JP3338226B2 - アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極

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JP3338226B2
JP3338226B2 JP03702795A JP3702795A JP3338226B2 JP 3338226 B2 JP3338226 B2 JP 3338226B2 JP 03702795 A JP03702795 A JP 03702795A JP 3702795 A JP3702795 A JP 3702795A JP 3338226 B2 JP3338226 B2 JP 3338226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル−水素蓄電
池、ニッケル−カドミウム蓄電池に代表されるアルカリ
電池の正極として使用される非焼結式ニッケル極および
これに用いる活物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ電池用ニッケル極として
は、芯金である穿穴鋼板等にニッケル粉末を焼結させて
得た基板に活物質を含浸させて使用する、所謂焼結式極
板が知られている。この極板は、ニッケル粉末粒子間の
結合が弱く、基板を高多孔度とした場合にはニッケル粉
末の脱落を生じるために、実用上基板の多孔度を80%程
度とするのが限界であった。
【0003】また、穿孔鋼板等の芯金を必要とすること
から、一般に活物質の充填密度が小さくなる。更に、焼
結により形成されたニッケル粉末の細孔は、10μm以下
と小さいため、活物質の充填方法については、煩雑な工
程を数サイクルも繰り返す溶液含浸法に限定される等の
問題点がある。
【0004】これらの問題点を改良する試みとして、例
えば芯金を用いない耐アルカリ性金属繊維焼結体、ある
いは炭素繊維不織布等に耐アルカリ性金属をメッキし、
水酸化ニッケル活物質粉末をペースト状として充填する
所謂ペースト式極板が開発されている。このペースト式
極板においては、前記焼結式極板に比べ、活物質利用率
が低いという問題があった。
【0005】そこで、この問題を解決するために、特開
平5-21064号公報、特開平5-28992号公報、特開平5-4121
2号公報、特開平6-150925号公報に開示された如く、亜
鉛、コバルト、カルシウム、鉄、マグネシウム、カドミ
ウム、マンガンから選ばれた1種以上の添加元素を水酸
化ニッケル中に固溶させた、活物質を用いることが提案
されている。
【0006】しかしながら、このような方法であって
も、活物質利用率に関して十分とは言えず、改良の余地
がある。更に、サイクル数の進行に伴いニッケル極が膨
張してくるという問題もあるが、上述の活物質では電極
の膨化抑制に関して十分とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決すべくなされたものであって、活物質である
水酸化ニッケルの利用率を向上させるものである。
【0008】更に、ニッケル極の膨化を抑制するのに有
効な活物質を提案するものである。
【0009】そして、かかる活物質を用いることによ
り、高性能かつ安定で生産性の高いアルカリ蓄電池用非
焼結式ニッケル極を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ蓄電池
用非焼結式ニッケル極は、マンガン及び亜鉛が固溶され
た水酸化ニッケル粒子であって、コバルト、カドミウ
ム、カルシウム、マグネシウムから選ばれた1種以上の
添加元素を前記水酸化ニッケル粒子の結晶中に固溶させ
た活物質を用いたものであって、前記添加元素が、前記
活物質中に、0.1〜5.0重量%固溶されていることを特徴
とする。
【0011】また、本発明のアルカリ蓄電池に用いる非
焼結式ニッケル極用活物質は、マンガン及び亜鉛が固溶
された水酸化ニッケル粒子であって、コバルト、カドミ
ウム、カルシウム、マグネシウムから選ばれた1種以上
の添加元素を前記水酸化ニッケル粒子の結晶中に固溶さ
せたものであって、前記添加元素が、前記活物質中に、
0.1〜5.0重量%固溶されていることを特徴とする。
【0012】そして、前記活物質中に、前記マンガンが
0.1〜10.0重量%、且つ前記亜鉛が0.5〜5.0重量%固
溶、添加されていることを特徴とするものである。
【0013】
【0014】
【作用】マンガンを固溶させた水酸化ニッケル粒子で
は、プロトン移動の自由度が増大し、活物質の利用率が
向上する。しかし、マンガンを固溶させただけでは、ニ
ッケル極が膨化するという問題がある。
【0015】ニッケル極の膨化は、高密度のβ-NiOOH
から、結晶内へ水H2Oや異種金属イオンを取り込んだ低
密度の高次酸化物γ-NiOOHへの変化に伴うものである。
γーNiOOHの生成により、活物質の低密度化が生じる。
そして、活物質が基体である多孔体から脱離したり、結
晶内に電解液中の水H2Oが取り込まれ、アルカリ電解液
が 枯渇するドライアウト等の現象を生じる。この結
果、電池のサイクル寿命が十分得られなくなってしま
う。それ故、ニッケル極の膨化を、極力抑制する必要が
ある。
【0016】このような膨化現象に対し、一般に、亜鉛
が抑制効果を有することは、例えば特開平2-30061号公
報等で知られている。
【0017】そこで、高利用率を得、しかも膨化を抑制
できる水酸化ニッケル活物質として、特開平5−21064号
公報の実施例(表3のNo.10参照)に開示されたように、
マンガンと亜鉛を固溶させたものが考えられる。然し乍
ら、単に、マンガンと亜鉛とだけを共存させた場合、電
極即ちニッケル極の膨化は抑制されるが、利用率を向上
させる効果は十分ではない。これは、本発明者等の様々
な実験結果から裏づけられている。マンガンと亜鉛を固
溶させた水酸化ニッケル活物質は、その結晶構造に歪み
を生じ、結晶内への水H2O、異種金属イオンの侵入は防
止できる。そのため、電極の膨化は抑制されると考えら
れる。しかし、プロトン移動の自由度が不足するため、
十分な活物質利用率が得られないと考えられる。
【0018】また、マンガンを固溶させた水酸化ニッケ
ル粒子内に、更にコバルト、カドミウム、カルシウム、
マグネシウムから選ばれた1種以上を共存させた活物質
も考えられる。このような活物質は利用率に関して、マ
ンガンを固溶させず且つ水酸化ニッケル粒子内にコバル
ト、カドミウム、カルシウム、マグネシウムから選ばれ
た1種以上を固溶させた活物質と比較して、確かに飛躍
的に向上する。然し乍ら、電極の膨化抑制が十分でない
という問題がある。
【0019】そこで、本発明は上述した知見に基づきな
されたものであって、マンガン及び亜鉛を固溶させた水
酸化ニッケル粒子内に、コバルト、カドミウム、カルシ
ウム、マグネシウムから選ばれた1種以上の添加元素を
前記水酸化ニッケル粒子の結晶中に固溶状態で共存さ
、前記添加元素の添加量を0.1重量%〜5重量%とする
ことにより、プロトン移動の自由度を増大させるもので
ある。加えて、活物質の結晶構造に歪みを生じさせ、結
晶内への水H2O、異種金属イオンの侵入を防止するもの
である。この結果、活物質利用率及びニッケル極の膨化
抑制に優れた活物質を得ることができる。
【0020】ここで、本発明の水酸化ニッケル活物質粉
末中の、マンガンの量としては0.1重量% 〜10重量%、
亜鉛の量としては0.5重量%〜5重量%添加するのが望
ましい。この範囲未満では、活物質利用率の向上効果が
顕著でない。一方、この範囲を越える添加では、活物質
自体のかさ比重が極端に低下する。この結果、基体へ必
要量若しくは高密度充填できず、電池容量が低下するの
で好ましくない。
【0021】
【0022】
【実施例】
(実施例1) [活物質の作製]硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸亜
鉛、硫酸コバルトの各水溶液を、硫酸ニッケル:硫酸マ
ンガン:硫酸亜鉛:硫酸コバルトの重量比が88.8:1.
7:4.6:4.9となるよう混合して得たニッケル液を準備
する。このニッケル液と、5重量%のアンモニア水と
を、水を張った水槽中に、同時に添加した。この水槽
は、35℃に保持されている。そして、1時間混合後、20
重量%の水酸化ナトリウム水溶液を、この水槽へ滴下
し、撹拌しながらpHを11±0.3に保持した。
【0023】尚、この時のpH測定には、自動温度補償
付きガラス電極pHメータを用いている。
【0024】次に、生成した沈殿物をろ過、水洗した
後、真空乾燥を行った。このようにして、水酸化ニッケ
ルに、マンガン、亜鉛及びコバルト(添加元素)を添加
した活物質を得た。この活物質は、活物質中における全
金属の重量換算で、マンガン1重量%、亜鉛3重量%、
コバルト3重量%を含有している。そして、この活物質
を、本発明活物質(イ)とした。
【0025】同様に、硫酸ニッケル、硫酸マンガン及び
硫酸亜鉛を使用し、上述の硫酸コバルトに代えて、硫酸
マグネシウム、硫酸カドミウムまたは硝酸カルシウムの
配合を変化させ、各活物質を準備した。この結果、カド
ミウム、マグネシウム、カルシウムをそれぞれ添加元素
とし、マンガンと亜鉛を固溶させた水酸化ニッケル活物
質を作製し、本発明の活物質(ロ)〜(ヘ)とした。
【0026】尚、上述の本発明活物質(イ)〜(ヘ)では、
活物質中における全金属の重量換算で、マンガン1重量
%、亜鉛3重量%を必須としており、更には各添加元素
(コバルト、カドミウム、マグネシウム、カルシウム)
が3重量%含有、添加されている。各活物質の組成は、
後述する表1に示している。 [電極の作製]上記[活物質の作製]で準備した各水酸
化ニッケル活物質(イ)〜(ヘ)90重量部、導電材としての
水酸化コバルト10重量部、結着材もしくは増粘材として
のメチルセルロース(1重量%含有)水溶液20重量部と
を混練し、ペーストを得た。このペーストを、ニッケル
メッキされた発泡メタル(多孔度95%、平均粒径200μ
m)からなる金属多孔体に充填した。そして、このペー
ストが充填された多孔体を乾燥後、成形することで、非
焼結式ニッケル極を得た。 [電池の作製]上述のようにして得られた非焼結式ニッ
ケル極を正極とし、公知のペースト式カドミウム極、ナ
イロン不織布セパレータ、アルカリ電解液、金属製電池
容器、金属蓋の各パーツを組合わせて、本発明にかかる
ニッケル−カドミウム電池(い)〜(へ)を作製した。尚、
アルカリ電解液としては、30重量%KOH水溶液を使用し
ている。
【0027】ここで、上記各水酸化ニッケル活物質(イ)
〜(ヘ)の記号は、上記各電池(い)〜(へ)に対応してい
る。 (比較例1)硫酸ニッケル、硫酸マンガンの配合比を変
えた以外は、上記[活物質の作製]と同様の方法にて、
マンガンを固溶させた水酸化ニッケル活物質を作製し
た。その後、上記[電極の作製]および[電池の作製]
に従って、比較電池1を作製した。この活物質における
マンガンの添加量は1重量%であり、亜鉛及び添加元素
は含まれていない。 (比較例2〜7)硫酸ニッケル及び硫酸マンガンを使用
し、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸カドミウム
若しくは硝酸カルシウムいずれかの配合比を変えた以外
は、上記[活物質の作製]と同様の方法にて、比較活物
質を得た。この比較活物質は、マンガンを固溶した水酸
化ニッケル粉末粒子内に、マグネシウム、コバルト、カ
ドミウム、カルシウムから選ばれた1種以上を共存させ
た水酸化ニッケル活物質である。
【0028】そして、上記[電極の作製]および[電池
の作製]に従って、比較電池2〜7を作製した。
【0029】この各比較電池2〜7に使用された比較活
物質におけるマンガンの添加量は、1重量%、マグネシ
ウム、コバルト、カドミウム、カルシウムの添加量は、
それぞれ3重量%である(表1参照)。 (比較例8〜13)硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫
酸コバルト、硫酸カドミウム、硝酸カルシウムの配合を
変えた以外は、上記[活物質の作製]と同様にして、マ
ンガン及び亜鉛を添加、固溶させていない水酸化ニッケ
ル活物質を作製した。
【0030】そして、上記[電極の作製]および[電池
の作製]に従って、比較電池8〜13を作製した。
【0031】この各比較電池8〜13に使用された比較活
物質におけるマグネシウム、コバルト、カドミウム、カ
ルシウムの添加量は、それぞれ3重量%である(表1参
照)。 (比較例14) 硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸亜鉛の配合を変えた
以外は前記[活物質の作製]と同様にして、マンガン及
び亜鉛が固溶されてはいるが、コバルト、カドミウム、
カルシウム、マグネシウムが添加されない比較用の水酸
化ニッケル活物質を作製した。
【0032】そして、上記[電極の作製]および[電池
の作製]に従って、比較電池14を作製した。
【0033】この比較電池14に使用された比較活物質に
おけるマンガンの添加量は1重量%、亜鉛の添加量は3
重量%である。 (比較例15)硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸亜鉛の
各水溶液を、硫酸ニッケル:硫酸マンガン:硫酸亜鉛の
重量比が93.9:1.7:4.4となるように混合した混合水溶
液を準備した。この混合水溶液に、20重量%の水酸化ナ
トリウムを滴下しながら、pH=11.0±0.3に保ち、激
しく撹拌した。この撹拌時の温度は、35℃に保持してい
る。そして、生成した沈殿物を、ろ過、水洗し、真空乾
燥を行い、比較用の活物質を得た。この活物質における
マンガンの添加量は1重量%、亜鉛の添加量は3重量%
である。
【0034】この比較例15で行った方法は、特開平5-21
064号公報、特開平5-41212号公報等で開示された方法に
類似のものであり、この比較例15で得られた活物質は、
それらの実施例に開示された活物質と類似のものであ
る。
【0035】そして、上記[電極の作製]および[電池
の作製]に従って、比較電池15を作製した。 [電池の試験条件]このようにして得られた本発明電池
(い)〜(へ)、比較電池(1)〜(15)を用いて、各電池のサ
イクル特性を比較した。この時のサイクル条件は、各電
池を25℃にて0.1Cの電流で160%の深度まで充電し、25
℃にて1C放電(1.0Vカット)するというものである。
そして、このサイクル条件下での10サイクル目の活物質
利用率を求めた。
【0036】また、100サイクル目の各電池を放電後、
分解し、ニッケル極の厚みを測定した。そして、次式に
従って、電極膨化率を求めた。
【0037】式:電極膨化率(%)=(100サイクル目の電
極厚み−電池組立前の電極厚み)×100 /(電池組立前の
電極厚み) 表1に、各電池に使用した活物質組成、活
物質利用率(%)、電極膨化率(%)を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、(実施例1)に示されたマンガ
ンと亜鉛が固溶された活物質であって、且つコバルト、
マグネシウム、カドミウム、カルシウムから選ばれた1
種以上の添加元素を水酸化ニッケル粒子内に固溶させた
活物質を用いた電池(い)〜(へ)は、高い活物質利用率を
有し、且つ電極膨化率が小さく電極の膨化抑制に優れて
いることが理解できる。これは、本発明電池(い)〜(へ)
と、比較電池(1)〜(15)との対比から明白である。
【0040】そして、マンガンのみを固溶した水酸化ニ
ッケルを活物質として用いた比較電池(1)は、活物質利
用率は高い値が得られるが、電極の膨化が抑制できてい
ない。これは、マンガン及び亜鉛を固溶させた活物質を
用いた比較電池(14)及び(15)との対比から明らかであ
る。
【0041】また、マンガンを固溶した水酸化ニッケル
粒子内に、マグネシウム、コバルト、カドミウム、カル
シウムから選ばれた1種以上を共存させた活物質は、マ
ンガンと亜鉛を固溶させていない活物質と比較して、高
利用率が得られるが、電極の膨化抑制が十分でない。こ
れは、比較電池(2)〜(7)と、比較電池(8)〜(13)との対
比から明らかである。
【0042】尚、マンガン若しくは亜鉛いずれをも固溶
させていない活物質は、電極の膨化抑制及び利用率向上
効果がともに十分でないことが理解できる。これは比較
電池(8)〜(13)の観察から、理解できる。
【0043】次に、マンガン及び亜鉛を固溶させた活物
質(比較電池14および15)は、電極の膨化抑制には優れ
ている。然し乍ら、活物質利用率が十分に得られない。
これは、比較電池(14)及び(15)の観察から、理解でき
る。
【0044】尚、特開平5-21064号公報、特開平5-41212
号公報に開示された方法にて、マンガンと亜鉛を固溶さ
せた活物質を使用しても、電極の膨化は抑制されるが、
十分な活物質利用率は得られなかった。これは、前述の
比較電池(15)の観察から明白である。 (実施例2)この実施例2では、水酸化ニッケル活物質
におけるマンガンの固溶量、即ち添加量の検討を行っ
た。上記[活物質の作製]と同様にして、硫酸ニッケ
ル、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの量を調節
して、検討を行った。
【0045】具体的には、亜鉛3重量%及びコバルト3
重量%固溶させた活物質であって、マンガンの固溶量を
0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%、3.0重
量%、5.0重量%、7.5重量%、10.0重量%、12.0重量
%、15.0重量%と変化させた活物質を作製した。その
後、上記(実施例1)と同様にして、電池A〜Jを作製
した。
【0046】そして、上記[電池の試験条件]に基づ
き、電池A〜Jを用い、サイクル試験を行い、各活物質
利用率を測定した。
【0047】この結果を図1に示す。図1において、横
軸はマンガン固溶量(重量%)、縦軸は活物質利用率
(%)を示している。図1より、マンガンの固溶量0.1
重量%以上の電池B〜Jで、高利用率が得られることが
わかる。この結果より、マンガン固溶量としては、0.1
重量%以上とするのが好ましい。尚、特に好ましいマン
ガン固溶量としては、1重量%以上である。 (実施例3)この実施例3では、前述の(実施例2)に
て作製した各活物質の各かさ比重を測定した。かさ比重
測定には、JIS-K-5101に基づく機器を用いている。
【0048】この測定結果を、図2に示す。図2におい
て、横軸はマンガンの固溶量(重量%)、縦軸はかさ比
重(g/cc)を示している。図2より、マンガンの固溶量
が10重量%を越えると、かさ比重が急激に低下すること
がわかる。よって、電極への充填密度が低下することか
ら、マンガン固溶量としては10重量%以下とするのが望
ましい。尚、この充填密度の観点から、特に好ましいマ
ンガン固溶量は7.5重量%以下である。
【0049】上記(実施例2)及び(実施例3)より、
ニッケル活物質中のマンガン固溶量としては、0.1重量
%以上10重量%以下が好適することが理解できる。
【0050】また、特に好ましいマンガン固溶量は、1
重量%以上7.5重量%以下となる。 (実施例4)この実施例4では、水酸化ニッケル活物質
における亜鉛の固溶量、即ち添加量の検討を行った。前
記(実施例2)と同様にして、硫酸ニッケル、硫酸マン
ガン硫酸亜鉛、硫酸コバルトの量を調節した。
【0051】具体的には、マンガン1重量%及びコバル
ト3重量%を固溶させた活物質であって、亜鉛の固溶量
が0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%、1.0重量%、3.0
重量%、5.0重量%、7.5重量%、10.0重量%と変化され
たものを使用している。
【0052】上記(実施例2)と同様にして、電池K〜
Rを作製した。そして、上記[電池の試験条件]に基づ
きサイクル試験を行い、各活物質の利用率を測定した。
【0053】この結果を図3に示す。図3において、横
軸は亜鉛の固溶量(重量%)、縦軸は活物質利用率
(%)を示すものである。図3より、亜鉛の固溶量が0.
5重量%以上の電池M〜Rで、高い利用率が得られるこ
とがわかる。この結果より、亜鉛の固溶量としては、0.
5重量%以上とするのが好ましい。 (実施例5)この実施例5では、前記(実施例4)にて
作製した各活物質のかさ比重を測定した。かさ比重測定
には、JISーKー5101に基づく機器を用いている。
【0054】測定結果を、図4に示す。図4において、
横軸は亜鉛の固溶量(重量%)、縦軸はかさ比重(g/c
c)を示している。図4より、亜鉛の固溶量が5重量%
を越えると、かさ比重が急激に低下することがわかる。
よって、電極への高充填性を考慮すると、亜鉛の固溶量
は5重量%以下とするのが好ましい。
【0055】上記(実施例4)及び(実施例5)より、
ニッケル活物質中の亜鉛固溶量としては、0.5重量%以
上5重量%以下が好適することが理解できる。 (実施例6)この実施例6では、水酸化ニッケル活物質
におけるコバルトの固溶量、即ち添加量の検討を行っ
た。上述の(実施例2)と同様にして、硫酸ニッケル、
硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの量を調節して
検討を行った。
【0056】具体的には、マンガン1重量%及び亜鉛3
重量%を固溶させた活物質であって、コバルト固溶量を
0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%、3.0重
量%、5.0重量%、7.5重量%、10.0重量%と変化させた
ものを用いた。その後、上述の(実施例2)と同様にし
て、電池S〜Zを作製した。そして、上記[電池の試験
条件]に基づきサイクル試験を行い、各活物質の利用率
を測定した。
【0057】その結果を、図5に示す。図5において、
横軸はコバルトの固溶量(重量%)、縦軸は活物質利用
率(%)を示している。この図5より、コバルト固溶量
としては、0.1重量%〜5重量%が好ましく、この範囲
(電池T〜X参照)で高利用率が得られることがわか
る。
【0058】よって、ニッケル活物質中の添加元素であ
るコバルトの固溶量としては、0.1重量%以上5重量%
以下が好適することが理解できた。
【0059】この実施例6では、コバルトを添加して検
討を行ったが、添加元素としてのカドミウム、カルシウ
ム、マグネシウムを用いても同様の傾向が観察された。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、マンガン及び亜鉛が固
溶された水酸化ニッケル活物質の利用率を向上させるこ
とができ、放電容量の大きな活物質が提供できる。ま
た、かかる活物質を用いたニッケル極の膨化が抑えら
れ、サイクル特性に優れたアルカリ蓄電池用非焼結式ニ
ッケル極が提供でる。
【0061】また、高性能かつ安定で生産性の高いアル
カリ電池用非焼結式ニッケル極が提供でき、その工業的
価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】マンガン固溶量(下限)と、活物質利用率との
関係を示す図である。
【図2】マンガン固溶量(上限)と、活物質のかさ比重
との関係を示す図である。
【図3】亜鉛の固溶量(下限)と、活物質利用率との関
係を示す図である。
【図4】亜鉛の固溶量(上限)と、活物質のかさ比重と
の関係を示す図である。
【図5】コバルト(添加元素)固溶量と、活物質利用率
との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 斎藤 俊彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−21064(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/52 H01M 4/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン及び亜鉛が固溶された水酸化ニ
    ッケル粒子であって、コバルト、カドミウム、カルシウ
    ム、マグネシウムから選ばれた1種以上の添加元素を前
    記水酸化ニッケル粒子の結晶中に固溶させた活物質を用
    いた非焼結式ニッケル極であって、前記添加元素が、前
    記活物質中に、0.1〜5.0重量%固溶されていることを特
    徴とするアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。
  2. 【請求項2】 前記活物質中に、前記マンガンが0.1〜1
    0.0重量%固溶されており、且つ前記亜鉛が0.5〜5.0重
    量%固溶されていることを特徴とする請求項1記載のア
    ルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。
  3. 【請求項3】 マンガン及び亜鉛が固溶された水酸化ニ
    ッケル粒子であって、コバルト、カドミウム、カルシウ
    ム、マグネシウムから選ばれた1種以上の添加元素を前
    記水酸化ニッケル粒子の結晶中に固溶させた非焼結式ニ
    ッケル極用活物質であって、前記添加元素が、前記活物
    質中に、0.1〜5.0重量%固溶されていることを特徴とす
    るアルカリ蓄電池に用いる非焼結式ニッケル極用活物
    質。
  4. 【請求項4】 前記活物質中に、前記マンガンが0.1〜1
    0.0重量%固溶されており、且つ前記亜鉛が0.5〜5.0重
    量%固溶されていることを特徴とする請求項3記載のア
    ルカリ蓄電池に用いる非焼結式ニッケル極用活物質。
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