JPH103940A - ニッケル−金属水素化物蓄電池及びその製造方法 - Google Patents

ニッケル−金属水素化物蓄電池及びその製造方法

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JPH103940A
JPH103940A JP9073816A JP7381697A JPH103940A JP H103940 A JPH103940 A JP H103940A JP 9073816 A JP9073816 A JP 9073816A JP 7381697 A JP7381697 A JP 7381697A JP H103940 A JPH103940 A JP H103940A
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正夫 武江
Mikiaki Tadokoro
幹朗 田所
Tadashi Ise
忠司 伊勢
Akifumi Yamawaki
章史 山脇
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実働電池容量が大きく、かつ充電時の電池内
圧の上昇が少ない密閉型ニッケル−金属水素化物蓄電池
を提供する。 【解決手段】 平均価数が2価よりも大きいCo被覆層
を有するニッケル活物質を用いた非焼結式正極と、表面
酸処理された水素吸蔵合金を用いた金属水素化物電極
と、アルカリ電解液とを備え、かつ数1で表される初期
充放電後における正極の未反応容量率が16%以下であ
り、数2で表される初期充放電後における負極充電深度
が80%以下に規定されてなる密閉型ニッケル−金属水
素化物蓄電池。 【数1】 【数2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル−金属水素
化物蓄電池に関し、詳しくは表面がコバルト化合物で被
覆された水酸化ニッケル活物質を含む正極を備えたニッ
ケル−金属水素化物蓄電池及びそのような蓄電池の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−金属水素化物蓄電池に用いら
れるニッケル正極の製法には、ニッケル粉末を焼結した
焼結式基体に活物質を充填するいわゆる焼結式と、ニッ
ケル繊維焼結多孔体や発泡ニッケル多孔体などの高多孔
度のニッケル基体にペースト状の活物質を充填するいわ
ゆる非焼結式(ペースト式)とがある。
【0003】焼結式は、活物質の充填作業が煩雑であ
り、また基板の高多孔度化に限界があるため、電極の高
エネルギー密度化を図り難いという欠点がある。これに
対し、ペースト式は、充填作業性がよく、高密度充填が
可能であるという特徴を有するので、電池の高エネルギ
ー密度化、低価格化の要請の高まりとともに、焼結式に
代えて非焼結式のニッケル正極が主流になりつつある。
【0004】しかし、高多孔度のニッケル基体を用いる
ペースト式は、高密度充填が可能である反面、基体の細
孔径が大きいので、活物質と基体との電気的接触が不充
分となる。よって、電極の集電効率が悪い。このため、
高密度に充填された活物質の発電能力を十分に引出し得
ないという欠点がある。
【0005】そこで、このようなペースト式の欠点を改
善することを目的とし、従来より、 水酸化ニッケルと水酸化カドミウム又は水酸化コバル
トを含む固溶体活物質粉末の表面に水酸化コバルトの被
覆層を形成する技術(特開昭62−222566号公
報)や、水酸化ニッケルの表面部に水酸化ニッケルと
水酸化コバルトの固溶体を形成する技術(特開平3−6
2457号公報)、更には前記特開昭62−22256
6号公報に記載の技術を一層改良した技術として水酸
化ニッケル表面に形成されたコバルト化合物を含む被覆
層の上に親水性有機物膜を施す技術(特開平5ー151
962号公報)などが提案されている。
【0006】これらの技術によると、活物粒子相互間の
導電性が向上し、活物質利用率が高まるので、ニッケル
正極の電極容量が向上する。しかし、ニッケル正極の容
量の向上が直ちにアルカリニッケル蓄電池の性能向上に
直結するものではない。
【0007】なぜなら、活物質利用率が高まると、正極
の実働電極容量が大きくなるが、この正極に対し従来の
負極をそのまま使用した場合、正極の実働電極容量が大
きくなった分、負極の余裕容量(充電リザーブ)が縮小
する。したがって、充電時に負極より解離する水素の量
が多くなり、電池内圧が高まる。また、充放電サイクル
の進行により負極性能が劣化すると、容易に正極規制が
崩れる。解離水素の増加や正極規制の崩壊は、安全弁の
作動による電解液の電池外への放出を結果し、蓄電池の
サイクル寿命を低下させる。
【0008】よって、ニッケル正極の電極容量の向上を
アルカリニッケル蓄電池の性能向上に繋げるためには、
当該ニッケル正極の性能に適合する負極を用い、かつ正
負両電極の電極容量を適正にバランスさせる必要があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、活物質利用
率の高いニッケル正極と、低温放電特性に優れた水素吸
蔵合金負極を用い、両電極のバランスを好適に規定し
て、実働電池容量が大きく、かつ充電時の電池内圧の上
昇が少ない、低温放電特性やサイクル特性に優れたニッ
ケル−金属水素化物蓄電池を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、一群の本発明は次のように構成されている。請求項
1記載の発明は、水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニ
ッケルである母粒子の表面に、コバルト化合物層が形成
されてなる被覆Ni活物質を含む非焼結ニッケル電極
と、水素を吸蔵放出することのできる水素吸蔵合金を含
む金属水素化物電極と、アルカリ電解液とで構成される
ニッケル−金属水素化物蓄電池であって、下記数2で表
される初期充放電後における負極充電深度が、80%以
下に規制されたニッケル−金属水素化物蓄電池である。
【数2】
【0011】請求項2記載の発明は、水酸化ニッケル又
は主成分が水酸化ニッケルである母粒子の表面に、コバ
ルト化合物層が形成されてなる被覆Ni活物質を含む非
焼結ニッケル電極と、水素を吸蔵放出することのできる
水素吸蔵合金を含む金属水素化物電極と、アルカリ電解
液とで構成されるニッケル−金属水素化物蓄電池であっ
て、下記数1で表される初期充放電後における正極未反
応容量率が16%以下であり、かつ下記数2で表される
初期充放電後における負極充電深度が80%以下に規制
されたニッケル−金属水素化物蓄電池である。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のニッケル−金属水素化物蓄電池において、前記コ
バルト化合物層のコバルト化合物の平均価数が、2価よ
りも大きいことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記
載のニッケル−金属水素化物蓄電池において、前記数2
における負極残存容量が、電池実働容量の40%以下で
あり、かつ前記水素吸蔵合金が、酸性水溶液により表面
処理した水素吸蔵合金であることを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項4記載のニ
ッケル−金属水素化物蓄電池において、前記表面処理し
た水素吸蔵合金が、pHが0.5以上、3.5以下の酸
性水溶液で洗浄して表面処理したものであることを特徴
とする。
【0017】請求項6記載の発明は、水酸化ニッケル又
は主成分が水酸化ニッケルである母粒子を、コバルト化
合物を含有する溶液に分散し、この分散液にアルカリ溶
液を注加して分散液pHを調整することによりコバルト
化合物を析出させ、前記母粒子をコバルト化合物で被覆
して被覆粒子となす第1の工程と、上記被覆粒子にアル
カリ金属溶液を含浸し、酸素存在下で加熱処理して被覆
Ni活物質となす第2の工程と、第2の工程で加熱処理
した被覆Ni活物質を用いて、下記数1で表される正極
未反応容量率が16%以下の非焼結ニッケル正極を作製
する第3の工程と、上記非焼結ニッケル正極と、水素吸
蔵合金の充填された金属水素化物負極と、アルカリ電解
液とを用いて、下記数2で表される初期充放電後におけ
る負極充電深度が、80%以下に規制されたニッケル−
金属水素化物蓄電池を作製する第4の工程を備えるニッ
ケル−金属水素化物蓄電池の製造方法である。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】請求項7記載の発明は、請求項6記載のニ
ッケル−金属水素化物蓄電池の製造方法において、前記
第2の工程の加熱処理が、コバルト化合物層を形成する
コバルト化合物の平均価数を2価よりも大きくすること
を内容とする。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項6または7
記載のニッケル−金属水素化物蓄電池の製造方法におい
て、前記第2の工程におけるアルカリ金属溶液のアルカ
リ濃度を15〜40wt%とすることを特徴とする。
【0022】請求項9記載の発明は、請求項6乃至8記
載のニッケル−金属水素化物蓄電池の製造方法におい
て、前記第2の工程における加熱処理温度を50〜15
0℃とすることを特徴とする。
【0023】請求項10記載の発明は、請求項6乃至9
記載のニッケル−金属水素化物蓄電池の製造方法におい
て、前記数2における負極残存容量が、電池実働容量の
40%以下である場合においては、前記水素吸蔵合金と
して、酸性水溶液により表面処理した水素吸蔵合金を使
用することを特徴とする。
【0024】請求項11記載の発明は、請求項10記載
のニッケル−金属水素化物蓄電池の製造方法において、
前記酸性水溶液のpH値を0.5〜3.5とすることを
特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を製造方法に
基づいて説明する。本発明ニッケル−金属水素化物蓄電
池は、第1の工程から第4の工程を備える下記製造方法
により製造できる。即ち、第1の工程においては、水酸
化ニッケル又は主成分が水酸化ニッケルである母粒子
を、コバルト化合物を溶解した溶液に分散し、この分散
液にアルカリ溶液を注加して分散液pHを所定値に調整
する。これにより分散液中のコバルト化合物が析出し、
母粒子の表面がコバルト化合物で被覆される。このよう
にして被覆粒子を作製する。
【0026】第2の工程においては、第1の工程で作製
した被覆粒子にアルカリ金属溶液を含浸させて、酸素の
存在下で加熱処理する。この加熱処理により、母粒子表
面のコバルト化合物層(被覆層)の結晶構造を乱れさせ
ることができる。また、コバルト化合物層のコバルトの
酸化数を高次化できる。これにより、コバルト化合物層
の電解液浸透性が良くなると共に導電性が高まり、その
結果としてニッケル活物質の電気化学的反応性が顕著に
向上する。
【0027】上記加熱処理においては、好ましくはコバ
ルト化合物層のコバルト化合物の平均価数を2価よりも
大にする。平均価数が2価よりも大のコバルト化合物
は、導電性が高いので、活物質粒子の利用率が確実に向
上する。また、平均価数が2価よりも大のコバルト化合
物は、充電電気量を消費する程度が小さいので、電極の
充電効率が向上する。なお、平均価数の小さいコバルト
化合物は、より多くの充電容量(酸化容量)を有する
が、放電には直接寄与しない。よって、充電容量が大き
い分、無用に充電電気量が消費されることになる。
【0028】上記加熱処理においては、前記アルカリ金
属溶液のアルカリ濃度を好ましくは15〜40wt%と
する。この濃度であると、アルカリ強度の面から好適で
あると共に、適度な粘性を有するアルカリ水溶液となる
ので、アルカリ液がCo被覆粒子中に好適に浸透する。
よって、被覆層中のコバルト化合物をムラなく2価を超
えるコバルトの化合物に変化させることができる。
【0029】また、上記加熱処理においては、加熱処理
温度を好ましくは50〜150℃とする。この温度であ
ると、酸素とアルカリの共存下で被覆層のコバルト化合
物の平均価数を確実に2価以上の高次コバルト化合物に
変化させることができ、かつ被覆層を形成する水酸化ニ
ッケルの結晶構造を好適な状態に変化させることができ
るので、被覆Ni活物質の電気化学活性を顕著に向上さ
せることができる。
【0030】上記第2の工程に続く、第3の工程におい
ては、前記被覆Ni活物質を用いて、下記数1で定義さ
れる正極の未反応容量率が16%以下の非焼結ニッケル
正極を作製する。正極の未反応容量率が16%以下の活
物質利用率の高い非焼結ニッケル正極を用いると、ニッ
ケル−金属水素化物蓄電池の性能を顕著に高めることが
できる。ここで、未反応容量率が16%以下の高性能正
極は、第2の工程で作製した導電性及び電解液浸透性に
優れ電気化学的活性の高い被覆Ni活物質粒子を用い、
この活物質粒子をペースト状とし高多孔度の非焼結式基
体に充填することにより実現できる。
【0031】なお、この第3の工程における「正極未反
応容量率が16%以下」の要件は、本発明において常に
必要不可欠な要件ではない。なぜなら、コバルト化合物
被覆層を有しない従来のニッケル活物質を用いた正極の
未反応容量率はおよそ19%以上であり、このことから
して、Co被覆層を有する被覆Ni活物質を用い、未反
応容量率が19%未満の正極と成せば、本発明独自の効
果がそれなりに得られるからである。
【0032】第4の工程においては、上記非焼結ニッケ
ル正極に、水素吸蔵合金電極(金属水素化物負極)と、
アルカリ電解液とを組み合わせて、下記数2で表される
負極充電深度が80%以下に規制されるニッケル−金属
水素化物蓄電池を作製する。
【0033】
【数1】
【0034】
【数2】
【0035】上記数1における電池実働容量は、正極支
配の電池系で測定した値である。また、正極理論容量
は、水酸化ニッケルの充放電反応における価数変化が2
価←→3価とした場合における単位重量当たりの電気容
量289mAh/gを用い、数3によって算出した値で
ある。
【0036】
【数3】
【0037】以上のようにして作製される本発明にかか
るニッケル−金属水素化物蓄電池の特性について更に説
明する。
【0038】上記構成では、未反応容量率が16%以下
の高性能なニッケル正極に対し、負極充電深度を80%
以下に規制できる水素吸蔵合金電極を組み合わせた。負
極充電深度を80%以下に規制した場合、負極余裕容量
が十分に確保されているので、充電時において負極から
解離する水素ガスを少なくできる。よって、水素ガス圧
によって安全弁が作動することがないので、電解液の減
少に起因する電池性能の低下(サイクル特性の低下)を
生じない。つまり、上記構成によれば、電池実働容量を
十分に大きくし、かつ負極からの水素ガスの発生を適正
に抑制することができる。よって、高容量でサイクル寿
命の長い電池が得られる。
【0039】このような本発明構成の意義を、第1図に
基づいて詳細に説明する。第1図は、蓄電池の容量構成
を示す概念図である。第1図において、正極の理論容量
は、水酸化ニッケル未充放電容量(a)と電池実働容量
(b)と水酸化ニッケル未放電容量(c)とを合算した
もので表される。また、負極全容量は、負極余裕容量
(x)と電池実働容量(b)と負極残存容量(y)とを
合算したもので表される。負極全容量のうち負極残存容
量(y)は、水酸化ニッケル未放電容量(c)及びコバ
ルト化合物未放電容量(d)に対応する負極残存容量分
1 と、例えばセパレータの酸化などの正極反応以外の
酸化反応分y2 からなる。
【0040】水酸化ニッケル未充放電容量(a)は、充
電も放電もされない未活用部分であり、水酸化ニッケル
未放電容量(c)及びコバルト化合物未放電容量(d)
は、充電されるが放電されない部分である。但し、コバ
ルト化合物未放電容量(d)は、活物質利用率を高める
目的で配合されたコバルト化合物の充電容量(酸化容
量)を示すものであり、放電に寄与し得ないものである
ので、正極理論容量の算出対象外としてある。
【0041】ここで、本発明にかかる被覆Ni活物質の
被覆層は、アルカリ加熱処理によってコバルトを高次化
してあるので、充電に際し充電電気量の消費が少ない。
また、高次のコバルト化合物からなる被覆層は、導電性
に優れ、かつ結晶構造が乱れているので、電解液に対す
る濡れ性がよい。したがって、この被覆Ni活物質は利
用率が高いので、このような被覆Ni活物質を充填して
なるニッケル正極は未反応容量率が小さい。つまり、本
発明によれば、第1図のa、c、dを縮小させ、bを大
きくできる。より具体的には、本発明によれば、前記数
1で定義される未反応容量率を16%以下とでき、この
ようなニッケル正極は優れて高い電極容量を有する。
【0042】なお、本発明者らは、水酸化ニッケルに対
しコバルト化合物粉末を添加し単に混合してなる活物質
を充填した従来の非焼結式ニッケル正極では、未反応容
量率が19.0%以上であることを確認している。
【0043】ところで、未反応容量率16%以下の高性
能なニッケル正極を、従来の負極と組み合わせて電池を
構成した場合、水酸化ニッケル未充放電容量(a)と水
酸化ニッケル未放電容量(c)とコバルト化合物未放電
容量(d)とが縮小して正極の実働容量(b)が増加す
るが、その分、負極余裕容量xや負極残存容量yが縮小
することになる。そして、このこと自体は、負極性能を
最大限に引き出す方向に作用するので本来的に好ましい
ことである。しかし、本発明にかかる高性能なニッケル
正極と、従来の負極とをそのまま組み合わせた場合、正
極容量と負極容量が接近するため、充電時に負極から解
離する水素の増加を招き、更には負極の僅かな劣化によ
っても電池の正極支配が崩れる。よって、ニッケル正極
の性能の向上が電池性能の向上に結びつかない。
【0044】ここにおいて、本発明では、上記数2で表
される負極充電深度を80%以下となるように規制し
た。負極充電深度を80%以下に規制すると、負極余裕
容量xが十分に確保されているので、充電時に安全弁が
作動する程に負極から大量の水素が解離することがな
い。また、負極劣化が直ちに電池の正極支配の崩壊に繋
がらない。よって、安全弁の作動に起因するサイクル特
性の低下が防止でき、高容量でサイクル寿命に優れたニ
ッケル−金属水素化物蓄電池となすことができる。
【0045】このような本発明ニッケル−金属水素化物
蓄電池においては、更に次のような構成を採用すること
ができる。第3の工程における負極未放電容量として
は、好ましくは電池実働容量の40%以下とし、この場
合においては負極活物質として酸性水溶液で表面処理し
た水素吸蔵合金を用いる。この構成によると、低温放電
特性の低下が抑制できる。その理由は次のようである。
【0046】上述したように、コバルト化合物の平均価
数が2価より大であると、コバルトの充電電気量の消費
量が減少すると共に、被覆Ni活物質の導電性が向上す
る結果、正極における水酸化ニッケル未放電容量c及び
コバルト化合物未放電容量dが減少し、これに対応して
負極残存容量yも減少する。そして、十分な実働放電容
量を取り出すためには、負極残存容量は小さい程好まし
い。ところが、負極活物質である水素吸蔵合金は、低温
での電気化学的反応性が正極のニッケル活物質よりも低
下し易い。したがって、負極残存容量を小さくし過ぎる
と、低温環境下での放電に際し電池が負極支配型とな
り、十分な放電容量が取り出せない(ニッケル正極の性
能を十分に引き出せない)という問題が生じる。
【0047】本発明者らが調べたところ、この種の従来
電池の負極残存容量は、電池実働容量に対し約42%で
あり、負極残存容量が電池実働容量に対して40%以下
である場合において、低温放電特性に問題が生じること
が判った。このことを踏まえ、本発明者らは、水素吸蔵
合金電極の低温放電特性を高める手段を種々検討した。
その結果、前記被覆Ni活物質を充填してなる高性能ニ
ッケル正極に対しては、酸性水溶液で表面処理した水素
吸蔵合金を充填してなる水素吸蔵合金電極を組み合わせ
るのが好ましく、この組み合わせであると負極残存容量
yを電池実働容量bに対し40%以下とした場合であっ
ても、優れた低温放電特性が保持できる。
【0048】具体的には、水素吸蔵合金を酸性水溶液、
より好ましくはpH0.5〜3.5の酸性水溶液で洗浄
し表面処理すると、水素吸蔵合金の電気化学的活性が高
まる。この活性の高い水素吸蔵合金を用い構成した負極
を用いると、電池実働容量bに対する負極残存容量yが
40%以下であっても、低温放電特性が著しく低下しな
いニッケル−金属水素化物蓄電池とできる。つまり、低
温放電特性を犠牲にすることなく、高容量の電池とでき
る。
【0049】なお、酸性水溶液での処理によって、低温
放電特性が高まるのは、粉砕工程等において水素吸蔵合
金表面に形成された酸化物層が、酸性水溶液での洗浄に
より除去され、合金表面に触媒活性な金属単離層(Ni
リッチ層)が形成されるためと考えられる。
【0050】ところで、上記アルカリ金属としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムなどが例示できる。また、酸性水溶液としては、塩
酸、硝酸、フッソ酸、リン酸などの水溶液が例示でき
る。更に、上記水素吸蔵合金としては、希土類系、ジル
コニウム系、マグネシウム系等の水素吸蔵合金が例示で
きる。
【0051】
【実施例】本発明の具体的内容を実験(図2〜図7)に
基づいて説明する。 (正極の作製) コバルト化合物が加熱処理されていない正極 硫酸ニッケル水溶液に、この硫酸ニッケルに対して2モ
ル%の硫酸亜鉛水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液と
を、アンモニア水でpHを調整しながら徐々に加えて、
固溶状態の亜鉛が2モル%添加された水酸化ニッケル粉
末を析出させた。次に、この固溶状態の亜鉛が添加され
た水酸化ニッケル粉末に、硫酸コバルト水溶液と水酸化
ナトリウム水溶液とを添加し、その添加量を調整しつ
つ、pH10で反応させた。これにより、前記水酸化ニ
ッケル粉末の粒子表面に、コバルト化合物層が析出す
る。この際、水酸化ニッケルに対するコバルト化合物の
割合は10モル%とした。その後、水洗、乾燥工程を経
てコバルト化合物が被覆された活物質(被覆粒子)を作
製した。
【0052】次いで、上記活物質100重量部と、0.
2重量部のヒドロキシプロピルセルロースを溶解させた
水溶液50重量部とを混合して活物質スラリーを調製し
た。この後、このスラリーを多孔度95%の発泡体ニッ
ケル(厚み1.6mm)に充填し、乾燥した後、これを
圧延して、6種のニッケル電極(厚み0.6〜0.7m
m)を作製した。これら6個のニッケル電極は、それぞ
れ活物質の充填量が異なっている。このようにして作製
したニッケル電極を、以下、それぞれ正極p1〜p6と
称する。
【0053】コバルト化合物が空気中で加熱処理され
た正極 コバルト化合物が被覆された上記活物質(被覆粒子)
を、空気中で100℃にて加熱処理した。この加熱処理
した活物質を用いて活物質スラリーを調整したこと以外
は、上記の方法と同様にしてニッケル電極を作製し
た。このようにして作製したニッケル電極を、以下、正
極p7と称する。
【0054】コバルト化合物が酸素とアルカリの共存
下で加熱処理された正極 コバルト化合物が被覆された上記活物質(被覆粒子)に
対し、種々濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、し
かる後、酸素ガスの存在下で種々温度にて30分間加熱
処理し、更に水洗、乾燥を行って加熱処理済活物質粒子
(被覆Ni活物質)を得た。この被覆Ni活物質を用い
て活物質スラリーを調整したこと以外は、上記の方法
と同様にして9種のニッケル電極を作製した。このよう
にして作製したニッケル電極を、以下、それぞれ正極p
8〜p16と称する。
【0055】コバルト化合物粉末が単に混合された正
極 固溶状態の亜鉛が2モル%添加された上記水酸化ニッケ
ル粉末90重量部に、水酸化コバルト粉末10重量部を
添加して両者を混合して、ニッケル活物質となしたこと
以外は、上記の方法と同様にしてニッケル正極(比較
正極)を作製した。このようにして作製したニッケル電
極を、以下、正極p17と称する。
【0056】下記表1に、上記正極p1〜p16におけ
る熱処理条件を示す。また、表2に、上記正極p1〜p
6における単位重量当たりの容量及び正極容量を示す。
各正極の容量(極板容量)は、正極とニッケル板からな
る対極と、30重量%のKOH水溶液とで構成した試験
セルに対し、電流120mAで24時間充電した後、1
時間休止し、再び電流400mAhで放電終止電圧が−
0.8V(v.s.ニッケル極)となるまで放電し、この時
の放電容量を測定して、これを正極容量とした。正極の
単位重量当たりの容量は、上記正極容量を正極活物質量
で割った値である。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】(負極の作製) 酸処理しない負極 先ず、市販のミッシュメタル(Mm;La,Ce,N
d,Pr等の希土類元素の混合物)、ニッケル(N
i)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、マン
ガン(Mn)を原料とし、これらが元素比で1:3.4 :
0.8 :0.2 :0.6 の割合となるように秤量し、高周波溶
解炉を用い1000℃で10時間加熱して、組成式Mm
Ni3.4 Co0.8 Al0.2 Mn0.6 の水素吸蔵合金鋳塊
を作製した。
【0060】次に、この合金鋳塊を窒素ガス雰囲気中で
機械的に粉砕して合金粉末とし、この合金粉末を100
メッシュ(目開き:150μm)及び500メッシュ
(目開き:25μm)のフルイを使用して分級し、10
0メッシュから500メッシュの間に分級される合金粉
末を得た。
【0061】次いで、上記の各種合金粉末に、ポリテト
ラフルオロエチレン等の結着剤と、適量の水とを加えて
混合し、水素吸蔵合金ペーストを調製した。この後、水
素吸蔵合金ペーストの量を種々調整しつつ、これをパン
チングメタルの両面に塗布した後、プレスした。このよ
うにして電極容量の異なる6種の水素吸蔵合金電極(厚
み0.4〜0.5mm)を作製した。これらの水素吸蔵
合金電極を、以下、それぞれ負極n1〜n6と称する。
下記表3に各負極の単位重量当たりの容量と負極容量と
を示す。
【0062】
【表3】
【0063】酸処理された負極 水素吸蔵合金粉末に下記に示すような酸処理を施したこ
と以外は、上記と同様にして水素吸蔵合金電極を作製
した。先ず、前記合金粉末を種々pHの酸(合金粉末に
対する割合:100wt%)に浸漬し、pHが7に達す
るまで攪拌型混合機で反応させた。次に、上記溶液を捨
てた後、純水を合金重量当たり100wt%添加し、更
に10分間攪拌型混合機で洗浄した後、この洗浄液を捨
てた。しかる後、真空乾燥することにより、6通りの酸
処理がなされた合金粉末を得た。このようにして作製し
た6通りの水素吸蔵合金電極を、以下、それぞれ負極n
8〜n13と称する。下記表4に6通りの負極の酸処理
時のpHを示す。
【0064】
【表4】
【0065】(電池の作製)上記正極p1〜p16と負
極n1〜n6、n8〜n13とを用い、下記に示す方法
により電池を作製した。先ず、正極と、負極と、ポリオ
レフィン樹脂繊維から成る不織布を主体とするセパレー
タとをそれぞれ所定寸法に切断した後、正極と負極とを
セパレータを介して巻回し、渦巻型の電極体を得た。次
に、この電極体を外装缶に挿入した後、アルカリ電解液
を注液した後、外装缶を密閉した。このようにして、各
種の円筒型ニッケル−水素化物蓄電池を作製した。尚、
各電池に何れの正負極を用いたかを判り易くするため、
後記各実験結果を示す表に電池の種類と電極の種類とが
併記してある。
【0066】(実験1)種々の容量を有する正極p1〜
p6及びp17と、種々の容量を有する負極n1〜n6
とを用いて本発明電池A1〜A3及び比較電池X1〜X
4を作製し、各電池について、正極未反応容量率、負極
充電深度、電池実働容量、電池内圧を調べた。その結果
を下記表5及び図2に示す。 負極充電深度、充電時の
電池内圧、及び電池実働容量の算出、測定方法について
は、以下の通りである。
【0067】(1) 電池実働容量 各電池について、電流120mAで16時間充電した
後、1時間休止し、電流240mAで放電終止電圧1.
0Vになるまで放電した後、1時間休止するというサイ
クルを3サイクル行い、電池を活性化した。そして、3
サイクル目の放電容量を実測し、これを電池実働容量
(電池の初期容量)とした。
【0068】(2) 正極未反応容量率 下記数1に従って算出した。
【0069】
【0070】ここで、電池実働容量は上記(1) で測定し
た値であり、正極理論容量は、活物質である水酸化ニッ
ケルの充放電反応における価数変化が2価←→3価であ
るとし、この時の単位重量当たりの電気容量を289m
Ah/gとして下記数3から算出したものである。
【0071】 正極理論容量=289mAh/g×(正極中の水酸化ニッケル量g)…数3
【0072】(3) 負極充電深度 負極充電深度は、下記数2に従って算出した。
【0073】ここで、負極全容量は、次のようにして測
定した。先ず、水素吸蔵合金粉末1gに、導電剤として
カルボニルニッケル1.2gと結着剤としてポリテトラ
フルオロエチレン粉末0.2gとを加え、混練して合金
ペーストを調製し、この合金ペーストをニッケルメッシ
ュに包みプレス加工して容量測定用電極を作製した。こ
の電極と、この電極より十分大きな容量を持つ非焼結式
ニッケル電極を密閉容器に配置し、電解液として30重
量%のKOHを過剰量入れて、容量測定用電池となし
た。
【0074】次に、この容量測定用電池に対し、電流5
0mAh/gで8時間充電を行った後、1時間休止し、
再び電流50mAh/gで放電終止電圧が1.0Vとな
るまで放電するという条件で充放電して放電容量を測定
した。そして、この放電容量から合金の単位重量当たり
容量を算出し、この単位重量当たり容量を用いて、n1
〜n6、n10〜n13の水素吸蔵合金電極の全容量を
算出した。
【0075】他方、負極残存容量は、次のようにして測
定した。前記(1) 電池実働容量の測定に示したと同様の
条件で電池を活性化した後、30%のKOH水溶液中で
正負極を過放電させ、この時の負極残存容量を測定し
た。過放電条件としては、電流120mAで放電終止負
極電位が−0.3V(v.s.水銀/酸化水銀電極)まで放
電するという条件を採用した。
【0076】(4) 充電時の電池内圧 前記(1) 電池実働容量の測定で示したのと同様の条件で
活性化した電池に対し、電流1200mAで1時間の充
電を行った後に、電池内圧を測定した。
【0077】
【表5】
【0078】上記表5及び図2から、正極未反応容量率
が14.8〜15.4%であり、かつ負極充電深度が8
0%以下の本発明電池A1〜A3では、電池実働容量が
若干小さくなったものの、電池内圧が低かった。これに
対し、本発明電池A1〜A3とほぼ同様の正極未反応容
量率を有し、かつ負極充電深度が80%を超える比較電
池X1〜X3では、電池内圧が高く、特に負極充電深度
が84%を超える比較電池X2、X3では、電池内圧が
高かった。
【0079】これは、本発明電池A1〜A3では、負極
充電深度が80%以下に規制されているため、負極から
の解離水素が少ないのに対し、比較電池X1〜X3では
負極充電深度が高いため多量の解離水素が発生するため
と考えられる。他方、上記A1〜A3及びX1〜X3に
比べ、正極未反応容量率の高い比較電池X4(未反応容
量率19.0%)では、電池内圧が本発明電池A1〜A
3よりも高かった。また、負極充電深度及び電池内圧に
ついてはX1とほぼ同等であったが、電池実働容量につ
いてはX1よりも小さかった。
【0080】この比較電池X4は、コバルト化合物粉末
を単に混合してなるニッケル活物質を用いたものであ
る。このX4において、X1と同等の電池実働容量を確
保しようとすると、正極活物質量を増量しなければなら
ない。なぜなら、X4はX1に比較し正極未反容量率が
大きいからである。ここで、同一サイズ(同一容積)の
電池であれば、正極活物質量を増量した分、負極活物質
量を削減しなければならなくなるが、このように改変し
た電池X4では、当然に元の電池X4よりも負極充電深
度が大きくなる。したがって、電池内圧が大幅に上昇す
る。つまり、正極未反応容量率が19.0%の正極(p
17)用いたのでは、本発明電池A3の如くに電池実働
容量に優れ、且つ電池内圧の上昇の少ない電池が得られ
難い。
【0081】以上から、電池内圧を低い水準に保ち、且
つ電池実働容量の大きい電池となすためには、正極未反
応容量率が19.0%未満、好ましくは16%以下のニ
ッケル正極を用い、かつこのニッケル正極を、負極充電
深度が80%以下となるような水素吸蔵合金負極と組み
合わせる必要がある。
【0082】(実験2)加熱処理を行っていない正極p
4、アルカリを用いないで空気中で加熱処理した正極p
7、及び酸素とアルカリとの共存下で加熱処理(アルカ
リ加熱処理)した正極p10について、活物質の単位重
量当たりの容量を測定したので、その結果を下記表6に
示す。
【0083】単位重量当たりの容量の測定方法は、前記
した方法と同様である。すなわち、各正極とニッケル板
と、30重量%のKOH水溶液とで構成した試験セルに
対し、電流120mAで24時間充電した後、1時間休
止し、再び電流400mAhで放電終止電圧が−0.8
V(v.s.ニッケル極)となるまで放電し、この時の放電
容量を測定し、この放電容量を正極活物質量で割った値
を単位重量当たりの容量とした。
【0084】
【表6】
【0085】上記表6から明らかなように、空気中でア
ルカリを共存させず加熱処理を行った正極p7は単位重
量当たりの容量が178mAh/gと大きく低下してい
ることが認められた。また、加熱処理を行っていない正
極p4では単位重量当たりの容量が226mAh/gで
あった。これに対し、酸素とアルカリとの共存下でアル
カリ加熱処理を行った正極p10では単位重量当たりの
容量が243mAh/gと大きく向上していた。
【0086】この結果から、アルカリ加熱処理により、
正極の水酸化ニッケル未充放電容量a、水酸化ニッケル
未放電容量c(第1図参照)を縮小させることが確認で
きた。そして、上記a、cの縮小は負極残存容量の縮小
に連動するので、電池実働容量が高まり、その結果とし
て高容量の二次電池を得ることができる。
【0087】なお、表6の結果は、次のように考察でき
る。加熱処理を行っていない正極p4では、正極活物質
の主成分である水酸化ニッケルが、初期の充放電反応に
おいて完全に放電できず、また正極活物質の利用率を改
善するために添加しているコバルト化合物が放電に寄与
しないため、それに対応する電気量が負極に蓄積され
る。これに対し、アルカリ加熱処理を行った正極p10
では、このアルカリ加熱処理によって化学的に水酸化ニ
ッケル及びコバルト化合物が酸化(充電と等価)される
ので、その分、初期充放電において充電電気量の損失が
緩和される。更に、このアルカリ加熱処理によりコバル
ト化合物が高次化し、Co被覆層の導電性が高まるの
で、正極活物質(被覆Ni活物質)の利用率が向上す
る。つまり、正極p10は、充放電効率が高いので、そ
の分単位重量当たりの容量が大きくなる。
【0088】その一方、アルカリを共存させず加熱処理
を行った正極p7において、単位重量当たりの容量が大
きく低下したのは、アルカリの存在がないと、結晶性の
高いコバルト化合物が生成し、このようなコバルト化合
物は結晶性の乱れたコバルト化合物に比べ導電性が低い
ためではないかと考えられる。したがって、加熱処理は
酸素とアルカリとの共存下で行うアルカリ加熱処理とす
るのが好ましい。
【0089】(実験3)上記実験2で示したことを確認
すべく、正極p4及びp10を用いた電池A4及びA9
(負極はn4共通)について電池実働容量及び負極残存
容量を測定した。尚、測定は、上記実験1で示した方法
と同様の方法にて行った。その結果、電池実働容量は、
電池A4が1266mAhであるのに対し、電池A9で
は1327mAhであり、電池A9において電池実働容
量が大幅に向上していた。また、負極残存容量は、電池
A4が533mAhであるのに対し、電池A9では32
0mAhであり、電池A9において負極残存容量が大幅
に低減していた(表8参照)。
【0090】この結果からも、上記実験2で示したよう
に、酸素とアルカリとの共存下で加熱処理を行えば、負
極残存容量を低下させることができ、その結果として電
池の高容量化が達成できることが確認できた。
【0091】(実験4)正極p4及びp10で用いた水
酸化ニッケルについて、コバルト化合物の結晶性の違い
を調べた。その結果を、図3に示す。結晶性の違いは、
加熱処理を行わないコバルト化合物(p4)と、酸素と
アルカリとの共存下で加熱処理したアルカリ加熱処理済
のコバルト化合物(p10)をX線回折分析法で比較す
る方法によった。尚、X線回折分析法における諸条件
は、以下の通りである。
【0092】対陰極:Cukα 管電圧:40kV 走査速度:2.00°/分 管電流:30mA
【0093】図3から明らかなように、加熱処理をしな
いコバルトでは高い結晶性が見られたのに対し(図中a
参照)、アルカリ加熱処理を行ったコバルトでは結晶性
が殆ど見られなかった(図中b参照)。
【0094】(実験5)次に、加熱処理をしない正極p
4及び酸素とアルカリとの共存下で加熱処理した正極p
10に用いた活物質の被覆層(水酸化ニッケル表面のコ
バルト化合物)の平均価数を原子吸光法にて測定した。
その結果を下記表7に示す。平均価数の具体的測定方法
は、次の通りである。
【0095】先ず、試料を一定量秤量し、濃塩酸に溶か
し、溶液中のコバルト量を原子吸光法にて定量する。こ
の際、すべてのコバルト(2価コバルト及び3価コバル
ト)は塩酸に溶けるため、この時定量されるコバルト量
は被覆層中に含まれる全コバルト量(2価コバルト及び
3価コバルトの総量)となる。この量をAとする。次
に、別途同じ試料を先と同じ量を秤量し、濃硝酸に溶か
し、溶液を濾過した後、濾液中のコバルト量を原子吸光
法にて定量する。この際、2価のコバルトは硝酸に溶け
るが、3価コバルトは硝酸に溶けないため、濾過により
2価コバルトのみ含む濾液が得られる。よって、この時
定量されるコバルト量は被覆層中に含まれる2価コバル
ト量のみとなる。この量をBとする。そして、各試料の
平均価数を下記数4により算出する。
【0096】 コバルト平均価数=(3A−B)/A …数4
【0097】
【表7】
【0098】上記表7から明らかなように、加熱処理を
しない正極p4ではコバルトの価数が2.0であったの
に対し、酸素とアルカリとの共存下で加熱処理した正極
p10ではコバルトの価数2.9であり、大きく高次化
していることが認められた。本実験5および前記実験4
の結果からして、アルカリ加熱処理した場合、被覆層の
コバルト化合物が化学的に酸化されて、平均価数が2価
より大になると共に、コバルト化合物の結晶性に乱れが
生じる。そして、コバルト化合物のこのような変化に起
因して、前記表8の電池A9に示すような高い電池実働
容量が得られたものと考えられる。
【0099】(実験6)酸素とアルカリとの共存下で加
熱処理する際のアルカリ濃度が異なる電池A7〜A11
を用いて、アルカリ濃度と電池実働容量及び負極残存容
量との関係を調べた。その結果を下記表8及び図4に示
す。尚、電池実働容量及び負極残存容量の測定は上記実
験1に示す方法と同様の方法で行った。
【0100】
【表8】
【0101】表8及び図4から明らかなように、アルカ
リ濃度が15〜40重量%のときに負極残存容量が小さ
くなって、電池実働容量が大きくなっていることが認め
られた。したがって、酸素とアルカリとの共存下で加熱
処理する際のアルカリ濃度は、15〜40重量%である
のが望ましい。
【0102】(実験7)酸素とアルカリとの共存下で加
熱処理する際の温度が異なる電池A9及びA12〜A1
5を用いて、処理温度と電池実働容量及び負極残存容量
との関係を調べた。その結果を下記表9及び図5に示
す。尚、電池実働容量及び負極残存容量の測定は上記実
験1に示す方法と同様の方法で行った。
【0103】
【表9】
【0104】上記表9及び図5から明らかなように、処
理温度が50〜150℃のときに負極残存容量が小さく
なって、電池実働容量が大きくなっていることが認めら
れた。この結果からして、酸素とアルカリとの共存下で
加熱処理する際の処理温度は、50〜150℃であるの
が望ましい。
【0105】(実験8)電池実働容量に対する負極残存
容量の比率が異なる電池A9及びA12〜A15を用い
て、電池実働容量に対する負極残存容量の比率(以下、
負極残存容量率と称する)と低温における放電率(以
下、低温放電率と称する)との関係を調べた。その結果
を下記表10及び図6(図中●で示している)に示す。
低温放電率の算出は、以下のようにして行った。先ず、
前記電池実働容量の測定で示す条件で電池を活性化す
る。次に、電流120mAで16時間充電した後、−1
0℃で1時間休止し、更に電流1200mAで放電終止
電圧1.0Vまで放電する。そして、この放電時の放電
容量の、電池初期容量に対する比率(百分率)を低温放
電率%とした。
【0106】
【表10】
【0107】上記表10及び図6から明らかなように、
負極残存容量率が40%以下の電池A9、A13及びA
14では、低温放電率が大きく低下した。よって、負極
充電深度を低く規定して負極残存容量率を40%以下に
したのでは、常温におけるサイクル特性等は向上する
が、低温放電特性が低下するという問題が生じる。そこ
で、低温放電特性をも改善すべく、下記実験9を行っ
た。
【0108】(実験9)電池A16〜A20(水素吸蔵
合金を酸性水溶液により表面処理した電池)を用いて、
負極残存容量率と低温放電率との関係を調べたので、そ
の結果を下記表11及び図6(図中▲で示している)に
示す。尚、低温放電率の算出は、上記実験8と同様にし
て行った。
【0109】
【表11】
【0110】上記表11及び図6から明らかなように、
酸処理しない水素吸蔵合金負極を用いた電池(●)で
は、負極残存容量率が低下すると、低温放電率が顕著に
低下した。これに対し、酸性水溶液により表面処理した
負極を用いた電池(▲)では、負極残存容量率が40%
以下となっても、低温放電率の低下が少なかった。この
ことから、負極残存容量率を40%以下とし、かつ酸処
理した水素吸蔵合金を用いることにより、常温における
サイクル特性等の向上と共に、低温放電特性をも向上さ
せることができることが判る。
【0111】水素吸蔵合金を酸性水溶液により表面処理
することにより、サイクル特性や低温放電特性を向上さ
せることができるのは、酸処理により合金表面の活性面
が十分に露出し、その結果として、負極の反応性が高ま
るからであると考えられる。
【0112】(実験10)種々のpHで酸処理した水素
吸蔵合金を使用した電池A10及びA22〜A26(前
記表4及び下記表12参照)を用いて、酸処理時のpH
と低温放電率との関係を調べた。その結果を下記表12
及び図7に示す。尚、低温放電率の算出は、上記実験8
と同様にして行った。
【0113】
【表12】
【0114】上記表12及び図7から明らかなように、
酸性水溶液のpHが0.5〜3.5の場合に、高い低温
放電率が得られることが認められた。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、表面にCo被覆層
が形成された水酸化ニッケルを用いた高性能な非焼結式
ニッケル正極(未反応容量率が16%以下)に対し、負
極充電深度が80%以下になる容量を有する水素吸蔵合
金電極とを組み合わせる本発明構成によると、電池実働
容量が大きくかつ電池内圧の上昇の少ないニッケル−金
属水素化物蓄電池が得られる。
【0116】特に、上記Co被覆層を組成するコバルト
化合物の平均価数を2価よりも大にし、負極活物質であ
る水素吸蔵合金を酸性水溶液で表面処理し、更に負極残
存容量を電池実働容量の40%以下とする本発明構成に
よると、電池実働容量、サイクル特性に優れ、更に低温
放電特性にも優れたニッケル−金属水素化物蓄電池が提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池の容量構成を示す説明図である。
【図2】負極充電深度と電池内圧及び電池実働容量との
関係を示すグラフである。
【図3】正極p4及びp10に用いたコバルト化合物の
X線チャート図である。
【図4】アルカリ加熱処理時のアルカリ濃度と電池実働
容量及び負極残存容量との関係を示すグラフである。
【図5】アルカリ加熱処理時の処理温度と電池実働容量
及び負極残存容量との関係を示すグラフである。
【図6】負極残存容量率と低温放電率との関係を示すグ
ラフである。
【図7】酸処理時のpHと低温放電率との関係を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山脇 章史 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニッ
    ケルである母粒子の表面に、コバルト化合物層が形成さ
    れてなる被覆Ni活物質を含む非焼結ニッケル電極と、
    水素を吸蔵放出することのできる水素吸蔵合金を含む金
    属水素化物電極と、アルカリ電解液とで構成されるニッ
    ケル−金属水素化物蓄電池であって、 下記数2で表される初期充放電後における負極充電深度
    が、80%以下に規制されていることを特徴とするニッ
    ケル−金属水素化物蓄電池。 【数2】
  2. 【請求項2】 水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニッ
    ケルである母粒子の表面に、コバルト化合物層が形成さ
    れてなる被覆Ni活物質を含む非焼結ニッケル電極と、
    水素を吸蔵放出することのできる水素吸蔵合金を含む金
    属水素化物電極と、アルカリ電解液とで構成されるニッ
    ケル−金属水素化物蓄電池であって、 下記数1で表される初期充放電後における正極未反応容
    量率が16%以下であり、かつ下記数2で表される初期
    充放電後における負極充電深度が80%以下に規制され
    ていることを特徴とするニッケル−金属水素化物蓄電
    池。 【数1】 【数2】
  3. 【請求項3】 前記コバルト化合物層のコバルト化合物
    の平均価数が、2価よりも大きいことを特徴とする請求
    項1または2記載のニッケル−金属水素化物蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記数2における負極残存容量が、電池
    実働容量の40%以下であり、かつ前記水素吸蔵合金
    が、酸性水溶液により表面処理した水素吸蔵合金である
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載のニッケル−金属
    水素化物蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記表面処理した水素吸蔵合金が、pH
    が0.5以上、3.5以下の酸性水溶液で洗浄して表面
    処理したものであることを特徴とする請求項4記載のニ
    ッケル−金属水素化物蓄電池。
  6. 【請求項6】 水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニッ
    ケルである母粒子を、コバルト化合物を含有する溶液に
    分散し、この分散液にアルカリ溶液を注加して分散液p
    Hを調整することによりコバルト化合物を析出させ、前
    記母粒子をコバルト化合物で被覆して被覆粒子となす第
    1の工程と、 上記被覆粒子にアルカリ金属溶液を含浸し、酸素存在下
    で加熱処理して被覆Ni活物質となす第2の工程と、 第2の工程で加熱処理した被覆Ni活物質を用いて、下
    記数1で表される正極未反応容量率が16%以下の非焼
    結ニッケル正極を作製する第3の工程と、 上記非焼結ニッケル正極と、水素吸蔵合金の充填された
    金属水素化物負極と、アルカリ電解液とを用いて、下記
    数2で表される初期充放電後における負極充電深度が、
    80%以下に規制されたニッケル−金属水素化物蓄電池
    を作製する第4の工程を備えるニッケル−金属水素化物
    蓄電池の製造方法。 【数1】 【数2】
  7. 【請求項7】 前記第2の工程の加熱処理が、コバルト
    化合物層を形成するコバルト化合物の平均価数を2価よ
    りも大きくすることを内容とする、請求項6記載のニッ
    ケル−金属水素化物蓄電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の工程におけるアルカリ金属溶
    液のアルカリ濃度が、15〜40wt%である、請求項
    6または7記載のニッケル−金属水素化物蓄電池の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程における加熱処理温度
    が、50〜150℃である、請求項6乃至8記載のニッ
    ケル−金属水素化物蓄電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記数2における負極残存容量が、電
    池実働容量の40%以下である場合においては、前記水
    素吸蔵合金として、酸性水溶液により表面処理した水素
    吸蔵合金を使用することを特徴とする、請求項6乃至9
    記載のニッケル−金属水素化物蓄電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記酸性水溶液のpH値が、0.5〜
    3.5である、請求項10記載のニッケル−金属水素化
    物蓄電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009231259A (ja) * 2008-02-25 2009-10-08 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池
JP2018056113A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 プライムアースEvエナジー株式会社 ニッケル水素蓄電池

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