JP4694876B2 - 流体式トルク伝達装置 - Google Patents

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本発明は、流体式トルク伝達装置、特に、ロックアップ装置を有するものに関する。
一般に、トルクコンバータは、流体により動力を伝達するために加速及び減速をスムーズに行うことができる。しかし、流体の滑りによりエネルギーロスが生じ、燃費が悪い。
そこで従来のトルクコンバータには、入力側のフロントカバーと出力側のタービンとを機械的に連結するロックアップ装置が取り付けられたものがある。ロックアップ装置はフロントカバーとタービンとの間の空間に配置されている。ロックアップ装置は、主に、フロントカバーに押しつけられる円板状ピストンと、タービンの背面側に取り付けられたドリブンプレートと、ピストンとドリブンプレートとを回転方向に弾性的に連結するトーションスプリングとから構成されている。ピストンには、フロントカバーの平坦な摩擦面に対向する位置に円環状の摩擦部材が接着されている。
前記従来のロックアップ装置では、ピストンの作動は流体室内の油圧変化によって制御されている。具体的には、ロックアップ連結解除時にピストンとフロントカバーとの間に外部の油圧回路から作動油が供給される。この作動油はフロントカバーとピストンとの間の空間を半径方向外側に流れ、さらに外周部側においてトルクコンバータ本体内に流れ込む。ロックアップ連結時には、フロントカバーとピストンとの間の空間の作動油が内周側からドレンされ、その結果油圧差によってピストンがフロントカバー側に移動する。この結果ピストンに設けられた摩擦部材がフロントカバーの摩擦面に押し付けられる。このようにしてフロントカバーのトルクがロックアップ装置を介してタービン側に伝達される。
一方、車輌の低速時からの使用や高トルク化によりダンパー機構の高性能化が要求されている。また、近年は発進時にのみ流体によるトルク伝達を行い、例えば時速20km以上ではロックアップ装置を連結させておくトルクコンバータが知られている。このようにロックアップ領域を増大させた構造では、エンジンからのトルク変動に対して捩じり振動を十分に吸収・減衰できるようにトーションスプリングの性能向上が求められている。具体的にはトーションスプリングの径を大きくすることで、捩じり振動に対する振動吸収・減衰特性を向上させることが要求されている。
しかし、トーションスプリングはフロントカバーとタービンとの軸方向間に配置されているため、トーションスプリングの大型化を実現すると、トルクコンバータ全体が大型化してしまう。
そこで、ロックアップ装置のトーションスプリングを流体作動室の内周側に配置することで、トーションスプリングの大型化を実現した構造が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平4−83954号公報
従来のトルクコンバータでは、トーションスプリングがタービンシェルに近接して配置されている。そして、タービンシェルの一部によってトーションスプリングを支持している。このような構造では、タービンシェル高周波焼き入れ等の耐摩耗処理を行う必要があり、耐摩耗処理を行ったタービンシェルにタービンブレードをロー付けすることが困難になってしまう。
本発明の課題は、ロックアップ装置のトーションスプリングがタービンシェルに近接した流体式トルク伝達装置において、トーションスプリングの支持の問題を解決することにある。
請求項1に記載の流体式トルク伝達装置は、フロントカバーと、インペラーと、タービンと、ロックアップ装置とを備えている。フロントカバーには、エンジンからのトルクが入力される。インペラーは、フロントカバーに連結されて流体室を構成する。タービンは、流体室内でインペラーに対向して配置され、タービンシェルと、タービンシェルのインペラー側面に固定されたタービンブレードと、タービンシェルからのトルクを受けるタービンハブとを有する。ロックアップ装置は、フロントカバーとタービンとの間に配置され両者を機械的に連結するための装置であり、フロントカバーに連結可能なピストンと、タービンシェルとタービンハブを連結する第1プレート部材と、ピストンに固定された第2プレート部材と、第1プレート部材と第2プレート部材を回転方向に弾性的に連結するためのトーションスプリングとを有する。また、第1プレート部材は、タービンシェルの内周部を軸方向に挟み込む一対の第1プレートを有している。
この装置では、ロックアップ装置のピストンがフロントカバーから離れた状態では、インペラーから流れる作動流体によって、タービンが駆動される。トルクは、タービンのタービンシェルから第1プレート部材を介してタービンハブに伝達される。ロックアップ装置のピストンがフロントカバーに連結された状態では、ピストンから第2プレート部材にトルクが伝達され、さらにトーションスプリングを介して第1プレート部材及びタービンハブに出力される。タービンシェルとは別部材である第1プレート部材がトーションスプリングを支持しているため、タービンシェルの耐摩耗処理が不要になる。
請求項2に記載の流体式トルク伝達装置は、フロントカバーと、インペラーと、タービンと、ロックアップ装置とを備えている。フロントカバーには、エンジンからのトルクが入力される。インペラーは、フロントカバーに連結されて流体室を構成する。タービンは、流体室内でインペラーに対向して配置され、タービンシェルと、タービンシェルのインペラー側面に固定されたタービンブレードと、タービンシェルからのトルクを受けるタービンハブとを有する。ロックアップ装置は、フロントカバーとタービンとの間に配置され両者を機械的に連結するための装置であり、フロントカバーに連結可能なピストンと、タービンシェルとタービンハブを連結する第1プレート部材と、ピストンに固定された第2プレート部材と、第1プレート部材と第2プレート部材を回転方向に弾性的に連結するためのトーションスプリングとを有する。また、タービンシェルは、内周縁から半径方向内側に延びる複数の突出部を有しており、第1プレート部材は突出部に固定されている。
請求項3に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項1又は2において、第1プレート部材は、トーションスプリングの回転方向両端を支持する支持部を有している。
求項に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項において、第2プレート部材は、複数の突出部の円周方向間に配置された複数の当接部を有している。複数の当接部と突出部はタービンシェルと第2プレート部材との間の回転方向ストッパーを構成している。
請求項に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項において、第2プレート部材は、第1プレート部材の軸方向両側に配置された一対の第2プレートと、一対の第2プレートを固定する複数の固定部とを有している。さらに、固定部が当接部として機能している。
請求項に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項1〜のいずれかにおいて、第2プレート部材は、第1プレート部材の軸方向両側に配置された一対の第2プレートを有している。
請求項に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項において、第2プレート部材は、一対の第2プレートを互いに固定する固定部分をさらに有している。
請求項に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項において、一対の第2プレート部材は固定部分によってピストンに一体回転するように固定されている。
請求項に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項7または8において、固定部分は、第1プレート部材に設けられた孔内を円周方向に移動可能である。
本発明に係る流体式トルク伝達装置では、タービンシェルとは別部材である第1プレート部材がトーションスプリングを支持しているため、タービンシェルの耐摩耗処理が不要になる。
(1)トルクコンバータの構成
図1は本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1を示している。図1において、トルクコンバータ1は、主に、フロントカバー2と、フロントカバー2と同心に配置された3種の羽根車(インペラー10、タービン11、ステータ12)からなるトーラス形状の流体作動室3と、フロントカバー2とタービン11との軸方向間の空間に配置されたロックアップ装置4とから構成されている。フロントカバー2とインペラー10のインペラーシェル15は外周部が溶接により固定されており、両者で作動油が充填された流体室を形成している。
フロントカバー2は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)からトルクが入力される部材である。フロントカバー2は主に円板状の本体5から構成されている。本体5の中心にはセンターボス6が固定されている。本体5の外周部エンジン側面には複数のナット7が固定されている。本体5の外周部には軸方向トランスミッション側に延びる外周筒状部8が一体に形成されている。
フロントカバー2の本体5の内側で外周部には環状かつ平坦な摩擦面70が形成されている。摩擦面70は軸方向トランスミッション側を向いている。
流体作動室3は流体室内で軸方向トランスミッション側に配置されている。これにより、流体室内は、流体作動室3と、フロントカバー2の本体5とタービン11との間に形成された空間とに分かれている。
インペラー10は、インペラーシェル15と、インペラーシェル15の内側に固定された複数のインペラーブレード16と、インペラーシェル15の内周縁に固定されたインペラーハブ18とから構成されている。インペラーブレード16は、従来に比べて半径方向寸法が大幅に短く、インペラーシェル15の外周側部分に固定されている。
タービン11は流体室内でインペラー10に対向して配置されている。タービン11は、タービンシェル20と、タービンシェル20に固定された複数のタービンブレード21と、タービンシェル20の内周縁に固定されたタービンハブ23とから構成されている。タービンブレード21は、従来に比べて半径方向寸法が大幅に短く、タービンシェル20の外周側部分に固定されている。タービンシェル20の内周縁には、図2,4及び5に示すように、半径方向内側に延びる突出部20aが複数形成されている。
タービンハブ23は、図1、12〜14に示すように、円筒状のボス23aと、そこから外周側に延びるフランジ23bとを有している。フランジ23bの軸方向エンジン側の面には、複数の突起係合部23dが形成されている。さらに、ボス23aの内周面にはスプライン23cが形成されている。スプライン23cにはトランスミッション側から延びるメインドライブシャフト71が係合している。これによりタービンハブ23からのトルクはメインドライブシャフト71に出力される。
ステータ12は、インペラー10の内周部とタービン11の内周部との間に配置されている。ステータ12はタービン11からインペラー10へと戻る作動油を整流し、トルクコンバータ1におけるトルク増幅作用を実現するための機構である。このトルク増幅作用によって、発進時に優れた加速性能が得られる。ステータ12は、ステータキャリア27と、その外周面に設けられた複数のステータブレード28とから構成されている。
ステータキャリア27はワンウェイクラッチ30を介してステータシャフト(図示せず)に支持されている。ステータシャフトは、メインドライブシャフト71の回りに配置された筒状の部材である。ステータキャリア27は、従来に比べて半径方向に長く延び、軸方向エンジン側が全体にわたって凹んだ凹部27aになっている。具体的には、ステータキャリア27の凹部27aの面の半径方向中間部分は、流体作動室3の軸方向中心位置C1より軸方向トランスミッション側に位置している。ステータキャリア27に軸方向エンジン側を向いた凹部27aを形成することで、流体作動室3の内周側に、後述のダンパー機構42のためのスペースが確保されている。
タービンシェル20とタービンハブ23との間には、フランジプレート51が設けられている。フランジプレート51は、図2,3,4,11及び12に示すように、概ね円板形状の部材であり、一対の第1プレート52,53から構成されている。第1プレート52、53は、環状部52a、53aと、そこから半径方向外側に延びる複数の突出部52b、53bとをそれぞれ有している。環状部52a、53aは、図3,4に示すように、軸方向に密着している。突出部52b、53bは、タービンシェル20の突出部20aに対応して配置されている。突出部52b、53bのそれぞれの円周方向間はトーションスプリング(後述)を収納する空間52e、53eとなっている。図4に示すように、突出部52bと突出部53bは、突出部20aを軸方向両側から挟み付けており、リベット60によって互いに固定されている。このようにして、フランジプレート51は、タービンシェル20固く固定されて一体に作動する。第1プレート52の環状部52aには、図10に示すように、円周方向に細長く延びる孔52cが形成されている。さらに環状部52aの内周縁には、半径方向内側に突出する複数の突起52dが形成されている。突起52dの円周方向間には、図1に示すように、タービンハブ23の突起係合部23dが嵌合している。このラグ嵌合によって、フランジプレート51は、タービンハブ23に対して軸方向に移動可能であるが、回転方向に一体となっている。
フロントカバー2の本体5とタービンハブ23との軸方向間には、第1ワッシャ32が配置されている。なお、第1ワッシャ32には半径方向に延びる複数の溝が形成されており、これらの溝により第1ワッシャ32の半径方向両側を作動油が流通可能となっている。フロントカバー2の内周部とタービンハブ23との軸方向間には、半径方向に作動油が連通可能な第1ポート66が形成されている。第1ポート66は、メインドライブシャフト71内に設けられた油路72と、フロントカバー2とピストン41の間のフロント室81とを連通させている。
タービンハブ23とワンウェイクラッチ30との間には第2スラストベアリング33が配置されている。第2スラストベアリング33では、半径方向両側を作動油が流通可能となっている。タービンハブ23とステータ12の内周部(具体的にはステータキャリア27の最内周部)との間には、半径方向両側に作動油が連通可能な第2ポート67が形成されている。すなわち、第2ポート67は、メインドライブシャフト71及びステータシャフトとの間の油路と、流体作動室3とを連通させている。
ステータキャリア27とインペラーシェル15の内周部との軸方向間には、第3スラストベアリング34が配置されている。第3スラストベアリング34では、半径方向両側を作動油が流通可能となっている。ステータ12(具体的にはステータキャリア27)とインペラー10との軸方向間には、半径方向両側に作動油が連通可能な第3ポート68が形成されている。すなわち、第3ポート68は、ステータシャフト及びインペラーハブ18との間の油路と、流体作動室3とを連通させている。
なお、各油路は、図示しない油圧回路に接続されており、独立して第1〜第3ポート66〜68に作動油の供給・排出が可能となっている。
(2)ロックアップ装置の構成
ロックアップ装置4は、フロントカバー2の本体5とタービン11との軸方向間に形成された環状の空間内に配置され、空間内の油圧変化によってフロントカバー2とタービン11とを機械的に連結・連結解除するための装置である。ロックアップ装置4は、空間内で油圧変化によって作動するピストン機能と、回転方向の捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有している。ロックアップ装置4は、主に、ピストン41とダンパー機構42とから構成されている。
ピストン41は、図1,2,3,6及び7に示すように、空間内においてフロントカバー2の本体5側に近接して配置された円板状の部材である。ピストン41は、空間内をフロントカバー2側のフロント室81と、タービン11側のリア室82とに分割している。ピストン41の外周部は、フロントカバー2の摩擦面70の軸方向トランスミッション側に配置された摩擦連結部49となっている。摩擦連結部49は、環状かつ平坦な板状部分であり、軸方向エンジン側に環状の摩擦フェーシング46が貼られている。
ピストン41の内周縁には内周筒状部47が形成されている。内周筒状部47はピストン41の内周縁から軸方向トランスミッション側に延びている。内周筒状部47の内周面はタービンハブ23の外周面26によって軸方向及び回転方向に移動可能に支持されている。内周筒状部47の軸方向トランスミッション側は、タービンハブ23のフランジ23bに当接可能となっている。これによりピストン41の軸方向トランスミッション側への移動が制限されている。なお、外周面26には環状の溝が形成されており、その溝内にはシールリング48が配置されている。シールリング48は内周筒状部47の内周面に当接している。このシールリング48によってピストン41の内周部の軸方向両側がシールされている。
ダンパー機構42は、ピストン41からのトルクをタービンハブ23に伝達すると共に、捩じり振動を吸収・減衰するための機構である。ダンパー機構42は、ピストン41の半径方向中間部とタービンシェル20の内周部との間に配置されている。
ダンパー機構42は、主に、ドライブ部材54と、トーションスプリング55とから構成されている。
ドライブ部材54は、トーションスプリング55に対してトルクを入力するための駆動部材であって、さらにトーションスプリング55をピストン41に保持する機能を有している。ドライブ部材54は、環状に延びる一対の第2プレート56,57からに主に構成されており、フランジプレート51の軸方向両側に配置されている。第2プレート56、57は、図8及び図9に示すように概ね円板形状である。第2プレート56,57の内周部は、複数のリベット58によって互いに固く固定されている。つまり、第2プレート56,57は軸方向に所定距離だけ離れて配置され、一体回転するようになっている。なお、第2プレート56,57の内周部同士の間の軸方向間は、第1プレート52,53の環状部52a、53a部分の軸方向厚みより大きく設定されている。また、第2プレート56はピストン41の内周部に対して軸方向から当接している。
リベット58は、プレート52,53に形成された孔52c、53c内に配置され、円周方向に所定角度範囲内で移動可能となっている。つまり、リベット58と孔52c、53cとが、ロックアップ装置4の入力側部材(ピストン41,ドライブ部材54の第2プレート55,56)と出力側部材(フランジプレート51の第1プレート52,53)との間の回転方向ストッパーを構成している。さらに、第2プレート56,57は、リベット58によってピストン41に固く固定されている。第2プレート56、57には、軸方向に貫通した孔及び切り起こし部からなるバネ収容部56a、57aがそれぞれ形成されている。さらに、バネ収容部56a、57aの円周方向間には、軸方向に互いに離れて配置された外周部56b、57bが形成されている。
第2プレート56、57は、互いに当接して配置された当接部56c、57cをそれぞれ有している。当接部56c、57cは、最外周部分に設けられ、具体的にはバネ収容部56a、57aの外周側にそれぞれ配置されている。さらに具体的には、当接部56c、57cは、バネ収容部56a、57aの回転方向中心にそれぞれ位置している。当接部56c、57cはリベット59によって互いに固定されている。リベット59は、タービンシェル20の突出部20aの円周方向間、より具体的には円周方向中心に配置されており、回転方向に当接可能となっている。つまり、リベット59とタービンシェル20の突出部20a(特に根元部分)とが、タービン11とロックアップ装置4の入力側部材(ピストン41,第2プレート56、57)との間の回転方向ストッパーを構成している。
トーションスプリング55は、捩り振動を吸収するための弾性部材であって、例えばコイルスプリングからなる。トーションスプリング55は、円周方向に並んで複数配置されている。トーションスプリング55は、ドライブ部材54のバネ収容部56a、57a内及びフランジプレート51のバネ収容部52e内に配置されている。トーションスプリング55の回転方向端は、バネ収容部56a、57aの回転方向両端(外周部56b、57b)に支持されている。さらに、トーションスプリング55の回転方向端は、バネ収容部52eの回転方向両端(突出部52b)に支持されている。なお、ピストン41の内周部41aは、トーションスプリング55に対応して軸方向エンジン側に突出するように凹んでいる。
トーションスプリング55は流体作動室3の内周側に配置されている。より正確には、トーションスプリング55の外周側縁は、流体作動室3の内周側縁(ステータキャリア27の外周面)より内周側に位置している。また、トーションスプリング55は、流体作動室3の内周側に一部が入り込んでおり、トーションスプリング55の軸方向トランスミッション側縁はタービン11のタービンブレード21の軸方向トランスミッション側縁を越えてトーラスの軸方向中心位置C1に近接している。以上より、トーションスプリング55は、トルクコンバータ1全体の軸方向寸法を大きくすることなく、コイル径が従来に比べて大幅に大きくなっている。このようにトーションスプリング55のコイル径を大きくできることで、トーションスプリング55の性能を向上させることが容易になる。この結果、トルクコンバータ1のトーラスによる流体トルク伝達を車輌の発進時のみに利用し、その後はロックアップ装置4を連結させた機械トルク伝達状態で使用することが可能となる。
以上に述べたようにトーラスを小型化すると、流体によるトルク伝達性能は低下することが考えられる。しかし、発進時にのみ流体によるトルク伝達を行い、例えば時速20km以上ではロックアップ装置を連結させておくトルクコンバータでは、流体によるトルク伝達性能の低下はさほど問題にならない。
(2)動作
次に、動作について説明する。
エンジン側のクランクシャフトからのトルクは、フレキシブルプレートを介してフロントカバー2に入力される。これにより、インペラー10が回転し、作動油がインペラー10からタービン11へと流れる。この作動油の流れによりタービン11は回転し、タービン11のトルクはメインドライブシャフト71に出力される。
メインドライブシャフト71が一定の回転速度になると、フロント室81の作動油が第1ポート66からドレンされる。この結果、ピストン41がフロントカバー2側に移動させられる。この結果、摩擦フェーシング46がフロントカバー2の摩擦面70に押し付けられ、フロントカバー2のトルクはロックアップ装置4に出力される。ロックアップ装置4において、トルクは、ピストン41、ドライブ部材54、トーションスプリング55、フランジプレート51の順番で伝達され、タービンハブ23に出力される。
(3)製造方法
図3及び4に示すように、タービン11とロックアップ装置4とは、一体に組み付けられた一つのアッセンブリーを構成している。このタービン・ロックアップ装置アッセンブリーの製造方法について説明する。
最初に、タービンシェル20の内周部に、リベット60によってフランジプレート51を固定する。続いて、トーションスプリング55をフランジプレート51の支持部52,53同士の回転方向間に配置して、その状態でドライブ部材54の第2プレート56、57をフランジプレート51の軸方向両側に配置して、リベット59をかしめて、さらにリベット58の片方の端部をかしめて両者を固定する。最後に、リベット58の残りの端部をかしめて、ピストン41をドライブ部材54に固定する。
(4)本発明の効果
タービンシェル20とは別部材であるフランジプレート51がトーションスプリングを支持しているため、タービンシェル20の耐摩耗処理が不要になる。そのため、タービンブレードをタービンシェルにロー付け可能である。
ダンパー機構42のドライブ部材54及びフランジプレート51が軸方向に対称な構造となっている。具体的には、プレート52,53は同型となり、プレート部材56,57は同型となっている。すなわち非対称の構造に比べて型の種類を減らしている。このため、生産コストを下げることができる。
ダンパー機構42が軸方向に並んで近接したフランジプレート51及びドライブ部材54からなる構成されているため、ダンパー機構42の軸方向寸法が短くなっている。
(5)他の実施形態
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形等は可能であり、本願発明は上記の実施形態に限定されない。
本発明の一実施形態としてのトルクコンバータの縦断面概略図。 タービン・ロックアップ装置アッセンブリーの平面図。 タービン・ロックアップ装置アッセンブリーの縦断面図。 タービン・ロックアップ装置アッセンブリーの縦断面図。 タービンシェルの平面図。 ピストンの部分平面図。 ピストンの縦断面図。 ドライブ部材のプレートの平面図。 ドライブ部材の縦断面図。 フランジプレートの平面図。 フランジプレートの縦断面図。 タービンハブの上面図。 タービンハブの縦断面図。 タービンハブの下面図。
1 トルクコンバータ
4 ロックアップ装置
11 タービン
20 タービンシェル
27 ステータキャリア
41 ピストン
42 ダンパー機構
51 フランジプレート(第1プレート部材)
54 ドライブ部材(第2プレート部材)
55 トーションスプリング
58 リベット(固定部分)
59 リベット(当接部、固定部)

Claims (9)

  1. エンジンからのトルクが入力されるフロントカバーと、
    前記フロントカバーに連結されて流体室を構成するインペラーと、
    前記流体室内で前記インペラーに対向して配置され、タービンシェルと、前記タービンシェルのインペラー側面に固定されたタービンブレードと、前記タービンシェルからのトルクを受けるタービンハブとを有するタービンと、
    前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置され両者を機械的に連結するための装置であり、前記フロントカバーに連結可能なピストンと、前記タービンシェルと前記タービンハブを連結する第1プレート部材と、前記ピストンに固定された第2プレート部材と、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材を回転方向に弾性的に連結するためのトーションスプリングとを有するロックアップ装置と、
    を備え
    前記第1プレート部材は、前記タービンシェルの内周部を軸方向に挟み込む一対の第1プレートを有している、
    流体式トルク伝達装置。
  2. エンジンからのトルクが入力されるフロントカバーと、
    前記フロントカバーに連結されて流体室を構成するインペラーと、
    前記流体室内で前記インペラーに対向して配置され、タービンシェルと、前記タービンシェルのインペラー側面に固定されたタービンブレードと、前記タービンシェルからのトルクを受けるタービンハブとを有するタービンと、
    前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置され両者を機械的に連結するための装置であり、前記フロントカバーに連結可能なピストンと、前記タービンシェルと前記タービンハブを連結する第1プレート部材と、前記ピストンに固定された第2プレート部材と、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材を回転方向に弾性的に連結するためのトーションスプリングとを有するロックアップ装置と、
    を備え、
    前記タービンシェルは、内周縁から半径方向内側に延びる複数の突出部を有しており、前記第1プレート部材は前記突出部に固定されている、
    流体式トルク伝達装置。
  3. 前記第1プレート部材は、前記トーションスプリングの回転方向両端を支持する支持部を有している、請求項1又は2に記載の流体式トルク伝達装置。
  4. 前記第2プレート部材は、前記複数の突出部の円周方向間に配置された複数の当接部を有しており、
    前記複数の当接部と前記突出部は、前記タービンシェルと前記第2プレート部材との間の回転方向ストッパーを構成している、
    請求項に記載の流体式トルク伝達装置。
  5. 前記第2プレート部材は、前記第1プレート部材の軸方向両側に配置された一対の第2プレートと、前記一対の第2プレートを固定する複数の固定部とを有しており、
    前記固定部が前記当接部として機能している、
    請求項に記載の流体式トルク伝達装置。
  6. 前記第2プレート部材は、前記第1プレート部材の軸方向両側に配置された一対の第2プレートを有している、請求項1〜のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置。
  7. 前記第2プレート部材は、前記一対の第2プレートを互いに固定する固定部分をさらに有している、請求項に記載の流体式トルク伝達装置。
  8. 前記一対の第2プレート部材は前記固定部分によって前記ピストンに一体回転するように固定されている、請求項に記載の流体式トルク伝達装置。
  9. 前記固定部分は、前記第1プレート部材に設けられた孔内を円周方向に移動可能である、請求項7または8に記載の流体式トルク伝達装置。
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