JP3263603B2 - アルカリ蓄電池 - Google Patents
アルカリ蓄電池Info
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Description
とするアルカリ蓄電池に係わり、詳しくは、正極の活物
質利用率が高いアルカリ蓄電池を提供することを目的と
した、アルカリ電解液の改良に関する。
物質に水酸化ニッケルを用いるアルカリ蓄電池では、充
電により生成するオキシ水酸化ニッケルの導電性は良好
であるが、放電生成物である水酸化ニッケルの導電性が
悪い。そのため、基板の集電能力が悪くなり、活物質利
用率が低下する。この傾向は、非焼結式のニッケル極に
おいて、顕著である。
得るべく、ニッケル極にイットリウム化合物を添加して
正極側の酸素過電圧を高めることが特開平5−2899
2号公報に提案されている。このニッケル極は、いわゆ
る非焼結式である。
果、ニッケル極にイットリウム化合物を添加する上記の
方法では、活物質利用率、特に高温で充電した場合の活
物質利用率が充分でないことが分かった。
率、特に高温で充電した場合の正極の活物質利用率が、
従来のものに比べて高いアルカリ蓄電池を提供すること
を目的とする。
の本発明に係るアルカリ蓄電池(本発明電池)は、正極
としてのニッケル極と、負極と、アルカリ電解液とを備
えるアルカリ蓄電池において、前記アルカリ電解液がイ
ットリウムを0.5〜10重量ppm含有していること
を特徴とする。
ウム含有量が、0.5〜10重量ppmに規制されるの
は、イットリウム含有量がこの範囲を外れると、正極の
活物質利用率、特に高温充電時の正極の活物質利用率が
低下するからである。
リ蓄電池、例えば負極が水素吸蔵合金電極であるニッケ
ル−水素アルカリ蓄電池、負極がカドミウム電極である
ニッケル−カドミウムアルカリ蓄電池、負極が亜鉛電極
であるニッケル−亜鉛アルカリ蓄電池などに適用可能で
ある。
イットリウムを所定量含有しているので、正極の活物質
利用率が高い。この理由は定かでないが、アルカリ電解
液中のイットリウムが水酸化ニッケル粒子の細孔内に拡
散することにより、充電時の正極の酸素過電圧が上昇し
て酸素が発生しにくくなり、その結果、水酸化ニッケル
のオキシ水酸化ニッケルへの充電が効率良く行われるよ
うになるためと考えられる。正極にイットリウム化合物
を添加する特開平5−28992号公報に開示されてい
る方法では、後述する実施例に示すように、本発明電池
の如き優れた特性を有するアルカリ蓄電池は得られな
い。
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することが可能なものである。
属コバルト7重量部、水酸化コバルト5重量部、及び、
結着剤としての1重量%メチルセルロース水溶液20重
量部を混練してペーストを調製し、このペーストをニッ
ケルめっきした発泡メタル(多孔度95%;平均孔径2
00μm)からなる多孔性の基板に充填し、乾燥し、加
圧成形して、非焼結式のニッケル極を作製した。
水酸化カリウム水溶液1リットルにLiOH・H2 Oを
40g、及び、三酸化二イットリウム(Y2 O3 )を
8.5mg溶かしてアルカリ電解液を調製した。このア
ルカリ電解液のイットリウム含有量は5重量ppmであ
る。
のニッケル極(正極)、この正極よりも電気化学的容量
が大きい従来公知のペースト式カドミウム極(負極)、
上記のアルカリ電解液、ポリアミド不織布(セパレー
タ)、金属製の電池缶、金属製の電池蓋などを用いて、
AAサイズのアルカリ蓄電池A1(電池容量:約100
0mAh)を作製した。
属コバルト7重量部、水酸化コバルト5重量部、三酸化
二イットリウム3重量部、及び、結着剤としての1重量
%メチルセルロース水溶液20重量部を混練してペース
トを調製し、このペーストをニッケルめっきした発泡メ
タル(多孔度95%;平均孔径200μm)からなる多
孔性の基板に充填し、乾燥し、加圧成形して、非焼結式
のニッケル極を作製した。
水酸化カリウム水溶液1リットルにLiOH・H2 Oを
40g溶かしてアルカリ電解液を調製した。
のニッケル極及びアルカリ電解液を使用したこと以外は
実施例1と同様にして、比較電池B1を作製した。
化コバルト10重量部、及び、結着剤としての1重量%
メチルセルロース水溶液20重量部を混練してペースト
を調製し、このペーストをニッケルめっきした発泡メタ
ル(多孔度95%;平均孔径200μm)からなる多孔
性の基板に充填し、乾燥し、加圧成形して、非焼結式の
ニッケル極を作製した。
水酸化カリウム水溶液1リットルに三酸化二イットリウ
ムを7.6mg溶かしてアルカリ電解液を調製した。こ
のアルカリ電解液のイットリウム含有量は5重量ppm
である。
のニッケル極及びアルカリ電解液を使用したこと以外は
実施例1と同様にして、本発明電池A2を作製した。
て、三酸化二イットリウムを配合しなかったこと以外は
実施例2と同様にして、比較電池B2を作製した。
ついて、25°Cにて0.1Cで160%充電した後、
25°Cにて1Cで1.0Vまで放電する充放電を9サ
イクル行った。その後、25°C、45°C又は60°
Cにて0.1Cで160%充電した後、25°Cにて1
Cで1.0Vまで放電して、各電池の正極の10サイク
ル目の活物質利用率を求めた。活物質利用率は、下式に
基づき算出した。
放電容量(mAh)/〔水酸化ニッケル量(g)×28
8(mAh/g)〕}×100
活物質利用率は、本発明電池A1の正極の10サイクル
目の活物質利用率を100としたときの指数で示したも
のであり、また表1の下欄中の活物質利用率は、本発明
電池A2の正極の10サイクル目の活物質利用率を10
0としたときの指数で示したものである。
較電池B1に比べて、試験した全ての充電温度に関して
正極の10サイクル目の活物質利用率が高い。この事実
から、正極の活物質利用率を高めるためには、ニッケル
極にイットリウムを添加するよりも、アルカリ電解液に
イットリウムを含有せしめる方が有効であることが分か
る。
は、比較電池B2に比べて、試験した全ての充電温度に
関して正極の10サイクル目の活物質利用率が高い。こ
の事実から、アルカリ電解液にイットリウムを含有せし
めることにより、正極の活物質利用率が向上することが
分かる。
活物質利用率の関係〉比重1.30の水酸化カリウム水
溶液1リットルにLiOH・H2 Oを40g、及び、三
酸化二イットリウムを0.2mg、0.4mg、0.9
mg、1.7mg、3.4mg、12.8mg、17.
0mg又は20.4mg溶かしてアルカリ電解液を調製
した。これらのアルカリ電解液のイットリウム含有量
は、順に0.1重量ppm、0.25重量ppm、0.
5重量ppm、1重量ppm、2重量ppm、7.5重
量ppm、10重量ppm、12重量ppmである。こ
れらのアルカリ電解液を、それぞれ使用したこと以外は
実施例1と同様にして、順に比較電池B3、B4、本発
明電池A3〜A7、比較電池B5を作製し、先と同様に
して、各電池の充電温度25°C、45°C及び60°
Cに於ける正極の10サイクル目の活物質利用率を求め
た。結果を表2に示す。表2には、本発明電池A1(ア
ルカリ電解液のイットリウム含有量:5重量ppm)の
充電温度が25°C、45°C及び60°Cに於ける正
極の10サイクル目の活物質利用率も示してあり、表2
中の活物質利用率は、本発明電池A1の正極の活物質利
用率を100とした指数で示したものである。
極の活物質利用率が高いアルカリ蓄電池を得るために
は、アルカリ電解液のイットリウム含有量を0.5重量
ppm〜10重量ppmとする必要があることが分か
る。
して水酸化ニッケルを使用したが、水酸化ニッケルに、
コバルト、亜鉛、カドミウム、カルシウム、マンガン、
マグネシウム、ビスマス、アルミニウム及びイットリウ
ムから選ばれた少なくとも1種の元素が固溶した固溶体
を用いてもよい。水酸化ニッケルにこれらの元素を固溶
させることにより充放電時の水酸化ニッケルの膨化を抑
制することができる。
料として三酸化二イットリウムを使用したが、炭酸イッ
トリウム、フッ化イットリウムなどを使用した場合に
も、上記と同様の優れた効果が得られることを確認し
た。
ッケル極を使用したが、公知の焼結式ニッケル極を使用
した場合にも、上記と同様の効果が得られることを確認
した。
リウムを所定量含有しているので、幅広い充電温度領域
において正極の活物質利用率が高い。
Claims (2)
- 【請求項1】正極としてのニッケル極と、負極と、アル
カリ電解液とを備えるアルカリ蓄電池において、前記ア
ルカリ電解液がイットリウムを0.5〜10重量ppm
含有していることを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項2】前記負極が、水素吸蔵合金電極、カドミウ
ム電極又は亜鉛電極である請求項1記載のアルカリ蓄電
池。
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