JP3408008B2 - アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極およびその製造方法

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JP3408008B2
JP3408008B2 JP02526495A JP2526495A JP3408008B2 JP 3408008 B2 JP3408008 B2 JP 3408008B2 JP 02526495 A JP02526495 A JP 02526495A JP 2526495 A JP2526495 A JP 2526495A JP 3408008 B2 JP3408008 B2 JP 3408008B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル−水素蓄電
池、ニッケル−カドミウム蓄電池等のアルカリ電池の正
極として使用される非焼結式ニッケル極に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ電池用のニッケル極とし
ては、芯体としての穿穴鋼板等にニッケル粉末を焼結さ
せて得た基板に活物質を含浸させて使用する、所謂焼結
式極板が知られている。この極板はニッケル粉末粒子間
の結合が弱く、基板を高多孔度とした場合にはニッケル
粉末の脱落を生じるために、実用上基板の多孔度を80%
とするのが限界であった。
【0003】また、穿孔鋼板等の芯体を必要とすること
から活物質の充填密度が小さく、更に、焼結により形成
されたニッケル粉末の細孔は10μm以下と小さいため、
活物質の充填方法が煩雑な工程を数サイクルも繰り返す
溶液含浸法に限定される等の問題点がある。
【0004】これらの問題点を改良する試みとして、例
えば穿孔鋼板等を用いない耐アルカリ性金属繊維焼結
体、発泡金属多孔体、あるいは炭素繊維不織布等に耐ア
ルカリ性金属をメッキして、これを芯体として用いる方
法がある。そして、この芯体に、水酸化ニッケル活物質
の粉末をペースト状として充填する所謂ペースト式極板
も開発されている。しかし、この方法の極板は、焼結式
極板に比べ活物質の利用率が低く、実用上問題があっ
た。
【0005】また、水酸化ニッケル粉末を高密度充填し
た正極は、常温付近でのエネルギ−密度は高いが、高温
雰囲気下でエネルギ−密度が低下するという問題を有し
ている。この理由は、高温雰囲気下での充電において、
水酸化ニッケルへの充電反応と同時に酸素発生反応が起
こり易くなることに起因すると考えられる。即ち、正極
での酸素過電圧が減少し、水酸化ニッケルがオキシ水酸
化ニッケルに十分に充電されず、水酸化ニッケルの利用
率が低下するためである。これらの問題点を解決するた
めに、例えば特開平5-21064号公報、特開平5-28992号公
報、特開平5-41212号公報、特開平6-150925号公報に開
示されたように、亜鉛、コバルト、カルシウム、鉄、マ
グネシウム、カドミウム、マンガンから選ばれた1種以
上の添加物を水酸化ニッケル中に固溶させた活物質を用
いることが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法においても、
常温での活物質利用率及び高温雰囲気下での利用率低下
抑制に関して十分とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決すべくなされたものであって、常温ならびに高
温雰囲気下であっても、活物質である水酸化ニッケルの
利用率を向上させ、優れた放電容量を有するアルカリ蓄
電池用非焼結式ニッケル極を提案するものである。
【0008】また、高性能かつ安定で生産性の高いアル
カリ蓄電池用非焼結式ニッケル極を提供するものであ
る。
【0009】そして、斯るアルカリ蓄電池用非焼結式ニ
ッケル極の製造方法を提案するものである。
【0010】本発明は、水酸化ニッケルにマンガンを添
加した活物質を用いるアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケ
ル極であって、前記水酸化ニッケルがニッケル塩とマン
ガン塩の混合水溶液に、アンモニアと水酸化ナトリウム
との混合溶液を添加して、pH=11±0.5に保持するこ
とにより作製されたものであって、前記マンガンの一部
が前記水酸化ニッケルに固溶され、残余のマンガンが前
記水酸化ニッケルとは遊離した状態で存在することを特
徴とするものである。尚、このようなアルカリ蓄電池用
非焼結式ニッケル極に使用するニッケル活物質をも、本
発明では包含するものである。
【0011】また、本発明は、水酸化ニッケルにマンガ
ンを添加した活物質を用いるアルカリ蓄電池用非焼結式
ニッケル極あって、前記マンガンの一部が2価の状態
であり、残余のマンガンが3価の状態で存在することを
特徴とする。
【0012】ここで、固溶されたマンガン即ち2価のマ
ンガンが金属原子総重量比で0.5重量%〜2重量%であ
り、遊離したマンガン即ち3価のマンガンが金属原子総
重量比で0.2重量%〜10重量%とするのが最適である。
【0013】
【0014】尚、ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、
硝酸ニッケル、マンガン塩としては、硫酸マンガン、硝
酸マンガンが列挙できる。
【0015】また、本発明のアルカリ蓄電池用非焼結式
ニッケル極の製造方法によれば、ニッケル塩とマンガン
塩の混合水溶液に、アンモニアと水酸化ナトリウムとの
混合溶液を添加してpH=11±0.5に保持することによ
り、マンガンの一部が水酸化ニッケルに固溶され、残余
のマンガンが前記水酸化ニッケルとは遊離した状態で存
在する活物質を得、この活物質を、多孔体基板に充填す
ることを特徴とするものである。
【0016】更に、本発明の製造方法によれば、ニッケ
ル塩とマンガン塩の混合水溶液に、アンモニアと水酸化
ナトリウムとの混合溶液を添加してpH=11±0.5に保
持することにより、マンガンの一部が2価の状態で水酸
化ニッケルに含有され、残余のマンガンが3価の状態で
前記水酸化ニッケルに付着した状態で存在する活物質を
得、前記活物質を、多孔体基板に充填することを特徴と
するものである。
【0017】ここで、多孔体基板としては、金属繊維焼
結体、パンチングメタル、発泡金属多孔体等が好適であ
る。
【0018】そして、固溶されたマンガン量としては金
属原子総重量比で0.5重量%〜2重量%、遊離したマン
ガン量としては金属原子総重量比で0.2重量%〜10重量
%とするのが望ましく、活物質である水酸化ニッケル
、コバルト、亜鉛、カドミウム、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウムから選ばれた1種以上が固溶されてい
てもよい。
【0019】
【作用】活物質である水酸化ニッケル結晶内にマンガン
を固溶させる即ち2価の状態とすることにより、プロト
ンの移動の自由さが増大し、活物質利用率が向上する。
また、水酸化ニッケル表面にマンガンを遊離の状態で存
在させることで、高温雰囲気下の充電における競争反応
である酸素発生反応の過電圧を増大させることができ
る。その結果、活物質としての水酸化ニッケルのオキシ
水酸化ニッケルへの充電反応が十分に行われ、高温雰囲
気下の利用率が向上する。このように、マンガンを水酸
化ニッケル結晶内に一部固溶させ、残余のマンガンを遊
離状態即ち3価の状態で存在させることにより、幅広い
温度範囲で活物質の利用率に優れた正極活物質が得られ
る。
【0020】本発明において、マンガンの存在状態を、
水酸化ニッケルに対して、固溶及び遊離と定義している
が、固溶状態とはマンガンが水酸化ニッケル結晶中に入
り込んだ状態を意味しており、遊離状態とは前記固溶で
ない状態全てを意味するものである。遊離状態の具体例
としては、マンガンが水酸化物などの化合物として、水
酸化ニッケル粒子の表面に付着している状態がある。
尚、固溶されたマンガンとは即ち2価のマンガンであ
り、遊離したマンガンとは即ち3価のマンガンと同義で
ある。
【0021】ここで、固溶状態にて存在させるマンガン
量は、金属原子総重量比で0.5重量%〜2重量%であ
り、遊離状態にて存在させるマンガン量は金属原子総重
量比で0.2重量%〜10重量%とするのが最適であり、こ
れらマンガンの合計量は金属原子総重量比で0.7重量%
〜12重量%となる。これらの範囲外では、十分な活物質
利用率が得られない。これは、マンガン量が少ない場
合、水酸化ニッケル内への固溶量が少なくなりプロトン
移動の自由度が十分得られないと考えられる。また、マ
ンガン量が規定量を越えた場合には、遊離したマンガン
が反応阻害物質として作用しているものと考えられる。
【0022】本発明活物質の作製方法としては、ニッケ
ル塩とマンガン塩の混合水溶液に、アンモニアと水酸化
ナトリウムとの混合溶液を添加、pH=11±0.5に保持
することにより作製することが望ましい。このようにす
れば、ニッケル、マンガンの析出が遅く結晶成長も長時
間を要するが、比較的粒径の大きい粒子が得られる。こ
の際、マンガンは、析出時に一部は溶存酸素等で酸化さ
れ、2価のマンガンが3価となる。2価のマンガンは、
水酸化ニッケル結晶内に固溶されるが、3価のマンガン
は固溶されず、水酸化ニッケルとは遊離の状態にて存在
することができる。
【0023】ここで、例えば特開平5-21064号公報、特
開平5-28992号公報、特開平5-41212号公報で開示の方
法、即ち、ニッケル塩と固溶金属塩との混合水溶液に水
酸化ナトリウム水溶液を添加する方法では、活物質の析
出速度が早いため、マンガンは実質的に酸化されること
なく、全て水酸化ニッケル中に固溶される。この活物質
を用いた場合には、確かに常温下での活物質利用率の向
上が得られるが、遊離したマンガンが存在しないため高
温雰囲気下での利用率低下が大きくなってしまう。
【0024】また、析出時のpHを10.5未満とした場
合、水酸化ニッケル中に使用した塩のアニオンや水を含
有した活物質が生成されてしまう。一方、析出pHが1
1.5を越える場合には、析出速度が早くなってしまう。
よって、いずれの場合もかさ比重の低い活物質が生成
し、基体へ高密度充填できないので好ましいとは言えな
い。
【0025】更に、水酸化ニッケル粒子中に、コバル
ト、亜鉛、カドミウム、カルシウム、バリウム、マグネ
シウムから選ばれた1種以上が固溶されていることが望
ましい。これら元素を、固溶させることにより、更に活
物質利用率の大きい活物質を得ることができ、幅広い温
度範囲で優れた放電特性を有するアルカリ蓄電池が提供
できる。
【0026】
【実施例】
(予備実験) [活物質の作製と活物質中のマンガン3価の定量]硫酸
ニッケル(ニッケル塩)と硫酸マンガン(マンガン塩)
の各水溶液を用い、硫酸ニッケル:硫酸マンガンの重量
比が94.8:5.2となるように混合して得たニッケル塩と
マンガン塩の混合水溶液を準備する。次に、20重量%水
酸化ナトリウム水溶液及び20重量%アンモニア水とを
5:1で混合して得たアルカリ水溶液(混合溶液)と、
前記準備した混合水溶液とを、35℃に保ちながら水を張
った水槽中に同時に添加し、pHを11±0.5に保持し
た。このpH測定には、自動温度補償付きガラス電極p
Hメータを用いた。
【0027】そして、生成した沈殿物をろ過、水洗し、
真空乾燥を行い、水酸化ニッケルにマンガンを添加した
活物質を作製した。この時のマンガン添加量は、金属原
子比で5重量%であった。以上の作製法を、予備作製法
と称する。
【0028】この予備作製法であれば、ニッケルイオン
及びマンガンイオンがアンモニアと反応して、ニッケル
及びマンガンを含有するアンミン錯イオンを形成する。
このアンミン錯イオンが、水酸化ナトリウムにより分解
され、水酸化物、即ち水酸化ニッケルとして生成する。
この水酸化ニッケルの成長が、pH制御により律速さ
れ、ゆっくりと結晶成長が行われる。この際、マンガン
に着目すれば、溶存酸素により3価に酸化されるマンガ
ンと、酸化されず2価のまま水酸化ニッケル結晶中に固
溶されるマンガンとが得られる。ここで、3価のマンガ
ンとは、本発明にいう遊離状態のマンガンである。この
ようにして、マンガンの一部が固溶され、残余のマンガ
ンが遊離した状態で存在する水酸化ニッケル活物質の粒
子が得られることになる。
【0029】同様に、硫酸ニッケル:硫酸マンガンの比
率を変え、マンガン添加量の異なる活物質を作製した。
そして、各マンガン添加量が、活物質を構成する全金属
に対する重量比即ち金属原子総重量比で、0.5重量%、
0.7重量%、1.0重量%、3.0重量%、5.0重量%、8.0重
量%、10.0重量%、12.0重量%、15.0重量%の粉末a、
b、c、d、e、f、g、h、iを作製した。
【0030】また、硫酸ニッケルと硫酸マンガンの各水
溶液を、硫酸ニッケル:硫酸マンガンの重量比が94.8:
5.2となるよう、混合した混合水溶液を準備する。この
混合水溶液に、20重量%水酸化ナトリウム水溶液を、35
℃、pHが11±0.5に保持し、撹拌混合した。次に、生
成した沈殿物をろ過し、水洗し、真空乾燥を行い、水酸
化ニッケルにマンガンを添加した活物質を作製した。こ
の時のマンガン量は、金属原子比で5重量%であった。
以上の方法を、比較作製法と称する。尚、この方法は、
特開平5-21064号公報、特開平5ー41212号公報に開示の
方法に基づく方法である。
【0031】この比較作製法において、硫酸ニッケル:
硫酸マンガンの比率を変え、マンガン添加量の異なる活
物質を作製した。マンガン添加量が、活物質を構成する
全金属に対する重量比即ち金属原子総重量比で、0.5重
量%、0.7重量%、1.0重量%、3.0重量%、5.0重量%、
8.0重量%、10.0重量%、12.0重量%、15.0重量%の粉
末j、k、l、m、n、o、p、q、rを作製した。
【0032】次に、各水酸化ニッケル粉末の一定量を濃
塩酸に溶かして得た溶液中のマンガン添加量(A)を原
子吸光法により定量(ステップ1)する。このステップ
1においては、マンガンの2価、3価ともに濃塩酸に溶
けるので、マンガン添加量(A)は全マンガン量、即ち
2価マンガンおよび3価マンガンの合計量となる。
【0033】また、同量の上記活物質粉末を濃硝酸に溶
かして得た溶液をろ過して、ろ液中の2価のマンガン量
(B)を原子吸光法により定量(ステップ2)した。こ
のステップ2においては、マンガン2価の化合物は、濃
硝酸に溶けるが、マンガン3価の化合物は濃硝酸に溶け
ず、ろ紙上に残る。そこで、下式より各活物質中の3価
マンガン量を算出した。
【0034】式:活物質中の3価マンガン量(重量%)
=全マンガン添加量(A)−2価マンガン量(B) 結果を図1に示す。図1は、マンガン添加量を変えて作
製した水酸化ニッケル粉末中の3価マンガンの存在量を
示したものであり、横軸は水酸化ニッケルに含まれるマ
ンガン添加量(重量%)を、縦軸は添加された全マンガ
ン中における3価マンガン量(重量%)即ち遊離のマン
ガン量を示している。
【0035】この図1に示すとおり、予備作製法にて準
備した活物質(a、b、c、d、e、f、g、h、i)
には3価のマンガン、即ち遊離のマンガンが存在する。
一方、比較作製法にて作製した活物質(j、k、l、
m、n、o、p、q、r)には3価のマンガンは全く存
在しない。即ち、予備作製法にて作製した活物質には、
水酸化ニッケル中に固溶されない遊離のマンガンが存在
することが明らかである。一方、比較作製法にて作製し
た活物質は、マンガンが全て水酸化ニッケル中に固溶さ
れ、2価となっていることがわかる。
【0036】尚、予備作製法においてマンガン添加量を
変えて作製した、活物質中に含まれる3価のマンガン量
即ち遊離のマンガン量は、次の表1のとおりである。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例1)この実施例1では、マンガン
の存在状態と、その添加による電池への影響を調べた。 [電極の作製]上記予備作製法にて準備した水酸化ニッ
ケル活物質a〜i90重量部と、水酸化コバルト10重量部
と、メチルセルロース(1重量%含有)水溶液20重量部
とを混練してペーストとした。このペーストを、ニッケ
ルメッキされた発泡メタル(多孔体基板、多孔度95%、
平均粒径200μm)からなる多孔体に充填した。そして、
このペーストが充填された多孔体を乾燥、成形すること
で、ニッケル極を得た。 [電池の作製]上述のようにして得られたニッケル極を
正極とし、公知のペースト式カドミウム極、ナイロン不
織布セパレータ、アルカリ電解液、金属製電池容器、金
属蓋の各パーツを組合わせて、本発明にかかるニッケル
−カドミウム蓄電池を作製した。尚、ここで使用されて
いるアルカリ電解液は、30重量%KOH水溶液である。
【0039】そして用いた各活物質a〜iに対応する各
電池を、それぞれ本発明電池A〜Iとした。 (比較例1)前記比較作製法にて準備した水酸化ニッケ
ル活物質j〜rを用いた以外は、同様にして比較用のニ
ッケル極を作製、それぞれ比較電池J〜Rを作製した。 [電池の試験条件]このようにして得られた本発明電池
A〜I及び比較電池J〜Rのサイクル特性を比較した。
この時の実験条件は、各電池を、0℃、25℃、45℃の各
温度にて、0.1Cの電流で160%の深度まで充電し、25℃
にて1C放電(1.0Vカット)するというものであり、
この時に得られたデータを基に活物質利用率を算出す
る。
【0040】この結果を、図2に示す。図2において、
横軸は電池の各試験温度(℃)であり、縦軸は活物質の
利用率(%)を示している。
【0041】図2より、予備作製法にて準備した水酸化
ニッケル活物質は、マンガンの一部が固溶し、残余が遊
離したマンガンとなっており、これを用いた電池A〜I
のうち特にB〜Hが広い温度範囲で高い活物質利用率を
示している。尚、電池A、Iは、各温度において、十分
な利用率が得られないことがわかる。
【0042】また、完全にマンガンを固溶させた活物質
を用いた比較電池J〜Rは、常温では高い利用率を示す
が、高温では急激に利用率が低下していることがわか
る。以上より、水酸化ニッケル粒子にマンガンを添加し
たニッケル極において、上記マンガンが一部は水酸化ニ
ッケル中に固溶され、残余のマンガンが水酸化ニッケル
とは遊離した状態で存在する活物質を用いることによ
り、幅広い温度範囲で高利用率が得られることがわか
る。
【0043】また、上記(予備実験)と(実施例1)の
結果から、固溶状態にて存在するマンガンが、金属原子
総重量比で0.5重量%〜2重量%であり、遊離したマン
ガンが0.2重量%〜10重量%であり、両マンガンの合計
が0.7重量%〜12重量%で最も高利用率が得られること
がわかる。 (実施例2)この実施例2では、活物質を作製する際の
pHの影響を調べた。予備作製法に基づく方法におい
て、pHを9、10、10.5、11、11.5、12、12.5に保持し
た状態で、各活物質を作製し、これら活物質のかさ比重
を測定した。マンガンの添加量は、金属原子総重量比で
5重量%であり、固溶のマンガン量が1重量%、遊離し
たマンガン量が4重量%の活物質である。かさ比重測定
には、JISーKー5101に基づく機器を用いた。
【0044】この測定結果を、図3に示す。図3では、
横軸にpH、縦軸にかさ比重が示されている。この図3
より、pHが11±0.5の範囲で作製した活物質は、かさ
比重が比較的高く、充填性の優れた活物質粉末が得られ
ることがわかる。よって、この結果より活物質作製時の
pHは、11±0.5が最適である。 (実施例3)この実施例3では、活物質粒子内に固溶さ
せる元素として上記実施例1及び2で示したマンガンに
加えて、カドミウム、亜鉛、コバルト、カルシウム、マ
グネシウム、バリウムから選ばれた1種以上の添加元素
に関して更に検討を行った。ここでの活物質は、上記予
備作製法と同様の方法にて作製した。即ち、硫酸ニッケ
ル、硫酸マンガン、硫酸カドミウム、硫酸亜鉛、硫酸コ
バルト、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸バリ
ウムの量を調節することにより、添加の比率を変化させ
ている。
【0045】そして、上記実施例1と同様にして電池を
作製し、45℃にて、上記[電池の試験条件]と同条件に
て試験を行い、各活物質利用率を求めた。この結果を、
表2に示す。表2は、各電池で使用している各ニッケル
活物質の組成と、活物質利用率との関係を表している。
尚、活物質中におけるマンガン添加量は、一律5重量%
とした。
【0046】
【表2】
【0047】表2より、マンガン以外に、コバルト、カ
ドミウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、バリウム
から選ばれた1種以上を添加、固溶させることにより、
高温雰囲気において高利用率の活物質が得られることが
理解できる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、常温ならびに高温雰囲
気下であっても、活物質である水酸化ニッケルの利用率
を向上させることができ、斯る活物質を用いたアルカリ
蓄電池用非焼結式ニッケル極の放電容量を増大させるこ
とができる。
【0049】また、高性能かつ安定で生産性の高いアル
カリ蓄電池用非焼結式ニッケル極を提供することがで
き、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】活物質中におけるマンガン添加量と、3価のマ
ンガン量を示す図である。
【図2】電池の充電温度と、活物質の利用率の関係を示
す図である。
【図3】活物質作製時のpHと、活物質のかさ比重との
関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 斎藤 俊彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−335214(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/24 - 4/52

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルにマンガンを添加した活
    物質を用いるアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極にお
    いて、前記水酸化ニッケルがニッケル塩とマンガン塩の
    混合水溶液に、アンモニアと水酸化ナトリウムとの混合
    溶液を添加して、pH=11±0.5に保持することにより
    作製されたものであって、前記マンガンの一部が前記水
    酸化ニッケルに固溶され、残余のマンガンが前記水酸化
    ニッケルとは遊離した状態で存在することを特徴とする
    アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。
  2. 【請求項2】 前記固溶されたマンガンが金属原子総重
    量比で0.5重量%〜2重量%であり、前記遊離したマン
    ガンが金属原子総重量比で0.2重量%〜10重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池用非焼
    結式ニッケル極。
  3. 【請求項3】 水酸化ニッケルにマンガンを添加したア
    ルカリ蓄電池用非焼結式電極に使用するニッケル活物質
    において、前記水酸化ニッケルがニッケル塩とマンガン
    塩の混合水溶液に、アンモニアと水酸化ナトリウムとの
    混合溶液を添加して、pH=11±0.5に保持することに
    より作製されたものであって、前記マンガンの一部が前
    記水酸化ニッケルに固溶され、残余のマンガンが前記水
    酸化ニッケルとは遊離した状態で存在することを特徴と
    するニッケル活物質。
  4. 【請求項4】 前記固溶されたマンガンが金属原子総重
    量比で0.5重量%〜2重量%であり、前記遊離したマン
    ガンが金属原子総重量比で0.2重量%〜10重量%である
    ことを特徴とする請求項3記載のニッケル活物質。
  5. 【請求項5】 水酸化ニッケルにマンガンを添加した活
    物質を用いるアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極にお
    いて、前記水酸化ニッケルがニッケル塩とマンガン塩の
    混合水溶液に、アンモニアと水酸化ナトリウムとの混合
    溶液を添加して、pH=11±0.5に保持することにより
    作製されたものであって、前記マンガンの一部が2価の
    状態であり、残余のマンガンが3価の状態で存在するこ
    とを特徴とするアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。
  6. 【請求項6】 前記2価のマンガンが金属原子総重量比
    で0.5重量%〜2重量%であり、前記3価のマンガンが
    金属原子総重量比で0.2重量%〜10重量%で あることを
    特徴とする請求項5記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニ
    ッケル極。
  7. 【請求項7】 ニッケル塩とマンガン塩の混合水溶液
    に、アンモニアと水酸化ナトリウムとの混合溶液を添加
    してpH=11±0.5に保持することにより、マンガンの
    一部が水酸化ニッケルに固溶され、残余のマンガンが前
    記水酸化ニッケルとは遊離した状態で存在する活物質を
    得、前記活物質を、多孔体基板に充填することを特徴と
    するアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記多孔体基板が、金属繊維焼結体、パ
    ンチングメタル、発泡金属多孔体から選択されたことを
    特徴とする請求項7記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニ
    ッケル極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記固溶されたマンガンが金属原子総重
    量比で0.5重量%〜2重量%であり、前記遊離したマン
    ガンが金属原子総重量比で0.2重量%〜10重量%である
    ことを特徴とする請求項7記載のアルカリ蓄電池用非焼
    結式ニッケル極の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記水酸化ニッケルに、コバルト、亜
    鉛、カドミウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム
    から選ばれた1種以上が固溶されていることを特徴とす
    る請求項7記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 ニッケル塩とマンガン塩の混合水溶液
    に、アンモニアと水酸化ナトリウムとの混合溶液を添加
    してpH=11±0.5に保持することにより、マンガンの
    一部が2価の状態で水酸化ニッケルに含有され、残余の
    マンガンが3価の状態で前記水酸化ニッケルに付着した
    状態で存在する活物質を得、前記活物質を、多孔体基板
    に充填することを特徴とするアルカリ蓄電池用非焼結式
    ニッケル極の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記多孔体基板が、金属繊維焼結体、
    パンチングメタル、発泡金属多孔体から選択されたこと
    を特徴とする請求項11記載のアルカリ蓄電池用非焼結
    式ニッケル極の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記固溶されたマンガンが金属原子総
    重量比で0.5重量%〜2重量%であり、前記遊離したマ
    ンガンが金属原子総重量比で0.2重量%〜10重量%であ
    ることを特徴とする請求項11記載のアルカリ蓄電池用
    非焼結式ニッケル極の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記水酸化ニッケルに、コバルト、亜
    鉛、カドミウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム
    から選ばれた1種以上が固溶されていることを特徴とす
    る請求項11記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル
    極の製造方法。
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