 Download PDF

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    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0221Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means
    • F16H2045/0226Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means comprising two or more vibration dampers

Abstract

【課題】 ダンパー機構やロックアップ装置において、摩擦発生機構をコンパクトにする。
【解決手段】 ダンパー機構7は、リティーニングプレート52と、ドリブンプレート53と、第2トーションスプリング57とを備えている。ドリブンプレート53は、リティーニングプレート52に相対回転可能に配置されている。第2トーションスプリング57は、プレート52,53の間に両者が相対回転すると圧縮するように配置され、リティーニングプレート52に対して遠心力で押し付けられて回転方向に摺動可能である。第2トーションスプリング57とドリブンプレート53との回転方向間には微小隙間が確保されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダンパー機構、特に、トルクコンバータやフリュード・カップリング等の流体式トルク伝達装置に用いられるロックアップ装置のダンパー機構に関する。
トルクコンバータは、3種の羽根車(インペラー,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の作動油を介してトルクを伝達する装置である。インペラーは入力側回転体としてのフロントカバーに固定されている。タービンは流体室内でインペラーに対向して配置されている。インペラーが回転すると、インペラーからタービンに作動油が流れ、タービンを回転させることでトルクを出力する。
ロックアップ装置は、タービンとフロントカバーとの間の空間に配置されており、フロントカバーとタービンを機械的に連結することでフロントカバーからタービンにトルクを直接伝達するための機構である。
通常、このロックアップ装置は、フロントカバーに押し付けられることが可能な円板状のピストンと、ピストンの外周部に固定されるリティーニングプレートと、リティーニングプレートにより回転方向及び外周側を支持されるトーションスプリングと、トーションスプリングの両端を回転方向に支持するドリブンプレートとを有している。ドリブンプレートはタービンのタービンシェル等に固定されている。
ロックアップ装置が連結状態になると、トルクはフロントカバーからピストンに伝達され、さらにトーションスプリングを介してタービンに伝えられる。また、ロックアップ装置の弾性連結機構においては、トーションスプリングがリティーニングプレートとドリブンプレートとの間で回転方向に圧縮され、捩り振動を吸収・減衰する。
一般に車両の振動には、走行時異音(加速・減速ラトル,こもり音)の原因となる微小捩り振動がある。微小捩り振動に対しては、ダンパー機構の捩じり剛性は低い方が良い。一方、ダンパー機構のストッパートルクを十分に確保することも必要であるため、単に捩り剛性を低くするだけの単純な特性は好ましくない。
以上の問題を解決するために、2種類のバネを用いることにより2段特性を実現したダンパーが提供されている。そこでは、捩じり特性の主な領域の捩じり剛性を低くしているため、微小捩り振動を吸収する効果がある。また、捩り角度の大きな領域では捩じり剛性を高くしているため、十分なストッパートルクを実現できる。
さらに、捩り振動減衰性能を向上させるために、トーションスプリングと並列に作用する摩擦発生機構をトルクコンバータ内に設けた構造が知られている(例えば、特許文献1を参照。)また、クラッチディスク組立体では、たとえばエンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動が入力されたときに、摩擦発生機構を作動させないことで、低ヒステリシストルクによって微小振動を効果的に吸収するダンパーも知られている。
特開平5−231495号公報
トルクコンバータ内に摩擦発生機構を設けた場合は、摩擦プレートや軸方向付勢力を発生するためのばね等によって、大きなスペースを占拠してしまうという問題がある。
本発明の課題は、ダンパー機構やロックアップ装置において、摩擦発生機構をコンパクトにすることにある。
請求項1に記載のダンパー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、弾性部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。弾性部材は、第1回転部材と第2回転部材との間に両者が相対回転すると圧縮するように配置され、第1回転部材に対して遠心力で押し付けられて回転方向に摺動可能である。弾性部材と第2回転部材との回転方向間には微小隙間が確保されている。
この機構では、捩じり振動の種類が例えば低周波振動のように捩じり角度の大きな場合は、弾性部材は第1回転部材に押し付けられて回転方向に摺動する。したがって、低周波振動は速かに減衰される。捩じり振動の種類が例えば走行時異音の原因となるエンジン回転変動のように捩じり角度の小さな場合は、微小隙間によって弾性部材は第1回転部材に摺動せず、高ヒステリシストルクは発生しない。したがって、エンジン回転変動は十分に吸収され、走行時異音は発生しにくい。
このように、弾性部材が摩擦発生機構を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
請求項2に記載のダンパー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、第1弾性部材と、第2弾性部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。第1弾性部材は、第1回転部材と第2回転部材との間に両者が相対回転すると圧縮するように配置されている。第2弾性部材は、第1回転部材と第2回転部材との間で第1回転部材に並列にかつ両者が相対回転すると圧縮するように配置され、第1回転部材に対して遠心力で押し付けられて摺動可能である。弾性部材と第2回転部材との回転方向間には微小隙間が確保されている。
この機構では、捩じり振動の種類が例えば低周波振動のように捩じり角度の大きな場合は、第2弾性部材は第1回転部材に押し付けられて回転方向に摺動する。したがって、低周波振動は速かに減衰される。捩じり振動の種類が例えば走行時異音の原因となるエンジン回転変動のように捩じり角度の小さな場合は、微小隙間によって第2弾性部材は第1回転部材に摺動せず、高ヒステリシストルクは発生しない。したがって、エンジン回転変動は十分に吸収され、走行時異音は発生しにくい。
このように、第2弾性部材が摩擦発生機構を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
請求項3に記載のダンパー機構では、請求項2において、第2弾性部材と第1回転部材との回転方向間には捩り特性の1段目に該当する隙間が確保されている。
この機構では、捩り特性の1段目では第1弾性部材のみが圧縮され、さらに捩り角度が大きくなると第1弾性部材と第2弾性部材が並列で圧縮される。したがって、低剛性・高剛性の2段特性が得られる。捩り特性の1段目で第2弾性部材は第1回転部材に対して回転方向に摺動するが、微小捩り振動がダンパー機構に入力されると第2弾性部材は第1回転部材に対して摺動せず、高ヒステリシストルクは発生しない。したがって、エンジン回転変動は十分に吸収され、走行時異音は発生しにくい。
請求項4に記載のダンパー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、弾性部材と、摩擦部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。弾性部材は、第1回転部材と第2回転部材との間に両者が相対回転すると圧縮するように配置されている。摩擦部材は、第1回転部材に対して遠心力によって押し付けられて回転方向に摺動可能になっており、第2回転部材に対して微小隙間を介して回転方向に係合する。
この機構では、捩じり振動の種類が例えば低周波振動のように捩じり角度の大きな場合は、摩擦部材は遠心力で第1回転部材に押し付けられて回転方向に摺動する。したがって、低周波振動は速かに減衰される。捩じり振動の種類が例えば走行時異音の原因となるエンジン回転変動のように捩じり角度の小さな場合は、微小隙間によって摩擦部材は第1回転部材に摺動せず、高ヒステリシストルクは発生しない。したがって、エンジン回転変動は十分に吸収され、走行時異音は発生しにくい。
このように、遠心力で作用する摩擦部材が摩擦発生機構を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
請求項5に記載のダンパー機構では、請求項4において、第1回転部材は、摩擦部材が押し付けられる内周面を有している。第2回転部材は、摩擦部材に微小隙間を介して回転方向に係合する回転方向係合部を有している。
請求項6に記載のダンパー機構では、請求項5において、第2回転部材は、摩擦部材を軸方向に保持する軸方向保持部をさらに有している。
請求項7に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置は、請求項1〜6のダンパー機構を有する。
本発明に係るダンパー機構又は流体式トルク伝達装置のロックアップ装置では、摩擦発生機構の部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
以下、図面に基づいて、本発明に係る流体式トルク伝達装置のロックアップ装置の実施形態について説明する。
(1)トルクコンバータの全体構造
図1に、本発明の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1の縦断面概略図である。図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。また、図1に示すO−Oは、トルクコンバータ1の回転軸線である。
トルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフトにトルクを伝達するための装置であり、入力側の部材に固定されるフロントカバー2と、3種の羽根車(インペラー9、タービン10、ステータ11)からなるトルクコンバータ本体3と、ロックアップ装置5とから構成されている。
フロントカバー2は、円板状の部材であり、主として、カバー円板部8aと、カバー円板部8aの外周部に形成された軸方向トランスミッション側に突出する外周筒状部8bとを有している。外周筒状部8bは、インペラー9のインペラーシェル12に溶接によって固定されている。
インペラー9は、インペラーシェル12と、その内側に固定された複数のインペラーブレード13と、インペラーシェル12の内周側に設けられた筒状のインペラーハブ21とから構成されている。
タービン10は、流体室内でインペラー9に対向して配置されている。タービン10は、タービンシェル14と、タービンシェル14に固定された複数のタービンブレード15と、タービンシェル14の内周側に固定されたタービンハブ16とから構成されている。タービンハブ16は、外周側に延びるフランジ16aを有しており、このフランジ16aには、タービンシェル14の内周部が、後述のドリブンプレート53とともに、複数のリベット17によって固定されている。また、タービンハブ16の筒状部16bには、図示しないトランスミッションの入力シャフトがスプライン係合している。
ステータ11は、インペラー9とタービン10の内周部間に配置され、タービン10からインペラー9へと戻る作動油を整流するための機構である。ステータ11は、主として、環状のステータキャリア18と、その外周面に設けられた複数のステータブレード19とから構成されている。ステータキャリア18は、ワンウェイクラッチ20を介して図示しない固定シャフトに支持されている。なお、フロントカバー2とタービンハブ16との軸方向間には第1スラストベアリング31が設けられ、タービンハブ16とステータ11との間には第2スラストベアリング32が設けられ、ステータ11とインペラーハブ21との間には第3スラストベアリング33が設けられている。各スラストベアリング31〜33においては、半径方向に作動油が流通可能なポートが形成されている。
(2)ロックアップ装置の構造
ロックアップ装置5は、フロントカバー2に連結可能なクラッチ機構6としての機能と、クラッチ機構6とタービン10とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構7としての機能とを有しており、必要に応じて、フロントカバー2とタービン10とを機械的に接続するための装置である。ロックアップ装置5は、主として、フロントカバー2からトルクが入力される入力側部材としてのピストン51及びリティーニングプレート52と、出力側部材としてのドリブンプレート53と、回転方向に弾性変形可能な弾性部材としての複数のトーションスプリング54,57とから構成されている。トーションスプリング54,57は、リティーニングプレート52を介して、ピストン51とドリブンプレート53とを回転方向に弾性的に連結している。
そして、本実施形態のロックアップ装置5では、クラッチ機構6がピストン51から構成されており、ダンパー機構7がリティーニングプレート52、ドリブンプレート53及び複数のトーションスプリング54,57から構成されている。
ピストン51は、トルクコンバータ本体3内の油圧の制御によって、フロントカバー2のカバー円板部8aに接近又は離反することが可能な部材である。ピストン51は、主として、円板状のピストン本体61から構成されている。ピストン本体61は、フロントカバー2とタービン10との間の空間を軸方向に2分割するように半径方向に延びる円板状の部材である。ピストン本体61の外周部は、環状かつ平坦な押圧部62となっている。押圧部62の軸方向エンジン側の面には、摩擦フェーシング63が設けられている。また、押圧部62の外周縁には、軸方向トランスミッション側に延びる外周筒状部64が設けられている。さらに、ピストン本体61の内周縁には、軸方向エンジン側に延びる内周筒状部66が設けられている。内周筒状部66の内周面は、タービンハブ16の筒状部16bの外周面16cに対して軸方向及び回転方向に移動可能に支持されている。内周筒状部66と筒状部16bと半径方向間には、シールリング67が設けられている。
このようにして、フロントカバー2とピストン51との間には、空間S1が形成されている。空間S1の内周部は第1スラストベアリング31において形成されたポートを介して図示しない入力シャフトに形成された油路に連通している。また、ピストン51のタービン側の空間を空間S2とする。
リティーニングプレート52は、複数のトーションスプリング54、57をピストン51側に保持するとともに、トーションスプリング54、57の回転方向端(正確には、トーションスプリング54の場合は、その回転方向端に装着されるスプリングシート55)を回転方向に支持する役割を果たす。
リティーニングプレート52は、ピストン51の外周筒状部64の半径方向内側に配置されている。リティーニングプレート52は、ピストン本体61の軸方向トランスミッション側の面に沿って配置された環状の部材であり、主として、環状部71と、環状部71の外周側に設けられた複数のトーションスプリング54を保持する第1スプリング保持部72とを有している。
環状部71は、ピストン本体61の軸方向トランスミッション側の面に当接するとともに、複数のリベット22によってピストン51に固定されている。
第1スプリング保持部72は、本実施形態において、第1トーションスプリング54の軸方向エンジン側を支持するピストン側支持部74と、第1トーションスプリング54の半径方向外側を支持する入力側外周支持部としての外周支持部75と、第1トーションスプリング54の半径方向内側を支持する内周支持部76と、第1トーションスプリング54の回転方向端を支持する入力側回転方向支持部としての複数の回転方向支持部77とを有しており、複数の第1トーションスプリング54が回転方向に間隔を空けて並べて配置できるように構成されている。
第1トーションスプリング54は、エンジンの回転変動により生じる微小捩じり振動やロックアップ装置5の連結時のショックによる振動などを吸収・減衰するコイルスプリングからなり、本実施形態において、その回転方向両端にシート部材としてのスプリングシート55が装着されている。
ピストン側支持部74は、環状部71の外周端から半径方向外側に延びる環状の部分であり、そのピストン側の面がピストン本体61の軸方向トランスミッション側の面に当接している。外周支持部75は、ピストン側支持部74の外周端から軸方向トランスミッション側に延びる筒状の部分であり、その外周面がピストン51の外周筒状部64の内周面に当接している。そして、外周支持部75は、各第1トーションスプリング54の回転方向端の半径方向外側の部分の半径及び回転方向に隣り合う第1トーションスプリング54間に対応する部分である回転方向端側壁部75aの半径が、各第1トーションスプリング54の回転方向中央の半径方向外側の部分に対向する部分である回転方向中央側壁部75bの半径よりも小さくなるように絞られた形状を有している。
内周支持部76は、各第1トーションスプリング54の回転方向中央の半径方向内側の部分に対向する、言い換えれば、回転方向中央側壁部75bとの半径方向間に第1トーションスプリング54を挟むように配置される壁部であり、ピストン側支持部74の内周部から第1スプリング保持部72の一部を軸方向トランスミッション側に切り起こすことによって形成されている。
回転方向支持部77は、本実施形態において、第1トーションスプリング54の回転方向端の半径方向外側の部分を支持する外側支持部77aと、第1トーションスプリング54の回転方向端の半径方向内側の部分を支持する内側支持部77bとを有している。外側支持部77aは、外周支持部75の各回転方向端側壁部75aのうち回転方向に隣り合うトーションスプリング54間に対応する部分の軸方向トランスミッション側の端部から半径方向内側に向かって延びる壁部であり、第1トーションスプリング54の回転方向端の半径方向外側の部分に当接している。内側支持部77bは、外周支持部75の各回転方向端側壁部75aのうち回転方向に隣り合う第1トーションスプリング54間に対応する部分に対向する壁部であり、第1トーションスプリング54の回転方向端の半径方向内側の部分に当接している。内側支持部77bは、ピストン側支持部74の半径方向中央部(具体的には、内周支持部76よりも半径方向外側の部分)から第1スプリング保持部72の一部を軸方向トランスミッション側に切り起こすことによって形成されている。
リティーニングプレート52は、さらに、内周部73を有している。内周部73は、環状部71から半径方向内側に延びる環状の部分である。内周部73には、円周方向に並んだ複数の第2スプリング保持部78が形成されている。第2スプリング保持部78は、第2トーションスプリング57を収容するためのものであり、内周部73に形成された開口部である。第2スプリング保持部78は、軸方向に貫通する孔であり、回転方向に一定の長さを有している。第2スプリング保持部78は、半径方向外側と内側に切り起こし部78a,78bを有している。各第2スプリング保持部78内には、第2トーションスプリング57が配置されている。
第2トーションスプリング57は、コイルスプリングからなり、特に、この実施形態では、捩り特性の1段目で摩擦を発生し、捩り特性の2段目で回転方向に圧縮されてダンパー機構7に高ストッパートルクを確保するための部材である。
第2トーションスプリング57は、軸方向エンジン側がピストン51の本体61に支持されており、軸方向トランスミッション側が第2スプリング保持部78の切り起こし部78a,78bによって支持されている。さらに、第2トーションスプリング57の半径方向外側は、外周側切り起こし部78aとピストン51の本体61の支持部61aによって支持されている。図3から明らかなように、第2トーションスプリング57の回転方向長さ(回転方向角度)は第2スプリング保持部78の回転方向長さよりかなり短くなっており、そのため第2トーションスプリング57の回転方向端と第2スプリング保持部78の円周方向端面78cとの間には所定の円周方向隙間(角度θ1)が確保されており、この円周方向隙間が捩り特性の1段目捩り角度となっている(後述)。
ドリブンプレート53は、トーションスプリング54の回転方向端(正確には、第1トーションスプリング54の回転方向端に装着されるスプリングシート55)及び第2トーションスプリング57を回転方向に支持する役割を果たす。
ドリブンプレート53は、ピストン51の軸方向トランスミッション側に配置された環状の部材であり、主として、環状部81と、リティーニングプレート52に保持された複数の第1トーションスプリング54の回転方向端に当接する出力側回転方向支持部としての複数の第1爪部82と、トーションスプリング54のタービン側の部分のうち半径方向内側の部分を覆う複数のタービン側支持部83と、リティーニングプレート52に保持された複数の第2トーションスプリング57の回転方向端に当接する出力側回転方向支持部としての複数の第2爪部84とを有している。
環状部81の内周部は、タービンシェル14の内周部とともに、タービンハブ16のフランジ16aの外周部にリベット17によって固定されている。
第1爪部82は、環状部81の外周端から軸方向エンジン側に延びる部分であり、回転方向支持部77の外側支持部77aと内側支持部77bとの半径方向間において、第1トーションスプリング54の回転方向端に当接している。第1爪部82は、本実施形態において、第1トーションスプリング54の回転方向端の半径方向中央付近(より具体的には、第1トーションスプリング54のコイル中心のやや半径方向外側)に当接している。
スプリングシート55は、主として、第1トーションスプリング54の座巻部分が当接するシート部91と、トーションスプリング54のコイル内部に挿入されるコイル挿入部(図示せず)と、シート部91の第1トーションスプリング54の座巻部分が当接する面とは反対側の面に設けられた突起部93とを有している。
突起部93は、本実施形態において、シート座面の中央に形成された先端が丸みを帯びた円柱状の部分である。この突起部93は、ドリブンプレート53の第1爪部82の半径方向内側に配置されており、第1爪部82に対して、径方向内側から係合する係合部としての役割を有している。このため、第1爪部82は、第1トーションスプリング54の回転方向端、すなわち、スプリングシート55が半径方向外方に移動しようとする場合に、突起部93に係合することで、第1トーションスプリング54の径方向外方への移動を制限することができる。
タービン側支持部83は、複数の第1爪部82の回転方向間、すなわち、リティーニングプレート52の内周支持部76の半径方向位置に対応する壁部であり、環状部81の外周部の一部を軸方向トランスミッション側に切り起こすことによって形成されている。
第2爪部84は、環状部81の半径方向中間部から軸方向エンジン側に延びる部分である。各第2スプリング保持部78内には、一対の第2爪部84が配置されている。一対の第2爪部84は第2トーションスプリング57の回転方向両側に配置されている。一対の第2爪部84の回転方向内側端同士の回転方向長さは第2トーションスプリング57の回転方向長さよりわずかに長くなっている。したがって、図3に示すように、第2トーションスプリング57と第2スプリング保持部78との回転方向間には所定の回転方向隙間が確保されている。この回転方向隙間の円周方向角度θaは、エンジンの回転変動に伴う捩じり振動に対して高ヒステリシストルクを発生しないことでこもり音を低減することが達成されるように設定され、具体的には0.5〜5度の範囲又はそれをわずかに越える範囲である。なお、内周部73において第2爪部84に対応する半径方向位置の部分79は軸方向エンジン側に凹んでおり、したがって第2爪部84が第2スプリング保持部78から回転方向に外れても、第2爪部84はリティーニングプレート52に接触しない。
第2爪部84は第2トーションスプリング57に対して回転方向に(隙間を空けて)係合しているが半径方向には係合していない。したがって、遠心力が作用すると、第2トーションスプリング57は半径方向外側に移動して第2スプリング保持部78の外周側切り起こし部78a及びピストン51の支持部61aに押し付けられる。
(4)トルクコンバータの動作
次に、トルクコンバータ1の動作について説明する。
エンジン側のクランクシャフトからのトルクは、図示しないフレキシブルプレートを介してフロントカバー2に入力される。これにより、インペラー9が回転し、作動油がインペラー9からタービン10へと流れる。この作動油の流れによりタービン10は回転し、タービン10のトルクは図示しない入力シャフトに出力される。
トルクコンバータ1の速度比が上がり、入力シャフトが一定の回転速度になると、空間S1の作動油が入力シャフト内部の油路を通ってドレンされる。この結果、ピストン51の軸方向タービン側の空間S2内の油圧が軸方向フロントカバー側の空間S1内の油圧よりも高くなり、ピストン51がフロントカバー2側に移動させられる。すると、ピストン51がフロントカバー2側に移動し、摩擦フェーシング63がフロントカバー2の摩擦面に押し付けられる。これにより、フロントカバー2のトルクは、ピストン51及びリティーニングプレート52に伝達され、トーションスプリング54,57及びドリブンプレート53を介して、タービン10に出力される。
さらに、ピストン51とドリブンプレート53とが相対回転した場合に、相対回転角度が所定の角度(θ1)までは第1トーションスプリング54のみが回転方向に圧縮され、相対回転角度が所定の角度(θ1)以上になると第2トーションスプリング57が第1トーションスプリング54と並列に圧縮される。すなわち、ロックアップ装置5のダンパー機構7において2段階の捩り特性を実現することができる。
このようなロックアップ装置5の連結時において、フロントカバー2に捩じり振動が入力されると、ピストン51とドリブンプレート53とが相対回転し、第1トーションスプリング54が回転方向に圧縮される。このとき、第1トーションスプリング54には遠心力が作用するため、第1トーションスプリング54及びスプリングシート55が半径方向外方に移動しようとする。しかし、スプリングシート55の突起部93とドリブンプレート53の第1爪部82とが係合するため、スプリングシート55及び第1トーションスプリング54の径方向外側への移動が制限されているため、第1トーションスプリング54の遠心荷重がドリブンプレート53の第1爪部82に作用することとなり、リティーニングプレート52の外周支持部75に第1トーションスプリング54の遠心荷重が作用しにくくなっている。
一方、第2トーションスプリング57は、第2爪部84に駆動されると、遠心力によって第2スプリング保持部78の外周側切り起こし部78aに押しつけられながら回転方向に摺動する。したがって、図4の捩じり特性線図に示すように、比較的高いヒステリシストルク(DCヒス)が得られる。なお、DCヒスは回転数の2乗に比例した大きさとなる。しかし、微小捩じり振動が入力された場合には、例えばそれがθa内である場合は、第2トーションスプリング57はリティーニングプレート52と一体回転してドリブンプレート53と相対回転する。すなわち、θa内では第2トーションスプリング57はピストン51やリティーニングプレート52と摺動せず、したがって高ヒステリシストルクを発生することはない。そのため、θa内では低いヒステリシストルク(ACヒス)が得られる。なお、ここでのACヒスとは、第2トーションスプリング57以外で発生するヒステリシストルクである。
このように、微小捩じり振動に対しては、第2トーションスプリング57による摩擦発生機構の摩擦発生部を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収することができる。
また、以上に述べたように、第2トーションスプリング57が摩擦発生機構を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
なお、以上の実施形態では、第2トーションスプリング57はドリブンプレート53に駆動されてリティーニングプレート52に摺動していたが、プレートの役割を反対にしても良い。
摩擦発生機構として機能するトーションスプリングが他方のトーションスプリングに対して外周側に配置されていても良い。また、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングが半径方向に並んで(同一円周上に)配置されていても良い。
(6)第2実施形態
図5を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。トルクコンバータの基本的な構造は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ロックアップ装置105は、フロントカバー102に連結可能なクラッチ機構106としての機能と、クラッチ機構106とタービン110とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構107としての機能とを有しており、必要に応じて、フロントカバー102とタービン110とを機械的に接続するための装置である。ロックアップ装置105は、主に、フロントカバー102からトルクが入力されるピストン151及びリティーニングプレート152と、ドリブンプレート153と、第1トーションスプリング158と、第2トーションスプリング159とから構成されている。
ピストン151は、トルクコンバータ本体103内の油圧の制御によって、フロントカバー102に接近又は離反することが可能な部材である。ピストン151は、主に、円板状のピストン本体161から構成されている。
図5に示すように、ピストン本体161は、フロントカバー102とタービン110との間の空間を軸方向に2分割するように半径方向に延びる円板状の部材である。ピストン本体161の外周部は、環状かつ平坦な押圧部162となっている。押圧部162の軸方向エンジン側の面には、摩擦フェーシング163が設けられている。
押圧部162の外周縁には、軸方向トランスミッション側に延びる外周筒状部164が設けられている。筒状部164には、円周方向に隙間を空けた複数の突起164aが形成されている。また、ピストン本体161の内周縁には、軸方向エンジン側に延びる内周筒状部166が設けられている。内周筒状部166の内周面は、タービンハブ116の筒状部116bの外周面に対して軸方向及び回転方向に移動可能に支持されている。内周筒状部166と筒状部116bと半径方向間には、シールリング167が設けられている。
リティーニングプレート152は、異なる円周上に配置された複数の第1及び第2トーションスプリング158、159をピストン151側に保持するとともに、第1及び第2トーションスプリング158、159の端部を回転方向に支持する役割を果たす。
リティーニングプレート152は、ピストン本体161の軸方向トランスミッション側の面に沿って配置された環状の部材であり、一対のプレート部材156、157から構成されている。一対のプレート部材156,157の外周部は互いに当接しており、複数のリベット155により互いに固定されている。一対のプレート部材156,157の外周縁には、突起164aに係合するように半径方向に延びる複数の突起156a,157aが形成されている。この係合により、ピストン151とリティーニングプレート152は軸方向には相対移動可能であるが回転方向には一体に回転するようになっている。一対のプレート部材156,157は、内周部分が軸方向に互いに間隔をあけて配置されている。各プレート部材156,157の外周部には、円周方向に並んだ複数の第2支持部156c,157cが形成されている。第2支持部156c,157cは後述する第2トーションスプリング159を収納及び支持するための構造であり、具体的には軸方向に切り起こされた半径方向両側の切り起こし部となっている。各プレート部材156,157の内周部には、円周方向に並んだ複数の第1支持部156b、157bが形成されている。第1支持部156b,157bは後述する第1トーションスプリング158を収納及び支持するための構造であり、具体的には軸方向に切り起こされた半径方向両側の切り起こし部となっている。
ドリブンプレート153は円板状の部材である。ドリブンプレート153は第1及び第2プレート部材156,157の軸方向間に配置され、内周部は複数のリベット128によりタービンハブ116のフランジ116aに固定されている。ドリブンプレート153には、第2支持部156c、157cに対応して第2窓孔153bが形成され、第1支持部156b,157bに対応して第1窓孔153aが形成されている。第1及び第2窓孔153a、153bは円周方向に長く延びる切り欠きや孔である。
第2トーションスプリング159は、コイルスプリングからなり、特に、この実施形態では、捩り特性の1段目で摩擦を発生し、捩り特性の2段目で回転方向に圧縮されてダンパー機構に高ストッパートルクを確保するための部材である。第2トーションスプリング159は各第2窓孔153b、第2支持部156c、157c内に収納されている。第2トーションスプリング159は円周方向両端が各第2窓孔153b、第2支持部156c、157cの円周方向端に支持されている。なお、第2窓孔153bの回転方向内側端同士の回転方向長さは第2トーションスプリング159の回転方向長さよりわずかに長くなっている。したがって、図6に示すように、第2トーションスプリング159と第2窓孔153bとの回転方向間には所定の回転方向隙間が確保されている。この回転方向隙間の円周方向角度θaは、エンジンの回転変動に伴う捩じり振動に対して高ヒステリシストルクを発生しないことでこもり音を低減することが達成されるように設定され、具体的には0.5〜5度の範囲又はそれをわずかに越える範囲である。
なお、第2トーションスプリング159の回転方向端部と第2支持部156c、157cの円周方向端との間には所定の円周方向隙間(角度θ1)が確保されている。さらに、第2トーションスプリング159は第2支持部156c、157cの切り起こし部によって軸方向の移動を制限されている。遠心力が作用すると、第2トーションスプリング159は半径方向外側に移動して第2支持部156c、157cの外周側切り起こし部に押し付けられる。
第1トーションスプリング158は、エンジンの回転変動により生じる微小捩じり振動やロックアップ装置105の連結時のショックによる振動などを吸収・減衰するコイルスプリングから構成されている。第1トーションスプリング158は各第1窓孔153a、第1支持部156b、157b内に収納されている。第1トーションスプリング158は円周方向両端が各第1窓孔153a、第1支持部156b、157bの円周方向端に支持されている。さらに、第1トーションスプリング158は第1支持部156b、157bの切り起こし部によって軸方向の移動を制限されている。
ピストン151とドリブンプレート153とが相対回転した場合に、相対回転角度が所定の角度(θ1)までは第1トーションスプリング158のみが回転方向に圧縮され、相対回転角度が所定の角度(θ1)以上になると第2トーションスプリング159が第1トーションスプリング158と並列に圧縮される。すなわち、ロックアップ装置105のダンパー機構107において2段階の捩り特性を実現することができる。
この実施形態でも、第2トーションスプリング159は、第2窓孔153bの回転方向端に駆動されると、遠心力によって第2支持部156c、157cの外周側切り起こし部に押しつけられながら回転方向に摺動する。したがって、図4の捩じり特性線図に示すように、比較的高いヒステリシストルク(DCヒス)が得られる。しかし、微小捩じり振動が入力された場合には、例えばそれがθa内である場合は、第2トーションスプリング159はリティーニングプレート152と一体回転してドリブンプレート153と相対回転する。すなわち、θa内では第2トーションスプリング159はリティーニングプレート152と摺動せず、したがって高ヒステリシストルクを発生することはない。そのため、θa内では低いヒステリシストルク(ACヒス)が得られる。なお、ここでのACヒスとは、第2トーションスプリング159以外で発生するヒステリシストルクである。
このように、微小捩じり振動に対しては、第2トーションスプリング159による摩擦発生機構の摩擦発生部を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収することができる。
このように、第2トーションスプリング159が摩擦発生機構を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
なお、以上の実施形態では、第2トーションスプリング159はドリブンプレート153に駆動されてリティーニングプレート152に摺動していたが、プレートの役割を反対にしても良い。
摩擦発生機構として機能するトーションスプリングが他方のトーションスプリングに対して内周側に配置されていても良い。また、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングが半径方向に並んで(同一円周上に)配置されていても良い。
(7)第3実施形態
図7及び図8を用いて、本発明の第3実施形態の摩擦発生機構201について説明する。なお、この摩擦発生機構201が採用されるトルクコンバータのロックアップ装置は、前記第2実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
ピストン251の外周側筒状部264は、複数の突起264aを有しており、突起264aは図8に示すように回転方向に所定の長さ(角度)を有している。
摩擦発生機構201は、突起264aに摺動して摩擦を発生する機構である。摩擦発生機構201は、摩擦部材202と、それを保持する保持プレート203とから構成されている。摩擦部材202は、回転方向に細長く延びるブロック状部材であり、突起264aの内周側に近接して配置されている。摩擦部材202の外周面202aは突起264aの内周面264bに沿って回転方向に移動可能な形状になっている。
保持プレート203は、摩擦部材202を保持して回転方向に駆動するための部材である。保持プレート203の内周部203aは例えば溶接によってタービンシェル214に固定されている。保持プレート203の外周縁には、回転方向に並んだ3本の保持爪203b、203c、203dが設けられている。保持爪203b、203dは摩擦部材202の軸方向エンジン側面に当接しており、保持爪203cは摩擦部材202軸方向エンジン側面に当接している。これにより、摩擦部材203は保持プレートによって軸方向に支持されている。さらに、保持プレート203の外周縁には、摩擦部材202を回転方向に駆動するための回転方向端面203e、203fが形成されている。回転方向端面203e、203fは摩擦部材202の回転方向両側に配置されている。回転方向端面203e,203f同士間の回転方向長さは摩擦部材202の回転方向長さよりわずかに長くなっている。したがって、図8に示すように、摩擦部材202と回転方向端面203e,203fとの回転方向間には所定の回転方向隙間が確保されている。この回転方向隙間の円周方向角度θaは、エンジンの回転変動に伴う捩じり振動に対して高ヒステリシストルクを発生しないことでこもり音を低減することが達成されるように設定され、具体的には0.5〜5度の範囲又はそれをわずかに越える範囲である。
この実施形態では、摩擦部材202は、保持プレート203の回転方向端面203e、203fに駆動されると、遠心力によって突起264aに押しつけられながら回転方向に摺動する。したがって、図4の捩じり特性線図に示すように、比較的高いヒステリシストルク(DCヒス)が得られる。しかし、微小捩じり振動が入力された場合には、例えばそれがθa内である場合は、摩擦部材202はピストン251と一体回転して保持プレート203と相対回転する。すなわち、θa内では摩擦部材202はピストン251と摺動せず、したがって高ヒステリシストルクを発生することはない。そのため、θa内では低いヒステリシストルク(ACヒス)が得られる。なお、ここでのACヒスとは、摩擦部材202以外で発生するヒステリシストルクである。
このように、微小捩じり振動に対しては、摩擦発生機構201の摩擦発生部を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収することができる。
このように、摩擦部材202及び保持プレート203が摩擦発生機構201を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。特に、摩擦発生機構201はロックアップ装置205とタービン210の外周部同士のスペースに配置されているため、さらに省スペースに貢献している。
(8)第4実施形態
図9及び図10を用いて、本発明の第4実施形態の摩擦発生機構301について説明する。なお、この摩擦発生機構301が採用されるトルクコンバータのロックアップ装置は、前記第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
リティーニングプレート352は、内周縁に軸方向トランスミッション側に延びる筒状部352aを有している。筒状部352aは円周方向に一体に又は分割して形成されている。
摩擦発生機構301は、筒状部352aに摺動して摩擦を発生する機構である。摩擦発生機構301は、摩擦部材302と、それを保持する保持爪303と、それを回転方向に駆動する駆動爪304とから構成されている。摩擦部材302は、回転方向に細長く延びるブロック状部材であり、筒状部352aの内周側に近接して配置されている。摩擦部材302の外周面302aは、筒状部352aの内周面352bに沿って回転方向に移動可能な形状になっている。
保持爪303は、摩擦部材302を保持するための部材であり、ドリブンプレート353の一部が切り起こされて形成されている。保持爪303は、摩擦部材302の内周側で軸方向エンジン側に延びさらに半径方向外側に延びている。これにより、保持爪303は、摩擦部材302の半径方向内側と軸方向エンジン側を支持している。
駆動爪304は、ドリブンプレート353の一部が切り起こされて形成されている。駆動爪304は摩擦部材302の回転方向両側に配置された一対の部材である。駆動爪304同士間の回転方向長さは摩擦部材302の回転方向長さよりわずかに長くなっている。したがって、図10に示すように、摩擦部材302と駆動爪304の回転方向端面との回転方向間には所定の回転方向隙間が確保されている。この回転方向隙間の円周方向角度θaは、は、エンジンの回転変動に伴う捩じり振動に対して高ヒステリシストルクを発生しないことでこもり音を低減することが達成されるように設定され、具体的には0.5〜5度の範囲又はそれをわずかに越える範囲である。
この実施形態では、摩擦部材302は、駆動爪304に駆動されると、遠心力によって筒状部352aに押しつけられながら回転方向に摺動する。したがって、図4の捩じり特性線図に示すように、比較的高いヒステリシストルク(DCヒス)が得られる。しかし、微小捩じり振動が入力された場合には、例えばそれがθa内である場合は、摩擦部材302はリティーニングプレート352と一体回転してドリブンプレート353と相対回転する。すなわち、θa内では摩擦部材302はリティーニングプレート352と摺動せず、したがって高ヒステリシストルクを発生することはない。そのため、θa内では低いヒステリシストルク(ACヒス)が得られる。なお、ここでのACヒスとは、摩擦部材302以外で発生するヒステリシストルクである。
このように、微小捩じり振動に対しては、摩擦発生機構301の摩擦発生部を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収することができる。
このように、摩擦部材302及びドリブンプレート353が摩擦発生機構301を構成しているため、部品点数が少なくなり、さらに省スペースの効果が得られる。
(9)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置の第1実施形態が採用されたトルクコンバータの縦断面概略図。 摩擦発生機構の縦断面図(第1実施形態)。 摩擦発生機構の平面図(第1実施形態)。 ロックアップ装置の捩り特性線図(第1実施形態)。 第2実施形態のトルクコンバータの縦断面概略図。 ロックアップ装置の平面図(第2実施形態) 第3実施形態のトルクコンバータの部分縦断面概略図。 摩擦発生機構の平面図(第3実施形態)。 第4実施形態のトルクコンバータの部分縦断面概略図。 図9のX−X断面図(第4実施形態)。
符号の説明
1 トルクコンバータ(流体式トルク伝達装置)
2 フロントカバー
3 トルクコンバータ本体
5 ロックアップ装置
6 クラッチ機構
7 ダンパー機構
9 インペラー
10 タービン
11 ステータ
51 ピストン
52 リティーニングプレート
53 ドリブンプレート
54 第1トーションスプリング
57 第2トーションスプリング
72 第1スプリング保持部
78 第2スプリング保持部

Claims (7)

  1. 第1回転部材と、
    前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転部材と、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に両者が相対回転すると圧縮するように配置され、前記第1回転部材に対して遠心力で押し付けられて回転方向に摺動可能な弾性部材とを備え、
    前記弾性部材と前記第2回転部材との回転方向間には微少隙間が確保されている、
    ダンパー機構。
  2. 第1回転部材と、
    前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転部材と、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に両者が相対回転すると圧縮するように配置された第1弾性部材と、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間で第1回転部材に並列にかつに両者が相対回転すると圧縮するように配置され、前記第1回転部材に対して遠心力で押し付けられて摺動可能な第2弾性部材とを備え、
    前記弾性部材と前記第2回転部材との回転方向間には微少隙間が確保されている、
    ダンパー機構。
  3. 前記第2弾性部材と前記第1回転部材との回転方向間には捩り特性の1段目に該当する隙間が確保されている、請求項2に記載のダンパー機構。
  4. 第1回転部材と、
    前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転部材と、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に両者が相対回転すると圧縮するように配置された弾性部材と、
    前記第1回転部材に対して遠心力によって押し付けられて回転方向に摺動可能になっており、前記第2回転部材に対して微少隙間を介して回転方向に係合する摩擦部材と、
    を備えたダンパー機構。
  5. 前記第1回転部材は、前記摩擦部材が押し付けられる内周面を有しており、
    前記第2回転部材は、前記摩擦部材に微少隙間を介して回転方向に係合する回転方向係合部を有している、請求項4に記載のダンパー機構。
  6. 前記第2回転部材は、前記摩擦部材を軸方向に保持する軸方向保持部をさらに有している、請求項5に記載のダンパー機構。
  7. 前記請求項1〜6のダンパー機構を有する流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。
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