JP2975129B2 - アルカリ蓄電池用電極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用電極

Info

Publication number
JP2975129B2
JP2975129B2 JP3006953A JP695391A JP2975129B2 JP 2975129 B2 JP2975129 B2 JP 2975129B2 JP 3006953 A JP3006953 A JP 3006953A JP 695391 A JP695391 A JP 695391A JP 2975129 B2 JP2975129 B2 JP 2975129B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
coo
active material
nickel
hydroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3006953A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04248262A (ja
Inventor
邦彦 宮本
浩次 石和
浩仁 寺岡
勝幸 秦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Battery Co Ltd filed Critical Toshiba Battery Co Ltd
Priority to JP3006953A priority Critical patent/JP2975129B2/ja
Publication of JPH04248262A publication Critical patent/JPH04248262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2975129B2 publication Critical patent/JP2975129B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペースト式のアルカリ蓄
電池用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池用電極、例えば正極(負
極についてもほぼ同様なので、以下正極について説明す
る)は、従来焼結式正極が用いられている。この焼結式
正極は、穿孔鋼板あるいはニッケル・ネット等の芯金に
ニッケル粉末を焼結し、その10数μmの孔にニッケル塩
水溶液を含浸し、ついでこれをアルカリ処理することに
よって前記含浸ニッケル塩を水酸化ニッケルに変化させ
て得ていた。しかし、この焼結式正極は製造の際にニッ
ケル塩の含浸やアルカリ処理といった複雑な操作が必要
であり、かつ所定量の活物質を含浸するためには上記操
作を通常4〜10回程度繰り返し行わなければならないの
で、製造コストが高くなってしまうという問題があっ
た。さらに、ニッケル粉末焼結体の機械的強度を維持で
きる多孔度が80%程度で限界となるため、活物質の充填
量そのものにも限界があるという問題もあった。
【0003】これらの問題を解決するために、水酸化ニ
ッケル粉末に導電粉末、結着剤および水を混合してペー
スト状となし、平均多孔度95%以上で平均孔径が数10〜
数 100μmの3次元スポンジ状金属多孔体や金属繊維マ
ット等に直接これを充填して正極を製造する方法が提案
されている。この方法は焼結式に対して非焼結式あるい
はペースト式と呼ばれている。
【0004】このペースト式は金属多孔体の多孔度およ
び平均孔径が大きいので、活物質充填工程が容易であ
り、充填量を多くできるという点では非常に優れてい
る。しかし、金属多孔体の細孔が焼結式の場合より大き
いために、活物質と集電体バルクまでの距離が集電性を
悪くしており、活物質の利用率が、焼結式の95%に対し
て60%程度というように低く、実用化にまで至らなかっ
た。
【0005】このペースト式電極の活物質の利用率を向
上させる手段として、一般的には金属コバルト、コバル
ト酸化物、コバルト水酸化物の3種類のコバルト化合物
のうちの2種以上の組合せで活物質ペースト中に添加す
る方法がある。しかし、このコバルト化合物の添加によ
っても、活物質利用率は85%程度であり、しかも10%程
度のバラツキがあるので焼結式の活物質利用率のレベル
には達していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
対処してなされたもので、アルカリ蓄電池のペースト式
電極において、活物質利用率を焼結式電極と同程度また
はそれ以上に向上させ、しかも安定性に優れたものとす
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐アルカリ性
金属多孔体に、正極活物質を主体としこれに酸化コバル
ト粉末を添加したペーストを充填してなるアルカリ蓄電
池用電極において、前記酸化コバルトが、化学式CoO
またはCo2 3 で示されるものの少なくとも1種類以
上からなり、粒径が 0.5〜20μmの化学式Co(OH)
2 で示される水酸化コバルトを 300〜 600℃で5〜48時
間焼成して生成したものであることを特徴とするアルカ
リ蓄電池用電極に関する。
【0008】
【作用】従来の方法において、活物質中にコバルト化合
物を添加すれば活物質の利用率をアップできることがわ
かっているにもかかわらず、まだ85%レベルで焼結式の
それに至らない理由の一つは、コバルト化合物そのもの
が不安定で貯蔵中に酸化反応が進行して微妙に違うコバ
ルト化合物になってしまうためである。一般に、コバル
ト化合物の添加によって活物質利用率を向上させるメカ
ニズムは、アルカリ電解液中でコバルト化合物が溶解
し、2価のいわゆるbluecomplex ion(HCo
2 - )を生成し、その後活物質表面にまとわりつくよ
うに水酸化コバルト(Co(OH)2 )として吸着し、
より貴な電位において導電性の高いオキシ水酸化コバル
ト(CoOOH)に変化し、活物質表面をコーティング
するからとされている。これに基づけば、先ずアルカリ
溶液中で速やかに溶解するようなコバルト化合物である
ことが絶対条件であるし、さらにそれ以前の活物質を主
体とするペースト調整時に、このコバルト化合物粒子が
活物質粒子によく混じるものでなければならない。
【0009】以上、コバルト化合物がアルカリ蓄電池用
電極の活物質利用率を従来(85%程度)を超えてより向
上させ安定とするためには、コバルト化合物が主とし
て、(1) アルカリ溶液に速やかに溶解すること、(2) ペ
ースト調製時に活物質とよく混ざること、(3) 保存安定
性に優れていること、の3点を満たしていることが重要
である。
【0010】本発明のとおり、活物質を主体とするペー
スト中に、添加する酸化コバルトを、CoOまたはCo
2 3 で示されるものの少なくとも1種類以上と決め、
その合成は粒径が 0.5〜20μmの酸化コバルトCo(O
H)2 を 300〜 600℃、5〜48時間焼成で得たものとす
ることによって、アルカリ蓄電池ニッケル極の利用率を
焼結式のそれと同程度或いはそれ以上に向上させ、しか
もバラツキの少ないものとすることができる。
【0011】この場合、数多くあるコバルト化合物のう
ち、粒径を規定した水酸化コバルトCo(OH)2 から
合成した酸化コバルトCoOまたはCo2 3 の少なく
とも1種類以上と限定したのは、合成法が単純な脱水反
応であるため酸化コバルト(CoOまたはCo2 3
の粒径、表面積等の物性が推測しやすいということと、
利用率向上のための添加剤としてはm−コバルトおよび
水酸化コバルトよりも酸化コバルトの方が効果的である
ということにある。また、とりわけCoOまたはCo2
3 は、上記 (3)の(空気中での)保存安定性に優れて
いるという点で、電池製造上量産ベースにのりやすい。
【0012】すなわち、CoOのときはCo原子とO原
子のバランスが良く、空気中における化学ポテンシャル
が低く、結晶学的には比較的安定な斜方晶系をとってい
る。したがって、例えば、空気中に放置しても酸化反応
はあまり進行しない。しかしながら、これをアルカリ溶
液に浸したときは、Co2+およびO2-の水和の化学ポテ
ンシャルの方が、CoOの格子の化学ポテンシャルより
もはるかに低いので、HCo2 - としての溶解反応が起
こる。Co2 3 は、結晶学的には六方晶系をとってお
りCoOよりもさらに空気中では安定なので保存による
変質はほとんどない。また、アルカリ溶液ではCoOよ
りもやや溶解しにくいものの電池特性に与える影響はそ
れほど大きくない。
【0013】例えば、ここでコバルト化合物のうち、水
酸化コバルト(α、β−Co(OH)2 が一般には良い
とされている)を直接活物質を主体とするペースト中に
添加することを想定すると、水酸化コバルトの量産時に
おける保存安定性を問われたとき疑問が生じる。すなわ
ち、水酸化コバルトを空気中に保存すれば必ずその一部
は保存中に酸化コバルトに変化してしまう。しかもその
酸化コバルトは前述のCoOやCo2 3 とは限らず保
存条件が悪ければ極めて安定で無用なCo3 4 ができ
てしまうことも考えられる。さらに、その酸化度は、バ
ッチ・スケールで見るとCo(OH)2 からCo3 4
まで極めて広いレンジを持つことになり、これが活物質
そのものの利用率に広いレンジをもたらすので好ましく
ない。水酸化コバルトを安定貯蔵するには、pHコント
ロールされたアルカリ溶液中に保存するという方法も考
えられるが、この場合は、アルカリ溶液の取扱いが比較
的困難であるため設備の面でコストが高くつくことにな
りやはり好ましくない。一方、活物質を主体とするペー
スト中にm−Coを添加する場合を想定しても、同様
に、不活性ガス雰囲気に保存しない限りは、酸化反応が
進行し、その酸化度の微妙な差が活物質の利用率に差を
与えるので好ましくない。
【0014】以下、水酸化コバルトの粒径規定およびそ
の酸化コバルトへの焼成条件の規定に関しては実施例の
ところで具体的に述べる。
【0015】
【実施例】〈実験1〉この実験では、出発材料の水酸化
コバルトCo(OH)2 は粒径5〜15μmのものに限定
し、酸化コバルトCoOに至るまでの焼成温度および焼
成時間について最適範囲を検討した。
【0016】まず、金属コバルト(m−Co)を硫酸水
溶液に溶解させた後、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に
加えて中和させ、α−水酸化コバルト(α−Co(O
H)2 )の結晶を得る。さらにこれを熟成させて空気中
でも比較的安定なβ−水酸化コバルト(β−Co(O
H)2 )に変換させる。水酸化コバルトの結晶の大きさ
は、水酸化ナトリウム水溶液で中和するときに結晶核を
あまり作らないようにして、結晶成長にその成分が使わ
れるようにpHをコントロールすることにより、大きく
することができる。逆に小さな結晶を作るには水酸化コ
バルトの結晶核が沢山できるようにpHコントロールす
ればよい。
【0017】このようにして得られた上記範囲の粒径の
β−水酸化コバルトを、 200〜 700℃の範囲の任意の焼
成温度、3〜55時間の範囲の任意の焼成時間で、不活性
ガス雰囲気のもとで焼成させ、種々の酸化コバルト(C
oO)を得た。この場合不活性ガス雰囲気で焼成を行う
のは、酸化反応を必要以上に促進させないためである
(場合によってはさらに酸化反応の促進を抑制するため
に還元性雰囲気で焼成することも考えられる)。なお、
酸化コバルトがCoOであることの確認は、公知のX線
粉末回折法によって行った。
【0018】上記で得られた種々の酸化コバルト(Co
O)を公知の水酸化ニッケル(Ni(OH)2 )の粉末
100重量%に対して10%重量加え、カルボキシメチルセ
ルロース等の増粘剤および水と共に混練してペースト状
とし、これを多孔度95%、平均孔径 200μmのニッケル
メッキ金属多孔体に充填し、乾燥および成形することに
よってニッケル正極とした。
【0019】こうして得られた正極板に、公知のペース
ト式カドミウム極、ナイロン不織布セパレータ、水酸化
カリウムを主体とする電解液、金属電池容器、金属蓋の
各パーツを組み合わせてニッケル・カドミウム電池を作
製した。なお、電池作製から初充電までのエージング条
件は、25℃、19時間とした。
【0020】この電池を 0.5cの電流で 150%の深度ま
で充電し、1c放電することを10サイクル繰り返して、
放電容量が十分に安定した10サイクル目の利用率を調べ
た。結果を図1に示す。
【0021】図1から、水酸化コバルトの焼成条件は、
300〜 600℃、5〜48時間の範囲で、利用率が95%を超
えていることが分かる。これは、すでに述べた焼結式の
ニッケル極利用率95%に対して同程度あるいはそれ以上
とみなすことができる。このことは、この範囲での水酸
化コバルト(Co(OH)2 )の焼成条件が適切であ
り、得られた酸化コバルト(CoO)のエージング中に
おけるアルカリ電解液への溶解が十分であることを示し
ている。
【0022】一方、焼成温度 200℃および 700℃の時間
軸に対するニッケル極利用率の直線の傾きをみると、い
ずれの場合も利用率85%が最大値であり、 200℃の場合
が正の傾きをもっているのに対し、 700℃の場合は負の
傾きをもっていることがわかる。すなわち、焼成温度20
0℃の方は温度が低すぎて55時間を経てもまだ焼き足り
ないことを意味し、焼成温度 700℃の方は3時間でも焼
き過ぎであることを意味している。
【0023】焼成条件の異なる種々のCoOのニッケル
極利用率に及ぼす影響は、この実験でいえば、電池組立
から初充電までのエージング時間にHCoO2 - として
溶けるCoOの絶対量に依存する。すなわち、焼成条件
の違いによって、CoOの溶解速度に差を生じているの
である。例えば、 CoO+OH- →HCoO2 - (1) における反応速度定数をkとすれば、kは次のように表
わせる。 k=Aexp(−ΔE/RT) (2) A=k′S ただし、ΔEは (1)式における活性化エネルギー、Rは
気体定数、Tは絶対温度、Aは頻度因子、k′は比例定
数、SはCoOの表面積である。 (1)式におけるS以外
の変数はほとんど一定とみなしてよいはずである。
【0024】すなわち、焼成条件によってCoOの表面
積Sが変わってくるため、反応速度定数kが変わって、
(2)式における反応速度に差を生じさせるのである。図
1における焼成温度 700℃の場合は、焼成温度が高すぎ
て、水酸化コバルトから酸化コバルトへの脱水による比
表面積が増大する反応が完結しないうちに直ぐ水酸化コ
バルト表面近傍における焼結反応が起こって、脱水、焼
結反応がほぼ同時にしかも速く起こるために、体積収縮
を起こして、時間軸はその比表面積を加速度的に減少さ
せてしまうものと思われる。また、焼結温度 200℃の場
合は、水酸化コバルトから酸化コバルトへの脱水による
比表面積が増大する反応のほうが圧倒的に優位で、水酸
化コバルト表面近傍における焼結反応にはまだ達しない
ために、体積収縮反応はほとんど起こらず、時間軸は比
表面積を増大させる方向に働いている。しかし 200℃で
ニッケル極の利用率を95%程度まで高めるには、図1の
直線の傾きからみて4日程度の時間を必要としそうなの
で、量産時のことを考慮すると、これは時間がかかり過
ぎる。
【0025】以上のことから、 300〜 600℃、2〜48時
間の焼成条件で水酸化コバルトから合成された酸化コバ
ルトは、図1の直線の傾きが 200℃の場合と同様な傾き
をもつので、焼成時における反応は、脱水による比表面
積増大反応のほうが優位で、その表面近傍における焼結
反応には至らないために(あるいは後者の反応が非常に
緩やかに起こっているために)、体積収縮はほとんど起
こらず、時間軸は比表面積が増大する方向に働く領域と
いえる。逆にこの領域内でCoOを合成すれば、ニッケ
ル極利用率に影響を与えるCoO粒子の、 (1)比表面積
(電解液への溶解速度に関与)、 (2)粒径(活物質粒子
との分散性に関与)を制御しやすいというメリットがあ
る。
【0026】この様なCoO粒子設計のことを含めて、
焼成条件は 300〜 600℃、5〜48時間が適当である。
【0027】〈実験2〉この実験では、焼成条件を 500
℃、15時間と限定した上で、出発材料である水酸化コバ
ルトの粒径のニッケル極利用率に与える影響について検
討した。
【0028】水酸化コバルトCo(OH)2 の粒径を
0.2〜25μmの範囲の種々の値とし、焼成条件を 500℃、
15時間とした以外は、上記実験1と同様な条件で電池を
組み立て、同様な充放電条件で効果を調べた。得られた
結果を図2に示す。
【0029】なお、焼成条件を 500℃、15時間として合
成されるCoOは、実験1の結果から、Co(OH)粒
径とあまり変わらず、その比表面積がその粒径において
ほぼ最大となる。このことを前提とし、ここでは、 (1)
CoO粒子の粒径の違いによる活物質への分散性、 (2)
CoO粒子の粒径が違うことによる比表面積差、の2点
について、ニッケル極利用率への関係を検討する。
【0030】図2から、水酸化コバルトの粒径が 0.5〜
20μmのときは、ニッケル極利用率が95%以上になって
おり、 0.5μmに満たないとき( 0.2μm)は、その利用
率が85%程度になっている。また、20μmを超えると(2
5μm)同様に利用率が87%程度まで下がっている。粒径
0.5〜20μmの水酸化コバルトから合成された酸化コバ
ルトの粒子は、ペースト調製時の水酸化ニッケル粒子と
の分散性が適正で、水酸化ニッケル粒子の表面での初充
電時における酸化コバルトの溶解による導電性被膜Co
OOHの形成が速やかでかつスムーズに起こっているも
のと思われる。一方、粒径が20μmを超える(25μm)場
合は、合成された酸化コバルト粒子の粒径も比較的大き
いために、ペースト調製時における水酸化ニッケル粒子
との分散性が悪く、電池組立後のエージングから初充電
までの間に水酸化ニッケル粒子表面にCoOOHの導電
性の被膜が十分に形成されず、そのため集電効率が上が
らずに利用率が87%程度に留まったものと思われる。ま
た、CoOOHの導電性の被膜が均一でないために、充
電時に水酸化ニッケルの一部に電流が集中してしまい、
放電しにくいとされているγ−オキシ水酸化ニッケル
(γ−NiOOH)を形成してしまったので、利用率が
低くなっているとも考えられる。さらに、粒径0.5μmに
満たない水酸化コバルトから合成された酸化コバルトを
用いた場合に利用率が85%程度に落ちたのは、粒径減少
に伴う比表面積の減少によるものである。つまり、実験
1の (2)式の酸化コバルトの表面積Sの減少に伴う溶解
速度kの減少によるものである。
【0031】以上の結果から、出発材料である水酸化コ
バルトの粒径は、 0.5〜20μmの範囲が適当といえる。
【0032】以上、実験1および実験2では、水酸化コ
バルトから合成された酸化コバルトがCoOの場合を説
明したが、CoOの代わりにCo2 3 またはこれとC
oOとの混合物であっても同様な結果が得られることが
確認された。
【0033】また、実験1および実験2以外に、水酸化
コバルトの粒径を 0.5〜20μmとし、焼成条件を 300〜
600℃、5〜48時間の範囲として得られた酸化コバルト
を、水酸化ニッケル 100重量%に対して10重量%添加し
て実験したときもニッケル極利用率は95%以上となっ
た。
【0034】なお、以上の説明はいずれも酸化コバルト
の添加を水酸化ニッケルに 100重量%に対して10重量%
としたが、この重量比に限定されるものではない。ま
た、活物質は水酸化ニッケルについて説明したが、これ
に限定されるものではなく、例えば、負極活物質のCd
(OH)2 、金属Cd、CdO等があげられる。さらに
活物質ペーストを充填する耐アルカリ性金属多孔体もニ
ッケル・メッキ金属多孔体に限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ペースト式のアルカリ蓄電池用電極の利用率を焼結式の
それと同程度またはそれ以上に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における出発材料である水酸化コバルト
の粒径を一定にした場合の焼成温度および焼成時間とニ
ッケル極利用率の関係を示す図。
【図2】焼成条件を一定にした場合の水酸化コバルトの
粒径とニッケル極利用率の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秦 勝幸 東京都品川区南品川三丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/62 C01G 51/04 H01M 4/24 - 4/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐アルカリ性金属多孔体に、正極活物質
    を主体としこれに酸化コバルト粉末を添加したペースト
    を充填してなるアルカリ蓄電池用電極において、前記酸
    化コバルトが、化学式CoOまたはCo2 3 で示され
    るものの少なくとも1種類以上からなり、粒径が 0.5〜
    20μmの化学式Co(OH)2 で示される水酸化コバル
    トを 300〜 600℃で5〜48時間焼成して生成したもので
    あることを特徴とするアルカリ蓄電池用電極。
JP3006953A 1991-01-24 1991-01-24 アルカリ蓄電池用電極 Expired - Fee Related JP2975129B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3006953A JP2975129B2 (ja) 1991-01-24 1991-01-24 アルカリ蓄電池用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3006953A JP2975129B2 (ja) 1991-01-24 1991-01-24 アルカリ蓄電池用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04248262A JPH04248262A (ja) 1992-09-03
JP2975129B2 true JP2975129B2 (ja) 1999-11-10

Family

ID=11652593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3006953A Expired - Fee Related JP2975129B2 (ja) 1991-01-24 1991-01-24 アルカリ蓄電池用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2975129B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3232990B2 (ja) * 1994-12-19 2001-11-26 松下電器産業株式会社 アルカリ蓄電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04248262A (ja) 1992-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01260762A (ja) アルカリ電池用ニッケル電極及びこれを用いた電池
KR100454542B1 (ko) 알칼리축전지용비소결식니켈전극
JPH0230061A (ja) ニッケル電極用活物質及びその製造方法、ニッケル電極及びそれを用いたアルカリ電池の製造方法
JP2004071304A (ja) アルカリ蓄電池用正極活物質ならびにそれを用いた正極およびアルカリ蓄電池
JP3433050B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
JP4458725B2 (ja) アルカリ蓄電池
JP2889669B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル正極板
JP4474722B2 (ja) アルカリ蓄電池とそれに用いるアルカリ蓄電池用正極
KR100596117B1 (ko) 알칼리 축전지 및 그의 제조 방법
JP2975129B2 (ja) アルカリ蓄電池用電極
JP3623320B2 (ja) ニッケル電極活物質及び該ニッケル電極活物質を使用したニッケル電極
JP3408008B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極およびその製造方法
JP3433049B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
JPH11219701A (ja) 密閉型アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極及び電池
JP3433083B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
JP2975130B2 (ja) アルカリ蓄電池用電極
JP2938994B2 (ja) アルカリ二次電池用ニッケル極
JP3253476B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
JP3851022B2 (ja) アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池
JP3073259B2 (ja) アルカリ蓄電池用ニッケル極
JP3188000B2 (ja) 非焼結式ニッケル正極
JP3249366B2 (ja) アルカリ蓄電池用のペースト式ニッケル極
JP3229800B2 (ja) アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
JP3073260B2 (ja) アルカリ蓄電池用ニッケル極
JP3268989B2 (ja) アルカリ蓄電池用ニッケル極

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090903

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees