JPH08227712A - アルカリ蓄電池およびその製造方法 - Google Patents
アルカリ蓄電池およびその製造方法Info
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Abstract
の長期の充放電サイクルにおいても、その高い利用率を
維持することが可能なアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 還元剤存在下でコバルト塩溶液とアルカ
リ水溶液との中和反応により得られたBET比表面積が
20〜30m2/gである水酸化コバルトを正極活物質
中に添加する。
Description
ム蓄電池やニッケル水素蓄電池等のニッケル極を備えた
アルカリ蓄電池、およびニッケル極の製造方法に関する
ものである。
ルカリ蓄電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化が可能
となる等の理由で、小型電池は各種ポータブル機器用
に、大型電池は産業用の電源として広く使われている。
質として負極には従来から使用されているカドミウム、
亜鉛、鉄に加え、最近では水素吸蔵合金が用いられてい
る。一方、正極には活物質として、ほとんどの場合に水
酸化ニッケルが使用されている。この水酸化ニッケルを
活物質として使用したニッケル正極は、その極板形式に
おいて焼結式とペースト式との二種類に大別できる。焼
結式の極板は、その基板の焼結法や焼結された基板への
活物質の充填などの面で、その工程が煩雑である。さら
に焼結式基板は、その多孔度を83%以上にすると機械
的強度が低下してしまうため、より高多孔度の基板は得
にくい。従って、この基板への活物質の充填量には限界
があり、さらなる高容量化は難しい。
用化されているものは、基板として90%以上の高多孔
度を有する発泡状もしくは繊維状の不織布を用い、これ
に水酸化ニッケルを主体とするペースト状活物質を充填
する方法である。このペースト式ニッケル極は、上記焼
結式ニッケル極を用いた場合に比較して高容量化が可能
であり、高容量タイプのニッケルカドミウム蓄電池およ
びニッケル水素蓄電池に使用される正極の主流となりつ
つある。
水酸化ニッケルにコバルト化合物を添加したものが主に
用いられている。水酸化ニッケルにコバルト化合物を添
加することにより、水酸化ニッケルの利用率が向上する
ことは広く知られている。このコバルト化合物は、主と
して水酸化ニッケルに導電性を付与するために添加され
ており、初充電時に容易に酸化され、オキシ水酸化コバ
ルト(以下、CoOOHという)からなる導電性ネット
ワークを形成する。この導電性ネットワークの形成は、
水酸化ニッケルを主体とした活物質の利用率の向上に多
大な効果を発揮する。しかし、より一層の高容量化を行
うためには、少量のコバルト化合物の添加で十分な導電
性ネットワークを形成する必要がある。
バルト(以下、金属Coという)、酸化コバルト(以
下、CoOという)、水酸化コバルト(以下、Co(O
H)2という)等のコバルト化合物の添加量や添加条件に
ついて多くの提案がなされている。
は硫酸コバルト溶液とアルカリ水溶液との中和反応によ
って生成したCo(OH)2を活物質に添加することが提
案されている。しかし、この方法で合成されたCo(O
H)2では、中和反応時に不活性な高次のコバルト化合物
が表面に形成しやすい。このため、初充電時のCoOO
Hへの電気化学的な酸化効率が低下し、CoOOHから
なる導電性ネットワークの形成が困難となる。つまり、
Co(OH)2を添加しても水酸化ニッケルの利用率が向
上する効果を十分に引き出すことができない。
は、水酸化ニッケルを水に懸濁させた溶液に、硫酸コバ
ルト溶液とNaOHを添加し、水酸化ニッケルのまわり
にCo(OH)2を析出させ、少量のCo(OH)2の添加で
も高い利用率を得られることが開示されている。このよ
うな条件下でニッケル極へのコバルト化合物添加を行っ
た場合、不活性な高次のコバルト化合物によって、この
Co(OH)2の表面が被覆されやすい。このため、必ず
しもCo(OH)2の添加による効果が得られているとは
言い難い。
報、および特開昭62−124370号公報では、上記
Co(OH)2の添加による効果を引き出すために、比表
面積が20m2/g以下のCo(OH)2を用い、高次のコ
バルト化合物の形成を抑制することが示されている。し
かしながら、この方法では正極の活物質利用率は、添加
したCo(OH)2の導電性ネットワークを形成するCo
OOHへの電気化学的な酸化効率に依存するため、十分
な利用率向上の効果は得られない。一般にCo(OH)2
は、その粒子の形状が同等であるとき、比表面積はその
粒子径に反比例する。従って、Co(OH)2の粒子径を
単に小さくするだけで、Co(OH)2の比表面積は増大
する。これにより、Co(OH)2と基板との接触点が増
し、電気化学的に酸化されやすくなることは言うまでも
ない。
は、CoOを活物質に添加することが提案されている。
CoOは溶解、拡散、析出の各反応を経て非常に微細な
粒子からなるCoOOHを形成する。このため、活物質
の初期の利用率向上にはCo(OH)2を添加する場合に
比較して効果がある。しかし、このCoOから電気化学
的に形成されたCoOOHは、電池を高温で充放電のサ
イクルを繰り返すと容易に分解され、利用率の低下を招
きやすい。すなわち、CoOの添加は活物質の初期の利
用率向上に関しては、効果を有するが、正極のその他の
特性を考慮した場合、必ずしも最適な添加剤とは言えな
い。
された状態にある極板は、プレスを行うことにより、所
望する厚みにまで圧延され、厚さの調整が行われる。し
かし、極板をプレスする際に、その多孔度を可能な限り
低下させると、構成された極板内に電解液が浸入できる
空間が減少してしまう。その結果、正極板は充放電反応
に関与するOH-イオンが不足した状態となり、初充電
時におけるコバルト化合物のCoOOHへの電気化学的
な酸化効率の低下、つまり利用率の低下を招くことにな
る。
(OH)2をそれぞれ単独で添加した際に生じる不具合を
抑制するために、正極添加剤としてCoOおよびCo
(OH)2を併用し、初期の活物質利用率向上に関してC
oOの添加によって、充放電サイクル特性に関してはC
o(OH)2を添加することによって確保することが有効
であることは推量できる。しかしながら、正極板の量産
性やペーストの調整を考慮した場合、水酸化ニッケルに
添加する化合物の種類はできる限り少なくする方が望ま
しい。
に、特開平3−145058号公報では、水酸化ニッケ
ルに添加されるCoOの表面を高次コバルト酸化物で覆
ったコバルト化合物を用いることを開示している。
液に対するCoOの溶解性の低下、すなわちCoOの反
応性の低下を招くため、上記高次コバルト酸化物により
表面を被覆されたコバルト化合物の添加量を多くする必
要がある。このコバルト化合物の添加量の増加につれ
て、水酸化ニッケルの充填量が相対的に減少し、ニッケ
ル正極としての体積当たりのエネルギー密度が低下する
ことになる。さらに、コバルト化合物は非常に貴重且つ
高価な材料であるため、その添加量の削減は資源、コス
トの観点からも望ましい。
り、正極活物質が高い利用率を有し、また電池として長
期の充放電サイクルにおいても、その高い利用率を維持
することが可能なアルカリ蓄電池を提供することを目的
とする。
に本発明は、アルカリ蓄電池の正極添加剤として、表面
への高次酸化物の生成を抑制したBET法による比表面
積が20〜30m2/gのCo(OH)2を用いることを特
徴とするものである。
好ましい製造方法は、還元剤存在下で硫酸コバルトや硝
酸コバルト等のコバルト塩水溶液と、NaOHやKOH
等のアルカリ水溶液との中和反応を行い、このCo(O
H)2の水酸化ニッケルへの添加効果を十分に引き出すた
めに、Co(OH)2と水との混合を媒体撹拌式粉砕機を
用いて行い、この混合物(スラリー)に水酸化ニッケル
と水を加えてペーストを調整し、これを三次元多孔体か
らなる基板に充填するものである。
リ水溶液を還元剤存在下で水酸化ニッケルと水からなる
スラリー中に滴下し、中和反応によりCo(OH)2を表
面に析出させた水酸化ニッケルを用いることも可能であ
り、この水酸化ニッケルに前記のCo(OH)2を添加す
るか、さらにCoOもしくは金属Coのうちの少なくと
も一方を添加して用いることもできる。
正極の添加剤として上記Co(OH)2およびCoOを併
用する方法にかえて、Co(OH)2の表面がCoOで被
覆されたコバルト化合物のみを添加したものでもある。
このコバルト化合物におけるCoOの割合は、Co(O
H)2に対して10〜40重量%であることが望ましい。
Co(OH)2を不活性雰囲気中で200〜550℃の温
度により、3〜30時間焼成してその表面にCoOを形
成する方法により得られる。尚、水酸化ニッケルへのこ
のコバルト化合物の添加は、水酸化ニッケルに対して5
〜16重量%であることが望ましい。
の利用率を向上させる理由としては、一般にコバルト化
合物の電気化学的な酸化生成物であるCoOOHが正極
中に導電性ネットワークを形成するためと考えられてい
る。従って、添加したコバルト化合物を3価のCoOO
Hに効率よく酸化させることが重要である。
述したように、従来から用いられているCoOを添加す
る方法が最も望ましい。これはCoOの場合、溶解、析
出の各反応を経てCoOOHに電気化学的に酸化される
ため、非常に粒子径の小さいCoOOHからなる導電性
ネットワークを形成するからである。ところが粒子径が
小さいCoOOHは化学的安定性に欠け、電池として充
放電サイクルを繰り返すと容易に分解されてしまう。
特性には、BET比表面積が20〜30m2/gのCo
(OH)2を添加し、電気化学的に酸化して得られたCo
OOHからなる導電性ネットワークを形成させることが
望ましい。
主体とし、CoOや金属Coを少量添加したニッケル極
を用いることにより、初期から活物質利用率が高く、ま
た長期の充放電サイクルにおいてその利用率を維持する
ことができるアルカリ蓄電池を得ることが可能となる。
ては、コバルト塩とアルカリ水溶液との中和反応を利用
する方法が一般的に用いられている。しかし、この方法
で得られたCo(OH)2は反応溶液中の溶存酸素によっ
て酸化され、不活性な高次のコバルト化合物がその表面
に生成してしまう。一方、正極活物質の利用率は初充電
時に電気化学的に酸化されたCoOOHからなる導電性
ネットワークに依存する。このため、正極の利用率を向
上させるためには、添加したコバルト化合物の電気化学
的な酸化効率をいかに向上させるかが重要である。この
コバルト化合物の電気化学的な酸化効率に影響を与える
因子としては、コバルト化合物の比表面積と、表面に生
成した不活性な高次のコバルト酸化物とがある。比表面
積の大きなCo(OH)2ほど基板との接触点が多いた
め、CoOOHへの電気化学的酸化効率は向上する。し
かし、比表面積が大くなるにしたがって、反応溶液中の
溶存酸素により不活性な高次のコバルト化合物も生成し
やすくなり、Co(OH)2からCoOOHへの電気化学
的な酸化効率は低下する。
ルカリ水溶液との中和反応を行うことにより、不活性な
高次酸化物の生成を抑制した状態で比表面積の大きなC
o(OH)2を得ることが可能となる。この比表面積の大
きなCo(OH)2は極めて凝集しやすく、スラリーやペ
ースト中に均一に分散させることは困難である。しか
し、このCo(OH)2を媒体撹拌式粉砕機を用いて高分
散化処理を行うか、もしくは化学的に水酸化ニッケルの
まわりに析出させることによって、スラリーあるいはペ
ースト中に均一に分散させ、活物質利用率を向上させる
ことが可能となる。
間等の条件を適宜調整し、水酸化コバルトを部分的に酸
化コバルトへと変化させることも可能である。これによ
り、本発明の水酸化コバルトの表面を酸化コバルトで被
覆したコバルト化合物が得られる。この際、前記条件を
変化させることで、コバルト化合物中の水酸化コバルト
と酸化コバルトとの比率を任意に設定できる。
併用することは、上述したように知られている。しか
し、これらを個々の粉末として添加する場合と比較し
て、本発明によるCo(OH)2の表面をCoOで被覆さ
れたコバルト化合物は、以下に示す利点を有している。
すなわち、 (1) 電池を組立て、アルカリ電解液を注液した後に放
置することにより、表面部分のCoOが溶解する。この
CoOの溶解により、水酸化ニッケルの隣接する一次粒
子の間、およびこの微細な一次粒子が集合した水酸化ニ
ッケル二次粒子の間にCoOが拡散し、析出する。一
方、それまでCoOが存在していた部分へアルカリ電解
液が容易に浸入できるようになり、Co(OH)2として
の電気化学的な酸化効率の低下が抑制される (2) 本発明のコバルト化合物では、Co(OH)2の表面
部分に存在するCoOが溶解した後、拡散・析出反応を
引き起こす。この反応過程の模式図を図1に示す。微細
かつ高比表面積を有するCo(OH)2のみが生成するた
め、CoOOHへの高い電気化学的酸化効率が得られ
る。このCo(OH)2は、微粒子状に形成されたCo(O
H)2を使用した場合と同等以上の特性が得られる。さら
に、Co(OH)2微粒子を使用した際に発生する凝集や
酸化の問題を抑制できる。 (3) 水酸化ニッケルに添加する化合物が2種類から1
種類になり、作業性が向上する。
添加するよりも、本発明のように表面がCoOで被覆さ
れたCo(OH)2を用いることにより、コバルト化合物
としての電気化学的酸化効率が向上し、より少量の添加
で活物質の利用率を向上させることが可能となると同時
に、生産性も併せて向上する。
る。
液との混合により得られるCo(OH)2について検討を
行った。
1.30のKOH水溶液を、還元剤であるヒドラジン(ヒ
ドラジン一水和物溶液)を添加した水溶液に、pH=1
1〜12、温度を約40℃に制御しながら滴下し、これ
を激しく撹拌して中和する。この時、ヒドラジンの添加
量は硫酸コバルト溶液1000mlに対し5mlであ
る。このような中和反応によって得られたCo(OH)2
を水洗後、60℃以下で乾燥し、本発明によるCo(O
H)2粉末Pを得た。
法で得たCo(OH)2をCo(OH)2粉末Qとする。これ
らのCo(OH)2の物性を(表1)に示す。
であるヒドラジンの添加効果により、中和反応での溶存
酸素による酸化反応が抑制され、ピンク色のCo(OH)
2が得られた。
のコバルトの高次酸化物が粉末表面に生成し茶褐色とな
った。本発明のような微粉末(0.2〜0.4μm)を中
和反応で合成する場合、化学的な酸化反応が進行しやす
く、ピンク色のCo(OH)2を得ることが難しい。一般
的に正極添加剤として用いるコバルト化合物としては、
ピンク色のCo(OH)2やCoO、金属Coが使用され
ており、初充電時に電気化学的にCoOOHに酸化さ
れ、導電性のネットワークを形成して利用率を向上させ
る。ところがCo3O4等のコバルトの高次酸化物がこれ
らのコバルト化合物の表面に形成している場合、電気化
学的なCoOOHへの電気化学的酸化反応を阻害し、こ
れらコバルト化合物の添加効果を十分に発揮させること
ができない。
説明する。
割合で混合したものを媒体撹拌式粉砕器の一種であるビ
ーズミルにて混合し、水酸化コバルトのスラリーを調整
した。ここで用いたビーズミルとは分散槽内にφ0.5
−1.5mmのジルコニアガラスビーズを分散槽容積に
対して約80%充填した媒体撹拌式粉砕機である。この
分散槽に前記の混合物を流量1000mol/分で供給
し、ビーズを撹拌させるディスクを周速10m/秒で回
転させ、Co(OH)2をスラリー中に高分散させること
ができた。このスラリーに市販の水酸化ニッケルからな
るスラリーを添加し、二軸の撹拌羽根を有するプラネタ
リミキサーで約2時間練合することで含水率35%のス
ラリーとした。なおCo(OH)2添加量は、水酸化ニッ
ケルに対し10重量%とした。
0μm、多孔度95%の発泡状ニッケル基板に充填し、
90℃で30分乾燥後、加圧して厚さ0.65mmに調
整した。このようにして得られた電極をフッ素樹脂ディ
スパージョン2重量%の水溶液に浸漬して乾燥後、4/
5Aサイズの電池用として裁断し、リード板をスポット
溶接により取り付け、ニッケル正極板1とした。
MmNi5の一つであるMmNi3.7Mn0.4Al0.3Co
0.6(Mm:Laを主体とするミッシュメタル)を粉砕し
て360メッシュの篩を通過させた後、濃度が1.5重
量%のCMC水溶液を加えてペーストを得た。ついでこ
のペーストを多孔度95%、厚さ0.8mmの発泡状ニ
ッケル基板に充填、加圧して電極を得た。これを減圧下
で乾燥させた後、5%のフッ素樹脂の水性ディスパージ
ョンを添加した。この水素吸蔵合金電極を正極板と同じ
く4/5Aサイズの電池用に裁断し負極板2とした。こ
れらの正極板1と負極板2を親水処理したポリプロピレ
ン不織布セパレータ3を介して渦巻状に捲回して電極群
を作製後、電池外装缶4に収納し、比重1.30の苛性
カリ水溶液に30g/lの水酸化リチウムを溶解した電
解液を注入して、図2に示す定格容量1500mAhの
4/5Aサイズのニッケル水素蓄電池を組立てた。この
電池を周囲温度25度で12時間放置後、初充放電(充
電:0.1C×15時間,放電:0.2C×5時間)を
行い、本実施例に基づく電池Aを得た。
10重量%のCo(OH)2粉末Aと市販の水酸化ニッケ
ルに水を加えて2軸の撹拌羽根を有するプラネタリミキ
サーで分散、練合して含水率35%のスラリーとし、こ
のスラリーを用いて前記と同様な方法で4/5Aサイズ
のニッケル水素蓄電池を作製した。これを比較例の電池
Bとする。
を正極添加剤として使用し、それ以外は電池Aと全く同
様な仕様、方法で作製した電池を比較例の電池Cとす
る。
2lと比重1.30のKOHを1kgの水酸化ニッケル
と1lの水及び還元剤であるヒドラジン(ヒドラジン一
水和物溶液)を添加してなるスラリーに、pH=11〜
12、温度を約40℃に制御しながら滴下し、これを激
しく撹拌して水酸化ニッケルの表面をピンク色のCo
(OH)2粉末10重量%で被覆させた。なお、ヒドラジ
ンの添加量は硫酸コバルト溶液1000mlに対し5m
lである。このようにして得られた粉末を水洗、60℃
で乾燥し、本発明によるCo(OH)2を表面に析出させ
た水酸化ニッケル粉末R(以下、Co(OH)2被覆水酸
化ニッケル粉末とする)とする。
Rに水を加え、2軸の撹拌羽根を有するプラネタリミキ
サーにより分散、練合して含水率35%のスラリーとし
た。このスラリーを用いて前記と同様な方法で4/5A
サイズのニッケル水素蓄電池を作製した。これを本発明
による電池Dとする。
間充電、0.2Cで放電を行い、活物質利用率を測定し
た結果を(表2)に示す。なお、本実施例における活物質
の利用率は、充放電に寄与する水酸化ニッケルの理論容
量に対する実測した容量の割合とした。
成したCo(OH)2を用いた本実施例の電池AとDで
は、高い活物質利用率が得られることがわかる。これは
実施例1で述べたように、ヒドラジンを用いることによ
りCo(OH)2の表面がCo3O4に酸化されるのを制御
し、導電性ネットワークを形成するCoOOHへの電気
化学的酸化効率が向上したためと考えられる。
も微細なピンク色のCo(OH)2を用いても比較例の電
池Bの結果が示すように、水酸化ニッケルとCo(OH)
2を水を用いてスラリーとする際に、本発明のようなビ
ーズミルを用いて高分散処理を行ってCo(OH)2を活
物質のスラリー中に均一に分散させなければ、本来の特
性を引き出すことはできない。
に分散させる方法としては、前記ビーズミル等の媒体撹
拌式粉砕機で行う方法と、本発明の粉末Rのように水酸
化ニッケルの表面に化学的にCo(OH)2を析出させる
方法がある。電池AとDの結果が示すように利用率は同
等であり、どちらの方法を用いても大差はない。
て説明する。
Hの滴下条件と撹拌条件(スピード、時間)を調節するこ
とにより、種々の比表面積(BET法による)を有する
Co(OH)2を得た。これらのCo(OH)2を用いてビー
ズミルによる高分散処理のスラリーとし、電池Aと同様
な方法で電池を作製した。
BET比表面積と、これらを用いて作製した電池の正極
活物質の利用率の関係を示す。比表面積20m2/g以
上の場合、高い利用率が得られる。しかし、比表面積が
大きくなりすぎると中和条件、撹拌条件の制御が難しく
なり、一定品質のCo(OH)2が得られないことに加
え、生産性の低下を招いてしまう。従ってCo(OH)2
の比表面積としては、20〜30m2/gが望ましい。
CoO粉末を電池Aで用いたCo(OH)2に対し、金属
コバルト換算で同量添加し、上記実施例2と同様な方法
で練合、充填して作製した電池を比較例の電池E、高分
散処理を行った本発明のCo(OH)2を市販の水酸化ニ
ッケルに対し5重量%添加し、さらにコバルト原子量換
算で電池Aで用いたCo(OH)2 と同量になるようにC
oO粉末4重量%を添加して同様な方法で練合、充填し
組立てた電池を実施例の電池Fとする。これらの電池の
利用率及び高温下での充放電サイクル特性を測定した結
果を(表3)に示す。高温充放電サイクル特性は40℃雰
囲気下で充電:1C×150%,放電:1Cで1.0V
カットにより行った。
本発明のCo(OH)2粉末Pを用いて作製した実施例の
電池Aより利用率は向上するが、高温充放電サイクル特
性は半分以下に低下した。
に示すように2価のニッケルイオンと3価のニッケルイ
オンとの間の反応である。
あれば、放電時にNiOOHが残留し、活物質全体とし
て2.2価程度までしか放電できない。一方、充電時に
は、3.2価程度までの充電が可能であるといわれてい
る。
比較してより効果的な導電剤の使用により、2.2価よ
り価数の低い深い放電と、3.2価より価数の高い高次
酸化物の生成が可能である。したがって、上記Niの価
数変化を1価として算出した理論容量に比べて、実際の
充放電での価数変化は1価以上となり、次式で算出され
る利用率は100%を越えることになる。
は電池Aと比較して高温充放電サイクル特性は若干低下
したが、利用率は向上した。
Oを用いた場合、従来から述べられているように、注液
してから初充放電までの放置によりCoOの溶解、析出
反応が起こり、水酸化ニッケルの周りを非常に微細なC
oOOHが被覆し、導電性ネットワークを形成して、利
用率を向上させる。しかし、このような微細なCoOO
Hは化学的安定性が低いため、高温下での充放電サイク
ルで分解され易く、添加効果がうせて容量の低下を招き
やすい。
反応が固相反応で進行するため、本発明のCo(OH)2
のような粒子径の小さいものを用いても、CoOと同等
の微細なCoOOHによる被覆とはならない。
Oの添加が有効であり、高温充放電サイクル特性などの
長期の信頼性を有する特性には本発明のCo(OH)2の
添加が有効である。
て説明する。
酸化ニッケルへの最適な添加量を調べるために、正極の
単位体積あたりの容量(容量密度)と高温充放電サイクル
特性を検討した。その結果を図4に示す。Co(OH)2
添加量の増加にともない、高温充放電サイクル特性は向
上するが、充填できる水酸化ニッケル量が相対的に減少
するため容量密度が低下する。従って、Co(OH)2の
添加量としては、充放電サイクル、容量密度の両特性を
考慮すると、4〜12重量%(金属Co換算で2.54〜
7.61重量%)が望ましい。
量を調べるために、本発明のCo(OH)2 添加量を8重
量%一定とし、CoO粉末の添加量と利用率、容量密度
との関係を調べた。
量密度との関係を、図6にはCoO粉末の添加量と40
℃での高温充放電サイクル特性との関係を示す。図5か
らCoO粉末の添加量増加に伴い、活物質の利用率は向
上する。しかし、水酸化ニッケルの充填量が相対的に減
少してしまい、これにより容量密度が低下する。また、
40℃での充放電サイクル特性はCoO添加量を増加し
ても著しく向上しない。
oO粉末は初期の利用率が向上するのに十分な量のみを
添加すればよく、具体的には水酸化ニッケルに対しCo
Oを金属Co換算で0.5〜3.5重量%(CoO換算で
0.63〜4.45重量%)添加すれば良い。
で行った結果、本発明によるCo(OH)2とCoOの両
方を水酸化ニッケルに添加し、総コバルト添加量を金属
Co換算で10重量%とすれば初期の容量密度、高温充
放電サイクル特性の双方に良好な効果を発揮することが
わかった。
いた場合を示したが、本発明はニッケル正極の改良に関
するものであり、負極にカドミウムを用いても同じ効果
を発揮する。その他、負極が鉄極や亜鉛極などでも同じ
効果が得られる。さらに、還元剤としてヒドラジンを用
いたが、次亜りん酸ナトリウム、水素化ほう素ナトリウ
ム、水素化アルミニウムリチウム等の還元剤を用いても
同様な効果が得られる。
を用いたが、金属Coを用いても同様な効果が得られ
る。さらに、媒体撹拌式粉砕機としてビーズミルを用い
たが、ボールミル、アトライターなどを用いても同様な
効果が得られる。
oOとして、CoxO(x=0.93〜0.97)で表さ
れる非化学量論組成を有するコバルト化合物を用いるこ
とが好ましい。一般式CoOで表される一酸化コバルト
は、水酸化コバルトを出発物質とし、これを焼成した
後、不活性雰囲気中で急冷させることにより生成され
る。この際、焼成および冷却の各条件を制御することに
より、上記CoxO(x=0.93〜0.97)で表され
る非化学量論組成を有する酸化コバルトを生成すること
が可能になる。焼成された状態にあるCo(OH)2の冷
却速度が大きいほど結晶中に導入される格子欠陥は増加
し、前記CoxOのx値は小さくなる。この非化学量論
組成を有する酸化コバルトは、その結晶中に格子欠陥が
多数存在した状態にあり、空孔および自由電子の移動が
起こり易くなり、高い電気電導性を発揮する。このた
め、アルカリ溶液への溶解、析出、電気化学的酸化とい
った反応経路を経由することなく、電気化学的に直接C
oOOHへと酸化させる事が可能となる。
酸化コバルトにより被覆したコバルト化合物を検討した
具体例について説明する。
活性雰囲気中において、450℃の温度により24時間
焼成し、Co(OH)2の表面部分の25重量%がCoO
で被覆されたコバルト化合物を合成した。この粉末を水
酸化ニッケル粉末に対し10重量%添加した後、カルボ
キシメチルセルロ−ス(CMC)の2重量%水溶液を用い
てペ−ストを作成した。このペ−ストを厚さ1.5m
m、平均孔径200μm、多孔度95%の発泡状ニッケ
ル基板に充填し、90℃で30分乾燥後、加圧して厚さ
0.65mmに調整した。このようにして得られた電極
を2重量%のフッ素樹脂水性ディスパージョン中に浸漬
して乾燥後、4/5Aサイズの電池用として裁断し、リ
ード板をスポット溶接により取り付け、本発明の実施例
による正極板Gを得た。
金属コバルト換算でCo(OH)2を7.5重量%、CoO
を2.5重量%(すなわち、コバルト化合物の25重量%
がCoO)添加し、この添加比率以外はニッケル正極板
Gと同様な方法で電極を作製した。これを従来例による
ニッケル正極板Hとする。
うにして電池を作製した。負極には水素吸蔵合金電極を
用いた。MmNi5の一つであるMmNi3.7Mn 0.4A
l0.3Co0.6(Mm:Laを主体とするミッシュメタル)
を最大粒径40μm以下となるまで粉砕した。この粉砕
された水素吸蔵合金に、濃度1.5重量%のCMC水溶
液を加え、ペースト状の負極活物質を得た。次に、この
ペースト状活物質を、多孔度95%、厚さ0.8mmの
発泡状ニッケル基板に充填した後、これを加圧して電極
を得た。この電極を減圧下で乾燥した後、5重量%のフ
ッ素樹脂ディスパージョンを吹付けた。この水素吸蔵合
金からなる負極を、正極と同じく4/5Aサイズの電池
用に裁断し、負極板とした。これらの正極と負極とを、
親水処理したポリプロピレン不織布セパレータを介して
渦巻状に捲回して電極群を作成した後、電池外装缶に収
納し、比重1.30の苛性カリ水溶液に30g/lの水
酸化リチウムを溶解した電解液を所定量注入し、図2と
同じ構成の定格容量1800mAhの4/5Aサイズの
ニッケル水素蓄電池を組立てた。この電池を周囲温度2
5度で24時間放置後、初充放電(充電:0.1C×15
時間、放電:0.2C×5時間)を行い、それぞれ電池
Gおよび電池Hを得た。
15時間充電後、0.2C(1.0Vカット)で放電を行
い、利用率を測定した結果と、40℃雰囲気下で充電:
1C×150%,放電:1C(1.0Vカット)とを繰り
返した充放電サイクル寿命を測定した結果を(表4)に示
す。
れたCo(OH)2を用いることによって利用率が向上す
ることが明らかである。これは既に述べたように表面を
被覆したCoOの溶解、拡散、析出の各反応によりCo
(OH)2の電気化学的な酸化効率が向上したためと考え
られる。
いて説明する。
におけるCoOの割合を検討するために、CoOの割合
と活物質利用率および40℃での充放電サイクル特性の
関係を実施例5と同様な方法に基づき電池を作成して調
べた。
対し水酸化コバルト換算で10重量%とし、CoO比率
が大きくなるにつれて、前記利用率とサイクル特性がど
のように変化するかを示した。
るが、逆に充放電サイクル特性は低下する。これはCo
Oを用いた場合、その溶解・拡散・析出反応を経由して
微細なCoOOHの粒子からなる導電性ネットワ−クを
形成するため、利用率向上には効果があるが、逆に微細
なCoOOHは化学的安定性が低く、高温下での充放電
サイクルによって分解されやすいためと考えられる。
ほぼ同様な結果が得られており、CoOの割合は初期の
利用率が向上するのに十分な量さえあればよく、水酸化
コバルトの10〜40重量%をCoOにすれば利用率、
高温充放電サイクル特性の双方に良好な効果を与えるこ
とがわかった。
o(OH)2の水酸化ニッケルに対する最適添加量を調べ
るために、その添加量と正極の単位体積当たりの容量
(容量密度)、及び40℃での高温充放電サイクル特性と
の関係を検討した。図8、図9にそれぞれの結果を示
す。このときコバルト化合物中のCoO比率は10重量
%と40重量%の2種類で行った。
化合物の添加量の増加に伴い、いずれの場合も高温充放
電サイクル特性は向上するが、相対的に充填できる水酸
化ニッケル量が減少するため容量密度は低下する。従っ
て、サイクル寿命と容量密度を考慮すると、その添加量
としてはおよそ5〜15重量%が望ましい。
H)2を不活性雰囲気中で種々の温度、時間で焼成を行
い、本発明の表面がCoOで被覆されたCo(OH)2の
合成を試みた。なお、得られた生成物についてはX線回
折図形をもとにCoOおよびCo(OH)2であることを
確認し、さらに電解重量法を用いてコバルト量を定量す
ることによりCoOとCo(OH)2の比率を算出した。
Oで被覆されたCo(OH)2の合成が可能であり、電池
Aと同様な方法で電池を構成した時、活物質利用率、高
温充放電サイクル特性及びその他の電池特性に問題がな
かった焼成温度及び焼成時間の範囲を図10中に破線で
示す。
ては、200〜550℃、3〜30時間の範囲が適して
いることがわかる。
80℃であるため、焼成温度が200℃よりも低い場
合、長時間焼成を行ってもCoOは得られない。
その理由は定かではないが、活物質利用率等の電池特性
に低下が見られる。これはCo(OH)2からCoOへの
脱水反応が起こる前にCo(OH)2の表面近傍における
焼結反応が生じ、粉末の比表面積の減少をもたらすため
と思われる。
た球状のCo(OH)2の模式図を示したが、特に形状に
ついての厳密な規定はなく、表面部分がCoOで形成さ
れていれば良い。
れるのを抑制して合成したBET比表面積が20〜30
m2/gのCo(OH)2 をアルカリ蓄電池の水酸化ニッ
ケルを主体とする正極活物質中に均一に分散させるか、
もしくはCoOでこのCo(OH)2の表面を被覆する
か、さらにはこれに少量のCoOもしくは金属Coを添
加することにより、従来と比較して活物質利用率が高
く、また長期の充放電サイクルにおいてもその高い利用
率を維持することができるアルカリ蓄電池の提供が可能
となった。
成し、表面がCoOで被覆されたCo(OH)2を水酸化
ニッケルを主体とする粉末に添加することにより、従来
のコバルト化合物の場合と比較して容量密度、寿命特性
とも向上させることが可能となった。
図
の利用率の関係を示す図
係を示す図
との関係を示す図
示す図
加量と容量密度との関係を示す図
加量と充放電サイクル特性との関係を示す図
模式図
Claims (13)
- 【請求項1】水酸化ニッケルを主体とする粉末を活物質
に用いる正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解液
からなるアルカリ蓄電池において、還元剤存在下でコバ
ルト塩溶液とアルカリ水溶液との混合による中和反応に
より合成された水酸化コバルトを前記水酸化ニッケルを
主体とする活物質に添加した正極を用いることを特徴と
するアルカリ蓄電池。 - 【請求項2】水酸化ニッケルを主体とする活物質に添加
される前記水酸化コバルトのBET比表面積が20〜3
0m2/gである請求項1記載のアルカリ蓄電池。 - 【請求項3】水酸化ニッケルを主体とする活物質に添加
される前記水酸化コバルトの表面が酸化コバルトにより
被覆されている請求項1記載のアルカリ蓄電池。 - 【請求項4】水酸化ニッケルを主体とする粉末を活物質
に用いる正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解液
からなるアルカリ蓄電池において、還元剤存在下でコバ
ルト塩溶液とアルカリ水溶液との混合による中和反応に
より合成された水酸化コバルトを、前記水酸化ニッケル
を主体とする粉末に添加することを特徴とするアルカリ
蓄電池の製造方法。 - 【請求項5】前記中和反応により合成された水酸化コバ
ルトのBET比表面積が20〜30m2/gである請求
項4記載のアルカリ蓄電池の製造法。 - 【請求項6】還元剤存在下でコバルト塩溶液とアルカリ
水溶液との混合による中和反応により合成された水酸化
コバルトを、水と予め媒体撹拌式粉砕機を用いて混合し
た後、この水と混合された水酸化コバルトに水酸化ニッ
ケルを主体とする粉末を添加する請求項4記載のアルカ
リ蓄電池の製造方法。 - 【請求項7】水酸化ニッケルを主体とする粉末を活物質
に用いる正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解液
からなるアルカリ蓄電池において、水酸化ニッケルを主
体とする粉末と水を混合したスラリー中に、還元剤存在
下でコバルト塩溶液とアルカリ水溶液を添加して混合
し、前記水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを析出
させることを特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。 - 【請求項8】水酸化ニッケルを主体とする粉末を活物質
に用いる正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解液
からなるアルカリ蓄電池において、前記水酸化ニッケル
を主体とする粉末に水酸化コバルトを添加するか、もし
くは析出させてなる活物質に、酸化コバルトと金属コバ
ルトのうち少なくとも一方を添加し、その添加量は水酸
化ニッケルに対して金属コバルト換算で0.5〜3.5
重量%であり、総コバルト添加量を水酸化ニッケルに対
して金属コバルト換算で4〜10重量%とすることを特
徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。 - 【請求項9】水酸化ニッケルを主体とする粉末を活物質
に用いる正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解液
からなるアルカリ蓄電池において、表面が酸化コバルト
で被覆された水酸化コバルトからなるコバルト化合物
を、水酸化ニッケルを主体とする粉末に添加することを
特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。 - 【請求項10】表面が酸化コバルトで被覆された水酸化
コバルトからなるコバルト化合物の添加量を、活物質総
量に対して金属コバルト換算で3〜10重量%とするこ
とを特徴とする請求項9記載のアルカリ蓄電池の製造方
法。 - 【請求項11】表面が酸化コバルトで被覆された水酸化
コバルトからなるコバルト化合物において、前記酸化コ
バルトの割合が、前記コバルト化合物の10〜40重量
%であることを特徴とする請求項9記載のアルカリ蓄電
池の製造方法。 - 【請求項12】コバルト化合物は、水酸化コバルトを不
活性雰囲気中で200〜550℃、3〜30時間焼成し
て、表面が酸化コバルトで被覆されたものである請求項
9記載のアルカリ蓄電池の製造方法。 - 【請求項13】水酸化ニッケルを主体とする粉末を活物
質に用いる正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解
液からなるアルカリ蓄電池において、還元剤存在下でコ
バルト塩溶液とアルカリ水溶液との混合による中和反応
により合成され、その表面が酸化コバルトにより被覆さ
れた水酸化コバルトを、前記水酸化ニッケルを主体とす
る粉末に添加することを特徴とするアルカリ蓄電池の製
造方法。
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