JP3174763B2 - 光学製品 - Google Patents
光学製品Info
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Description
さらに詳しくは、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、
かつ光学歪がないなど、光学特性に優れる上、耐溶剤
性、耐候性も良好なレンズ、プリズム、光ファイバー、
記録媒体用基板、フィルター、さらにはグラス、花ビン
などの光学製品に関するものである。
で割れにくく、染色が容易であるため、近年、各種レン
ズ等の光学用途に使用されている。光学用プラスチック
材料としては、ポリエチレングリコールビスアリルカー
ボネート(CR−39)やポリメチルメタクリレート
(PMMA)が一般に用いられている。しかしながら、
これらのプラスチック材料は屈折率が1.5以下である
ため、例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなる
ほどレンズの肉厚を厚くしなければならず、軽量である
というプラスチックの優位性が損なわれてしまうばかり
か、審美性の点でも好ましくなかった。また特に凹レン
ズにおいては、レンズの周囲の厚さ(コバ厚)が厚くな
り、複屈折や色収差が生じやすいなどの問題があった。
を生かし、レンズの肉厚を薄くできるようにするため、
屈折率の高いプラスチック材料が望まれていた。そのよ
うな性能を有する材料としては、例えば(1)キシリレ
ンジイソシアネート化合物とポリチオール化合物とから
なる重合体(特開昭63−46213号公報)、(2)
脂肪族直鎖状含硫二官能イソシアネート化合物とポリチ
オール化合物とからなる樹脂(特開平2−153302
号公報)、(3)脂肪族分岐状含硫二官能イソシアネー
ト化合物とポリチオール化合物とからなる重合体(特開
平10−45707号公報)などが開示されている。
合相手となるポリチオール化合物との組合わせを限定す
ることにより、屈折率は高くなるものの、アッベ数が低
くなり、色収差が大きくなるという問題が生じる。一
方、(2)の樹脂及び(3)の重合体は、屈折率が高
く、色収差の点での改善もみられるが、耐溶剤性に劣る
という欠点を有している。さらに、これらは、二官能性
イソシアネート化合物から得られた未架橋の重合体であ
るため、耐溶剤性を向上させるには、別途特殊な架橋剤
を必要とし、重合相手となるポリチオール化合物の種類
が制限されるのを免れないという問題がある。
事情のもとで、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、か
つ光学歪がないなど、光学特性に優れる上、耐溶剤性、
耐候性も良好な光学製品を提供することを目的とするも
のである。
ましい性質を有する光学製品を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、特定のポリイソシアネート化合物を含む成分
と、一分子内にヒドロキシル基またはメルカプト基ある
いはその両方を2つ以上有する化合物を含む成分とを重
付加反応させて得られたポリ(チオ)ウレタンからなる
光学製品が、その目的に適合しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基、mおよびnは、それぞれ独立に
0〜3の整数を示す。)で表されるポリイソシアネート
化合物を少なくとも含む成分と、(B)(イ)一分子内に
2つ以上のメルカプト基を有する化合物、(ロ)一分子内
に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物および(ハ)
一分子内に1つ以上のヒドロキシル基と1つ以上のメル
カプト基を有する化合物の中から選ばれる少なくとも1
種を含む成分とを含有する単量体混合物を重付加反応さ
せることにより得られるポリ(チオ)ウレタンからなる
光学製品を提供するものである。
ウレタンからなるものであって、該ポリ(チオ)ウレタ
ンの原料の1つである(A)成分としては、一般式
(I)
の化合物は、硫黄原子を含む脂肪族構造を基本骨格と
し、さらに4つのイソシアネート基を有するものであ
る。
1〜6の鎖状アルキレン基または1つ以上の硫黄原子を
含む炭素と硫黄との合計数3〜6の鎖状チアアルキレン
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
す。上記のZのうちの鎖状チアアルキレン基としては、
例えば−CH2SCH2−、−CH2CH2SCH2CH2−
および−CH2SCH2SCH2−を好ましく挙げること
ができる。
ソシアネート化合物は、硫黄原子を基本骨格に含むこと
により、ポリイソシアネート化合物自体の屈折率および
アッベ数が高められるので、このポリイソシアネート化
合物を用いて光学製品を製造した場合に、その光学製品
の屈折率およびアッベ数をも高める。また、このポリイ
ソシアネート化合物は、4つのイソシアネート基を有す
ることから、それ自体架橋剤となるため、このポリイソ
シアネート化合物を用いて光学製品を製造した場合、副
成分として他の架橋剤を加えなくても、その光学製品に
高耐溶剤性だけでなく、高耐熱性や優れた機械的物性を
与えることができる。
イソシアネート化合物を用いることにより、架橋剤を使
用しなくてもよいが、必要に応じ、架橋剤を併用するこ
とができる。前記一般式(I)で表されるポリイソシア
ネート化合物としては、具体的には、下記の構造のもの
が挙げられる。
の製造方法としては、所望の構造を有するポリイソシア
ネート化合物が得られる方法であればよく、特に制限は
ないが、以下に示す方法に従えば、極めて効率よく製造
することができる。
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基を示す。)で表されるジチオール
化合物を用い、これから、一般式(IV)
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
し、Zは前記と同じである。)で表されるテトラカルボ
ン酸エステル体を得る。
ン酸エステル体を得るには、例えば一般式(III)で表
されるジチオール化合物に、一般式(V) R3OOC−CH=CH−(CH2)p−COOR3 …(V) (式中、R3はR1またはR2であって、低級アルキル基
を示し、pはmまたはnであって、0〜3の整数を示
す。)で表される脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキ
ルエステルを反応させる方法、あるいは一般式(VI)
であって、低級アルキル基を示し、qはmまたはnであ
って、0〜3の整数を示す。)で表されるハロゲノ脂肪
族ジカルボン酸低級アルキルエステルを反応させる方法
などを用いればよい。
同じである場合には、一般式(III)で表されるジチオ
ール化合物1モルに対して、前記一般式(V)で表され
る脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまた
は一般式(VI)で表されるハロゲノ脂肪族ジカルボン酸
低級アルキルエステルを、実質上2モルの割合で反応さ
せればよい。
が異なる場合には、一般式(III)で表されるジチオー
ル化合物1モルに対して、前記一般式(V)で表される
脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまたは
一般式(VI)で表されるハロゲノ脂肪族ジカルボン酸低
級アルキルエステルを、実質上1モルの割合で反応させ
たのち、一般式(V)で表され、かつpが異なる別の脂
肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまたは一
般式(VI)で表され、かつqが異なる別のハロゲノ脂肪
族ジカルボン酸低級アルキルエステルを、実質上1モル
の割合で反応させる2段階の方法を用いればよい。
和ジカルボン酸低級アルキルエステルを使用する場合に
は、ラジカル系やアニオン系触媒の存在下に反応させる
のが好ましく、一方、一般式(VI)で表されるハロゲノ
脂肪族ジカルボン酸低級アルキルエステルを使用する場
合には、ハロゲン化水素捕捉剤の存在下に反応させるの
が有利である。また、このような反応においては、必要
に応じて溶媒を使用することができる。
V)で表されるテトラカルボン酸エステル体に、ヒドラ
ジン一水和物などを反応させて、一般式(VII)
されるテトラカルボニルヒドラジド体に導く。この際、
必要に応じ、低級アルコールなどの溶媒を用いることが
できる。
(VII)で表されるテトラカルボニルヒドラジド体を、
例えば塩酸水溶中で亜硝酸と反応させたのち、熱転移さ
せて、カルボニルヒドラジド基をイソシアネート基に変
換することにより、目的の一般式(I)
されるポリイソシアネート化合物が得られる。なお、R
1〜R4で示される低級アルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基などである。ま
た、一般式(I)で表されるポリイソシアネート化合物
は、前述の方法以外に、ホスゲン法によっても製造する
ことができる。
る。まず、ハロゲン化水素捕捉剤の存在下、一般式(VI
II) X1−Z−X2 …(VIII) (式中、X1およびX2は、それぞれ独立にハロゲン原子
を示し、Zは前記と同じである。)で表されるジハロゲ
ノ化合物1モルに対し、実質上2モルのメルカプトマロ
ノニトリルを反応させて、一般式(IX)
トリル体を得る。次いで、これを水素添加して、一般式
(X)
ミノメチル体を得たのち、これにホスゲンを反応させれ
ば、目的の一般式(I−a)
シアネート化合物が得られる。
適宜改良するために、前記一般式(I)で表されるポリ
イソシアネート化合物以外に、一分子内に2つ以上のイ
ソシアネート基を有する化合物を1種もしくは2種以上
含んでいてもよい。これらの化合物としては、具体的に
は、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレン
ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、
α,α,α′,α′−テトラメチル−p−キシリレンジ
イソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチル−
m−キシリレンジイソシアネート、1,3,5−トリス
(イソシアナートメチル)ベンゼン、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、1,4−ジイソシアナートブタン、イ
ソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネ
ート、ビス(4,4′−イソシアナートシクロヘキシ
ル)メタン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シ
クロヘキサン、1,3,5−トリス(イソシアナートメ
チル)シクロヘキサン、1,4−ジイソシアナートシク
ロヘキサン、1,3,5−トリイソシアナートシクロヘ
キサン、リジントリイソシアネート、2,5−ビス(イ
ソシアナートメチル)−1,4−ジチアン、1,3−ジ
チオラン−4,5−ジイソシアナート、4,5−ビス
(イソシアナートメチル)−1,3−ジチオラン、イソ
シアナートメチルスルフィド、2−イソシアナートエチ
ルスルフィド、ビス(イソシアナートメチルチオ)メタ
ン、1,2−ビス(イソシアナートメチルチオ)エタ
ン、ビス(2−イソシアナートエチルチオ)メタン、
1,2−ビス(2−イソシアナートエチルチオ)エタ
ン、1,7−ジイソシアナート−2,4,6−トリチア
ヘプタン、1,5−ジイソシアナート−2−イソシアナ
ートメチル−3−チアペンタン、1,4−ジイソシアナ
ート−2−イソシアナートメチル−3−チアブタンなど
が挙げられる。(A)成分中の一般式(I)で表される
ポリイソシアネート化合物の含有量は、0.1モル%以
上が好ましく、特に5モル%以上が好ましい。
ある(B)成分としては、(イ)一分子内に2つ以上のメ
ルカプト基を有する化合物、(ロ)一分子内に2つ以上の
ヒドロキシル基を有する化合物および(ハ)一分子内に1
つ以上のヒドロキシル基と1つ以上のメルカプト基を有
する化合物の中から選ばれる少なくとも1種を含むもの
が用いられる。
上のメルカプト基を有する化合物の例としては、2,5
−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,
5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン二量
体および多量体(三量体以上)、1,2,3−トリメル
カプトプロパン、テトラキス(7−メルカプト−2,5
−ジチアヘプチル)メタン、1,2−エタンジチオー
ル、1,3−プロパンジチオール、テトラキスメルカプ
トメチルメタン、2−メルカプトエチルスルフィド、ペ
ンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネー
ト、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテ
ート、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼン
ジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5
−ベンゼントリチオール、1,2−ジメルカプトメチル
ベンゼン、1,3−ジメルカプトメチルベンゼン、1,
4−ジメルカプトメチルベンゼン、1,3,5−トリメ
ルカプトメチルベンゼン、トルエン−3,4−ジチオー
ル、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレー
ト、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサ
ン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロへキサ
ン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロ
パンジチオール、1,2−ビス(2−メルカプトエチル
チオ)−3−メルカプトプロパン、4,8−ビス(メル
カプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウ
ンデカンジチオールなどが挙げられる。
のヒドロキシル基を有する化合物の例としては、エチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ジヒドロキシベンゼン、カテコール、4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルフィド、2−ヒドロキシエチルスル
フィド、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド5モ
ル付加体、グリセリン・プロピレンオキサイド3モル付
加体などが挙げられる。
のヒドロキシル基と1つ以上のメルカプト基を有する化
合物の例としては、2−メルカプトエタノール、2,3
−ジメルカプトプロパノール、1,2−ジヒドロキシ−
3−メルカプトプロパン、4−メルカプトフェノールな
どが挙げられる。
ルカプト基含有化合物が好ましく、特に一般式(II)
5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンおよ
びそのオリゴマーが好適である。
使用割合としては、(A)成分中のイソシアネート基と
(B)成分中のメルカプト基およびヒドロキシル基の合
計量とのモル比NCO基/(SH基+OH基)が0.9
5〜1.05の範囲にあるのが好ましい。
体混合物には、(A)成分および(B)成分以外に光学
製品の物性等を適宜改良するために、一分子内に2つ以
上のビニル基を有する化合物が1種もしくは2種以上含
まれていてもよい。その場合、これら化合物の使用割合
は、(イソシアネート基+ビニル基)/(メルカプト基
+ヒドロキシ基)のモル比が0.95〜1.5の範囲内
でありかつ(ビニル基)/(イソシアネート基)のモル
比が0.7以下であることが好ましく、また(B)成分
に含まれる重合官能基は全てメルカプト基であることが
好ましい。これらの化合物としては、具体的には、2,
5−ビス(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジチア
ン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、一分子内に少なくとも2つ以上の(メタ)ア
クリロキシ基を含むウレタン変性(メタ)アクリレート
等が挙げられる。なお、上記(メタ)アクリレートは、
アクリレートとメタクリレートの両者を意味し、(メ
タ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基とメタクリロキ
シ基の両者を意味する。
るために紫外線吸収剤、色素や顔料等を、耐候性を改良
するために、酸化防止剤、着色防止剤等を、成形加工性
を改良するために、離型剤等を、所望により適宜加える
ことができる。ここで、紫外線吸収剤としては、例えば
ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸
系等が、色素や顔料としては、例えばアントラキノン系
やアゾ系等が挙げられる。
モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノ
ール系、硫黄系、リン系等が、離型剤としては、例えば
フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、酸性リン
酸エステル、高級脂肪酸等が挙げられる。
使用してもよく、アミン化合物、有機金属化合物等が効
果的である。具体的には、トリエチレンジアミン、ヘキ
サメチレンテトラミン、N,N−ジメチルオクチルアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ジア
ミノヘキサン、4,4′−トリメチレンビス(1−メチ
ルピペリジン)、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,
0)−7−ウンデセン、ジメチルスズジクロライド、ジ
メチルスズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジ
ブチルスズジクロライド、ジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズマレエート、ジブチルスズマレエートポリ
マー、ジブチルスズジリシノレート、ジブチルスズビス
(ドデシルメルカプチド)、ジブチルスズビス(イソオ
クチルチオグリコレート)、ジオクチルスズジクロライ
ド、ジオクチルスズマレエート、ジオクチルスズマレエ
ートポリマー、ジオクチルスズビス(ブチルマレエー
ト)、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジ
リシノレート、ジオクチルスズジオレエート、ジオクチ
ルスズジ(6−ヒドロキシ)カプロエート、ジオクチル
スズビス(イソオクチルチオグリコケート)、ジドデシ
ルスズジリシノレート、オレイン酸銅、アセチルアセト
ン酸銅、アセチルアセトン酸鉄、ナフテン酸鉄、乳酸
鉄、クエン酸鉄、グルコン酸鉄、オクタン酸カリウム、
チタン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。上記触媒
は、1種のみで使用しても、また2種以上を組み合わせ
て使用しても有効である。さらに、単量体混合物中にビ
ニル化合物が含まれる場合には、上記触媒以外に、有機
過酸化物、アゾ化合物等の使用が効果的である。
合物を用いた本発明の光学製品の製造について述べると
以下の通りである。上記(A)成分、(B)成分および
添加剤や触媒の均一混合物を公知の注型重合法、すなわ
ちガラス製または金属製のモールドと樹脂製のガスケッ
トを組み合わせた型の中に注入し、加熱して硬化させ
る。この際、成形後の樹脂の取り出しを容易にするため
に、あらかじめモールドを離型処理したり、(A)成分
及び(B)成分等の混合物中に離型剤を混合してもよ
い。重合温度は、使用する化合物により異なるが、一般
には−20〜+150℃で、重合時間は0.5〜72時
間である。本発明の光学製品は通常の分散染料を用い、
水もしくは有機溶媒中で容易に染色が可能であり、この
際さらに染色を容易にするために、キャリアーを加えた
り加熱してもよい。このようにして得られた光学製品の
代表例はプラスチックレンズであるが、これに限定され
るものではない。
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。得られたポリイソシアネート化合
物および重合体の物性は、以下に示す方法に従って評価
した。
磁気共鳴スペクトル) 日本電子製FT−NMR装置EX270型を用いて測定
した。 (2)IRスペクトル(赤外線吸収スペクトル) ニコレー製MAGNA−IR分光光度計560型を用い
て測定した。 (3)屈折率(nD)とアッベ数(νD) カルニュー社製精密屈折率計KPR−200型を用いて
20℃にて測定した。 (4)外観 肉眼により観察した。
メーターにレンズ(光学材料を用いた光学製品)をセッ
トし200時間経過したところでレンズを取り出し、試
験前のレンズと色相を比較し、下記の基準で耐候性を評
価した。 ○:変化なし △:わずかに黄変 ×:黄変 (6)耐溶剤性 アセトンを用いた拭き取りテストを行い、下記の基準で
耐溶剤性を評価した。 ○:変化がない ×:表面にあれや膨潤がみられる (7)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行い、下記の基準で光
学歪を評価した。 ○:歪が認められない ×:歪が認められる
−2,5−ジチアヘキサンの製造 1,2−エタンジチオール18.6g(0.20mo
l)とグルタコン酸ジエチル72.4g(0.40mo
l)をテトラヒドロフラン160mlに溶解し、氷浴
下、触媒としてテトラブチルアンモニウムフルオライド
1.04g(0.004mol)を加え2時間還流撹拌
した。放冷後、テトラヒドロフランを除去し、ベンゼン
300mlを加えたものを希水酸化ナトリウム水溶液、
水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥してか
ら、ベンゼンを十分除去することにより、無色透明な
1,1,6,6−テトラキス(エチルオキシカルボニル
メチル)−2,5−ジチアヘキサン83.9g(0.1
8mol)を得た。
に溶解し、ヒドラジン一水和物108.0g(2.16
mol)とメタノール110mlの混合溶液に室温で滴
下し、滴下終了後60℃で3時間攪拌した。放冷後、析
出した白色結晶を濾取し、メタノール−水より再結晶す
ることにより、1,1,6,6−テトラキス(ヒドラジ
ノカルボニルメチル)−2,5−ジチアヘキサン49.
6g(0.12mol)を得た。
水溶液350gに溶解し、クロロホルム240mlとの
懸濁液に、亜硝酸ナトリウム33.1g(0.48mo
l)を添加し、終了後、1時間攪拌を続けた。懸濁液か
ら有機相を取り出し、水洗、乾燥(硫酸マグネシウム)
した後、加熱することにより転移反応を完結させた。反
応溶液から溶媒であるクロロホルムを十分除去すること
により、無色透明な反応生成物28.8g(0.08m
ol)を得た。この反応生成物は、1H−NMRスペク
トルおよびIRスペクトルにより、目的のポリイソシア
ネート化合物であることが分かった。この新規ポリイソ
シアネート化合物の1H−NMRスペクトルを図1に、
IRスペクトルを図2に示す。
シアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン(表1中
でTE−1と表示)0.06mol、2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアン(表1中でBMM
Dと表示)0.12molおよびジブチルスズジラウレ
ート(表1中でDBTDLと表示)1.2×10-4mo
lの混合物を均一に撹拌し、レンズ成形用ガラス型に注
入し、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さら
に120℃で3時間加熱重合させプラスチックレンズを
得た。得られたプラスチックレンズの諸物性を表1に示
す。表1から、製造例1のポリイソシアネート化合物を
用いて得られた重合体は無色透明であり、屈折率
(nD)は1.67と非常に高く、アッベ数(νD)も3
6と高い(低分散)ものであり、耐候性及び耐溶剤性に
優れ、光学歪の無いものであった。
ート化合物TE−1[1,1,6,6−テトラキス(イ
ソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン]、ま
たは1,1,5,5−テトラキス(イソシアナートメチ
ル)−2,4−ジチアペンタン(表1中でTE−2と表
示)を含むモノマー組成物を使用した以外は実施例1と
同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。これら
のプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1か
ら、得られたプラスチックレンズは無色透明であり、屈
折率(nD)は1.65〜1.69と非常に高く、アッ
ベ数(νD)も35〜38と高い(低分散)ものであ
り、耐候性及び耐溶剤性に優れ、光学歪の無いものであ
った。
ート(表1中でPETMPと表示)0.06mol、m
−キシリレンジイソシアネート(表1中でXDIと表
示)0.12mol及びジブチルスズジラウレート(表
1中でDBTDLと表示)1.2×10-4molの混合
物を均一に撹拌し、レンズ成形用ガラス型に注入し、5
0℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに120
℃で3時間加熱重合させプラスチックレンズを得た。得
られたプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1
から、比較例1のプラスチックレンズは無色透明で光学
歪も観察されず、耐溶剤性にも優れていたが、屈折率が
1.59と低かった。
と同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。これ
らのプラスチックレンズの諸物性を表1に示した。表1
から、比較例2のプラスチックレンズは屈折率が1.6
8と高く、耐溶剤性にも優れているが、黄色に着色して
おり、アッベ数が25と低い上に、耐候性に劣り、光学
歪が観察された。また、比較例3のプラスチックレンズ
は、無色透明で、屈折率が1.68と高く、光学歪も観
察されなかったが、アッベ数が29と低い上に、耐溶剤
性にも劣っていた。
トメチル)−2,5−ジチアヘキサン TE−2:1,1,5,5−テトラキス(イソシアナー
トメチル)−2,4−ジチアペンタン HXDI:1,3−ビス(イソシアナートメチル)シク
ロヘキサン、 IMTE:1,2−ビス(イソシアナートメチルチオ)
エタン、 IPDI:イソホロンジイソシアネート、 DBMD:2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアン二量体、 BMMD:2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアン、 BMMC:2,5−ビス(メルカプトメチル)シクロヘ
キサン、 TMP:1,2,3−トリメルカプトプロパン、 DBTDL:ジ−n−ブチルチンジラウレート、 DBTDC:ジ−n−ブチルチンジクロライド、DMTDC:ジメチルチンジクロライド XDI:m−キシリレンジイソシアネート、 TDI:トリレンジイソシアネート、 TPDI:2,4−ジチアペンタン−1,3−ジイソシ
アネート PETMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)、 XDT:m−キシリレンジチオール、 PETMA:ペンタエリスリトールテトラキス(2−メ
ルカプトアセテート)
含み、さらに架橋されているので、屈折率、アッベ数が
高く、耐候性、耐溶剤性、透明性に優れ、光学歪が見ら
れないなどの特徴を有する。本発明の光学製品の具体例
としては、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、プリ
ズム、光ファイバー、光ディスク、磁気ディスク等に用
いられる記録媒体用基板、フィルター、グラス、花ビン
等が挙げられる。
ス(イソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン
の1H−NMRスペクトル図である。
ス(イソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン
のIRスペクトル図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)一般式(I) 【化1】 (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基、mおよびnは、それぞれ独立に
0〜3の整数を示す。)で表されるポリイソシアネート
化合物を少なくとも含む成分と、(B)(イ)一分子内に
2つ以上のメルカプト基を有する化合物、(ロ)一分子内
に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物および(ハ)
一分子内に1つ以上のヒドロキシル基と1つ以上のメル
カプト基を有する化合物の中から選ばれる少なくとも1
種を含む成分とを含有する単量体混合物を重付加反応さ
せることにより得られるポリ(チオ)ウレタンからなる
光学製品。 - 【請求項2】 (A)成分の一般式(I)で表されるポ
リイソシアネート化合物において、Zのうちの鎖状チア
アルキレン基が−CH2SCH2−、−CH2CH2SCH
2CH2−または−CH2SCH2SCH2−である請求項
1に記載の光学製品。 - 【請求項3】 (B)成分のうちの(イ)成分が、一般式
(II) 【化2】 (式中、aは1〜20の整数を示す。)で表される化合
物である請求項1または2に記載の光学製品。 - 【請求項4】 光学的に透明である請求項1ないし3の
いずれか1項に記載の光学製品。 - 【請求項5】 眼鏡レンズである請求項1ないし4のい
ずれか1項に記載の光学製品。
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