JP2000230625A - トルクコンバータのロックアップ装置 - Google Patents

トルクコンバータのロックアップ装置

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JP2000230625A
JP2000230625A JP11031721A JP3172199A JP2000230625A JP 2000230625 A JP2000230625 A JP 2000230625A JP 11031721 A JP11031721 A JP 11031721A JP 3172199 A JP3172199 A JP 3172199A JP 2000230625 A JP2000230625 A JP 2000230625A
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piston
space
front cover
axial direction
turbine
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JP11031721A
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Yoshihiro Matsuoka
佳宏 松岡
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Original Assignee
Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン部材とダンパー機構とを備えたト
ルクコンバータのロックアップ装置においてダンパー機
構の性能を向上させる。 【解決手段】 トルクコンバータ1のロックアップ装
置4は、第1ピストン43とダンパー機構44とピスト
ン42とを備えている。第1ピストン43はフロントカ
バー2の摩擦面に近接して配置されている。ダンパー機
構44は第1ピストン43とタービン11とを回転方向
に弾性的に連結している。ピストン42は空間Cの圧変
化によって空間C内を移動可能であり、第1ピストン4
3の入力フロントカバー摩擦面側と反対側に配置された
環状の部材である。ピストン42はフロントカバー2に
対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結され
ている。ピストン42は内径ID2がダンパー機構44
の外径より大きい。また、ピストン42はダンパー機構
44の外周に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
のロックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、トルクコンバータは、流体によ
り動力を伝達するために加速及び減速をスムーズに行う
ことができる。しかし、流体の滑りによりエネルギーロ
スが生じ、燃費が悪い。そこで従来のトルクコンバータ
には、入力側のフロントカバーと出力側のタービンとを
機械的に連結するロックアップ装置が取り付けられたも
のがある。ロックアップ装置はフロントカバーとタービ
ンとの間の空間に配置されている。ロックアップ装置
は、主に、フロントカバーに圧接可能な円板状ピストン
と、タービンの背面側に取り付けられたドリブンプレー
トと、ピストンとドリブンプレートとを回転方向に弾性
的に連結するトーションスプリングとから構成されてい
る。ピストンには、フロントカバーの平坦な摩擦面に対
向する位置に円環状の摩擦部材が接着されている。
【0003】前記従来のロックアップ装置では、ピスト
ンの作動はトルクコンバータ本体内を流れる作動油によ
り制御されている。具体的には、ロックアップ連結解除
時にピストンとフロントカバーとの間に外部の油圧作動
機構から作動油が供給される。この作動油はフロントカ
バーとピストンとの間の空間を半径方向外側に流れ、さ
らに外周部側においてトルクコンバータ本体内に流れ込
む。ロックアップ連結時には、フロントカバーとピスト
ンとの間の空間の作動油が内周側からドレンされ、その
結果ピストンがフロントカバー側に移動する。この結果
ピストンに設けられた摩擦部材がフロントカバーの摩擦
面に押し付けられる。このようにしてフロントカバーの
トルクがロックアップ装置を介してタービン側に伝達さ
れる。
【0004】従来のロックアップ装置においては、摩擦
面が一面だけではトルク伝達容量が十分に大きくないた
め、複数の摩擦板により複数の摩擦面を確保する複板ク
ラッチが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のロックアップ装
置は、トルクコンバータ内において軸方向に限定された
スペースに配置される一方、車輌の低速時からの使用に
や高トルク化によりダンパー機構の高性能化が要求され
ている。また、近年は発進時にのみ流体によるトルク伝
達を行い、例えば時速10km以上ではロックアップ装
置を連結させておくトルクコンバータが知られている。
このようにロックアップ領域を増大させた構造では、エ
ンジンからのトルク変動に対してねじり振動を十分に吸
収・減衰できるようにトーションスプリングの性能向上
が求められている。具体的にはダンパー機構のトーショ
ンスプリングの径を大きくすることで、捩じり振動に対
する振動吸収・減衰特性を向上させることが要求されて
いる。
【0006】しかし、従来のロックアップ装置では、ト
ーションスプリングの軸方向片側に他の部材が配置され
るなどして、十分にトーションスプリングを大型化する
ことができなかった。本発明の目的は、ピストンとダン
パー機構とを備えたトルクコンバータのロックアップ装
置においてダンパー機構の性能を向上させることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のトルク
コンバータのロックアップ装置は、内側に摩擦面を有す
るフロントカバーと、フロントカバーと共に流体室を構
成するインペラーと、流体室内でインペラーに対向して
配置されフロントカバーとの間に空間を形成しているタ
ービンとを含むトルクコンバータに用いられる。ロック
アップ装置は、空間内に配置され、空間の圧変化によっ
てフロントカバーとタービンを機械的に連結・連結解除
するための装置である。ロックアップ装置は、プレート
とダンパー機構とピストンとを備えている。プレートは
フロントカバー摩擦面に近接して配置されている。ダン
パー機構はプレートとタービンとを回転方向に弾性的に
連結するための機構である。ピストンは空間の圧変化に
よって空間内を移動可能である。ピストンはプレートの
フロントカバー摩擦面側と反対側に配置された環状の部
材である。ピストンはフロントカバーに対して相対回転
不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。ピスト
ンは内径がダンパー機構の外径より大きくダンパー機構
の外周に配置されている。
【0008】このロックアップ装置では、ピストンはフ
ロントカバーと一体回転することにより、ロックアップ
装置において摩擦面が2面確保される。さらに、そのピ
ストンの内径がダンパー機構の外径より大きく、ピスト
ンがダンパー機構の外周に配置されているため、ダンパ
ー機構におけるトーションスプリングの軸方向寸法を大
きくすることができる。これにより、設計が容易になり
さらに低剛性化などのトーションスプリングの高機能化
を実現できる。
【0009】請求項2に記載のトルクコンバータのロッ
クアップ装置では、請求項1において、ピストンは内周
面がプレート及びドライブ部材の一方に相対回転不能に
かつ軸方向移動可能に支持されている。
【0010】このロックアップ装置では、ピストンの支
持をダンパー機構の一部によって行われているため、ピ
ストンを支持するための特別な部材や機構が不要とな
る。請求項3に記載のトルクコンバータのロックアップ
装置では、請求項2において、ピストンとプレートとの
間には圧空間が形成されている。ロックアップ装置はシ
ール機構をさらに備えている。シール機構はピストンの
内周面と前記一方とを軸方向にシールしている。
【0011】このロックアップ装置では、ピストンの片
側の空間がプレートとの間に形成されているため、部品
点数が少なくなり構造が簡単になっている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態が採用
されたトルクコンバータ1を示している。図1におい
て、トルクコンバータ1は、主に、フロントカバー2
と、フロントカバー2と同心に配置された3種の羽根車
(インペラー10、タービン11、ステータ12)から
なる流体作動部3と、フロントカバー2とタービン11
との軸方向間の空間Cに配置されたロックアップ装置4
とから構成されている。フロントカバー2とインペラー
10のインペラーシェル15は外周部が溶接により固定
されており、両者で作動油が充填された流体室Aを形成
している。インペラーシェル15においてインペラーブ
レード16からさらに延びる部分は、タービン11の外
周側に配置され、フロントカバー2の外周筒状部8と一
体になっている。
【0013】フロントカバー2は、エンジンのクランク
シャフト(図示せず)からトルクが入力される部材であ
る。フロントカバー2は主に円板状の本体5から構成さ
れている。本体5の中心にはボス6が固定されている。
本体5の外周部エンジン側面には複数のナット7が固定
されている。本体5の外周部にはトランスミッション側
に延びる外周筒状部8が形成されている。外周筒状部8
には全周にわたって半径方向の交互に突出する凹凸が形
成されている。この凹凸により外周筒状部8の内側には
ラグ又はスプライン9が形成されている。さらにフロン
トカバー2の本体5の内側で外周部には環状かつ平坦な
摩擦面70が形成されている。摩擦面70は軸方向トラ
ンスミッション側を向いている。
【0014】流体作動部3は流体室A内で軸方向トラン
スミッション側に配置されている。これにより、流体室
A内は流体作動部3からなる流体作動室Bと、フロント
カバー2の本体5とタービン11との間に形成された空
間Cとに分かれている。インペラー10は、インペラー
シェル15と、インペラーシェル15の内側に固定され
た複数のインペラーブレード16と、インペラーブレー
ド16の内側に固定されたインペラーコア17と、イン
ペラーシェル15の内周縁に固定されたインペラーハブ
18とから構成されている。
【0015】タービン11は流体室A内でインペラー1
0に対向して配置されている。タービン11は、タービ
ンシェル20と、タービンシェル20に固定された複数
のタービンブレード21と、タービンブレード21の内
側に固定されたタービンコア22と、タービンシェル2
0の内周縁に固定されたタービンハブ23とから構成さ
れている。タービンハブ23は円筒状の部材であり、外
周側にフランジ26を有している。フランジ26は複数
のリベット24によってタービンシェル20の内周部に
固定されいる。さらに、タービンハブ23の内周縁には
スプライン25が形成されている。スプライン25には
トランスミッション側から延びる図示しないシャフトが
係合している。これによりタービンハブ23からのトル
クは図示しないシャフトに出力される。
【0016】ステータ12はインペラー10の内周部と
タービン11の内周部との間に配置されている。ステー
タ12はタービン11からインペラー10へと戻る作動
油の流れを整流するための機構である。ステータ12は
ステータキャリア27と、その外周面に固定された複数
のステータブレード28と、ステータブレード28の内
側に固定されたステータコア29とから構成されてい
る。さらに、ステータキャリア27はワンウェイクラッ
チ30を介して図示しない固定シャフトに支持されてい
る。
【0017】フロントカバー2の本体5とタービンハブ
23との軸方向間には第1スラストベアリング32が配
置されている。なお、タービンハブ23の軸方向エンジ
ン側端面には半径方向に延びる複数の溝が形成されてお
り、これらの溝により第1スラストベアリング32の半
径方向両側を作動油が流通可能となっている。タービン
ハブ23とワンウェイクラッチ30との間には第2スラ
ストベアリング33が配置されている。ワンウェイクラ
ッチ30を構成する部材の軸方向エンジン側には半径方
向に延びる複数の溝が形成されている。これらの溝によ
り第2スラストベアリング33の半径方向両側間で作動
油が流通することが可能となっている。
【0018】ステータキャリア37とインペラーハブ1
8との軸方向間には第3スラストベアリング34が配置
されている。ステータキャリア27の軸方向トランスミ
ッション側には半径方向に延びる複数の溝が形成されて
いる。これらの溝により第3スラストベアリングの半径
方向両側間で作動油が流通可能となっている。なお、こ
の実施形態ではインペラーハブ18とステータ12との
軸方向間に油圧作動機構の第1油路が連結され、ステー
タ12とタービンハブ23との軸方向間に油圧作動機構
の第2油路が連結され、タービンハブ23とフロントカ
バー2の内周部との間に油圧作動機構の第3油路が連結
されている。第1油路と第2油路は通常は共通の油圧回
路につながっており、ともに、流体作動部3に作動油を
供給し、又は流体作動部から作動油を排出する。第3油
路は、シャフトの内部に形成され、フロントカバー2と
タービンハブ23との間にすなわち空間Cの内周部に作
動油を供給したり又は空間Cから作動油を排出すること
ができる。
【0019】次に、空間Cについて説明する。空間Cは
フロントカバー2の本体5とタービン11との軸方向間
に形成された環状の空間である。空間Cは、軸方向エン
ジン側がフロントカバー2の本体5により形成され、軸
方向トランスミッション側がタービン11のタービンシ
ェル20により形成されている。さらに、空間Cは外周
側が主に外周筒状部8の内周面により形成され、その内
周側がタービンハブ23の外周面により形成されてい
る。空間Cは、前述のように、内周側すなわちフロント
カバー2の内周部とタービンハブ23との間において外
部の油圧作動機構に連結している。さらに、空間Cは外
周部においてインペラー10出口とタービン11入口と
の間の隙間から流体作動室Bに連通している。
【0020】ロックアップ装置4は、空間C内に配置さ
れ、空間C内の油圧変化によってフロントカバー2とタ
ービン11とを機械的にに連結・連結解除するための装
置である。ロックアップ装置4は、主に、ピストン機構
41とピストン42とから構成されている。ピストン機
構41は自らが空間C内で油圧変化によって作動するピ
ストン機能と、回転方向の捩じり振動を吸収・減衰する
ためのダンパー機能とを有している。
【0021】ピストン機構41は第1ピストン43とダ
ンパー機構44とから構成されている。第1ピストン4
3は空間C内においてフロントカバー2の本体5側に近
接して配置された円板状の部材である。第1ピストン4
3は主に円板状のプレート45から構成され、空間C内
をフロントカバー2側の第1空間Dとタービン11側の
第2空間Eとに分割している。プレート45の外周部
は、フロントカバー2の摩擦面70の軸方向ランスミッ
ション側に配置された第1摩擦連結部49となってい
る。第1摩擦連結部49は環状かつ平坦な板状部分であ
り、軸方向両側に環状の摩擦部材46が貼られている。
摩擦部材46において摩擦面70に対向するものを第1
摩擦部材46aとし、その反対側のもの第2摩擦部座4
6bとする。プレート45の内周縁には内周筒状部71
が形成されている。内周筒状部71はプレート45の内
周縁から軸方向トランスミッション側に延びている。内
周筒状部71の内周面はタービンハブ23の外周面65
によって軸方向及び回転方向に移動可能に支持されてい
る。タービンハブ23の外周面には内周筒状部71の軸
方向トランスミッション側に位置する環状の当接部48
が形成されている。これによりプレート45の軸方向ト
ランスミッション側への移動が制限されている。なお、
外周面65には環状の溝が形成されており、その溝内に
はシールリング57が配置されいる。シールリング57
は内周筒状部71の内周面に当接している。このシール
リング57により第1空間Dと第2空間Eとの間がシー
ルされている。
【0022】以上に述べたように、第1空間Dの内周部
は第3油路と連通しており、第1ピストン43の内周縁
とタービンハブ23の外周面65とによって第2空間E
から遮断されており、外周部は第1摩擦連結部49が摩
擦面70に当接した状態で第2空間Eから遮断されかつ
離れた状態で第2空間Eと連通する。ダンパー機構44
は、第1ピストン43からのトルクをタービン11側に
伝達すると共に、捩じり振動を吸収・減衰するための機
構である。ダンパー機構44は第2空間E内において第
1ピストン43の内周部とタービンシェル20の内周部
との間に配置されている。ダンパー機構44は、主に、
ドライブ部材50とドリブン部材51とトーションスプ
リング52とから構成されている。ドライブ部材50は
第1ピストン43に堅く固定されている。ドリブン部材
51はタービン11にトルクを出力可能になっている。
トーションスプリング52はドライブ部材50とドリブ
ン部材51とを回転方向に弾性的に連結している。より
具体的に説明すると、ドライブ部材50は第1ドライブ
プレート54と第2ドライブプレート55とから構成さ
れている。両ドライブプレート54,55は環状に形成
されたプレートであり軸方向に並んで配置されている。
第1ドライブプレート54は第1ピストン43のプレー
ト45の軸方向トランスミッション側に近接して配置さ
れている。第2ドライブプレート55は第1ドライブプ
レート54の軸方向トランスミッション側に配置されて
いる。両ドライブプレート54,55の外周部は第1ピ
ストン43に対して複数のリベット56により固定され
ている。第1ドライブプレート54と第2ドライブプレ
ート55の内周部は軸方向に離れて配置されている。ま
た、両ドライブプレート54,55にはトーションスプ
リング52が係合する複数の角窓35,36が形成され
ている。なお、第2ドライブプレート55は、図3に示
すように、リベット56により第1ピストン43に固定
された外周部55aと、外周部55aから軸方向トラン
スミッション側に延びる筒状部55bと、筒状部55b
から半径方向内側に延びる環状部55cとを有してい
る。環状部55cに前述の角窓35,36が形成されて
いる。ドリブン部材51は、環状のプレートであり、そ
の外周部は両ドライブプレート54,55の軸方向間に
配置されている。ドリブン部材51には、ドライブプレ
ート54,55の角窓に対応する位置に窓孔58が形成
されている。窓孔58内にはトーションスプリング52
が配置されている。トーションスプリング52は回転方
向に延びるコイルスプリングである。トーションスプリ
ング52は前述の窓孔58及び角窓35,36によって
回転方向を支持されている。さらに、トーションスプリ
ング52はドライブプレート54,55の角窓35,3
6により軸方向の移動を制限されている。ドリブン部材
51の内周部には、軸方向トランスミッション側に延び
る筒状部38が形成されている。筒状部38には先端か
らさらに軸方向トランスミッション側に延びる複数の爪
59が形成されている。
【0023】ダンパー機構44は爪部材53をさらに有
している。爪部材53はタービン11に堅く固定される
ことでタービン11と一体回転する部材である。爪部材
53は、ドリブン部材51に対して相対回転可能及び軸
方向に移動可能となることを許容する部材である。爪部
材53は、リベット24によりタービンシェル20と共
にタービンハブ23に固定される環状部60を有してい
る。環状部60の内周縁からは半径方向内側に延びる爪
部61が形成されている。爪部61はドリブン部材51
の爪59と互いに係合している。この状態でドリブン部
材51はタービン11に対して相対回転不能にかつ軸方
向に移動可能となっている。なお、爪部61と爪59と
の係合部分では半径方向に軸方向に連通する隙間が確保
されている。
【0024】ドリブン部材51の筒状部38の外周面
は、第2ドリブンプレート55の内周面に当接して半径
方向に支持されている。このようにして、ドリブン部材
51は第2ドライブプレート55や第1ピストン43を
介してタービンハブ23に対してセンタリングされてい
る。このようにして、ドリブン部材51を直接タービン
ハブ23に対して半径方向位置決めを行う必要がないた
め、ピストン機構41とタービン11との係合において
タービンハブ23にスプラインを加工する必要がない。
この結果、全体の加工コストが低下する。
【0025】ピストン42は第2空間E内において第1
ピストン43外周部の軸方向トランスミッション側、か
つ、ダンパー機構44の外周側に配置されている。ピス
トン42は、環状のプレートであり、第1摩擦連結部4
9の軸方向トランスミッション側に近接する第2摩擦連
結部68を有している。第2摩擦連結部68は、図2に
示すように環状かつ平坦な形状であり、軸方向エンジン
側に押圧面69を有している。押圧面69は第2摩擦部
材46bに対して軸方向に対向している。ピストン42
の外周縁には軸方向トランスミッション側に延びる外周
筒状部62が形成されている。外周筒状部62はフロン
トカバー2の外周筒状部8の内周面に近接して配置され
ている。外周筒状部62は半径方向両側に交互に突出す
る歯64が形成されている。歯64はフロントカバー2
の外周筒状部8に形成されたラグ又はスプライン9に係
合している。この係合によりピストン42はフロントカ
バー2に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能と
なっている。なお、ラグ又はスプライン9の軸方向トラ
ンスミッション側部分には環状の溝が形成されており、
その溝内にワイヤーリング67が配置されている。この
ワイヤーリング67に対してピストン42の外周筒状部
62の軸方向トランスミッション端面が当接すること
で、ピストン42の軸方向トランスミッション側への移
動が制限されている。なお、歯64とラグ又はスプライ
ン9との係合部分には軸方向に作動油が移動可能な隙間
が形成されている。
【0026】ピストン42の内周縁には軸方向トランス
ミッション側に延びる内周筒状部63が形成されてい
る。内周筒状部63の内周縁は第2ドライブプレート5
5の筒状部55b外周面73によって支持され、半径方
向の位置決めがされ、回転方向及び軸方向の移動が可能
となっている。さらに、外周面73には環状の溝が形成
されており、その中にはシールリング66が配置されて
いる。シールリング66は内周筒状部63の内周面に当
接している。このシールリング66により、ピストン4
2の内周縁において軸方向両側の空間が互いにシールさ
れている。このようにして、主に第1ピストン43の外
周部分とピストン42との軸方向間に第3空間Fが形成
されている。第3空間Fは、前述のシールリング66に
より第2空間Eにおける他の部分とは遮断されている。
さらに、第3空間Fは、第1摩擦連結部49と第2摩擦
連結部68とが互いに当接した状態では外周側が閉ざさ
れており、両者が離れた状態では開放されている。第3
空間Fがピストン42とプレート45との間に形成され
ているため、部品点数が少なくなり構造が簡単になって
いる。さらに、プレート45において第1摩擦連結部4
9の半径方向内側部分には、軸方向に貫通する複数の孔
47が形成されている。この孔47により、第1空間D
と第3空間Fとは互いに連通している。
【0027】以上の説明をまとめながら、ロックアップ
装置4のクラッチ連結部40について説明する。クラッ
チ連結部40は、フロントカバー2の摩擦面70と、第
1ピストン43の第1摩擦連結部49と、ピストン42
の第2摩擦連結部68の押圧面69とから構成されてい
る。このようにしてクラッチ連結部40は2面の摩擦面
を有している。なお、ピストン部材42と第2ドライブ
プレート55はクラッチ連結部40が遮断された状態で
相対回転する。しかし、クラッチ連結部40が連結され
た状態で両者は一体回転し、筒状内周部63と筒状部5
5bは回転方向に摺動しない。
【0028】ここでは、第1摩擦連結部49と第2摩擦
連結部68とがそれぞれ軸方向に自ら移動するピストン
となっているため、摩擦面70と摩擦部材46との間に
は第1ピストン43からの押圧力が作用し、摩擦部材4
6と押圧面69との間にはピストン42からの押圧力が
作用する。このクラッチ連結部40では、ピストン42
の内径(ID2)が第1ピストン43の内径(ID1)
より大きいことで、ピストン42から第1摩擦連結部4
9に作用する押圧力は、ピストン42の内径が第1ピス
トン43の内径に等しい場合に比べて小さい。そのた
め、摩擦面を単に2倍にした場合に比べて小さな押圧力
を発生することができ、摩擦部材46等の摩耗や破損を
押さえることができる。また、ピストン42の大きさを
変更することでクラッチ連結部40に作用する押圧力を
容易に変更することができる。ピストン42の内径はピ
ストン機構43の内径よりも大きいともいえる。このよ
うな構造はピストン機構41にダンパー機構44が設け
られていない場合に前述の優れた効果を発揮する。
【0029】フロントカバー2と一体回転する入力部材
としてピストン42がダンパー機構44の外周側に配置
されるため、より具体的には、ピストン42の内径がダ
ンパー機構44の外径より大きくかつピストン42がダ
ンパー機構44の外周に配置されているため、ダンパー
機構44の軸方向片側のスペースが制約されていない。
したがって、ダンパー機構44におけるトーションスプ
リング52の軸方向寸法を大きくすることができる。こ
れにより、設計が容易になりさらに低剛性化などのトー
ションスプリング52の高機能化を実現できる。
【0030】さらに、自ら軸方向に移動するピストン部
材としてのピストン42がダンパー機構44の一部特に
ドライブ部材を構成する第2ドライブプレート55によ
って半径方向に支持されることによって、ピストン42
を支持するための特別な部材や構成を設けることがなく
なり、ロックアップ装置4全体の構造が簡単になる。次
に動作について説明する。クラッチ連結解除状態では、
第3油路から第1空間Dの内周側に作動油が供給されて
いる。第1空間D内の作動油はを半径方向外側に流れ、
摩擦面70と第1摩擦部材46aとの間を流れさらにラ
グ又はスプライン9と歯64との間の隙間を通って第2
空間Eの外周側に流れる。第2空間Eの作動油は、イン
ペラーシェル15とタービンシェル20との隙間を通
り、インペラー10出口とタービン11の入口間の隙間
から流体作動室B内に流れる。また、第1空間D内を移
動する作動油は第1ピストン43に形成された孔47を
通って第3空間F内に流れ込む。第3空間F内の作動油
は押圧面69と第2摩擦部材46bとの間を通って半径
方向外側に流れる。その作動油もラグ又はスプライン9
及び歯64との間の隙間を通って第2空間Eの外周側に
流れる。
【0031】ここでは、第1ピストン43とピストン4
2とがそれぞれ空間C内の油圧の変化によって軸方向に
移動するピストンとして機能しているため、両部材の軸
方向動作が安定している。そのためクラッチ連結部40
において各部材は互いに接触しにくい。具体的には、ピ
ストン42はワイヤーリング67により軸方向トランス
ミッション側への移動を制限され、第1ピストン43は
タービンハブ23によって軸方向への移動を制限されて
いる。この結果、図2に示すように、摩擦面70と第1
摩擦部材46aとの間、さらには第2摩擦部材46bと
押圧面69との間に所定のクリアランスが確保されてい
る。
【0032】次に、クラッチ連結動作について説明す
る。第3油路から第1空間D内の作動油をドレンする。
これより第1空間D内の作動油は内周側に流れ、さらに
第3空間F内の作動油は孔47を通って第1空間D内に
流れ込む。この結果、第1ピストン43は軸方向エンジ
ン側に移動し、第1摩擦連結部49がフロントカバー2
の摩擦面70に当接する。さらに、ピストン42も軸方
向エンジン側に移動し、押圧面69が第2摩擦部材46
bに当接する。このように、孔47によって第1空間D
と第3空間Fとが互いに連通することによって、ピスト
ン42の動作がスムーズになる。
【0033】次にクラッチ解除動作について説明する。
第3油路から第1空間D内に作動油が供給されると、そ
の作動油は外周側に移動し、さらに孔47を通って第3
空間F内に流れ込む。この結果、第1ピストン43及び
ピストン42は軸方向トランスミッション側に移動す
る。このように、孔47によってピストン42の動作が
スムーズになっている。第2実施形態 図4に示すロックアップ装置4について、第1実施形態
と異なる部分にのみ詳細に説明する。
【0034】ピストン42の内周面はピストン機構41
により当接・支持されておらず、ピストン42の内周部
においては軸方向両側の空間は連通している。ピストン
42の外周部は第1ピストン43の第1摩擦連結部49
よりさらに外周側に延びフロントカバー2の外周筒状部
8近傍に位置している。第1ピストン43の外周側でフ
ロントカバー2の本体5とピストン42の外周部との間
には環状の第4空間Gが確保されている。さらに、ピス
トン42の外周面には、外周筒状部8の内周面に当接す
る環状のシール部材95が固定され、内周筒状部8とピ
ストン42との間において軸方向両側がシールされてい
る。このように、第4空間Gは外周部がシール部材95
によりシールされ、内周部がクラッチ連結部40が連結
した状態で閉鎖された状態となっている。第4空間G内
にはコーンスプリング97が配置されている。コーンス
プリング97は少なくともピストン42が最も軸方向エ
ンジン側に移動した状態(クラッチ連結状態)で軸方向
に弾性変形した状態となっている。すなわちコーンスプ
リング97は少なくともクラッチ連結状態でピストン4
2に対してフロントカバー2から離れる方向に付勢力を
与えている。
【0035】第1ピストン43の第1摩擦連結部49に
貼られた第1摩擦部材46aと第2摩擦部材96とにつ
いて説明する。第1摩擦部材46aは第1実施形態と同
様である。第2摩擦部材96は第1摩擦部材46aと内
径は同一であるが外径は小さくなっている。この結果、
第2摩擦部材96の半径方向幅は第1摩擦部材46aの
半分程度となっている。すなわちクラッチ連結状態にお
いてピストン42の押圧面69は内周側部分のみが第2
摩擦部材96に当接しており、その外周側は第1摩擦連
結部49において摩擦部材が固定されていない部分との
間に隙間を有していることになる。この隙間は前述の第
4空間Gの一部となっている。
【0036】第1実施形態ではフロントカバー2にラグ
又はスプラインが形成されていたがこの実施形態ではイ
ンペラーシェル15にラグ又はスプライン100が形成
されている。さらに、インペラーシェル15にはピスト
ン42の外周筒状部62に対して軸方向に対向するイン
ロー部101が形成されている。ドリブン部材51にお
いて軸方向に延びる爪59部分の内周面はタービンハブ
23の第2外周面105により半径方向に支持されてい
る。
【0037】本実施形態では、第1実施形態における第
1ドライブプレート54が省略され、その代わりに第1
ピストン43がトーションスプリング52を支持してい
る。具体的には、第1ピストン43にはばね支持部10
2が設けられている。ばね支持部102はトーションス
プリング52の半径方向両側を支持している。ばね支持
部102は軸方向にしぼり加工等により形成された突出
部であり軸方向に孔や切欠きが設けられていない。ばね
支持部102においてトーションスプリング52に接触
する部分には所定の熱処理等が施されている。このよう
に第1ピストン43がダンパー機構44のダンパーケー
シングとして機能しており、従来のドライブプレートの
一方を省略できる。この結果部品点数が少なくなり、全
体構造が簡単になる。
【0038】ロックアップ連結解除動作状態では、第3
油路から第1空間D内に作動油が供給される。第1空間
D内の作動油は、外周側に移動し、フロントカバー2の
摩擦面70と第1摩擦部材46aとの間から第4空間G
内に流れ込む。第4空間G内の作動油は第2摩擦部材9
6と押圧面69との間を通って半径方向内側に流れる。
作動油はさらにピストン42の内周部とダンパー機構4
4との間の隙間から第2空間E内に流れる。
【0039】この状態でコーンスプリング97によりピ
ストン42は軸方向エンジン側への移動が制限されてい
る。そのためクラッチ連結遮断時にドラグトルクが生じ
にくい。次に、第3油路から第1空間D内の作動油をド
レンすると、第1ピストン43とピストン42とが軸方
向エンジン側に移動する。これにより、第1摩擦部材4
6aが摩擦面70に押圧され、押圧面69が第2摩擦部
材46bに押圧される。ここでは、第2摩擦部材96の
有効半径が小さくなっているため、第2摩擦部材96に
おける伝達トルクは第1実施形態より小さくなる可能性
がある。しかし、この実施形態では第2摩擦部材96の
外径を小さくすることでピストン42の受圧面積を増加
させている。そのため、ピストン42に作用する圧力次
第で第2摩擦部材96における伝達トルクを従来と同等
又はそれ以上に大きくすることも可能である。
【0040】次に第3油路から第1空間D内に作動油が
供給されると、第1ピストン43及びピストン42が軸
方向トランスミッション側に移動しクラッチ連結が遮断
される。このとき、コーンスプリング97によってピス
トン42は確実にかつスムーズに軸方向トランスミッシ
ョン側に移動する。第3実施形態 図5に示す第3実施形態は第2実施形態とほぼ同様であ
るので、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0041】第2摩擦部材106は第1摩擦部材46a
に比べて外径はほぼ同じであるが内径は大きくなってい
る。この結果、第2摩擦部材106の半径方向幅は第1
摩擦部材46aの半径方向幅の半分程度になっている。
第2摩擦部材106と押圧面69とによる摩擦面の有効
半径が第1摩擦部材46aに比べて大きくなっているた
め、第2摩擦部材106における伝達トルクを増加させ
ることができる。また、これにより、ピストン42から
の押圧力が第1ピストン43からの押圧荷重に比べて小
さい場合でも第2摩擦部材106において第1摩擦部材
46aと同程度又はそれ以上の伝達トルクを得ることが
できる。第4実施形態 図6に示すピストン42は、第1実施形態と同様に第1
ピストン43の外周部との間に第3空間Fを形成し、さ
らに第2及び第3実施形態と同様に第1ピストン43の
第1摩擦連結部49の外周側にフロントカバー2との間
に第4空間Gを形成している。
【0042】第3空間Fは第1ピストン43に形成され
た孔47により第1空間Dと連通している。ただし、第
3空間Fの内周部はカラー111とシールリング112
とからなるシール機構により第2空間Eからシールされ
ている。具体的には、第2ドライブプレート142の外
周に溶接により固定されたカラー111が設けられてい
る。カラー111は筒状の部材であり、カラー111が
第1ドライブプレート54の外周面を構成している。カ
ラー111の外周面には環状の溝が設けられており、溝
内にはシールリング112が配置されている。シールリ
ング112はピストン42により形成された内周面に対
して当接している。
【0043】このようにしてこのカラー111の外周面
76に対してピストン42の内周筒状部63の内周面が
半径方向に支持されている。ピストン42の第2摩擦連
結部68には軸方向に貫通する複数の孔109が形成さ
れている。孔109は同一半径上に配置されている。孔
109は第2摩擦部材46bに当接した状態では第3空
間F及び第4空間Gと第2空間Eとの間を遮断し、ピス
トン42が第2摩擦部材46bから軸方向に離れた状態
で両者を連通させるための構造である。この実施形態で
は、第2摩擦部材46bは孔109に対応する位置に環
状の溝が形成されている。環状の溝は孔109より半径
方向長さが大きく、孔109は溝内に位置している。言
い換えると、第2摩擦部材46bは外周側の摩擦部材1
07と内周側摩擦部材108とからなり、その間の溝が
孔109に対応している。
【0044】クラッチ連結部40の連結解除状態では、
第3油路から第1空間D内に作動油が供給されている。
作動油は第1空間D内を外周側に移動し、孔47を通っ
て第3空間Fに流れる。さらに、作動油は摩擦面70と
第1摩擦部材46aとの間を通って第4空間Gに流れ
る。第3空間Fの作動油は、内周側摩擦部材108と押
圧面69との間を通って外周側に流れ、孔109から第
2空間Eに流れる。第4空間Gの作動油は外周側摩擦部
材107と押圧面69との間を通って孔109から第2
空間Eに流れ込む。
【0045】第3油路から第1空間Dの作動油をドレン
すると、第3空間Fの作動油は孔47を通って第1空間
Dに流れる。また、第4空間Gの作動油は第1摩擦部材
46a及び第2摩擦部材46bの側方を通って内周側に
流れる。この結果、第1ピストン43及びピストン42
は軸方向エンジン側に移動し、第1摩擦部材46aが摩
擦面70に押圧され、押圧面69が第2摩擦部材46b
に押圧される。このようにしてロックアップ装置4のク
ラッチ連結が行われる。この実施形態では、ピストン4
2の受圧部が第2摩擦部材46bの内周側と外周側とに
拡大されるため、ピストン42から第2摩擦部材46b
に作用する押圧力が大きくなる。その結果ロックアップ
装置4の伝達トルクが増加する。
【0046】ピストン42は、第3空間Fの内周部分か
らさらに内周側に延びる攪拌部141を有している。攪
拌部141は内周筒状部63から内周側に延びる環状の
部分である。攪拌部141はダンパー機構44とタービ
ンシェル20の内周部との間に延びている。さらに、攪
拌部141の内周縁はドリブン部材51の爪59近傍ま
で延びている。次に、攪拌部141の機能について説明
する。このロックアップ装置4では、第1ピストン43
により空間C内が第1空間Dと第2空間Eとに分割され
ている。第1空間Dは第3油路からの作動油の供給又は
第3油路からの作動油のドレンにより作動油が流れる空
間である。それに対し、第2空間Eは、主に相対回転不
能に連結されたピストン機構41とタービン11とに挟
まれた空間であり、通常は第2空間Eでは作動油は流れ
ないものと考えられる。その場合には、ロックアップ装
置4の連結解除状態でも、第1空間D内を作動油が流
れ、第2空間Eの大半では作動油が流れないことが想定
される。その場合には、作動油の流れにより第1空間D
の油圧が第2空間Eの油圧に対して低くなり、第1ピス
トン43及びピストン42が軸方向エンジン側に移動す
る事態が生じ得る。その場合には、クラッチ連結部40
において各部材が接触しドラグトルクが生じてしまう。
【0047】それに対して、本実施形態ではフロントカ
バー2などと一体回転する入力側部材としてのピストン
42が第2空間E内において内周側部分まで配置されて
いるため、第2空間E内において作動油の澱みを攪拌し
流れを生じさせる。この結果、第1空間Dと第2空間E
とで圧力がバランスされて第1ピストン43が軸方向エ
ンジン側に移動しにくい。この結果攪拌部141がない
場合に比べてドラグトルクを低減できる。第5実施形態 図7に示すロックアップ装置4の構造について説明す
る。このロックアップ装置4は第1実施形態におけるロ
ックアップ装置とほぼ同様であるので、ここでは異なる
点のみを詳細に説明する。
【0048】フロントカバー2のラグ又はスプライン9
にはスナップリング118が固定されている。スナップ
リング118は、ピストン42の外周筒状部62に対し
て軸方向に対向して設けられており、ピストン42の軸
方向エンジン側への移動を制限するための部材である。
第1ピストン43は内周部が外周部に比べて軸方向トラ
ンスミッション側に位置している。ピストン42は内周
面が第1ピストン43の半径方向中間に形成された筒状
部113により相対回転可能にかつ軸方向に移動可能に
支持されている。また、第1ピストン43の筒状部11
3の外周面には環状の溝が形成され、その溝内にシール
リング114が設けられている。シールリング114は
ピストン42の内周面に当接し軸方向両側をシールして
いる。第1ピストン43の内周縁には軸方向トランスミ
ッション側に延びる内周筒状部143が設けられてい
る。内周筒状部143はタービンハブ23の外周面に半
径方向に支持されている。また、タービンハブ23の外
周面には環状の溝が形成されており、その溝内にはシー
ルリング144が設けられている。シールリング144
は内周筒状部143の内周面に当接している。
【0049】ダンパー機構119は第1ピストン43の
内周部の軸方向エンジン側すなわち第1空間D内に配置
されている。ダンパー機構119は、ドライブプレート
131とトーションスプリング52とドリブン部材13
3とから構成されている。ドライブプレート131は外
周部が第1ピストン43に固定されトーションスプリン
グ52の軸方向エンジン側を支持している。第1ピスト
ン43はトーションスプリング52の軸方向トランスミ
ッション側及び円周方向両側を支持するばね支持部13
5を有している。ドリブン部材133は円坂状の部材で
あり、内周部に複数の歯116を有している。歯116
はタービンハブ23の外周に設けられた歯117に相対
回転可能にかつ軸方向に移動可能に係合している。な
お、歯116と歯117との係合部分には軸方向に貫通
する隙間が確保されている。
【0050】ドリブン部材133はその外周部115の
外周面が第1ピストン43の筒状部113の内周面によ
って半径方向に支持されている。第6実施形態 図8に示すロックアップ装置4は第1実施形態のロック
アップ装置とほぼ同様であるので、異なる点のみについ
て詳細に説明する。第1実施形態ではピストン42の軸
方向の制限はピストン42の外周部で行っているが、こ
の実施形態ではピストン42の内周側で行っている。具
体的には第2ドライブプレート55の外周面にスナップ
リング81が設けられている。スナップリング81はピ
ストン42の内周筒状部63に対して軸方向に対向して
いる。
【0051】また、ドリブン部材51は爪59の外周面
が爪部61の内周面に当接して半径方向に位置決めされ
ている。第7実施形態 図9に示すロックアップ装置4では、第1ピストン43
は半径方向中間部分に筒状部146を有している。この
筒状部146によってピストン42の内周部が支持され
ている。
【0052】ダンパー機構120は、第1ピストン43
の内周部軸方向トランスミッション側に配置されてい
る。ダンパー機構120は、主に、ドライブプレート1
21と、ドリブンプレート122と、複数のトーション
スプリング123とから構成されている。ドライブプレ
ート121は環状のプレートであり、第1ピストン43
の内周部軸方向トランスミッション側に堅く固定されて
いる。具体的には、ドライブプレート121は第1ピス
トン43に当接した状態で内周縁が複数のリベット12
4により第1ピストン43に固定されている。ドライブ
プレート121には、トーションスプリング123の半
径方向両側を支持するための支持部125,126と、
トーションスプリング123の円周方向両端を支持する
ための支持部127が設けられている。ドリブンプレー
ト122は、複数のリベット129によりタービンハブ
23に固定された環状部128と、環状部128から軸
方向エンジン側に延びトーションスプリング123の円
周方向両端に係合する爪130とを有している。第8実施形態 図10に示すロックアップ装置4では基本的な構造は第
7実施形態と同様である。
【0053】ここでは第1ピストン43の筒状部146
にスナップリング82が設けられている。スナップリン
グ82はピストン42の内周筒状部63に対向して設け
られた部材である。なお、この実施形態では、ピストン
42の外周側も軸方向の移動を制限している。具体的に
は、第1実施形態と同様にフロントカバー2のラグ又は
スプライン9にワイヤーリング67が設けられている。
この実施形態では、ピストン42の内外周両側でピスト
ン42の移動を制限するため、クラッチ連結解除状態に
おいてピストン42の姿勢が安定する。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るトルクコンバータのロック
アップ装置では、ピストンはフロントカバーと一体回転
することにより、ロックアップ装置において摩擦面が2
面確保される。さらに、そのピストンの内径がダンパー
機構の外径より大きく、ピストンがダンパー機構の外周
に配置されているため、ダンパー機構におけるトーショ
ンスプリングの軸方向寸法を大きくすることができる。
これにより、設計が容易になりさらに低剛性化などのト
ーションスプリングの高機能化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバ
ータの縦断面概略図。
【図2】図1の部分拡大図であり、ロックアップ装置の
クラッチ連結部を示す図。
【図3】図1の部分拡大図であり、ピストンのダンパー
機構による支持を示すための図である。
【図4】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図5】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図6】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図7】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図8】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図9】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図10】本発明の他の実施形態におけるトルクコンバ
ータの縦断面概略図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 フロントカバー 3 流体作動部 4 ロックアップ装置 5 本体 8 外周筒状部 9 内周歯 10 インペラー 11 タービン 12 ステータ 20 タービンシェル 21 タービンブレード 23 タービンハブ 41 ピストン機構 42 ピストン 43 第1ピストン(プレート) 45 プレート 46 摩擦部材 50 ドライブ部材 51 ドリブン部材 52 トーションスプリング 53 爪部材 54 第1ドライブプレート 55 第2ドライブプレート 59 爪 61 爪部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側に摩擦面を有するフロントカバーと、
    前記フロントカバーとともに流体室を構成するインペラ
    ーと、前記流体室内で前記インペラーに対向して配置さ
    れ前記フロントカバーとの間に空間を形成しているター
    ビンとを含むトルクコンバータに用いられる、前記空間
    内に配置され前記空間の圧変化によって前記フロントカ
    バーと前記タービンを機械的に連結・連結解除するため
    のロックアップ装置であって、 前記フロントカバー摩擦面に近接して配置されたプレー
    ト(43)と、 前記プレートと前記タービンとを回転方向に弾性的に連
    結するための機構であり、前記プレートからトルクを入
    力されるドライブ部材と、前記タービンにトルクを出力
    するドリブン部材と、前記ドライブ部材と前記ドリブン
    部材とを回転方向に弾性的に連結するトーションスプリ
    ングとを有するダンパー機構(44)と、 前記空間の圧変化によって前記空間内を移動可能であ
    り、前記プレートの前記フロントカバー摩擦面側と反対
    側に配置された環状の部材であり、前記フロントカバー
    に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結さ
    れ、内径が前記ダンパー機構の外径より大きく、前記ダ
    ンパー機構の外周に配置されたピストン(42)と、を
    備えたトルクコンバータのロックアップ装置。
  2. 【請求項2】前記ピストンは内周面が前記プレート及び
    ドライブ部材の一方に相対回転可能にかつ軸方向に移動
    可能に支持されている、請求項1に記載のトルクコンバ
    ータのロックアップ装置。
  3. 【請求項3】前記ピストンと前記プレートとの間には圧
    空間(F)が形成され、 前記ピストンの内周面と前記一方とを軸方向にシールす
    るシール機構(66)をさらに備えている、請求項2に
    記載のトルクコンバータのロックアップ装置。
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