JP3249366B2 - アルカリ蓄電池用のペースト式ニッケル極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用のペースト式ニッケル極

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JP3249366B2 JP32397995A JP32397995A JP3249366B2 JP 3249366 B2 JP3249366 B2 JP 3249366B2 JP 32397995 A JP32397995 A JP 32397995A JP 32397995 A JP32397995 A JP 32397995A JP 3249366 B2 JP3249366 B2 JP 3249366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
のペースト式ニッケル極に係わり、詳しくは、充放電サ
イクルの長期にわたって高い導電性を保持し得るペース
ト式ニッケル極を提供することを目的とした、活物質の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
アルカリ蓄電池用のニッケル極としては、ニッケル粉末
を穿孔鋼板等に焼結させて得た焼結基板に活物質(水酸
化ニッケル)を含浸させてなる焼結式ニッケル極がよく
知られている。
【0003】焼結式ニッケル極において活物質の充填密
度を大きくするためには、多孔度の大きい焼結基板を用
いる必要がある。しかし、焼結によるニッケル粒子間の
結合は弱く、焼結基板の多孔度を大きくするとニッケル
粉末が焼結基板から脱落し易くなる。従って、実用上
は、焼結基板の多孔度を80%より大きくすることがで
きず、それゆえ焼結式ニッケル極には、活物質の充填密
度が小さいという問題がある。また、ニッケル粉末の焼
結体の孔径は10μm以下と小さいため、活物質の基板
(焼結体)への充填を、煩雑な含浸工程を数回繰り返し
行う必要がある溶液含浸法により行わなければならない
という問題もある。
【0004】このようなことから、最近、ペースト式ニ
ッケル極が提案されている。ペースト式ニッケル極は、
活物質(水酸化ニッケル)と結合剤溶液(メチルセルロ
ース水溶液など)との混練物(ペースト)を多孔度の大
きい基板(発泡メタルなど)に直接充填することにより
作製される。ペースト式ニッケル極では、多孔度の大き
い基板を用いることができるので(ペースト式ニッケル
極では多孔度が95%以上の基板を用いることができ
る)、活物質の充填密度を大きくすることができるとと
もに、活物質の基板への充填を一回的に行うことができ
る。
【0005】しかしながら、ペースト式ニッケル極にお
いて活物質の充填密度を大きくするべく多孔度の大きい
基板を用いると、基板の集電能力が焼結基板に比べて悪
くなるので、焼結式ニッケル極に比べて、導電性が悪く
なる。斯かる導電性の悪さは、活物質利用率の低下及び
充放電サイクル寿命の短命化を招く。
【0006】そこで、斯かるペースト式ニッケル極の導
電性を改良するべく、格子面(101)面のX線回折ピ
ークの半価幅が0.8度以上の水酸化ニッケル粉末(活
物質)に、金属コバルト、又は、水酸化コバルト、一酸
化コバルト等のコバルトの平均価数が2以下のコバルト
化合物を添加することが提案されている(特開平4−3
28257号)。
【0007】しかしながら、このペースト式ニッケル極
では、当初水酸化ニッケル粒子の表面に存在していたコ
バルトが充放電サイクルを重ねるうちに粒子内部に拡散
して、極板の導電性が低下してしまうので、充放電サイ
クル寿命の充分長いアルカリ蓄電池は得られないことが
分かった。
【0008】本発明は、従来のペースト式ニッケル極が
有する上述の問題を解決するべくなされたものであっ
て、その目的とするところは、充放電サイクルの長期に
わたって高い導電性を維持することができる、アルカリ
蓄電池用のペースト式ニッケル極を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るアルカリ蓄電池用のペースト式ニッケル
極(本発明電極)は、格子面(101)面のX線回折ピ
ークの半価幅が0.35〜0.7度の水酸化ニッケル粒
子の表面に、コバルトの平均価数が2より大、且つ3以
下のコバルト化合物からなる被覆層を形成してなる複合
体粒子からなる粉末を活物質とする。
【0010】本発明電極においては、水酸化ニッケル粒
子として、格子面(101)面のX線回折ピークの半価
幅が0.35〜0.7度の水酸化ニッケル粒子が用いら
れる。水酸化ニッケル粒子の格子面(101)面のX線
回折ピークの半価幅が0.35度未満の場合(水酸化ニ
ッケル粒子の結晶性が高すぎる場合)は、充放電時のプ
ロトンの拡散速度が小さくなるので、活物質利用率が低
下するとともに、充放電サイクル寿命が短くなる。一
方、同半価幅が0.7度を越えた場合(水酸化ニッケル
粒子の結晶性が低すぎる場合)は、水酸化ニッケル粒子
の表面を被覆するコバルトの粒子内部への拡散が起こり
易くなるので、水酸化ニッケル粒子の表面の導電性が低
下し、その結果活物質利用率が低下するとともに、充放
電サイクル寿命が短くなる。
【0011】本発明電極においては、水酸化ニッケル粒
子を被覆するコバルト化合物として、コバルトの平均価
数が2より大、且つ3以下のコバルト化合物が用いられ
る。コバルトの平均価数が2の場合(水酸化コバルトの
場合)は、充分に極板の導電性を高めることができな
い。なお、コバルトの平均価数が3以下に規制されるの
は、コバルトの平均価数が3より大きいコバルト化合物
が存在しないからである。活物質利用率を高める上で、
コバルトの平均価数が2.5〜2.93のコバルト化合
物で被覆することが好ましい。
【0012】格子面(101)面のX線回折ピークの半
価幅が0.35〜0.7度の水酸化ニッケル粒子は、例
えば、硫酸ニッケル水溶液と、アンモニア水とを反応容
器内の水に加え、液のpHをアルカリ水溶液を添加して
調整した後、所定時間攪拌混合することにより沈殿物と
して得られる。反応時の液のpHを高く保持するほど、
格子面(101)面のX線回折ピークの半価幅が大き
い、すなわち結晶性の低い水酸化ニッケル粒子が得られ
る。なお、本発明における水酸化ニッケル粒子には、格
子面(101)面のX線回折ピークの半価幅が0.35
〜0.7度の水酸化ニッケルに、コバルト、亜鉛、カド
ミウム、カルシウム、マンガン、マグネシウムなどが固
溶した固溶体粒子も含まれる。
【0013】水酸化ニッケル粒子表面への被覆層の形成
は、例えば水酸化ニッケル粉末と水酸化コバルト粉末と
を混合し、これにアルカリ水溶液を添加した後、所定温
度で、所定時間加熱処理する方法により行われる。水酸
化コバルト粉末に代えて、一酸化コバルト粉末又は金属
コバルト粉末を用いてもよい。アルカリ水溶液の濃度、
加熱処理時間又は加熱処理温度を調節することにより、
コバルト化合物のコバルトの平均価数を2より大、且つ
3以下の範囲に調整することができる。アルカリ水溶液
の濃度が高いほど、加熱処理温度が高いほど、また加熱
処理時間が長いほど、コバルトの平均価数が大きい被覆
層が形成される。上記の方法の他、被覆層は、水酸化ニ
ッケル粉末をコバルト塩水溶液に投入し、アルカリを添
加して、水酸化ニッケル粒子の表面に水酸化コバルトを
析出させる方法によっても形成することができる。
【0014】コバルトの平均価数が2より大、且つ3以
下のコバルト化合物としては、水酸化コバルト(コバル
トの価数:2)とオキシ水酸化コバルト(コバルトの価
数:3)との種々の割合の混合物及びオキシ水酸化コバ
ルトが挙げられる。
【0015】被覆層中のコバルトの複合体粒子に対する
重量比率は、1〜10%が好ましい。この重量比率が1
%未満の場合は、導電性が充分でないために、活物質利
用率が低くなるとともに、電池容量が減少し、一方この
重量比率が10%を超えた場合は、電池容量に直接関係
する水酸化ニッケルの量が少なくなるため、電池容量が
減少するからである。
【0016】本発明電極は、適度の結晶性を有する水酸
化ニッケル粒子(格子面(101)面のX線回折ピーク
の半価幅が0.35〜0.7度の水酸化ニッケル粒子)
の表面を、優れた導電性を有するコバルト化合物(コバ
ルトの平均価数が2より大、且つ3以下のコバルト化合
物)で被覆してなる複合体粒子を活物質とするので、充
放電サイクル初期の優れた導電性が長期にわたって維持
される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、ニッケル−カドミウム
蓄電池、ニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池の
正極として使用されるペースト式ニッケル極に、広く適
用可能である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することが可能なものである。
【0019】(実施例1〜4) 〔水酸化ニッケル粉末の作製〕30重量%硫酸ニッケル
水溶液1リットルと、5重量%アンモニア水0.1リッ
トルとを、水槽中の35°Cに保持した水に添加し、攪
拌しながら20重量%水酸化ナトリウム水溶液にて液の
pHを10.5、11.0、11.25又は11.5に
調整した後、1時間攪拌を続けた。このときのpHの監
視は自動温度補償付きガラス電極pHメータにて行っ
た。次いで、生成した沈殿物をろ別し、水洗し、真空乾
燥して、4種の水酸化ニッケル粉末を得た。次いで、各
水酸化ニッケル粉末の格子面(101)面のX線回折ピ
ークの半価幅を、下記の条件のX線回折によるX線回折
図より求めたところ、順に0.35度(pH10.
5)、0.5度(pH11.0)、0.6度(pH1
1.25)、0.7度(pH11.5)であった。
【0020】〈X線回折の条件〉 対陰極 Cu フィルタ Ni 管電圧 40kV 走査速度 2.00°/分 管電流 100mA 発散スリット 1°
【0021】〔複合体粒子粉末の作製〕上記の各水酸化
ニッケル粉末92重量部と水酸化コバルト粉末8重量部
との混合粉末に、40重量%水酸化ナトリウム水溶液5
0重量部を添加し、これを80°Cに48分間加熱保持
した後、水洗し、真空乾燥して、各水酸化ニッケル粉末
の粒子表面にコバルト化合物からなる被覆層を形成し
て、複合体粒子粉末を作製した。
【0022】次いで、上記の各複合体粒子粉末の被覆層
(コバルト化合物)のコバルトの平均価数を下記に示す
方法により求めたところ、いずれも2.93であった。
【0023】〈コバルトの平均価数の求め方〉試料を一
定量秤取し、濃塩酸に溶かし、溶液中のコバルト量を原
子吸光法にて定量する。このとき定量されるコバルト量
は被覆層中に含まれる全コバルト量(2価コバルト及び
3価コバルトの総量)Aである。次に、別途同じ試料を
先と同じ量秤取し、濃硝酸に溶かし、溶液をろ過する。
3価コバルトは硝酸に溶けないため、ろ過により2価コ
バルトのみを含むろ液が得られる。このろ液中のコバル
ト量を原子吸光法にて定量する。このとき定量されるコ
バルト量は被覆層中に含まれる2価コバルトの量Bであ
る。各試料のコバルトの平均価数を下式より算出する。
【0024】コバルトの平均価数=3−B/A
【0025】〔ペースト式ニッケル極の作製〕上記の各
複合体粒子粉末100重量部と、1重量%メチルセルロ
ース水溶液20重量部とを混練してペーストを調製し、
このペーストをニッケルめっきした発泡メタル(多孔度
95%、平均孔径200μm)からなる多孔体(基板)
に充填し、乾燥し、成形して、ペースト式ニッケル極を
作製した。
【0026】〔アルカリ蓄電池の作製〕上記の各ペース
ト式ニッケル極(正極)、正極に比べて電気化学的容量
が大きい公知のペースト式カドミウム極(負極)、ポリ
アミド不織布(セパレータ)、30重量%水酸化カリウ
ム水溶液(アルカリ電解液)、金属製の電池缶、金属製
の電池蓋などを用いて、AAサイズのアルカリ蓄電池
(電池容量:約700mAh)A1〜A4を作製した。
【0027】(比較例1)水酸化ニッケル粉末を作製す
る際に液のpHを10に保持したこと以外は実施例1〜
4と同様にして、複合体粒子粉末を作製した。水酸化ニ
ッケル粉末の格子面(101)面の半価幅は0.30で
あった。次いで、この複合体粒子粉末を正極活物質とし
て用いたこと以外は実施例1〜4と同様にして、AAサ
イズのアルカリ蓄電池B1を作製した。
【0028】(比較例2)水酸化ニッケル粉末を作製す
る際に液のpHを12に保持したこと以外は実施例1〜
4と同様にして、複合体粒子粉末を作製した。水酸化ニ
ッケル粉末の格子面(101)面の半価幅は0.80で
あった。次いで、この複合体粒子粉末を正極活物質とし
て用いたこと以外は実施例1〜4と同様にして、AAサ
イズのアルカリ蓄電池B2を作製した。
【0029】(比較例3〜9)実施例1〜4と同様にし
て作製した格子面(101)面のX線回折ピークの半価
幅が0.35、0.5、0.6、0.7、0.8(作製
時のpH12)、0.9(作製時のpH12.5)、
1.0(作製時のpH13)の各水酸化ニッケル粉末9
3.6重量部と、一酸化コバルト粉末6.4重量部と、
1重量%メチルセルロース水溶液20重量部とを混練し
てペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきし
た発泡メタル(多孔度95%、平均孔径200μm)か
らなる多孔体(基板)に充填し、乾燥し、成形して、ペ
ースト式ニッケル極を作製した。これらの各ペースト式
ニッケル極を正極として用いたこと以外は実施例1〜4
と同様にして、AAサイズのアルカリ蓄電池B3〜B9
を作製した。なお、電池B7〜B9は特開平4−328
257に開示の従来電池である。
【0030】〈各電池に使用したペースト式ニッケル極
の活物質利用率及び各電池の充放電サイクル寿命〉実施
例1〜4及び比較例1〜9で作製した各電池について、
25°Cにて0.1Cで160%充電した後、25°C
にて1Cで1.0Vまで放電する工程を1サイクルとす
る充放電サイクル試験を行い、各電池に使用したペース
ト式ニッケル極の10サイクル目の活物質利用率及び各
電池の充放電サイクル寿命を求めた。活物質利用率は、
下式に基づいて算出した。
【0031】活物質利用率(%)={10サイクル目の
放電容量(mAh)/(水酸化ニッケル量(g)×28
8(mAh/g)}×100
【0032】また、充放電サイクル寿命は、放電容量が
10サイクル目の放電容量の80%になるまでの充放電
サイクル数(回)で評価した。各電池に使用したペース
ト式ニッケル極の10サイクル目の活物質利用率及び各
電池の充放電サイクル寿命を表1に示す。活物質利用率
は、電池A2に使用したペースト式ニッケル極の10サ
イクル目の活物質利用率を100としたときの指数で示
してある。また、表1には、被覆層中のコバルトの複合
体粒子に対する重量比率(%)、コバルト化合物のコバ
ルトの平均価数及び水酸化ニッケル粒子の半価幅(度)
も示してある。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、電池A1〜A4は、ペ
ースト式ニッケル極の活物質利用率が高く、充放電サイ
クル寿命が長いのに対して、水酸化ニッケル粒子の格子
面(101)面のX線回折ピークの半価幅が本発明の規
制範囲を外れる電池B1,B2は、ペースト式ニッケル
極の活物質利用率は高いものの、充放電サイクル寿命が
短い。この事実から、正極の活物質利用率が高く、且つ
充放電サイクル寿命が長いアルカリ蓄電池を得るために
は、水酸化ニッケル粒子として、格子面(101)面の
X線回折ピークの半価幅が0.35〜0.7度のものを
用いる必要があることが分かる。なお、水酸化ニッケル
粒子の半価幅が0.8度以上の電池B7〜B9は、同半
価幅が0.35〜0.7度の電池B3〜B6に比べて、
ペースト式ニッケル極の活物質利用率が高く、充放電サ
イクル寿命が長いものの、電池A1〜A4に比べると、
ペースト式ニッケル極の活物質利用率が低く、充放電サ
イクル寿命が短い。
【0035】〔コバルト化合物のコバルトの平均価数と
活物質利用率の関係〕実施例2と同様にして作製した格
子面(101)面のX線回折ピークの半価幅が0.5の
水酸化ニッケル粒子の表面に、被覆層を形成する際の加
熱処理時間を2〜55分の間で変えたこと以外は実施例
2と同様にしてコバルトの平均価数が順に2.0、2.
1、2.2、2.3、2.4、2.45、2.5、2.
6、2.7、2.8、2.9、2.93、3.0のコバ
ルト化合物からなる被覆層を形成して、13種の複合体
粒子粉末を作製した(各被覆層中に含まれるコバルトの
複合体粒子に対する重量比率は、いずれも5%であ
る)。次いで、各複合体粒子粉末をペースト式ニッケル
極の活物質として使用して、AAサイズのアルカリ蓄電
池を作製した。
【0036】上記の各電池について、先と同じ条件の充
放電サイクル試験を行い、各電池に使用したペースト式
ニッケル極の10サイクル目の活物質利用率を求めた。
結果を図1に示す。図1は、コバルト化合物のコバルト
の平均価数と活物質利用率の関係を、縦軸に活物質利用
率を、横軸にコバルトの平均価数を、それぞれとって示
したグラフである。縦軸の活物質利用率は、コバルトの
平均価数が2.7のペースト式ニッケル極の10サイク
ル目の活物質利用率を100としたときの指数で示して
ある。
【0037】図1に示すように、コバルトの平均価数が
2より大きい電池は、コバルトの平均価数が2の電池に
比べて、ペースト式ニッケル極の活物質利用率が格段高
い。この事実から、活物質利用率が高いペースト式ニッ
ケル極を得るためには、コバルトの平均価数が2より大
きいコバルト化合物で水酸化ニッケル粒子を被覆して得
た複合体粒子を用いる必要があることが分かる。また、
図1より、コバルトの平均価数が2.5〜2.93のコ
バルト化合物で水酸化ニッケル粒子を被覆して得た複合
体粒子粉末を用いることが好ましいことが分かる。
【0038】〔被覆層中のコバルトの複合体粒子に対す
る重量比率と活物質利用率及び電池容量の関係〕実施例
2と同様にして作製した格子面(101)面のX線回折
ピークの半価幅が0.5の水酸化ニッケル粒子の表面に
被覆層を形成する際の水酸化コバルトの使用量を変化さ
せたこと以外は実施例2と同様にしてコバルトの平均価
数が2.93のコバルト化合物からなる種々の厚みの被
覆層を形成して、被覆層中のコバルトの前記複合体粒子
に対する重量比率が0.5%、1%、5%、7.5%、
10%、11%と異なる6種の複合体粒子粉末を作製し
た。次いで、各複合体粒子粉末を活物質として使用し
て、ペースト式ニッケル極及びAAサイズのアルカリ蓄
電池を作製した。
【0039】上記の各電池について、先と同じ条件の充
放電サイクル試験を行い、各電池に使用したペースト式
ニッケル極の10サイクル目の活物質利用率及び各電池
の10サイクル目の電池容量を求めた。結果を、それぞ
れ図2及び図3に示す。図2は、被覆層中のコバルトの
複合体粒子に対する重量比率と活物質利用率の関係を、
縦軸に活物質利用率を、横軸に重量比率(%)を、それ
ぞれとって示したグラフであり、また図3は、上記重量
比率と電池容量の関係を、縦軸に活物質利用率(%)
を、横軸に電池容量を、それぞれとって示したグラフで
ある。なお、図2の縦軸の活物質利用率及び図3の縦軸
の電池容量は、それぞれコバルトの複合体粒子に対する
重量比率が5%の電池の10サイクル目の活物質利用率
及び電池容量を100としたときの指数で示してある。
【0040】図2より、被覆層中のコバルトの複合体粒
子に対する重量比率が1%以上の場合に、活物質利用率
が高いものが得られることが分かる。また、図3より、
被覆層中のコバルトの複合体粒子に対する重量比率が1
〜10%の場合に、大きな電池容量を有するものが得ら
れることが分かる。これらの結果から、被覆層中のコバ
ルトの複合体粒子に対する重量比率が1〜10%の範囲
になるように、被覆層を形成することが好ましいことが
分かる。
【0041】
【発明の効果】本発明電極は、充放電サイクル初期の優
れた導電性が長期にわたって維持されるので、これを正
極として用いることにより、正極の活物質利用率が高
い、充放電サイクル寿命が長いアルカリ蓄電池を得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コバルト化合物のコバルトの平均価数と活物質
利用率の関係を示すグラフである。
【図2】被覆層中のコバルトの複合体粒子に対する重量
比率と活物質利用率の関係を示すグラフである。
【図3】被覆層中のコバルトの複合体粒子に対する重量
比率と電池容量の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 浩志 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 矢野 睦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 野上 光造 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−73877(JP,A) 特開 平7−94182(JP,A) 特開 平7−169466(JP,A) 特開 平4−129171(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/24 - 4/62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】格子面(101)面のX線回折ピークの半
    価幅が0.35〜0.7度の水酸化ニッケル粒子の表面
    に、コバルトの平均価数が2より大、且つ3以下のコバ
    ルト化合物からなる被覆層を形成してなる複合体粒子か
    らなる粉末を活物質とするアルカリ蓄電池用のペースト
    式ニッケル極。
  2. 【請求項2】前記コバルト化合物が、水酸化コバルトと
    オキシ水酸化コバルトとの混合物又はオキシ水酸化コバ
    ルトである請求項1記載のアルカリ蓄電池用のペースト
    式ニッケル極。
  3. 【請求項3】前記コバルト化合物のコバルトの平均価数
    が、特に、2.5〜2.93である請求項1記載のアル
    カリ蓄電池用のペースト式ニッケル極。
  4. 【請求項4】前記被覆層中のコバルトの前記複合体粒子
    に対する重量比率が、1〜10%である請求項1記載の
    アルカリ蓄電池用のペースト式ニッケル極。
JP32397995A 1995-11-17 1995-11-17 アルカリ蓄電池用のペースト式ニッケル極 Expired - Lifetime JP3249366B2 (ja)

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