JPH09229159A - トルクコンバータのロックアップクラッチ - Google Patents
トルクコンバータのロックアップクラッチInfo
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- JPH09229159A JPH09229159A JP3626496A JP3626496A JPH09229159A JP H09229159 A JPH09229159 A JP H09229159A JP 3626496 A JP3626496 A JP 3626496A JP 3626496 A JP3626496 A JP 3626496A JP H09229159 A JPH09229159 A JP H09229159A
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H45/00—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
- F16H45/02—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
- F16H2045/0273—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
- F16H2045/0278—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch comprising only two co-acting friction surfaces
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H45/00—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
- F16H45/02—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
- F16H2045/0273—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
- F16H2045/0294—Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members
Landscapes
- Control Of Fluid Gearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 トルクコンバータのロックアップクラッチに
おいて、低温でクラッチ隙間を大きくし、常温で隙間を
小さくすることで、低温での引きずりトルクを小さく
し、常温での応答性改善とロックアップ締結ショックの
両立を図ること。 【解決手段】 設定温度以上ではロックアップピストン
208と接触しない様に変形することでロックアップピ
ストン208の油圧による作動に影響を及ぼさないよう
にし、設定温度以下ではロックアップピストン208を
非締結方向に押すよう変形することで非締結状態とする
バイメタル板250を設けた。
おいて、低温でクラッチ隙間を大きくし、常温で隙間を
小さくすることで、低温での引きずりトルクを小さく
し、常温での応答性改善とロックアップ締結ショックの
両立を図ること。 【解決手段】 設定温度以上ではロックアップピストン
208と接触しない様に変形することでロックアップピ
ストン208の油圧による作動に影響を及ぼさないよう
にし、設定温度以下ではロックアップピストン208を
非締結方向に押すよう変形することで非締結状態とする
バイメタル板250を設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 車両用自動変速機に用いら
れるトルクコンバータのロックアップクラッチに関す
る。
れるトルクコンバータのロックアップクラッチに関す
る。
【0002】
【従来の技術】 従来のロックアップクラッチの構成を
説明する。図5に、特許出願公開公報昭58−1314
64号に記載のトルクコンバータのロックアップクラッ
チの構造を示す。図において左端の第1ケーシング1と
右の第2ケーシング2とがいくつかのボルト3により左
右から互いに締着されて中空のハウジングHを作る。両
ケーシング1,2がボルト3で締着されるフランジ部分
間には、両ケーシング1,2と円径の環状加圧板4が、
同ボルト3を共通に利用して両ケーシング1,2に一体
に締着されている。第1ケーシング1の中心部のハブ5
は図示のように第1ケーシング1内に突出し、その外周
にはシール6によりシールされて、ピストン7がその中
心の孔によりはまる。ピストン7はその周縁をシール8
にシールされてケーシング1内に滑動可能にはまる。ピ
ン9はピストン7の回転を防ぐ。ハブ5のケーシング1
外部への突出部分は、図の左方から図示しないエンジン
クランクシャフトが、カップリングにより同心同軸に結
合される。従って、ハウジングHはクランクシャフトと
一体となり回転する。ハブ5は中空であって、その中に
ハウジングHの内方から、図示しないコンバータの出力
がはまり軸支回転される。この出力軸の外周スプライン
はタービン翼10の内周のスプライン12に係合する。
ハブ11は外周にもスプライン13があって、これがク
ラッチハブ14のスプラインと係合している。クラッチ
ハブ14はクラッチディスク15とサブプレート16と
にはさまれてこれらを相対回転可能に支えている。リベ
ット17はクラッチディスク15とサブプレートの両者
だけを一体回転可能に連結する。クラッチハブ14はコ
イルスプリングのダンパ18を介してクラッチディスク
15及びサブプレート16よりなる主動節側に対し、連
動する。19は摩擦材製のクラッチフェーシングであ
る。一方向クラッチ機構20はスリーブ21のスプライ
ン22によって図示しない中空固定軸とスプライン結合
する。この一方向クラッチ機構20により、ステータ翼
23を一方向に回転可能に支える。インペラ翼24は第
2ケーシング2の内周面に固定されている。第2ケーシ
ング2の右方中心部は中空のスリーブ25となってい
て、これが図示しない軸受にて軸支されている。このス
リーブ25の部分は、一方向クラッチ機構20とスプラ
イン結合の中空固定軸が貫通し、この中空固定軸の内部
をコンバータ出力軸(図示省略)がさらに貫通する。こ
の出力軸は図の左方にまで延びてタービン翼10のハブ
11とスプライン結合した後、さらに延びてハブ5内に
軸支される。この出力軸の軸心に沿い油の通路が延び、
ケーシング外周の加圧油源からの加圧油を、ハブ5の通
孔26を経て加圧室27内に導く。以上説明の構造はこ
の形式のトルクコンバータの周知の構造である。
説明する。図5に、特許出願公開公報昭58−1314
64号に記載のトルクコンバータのロックアップクラッ
チの構造を示す。図において左端の第1ケーシング1と
右の第2ケーシング2とがいくつかのボルト3により左
右から互いに締着されて中空のハウジングHを作る。両
ケーシング1,2がボルト3で締着されるフランジ部分
間には、両ケーシング1,2と円径の環状加圧板4が、
同ボルト3を共通に利用して両ケーシング1,2に一体
に締着されている。第1ケーシング1の中心部のハブ5
は図示のように第1ケーシング1内に突出し、その外周
にはシール6によりシールされて、ピストン7がその中
心の孔によりはまる。ピストン7はその周縁をシール8
にシールされてケーシング1内に滑動可能にはまる。ピ
ン9はピストン7の回転を防ぐ。ハブ5のケーシング1
外部への突出部分は、図の左方から図示しないエンジン
クランクシャフトが、カップリングにより同心同軸に結
合される。従って、ハウジングHはクランクシャフトと
一体となり回転する。ハブ5は中空であって、その中に
ハウジングHの内方から、図示しないコンバータの出力
がはまり軸支回転される。この出力軸の外周スプライン
はタービン翼10の内周のスプライン12に係合する。
ハブ11は外周にもスプライン13があって、これがク
ラッチハブ14のスプラインと係合している。クラッチ
ハブ14はクラッチディスク15とサブプレート16と
にはさまれてこれらを相対回転可能に支えている。リベ
ット17はクラッチディスク15とサブプレートの両者
だけを一体回転可能に連結する。クラッチハブ14はコ
イルスプリングのダンパ18を介してクラッチディスク
15及びサブプレート16よりなる主動節側に対し、連
動する。19は摩擦材製のクラッチフェーシングであ
る。一方向クラッチ機構20はスリーブ21のスプライ
ン22によって図示しない中空固定軸とスプライン結合
する。この一方向クラッチ機構20により、ステータ翼
23を一方向に回転可能に支える。インペラ翼24は第
2ケーシング2の内周面に固定されている。第2ケーシ
ング2の右方中心部は中空のスリーブ25となってい
て、これが図示しない軸受にて軸支されている。このス
リーブ25の部分は、一方向クラッチ機構20とスプラ
イン結合の中空固定軸が貫通し、この中空固定軸の内部
をコンバータ出力軸(図示省略)がさらに貫通する。こ
の出力軸は図の左方にまで延びてタービン翼10のハブ
11とスプライン結合した後、さらに延びてハブ5内に
軸支される。この出力軸の軸心に沿い油の通路が延び、
ケーシング外周の加圧油源からの加圧油を、ハブ5の通
孔26を経て加圧室27内に導く。以上説明の構造はこ
の形式のトルクコンバータの周知の構造である。
【0003】次に従来技術の作動を説明する。図の左方
中央のハブ5を介してハウジング出力軸の回転が伝達さ
れる。ハウジングH内のインペラ翼24もハウジングH
と共に一体になって回転する。ハウジングH内の油はイ
ンペラ翼24からタービン翼10を駆動した後、ステー
タ翼23に移り案内されて再びインペラ翼24に戻る循
環を続けて、タービン翼10が回転される。タービン翼
10の回転は以下、ハブ11出力軸に伝達される。上記
は流体トルク変換装置を介するトルク伝達であるが、次
にロックアップクラッチのトルク伝達を説明する。図の
左方の加圧室27内に図示しない出力軸の軸心の通路及
びハブ5の通孔26を介し、外部の油圧源から加圧油が
供給されると、ピストン7は図の右方に押されて、それ
まで遊転していたクラッチディスク15のクラッチフェ
ーシング19を、環状加圧板4とで挟圧する。その結果
クラッチディスク15は第1ケーシング1と一体に結合
される。従ってエンジン出力軸はハブ5から第1ケーシ
ング1、環状加圧板4、クラッチディスク15、ハブ1
1、スプライン12を介し、出力軸にクラッチ結合され
る。即ち、エンジンのクランク軸は上記の様にロックア
ップクラッチ機構を介して出力軸にクラッチ結合され
て、動力が直接伝達される。車速やエンジン負荷等を入
力信号とするロックアップスケジュールに基づきロック
アップの締結・非締結の要求をコンピュータ(図示省
略)が判断し、ロックアップソレノイドバルブ(図示省
略)へ信号を送り、加圧室27への圧力の調節するのが
一般的である。
中央のハブ5を介してハウジング出力軸の回転が伝達さ
れる。ハウジングH内のインペラ翼24もハウジングH
と共に一体になって回転する。ハウジングH内の油はイ
ンペラ翼24からタービン翼10を駆動した後、ステー
タ翼23に移り案内されて再びインペラ翼24に戻る循
環を続けて、タービン翼10が回転される。タービン翼
10の回転は以下、ハブ11出力軸に伝達される。上記
は流体トルク変換装置を介するトルク伝達であるが、次
にロックアップクラッチのトルク伝達を説明する。図の
左方の加圧室27内に図示しない出力軸の軸心の通路及
びハブ5の通孔26を介し、外部の油圧源から加圧油が
供給されると、ピストン7は図の右方に押されて、それ
まで遊転していたクラッチディスク15のクラッチフェ
ーシング19を、環状加圧板4とで挟圧する。その結果
クラッチディスク15は第1ケーシング1と一体に結合
される。従ってエンジン出力軸はハブ5から第1ケーシ
ング1、環状加圧板4、クラッチディスク15、ハブ1
1、スプライン12を介し、出力軸にクラッチ結合され
る。即ち、エンジンのクランク軸は上記の様にロックア
ップクラッチ機構を介して出力軸にクラッチ結合され
て、動力が直接伝達される。車速やエンジン負荷等を入
力信号とするロックアップスケジュールに基づきロック
アップの締結・非締結の要求をコンピュータ(図示省
略)が判断し、ロックアップソレノイドバルブ(図示省
略)へ信号を送り、加圧室27への圧力の調節するのが
一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
様なロックアップクラッチにおいては、非締結時に、加
圧室27の圧力がピストン右側の圧力室31よりも低く
なると、ピストン7が図左方へ移動し、クラッチディス
ク33と環状加圧板4、クラッチディスク33とピスト
ン7の間に隙間ができるようになっている。隙間が小さ
いと低温時に作動油の粘性が上昇するので、クラッチ伝
達トルクが大きくなる。その結果、氷点下20度や30
度位の低温時には、クラッチが実質的に切れない。自動
変速機のNレンジにてエンジンを始動するとき、低温時
には、ロックアップクラッチが実質的に切れていないた
め、エンジンにとっての大きな負荷となりエンジンが始
動しにくくなる。仮に変速クラッチが滑り始動したとし
ても、NレンジからDレンジにしたときエンジンにとっ
ての大きな負荷となりエンジンが停止する可能性があ
る。従って、クラッチディスク33と環状加圧板4、ク
ラッチディスク33とピストン7の間に隙間があるよう
にセッティングされている。
様なロックアップクラッチにおいては、非締結時に、加
圧室27の圧力がピストン右側の圧力室31よりも低く
なると、ピストン7が図左方へ移動し、クラッチディス
ク33と環状加圧板4、クラッチディスク33とピスト
ン7の間に隙間ができるようになっている。隙間が小さ
いと低温時に作動油の粘性が上昇するので、クラッチ伝
達トルクが大きくなる。その結果、氷点下20度や30
度位の低温時には、クラッチが実質的に切れない。自動
変速機のNレンジにてエンジンを始動するとき、低温時
には、ロックアップクラッチが実質的に切れていないた
め、エンジンにとっての大きな負荷となりエンジンが始
動しにくくなる。仮に変速クラッチが滑り始動したとし
ても、NレンジからDレンジにしたときエンジンにとっ
ての大きな負荷となりエンジンが停止する可能性があ
る。従って、クラッチディスク33と環状加圧板4、ク
ラッチディスク33とピストン7の間に隙間があるよう
にセッティングされている。
【0005】よって、非締結時の状態から、締結時の状
態への移行するとき、隙間が0になるまでは、動力伝達
できず、その間制御的な応答遅れが発生する。この様な
応答遅れの結果、ロックアップスケジュールに基づくロ
ックアップクラッチの締結・非締結の要求に対し、ロッ
クアップの締結が遅れるために、この分、ロックアップ
時間が短くなり燃料消費を改善できないことになる。こ
の様なロックアップ遅れは車両が巡航している場合には
余り問題とならないが、実走行では車両は加減速を繰り
返しながら走行するのが一般的であり、車両の車速帯に
よっては大きく燃費向上の妨げになることがある。
態への移行するとき、隙間が0になるまでは、動力伝達
できず、その間制御的な応答遅れが発生する。この様な
応答遅れの結果、ロックアップスケジュールに基づくロ
ックアップクラッチの締結・非締結の要求に対し、ロッ
クアップの締結が遅れるために、この分、ロックアップ
時間が短くなり燃料消費を改善できないことになる。こ
の様なロックアップ遅れは車両が巡航している場合には
余り問題とならないが、実走行では車両は加減速を繰り
返しながら走行するのが一般的であり、車両の車速帯に
よっては大きく燃費向上の妨げになることがある。
【0006】ロックアップのこの応答遅れを改善するた
めに、加圧室27の圧力を高くして流入流量を増やし移
動速度を高め遅れ時間を短縮する手段を採ると、隙間が
0になった瞬間の圧力が高いわけであるから、大きな伝
達トルクを発生し、急激なトルク発生によるショックが
乗員に伝わり、乗員にとって不快な現象となるととも
に、耐久性等の観点からも好ましくない。即ち、低温で
の引きずりトルクを小さくするためクラッチ隙間を大き
く設けると、応答性改善とロックアップ締結ショックは
両立しないことになる。
めに、加圧室27の圧力を高くして流入流量を増やし移
動速度を高め遅れ時間を短縮する手段を採ると、隙間が
0になった瞬間の圧力が高いわけであるから、大きな伝
達トルクを発生し、急激なトルク発生によるショックが
乗員に伝わり、乗員にとって不快な現象となるととも
に、耐久性等の観点からも好ましくない。即ち、低温で
の引きずりトルクを小さくするためクラッチ隙間を大き
く設けると、応答性改善とロックアップ締結ショックは
両立しないことになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明は、低温ではク
ラッチ隙間を大きくし、常温では隙間を小さくすること
で、低温での引きずりトルクを小さくし、常温での応答
性改善とロックアップ締結ショックの両立をはかれるこ
とになる。
ラッチ隙間を大きくし、常温では隙間を小さくすること
で、低温での引きずりトルクを小さくし、常温での応答
性改善とロックアップ締結ショックの両立をはかれるこ
とになる。
【0008】
【発明の実施の形態】 図1は本発明実施の形態1を示
すものである。まず、構成を説明する。図において左端
のトルコンカバー201と右のインペラ翼224のカバ
ーを溶接することにより、ハウジングHが構成されてい
る。トルコンカバー201にはボス209が溶接されて
おり、図示しないボルトによって、図の左方の図示しな
いエンジンクランクシャフトと同心同軸に結合される。
従って、ハウジングHはクランクシャフトと一体となり
回転する。トルコンカバー201の内側にはクラッチデ
ィスクハブ200が溶接されている。
すものである。まず、構成を説明する。図において左端
のトルコンカバー201と右のインペラ翼224のカバ
ーを溶接することにより、ハウジングHが構成されてい
る。トルコンカバー201にはボス209が溶接されて
おり、図示しないボルトによって、図の左方の図示しな
いエンジンクランクシャフトと同心同軸に結合される。
従って、ハウジングHはクランクシャフトと一体となり
回転する。トルコンカバー201の内側にはクラッチデ
ィスクハブ200が溶接されている。
【0009】ハブ211にはタービンシェル212がリ
ベットにて締結されている。ハブ211の外周にシール
部材210が設けられ、ロックアップピストン208の
中心の孔がはまり、ハブ211とロックアップピストン
208はシール性を保ちながら摺動可能となる。クラッ
チドラム204の外周部はスプラインのメスとなってお
り、内周部はタービンシェル212に溶接されている。
ロックアップピストン208には、外径部にシール20
7が焼き付けてあり、クラッチドラム204にはめ合わ
され、クラッチドラム204に対しロックアップピスト
ン208は、シール性を保ちながら摺動可能となってい
る。この様にしてロックアップピストン208とタービ
ンシェル212で挟まれる空間が加圧室214を構成す
る。タービンシェル212とピストン208は互いに軸
方向に離反する方向にスプリング219が設けられてい
る。
ベットにて締結されている。ハブ211の外周にシール
部材210が設けられ、ロックアップピストン208の
中心の孔がはまり、ハブ211とロックアップピストン
208はシール性を保ちながら摺動可能となる。クラッ
チドラム204の外周部はスプラインのメスとなってお
り、内周部はタービンシェル212に溶接されている。
ロックアップピストン208には、外径部にシール20
7が焼き付けてあり、クラッチドラム204にはめ合わ
され、クラッチドラム204に対しロックアップピスト
ン208は、シール性を保ちながら摺動可能となってい
る。この様にしてロックアップピストン208とタービ
ンシェル212で挟まれる空間が加圧室214を構成す
る。タービンシェル212とピストン208は互いに軸
方向に離反する方向にスプリング219が設けられてい
る。
【0010】クラッチドラム204の外周部のスプライ
ンにはさらにドリブンプレート206、リテーナプレー
ト202がはめあわされており、これらの間にクラッチ
ディスク205が挟み込まれている。クラッチドラム2
04の外周部のスプラインからこれらドリブンプレート
206、リテーナプレート202、クラッチディスク2
05が脱落しないようスナップリング203がはめあわ
されている。クラッチディスク205の内周部には切り
欠きがあり、クラッチディスクハブ200外周部の切り
欠きとはめあわされ、クラッチディスク205とクラッ
チディスクハブ200とは回転方向に拘束され、軸方向
には摺動可能になるようにしている。
ンにはさらにドリブンプレート206、リテーナプレー
ト202がはめあわされており、これらの間にクラッチ
ディスク205が挟み込まれている。クラッチドラム2
04の外周部のスプラインからこれらドリブンプレート
206、リテーナプレート202、クラッチディスク2
05が脱落しないようスナップリング203がはめあわ
されている。クラッチディスク205の内周部には切り
欠きがあり、クラッチディスクハブ200外周部の切り
欠きとはめあわされ、クラッチディスク205とクラッ
チディスクハブ200とは回転方向に拘束され、軸方向
には摺動可能になるようにしている。
【0011】出力軸(図示省略)の軸心に沿い油の通路
が延び、通孔215が設けられており、冷却油の上流通
路を形成している。さらに、スリーブ216とインナー
レース217の間は冷却油の下流通路218を形成して
いる。加圧油源からの加圧油を、ハブ211の油路21
3を経て加圧室214内に導く。
が延び、通孔215が設けられており、冷却油の上流通
路を形成している。さらに、スリーブ216とインナー
レース217の間は冷却油の下流通路218を形成して
いる。加圧油源からの加圧油を、ハブ211の油路21
3を経て加圧室214内に導く。
【0012】ハブ211には、円盤状のバイメタル板2
50がはめ合わされ、脱落しないようスナップリング2
51で抑えられている。このバイメタル板250には、
わずかなテーパを作ってあり、常温においては図のよう
にロックアップピストン208の締結方向に反ってい
る。
50がはめ合わされ、脱落しないようスナップリング2
51で抑えられている。このバイメタル板250には、
わずかなテーパを作ってあり、常温においては図のよう
にロックアップピストン208の締結方向に反ってい
る。
【0013】次に作用を説明する。図2の左方の加圧室
214内に、油路213を通り、外部の油圧源から加圧
油が供給されると、ロックアップピストン208は図の
左方に押されて、それまで遊転していたクラッチディス
ク205のクラッチフェーシングを、ドリブンプレート
206、リテーナプレート202とで挟圧する。その結
果、エンジンと回転一体に結合されているクラッチディ
スク205はクラッチドラム204、タービンシェル2
12、そしてハブ211を介して出力軸(図示省略)と
回転一体に結合される。即ち、エンジンのクランク軸は
上記の様にロックアップクラッチ機構を介して出力軸に
クラッチ結合されて、動力が直接伝達される。
214内に、油路213を通り、外部の油圧源から加圧
油が供給されると、ロックアップピストン208は図の
左方に押されて、それまで遊転していたクラッチディス
ク205のクラッチフェーシングを、ドリブンプレート
206、リテーナプレート202とで挟圧する。その結
果、エンジンと回転一体に結合されているクラッチディ
スク205はクラッチドラム204、タービンシェル2
12、そしてハブ211を介して出力軸(図示省略)と
回転一体に結合される。即ち、エンジンのクランク軸は
上記の様にロックアップクラッチ機構を介して出力軸に
クラッチ結合されて、動力が直接伝達される。
【0014】一方、車速やエンジン負荷等を入力信号と
するロックアップスケジュールに基づきロックアップの
非締結の要求をコンピュータ(図示省略)が判断し、ロ
ックアップソレノイドバルブ(図示省略)へ信号を送
り、加圧室214への圧力を落とすと、ロックアップピ
ストン208は図の左方に押す油圧の力が無くなり、ク
ラッチディスク205のクラッチフェーシングを、ドリ
ブンプレート206、リテーナプレート202とで挟圧
しなくなる。その結果、エンジンと回転一体に結合され
ているクラッチディスク205はクラッチドラム20
4、タービンシェル212、そしてハブ211を介して
出力軸(図示省略)と回転一体に結合できなくなる。こ
の結果、エンジンのクランク軸の動力はロックアップク
ラッチと並行に配置されている流体要素を介して出力軸
に動力が伝達される。
するロックアップスケジュールに基づきロックアップの
非締結の要求をコンピュータ(図示省略)が判断し、ロ
ックアップソレノイドバルブ(図示省略)へ信号を送
り、加圧室214への圧力を落とすと、ロックアップピ
ストン208は図の左方に押す油圧の力が無くなり、ク
ラッチディスク205のクラッチフェーシングを、ドリ
ブンプレート206、リテーナプレート202とで挟圧
しなくなる。その結果、エンジンと回転一体に結合され
ているクラッチディスク205はクラッチドラム20
4、タービンシェル212、そしてハブ211を介して
出力軸(図示省略)と回転一体に結合できなくなる。こ
の結果、エンジンのクランク軸の動力はロックアップク
ラッチと並行に配置されている流体要素を介して出力軸
に動力が伝達される。
【0015】さて次に、以上の基本作用に対し、本発明
のバイメタル板250がどの様な作用をつかさどるかを
説明する。まず、トルクコンバータ内の作動油が常温の
時を考えよう。常温の時には、前述の円盤状のバイメタ
ル板250は、図1のようにロックアップピストン20
8の締結方向に反っている。この時、バイメタル板25
0は、ロックアップピストン208には接触していない
ため、ロックアップの作用にはなんら影響を及ぼさな
い。ロックアップクラッチが非締結状態でも、当然ロッ
クアップの作用にはなんら影響を及ぼさない。この時、
スプリング209が締結時にセット荷重が発生している
ときには、スプリング209に小さな力ではあるが、ク
ラッチディスク205のクラッチフェーシングを、ドリ
ブンプレート206、リテーナプレート204とで挟圧
し続ける。小さな力であるため、到底エンジンの発生ト
ルクを伝達できず、クラッチディスク205は遊転す
る。スプリング209が締結時にセット荷重が発生して
いない寸法関係であるときには、クラッチディスク20
5のクラッチフェーシングを、ドリブンプレート20
6、リテーナプレート204とで隙間が生じるようにな
る。いずれにしろ、クラッチ隙間は小さく(0も含む)
にでき、クラッチディスク205は遊転する事となる。
のバイメタル板250がどの様な作用をつかさどるかを
説明する。まず、トルクコンバータ内の作動油が常温の
時を考えよう。常温の時には、前述の円盤状のバイメタ
ル板250は、図1のようにロックアップピストン20
8の締結方向に反っている。この時、バイメタル板25
0は、ロックアップピストン208には接触していない
ため、ロックアップの作用にはなんら影響を及ぼさな
い。ロックアップクラッチが非締結状態でも、当然ロッ
クアップの作用にはなんら影響を及ぼさない。この時、
スプリング209が締結時にセット荷重が発生している
ときには、スプリング209に小さな力ではあるが、ク
ラッチディスク205のクラッチフェーシングを、ドリ
ブンプレート206、リテーナプレート204とで挟圧
し続ける。小さな力であるため、到底エンジンの発生ト
ルクを伝達できず、クラッチディスク205は遊転す
る。スプリング209が締結時にセット荷重が発生して
いない寸法関係であるときには、クラッチディスク20
5のクラッチフェーシングを、ドリブンプレート20
6、リテーナプレート204とで隙間が生じるようにな
る。いずれにしろ、クラッチ隙間は小さく(0も含む)
にでき、クラッチディスク205は遊転する事となる。
【0016】さて、この機構における非締結状態から締
結状態への移行を考えてみよう。前述のように非締結状
態ではクラッチ隙間が小さく(0も含む)なっており、
この状態から加圧室214内に外部の油圧源から加圧油
が供給されると、ロックアップピストン208は図の左
方に動こうとする。しかし隙間が小さい(0も含む)の
で、ピストンストロークが小さく、短い時間で伝達トル
クが発生することになる。この様にして応答遅れを小さ
くできる。一方、油圧の立ち上りを緩やかにすれば、伝
達トルクが発生するときの油圧は小さくて済む。油圧を
徐々に立ち上げることができれば、それに応じて伝達ト
ルクも徐々に立ち上がることになる。即ちロックアップ
ショックを回避できるわけである。この様にして、応答
遅れの改善とロックアップショックの両立がはかれるわ
けである。
結状態への移行を考えてみよう。前述のように非締結状
態ではクラッチ隙間が小さく(0も含む)なっており、
この状態から加圧室214内に外部の油圧源から加圧油
が供給されると、ロックアップピストン208は図の左
方に動こうとする。しかし隙間が小さい(0も含む)の
で、ピストンストロークが小さく、短い時間で伝達トル
クが発生することになる。この様にして応答遅れを小さ
くできる。一方、油圧の立ち上りを緩やかにすれば、伝
達トルクが発生するときの油圧は小さくて済む。油圧を
徐々に立ち上げることができれば、それに応じて伝達ト
ルクも徐々に立ち上がることになる。即ちロックアップ
ショックを回避できるわけである。この様にして、応答
遅れの改善とロックアップショックの両立がはかれるわ
けである。
【0017】次に、トルクコンバータ内の作動油が低温
の時を考えよう。この場合、前述の円盤状のバイメタル
板250は、図2のようにピストン208の非締結方向
に反っている。この時、バイメタル板250は、ロック
アップピストン208と接触し、押力を発生している。
従って、加圧室214の圧力が低ければ、ロックアップ
クラッチは非締結状態となり、その場合、大きなクラッ
チ隙間が生じる。一般に低温時には、ロックアップクラ
ッチを締結しないのであって、低温時には加圧室214
の圧力が低くする状態が指令されているので、大きなク
ラッチ隙間が生じる。このように低温時には大きな隙間
が作れる。
の時を考えよう。この場合、前述の円盤状のバイメタル
板250は、図2のようにピストン208の非締結方向
に反っている。この時、バイメタル板250は、ロック
アップピストン208と接触し、押力を発生している。
従って、加圧室214の圧力が低ければ、ロックアップ
クラッチは非締結状態となり、その場合、大きなクラッ
チ隙間が生じる。一般に低温時には、ロックアップクラ
ッチを締結しないのであって、低温時には加圧室214
の圧力が低くする状態が指令されているので、大きなク
ラッチ隙間が生じる。このように低温時には大きな隙間
が作れる。
【0018】バイメタル板250の性質の説明を補足す
る。バイメタル板250は2つの熱膨張係数の異なる材
料が厚さ方向に張り合わされている。その結果、温度に
よって円盤(バイメタル板250)が凸に反ったり、凹
に反ったり、軸対称に椀型に変形する。一方、このバイ
メタル板250にはあらかじめテーパが加えられている
ため、バックリング機能を持っており、平らな状態は安
定的に存在せず、凸または、凹のいずれかの状態とな
る。その結果中間状態が存在しない。もし、中間状態が
存在すると、中途半端にロックアップの作用に影響する
温度帯が存在することになるからである。
る。バイメタル板250は2つの熱膨張係数の異なる材
料が厚さ方向に張り合わされている。その結果、温度に
よって円盤(バイメタル板250)が凸に反ったり、凹
に反ったり、軸対称に椀型に変形する。一方、このバイ
メタル板250にはあらかじめテーパが加えられている
ため、バックリング機能を持っており、平らな状態は安
定的に存在せず、凸または、凹のいずれかの状態とな
る。その結果中間状態が存在しない。もし、中間状態が
存在すると、中途半端にロックアップの作用に影響する
温度帯が存在することになるからである。
【0019】さらに、実施の形態1の場合には、バイメ
タル板250がロックアップピストン208と同じ回転
速度になるため、ロックアップピストン208前後の回
転速度が同じ速度に近くなる。その結果、回転に基づく
遠心油圧のバランスがとれる方向となり、従って、ロッ
クアップピストン208の推力が回転速度に依存しにく
くなり、ピストン推力の制御が圧力制御で行えることと
なり、制御しやすくなる。
タル板250がロックアップピストン208と同じ回転
速度になるため、ロックアップピストン208前後の回
転速度が同じ速度に近くなる。その結果、回転に基づく
遠心油圧のバランスがとれる方向となり、従って、ロッ
クアップピストン208の推力が回転速度に依存しにく
くなり、ピストン推力の制御が圧力制御で行えることと
なり、制御しやすくなる。
【0020】次に図3にしたがって本発明の実施の形態
2について説明する。本例は単板式の例である。トルク
コンバータ部分は実施の形態1と同じであるので説明を
省略する。ハブ311にはタービンシェル312とロッ
クアップダンパー330がリベットにて締結されてい
る。ハブ311の外周にシール部材310が設けられ、
ロックアップピストン308の中心の孔がはまり、ハブ
311とロックアップピストン308はシール性を保ち
ながら摺動可能となる。ロックアップピストン308の
外周部は切り欠きとなっており、ロックアップダンパ3
30の外周部の切り欠きとはめ合わされ、ロックアップ
ピストン308外周近くにはフェーシング材331が張
り付けられている。ロックアップピストン308は、内
周部はシール性を保ちながら、ロックアップダンパ33
0に対し摺動可能となっている。この様にしてロックア
ップピストン308とタービンシェル312で挟まれる
空間、いわゆるアプライ室314を構成する。また、ト
ルコンカバー301とロックアップピストン308とフ
ェーシング材331で囲まれる領域を以降、リリース室
315と呼ぶ。以上はこの形式の周知の構造である。
2について説明する。本例は単板式の例である。トルク
コンバータ部分は実施の形態1と同じであるので説明を
省略する。ハブ311にはタービンシェル312とロッ
クアップダンパー330がリベットにて締結されてい
る。ハブ311の外周にシール部材310が設けられ、
ロックアップピストン308の中心の孔がはまり、ハブ
311とロックアップピストン308はシール性を保ち
ながら摺動可能となる。ロックアップピストン308の
外周部は切り欠きとなっており、ロックアップダンパ3
30の外周部の切り欠きとはめ合わされ、ロックアップ
ピストン308外周近くにはフェーシング材331が張
り付けられている。ロックアップピストン308は、内
周部はシール性を保ちながら、ロックアップダンパ33
0に対し摺動可能となっている。この様にしてロックア
ップピストン308とタービンシェル312で挟まれる
空間、いわゆるアプライ室314を構成する。また、ト
ルコンカバー301とロックアップピストン308とフ
ェーシング材331で囲まれる領域を以降、リリース室
315と呼ぶ。以上はこの形式の周知の構造である。
【0021】次に今回提案する構造について説明する。
ロックアップダンパ330のスプリング外周側円周上に
スナップリング351を設ける。ロックアップダンパ3
30とスナップリング351の間にバイメタル板350
内周をはめあわす。一方、ロックアップピストン308
にスナップリング352を設ける。ピストン308とス
ナップリング352の間にバイメタル板350外周をは
めあわす。このバイメタル板350には、わずかなテー
パを作ってあり、常温においては外周が図3のようにピ
ストン308の締結方向に、内周が非締結方向になるよ
う反っている。
ロックアップダンパ330のスプリング外周側円周上に
スナップリング351を設ける。ロックアップダンパ3
30とスナップリング351の間にバイメタル板350
内周をはめあわす。一方、ロックアップピストン308
にスナップリング352を設ける。ピストン308とス
ナップリング352の間にバイメタル板350外周をは
めあわす。このバイメタル板350には、わずかなテー
パを作ってあり、常温においては外周が図3のようにピ
ストン308の締結方向に、内周が非締結方向になるよ
う反っている。
【0022】次に実施の形態2の作用を説明する。図3
の右方のアプライ室314内に、通路334を通り、外
部の油圧源から加圧油が供給されると、アプライ室31
4からリリース室315へと油が流れ、ロックアップピ
ストン308は図の左方に押されて、ロックアップピス
トン308のフェーシング材331を、トルコンカバー
301に押しつける。その結果、エンジンと回転一体に
結合されているトルコンカバー301はロックアップピ
ストン308、ロックアップダンパ330、そしてハブ
311を介して出力軸(図示省略)と回転一体に結合さ
れる。即ち、エンジンのクランク軸は上記の様にロック
アップクラッチ機構を介して出力軸にクラッチ結合され
て、動力が直接伝達される。
の右方のアプライ室314内に、通路334を通り、外
部の油圧源から加圧油が供給されると、アプライ室31
4からリリース室315へと油が流れ、ロックアップピ
ストン308は図の左方に押されて、ロックアップピス
トン308のフェーシング材331を、トルコンカバー
301に押しつける。その結果、エンジンと回転一体に
結合されているトルコンカバー301はロックアップピ
ストン308、ロックアップダンパ330、そしてハブ
311を介して出力軸(図示省略)と回転一体に結合さ
れる。即ち、エンジンのクランク軸は上記の様にロック
アップクラッチ機構を介して出力軸にクラッチ結合され
て、動力が直接伝達される。
【0023】一方、車速やエンジン負荷等を入力信号と
するロックアップスケジュールに基づきロックアップの
非締結の要求をコンピュータ(図示省略)が判断し、ロ
ックアップソレノイドバルブ(図示省略)へ信号を送
り、通路333よりリリース室315からアプライ室3
14への流れに切り換えると、ロックアップピストン3
08は図の右方に移動する。その結果、エンジンのクラ
ンク軸の動力はロックアップクラッチと並行に配置され
ている流体要素を介して出力軸に動力が伝達される。こ
のとき、非締結状態の時でも、エンジンの回転速度がタ
ービン回転速度よりも大きいときには、ロックアップピ
ストン308はクラッチの切れ代いっぱいまで右方に移
動することはない。
するロックアップスケジュールに基づきロックアップの
非締結の要求をコンピュータ(図示省略)が判断し、ロ
ックアップソレノイドバルブ(図示省略)へ信号を送
り、通路333よりリリース室315からアプライ室3
14への流れに切り換えると、ロックアップピストン3
08は図の右方に移動する。その結果、エンジンのクラ
ンク軸の動力はロックアップクラッチと並行に配置され
ている流体要素を介して出力軸に動力が伝達される。こ
のとき、非締結状態の時でも、エンジンの回転速度がタ
ービン回転速度よりも大きいときには、ロックアップピ
ストン308はクラッチの切れ代いっぱいまで右方に移
動することはない。
【0024】リリース室315は一方の壁をトルコンカ
バー301に他方をロックアップピストン308に囲ま
れ、リリース室315の油の回転速度は、エンジン回転
速度をNeとし、タービン回転速度をNtとすれば、
(Ne+Nt)/2と仮定できる。一方、ロックアップ
ダンパ330とロックアップピストン308とで囲まれ
るアプライ室314の回転速度は、Ntで仮定できる。
ロックアップクラッチが切れているときは、トルコンカ
バー301とロックアップピストン308は離れてい
る。このような場合、近似的にピストン外周部ではアプ
ライ圧とリリース圧は同じと見ることができる。しかし
ながら、油の回転速度が違うため、遠心油圧に違いがあ
り、ドライブ状態ではリリース室315の方が遠心圧が
発達するために、ピストン全面に作用する力はリリース
室315の方が小さいので、ロックアップピストン20
8はトルコンカバー301側に押し付けられる。このよ
うにして、ロックアップピストン308はクラッチの切
れ代いっぱいまで右方に移動することはなく、また、ロ
ックアップピストン308がトルコンカバー301に近
づきすぎると今度はリリース室315がアプライ室31
4より圧力が高まるために、結局、一定の小さな隙間を
維持することとなる。
バー301に他方をロックアップピストン308に囲ま
れ、リリース室315の油の回転速度は、エンジン回転
速度をNeとし、タービン回転速度をNtとすれば、
(Ne+Nt)/2と仮定できる。一方、ロックアップ
ダンパ330とロックアップピストン308とで囲まれ
るアプライ室314の回転速度は、Ntで仮定できる。
ロックアップクラッチが切れているときは、トルコンカ
バー301とロックアップピストン308は離れてい
る。このような場合、近似的にピストン外周部ではアプ
ライ圧とリリース圧は同じと見ることができる。しかし
ながら、油の回転速度が違うため、遠心油圧に違いがあ
り、ドライブ状態ではリリース室315の方が遠心圧が
発達するために、ピストン全面に作用する力はリリース
室315の方が小さいので、ロックアップピストン20
8はトルコンカバー301側に押し付けられる。このよ
うにして、ロックアップピストン308はクラッチの切
れ代いっぱいまで右方に移動することはなく、また、ロ
ックアップピストン308がトルコンカバー301に近
づきすぎると今度はリリース室315がアプライ室31
4より圧力が高まるために、結局、一定の小さな隙間を
維持することとなる。
【0025】さて次に、以上の基本作用に対し、本発明
のバイメタル板350がどの様な作用をつかさどるかを
説明する。まず、トルクコンバータ内の作動油が常温の
時を考えよう。常温の時には、前述の円盤状のバイメタ
ル板350は、図3のようにロックアップピストン30
8の締結方向に反っている。この時、バイメタル板35
0は、ロックアップピストン308に設けられたスナッ
プリング352には接触していないため、ロックアップ
の作用にはなんら影響を及ぼさない。ロックアップクラ
ッチが非締結状態でも、当然ロックアップの作用にはな
んら影響を及ぼさない。結局、基本メカニズムに従っ
て、小さなクラッチ隙間が維持される。
のバイメタル板350がどの様な作用をつかさどるかを
説明する。まず、トルクコンバータ内の作動油が常温の
時を考えよう。常温の時には、前述の円盤状のバイメタ
ル板350は、図3のようにロックアップピストン30
8の締結方向に反っている。この時、バイメタル板35
0は、ロックアップピストン308に設けられたスナッ
プリング352には接触していないため、ロックアップ
の作用にはなんら影響を及ぼさない。ロックアップクラ
ッチが非締結状態でも、当然ロックアップの作用にはな
んら影響を及ぼさない。結局、基本メカニズムに従っ
て、小さなクラッチ隙間が維持される。
【0026】さて、このような機構における非締結状態
から締結状態への移行を考えてみよう。前述のように非
締結状態ではクラッチ隙間が小さくなっており、締結方
向の油の流れが与えられると、ロックアップピストン3
08は図の左方に動こうとする。しかし隙間が小さいの
で、ピストンストロークが小さく、短い時間で伝達トル
クが発生することになる。このようにして応答遅れを小
さくできる。一方、油圧の立ち上りを緩やかにすれば、
伝達トルクが発生するときの油圧は小さくて済む。油圧
を徐々に立ち上げることができれば、それに応じて伝達
トルクも徐々に立ち上がることになる。即ちロックアッ
プショックを回避できるわけである。この様にして、応
答遅れの改善とロックアップショックの両立がはかれる
わけである。
から締結状態への移行を考えてみよう。前述のように非
締結状態ではクラッチ隙間が小さくなっており、締結方
向の油の流れが与えられると、ロックアップピストン3
08は図の左方に動こうとする。しかし隙間が小さいの
で、ピストンストロークが小さく、短い時間で伝達トル
クが発生することになる。このようにして応答遅れを小
さくできる。一方、油圧の立ち上りを緩やかにすれば、
伝達トルクが発生するときの油圧は小さくて済む。油圧
を徐々に立ち上げることができれば、それに応じて伝達
トルクも徐々に立ち上がることになる。即ちロックアッ
プショックを回避できるわけである。この様にして、応
答遅れの改善とロックアップショックの両立がはかれる
わけである。
【0027】次に、トルクコンバータ内の作動油が低温
の時を考えよう。この場合、前述の円盤状のバイメタル
板350は、図4のようにロックアップピストン308
の非締結方向に反っている。この時、バイメタル板35
0は、ロックアップピストン308と接触し、押力を発
生している。従って、ロックアップクラッチは非締結状
態となり、その場合、大きなクラッチ隙間が生じる。一
般に低温時にはロックアップクラッチを締結しない様油
圧の流れが与えられているため、油圧的に締結されるこ
ともないので、低温時には大きな隙間が作れる。
の時を考えよう。この場合、前述の円盤状のバイメタル
板350は、図4のようにロックアップピストン308
の非締結方向に反っている。この時、バイメタル板35
0は、ロックアップピストン308と接触し、押力を発
生している。従って、ロックアップクラッチは非締結状
態となり、その場合、大きなクラッチ隙間が生じる。一
般に低温時にはロックアップクラッチを締結しない様油
圧の流れが与えられているため、油圧的に締結されるこ
ともないので、低温時には大きな隙間が作れる。
【0028】バイメタル板350の性質の説明を補足す
る。バイメタル板350は2つの熱膨張係数の異なる材
料が厚さ方向に張り合わされている。その結果、温度に
よって円盤(バイメタル板350)が凸に反ったり、凹
に反ったり、軸対称に椀型に変形する。一方、このバイ
メタル板350にはあらかじめテーパが加えられている
ため、バックリング機能を持っており、平らな状態は安
定的に存在せず、凸または、凹のいずれかの状態とな
る。その結果中間状態が存在しない。もし、中間状態が
存在すると、中途半端にロックアップの作用に影響する
温度帯が存在することになるからである。
る。バイメタル板350は2つの熱膨張係数の異なる材
料が厚さ方向に張り合わされている。その結果、温度に
よって円盤(バイメタル板350)が凸に反ったり、凹
に反ったり、軸対称に椀型に変形する。一方、このバイ
メタル板350にはあらかじめテーパが加えられている
ため、バックリング機能を持っており、平らな状態は安
定的に存在せず、凸または、凹のいずれかの状態とな
る。その結果中間状態が存在しない。もし、中間状態が
存在すると、中途半端にロックアップの作用に影響する
温度帯が存在することになるからである。
【0029】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更等があっても、本発明に含まれる。
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更等があっても、本発明に含まれる。
【0030】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のトルク
コンバータのロックアップクラッチにおいては、設定温
度以下ではロックアップピストンを非締結方向に押すよ
う変形することで非締結状態とする変形部材を設けるこ
とで、低温での引きずりトルクを小さくし、常温での応
答性改善とロックアップ締結ショックの両立をはかれる
ことになる。
コンバータのロックアップクラッチにおいては、設定温
度以下ではロックアップピストンを非締結方向に押すよ
う変形することで非締結状態とする変形部材を設けるこ
とで、低温での引きずりトルクを小さくし、常温での応
答性改善とロックアップ締結ショックの両立をはかれる
ことになる。
【図1】本発明の実施の形態1の締結状態を示す断面図
である。
である。
【図2】本発明の第1実施の形態の非締結状態を示す断
面図である。
面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態の締結状態を示す断面
図である。
図である。
【図4】本発明の第2実施の形態の非締結状態を示す断
面図である。
面図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
H ハウジング 205 クラッチディスク 208 ロックアップピストン 209 スプリング 214 加圧室 250 バイメタル板(変形部材) 308 ロックアップピストン 350 バイメタル板
Claims (2)
- 【請求項1】 エンジンの出力軸と一体に回転するトル
クコンバータハウジング、ハウジングと一体に回転する
インペラ翼、ハウジング内にありハウジング軸と同軸の
回転軸を持つタービン翼、同じくハウジング内にある一
方向クラッチを介して固定要素と結合されたステータ翼
を有するトルクコンバータの流体伝導要素に並列に付加
されたロックアップクラッチであって、クラッチの一方
がインペラ翼とタービン翼の一方と一体に回転し、クラ
ッチの他方がインペラ翼とタービン翼の他方と一体に回
転する様構成されたロックアップクラッチにおいて、 設定温度以上ではロックアップピストンと接触しない様
に変形することでロックアップピストンの油圧による作
動に影響を及ぼさないようにし、設定温度以下ではロッ
クアップピストンを非締結方向に押すよう変形すること
で非締結状態とする変形部材を有するトルクコンバータ
のロックアップクラッチ。 - 【請求項2】 前記変形部材を穴の開いた円盤形状と
し、テーパーを与えることによりバックリング効果を持
たせたことを特徴とする請求項1記載のトルクコンバー
タのロックアップクラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3626496A JPH09229159A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | トルクコンバータのロックアップクラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3626496A JPH09229159A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | トルクコンバータのロックアップクラッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09229159A true JPH09229159A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12464920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3626496A Pending JPH09229159A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | トルクコンバータのロックアップクラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09229159A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101405592B1 (ko) * | 2008-05-30 | 2014-06-10 | 현대자동차주식회사 | 하이브리드 차량의 발진 클러치 장치 |
WO2016186125A1 (ja) * | 2015-05-20 | 2016-11-24 | 株式会社エクセディ | トルクコンバータのロックアップ装置 |
JP2016217449A (ja) * | 2015-05-20 | 2016-12-22 | 株式会社エクセディ | トルクコンバータのロックアップ装置 |
CN113811704A (zh) * | 2019-05-10 | 2021-12-17 | 株式会社法雷奥凯佩科 | 具有带有双活塞组件的锁止离合器和可选择单向离合器的流体动力扭矩耦合装置 |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP3626496A patent/JPH09229159A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101405592B1 (ko) * | 2008-05-30 | 2014-06-10 | 현대자동차주식회사 | 하이브리드 차량의 발진 클러치 장치 |
WO2016186125A1 (ja) * | 2015-05-20 | 2016-11-24 | 株式会社エクセディ | トルクコンバータのロックアップ装置 |
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US20180163836A1 (en) * | 2015-05-20 | 2018-06-14 | Exedy Corporation | Lock-up device for torque converter |
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