JP2019184021A - 車両用トルクコンバータ - Google Patents

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    • F16HGEARING
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    • F16H61/64Control of exclusively fluid gearing hydrodynamic controlled by changing the amount of liquid in the working circuit

Abstract

【課題】エンジン始動性の向上と高い動力伝達効率の確保を両立させることができる車両用トルクコンバータを提供すること。【解決手段】エンジンとトランスミッションとの間に配置され、前記エンジンの出力軸に接続されたポンプインペラ2と前記トランスミッションの入力軸に接続されたタービンランナ3を対向させて配置し、これらのポンプインペラ2とタービンランナ3との間にステータ4を配置するとともに、作動油圧によってON/OFFして所定の条件下において前記出力軸と前記入力軸とを直結するロックアップクラッチ9を設け、内部にトルク伝達媒体であるオイルを充填して構成される車両用トルクコンバータ1において、ロックアップクラッチ9のOFF時の作動油の排出経路A,Bの1つである排出経路Bに開口する連通孔10bをエンジン回転数に応じて開閉する開閉機構26を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、入力側のトルクを増幅して出力側に伝達するための車両用トルクコンバータに関する。
例えば、エンジンを駆動源とする車両の動力伝達系には、エンジンの動力をトランスミッションに伝達するためのトルクコンバータがエンジンとトランスミッションとの間に設けられている。このトルクコンバータは、滑らかなクラッチ機能とトルク増幅機能を果たすものであって、ハウジング内の密閉空間に、エンジンの出力軸に接続されたポンプインペラとトランスミッションの入力軸に接続されたタービンランナを対向させて配置し、これらのポンプインペラとタービンランナとの間にステータを配置するとともに、トルク伝達媒体であるオイルを充填して構成されている。
上述のように構成されたトルクコンバータにおいて、エンジンの出力軸によってポンプインペラが回転駆動されると、粘性によってポンプインペラと共に回転するオイルが遠心力によってポンプインペラの外周からタービンランナに向かって送り出され、このオイルは、ハウジングの内面に沿ってタービンランナへと流れ込む。このタービンランナへと流れ込んだオイルが慣性力によって該タービンランナを回転させるため、このタービンランナに接続されたトランスミッションの入力軸が回転し、エンジンの動力がオイルを介してトランスミッションの入力軸へと伝達される。このため、トルクコンバータは、摩擦クラッチなどの機械式クラッチに比して滑らかなクラッチ機能を果たすことができる。
また、トルクコンバータにおいてポンプインペラとタービンランナとの間に配置されたステータは、タービンランナを回転させたオイルを整流してポンプインペラへと誘導することによってトルク増幅機能を果たす。
ところで、斯かるトルクコンバータを搭載した車両が例えば信号待ちのために、エンジンを駆動した状態でシフトレバーを走行レンジ(Dレンジ)に入れたたまま、ブレーキを踏んだ状況、すなわち、エンジン動力がトルクコンバータに入力されてポンプインペラが回転しているが、タービンランナが停止している状況においては、エンジン動力は、ポンプインペラのオイルの攪拌によって熱エネルギに変換されるためにエネルギーロスが大きくなるとともに、オイルの温度が上昇するという問題が発生する。
そこで、特許文献1には、タービンランナのタービンシェルの外周部に、該タービンシェル内外を連通させる連通孔を形成するとともに、該連通孔に、タービンランナの停止時に前記連通孔を開き、該タービンランナの回転に伴って発生する遠心力によって前記連通孔を閉じる開閉機構を設けた可変容量トルクコンバータが提案されている。
斯かる可変容量トルクコンバータによれば、タービンランナの停止時には開閉機構によって連通孔が開いて該連通孔を介してオイルがタービンシェル外に流出するためにポンプインペラの回転抵抗(オイルの攪拌抵抗)が低減され、エネルギーロスとオイルの昇温が抑えられる。そして、タービンランナが回転すると、この回転に伴って開閉機構によって連通孔が閉じられるため、当該可変容量トルクコンバータの動力伝達効率が高められる。
特許第2821800号公報
ところで、トルクコンバータは、滑らかなクラッチ機能とトルク増幅機能という2つの有利な点を有する反面、オイルを媒体として動力を伝達するために機械式クラッチに比して動力伝達効率が低いという問題がある。
そこで、トルクコンバータにおいてステータによるトルク増幅効果が薄れる領域、つまり、ポンプインペラとタービンランナの回転速度が近づくためにトルク増幅機能を必要としない領域においては、入出力軸を直結して高い動力伝達効率を確保するためのロックアップクラッチ(LC)を設けることが行われている。このロックアップクラッチは、オイルポンプからトルクコンバータへと供給される作動油(圧油)の圧力によってON(接続)/OFF(切断)され、特にロックアップクラッチがOFF(切断)状態にあるときの作動油の流れがエンジンの始動性やトルクコンバータの動力伝達効率に影響を及ぼすことが知られている。
ところで、上記のようなトルクコンバータでは、エンジンの始動時の急なオイルの供給によってトルクコンバータ内部の圧力が高まる場合がある。これに対して、従来のトルクコンバータには、ロックアップクラッチOFF時の作動油の流れを制御する手段が設けられていなかった。そのため、トルクコンバータ内部の圧力が高まることによって意図しないロックアップクラッチの締結が生じる可能性があり、それによってエンジンストール(エンスト)が発生するおそれがあった。
また、エンジン回転数が高くなった場合においても、トルクコンバータ内部のオイルが流出することによるトルクコンバータ容量の減少によって、ポンプインペラからオイルを介してタービンランナへと伝達される動力に損失が生じる場合があり、このことがトルクコンバータの動力伝達効率の向上の妨げとなるおそれがある。このため、エンジン始動性の向上と高い動力伝達効率の確保を両立させることに対しての課題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、エンジン始動性の向上と高い動力伝達効率の確保を両立させることができる車両用トルクコンバータを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、エンジンとトランスミッションとの間に配置され、前記エンジンの出力軸に接続されたポンプインペラ(2)と前記トランスミッションの入力軸に接続されたタービンランナ(3)を対向させて配置し、これらのポンプインペラ(2)とタービンランナ(3)との間にステータ(4)を配置するとともに、作動油圧によってON/OFFして所定の条件下において前記出力軸と前記入力軸とを直結するロックアップクラッチ(9)を設け、内部にトルク伝達媒体であるオイルを充填して構成される車両用トルクコンバータ(1)において、前記ロックアップクラッチ(9)OFF時の作動油の排出経路(A,B)の1つ(B)に開口する連通孔(10b)をエンジン回転数に応じて開閉する開閉機構(26)を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、エンジン始動時のようにエンジン回転数が低いときに開閉機構によって連通孔を開ければ、排出経路を流れる作動油が連通孔を抵抗なくスムーズに流れる。これにより、急なオイルの供給に伴うトルクコンバータ内部の圧力上昇を抑制することができるので、エンジンの始動時の意図しないロックアップクラッチの締結によるエンスト(エンジンストール)を防止でき、エンジンの始動性(エンストに対する耐性)が高められる。
また、エンジン始動後、エンジン回転数が高くなると、開閉機構によって連通孔を閉じれば、排出経路に沿う作動油の流れが遮断され、ポンプインペラの回転トルクがオイルを介してタービンランナへと効率良く伝達されるために動力伝達効率が高められる。この結果、車両のエンジン始動性の向上とトルクコンバータの高い動力伝達効率の確保を両立させることができる。
また、本発明では、前記エンジンのトルク変動を吸収するダンパーディスク(8)を前記タービンランナ(3)に取り付け、該ダンパーディスク(8)のハブ(10)に前記連通孔(10b)とこれを開閉する前記開閉機構(26)を設けてもよい。
また、本発明では、前記開閉機構(26)は、前記ダンパーディスク(8)のハブ(10)に形成された空間(S3)内に、径方向に沿って移動可能な遠心ウェイト(24)と、該遠心ウェイト(24)を径方向内方に付勢する付勢手段(25)を収容して構成されるものとしてもよい。
また、本発明では、前記付勢手段(25)は、リターンスプリングによって構成されるものとしてもよい。
また、本発明では、前記開閉機構(26)は、エンジン回転数がアイドル回転数以下では前記連通孔(10b)を開き、エンジン回転数がアイドル回転数を超えると前記連通孔(10b)を閉じるようにしてもよい。
本発明によれば、車両のエンジン始動性の向上とトルクコンバータの高い動力伝達効率の確保を両立させることができる。
本発明にかかる車両用トルクコンバータの半裁断面図である。 (a)〜(c)は図1のX部拡大詳細図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる車両用トルクコンバータ(以下、単に「トルクコンバータ」と称する)の半裁断面図であり、図示のトルクコンバータ1は、不図示のエンジンを駆動源とする車両の動力伝達系におけるエンジンと不図示のトランスミッションとの間に設けられるものであって、エンジンから出力軸(クランク軸)へと出力される動力をトルク伝達媒体であるオイルを介してトランスミッションの入力軸に伝達するものであって、滑らかなクラッチ機能とトルク増幅機能を備えるものである。なお、本実施の形態では、トランスミッションとして自動変速機(AT)が使用されている。
トルクコンバータ1は、エンジンの出力軸によって回転駆動されるポンプインペラ2と、このポンプインペラ2に対向して配置されたタービンランナ3を備えており、これらのポンプインペラ2とタービンランナ3との間には、ステータ4が配置されている。
上記ポンプインペラ2は、椀状のポンプシェル2Aの外周部に近い内面に複数のインペラブレード2aを周方向に等角度ピッチで配列して構成されており、ポンプシェル2Aは、同じく椀状のコンバータカバー5に結着されている。そして、これらのポンプシェル2Aとコンバータカバー5によって密閉空間Sが形成されており、この密閉空間Sには、トルク伝達媒体として粘度の低いオイルが充填されている。ここで、コンバータカバー5は、エンジンの出力軸(クランク軸)に接続されており、エンジンから出力される動力が伝達される出力軸の回転は、コンバータカバー5へと伝達され、後述のように該コンバータカバー5がポンプインペラ2と共に一体に回転する。
前記タービンランナ3もポンプインペラ2と同様に、椀状のタービンシェル3Aの外周部に近いポンプインペラ2に対向する内面に複数のタービンブレード3aを周方向に等角度ピッチで配列して構成されている。そして、ポンプインペラ2とタービンランナ3との間には、羽根車である前記ステータ4が配置されており、このステータ4の外周には、オイルの流れを整流してトルク増幅を行うための複数のステータブレード4aが周方向に等角度ピッチで配列されている。なお、このステータ4にはワンウェイクラッチ6が設けられており、ステータ4は、ワンウェイクラッチ6の作用によって静止または空転することができる。ここで、ポンプインペラ2とステータ4とは、両者間に介設された軸受(スラストベアリング)7によって相対回転可能に支持されている。
ところで、本実施の形態にかかるトルクコンバータ1においては、前記密閉空間Sのタービンランナ3とコンバータカバー5との間には、ダンパーディスク8とロックアップクラッチ9が収容されている。
上記ダンパーディスク8は、エンジンのトルク変動を吸収するためのものであって、トランスミッションの入力軸にスプライン嵌合によって結着されたハブ10と、このハブ10の外周から径方向外方に向って延びるフランジ部10Aの両側に相対回転可能に配置されたリング状のディスクプレート11,12と、ハブ10と両ディスクプレート11,12の間に縮装された複数の圧縮コイルスプリング13(図1には1つのみ図示)を含んで構成されている。なお、ダンパーディスク8とステータ4とは、両者間に介設された軸受(スラストベアリング)14によって相対回転可能に支持されている。また、複数(通常は4つ)の圧縮コイルスプリング13は、周方向に等角度ピッチで配置されている。
ここで、両ディスクプレート11,12とタービンランナ3(タービンシェル3A)とは連結ピン15によって連結されており、この連結ピン15は、ハブ10のフランジ部10Aに形成された周方向に長い長孔10aを貫通している。したがって、連結ピン15がハブ10のフランジ部10Aに形成された長孔10a内を周方向に移動し得る角度範囲においてタービンランナ3とディスクプレート8とはハブ10に対して周方向に相対回転可能である。このため、後述のようにタービンランナ3を経て伝達されるエンジンのトルク変動は、ダンパーディスク8の両ディスクプレート11,12とハブ10との相対回転に伴う複数の圧縮コイルスプリング13の弾性変形によって吸収される。ここで、ハブ10は、トランスミッションの入力軸にスプライン嵌合されており、両者は一体に回転する。また、ダンパーディスク8(ハブ10)とコンバータカバー5とは、両者間に介設された軸受(スラストベアリング)16によって相対回転可能に支持されている。
前記ロックアップクラッチ9は、ダンパーディスク8のハブ10の外周に軸方向(図1の左右方向)に摺動可能にスプライン嵌合するリングプレート状のピストン17と、このピストン17の外周部のコンバータカバー5の内面に対向する外面に取り付けられたリング状の摩擦部材18によって構成されている。なお、ダンパーディスク8とコンバータカバー5との間の空間は、ピストン17によって締結室S1と開放室S2とに区画されている。
また、このロックアップクラッチ9には、トルク変動を吸収するためのダンパー機構19が設けられている。このダンパー機構19は、ピストン17の外周部に全周に亘って形成された断面逆コの字状の空間内に収容された複数の圧縮コイルスプリング20(図1には1つのみ図示)を含んで構成されており、各圧縮コイルスプリング20は、ピストン17の外周部内面にピン21によって結着されたリテーナ22とタービンランナ3(タービンシェル3A)の外周に水平に取り付けられた係止部材23との間に縮装されている。
ところで、図2に詳細に示すように、前記ダンパーディスク8のハブ10には、複数の連通孔10b(図2には1つのみ図示)が周方向に等角度ピッチで形成されるとともに、各連通孔10bが形成された部位には、空間S3がそれぞれ形成されており、各空間S3には連通孔10bがそれぞれ開口している。そして、各空間S3には、遠心ウェイト24が径方向(図2の上下方向)に移動可能に収容されるとともに、該遠心ウェイト24を径方向内方(図2の下方)に付勢する付勢手段としてのリターンスプリング(コイルスプリング)25が縮装されている。ここで、遠心ウェイト24とリターンスプリング25は、連通孔10bを開閉してその開口面積を調整するための開閉機構26を構成している。
次に、以上のように構成されたトルクコンバータ1の作用について説明する。
エンジンが始動されると、トルクコンバータ1においては、エンジンの動力によって回転する出力軸に接続されたコンバータカバー5とこれに結着されたポンプインペラ2が出力軸と共に一体に回転する。すると、粘性によってポンプインペラ2と共に回転するオイルが遠心力によってポンプインペラ2の外周からタービンランナ3に向かって送り出され、このオイルは、ポンプシェル2Aの内面に沿ってタービンランナ3へと流れ込む。そして、このタービンランナ3へと流れ込んだオイルが複数のタービンブレード3aに当たるため、慣性力によってタービンランナ3が回転し、タービンランナ3を回したオイルは、外周から中心に向かい、このタービンランナ3から流れ出る際にも反動力によって該タービンランナ3を回転させる。なお、このとき、ロックアップクラッチ9はOFF(切断)状態にある。
その後、タービンランナ3から流れ出たオイルは、ステータ4によって方向が変えられて中心寄りからポンプインペラ2へと流れ込んで該ポンプインペラ2を回した後、このポンプインペラ2の背面へと回り込んで最初の流れに加わる。このような一連のオイルの流れが繰り返されることによってポンプインペラ2からタービンランナ3へと伝達されるトルクが増幅され、増幅されたトルクは、タービンランナ3からダンパーディスク8へと伝達され、該ダンパーディスク8によってエンジンのトルク変動が吸収される。なお、ポンプインペラ2とタービンランナ3との間に回転差がある間はステータ4は静止してトルク増幅機能を果たすが、ポンプインペラ2とタービンランナ3の回転速度が近づくとステータ4によるトルク増幅効果が薄れ、ステータ4が却ってオイルの流れを妨げるためにワンウェイクラッチ6の作用によってステータ4がタービンランナ3と共に回転(空転)する。
前述のように、タービンランナ3からダンパーディスク8へとトルクが伝達されると、該ダンパディスク8の両ディスクプレート11,12とハブ10が回転するが、前述のように両ディスクプレート11,12は、ハブ10に対して周方向に相対回転可能であるため、エンジンのトルク変動は、両ディスクプレート11,12とハブ10との相対回転に伴う複数の圧縮コイルスプリング13の弾性変形によって吸収される。そして、このダンパーディスク8によって変動が吸収されたトルクがハブ10に伝達されることによって、該ハブ10とこれに結着されたトランスミッションの入力軸が回転駆動され、この入力軸の回転は、トランスミッションによって変速された後、不図示のディファレンシャル装置(差動装置)等を経て左右の駆動輪へと伝達される。
ところで、トルクコンバータ1においてポンプインペラ2とタービンランナ3の回転速度が略同一となった場合であっても、動力の伝達がオイルを介してなされるために動力損失が不可避的に発生し、高い動力伝達効率を確保することができない。そこで、本実施の形態では、ロックアップクラッチ9を設け、ポンプインペラ2とタービンランナ3の回転が略同一となった時点で不図示のオイルポンプから図1に示す締結室S1に作動油(圧油)を供給してロックアップクラッチ9をON(接続)し、エンジンの出力軸とトランスミッションの入力軸とを直結するようにしている。具体的には、締結室S1に作動油が供給されると、この圧力を受けるピストン17がハブ10に沿って図1の右方へと摺動し、このピストン10の外周部外面に取り付けられた摩擦部材18がコンバータカバー5に圧接されるため、ロックアップ機構9がON(接続)となって、エンジンの出力軸と共に回転するコンバータカバー5の回転がロックアップクラッチ9のピストン17からハブ10を介してトランスミッションの入力軸へと直接(オイルを介することなく)伝達される。この結果、高い動力伝達効率が得られる。
他方、ポンプインペラ2とタービンランナ3との間に回転差が存在する間は、ロックアップクラッチ9は、図1に示すようにOFF(切断)状態にあり、トルクコンバータ1においては、前述のようにポンプインペラ2の回転は、オイルを介してタービンランナ3へと伝達され、このタービンランナ3の回転は、ダンパーディスク8を経てトランスミッションの入力軸へと伝達される。このように、ロックアップクラッチ9がOFF状態(切断状態)にあるときには、不図示のオイルポンプから供給される作動油は、図1に矢印にて示すように、開放室S2へと供給され、開放室S2から排出経路A,Bを経て排出される。
ところで、本実施の形態においては、トルクコンバータ1においてトルク伝達が行われている際にダンパーディスク8のハブ10が回転するが、このハブ10に設けられた開閉機構26においては、ハブ10の空間S3に収容された遠心ウェイト24には径方向外向き(図2の上向き)の遠心力が作用する。ここで、エンジン始動時のようにエンジン回転数がアイドル回転数以下である場合には、ハブ10の回転速度が低く、該ハブ10と共に回転する遠心ウェイト24に作用する遠心力がリターンスプリング25の付勢力よりも小さいため、遠心ウェイト24は、図2(a)に示すように、空間S3の径方向内側(底部)に位置して連通孔10bを開放している。このため、図1に示す排出経路Bに沿って流れる作動油がハブ10に形成された連通孔10bを抵抗なくスムーズに流れ、急なオイルの供給に伴うトルクコンバータ1の内部の圧力上昇が抑制される。この結果、エンジン始動時のエンストが防がれ、エンジンの始動性(エンストに対する耐性)が高められる。
エンジン始動後、エンジン回転数がアイドル回転数を超えてトルクコンバータ1におけるダンパーディスク8のハブ10の回転速度が上がると、開閉機構26においては、ハブ10と共に回転する遠心ウェイト24に作用する遠心力がリターンスプリング25の付勢力よりも大きくなるため、該遠心ウェイト24が図2(b)に示すようにリターンスプリング25の付勢力に抗して径方向外方(図2(b)の上方)へと移動して連通孔10bの開口面積を絞る。そして、エンジン回転数がさらに上がってトルクコンバータ1におけるハブ10の回転速度もさらに上がると、遠心ウェイト24に作用する遠心力がさらに大きくなるため、図2(c)に示すように、遠心ウェイト24が径方向外方(図2(c)の上方)へと移動して連通孔10bを塞いでこれをほぼ全閉状態とする。この結果、図1に示す排出経路Bに沿う作動油の流れが遮断され、ポンプインペラ2の回転トルクがオイルを介してタービンランナ3へと効率良く伝達されるために動力伝達効率が高められる。なお、ダンパーディスク8のハブ10に設けられた開閉機構26においては、エンジンの回転速度、つまりはハブ10の回転速度によって遠心ウェイト24の径方向外方への移動量が変化して連通孔10bの開口面積が連続的に調整されるが、連通孔10bの開口面積の調整度合いは、遠心ウェイト24の重量とリターンスプリング25のバネ定数の設定によって決定される。
以上のように、本実施の形態にかかるトルクコンバータ1によれば、エンジン回転数がアイドル回転数以下ではハブ10の連通孔10bを開き、エンジン回転数がアイドル回転数を超えるとハブ10の連通孔10bを閉じるようにしたため、車両のエンジン始動性の向上とトルクコンバータ1の高い動力伝達効率の確保を両立させることができるという効果が得られる。
なお、以上の実施の形態では、開閉機構26をダンパーディスク8のハブ10に設けたが、この開閉機構26を例えばタービンランナ3のタービンシェル3Aに組み込むか、或いはタービンシェル3Aに取り付けるなどしてもよい。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 車両用トルクコンバータ
2 ポンプインペラ
3 タービンランナ
4 ステータ
5 コンバータカバー
6 ワンウェイクラッチ
8 ダンパーディスク
9 ロックアップクラッチ
10 ハブ
10a ハブの長孔
10b ハブの連通孔
11,12 ディスクプレート
13 圧縮コイルスプリング
17 ピストン
18 摩擦部材
19 ダンパー機構
20 圧縮コイルスプリング
24 遠心ウェイト
25 リターンスプリング(付勢手段)
26 開閉機構
A,B 作動油の排出経路
S 密閉空間
S1 締結室
S2 開放室
S3 空間

Claims (5)

  1. エンジンとトランスミッションとの間に配置され、
    前記エンジンの出力軸に接続されたポンプインペラと前記トランスミッションの入力軸に接続されたタービンランナを対向させて配置し、これらのポンプインペラとタービンランナとの間にステータを配置するとともに、作動油圧によってON/OFFして所定の条件下において前記出力軸と前記入力軸とを直結するロックアップクラッチを設け、内部にトルク伝達媒体であるオイルを充填して構成される車両用トルクコンバータにおいて、
    前記ロックアップクラッチのOFF時の作動油の排出経路の1つに開口する連通孔をエンジン回転数に応じて開閉する開閉機構を設けたことを特徴とする車両用トルクコンバータ。
  2. 前記エンジンのトルク変動を吸収するダンパーディスクを前記タービンランナに取り付け、該ダンパーディスクのハブに前記連通孔とこれを開閉する前記開閉機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用トルクコンバータ。
  3. 前記開閉機構は、前記ダンパーディスクのハブに形成された空間内に、径方向に沿って移動可能な遠心ウェイトと、該遠心ウェイトを径方向内方に付勢する付勢手段を収容して構成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用トルクコンバータ。
  4. 前記付勢手段は、リターンスプリングによって構成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用トルクコンバータ。
  5. 前記開閉機構は、エンジン回転数がアイドル回転数以下では前記連通孔を開き、エンジン回転数がアイドル回転数を超えると前記連通孔を閉じることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用トルクコンバータ。
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