JPH0820720B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH0820720B2
JPH0820720B2 JP62023687A JP2368787A JPH0820720B2 JP H0820720 B2 JPH0820720 B2 JP H0820720B2 JP 62023687 A JP62023687 A JP 62023687A JP 2368787 A JP2368787 A JP 2368787A JP H0820720 B2 JPH0820720 B2 JP H0820720B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱現像を用いた画像形成方法に関し、特に現
像、色素転写後の感光要素と色素固定要素との剥離性が
改良された画像形成方法に関する。
(先行技術とその問題点) 本発明の画像形成方法は、画像状に拡散性の色素を生
成又は放出後拡散させ、その後固定させる方法であり、
この画像形成方法には室温付近の温度で現像液を使用し
て現像するもの〔カラー拡散転写方式〕(例えばベルギ
ー特許757,959号に記載のもの)、実質上水分のない状
態で熱現像をするもの〔熱現像方式〕(例えば欧州特許
76492A2や特開昭58-79247号、同59-218443号、同61-238
056号等に記載のもの)など種々の形態があるが、本発
明は熱現像方式に関するものである。
熱現像方式に用いられる熱現像感光材料はこの技術分
野では公知であり熱現像感光材料とそのプロセスについ
ては、たとえば「写真工学の基礎」非銀塩写真編(1982
年コロナ社発行)の242頁〜255頁、1978年4月発行映像
情報40頁、ネブレッツのハンドブック オブ フォトグ
ラフィ アンド レプログラフィ(Nebletts Handbook
of Photography and Reprography)第7版(7th Ed.)
ファン ノストランド ラインホールド カンパニー
(Van Nostrand Reinhold Company)の32〜33頁、米国
特許第3,152,904号、同第3,301,678号、同第3,392,020
号、同第3,457,075号、英国特許第1,131,108号、同第1,
167,777号および、リサーチディスクロージャー誌1978
年6月号9〜15頁(RD-17029)に記載されている。
熱現像で色画像(カラー画像)を得る方法について
は、多くの方法が提案されている。現像薬の酸化体とカ
プラーとの結合により色画像を形成する方法について
は、米国特許3,531,286号ではp−フェニレンジアミン
類還元剤とフェノール性または活性メチレンカプラー
が、米国特許第3,761,270号ではp−アミノフェノール
系還元剤が、ベルギー特許第802,519号およびリサーチ
ディスクロージャー誌1975年9月31、32頁では、スルホ
ンアミドフェノール系還元剤が、また米国特許第4,021,
240号では、スルホンアミドフェノール系還元剤と4当
量カプラーとの組み合せが提案されている。
しかし、このような方法においては、熱現像後露光部
分に還元銀の像と色画像とが同時に生ずるため、色画像
が濁るという欠点があった。
この欠点を解決する方法として、銀像を液体処理によ
り取りのぞくか、色素のみを他の層、たとえば受像層を
有するシートに転写する方法があるが、未反応物と色素
とを区別して色素のみを転写することは容易ではないと
いう欠点を有する。
さらに、以上の諸方法では一般に現像に比較的長時間
を要し、得られた画像も高いカブリと低い濃度しか得ら
れないという欠点を有していた。
これらの欠点を改善するため、加熱により画像状に可
動性の色素を放出させ、この可動性の色素を、水などの
溶媒によって媒染剤を有する色素固定要素に転写する方
法、高沸点有機溶剤により色素固定要素に転写する方
法、色素固定要素に内蔵させた親水性熱溶剤により色素
固定要素に転写する方法、可動性の色素が熱拡散性また
は昇華性であり支持体等の色素受容材料に転写する方法
などが提案されている(米国特許第4,463,079号、同第
4,474,867号、同第4,478,927号、同第4,507,380号、同
第4,500,626号、同第4,483,914号;特開昭58-149046
号、同58-149047号、同59-152440号、同59-154445号、
同59-165054号、同59-180548号、同59-168439号、同59-
174832号、同59-174833号、同59-174834号、同59-17483
5号など)。
これらの熱現像処理する画像形成方法では色素を移動
後、感光要素と色素固定要素とを剥離させる必要があ
る。したがって色素固定要素の表面性状として可動性色
素の移動が充分行なわれる程度に感光要素と密着し、か
つ色素の移動を妨げず、また転写後の剥離も滑らかに行
うことができ、かつ剥離に際して色素固定要素の表面が
荒れないというような性質が要求される。
剥離を滑らかに行なうことを可能にする手段のひとつ
として感光要素および/または色素固定要素の塗布膜の
硬膜の程度を高くするという方法があるが、この方法に
よればある程度の剥離の滑らかさの改良効果が得られる
ものの、色素の拡散が妨害され転写が生じにくくなると
いう問題がある。
また、例えば米国特許第4,500,626号、特開昭59-2184
43号、同61-238056号に記載されているように感光要素
および/または色素固定要素に水を供給する工程を経て
加熱現像または加熱下での色素転写を行なう場合には特
に感光要素と色素固定要素の接着が生じ易く剥離が困難
になるが、この場合において硬膜の程度を高くすると供
給した水が塗布膜に完全に浸み込むに必要な時間が長く
なり、結果として画像形成処理を短時間で行なうことが
できなくなる。更に感光材料または色素固定材料をシー
ト状にて供給、搬送する場合、特に高湿下において接着
故障あるいは滑り不良による給紙不能、搬送不能という
故障を起す。
したがって、本発明の目的は感光要素と色素固定要素
とを接触させて熱現像、色素転写した後の剥離性を改良
し、剥離後の色素固定要素を含む部分の表面の膜面が荒
れないような画像形成方法を提供することであり、また
色素の転写性を劣化させずに画質および画面のすぐれた
カラー画像を簡単に得る方法を提供することである。
更に、本発明の他の目的は、短時間で感光要素から色
素固定要素に拡散性色素の転写ができ、色素転写後の感
光要素と色素固定要素との剥離性が改良された画像形成
方法を提供することにある。
更に本発明の他の目的は、感光材料または色素固定材
料の給紙性、搬送性を改良することにある。
(問題を解決するための手段) このような目的は下記の本発明によって達成される。
感光層中に少なくとも感光性ハロゲン化銀、親水性バ
インダーおよび拡散性色素を生成または放出する色素供
与性物質を含有する感光要素を像様露光後または像様露
光と同時に熱現像し、生成または放出した拡散性色素を
色素固定要素の色素固定層に転写し、感光要素と色素固
定要素とを剥離する画像形成方法において、感光層と色
素固定層との間に存在しかつ感光要素と色素固定要素の
剥離後表面層を形成する非感光層の少なくとも一層に、
変性および/または未変性のシリコーンオイルを乳化分
散して含有することを特徴とする画像形成方法。
以下、本発明の具体的構成について、詳細に説明す
る。
本発明の画像形成方法においては、感光要素を像様露
光後または像様露光と同時に熱現像し、生成または放出
した拡散性色素を色素固定要素の色素固定層に移す。
本発明に用いられる感光要素と色素固定要素はそれぞ
れ別個の支持体上に塗設されてもよいし、また同一の支
持体上に塗設されてもよい。また変性および/または未
変性のシリコーンオイルを含有せしめる層としては、上
記転写時に色素固定層と感光層の間に存在し、かつ剥離
後表面層を形成する非感光性層の少なくとも一層であ
る。
本発明において、転写時に色素固定層と感光層の間に
存在し、かつ剥離後表面層を形成する非感光性層として
は、感光要素と色素固定要素とがそれぞれ別個の支持体
上に塗設されている場合には、感光要素の表面保護層や
色素固定要素の表面保護層もしくはその両方が挙げられ
る。また、感光要素と色素固定要素が同一支持体上に塗
設されている場合には、感光層と色素固定層の間に設け
られる剥離層が挙げられる。
更に、上記感光要素の表面保護層および色素固定要素
の表面保護層はそれぞれ1層又は2層以上であってもよ
い。2層以上の場合、変性および/または未変性のシリ
コーンオイルは表面保護層の少なくとも最上層に含有さ
れる。
好ましくは、変性および/または未変性のシリコーン
オイルは色素固定要素の表面保護層または色素固定要素
の剥離層に含有される。本発明の剥離性改良効果は感光
要素と色素固定要素が別々の支持体上に塗設されている
場合の方がより大きな効果が得られる。
本発明に用いる変性および/または未変性のシリコー
ンオイルとしてはジメチルシリコーンオイルからジメチ
ルシロキサンに各種の有機基を導入した変性シリコーン
オイルまで全てのシリコーンオイルを挙げることができ
る。
本発明に使用される特に好ましいシリコーンオイルは
下記一般式〔I〕で表わされる。
一般式〔I〕 一般式〔I〕は次の一般式〔I−1〕で示されるシロ
キサンユニットと次の一般式〔I−2〕で示される末端
基とを有する直鎖状シロキサンを包含する。
一般式〔I−1〕 一般式〔I−2〕 式中、R1は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アルコ
キシ基、置換アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
又は置換アルコキシカルボニル基を表わす、lは0もし
くは1以上の数、mは1以上の数、l+mは1から1000
の数を表わす。
一般式〔I〕においてR1は同一種類であっても二種類
以上の異なる種類のものであってもよい。すなわち、一
般式〔I〕で表わされるシリコーンオイルは同一種類の
R1からなる一般式〔I−1〕のシロキサンユニットで構
成されていてもよいし、またR1の種類が異なる二種以上
の一般式〔I−1〕のシロキサンユニットで構成されて
いてもよい。
一般式〔I〕において、R1は好ましくは水素原子又は
炭素数が1〜20の、アルキル、置換アルキル、シクロア
ルキル、アリール、置換アリール、アルコキシ、置換ア
ルコキシ、アルコキシカルボニル、もしくは置換アルコ
キシカルボニル基を表わす。l+mは好ましくは2〜50
0である。
一般式〔I〕で示される化合物のR1の具体例としては
−CH3、−C5H11、−C8H17、−C13H27、−C14H29−(CH2)3O(C2H4O)a(C3H6O)bR2(ここでR2はアルキル
基、a,bは0又は1以上の整数を表わす)、−(CH2)3O
H、−(CH2)3NH2、−(CH2)3NHCH2CH2NH2−(CH2)3SH、−(CH2)3COOH、−(CH2)6COOH、−(CH2)10C
OOH、−(CH2)3CONHR2(R2は上記と同義)、−CH2CH2C
F3、−CH2CH2C6F13、−(CH2)3CN、 −(CH2)3OR2(R2は上記と同義)、 −H、−OCH3、−OC8H17、−OCH2CH2O(C2H4O)a(C3H6O)b
R2〔a,b,R2は上記と同義〕などが挙げられる。
一般式〔I〕で表わされるシリコーンオイルの中で特
に好ましいものは下記一般式〔II〕又は〔III〕で表わ
される。
一般式〔II〕 一般式〔III〕 式中、R1′は−CH3又は前記一般式〔I〕のR1と同義
を表わし、pは0もしくは1以上の数、qは1以上の
数、aは1〜17の数を表わす。
前記一般式〔II〕および〔III〕に於いて、カルボキ
シル当量(カルボキシル当量とは分子量をその中に含ま
れているカルボキシル基の数で割った値である)が120
〜6000のものが好ましく、特に好ましくは120〜4000で
ある。
次に一般式〔I〕で表わされる化合物のうち、本発明
に使用される代表的な具体例を挙げるが勿論これらに限
定されるものではない。
No. p q I-32 9 1 I-33 20 2 I-34 15 1 I-35 30 3 I-36 40 5 I-37 80 10 I-38 80 2 一般式(I)の化合物の製法は公知であり、例えばエ
フ・ジー・エー・ストン(F.G.A.Stone)およびダブリ
ュ・エー・ジー・グラハム(W.A.G.Graham)著、「イン
オーガニックポリマーズ」(アカデミックプレス1962年
版)の230〜231頁、および288〜295頁、ダブリュ・ノル
(W.No11)著、「ケミストリー アンド テクノロジー
オブ シリコーンズ」(アカデミックプレス1968年
版)の209〜211頁、ピー・エフ ブルインズ(P.F.Brui
ns)編著「シリコーンテクノロジー」(ア ディビジョ
ン オブ ジョーン ウィリー アンド サンズ1970年
版)の64〜66頁およびジェー・ピー・ケネディ他(J.P.
Kennedy et.al.)編著「ハイポリマー」第23巻第2部77
3〜775頁などに記載されているほか、具体的に例えば特
公昭36-22361号に示されているような各成分オルガノク
ロルシランの加水分解による方法、例えば特公昭35-107
71号、特公昭43-28694号および特公昭45-14898号などに
示されているような金属触媒によるSiH基を含むシロキ
サンのオレフィン類への付加反応、米国特許第2,917,48
0号、Ind.& Eng.Chem.Prod.Res.& Dev.,第6巻、No.
2,88頁(1967年)、日本化学会発行の雑誌「化学と工
業」第19巻、147頁(1966年)、「工業化学雑誌」第73
巻、78頁(1970年)、英国特許第916,561号、仏国特許
第1,353,669号などに示されているようなポリエチレン
オキシドを含むポリオルガノシロキサンの合成法等によ
って合成される。
本発明に用いられる化合物の粘度は特に制限はなく、
一般的方法で合成できるものであれば、いずれも所望の
効果を与えることができるが、通常25℃で測定した粘度
が約20〜100,00センチストークスを示すものが適当であ
る。
又本発明に使用するシリコーンオイルの多くは市販さ
れている例えば信越化学(株)の商品名、KF410、KF41
2、KF413、KF351、KF945、KF615、K851、X-22-819、FL
100、KF862、KF865、X-22-980、KF100T、X-60-164、
X-22-3710、X-22-3715、KF-910、X-22-160B等があ
る。
本発明に用いられる非感光性層のバインダーは親油性
のものでもよいが、親水性のものが好ましい。特にカラ
ー拡散転写法用の写真要素の場合や熱現像写真法用の写
真要素で熱現像時もしくは色素の転写時に少量の水を付
与する場合には親水性のバインダーが好ましい。その代
表的な例としては例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の
蛋白質、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、デ
ンプン等の多糖類、アラビアゴムのような天然物質、デ
キストリン、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド重合体の水溶性ポリビ
ニル化合物のような合成重合物質等が用いられる。この
中でも特にゼラチン、ポリビニルアルコールが有効であ
る。
本発明において、変性および/または未変性のシリコ
ーンオイルを非感光性層に含有させる代表的な方法とし
ては、油状成分を必要に応じて酢酸メチル、酢酸エチ
ル、プロピオン酸ブチル、シクロヘキサノール等の低沸
点溶媒に溶解し、必要に応じてアルキルベンゼンスルホ
ン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸の如きアニオ
ン系界面活性剤および/またはソルビタンセスキオレイ
ン酸エステルおよびソルビタンモノラウリン酸エステル
の如きノニオン系界面活性剤等の界面活性剤を用いてゼ
ラチン等の非感光性層のバインダーの溶液と混合し、高
速回転ミキサー、コロイドミルまたは超音波分散装置等
で乳化分散し、得られた分散液を塗布するか別に用意し
た塗布液に添加し塗設すればよい。
本発明において上記の非感光性層に含有させる変性お
よび/または未変性のシリコーンオイルの使用量は容積
比で該非感光性層のバインダー容積の0.005〜1の範囲
が好ましく、特に0.01〜0.4の範囲が好ましい。変性お
よび/または未変性のシリコーンオイルの使用量がこの
範囲内において本発明の剥離性改良効果が著るしく、ま
た変性および/または未変性のシリコーンオイルが非感
光性層の表面ににじみ出して該層表面の光沢度を悪化さ
せることもない。
本発明の写真要素は、画像状に拡散性の色素を形成又
は放出後拡散させ、その後固定させる方法のカラー画像
形成法において、この拡散性の色素を固定させる場合に
特に有利に用いられる。
上記のカラー画像形成方法には実質上水分のない状態
で熱現像をするもの〔熱現像方式〕(例えば欧州特許76
492A2や特開昭58-79247号、同59-218443号、同61-23805
6号等に記載のもの)を用いる。
上記のカラー画像形成方法に有用な色素供与性物質は
次式(V)で表わされ、ハロゲン化銀乳剤と組合せて用
いられる。
Dy−Y (V) ここでDyは色素部分(またはその前駆体部分)を表わ
し、Yは現像の結果として色素供与性物質(V)の拡散
性が変化する機能性を持った基質を表わす。
ここで「拡散性が変化する」とは、(1)色素供与性
物質(V)が本来、非拡散性であり、これが拡散性に変
化するか、または拡散性の色素が放出される事、あるい
は(2)本来拡散性の色素供与性物質(V)が非拡散性
に変化することを意味している。また、この変化はYの
性質によりYが酸化されて起こる場合と還元されて起こ
る場合がある。
Yの酸化によって“拡散性が変化する”例としてはま
ず、p−スルホンアミドナフトール類(p−スルホンア
ミドフェノール類も含む:特開昭48-33,826号、同53-5
0,736号、欧州特許第76,492号に具体例の記載あり)、
o−スルホンアミドフェノール類(o−スルホンアミド
ナフトール類も含む:特開昭51-113,624号、同56-12642
号、同56-16130号、同56-16131号、同57-4043号、同57-
650号、米国特許第4,053,312号、欧州特許第76,492号に
具体例の記載あり)、ヒドロキシスルホンアミド複素環
類(特開昭51-104,343号、欧州特許第76,492号に具体例
の記載あり)、3−スルホンアミドインドール類(特開
昭51-104,343号、同53-46,730号、同54-130,122号、同5
7-85,055号、欧州特許第76,492号に具体例の記載あ
り)、α−スルホンアミドケトン類(特開昭53-3,819
号、同54-48,534号、欧州特許第76,492号に具体例の記
載あり)等のいわゆる色素放出レドックス基質を挙げる
ことができる。
別の例としてはYが被酸化後、分子内求核攻撃によっ
て色素を放出する型として特開昭57-20,735号、特開昭5
9-65839号に記載の分子内アシスト型基質が挙げられ
る。
また別の例としては、塩基性条件下では分子内閉環反
応により色素を放出するが、Yが酸化されると色素放出
を実質的に起こさなくなる基質を挙げることができる
(特開昭51-63,618号に具体例の記載がある)。さらに
これの変型として求核試薬によりイソオキサゾロン環が
環巻き換えを起こして色素を放出する基質も有用である
(特開昭49-111,628号、同52-4819号に具体例の記載あ
り)。
また別の例としては、塩基性条件下では酸性プロトン
の解離により色素部分が離脱するが、Yが酸化されると
実質的に色素放出しなくなる基質を挙げることができる
(特開昭53-69,033号、同54-130927号に具体例の記載あ
り)。
一方、Yが還元されることによって拡散性が変化する
例としては、特開昭53-110,827号に記載されているニト
ロ化合物:特開昭53-110,827号、米国特許第4,356,249
号、同4,358,525号に記載されているキノン化合物を挙
げることができる。これらは現像過程で消費されない残
存している還元剤(エレクトロン・ドナーと称する)に
より還元され、その結果生じた求核基の分子内攻撃によ
り色素を放出するものである。この変型として、還元体
の酸性プロトンが解離することにより色素部分が離脱す
るキノン型基質も有用である(特開昭54-130,927号、同
56-164,342号に具体例の記載あり)。
上記の還元により拡散性が変化する基質を使用する場
合には、露光されたハロゲン化銀と色素供与性物質との
間を仲介する適当な還元剤(エレクトロン・ドナー)を
用いることが必須であり、その具体例は上記の公知資料
に記載されている。また、基質Y中にエレクトロン・ド
ナーが共存する基質(LDA化合物と称する)も有用であ
る。
更に別の色素供与性物質としては、高温下でハロゲン
化銀又は有機の銀塩と酸化還元反応を行い、その結果色
素部を有する化合物の可動性が変化するものを用いるこ
とができ、これは特開昭59-165054号に記載されてい
る。
また感材中の銀イオンとの反応により可動性の色素を
放出する色素供与性物質については特開昭59-180548号
に記載されている。
本発明の写真要素は室温付近で処理液を使って現像さ
れるカラー拡散転写法用の感光要素と併用することもで
きる。
上記の感光要素に使用し得るハロゲン化銀は、塩化
銀、臭化銀、あるいは塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀
のいずれでもよい。
具体的には、米国特許4,500,626号第50欄、リサーチ
・ディスクロージャー誌1978年6月号9頁〜10頁(RD17
029)、特開昭61-107240号、特願昭60-225176号、同60-
228267号等に記載されているハロゲン化銀乳剤のいずれ
もが使用できる。
本発明で使用するハロゲン化銀乳剤は、主として潜像
が粒子表面に形成される表面潜像型であっても、粒子内
部に形成される内部潜像型であってもよい。また粒子内
部と粒子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシェル乳
剤であってもよい。また、本発明では内部潜像型乳剤と
造核剤とを組合わせた直接反転乳剤を使用することもで
きる。
ハロゲン化銀乳剤は未後熟のまま使用してもよいが通
常は化学増感して使用する。通常型感光材料用乳剤で公
知の硫黄増感法、還元増感法、貴金属増感法などを単独
または組合わせて用いることができる。これらの化学増
感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる
(特開昭58-126526号、同58-215644号)。
本発明において使用される感光性ハロゲン化銀の塗設
量は、銀換算1mgないし10g/m2の範囲である。
本発明に用いられるハロゲン化銀は、メチン色素類そ
の他によって分光増感されてもよい。用いられる色素に
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソ
ノール色素が包含される。
具体的には、特開昭59-180550号、同60-140335号、リ
サーチ・ディスクロージャー誌1978年6月号12〜13頁
(RD 17029)等に記載の増感色素や、特開昭60-111239
号、特願昭60-172967号等に記載の熱脱色性の増感色素
が挙げられる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの
組合わせを用いてもよく、増感色素の組合わせは特に、
強色増感の目的でしばしば用いられる。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない
色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい(例え
ば米国特許2,933,390号、同3,635,721号、同3,743,510
号、同3,615,613号、同3,615,641号、同3,617,295号、
同3,635,721号に記載のもの)。
これらの増感色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成
時もしくはその前後でもよいし、米国特許第4,183,756
号、同第4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒子の核形
成前後でもよい。
添加量は一般にハロゲン化銀1モル当り10-8ないし10
-2モル程度である。
本発明の写真要素は、熱現像により色素を形成または
放出する感光要素と、色素を固定する色素固定要素から
構成される。
感光要素と色素固定要素の代表的な形態として、感光
要素と色素固定要素とが2つの支持体上に別個に塗設さ
れる形態と同一の支持体上に塗設される形態とに大別さ
れる。感光要素と色素固定要素相互の関係、支持体との
関係、白色反射層との関係は特開昭61-147244号明細書
の58〜59頁や米国特許4,500,626号の第57欄に記載の関
係が本願にも適用できる。
本発明において受像要素は感光要素とは別の支持体上
に設けてもよいし、感光要素と組合わさったフィルタ・
ユニットであってもよい。
本発明の代表的形態は二つの支持体上にそれぞれ感光
要素と受像要素が別個に塗設される形態である。その好
ましい態様では、支持体の表面には少なくとも一層の受
像層が塗設されており、又感光要素は別の支持体上に塗
設されていて、少なくとも露光終了後(例えば現像処理
中)は感光層塗布面と受像層塗布面とが重なり合うよう
に工夫されている。媒染層で転写画像が完成した後は速
やかに感光要素が受像要素から剥離される。
また別の形態では、一つの透明な支持体上に上記の受
像要素と感光要素とが積層されており、転写画像の完成
後、感光要素を受像要素から剥離する形態である。更に
具体的に述べると、受像要素は少なくとも一層の媒染層
からなり、又感光要素の好ましい態様に於いては青感性
乳剤層、緑感性乳剤層及び赤感性乳剤層の組合せ、又は
緑感性乳剤層、赤感性乳剤層及び赤外光感光性乳剤層の
組合せ、或いは青感性乳剤層、赤感性乳剤層及び赤外光
感光性乳剤層の組合せと、前記の各乳剤層にイエロー色
素供与性物質、マゼンタ色素供与性物質及びシアン色素
供与性物質がそれぞれ組合わされて構成される(ここで
「赤外光感光性乳剤層とは700nm以上、特に740nm以上の
光に対して感光性を持つ乳剤層をいう)。そして、該媒
染層と感光層或いは色素供与性物質含有層の間には、透
明支持体を通して転写画像が観賞できるように、酸化チ
タン等の固体顔料を含む白色反射層が設けられる。明所
で現像処理を完成できるようにするために白色反射層と
感光層の間に更に遮光層を設けてもよい。又、感光要素
の全部又は一部を受像要素から剥離できるようにするた
めに適当な位置に剥離層を設けてもよい(このような態
様は例えば特開昭56-67840号やカナダ特許674,082号に
記載されている)。
更に、別の形態では、一つの透明支持体上に前記の感
光要素が塗設され、その上に白色反射層が塗設され、更
にその上に受像層が積層される。同一支持体上に受像要
素と白色反射層と剥離層と感光要素とが積層されてお
り、感光要素を受像要素から意図的に剥離する態様につ
いては、米国特許3,730,718号に記載されている。
熱現像方式のフィルム・ユニットでは、支持体、感光
要素又は受像要素の適当な位置に金属性微粒子、カーボ
ン・ブラックやグラファイト等の導電性粒子を含有する
発熱層を設けて、熱現像や色素の拡散転写のために通電
した時に発生するジュール熱を利用してもよい。導電性
粒子の替りに半導性無機材料(例えば炭化珪素、珪化モ
リブデン、ランタンクロライド、チタン酸バリウムセラ
ミックス、酸化スズ、酸化亜鉛等)を用いてもよい。
本発明は特に熱現像感光材料において、その効果が顕
著である。
以下本発明を熱現像感光材料に応用する場合について
詳しく説明する。
本発明を熱現像感光材料に応用する場合は、ハロゲン
化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用することも
できる。この場合、感光性ハロゲン化銀と有機金属塩と
は接触状態もしくは接近した距離にあることが必要であ
る。
このような有機金属塩の中、有機銀塩は、特に好まし
く用いられる。
上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有機
化合物としては、特開昭61-107240号の37〜頁39頁、米
国特許4,500,626号第52欄〜第53欄等に記載の化合物が
ある。また特開昭61-231542号記載のフェニルプロピオ
ール酸銀などのアルキニル基を有するカルボン酸の銀塩
や、特開昭61-249044号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は2種以上を併用してもよい。
以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあた
り、0.01ないし10モル、好ましくは0.01ないし1モルを
併用することができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩
の塗布量合計は銀換算で50mgないし10g/m2が適当であ
る。
前記の色素供与性化合物および以下に述べる画像形成
促進剤などの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号記
載の方法などの公知の方法により感光要素の層中に導入
することができる。この場合には、特開昭59-83154号、
同59-178451号、同59-178452号、同59-178453号、同59-
178454号、同59-178455号、同59-178457号などに記載の
ような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜160
℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いることができる。
高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供与性物質1gに
対して10g以下、好ましくは5g以下である。
また特公昭51-39853号、特開昭51-59943号に記載され
ている重合物による分散法も使用できる。
水に実質的に不溶な化合物の場合には、前記方法以外
にバインダー中に微粒子にして分散含有させることがで
きる。
疎水性物質を親水性コロイドに分散する際には、種々
の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59-1
57636号の第(37)〜(38)頁に界面活性剤として挙げ
たものを使うことができる。
本発明においては感光要素中に還元性物質を含有させ
るのが望ましい。還元性物質としては一般に還元剤とし
て公知なものの他、前記の還元性を有する色素供与性物
質も含まれる。また、それ自身は還元性を持たないが現
像過程で求核試薬や熱の作用により還元性を発現する還
元剤プレカーサーも含まれる。
本発明に用いられる還元剤の例としては、米国特許4,
500,626号の第49〜50欄、同4,483,914号の第30〜31欄、
特開昭60-140335号の第17〜18頁、特開昭60-128438号、
同60-128436号、同60-128439号、同60-128437号等に記
載の還元剤が利用できる。また、特開昭56-138736号、
同57-40245号、米国特許第4,330,617号等に記載されて
いる還元剤プレカーサーも利用できる。
米国特許第3,039,869号に開示されているもののよう
な種々の還元剤の組合せも用いることができる。
本発明に於いては還元剤の添加量は銀1モルに対して
0.01〜20モル、特に好ましくは0.1〜10モルである。
本発明においては感光要素に現像の活性化と同時に画
像の安定化を図る化合物を用いることができる。好まし
く用いられる具体的化合物については米国特許第4,500,
626号の第51〜52欄に記載されている。
本発明においては種々のカブリ防止剤または写真安定
剤を使用することができる。その例としては、リサーチ
・ディスクロージャー誌1978年12月号第24〜25頁に記載
のアゾール類やアザインデン類、特開昭59-168442号記
載の窒素を含むカルボン酸類およびリン酸類、あるいは
特開昭59-111636号記載のメルカプト化合物およびその
金属塩、特願昭60-228267号に記載されているアセチレ
ン化合物類などが用いられる。
本発明においては、感光要素に必要に応じて画像調色
剤を含有することができる。有効な調色剤の具体例につ
いては特開昭61-147244号92〜93頁に記載の化合物があ
る。
イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用いて色度図
内の広範囲の色を得るためには、少なくとも3層のそれ
ぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハロゲン化銀
乳剤層を有する感光要素を用いればよい。例えば青感
層、緑感層、赤感層の3層の組み合わせ、緑感層、赤感
層、赤外感光層の組み合わせなどがある。これらの各感
光層は必要に応じて2層以上に分割してもよい。
本発明に用いられる感光要素は、必要に応じて熱現像
感光要素用として知られている各種添加剤や、感光層以
外の層、例えば保護層、中間層、帯電防止層、ハレーシ
ョン防止層、色素固定要素との剥離を容易にするための
剥離層、マット層などを有することができる。各種添加
剤としては、リサーチ・ディスクロジャー誌1978年6月
号9頁〜15頁、特開昭61-88256号などに記載されている
可塑剤、特開昭61-156252号に記載されている高吸水性
ポリマー、マット剤、鮮鋭度改良用染料、ハレーション
防止染料、界面活性剤、蛍光増白剤、スベリ防止剤、酸
化防止剤、退色防止剤などの添加剤がある。
特に保護層には、接着防止のために有機、無機のマッ
ト剤を含ませるのが通常である。また、この保護層には
媒染剤、紫外線吸収剤を含ませてもよい。保護層、中間
層はそれぞれ2層以上から構成されていてもよい。
また、中間層には退色防止や混色防止のための還元剤
や、紫外線吸収剤、二酸化チタンなどの白色顔料を含ま
せてもよい。白色顔料は感度を向上させる目的で中間層
のみならず乳剤層に添加してもよい。
受像要素(以下、色素固定要素という)には媒染剤と
バインダーを含む層を少なくとも1層有する。媒染剤は
写真分野で公知のものを用いることができ、その具体例
としては特開昭61-88256号に記載のものを挙げることが
できる。色素固定要素には必要に応じて、保護層、剥離
層、カール防止層などの補助層を設けることができる。
特に保護層を設けるのは有用である。上記層の1つまた
は複数の層には、親水性熱溶剤、可塑剤、退色防止剤、
UV吸収剤、スベリ剤、マット剤、酸化防止剤、寸度安定
性を増加させるための分散状ビニル化合物、高吸水性ポ
リマー、界面活性剤、蛍光増白剤等を含ませてもよい。
また、特に少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を同
時に行うシステムにおいては、色素固定要素に後述する
塩基及び/又は塩基プレカーサーを含有させるのが感光
要素の保存性を高める意味で好ましい。これらの添加剤
の具体例は特開昭61-88256号の101頁〜120頁に記載され
ている。
本発明において感光要素及び/又は色素固定要素には
画像形成促進剤を用いることができる。画像形成促進剤
には銀塩酸化剤と還元剤との酸化還元反応の促進、色素
供与性物質からの色素の生成または色素の分解あるいは
拡散性色素の放出等の反応の促進および、感光材料層か
ら色素固定層への色素の移動の促進等の機能があり、物
理化学的な機能からは塩基または塩基プレカーサー、求
核性化合物、高沸点有機溶媒(オイル)、熱溶剤、界面
活性剤、銀または銀イオンと相互作用を持つ化合物等に
分類される。ただし、これらの物質群は一般に複合機能
を有しており、上記の促進効果のいくつかを合せ持つの
が常である。これらの詳細については特開昭61-93451号
の67〜71頁に記載されている。
この他にも塩基を発生させる方法が各種あり、その方
法に使用される化合物はいずれも塩基プレカーサーとし
て有用である。例えば、特願昭60-169585号に記載され
ている難溶性金属化合物およびこの難溶性金属化合物を
構成する金属イオンと錯形成反応しうる化合物(錯形成
化合物という)の混合により塩基を発生させる方法や、
特開昭61-232451号に記載されている電解により塩基を
発生させる方法などがある。
特に前者の方法は効果的である。難溶性金属化合物と
しては亜鉛、アルミニウム、カルシウム、バリウムなど
の炭酸塩、水酸化物、酸化物等が挙げられる。また、錯
形成化合物については、例えばエー・イー・マーテル、
アール・エム・スミス(A.E.Martell,R.M.Smith)共
著、「クリティカル・スタビリティ・コンスタンツ(Cr
itical Stability Constants)」、第4巻と第5巻、プ
レナム・プレス(Plenum Press)に詳説されている。具
体的にはアミノカルボン酸類、イミノジ酢酸類、ピリジ
ルカルボン酸類、アミノリン酸類、カルボン酸類(モ
ノ、ジ、トリ、テトラカルボン酸類およびさらにフォス
フォノ、ヒドロキシ、オキシ、エステル、アミド、アル
コキシ、メルカプト、アルキルチオ、フォスフィノなど
の置換基を持つ化合物)、ヒドロキサム酸類、ポリアク
リレート類、ポリリン酸類などとアルカリ金属、グアニ
ジン類、アミジン類もしくは4級アンモニウム塩等との
塩が挙げられる。
この難溶性金属化合物と錯形成化合物は、感光要素と
色素固定要素に別々に添加するのが有利である。
本発明の感光要素及び/又は色素固定要素には、現像
時の処理温度および処理時間の変動に対し、常に一定の
画像を得る目的で種々の現像停止剤を用いることができ
る。
ここでいう現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩
基を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃度を下げ現
像を停止する化合物または銀および銀塩と相互作用して
現像を抑制する化合物である。具体的には、加熱により
酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基
と置換反応を起す親電子化合物、または含窒素ヘテロ環
化合物、メルカプト化合物およびその前駆体等が挙げら
れる(例えば特開昭60-108837号、同60-192939号、同60
-230134号または米国特許第4,610,957号に記載の化合物
など)。
また加熱によりメルカプト化合物を放出する化合物も
有用であり、例えば特開昭61-67851号、同61-147244
号、同61-124941号、同61-185743号、同61-182039号、
同61-185744号、同61-184539号、同61-188540号、同61-
53632号、に記載の化合物がある。
本発明の感光要素及び/又は色素固定要素のバインダ
ーには親水性のものを用いることができる。親水性バイ
ンダーとしては、透明か半透明の親水性バインダーが代
表的であり、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等のタン
パク質、セルロース誘導体や、デンプン、デキストラ
ン、プルラン、アラビヤゴム等の多糖類のような天然物
質と、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体等
の水溶性のポリビニル化合物のような合成重合物質を含
む。また、ラテックスの形で用いられ、写真材料の寸度
安定性を増加させる分散状ビニル化合物も使用できる。
これらのバインダーは単独であるいは組合わせて用いる
ことができる。
本発明においてバインダーは1m2あたり20g以下の塗
布量であり、好ましくは10g以下さらに好ましくは7g以
下が適当である。
バインダー中に色素供与性物質などの疎水性化合物と
共に分散される高沸点有機溶媒とバインダーとの比率は
バインダー1gに対して溶媒1cc以下、好ましくは0.5cc以
下、さらに好ましくは0.3cc以下が適当である。
本発明の感光要素及び/又は色素固定要素の構成層
(写真乳剤層、色素固定層など)には無機または有機の
硬膜剤を含有してよい。
硬膜剤の具体例は、特開昭61-147244号明細書94頁な
いし95頁や特開昭59-157636号第(38)頁に記載のもの
が挙げられ、これらは単独または組合わせて用いること
ができる。
熱現像時または色素転写時の感光要素または色素固定
要素に微量の水を付与して熱現像を促進させたり、色素
転写を速めたりする方法を採用する場合には、水が塗布
膜を完全浸透する時間を短くするために、水を付与する
方の写真要素の硬膜度を一定値以下にしておくことが好
ましい。そこで、かかる態様においては、硬膜剤を、硬
膜剤と架橋しうる総バインダー量に対して、10重量パー
セント以下、特に1〜10重量パーセント含有させるのが
好ましい。この範囲の硬膜剤の使用により剥離性はある
程度改良されるが、本発明の手段によってさらに1層剥
離性が改良できる。
また色素移動を促進するために、常温では固体であり
高温では溶解する親水性熱溶剤を感光要素または色素固
定要素に内蔵させてもよい。親水性熱溶剤は感光要素、
色素固定要素のいずれに内蔵させてもよく、両方に内蔵
させてもよい。また内蔵させる層も乳剤層、中間層、保
護層、色素固定層いずれでもよいが、色素固定層および
/またはその隣接層に内蔵させるのが好ましい。親水性
熱溶剤の例としては、尿素類、ピリジン類、アミド類、
スルホンアミド類、イミド類、アルコール類、オキシム
類その他の複素環類がある。また、色素移動を促進する
ために、高沸点有機溶剤を感光要素及び/又は色素固定
要素に含有させておいてもよい。
本発明の感光要素及び/又は色素固定要素に使用され
る支持体は、処理温度に耐えることのできるものであ
る。一般的な支持体としては、ガラス、紙、重合体フィ
ルム、金属およびその類似体が用いられるばかりでな
く、特開昭61-147244号明細書の95頁〜96頁に支持体と
して記載されているものが使用できる。
感光要素及び/又は色素固定要素は、加熱現像もしく
は色素の拡散転写のための加熱手段としての導電性の発
熱体層を有する形態であってもよい。
この場合の透明または不透明の発熱要素は、抵抗発熱
体として従来公知の技術を利用して作ることができる。
抵抗発熱体としては、半導性を示す無機材料の薄膜を利
用する方法と導電性微粒子をバインダーに分散した有機
物薄膜を利用する方法とがある。これらの方法に利用で
きる材料は、特開昭61-29835号明細書等に記載のものを
利用できる。
本発明においては熱現像感光層、保護層、中間層、下
塗層、バック層、色素固定層その他の層の塗布法は米国
特許4,500,626号の第55〜56欄に記載の方法が適用でき
る。
本発明においては、熱現像と色素の転写の工程は、そ
れぞれ独立であってもよいし、同時であってもよい。ま
た、一工程のなかで現像にひきつずき転写が行なわれる
という意味で連続であってもよい。
例えば、(1)感光要素に画像露光し、加熱したあ
と、色素固定要素を重ねて、必要に応じて加熱して可動
性色素を色素固定要素に転写する方法、(2)感光要素
を画像露光し、色素固定要素を重ねて加熱する方法があ
る。上記(1)、(2)の方法は実質的に水が存在しな
い状態で実施することもできるし、微量の水の存在下で
行うこともできる。
熱現像工程での加熱温度は、約50℃〜約250℃で現像
可能であるが、特に約80℃〜約180℃が有用である。微
量の水の存在下で加熱する場合は加熱温度の上限は沸点
以下である。転写工程を熱現像工程終了後に行う場合、
転写工程での加熱温度は、熱現像工程における温度から
室温の範囲で転写可能であるが、特に50℃以上で熱現像
工程における温度よりも約10℃低い温度までがより好ま
しい。
本発明において好ましい画像形成方法は、画像露光後
または画像露光と同時に微量の水ならびに塩基及び/又
は塩基プレカーサーの存在下で加熱し、現像と同時に銀
画像に対応又は逆対応する部分において生成した拡散性
色素を色素固定層に移すものである。この方法によれ
ば、拡散性色素の生成ないし放出反応が極めて速く進行
し、拡散性色素の色素固定層への移動も速やかに進行す
るので、高濃度の色画像が短時間で得られる。
この態様で使用する水の量は、感光要素及び色素固定
要素の全塗布膜の重量の少なくとも0.1倍、好ましくは
0.1倍以上で該全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒
の重量以下(特に全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶
媒の重量から全塗布膜の重量を差引いた量以下)という
少量でよい。
膨潤時の膜の状態は不安定であり、条件によっては局
所的ににじみを生ずるおそれがありこれを避けるには感
光要素と色素固定要素の全塗布膜厚の最大膨潤時の体積
に相当する水の量以下が好ましい。具体的には感光要素
と色素固定要素の合計の面積1平方メートル当たり1g〜
50g、特に2g〜35g、更には3g〜25gの範囲が好ましい。
この態様において用いる塩基及び/又は塩基プレカー
サーは感光要素にも色素固定要素にも内蔵できる。また
水に溶解させて供給することもできる。
上記の態様では、画像形成反応系に、塩基プレカーサ
ーとして、水に難溶性の塩基性金属化合物とこの難溶性
金属化合物を構成する金属イオンと水を媒体として錯形
成反応しうる化合物を含有させ、加熱時にこれらの2つ
の化合物の反応により系のpHを上昇させるのが好まし
い。ここで画像反応系とは、画像形成反応が起こる領域
を意味する。具体的には感光要素と色素固定要素の両方
の要素に属する層が挙げられる。2つ以上の層が存在す
る場合には、そのいずれの層でもよい。
難溶性金属化合物と錯形成化合物は、現像処理までに
反応するのを防止するために、少なくとも別層に添加す
る必要がある。例えば、感光要素と色素固定要素とが同
一支持体上に設けられているいわゆるモノシート材料で
は、上記両者の添加層を別層とし、更に間に1層以上の
層を介在させるのがよい。また、より好ましい形態は、
難溶性金属化合物と錯形成化合物をそれぞれ別の支持体
上に設けた層に含有させるものである。例えば、難溶性
金属化合物を感光要素に、錯形成化合物を感光要素とは
別に支持体を持つ色素固定要素に含有させるのが好まし
い。錯形成化合物は、共存させる水の中に溶解させて供
給してもよい。難溶性金属化合物は特開昭56-174830
号、同53-102733号などに記載の方法で調整された微粒
子分散物として含有させるのが望ましく、その平均粒子
サイズは50ミクロン以下、特に5ミクロン以下が好まし
い。難溶性金属化合物は感光要素の感光層、中間層、保
護層などのどの層に添加してもよく、2層以上に分割し
て添加してもよい。
難溶性金属化合物または錯形成化合物を支持体上の層
に含有させる場合の添加量は、化合物種、難溶性金属化
合物の粒子サイズ、錯形成反応速度などに依存するが、
各々塗布膜を重量に換算して50重量パーセント以下で用
いるのが適当であり更に好ましくは0.01重量パーセント
から40重量パーセントの範囲が有用である。また、錯形
成化合物を水の中に溶解して供給する場合には、1リッ
トル当たり0.005molから5mol、特に0.05molから2molの
濃度が好ましい。更に、本発明において反応系の錯形成
化合物の含有量は難溶性化合物の含有量に対してモル比
で1/100倍から100倍、特に1/10倍から20倍が好ましい。
感光層または色素固定層に水を付与する方法として
は、例えば、特開昭61-147244号の101頁9行〜102頁4
行に記載の方法がある。
現像および/または転写工程における加熱手段として
は、熱板、アイロン、熱ローラーなどの特開昭61-14724
4号の102頁14行〜103頁11行に記載の手段がある。ま
た、感光要素及び/又は色素固定要素に、グラファイ
ト、カーボンブラック、金属等の導電性材料の層を重ね
て施しておき、この導電性層に電流を通じ、直接的に加
熱するようにしてもよい。
感光要素と色素固定要素とを重ね合わせ、密着させる
時の圧力条件や圧力を加える方法は特開昭61-147244号
の103頁〜104頁に記載の方法が適用できる。
本発明の写真要素の処理には種々の熱現像装置のいず
れもが使用できる。例えば、特開昭59-75247号、同59-1
77547号、同59-181353号、同60-18951号、実願昭60-116
734号等に記載されている装置などが好ましく使用され
る。
この熱現像感光材料に画像を記録するための画像露光
の光源としては、可視光を含む輻射線を用いることがで
きる。代表的な光源としては、低エネルギー輻射線源と
して、自然光、紫外線、可視光、赤外線、蛍光灯、タン
グステンランプ、水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンフ
ラッシュランプ、レーザー光源(ガスレーザー、固体レ
ーザー、化学レーザー、半導体レーザーなど)、発光ダ
イオード、プラズマ発光管、FOTなどを挙げることがで
きる。特殊な場合には、高エネルギー線源である。X
線、γ線、電子線などを用いることができる。
本発明の熱現像感光材料は、特にフルカラーの感光材
料の場合には、複数のスペクトル領域に感光性をもつハ
ロゲン化銀乳剤層により構成されているため、対応する
複数のスペクトル線により画像露光することが必要であ
る。そのため上記光源は1種類でもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
光源の選択に際しては、感光材料の感光波長に適した
光源を選ぶことはもちろんであるが、画像情報が電気信
号を経由するかどうか、システム全体の処理速度、コン
パクトネス、消費電力などを考慮して選ぶことができ
る。
画像情報が電気信号を経由しない場合、例えば、風景
や人物などの直接撮影、原画の直接的な複写、ネガを通
しての露光などの場合には、カメラ、プリンターや引伸
機のようなプリント用の露光装置、複写機の露光装置な
どを利用することができる。この場合、二次元画像をい
わゆる1ショットで同時露光することもできるし、スリ
ットなどを通して走査露光することもできる。原画に対
して、引き伸ばしたり縮少することもできる。この場合
の光源はレーザーのような単色の光源ではなくタングス
テンランプのような光源を用いるのが通常である。
画像情報を電気信号を経由して記録する場合には、画
像露光装置としては、発光ダイオード、各種レーザを感
光材料の感色性に合わせて組み合せて用いてもよいし、
画像表示装置として知られている各種デバイス(CRT、
液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプ
レイ、エレクトロクロミックディスプレイ、プラズマデ
ィスプレイなど)を用いることもできる。この場合、画
像情報は、ビデオカメラや電子スチルカメラから得られ
る画像信号、NTSC(日本テレビジョン信号規格)に代表
されるテレビ信号、原画をスキャナーなどで多数の画素
に分割して得た画像信号、磁気テープ、ディスク等の記
録材料に蓄えられた画像信号が利用できる。
カラー画像の露光に際しては、LED、レーザー蛍光管
などを感材の感色性に合わせて組み合わせて用いるが、
同じものを複数組み合わせ用いてもよいし、別種のもの
を組み合わせて用いてもよい。感光材料の感色性は写真
分野では、R、G、B感光性が通常であるが、近年はU
V、IRなどの組み合わせで用いることも多く、光源の利
用範囲が広がってきている。たとえば感光材料の感色性
が(G、R、IR)であったり、(R、IR(短波)IR(長
波))、(UV(短波)、UV(中波)、UV(長波))など
のスペクトル領域が利用される。光源もLED2色とレーザ
ーの組み合わせなど別種のものを組み合わせてもよい。
上記発光管あるいは素子は1色毎に単管あるいは素子を
用いて走査露光してもよいし、露光速度を速めるために
アレイになったものを用いてもよい。利用できるアレイ
としては、LEDアレイ、液晶シャッターアレイ、磁気光
学素子シャッターアレイなどが挙げられる。
先に記した画像表示装置としては、CRTのようにカラ
ー表示のものとモノクロ表示のものがあるが、モノクロ
表示のものをフィルターを組み合わせて数個の露光を行
う方式を採用してもよい。既存2次元の画像表示装置
は、FOTのように1次元化して利用してもよいし1画面
を数個に分割して走査と組み合わせて利用してもよい。
加熱現像と色素転写の終了後、感光要素と色素固定要
素は剥離されるが、本考案によってこの剥離は極めて容
易に実行できる。両要素の剥離は人手によってもよい
し、また特公昭42-5474号、同41-5676号、同45-1354
号、同53-29713号、特開昭60-135944号などで周知の機
械による手段をとってもよい。
この画像形成方法を利用した写真材料は処理が簡便で
あり、かつ高画質であるため、多くの産業分野でプリン
ト材料として用いられる。たとえば、電気製品、自動
車、建築、装飾品、アパレル、インテリア、クラフトな
どの製品デザインや配色デザインまたは商品見本の分
野、分子モデル構造解析、リモートセンシング、シュミ
レーションなどの科学分析の分野、コンピュータアニメ
ーション、コンピュータアートなどのコンピュータグラ
フィクの分野、CCD内視鏡、顕微鏡、NMR画像診断、超音
波画像診断などの医療画像の分野、版下のプルーフなど
の印刷分野がなどがある。
以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 ベンゾトリアゾール銀乳剤の作り方について述べる。
ゼラチン28gとベンゾトリアゾール13.2gを水300mlに
溶解した。この溶液を40℃に保ち撹拌した。この溶液に
硝酸銀17gを水100mlに溶かした液を2分間で加えた。
このベンゾトリアゾール銀乳剤のpHを調整し、沈降さ
せ、過剰の塩を除去した。その後、pHを6.30に合わせ、
収量400gのベンゾトリアゾール銀乳剤を得た。
第5層と第1層用のハロゲン化銀乳剤の作り方をのべ
る。
良く撹拌してているゼラチン水溶液(水1000ml中にゼ
ラチン20gと塩化ナトリウム3gを含み、75℃に保温した
もの)に塩化ナトリウム17gと臭化カリウム35gを含有し
ている水溶液600mlと硝酸銀水溶液(水600mlに硝酸銀0.
59モルを溶解させたもの)を同時に40分間にわたって等
流量で添加した。このようにして、平均粒子サイズ0.40
μmの単分散立方体塩臭化銀乳剤(臭素50モル%)を調
製した。
水洗、脱塩後、チオ硫酸ナトリウム5mgと4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgを
添加して、60℃で化学増感を行なった。乳剤の収量は60
0gであった。
次に、第3層用のハロゲン化銀乳剤の作り方をのべ
る。
良く撹拌しているゼラチン水溶液(水1000ml中にゼラ
チン20gと塩化ナトリウム3gを含み、75℃に保温したも
の)に塩化ナトリウム7gと臭化カリウム56gを含有して
いる水溶液600mlと硝酸銀水溶液(水600mlに硝酸銀0.59
モルを溶解させたもの)を同時に40分間にわたって等流
量で添加した。このようにして、平均粒子サイズ0.35μ
mの単分散立方体塩臭化銀乳剤(臭素80モル%)を調製
した。
水洗、脱塩後、チオ硫酸ナトリウム5mgと4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgを
添加して、60℃で化学増感を行なった。乳剤の収量は60
0gであった。
次に、色素供与性物質のゼラチン分散物の作り方につ
いて述べる。
イエローの色素供与性物質(A)を5g、界面活性剤と
して、コハク酸−2−エチル−ヘキシルエステルスルホ
ン酸ソーダ0.5g、高沸点溶媒としてトリイソノニルフォ
スフェート10gを秤量し、酢酸エチル30mlを加え、約60
℃に加熱溶解させ、均一な溶液とした。この溶液と石灰
処理ゼラチンの10%溶液30gとを撹拌混合した後、ホモ
ジナイザーで10分間、10000rpmにて分散した。この分散
液をイエローの色素供与性物質の分散物と言う。
マゼンタの色素供与性物質(B)を使う事と高沸点溶
媒としてトリクレジルフォスフェートを7.5g使う以外
は、上記方法により同様にしてマゼンタの色素供与性物
質の分散物を作った。
シアンの色素分散物は、イエローの色素分散物と同様
にして、シアンの色素供与性物質(C)を使い作った。
これらにより、次表のような多層構成のカラー感光材
料101を作った。尚、この感光材料において、硬膜剤の
合計量は総ゼラチン量の2重量%とした。
更に上記感光材料101において第6層のゼラチン水溶
液の代りに後述の色素固定材料の調製法のところで示し
たシリコーンオイルの分散物を用いる以外同様にして塗
布し感光材料102〜105を作製した。尚これらの感光材料
の第6層の組成はシリコーンオイル(種類、量は表−1
に示す)以外硬膜剤、シリカ及び界面活性剤は感光材料
101の第6層と同じである。
色素供与性物質 次に色素固定材料の作り方について述べる。
ゼラチン63g、下記構造の媒染剤130gとピコリン酸グ
アニジウム塩80gとを1300mlの水に溶解しポリエチレン
でラミネートした紙支持体上に42μmのウェット膜厚と
なるように塗布した後乾燥した。
更にこの上に5%のゼラチン水溶液1000gに1,2−ビス
(ビニルスルフォニルアセトアミドエタン)1.5gを添加
した液を15μmのウェット膜厚となるように保護層とし
て塗布乾燥し色素固定材料R−1を作った。
上記色素固定材料R−1において保護層の5%ゼラチ
ン水溶液の代りに下記の如く調製したシリコーンオイル
(表−Iに示す)の分散物を用いる以外同様にして色素
固定材料R−2〜5を作製した。
シリコーンオイルの分散物は次の様にして調製する。
10%ゼラチン100gにドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
5%水溶液10cc表−Iのシリコーンオイル30gを加えて
ミキサーで10分間高速撹拌した後水60ccを加えて更に5
分間撹拌する。このようにして調製した分散物をシリコ
ーンオイルの分散物という。
上記多層構成のカラー感光材料にタングステン電球を
用い、連続的に濃度が変化しているG,R,IR三色分解フィ
ルター(Gは500〜600nm、Rは600〜700nmのバンドパス
フィルター、IRは700nm以上透過のフィルターを用い構
成した)を通して、500ルックスで1秒露光した。
この露光済みの感光材料の乳剤面に13ml/m2の水をワ
イヤーバーで供給し、その後色素固定材料と膜面が接す
るように重ね合せた。
吸水した膜の温度が90〜95℃となるように温度調整し
たヒートローラーを用い、20秒間加熱した後色素固定材
料を感光材料からひきはがし、剥離性及び写真性能につ
いて調べ、表−Iに示すような結果を得た。
剥離性の評価方法 剥離性の良否は、1.剥離する時にどれだけの力を要す
るか、2.剥離後の色素固定材料の表面を観察し、膜が剥
れていないか、あるいは感材膜が付着していたりしない
かの程度で判定した。
表−Iより明らかなように、本発明の感光材料及び/
又は色素固定材料を用いた場合(テスト番号2〜11)に
ついては固定材料を容易に剥離できかつ剥離面に損傷や
汚れが全く生じず、また色素の転写濃度も十分に高い鮮
明な像が得られた。
しかし感光材料101と色素固定材料R−1を用いた場
合については固定材料と感光材料の間に接着が生じ、剥
離できず、無理に剥離すると塗布膜の膜はがれが生じ、
満足な像が得られなかった。
実施例2 実施例1で作製した感光材料101に於いて使用した硬
膜剤(H剤)の添加量を全バインダー量の12重量%にす
る以外感光材料101と同様にして感光材料106を作製し
た。
感光材料101及び106を実施例1と同様に露光を行っ
た。次に、該感光材料に水に2秒間浸漬後、直ちにロー
ラーにて表面に付着している水を絞り取る。このように
して水供給した感光材料中の水分を重量法にて測定し
た。結果は表−IIに示した。更に、上記の如く水供給し
た感光材料101及び106を色素固定材料R−1及び/又は
R−21と膜面が接するように重ね合せ実施例1と同様に
熱現像転写処理を行った。結果を表−IIに示した。
表−IIより明らかなように、感光材料101より硬膜剤
の添加量を増量(12%対全バインダー量)した感光材料
106は剥離性はかなり改良されるが短時間(約2秒)の
水への浸漬では吸水量が不十分なため放出された色素の
色素固定材料への転写が遅れる。その結果、色素転写濃
度の低下が起る。それに対して本発明のテスト番号13の
組合せでは、容易に剥離でき、剥離面に損傷や汚れを全
く生せず、かつ十分な転写濃度が得られた。
実施例3 シリコーンオイルの分散物を次のようにして調整し
た。
コハク酸−2−エチル−ヘキシルエステルスルホン酸
ソーダ0.5gが溶解された10%ゼラチン水溶液100gに表−
IIIにしめす化合物10gを加えて40℃〜50℃にてホモジナ
イザーで10分間10000rpmにて分散してシリコーンオイル
の分散物を得た。
実施例1の感光材料101において第6層(保護層)に
表−IIIに示した化合物の分散物を添加する以外感光材
料101と同様にして塗布し感光材料301〜304を作製し
た。
更に実施例1の色素固定材料R−1において、保護層
に表−IIIに示した化合物の分散物を用いる以外色素固
定材料R−1と同様にして、色素固定材料R−31〜34を
作製した。
上記感光材料301〜304を実施例1と同様に露光、水供
給を行い、色素固定材料R−31〜34と組合せて(表−II
Iのとうり)加熱処理を行って、色素固定材料を感光材
料からひきはがし、剥離性及び写真性能について調べ表
−IIIに示すような結果を得た。
表−IIIより明らかなように、本発明の化合物I−14,
15を保護層に含有させた感光材料303および304あるいは
本発明の化合物I−32、15を保護層に含有させた色素固
定材料R−33および34を用いると、容易に剥離し、剥離
面に損傷や汚れを全く生せず光沢性も良好でかつ十分な
転写濃度を得ることができた。特に感光材料及び色素固
定材料の両方に含有させた場合(テスト番号11)その効
果は更に顕著であった。また、化合物I−5を含有させ
た感光材料301,302または色素固定材料R−31,32は含有
量をI−14、15又は32の2〜4倍以上に増量すると十分
良好な剥離性を示すが、同量の含有量では剥離は不十分
で、剥離した色素固定材料の表面の一部に感光材料の膜
が剥れて一部付着していた。これはI−5を感光材料と
色素固定材料の両方にI−14と同量添加した場合(テス
ト番号10)の結果からも理解できる。この結果は、シリ
コン系オイルの中でも特にCOOH基を有するシリコン系オ
イルが特に少量で顕著な効果を有していることを示して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武野 数馬 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 米山 正三 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−214357(JP,A) 特開 昭60−60642(JP,A) 特開 昭61−73750(JP,A) 特開 昭57−61075(JP,A) 化学大辞典4(縮刷版),昭和51年9月 10日縮刷版第19刷共立出版株式会社発行, P.874「シリコーンゆ」の欄

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光層中に少なくとも感光性ハロゲン化
    銀、親水性バインダーおよび拡散性色素を生成または放
    出する色素供与性物質を含有する感光要素を像様露光後
    または像様露光と同時に熱現像し、生成または放出した
    拡散性色素を色素固定要素の色素固定層に転写し、感光
    要素と色素固定要素とを剥離する画像形成方法におい
    て、感光層と色素固定層との間に存在しかつ感光要素と
    色素固定要素の剥離後表面層を形成する非感光性層の少
    なくとも一層に、変性および/または未変性のシリコー
    ンオイルを乳化分散して含有することを特徴とする画像
    形成方法。
JP62023687A 1986-04-18 1987-02-05 画像形成方法 Expired - Fee Related JPH0820720B2 (ja)

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