JPH08157446A - ポリチオール誘導体およびそれを用いたレンズ - Google Patents

ポリチオール誘導体およびそれを用いたレンズ

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JPH08157446A
JPH08157446A JP6304592A JP30459294A JPH08157446A JP H08157446 A JPH08157446 A JP H08157446A JP 6304592 A JP6304592 A JP 6304592A JP 30459294 A JP30459294 A JP 30459294A JP H08157446 A JPH08157446 A JP H08157446A
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mercaptomethyl
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啓也 川内
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勝好 笹川
Seiichi Kobayashi
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  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1)で表される新規なポリチオール
誘導体、およびこれを用いて得られる高屈折率プラスチ
ックレンズ。 R−(CH2 SH)n (1) (Rは硫横原子を含んでもよいC1〜3の低級アルカン
トリイルまたは低級アルカンテトライルを、nは3また
は4の整数を表す) 【効果】 ポリチオール誘導体は含硫ウレタン樹脂の原
料として有用であり、この樹脂からなるレンズは無色透
明、高屈折率、低分散、高耐熱性、低吸湿性で高い表面
硬度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリチオール誘
導体に関するものである。本発明のポリチオール誘導体
は、農医薬等の原料、各種の樹脂添加剤、プラスチック
レンズの原料等として有用な化合物であり、特に、眼鏡
用レンズ等の各種光学用レンズなどの用途においては、
耐熱性に優れ、さらに低吸水性で、表面硬度に優れた非
常に高い屈折率を有するプラスチックレンズを製造する
ための原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリチオール化合物は、従来、農医薬等
の原料、各種の樹脂添加剤等の用途に用いられてきた
が、近年、特にプラスチックレンズの原料として、使用
されるようになってきた。プラスチックレンズは、無機
レンズに比べて軽量で、割れにくく、染色が可能で、切
削性および研磨性等の加工性が良好であるため、近年、
眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子分野で急速に普
及してきている。しかし、ファッション性豊かなニーズ
に対応できるためには、レンズの中心厚、コバ厚、およ
び曲率を下げ、全体的に肉薄であることが必要である。
この点から光学材料としての樹脂材料には、ますます高
い屈折率が求められている。高屈折率レンズ用モノマー
としては、既にポリウレタンレンズが知られている。例
えば、USP−4775733号公報(特開昭63−4
6213号公報)では、キシリレンジイソシアネート化
合物とポリチオール化合物との重合物からなるポリウレ
タンレンズが提案されており、眼鏡用レンズなどの光学
用レンズに広く普及している。また、更に屈折率の高い
ポリウレタンレンズとしては、例えば、USP−519
1055号公報(特開平2−270859号公報)に記
載のトリチオール化合物〔1,2−ビス((2−メルカ
プトエチル)チオ)−3−メルカプトプロパン〕とポリ
イソシアネート化合物との重合体からなるポリウレタン
レンズが提案されている。
【0003】しかし、これらのポリウレタンレンズは、
一般にオレフィン基のラジカル重合型の樹脂、例えば、
DAC(ジエチレングリコールビスアリールカーボネー
ト)樹脂に比べて、耐熱性が劣るため、通常、60〜9
0℃程度の熱加工を必要とするレンズの染色や表面コー
トなどの後加工の際に、レンズの変形が起こり易く、熱
加工温度を低く保たなければならないという欠点があ
る。ポリウレタン樹脂の耐熱性を向上させる方法として
は、特開平2−275901号公報、EP408459
号公報(特開平3−56525号公報)等に記載の方法
が知られている。しかしながら、例えば、特開平2−2
75901号公報に記載されている2種類の脂肪族ポリ
チオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物との
重合物からなるポリウレタン樹脂は、屈折率が1.57
〜1.61程度と低いという欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
の用途、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリチオ
ール化合物との重合物からなるポリウレタンレンズにお
いて、極めて有用なポリチオール誘導体を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に到っ
たものである。すなわち、本発明は、一般式(1)で表
される新規なポリチオール誘導体に関するものであり、
さらに、このポリチオール誘導体を用いて得られる高屈
折率プラスチックレンズに関するものである。 R−(CH2 SH)n (1) (式中、Rは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜3
の低級アルカントリイル、または低級アルカンテトライ
ルを表し、nは3または4の整数を表す)
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける一般式(1)で表される化合物は、新規なポリチ
オール誘導体であり、具体的には、下記式(2)〜
(7)(化2)で表される化合物、即ち、2−メルカプ
トメチル−1,3−プロパンジチオール、2−メルカプ
トメチル−1,4−ブタンジチオール、2,4,5−ト
リス(メルカプトメチル)−1,3−ジチオラン、2,
2−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ブタンジチオ
ール、4,4−ビス(メルカプトメチル)−3,5−ジ
チアヘプタン−1,7−ジチオール、2,3−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ブタンジチオール、2,6
−ビス(メルカプトメチル)−3,5−ジチアヘプタン
−1,7−ジチオール等を挙げることができる。
【0007】
【化2】
【0008】本発明のポリチオール誘導体のうち、式
(2)で表される2−メルカプトメチル−1,3−プロ
パンジチオールは、以下のようにして合成することがで
きる例えば、1,3−ジクロロ−2−(クロロメチル)
プロパンを、適当なチオール化試薬と反応させることで
合成することができる。チオール化試薬としては、チオ
尿素とアルカリ性水溶液、チオ硫酸塩と鉱酸水溶液、ジ
チオカルバミン酸塩、ジチオ炭酸O−アルキル塩、トリ
チオ炭酸塩、水硫化物等を例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。トリチオ炭酸ナトリウ
ムを用いる場合、反応は、水、DMF、THF、エタノ
ール、メタノール等の反応を妨害しない溶媒中で自由に
行うことができる。反応は、室温以上、溶媒の沸点以下
の任意の温度で実施可能であるが、50℃以上、溶媒の
沸点以下で行うのが望ましい。通常、反応は数時間内で
完了する。1,3−ジクロロ−2−(クロロメチル)プ
ロパンは、S.LATOURらの方法〔SYNTHES
IS (1987)742〕、即ち、トリス(クロロメ
チル)ニトロメタンを、トリブチル錫ハイドライドで還
元して得ることができる。また、このトリス(クロロメ
チル)ニトロメタンは、G.FORTらの方法〔J.C
hem.Soc.(1945)1902〕により、容易
に入手できるトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン
の塩化チオニルによる塩素化反応で得ることができる。
【0009】式(3)で表される2,4,5−トリス
(メルカプトメチル)−1,3−ジチオランは、2,
4,5−トリス(ヒドロキシメチル)−1,3−ジチオ
ランを、2,4,5−トリス(アルキルスルフォニルオ
キシメチル)−1,3−ジチオラン、2,4,5−トリ
ス(アリールスルフォニルオキシメチル)−1,3−ジ
チオランまたは2,4,5−トリス(ハロゲノメチル)
−1,3−ジチオランに導き、これをチオール化試薬と
反応させることで得ることができる。ここで、2,4,
5−トリス(アルキルスルフォニルオキシメチル)−
1,3−ジチオラン、または2,4,5−トリス(アリ
ールスルフォニルオキシメチル)−1,3−ジチオラン
は、2,4,5−トリス(ヒドロキシメチル)−1,3
−ジチオランを対応するスルホン酸ハライドと、ジメチ
ルアミノピリジン、トリエチルアミン、ピリジン、水酸
化ナトリウム、炭酸カリウム等の適当な塩基共存下で、
反応させることで得ることができる。反応は、ジクロロ
メタン、THF等の反応を阻害しない溶媒を用いて行う
こともできる。2,4,5−トリス(ハロゲノメチル)
−1,3−ジチオランは、2,4,5−トリス(ヒドロ
キシメチル)−1,3−ジチオランを、塩化スルフリ
ル、臭化スルフリル、塩化チオニル、臭化チオニル、ジ
アザカルボン酸ジエチル−トリフェニルホスフィン−沃
化ナトリウム、四ハロゲン化炭素−トリフェニルホスフ
ィン等の適当なハロゲン化試薬と反応させることで製造
できる。
【0010】チオール化試薬としては、チオ尿素とアル
カリ性水溶液、チオ硫酸塩と鉱酸水溶液、ジチオカルバ
ミン酸塩、ジチオ炭酸O−アルキル塩、トリチオ炭酸
塩、水硫化物塩等を例示することができるが、これらに
限定されるものではない。これらのうち、チオ尿素と反
応させ、S−アルキルイソチウロニウム塩とした後、こ
れをアルカリ水溶液中で加水分解する方法が最も望まし
い。チオ尿素との反応は、水、DMF、THF、エタノ
ール、メタノール等の反応を妨害しない溶媒中で自由に
行うことができるが、エタノールが望ましい。反応は室
温以上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実施可能である
が、50℃以上、溶媒の沸点以下で行うのが望ましい。
通常、反応は数時間以内に完了する。また、加水分解に
用いられるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア水等を
例示することができるが、アンモニア水または水酸化ナ
トリウム水溶液を用いるのが望ましい。反応は、水、エ
タノール、メタノールなど反応を妨害しない溶媒中で自
由に行うことができるが、水が望ましい。反応は室温以
上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実施可能であるが、
50℃以上、溶媒の沸点以下で行うのが望ましい。
【0011】2,4,5−トリス(ヒドロキシメチル)
−1,3−ジチオランは、1,3−ジチオラン−2,
4,5−トリカルボン酸エステルを還元することで製造
することができる。還元剤としては、水素化ホウ素リチ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム−塩化アルミニウム、水
素化リチウムアルミニウム、ボラン・アミン錯体等を用
いることができるが、水素化リチウムアルミニウムを用
いるのが望ましい。反応は、THF、エーテル、ジオキ
サン、ジグリム等の反応を妨害しない溶媒中で自由に行
うことができるが、溶解度の点からTHFが望ましい。
反応は室温以上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実施可
能であるが、50℃以上、溶媒の沸点以下で行うのが望
ましい。また、1,3−ジチオラン−2,4,5−トリ
カルボン酸エステルは、市販されている2,3−ジメル
カプトコハク酸を、対応する低級アルコール中で酸触媒
と共に、容易に入手可能なグリオキシル酸またはグリオ
キシル酸エステルまたはその低級アルキルアセタールと
反応させることで製造することができる。酸触媒として
は、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化
ホウ素−ジエチルエーテル錯体、硫酸、塩酸などを例示
することができるが、硫酸を用いるのが望ましい。低級
アルコールとしては、エタノール、メタノール、プロパ
ノール等を例示することができるが、エタノールが望ま
しい。またこの時、反応を阻害しない限り、適当な溶媒
を加えても良い。また、モレキュラーシーブスや無水硫
酸ナトリウムのような脱水剤を用いて、副生する水を除
いても良い。反応は室温以上、溶媒の沸点以下の任意の
温度で実施可能であるが、脱水剤を併用し、溶媒の沸点
で加熱還流下で行うのが望ましい。
【0012】式(4)で表される2,2−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ブタンジチオールは、2,2−
ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ブタンジオール
を、2,2−ビス(アルキルスルホニルオキシメチル)
−1,4−ジ(アルキルスルホニルオキシ)ブタン、
2,2−ビス(アリールスルホニルオキシメチル)−
1,4−ジ(アリールスルホニルオキシ)ブタンまたは
2,2−ビス(ハロゲノメチル)−1,4−ハロゲンブ
タンに導き、これを適当なチオール化試薬と反応させる
ことで合成することができる。チオール化試薬として
は、チオ尿素とアルカリ性水溶液、チオ硫酸塩と鉱酸水
溶液、ジチオカルバミン酸塩、ジチオ炭酸O−アルキル
塩、トリチオ炭酸塩、水硫化物等を例示することができ
るが、トリチオ炭酸ナトリウムを用いるのが望ましい。
この場合、反応は、水、DMF、THF、エタノール、
メタノール等の反応を妨害しない溶媒中で自由に行うこ
とができる。反応は室温以上、溶媒の沸点以下の任意の
温度で実施可能であるが、50℃以上、溶媒の沸点以下
で行うのが望ましい。通常、反応は数時間以内で完了す
る。2,2−ビス(アルキルスルホニルオキシメチル)
−1,4−ジ(アルキルスルホニルオキシ)ブタンまた
は2,2−ビス(アリールスルホニルオキシメチル)−
1,4−ジ(アリールスルホニルオキシ)ブタンは、ジ
メチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ピリジン、
水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の適当な塩基共存下
で、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ブタ
ンジオールと対応するスルホン酸ハライドとを、反応さ
せることで得ることができる。ここで、反応は、ジクロ
ロメタン、THF等の反応を阻害しない溶媒を用いて行
うこともできる。2,2−ビス(ハロゲノメチル)−
1,4−ハロゲンブタンは、2,2−ビス(ヒドロキシ
メチル)−1,4−ブタンジオールと、適当なハロゲン
化剤との反応で製造することができる。ハロゲン化剤と
しては、塩化スルフリル、臭化スルフリル、塩化チオニ
ル、臭化チオニル、ジアザカルボン酸ジエチル−トリフ
ェニルホスフィン−沃化ナトリウム、四ハロゲン化炭素
−トリフェニルホスフィン等を用いることができる。
【0013】原料として用いる2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)−1,4−ブタンジオールは、メルガーらに
よって開示された方法(特開平5−286877号)に
よって得ることができる。すなわち、塩基触媒共存下、
4−ヒドロキシブタナールをホルムアルデヒドと反応さ
せた反応物を、そのまま接触水素添加反応で還元して製
造することができる。4−ヒドロキシブタナールは、
R.PAULらの方法〔Bull.Chem.Soc.
France,(1950)668〕により、市販され
ているジヒドロフランを、塩酸水溶液中で加水分解して
製造することができる。
【0014】式(5)で表される4,4−ビス(メルカ
プトメチル)−3,5−ジチアヘプタン−1,7−ジチ
オールは、4,4−ビス(ヒドロキシメチル)−3,5
−ジチアヘプタン−1,7−ジオールを、4,4−ビス
(アルキルスルホニルオキシメチル)−1,7−ジアル
キルスルホキシ−3,5−ジチアヘプタン、4,4,−
ビス(アリールスルホニルオキシメチル)−1,7−ジ
アリールスルホキシ−3,5,−ジチアヘプタン、また
は4,4,−ビス(ハロゲノメチル)−1,7−ジハロ
ゲン−3,5,−ジチアヘプタンに、適当なチオール化
試薬を反応させることで合成することができる。チオー
ル化試薬としては、チオ尿素とアルカリ性水溶液、チオ
硫酸塩と鉱酸水溶液、ジチオカルバミン酸塩、ジチオ炭
酸O−アルキル塩、トリチオ炭酸塩、水硫化物等を例示
することができる。これらのうち、チオ尿素と反応さ
せ、S−アルキルイソチウロニウム塩とした後、これを
アルカリ水溶液中で加水分解する方法が最も望ましい。
チオ尿素との反応は、水、DMF、THF、エタノー
ル、メタノール等の反応を妨害しない溶媒中で自由に行
うことができるが、エタノールが望ましい。反応は室温
以上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実施可能である
が、加熱還流下で行うのが望ましい。加水分解に用いら
れるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア水等を例示する
ことができるが、アンモニア水または水酸化ナトリウム
水溶液を用いるのが望ましい。反応は、水、エタノー
ル、メタノール等の反応を妨害しない溶媒中で自由に行
うことができるが、水が望ましい。反応は室温以上、溶
媒の沸点以下の任意の温度で実施可能である。通常、反
応は数時間以内で完了する。
【0015】4,4−ビス(ヒドロキシメチル)−3,
5−ジチアヘプタン−1,7−ジオールは、市販の1,
3−ジヒドロキシアセトン(2量体)と市販の2−メル
カプトエタノールを、適当な酸触媒の存在下に反応させ
て得ることができる。酸触媒としては、トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素−ジエチルエ
ーテル錯体、硫酸、塩酸等を例示することができるが、
硫酸を用いるのが望ましい。この時反応を阻害しない限
り、適当な溶媒を加えても良い。また、モレキュラーシ
ーブスや無水硫酸ナトリウムのような脱水剤を用いて副
生する水を除いても良い。反応は室温以上、溶媒の沸点
以下の任意の温度で実施可能であるが、脱水剤を併用
し、トルエンまたはベンゼンを溶媒として、その沸点で
加熱還流下に行うのが望ましい。
【0016】式(6)で表される2,3−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ブタンジチオールは、2,3−
ビス(クロロメチル)−1,4−クロロブタンまたは
2,3−ビス(ブロモメチル)−1,4−ブロムブタン
を、適当なチオール化試薬と反応させることで合成する
ことができる。チオール化試薬としては、チオ尿素とア
ルカリ性水溶液、チオ硫酸塩と鉱酸水溶液、ジメチルジ
チオカルバミン酸塩、ジチオ炭酸O−アルキル塩、トリ
チオ炭酸塩、水硫化物塩等を例示することができるが、
トリチオ炭酸ナトリウムを用いるのが望ましい。この場
合、反応は、水、DMF、THF、エタノール、メタノ
ール等の反応を妨害しない溶媒中で自由に行うことがで
きるが、DMFが望ましい。反応は室温以上、溶媒の沸
点以下の任意の温度で実施可能であるが、50℃以上、
溶媒の沸点以下で行うのが望ましい。通常、反応は数時
間以内で完了する。2,3−ビス(クロロメチル)−
1,4−クロロブタンまたは2,3−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ブロムブタンは、Weingesらの方
法〔Ber.Chem.101(1968)3012〕
により容易に合成することができる。すなわち、市販の
マロン酸ジエチルを金属ナトリウムで2量化して得た
1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸テトラエチル
を、エーテル中で水素化リチウムアルミニウムで還元し
て2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ブタン
ジオールを合成した後、それぞれピリジン溶媒中で塩化
チオニル、臭化チオニルを反応することで製造できる。
【0017】式(7)で表される2,6−ビス(メルカ
プトメチル)−3,5−ジチアヘプタン−1,7−ジチ
オールは、2,6−ビス(クロロメチル)−1,7−ジ
クロロ−3,5−ジチアヘプタンを、適当なチオール化
試薬と反応させることで合成することができる。チオー
ル化試薬としては、チオ尿素とアルカリ性水溶液、チオ
硫酸塩と鉱酸水溶液、ジチオカルバミン酸塩、ジチオ炭
酸O−アルキル塩、トリチオ炭酸塩、水硫化物等を例示
することができるが、チオ尿素と反応させS−アルキル
イソチウロニウム塩とした後、これをアルカリ水溶液中
で加水分解する方法が最も望ましい。チオ尿素との反応
は、水、DMF、THF、エタノール、メタノール等の
反応を妨害しない溶媒中で自由に行うことができるが、
エタノールが望ましい。反応は室温以上、溶媒の沸点以
下の任意の温度で実施可能であるが、50℃以上、溶媒
の沸点以下で行うのが望ましい。通常、反応は数時間以
内で完了する。加水分解に用いられるアルカリ水溶液と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリ
ウム、アンモニア水等を例示することができるが、アン
モニア水または水酸化ナトリウム水溶液を用いるのが望
ましい。反応は、水、エタノール、メタノール等の反応
を妨害しない溶媒中で自由に行うことができるが、水が
望ましい。反応は室温以上、溶媒の沸点以下の任意の温
度で実施可能であるが、50℃以上、溶媒の沸点以下で
行うのが望ましい。
【0018】2,6−ビス(クロロメチル)−1,7−
ジクロロ−3,5−ジチアヘプタンは、J.C.Pat
rickらによって開示された方法(USP−2527
377号)により得ることができる。すなわち、1,3
−ジクロロ−2−メルカプトプロパンとパラフォルムア
ルデヒドから、濃塩酸を触媒として合成することができ
る。また、1,3−ジクロロ−2−メルカプトプロパン
は、T.Kuwamuraらの方法〔Bull.Che
m.Soc.JPN.45(1972)1244〕によ
り、市販されているエピクロルヒドリンより製造でき
る。すなわち、エピクロルヒドリンをチオ尿素と反応さ
せクロロプロピレンスルフィドとし、これに塩酸ガスを
通じて反応させ製造することができる。
【0019】次に、本発明のポリチオール誘導体を用い
て得られるレンズについて述べる。一般式(1)で表さ
れるポリチオール誘導体は、少なくとも1種類のポリイ
ソシアナート誘導体と単量体混合物を構成し、高屈折率
プラスチックレンズ用組成物として用いることができ
る。この時、物性改善のために、一般式(1)以外のポ
リチオールを併用することもできる。その場合、一般式
(1)以外のポリチオールの割合は、全ポリチオールの
50モル%以下である。ポリイソシアナート化合物とし
ては、具体的には、o−キシリレンジイソシアナート、
m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイ
ソシアナート、1,3,5−トリス(イソシアナートメ
チル)ベンゼン、およびこれらの核塩素化物、臭素化
物、メチル化物またはエチル化物等、例えば、4−クロ
ル−m−キシリレンジイソシアナート、4,5−ジクロ
ル−m−キシリレンジイソシアナート、2,3,5,6
−テトラブロム−p−キシリレンジイソシアナート、4
−メチル−m−キシリレンジイソシアナート、4−エチ
ル−m−キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ノル
ボルネンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアナート)等が挙げられる。これらの一部は
市販されている。
【0020】本発明のポリチオール誘導体を、レンズ用
樹脂組成物の一成分として用いる場合、各成分の使用割
合、即ち、ポリイソシアナートと、一般式(1)の化合
物を含むポリチオールとの使用割合は、NCO基/SH
基の当量比で、0.5〜1.5の範囲、好ましくは、
0.6〜1.4、特に好ましくは、0.7〜1.3の範
囲である。レンズの作製は、一般式(1)で表されるポ
リチオール誘導体の少なくとも一種を含むポリチオール
と、ポリイソシアナート化合物の少なくとも一種とを含
む単量体混合物に、必要に応じて、添加剤を加えて、公
知の注型重合法、すなわち、ガラス製または金属製のモ
ールドと樹脂製ガスケットを組み合わせたモールド型の
中に混合液を注入し、加熱して硬化させることにより行
なわれる。この時、成型後の樹脂の取り出しを容易にす
るために、モールドに公知の離型処理を施しても差し支
えない。注型重合における重合温度及び重合時間は、モ
ノマーの組成、添加剤の種類、量によっても異なるが、
一般的には、5〜20℃から昇温を開始し、100℃〜
130℃程度まで8〜30時間で昇温する。
【0021】本発明で得られるレンズは、必要に応じ
て、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向
上、防曇性付与、あるいは、ファッション性付与等の改
良を行なうため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコー
ト処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理等の物
理的あるいは化学的処理を施すことができる。また、本
発明で得られるレンズは、通常の分散染料を用い、水ま
たは溶媒中で容易に染色が可能である。染色の際、更に
染色を容易にするために染色浴に染色助剤であるキャリ
ヤーを加えてもよい。本発明のポリチオール誘導体を用
いて得られる含硫ウレタン樹脂は、極めて低分散で、高
屈折率、耐熱性に優れ、かつ、無色透明であり、軽量
で、耐候性、耐衝撃性に優れ、更に、低吸水性で、表面
硬度に優れた特徴を有しており、眼鏡レンズ、カメラレ
ンズ等の光学素子材料のみでなく、グレージング材料、
塗料、接着剤の材料としても好適である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は、これによって何等制限されるも
のではない。尚、実施例中に示す部は、重量部を示す。
得られたレンズの性能試験は以下の試験法により評価し
た。 ・屈折率、アッベ数:プルフリッヒ屈折計を用い、20
℃で測定する。 ・外 観:目視により、着色、透明性を観察する。 ・耐熱性:サーモメカニカルアナライザー、TAS30
0(理学電機製)を用いて、試験片に5g加重し、2.
5℃/分で加熱して、その熱変形開始温度を測定する。 ・染色性:三井東圧染料(株)製のプラスチックレンズ
用分散染料であるML−Yellow、ML−Red、
ML−Blueを各々、5g/Lの水溶液に調製した染
色槽を使って、95℃で5分間浸漬し、9mmの厚さの平
板を染色する。染色後、スペクトロフォトメーター、U
−2000(日立製作所製)を用いて、400〜700
nmの透過率を測定する。総合評価として染色性が良好な
ものを(○)、染色性に劣るか、全く染色できないもの
を(×)とする。 ・染色耐熱性:95℃の染色浴に5分間浸積した後、レ
ンズが変形しているか否かを目視により観察する。 ・吸水率:JIS−K−7209に基づいて、試験片を
作製し、室温で、水中に48時間浸漬し、その後の重量
変化から吸水率を測定する。 ・表面硬度:JIS−K−5401の塗膜用鉛筆引っ掻
き試験機を使用して、鉛筆硬度を測定する。
【0023】実施例1 2−メルカプトメチル−1,3
−プロパンジチオールの製造 水硫化ナトリウム・7水塩36.7g、水酸化ナトリウ
ム19.2g、二硫化炭素29mlを、DMF100m
l中で反応し、ここへ、1,3−ジクロロ−2−(クロ
ロメチル)プロパン16gをDMF25mlに溶解して
加えた。100℃で3時間反応し、室温まで冷却して、
反応液を水250mlにあけ、酢酸エチル100mlで
抽出し、水50mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後減圧下に濃縮して淡黄色の油状物として得た。
これを減圧下に蒸留(82℃、0.5mmHg)し、微
黄色透明の2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジ
チオール12gを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.28(m,3H),1.84(m,1H),
2.73(m,6H) ppm
【0024】実施例2 2,4,5−トリス(メルカプ
トメチル)−1,3−ジチオランの製造 2,3−ジメルカプトコハク酸50gを、エタノール5
00ml、トルエン500mlの混合溶媒に溶解し、濃
硫酸0.1mlを添加して、加熱還流下で10時間反応
した。この時モレキュラーシブス4Aを用いて脱水し
た。この反応液にジエトキシ酢酸エチル150mlを加
え、2日間加熱還流下に反応した。ロータリーエバポレ
ータにて大半のエタノールを留去し、飽和重炭酸ナトリ
ウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、
溶媒を減圧下に留去し、淡黄色の油状物を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(C−200、ヘ
キサン:アセトン=4:1)で精製し、1,3−ジチオ
ラン−2,4,5−トリカルボン酸トリエチルを微黄色
油状物として得た(48g)。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.28(m,9H),3.62(m,1H),
3.84(m,1H),4.16(m,6H),5.1
5(m,1H)ppm. 次いで、この1,3−ジチオラン−2,4,5−トリカ
ルボン酸トリエチル21gを、THF200mlに溶解
し、水素化リチウムアルミニウム25gをTHF400
mlに懸濁したものへ、反応温度が30℃を超えないよ
うに氷浴で冷却しながら滴下した。室温で3時間反応
後、2時間加熱還流下に反応した。室温まで冷却して、
少量の水を滴下して反応を停止し、不溶物を濾去した。
飽和塩化アンモニウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた無
色透明の油状物を、塩化メタンスルホニル15mlとピ
リジン60ml中で、−5℃で終夜反応し、反応物を氷
水中にあけ、クロロホルム50mlで2回抽出した。ク
ロロホルム層を10%塩酸−氷水と水、次いで3%炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥して減圧下で濃縮した。得られた黄色透明の油状
物を、チオ尿素17gとエタノール500ml中、加熱
還流下に6時間反応した。反応液を減圧下で約100m
lにまで濃縮し、5℃で終夜放置し、析出した白色結晶
を濾取し風乾した。この結晶を窒素気流下で、7%水酸
化ナトリウム水溶液2lに溶解し、加熱還流下に8時間
反応した。反応液を氷浴で冷却し、10%硫酸水溶液で
pH=5にした。これをクロロホルム100mlで3回
抽出し、水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセ
トン=2:1)で精製して、無色透明の硬いガラス状物
として2,4,5−トリス(メルカプトメチル)−1,
3−ジチオラン11.5gを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.15(m,3H),3.86(m,6H),
3.55(m,2H),4.52(m,1H)ppm.
【0025】実施例3 2,2−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ジメルカプトブタンの製造 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ブタンジ
オール30gを、ピリジン143gに溶解し、塩化メタ
ンスルホニル93mlを−5℃で滴下し、同温で終夜反
応した。反応物を氷水200g中にあけ、クロロホルム
50mlで2回抽出した。クロロホルム層を10%塩酸
−氷水と水、次いで3%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下で濃縮
し、2,2−ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−
1,4−ジ(メタンスルホニルオキシ)ブタンを黄色油
状物として得た。水硫化ナトリウム・7水塩73g、水
酸化ナトリウム20g、二硫化炭素60mlをDMF2
20ml中で反応し、ここへ、先に製造した粗2,2−
ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−1,4−ジ
(メタンスルホニルオキシ)ブタンをDMF50mlに
溶解して滴下した。100℃で3時間反応し、室温まで
冷却して反応液を氷水500ml中にあけ、酢酸エチル
100mlで3回抽出し、水100mlで2回洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して淡黄色
の油状物として得た。これを窒素気流下にて亜鉛末2
g、濃塩酸10mlと共に室温で1時間激しく撹拌後、
不溶物を濾去してクロロホルム中にあけ、水洗して無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して無色透明の
油状物を得た。減圧下(80℃、0.3mmHg)で、
2時間処理して不純物を除去し、無色透明油状物の2,
2−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジメルカプト
ブタン22gを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.91(m,4H),2.84(m,2H),
3.77(m,8H)ppm.
【0026】実施例4 4,4−ビス(メルカプトメチ
ル)−3,5−ジチアヘプタン−1,7−ジチオールの
製造 1,3−ジヒドロキシアセトン(2量体)14.1gと
2−メルカプトエタノール25gを、濃硫酸1滴を酸触
媒とし、ベンゼン100ml中で、加熱還流下に12時
間反応させた。熱時、活性炭2gを加えて褐色タール状
物を除き、熱濾過して、濾液を室温で1日放置して、白
色結晶状の4,4−ビス(ヒドロキシメチル)−3,5
−ジチアヘプタン−1,7−ジオール10.5gを得
た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=2.24(m,4H),2.78(m,4H),
4.06(m,8H)ppm. この4,4−ビス(ヒドロキシメチル)−3,5−ジチ
アヘプタン−1,7−ジオール7.8gをピリジン70
mlに溶解し、塩化メタンスルホニル12mlを−5℃
で滴下し、同温で終夜反応した。反応物を氷水100g
中にあけ、クロロホルム30mlで3回抽出した。クロ
ロホルム層を10%塩酸−氷水と飽和食塩水、次いで3
%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して減圧下で濃縮し、4,4−ビス(メタ
ンスルホニルオキシメチル)−1,7−ジメタンスルホ
キシ−3,5−ジチアヘプタンを黄色油状物として得
た。得られた粗4,4−ビス(メタンスルホニルオキシ
メチル)−1,7−ジメタンスルホキシ−3,5−ジチ
アヘプタンを、チオ尿素14.3gとエタノール80m
l中、加熱還流下に6時間反応した。反応液を減圧下で
濃縮し、得られた油状物を、窒素気流下で濃アンモニア
水16mlと80℃で6時間反応させた。トルエン10
0mlを加えて水洗、5%塩酸水溶液洗、水洗し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得ら
れた粗アモルファス状物をヘキサン−ベンゼン(1:
1)10mlで再結晶して、4,4−ビス(メルカプト
メチル)−3,5−ジチアヘプタン−1,7−ジチオー
ル3.3gを無色結晶として得た(融点111〜113
℃)。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.44(m,4H),2.57(m,2H),
2.87(m,8H),3.99(m,2H)ppm.
【0027】実施例5 2,3−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ブタンジチオールの製造 2,3−ビス(クロロメチル)−1,4−クロロブタン
33gを、DMF30mlに溶解し、水硫化ナトリウム
・7水塩60g、水酸化ナトリウム35g、二硫化炭素
48mlをDMF170ml中で反応した溶液の中に滴
下した。100℃で3時間反応させ、室温まで冷却した
後、反応液を氷水300ml中にあけ、酢酸エチル10
0mlで3回抽出し、水100mlで2回洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して淡黄色の油
状物として得た。これを窒素気流下にて、亜鉛末2g、
濃塩酸10mlと共に室温で1時間激しく撹拌後、不溶
物を濾去して、クロロホルム中にあけ、水洗して無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して無色透明の油
状物を得た。減圧下(80℃、0.3mmHg)で2時
間処理して不純物を除去し、2,3−ビス(メルカプト
メチル)−1,4−ブタンジチオールを硬い無色透明油
状物として得た。収量18g。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.88(m,4H),2.55(m,2H),
3.81(m,8H)ppm.
【0028】実施例6 2,6−ビス(メルカプトメチ
ル)−3,5−ジチアヘプタン−1,7−ジチオール 2,6−ビス(クロロメチル)−1,7−ジクロロ−
3,5−ジチアヘプタン25gを、チオ尿素26.5g
とエタノール220ml中で、加熱還流下に6時間反応
した。反応液を減圧下で約100mlにまで濃縮し、5
℃に終夜放置し、析出した白色結晶を濾取し風乾した。
この結晶20gを、窒素気流下で6%水酸化ナトリウム
水溶液640mlに溶解し、加熱還流下に8時間反応し
た。反応液を氷浴で冷却し、10%硫酸水溶液でpH=
5にした。これをクロロホルム100mlで3回抽出
し、水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥して減圧下で濃縮した。得られた微黄色の粗生成物
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
アセトン=2:1)で精製し、無色透明の硬いガラス状
物として2,6−ビス(メルカプトメチル)−3,5−
ジチアヘプタン−1,7−ジチオール6.6gを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ): δ=1.65(m,4H),2.88(m,2H),
3.45(m,8H),5.51(m,2H)ppm.
【0029】実施例7 2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール2
0部(0.13モル)、m−キシリデンジイソシアナー
ト36.6部(0.194モル)、ジブチルチンジラウ
レート0.01重量%(混合物の全量に対して)を混合
して、均一液とし、十分に脱泡した後、離型処理を施し
たガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に注
入した。ついで、40℃から120℃まで徐々に昇温し
ながら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、
徐々に冷却し、重合体をモールドより取り出した。得ら
れた樹脂は、無色透明で、屈折率nd =1.64、アッ
ベ数νd =34であり、熱変形開始温度は135℃だっ
た。キャリヤーとして、2%ベンジルアルコールを用い
た染色後の透過率は、ML−Yellowで25%、M
L−Redで27%、ML−Blueで31%であり、
染色性の総合評価は(○)であった。48時間後の吸水
率は0.01%であり、また、表面硬度は2Hであっ
た。
【0030】実施例8 2,4,5−トリス(メルカプトメチル)−1,3−ジ
チオラン25部(0.102モル)、m−キシリデンジ
イソシアナート28.8部(0.153モル)、ジブチ
ルチンジラウレート0.01重量%(混合物の全量に対
して)を混合して、均一液とし、十分に脱泡した後、離
型処理を施したガラスモールドとガスケットよりなるモ
ールド型に注入した。ついで、40℃から120℃まで
徐々に昇温しながら、20時間かけて加熱硬化させた。
重合終了後、徐々に冷却し、重合体をモールドより取り
出した。得られた樹脂は、無色透明で、屈折率nd
1.65、アッベ数νd =33であり、熱変形開始温度
は115℃だった。染色後の透過率は、ML−Yell
owで29%、ML−Redで33%、ML−Blue
で39%であり、染色性の総合評価は(○)であった。
48時間後の吸水率は0.01%であり、また、表面硬
度は2Hであった。
【0031】実施例9 2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ブタンジ
チオール23部(0.11モル)、m−キシリデンジイ
ソシアナート32.2部(0.171モル)、ジブチル
チンジラウレート0.01重量%(混合物の全量に対し
て)を混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処
理を施したガラスモールドとガスケットよりなるモール
ド型に注入した。ついで、40℃から120℃まで徐々
に昇温しながら、20時間かけて加熱硬化させた。重合
終了後、徐々に冷却し、重合体をモールドより取り出し
た。得られた樹脂は、無色透明で、屈折率nd =1.6
5、アッベ数νd =33であり、熱変形開始温度は13
8℃であった。キャリヤーとして2%ベンジルアルコー
ルを用いた染色後の透過率は、ML−Yellowで2
7%、ML−Redで30%、ML−Blueで35%
であり、染色性の総合評価は(○)であった。48時間
後の吸水率は0.01%であり、また、表面硬度は2H
であった。
【0032】実施例10 4,4−ビス(メルカプトメチル)−3,5−ジチアヘ
プタン−1,7−ジチオール30部(0.103モ
ル)、m−キシリデンジイソシアナート29部(0.1
55モル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%
(混合物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分
に脱泡した後、離型処理を施したガラスモールドとガス
ケットよりなるモールド型に注入した。ついで、40℃
から120℃まで徐々に昇温しながら、20時間かけて
加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、重合体を
モールドより取り出した。得られた樹脂は、無色透明
で、屈折率nd =1.67、アッベ数νd =31であ
り、熱変形開始温度は109℃であった。染色後の透過
率は、ML−Yellowで33%、ML−Redで3
5%、ML−Blueで35%であり、染色性の総合評
価は(○)であった。48時間後の吸水率は0.02%
であり、また、表面硬度は2Hであった。
【0033】実施例11 2,3−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ブタンジ
チオール23部(0.11モル)、m−キシリデンジイ
ソシアナート32.2部(0.171モル)、ジブチル
チンジラウレート0.01重量%(混合物の全量に対し
て)を混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処
理を施したガラスモールドとガスケットよりなるモール
ド型に注入した。ついで、40℃から120℃まで徐々
に昇温しながら、20時間かけて加熱硬化させた。重合
終了後、徐々に冷却し、重合体をモールドより取り出し
た。得られた樹脂は、無色透明で、屈折率nd =1.6
6、アッベ数νd =32であり、熱変形開始温度は12
4℃であった。キャリヤーとして2%ベンジルアルコー
ルを用いた染色後の透過率は、ML−Yellowで2
8%、ML−Redで29%、ML−Blueで41%
であり、染色性の総合評価は(○)であった。48時間
後の吸水率は0.01%であり、また、表面硬度は2H
であった。
【0034】実施例12 2,6−ビス(メルカプトメチル)−3,5−ジチアヘ
プタン−1,7−ジチオール33.4部(0.11モ
ル)、m−キシリデンジイソシアナート26部(0.1
38モル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%
(混合物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分
に脱泡した後、離型処理を施したガラスモールドとガス
ケットよりなるモールド型に注入した。ついで、40℃
から120℃まで徐々に昇温しながら、20時間かけて
加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、重合体を
モールドより取り出した。得られた樹脂は、無色透明
で、屈折率nd =1.68、アッベ数νd =31であ
り、熱変形開始温度は120℃であった。キャリヤーと
して2%ベンジルアルコールを用いた染色後の透過率
は、ML−Yellowで30%、ML−Redで33
%、ML−Blueで35%であり、染色性の総合評価
は(○)であった。48時間後の吸水率は0.02%で
あり、また、表面硬度はHであった。
【0035】
【発明の効果】本発明のポリチオール誘導体は、含硫ウ
レタン樹脂からなるプラスチックレンズの原料として用
いた場合、極めて高い屈折率と高い耐熱性を合わせ持つ
優れた高屈折率プラスチックレンズを提供することが可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるポリチオー
    ル誘導体。 R−(CH2 SH)n (1) (式中、Rは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜3
    の低級アルカントリイル、または低級アルカンテトライ
    ルを表し、nは3または4の整数を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(1)が、下記式(2)〜(7)
    (化1)のいずれかである請求項1記載のポリチオール
    誘導体。 【化1】
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のポリチオール誘
    導体とポリイソシアネートを反応、硬化させて得られる
    高屈折率プラスチックレンズ。
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