JP2944646B1 - ポリイソシアネート化合物及びその製造方法 - Google Patents
ポリイソシアネート化合物及びその製造方法Info
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Abstract
【要約】
【課題】 高屈折率、低分散で、光学特性に優れる光学
材料の原料として有用な新規なポリイソシアネート化合
物、および、このものを効率よく製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1つ以上
の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の鎖状チ
アアルキレン基、m、nは0〜3の整数)で表されるポ
リイソシアネート化合物、および一般式(II) HS−Z−SH …(II) (Zは前記と同じである。)で表されるジチオール化合
物を原料として用い、テトラカルボン酸エステル体、テ
トラカルボニルヒドラジド体を経て、一般式(I)のポ
リイソシアネート化合物を製造する方法である。
材料の原料として有用な新規なポリイソシアネート化合
物、および、このものを効率よく製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1つ以上
の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の鎖状チ
アアルキレン基、m、nは0〜3の整数)で表されるポ
リイソシアネート化合物、および一般式(II) HS−Z−SH …(II) (Zは前記と同じである。)で表されるジチオール化合
物を原料として用い、テトラカルボン酸エステル体、テ
トラカルボニルヒドラジド体を経て、一般式(I)のポ
リイソシアネート化合物を製造する方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイソシアネー
ト化合物およびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、高屈折率、低分散で、光学特性に優れる
光学材料の原料として有用な新規なポリイソシアネート
化合物、および、このものを効率よく製造する方法に関
するものである。
ト化合物およびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、高屈折率、低分散で、光学特性に優れる
光学材料の原料として有用な新規なポリイソシアネート
化合物、および、このものを効率よく製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはガラスに比べると、軽量
で割れにくく、染色が容易であるため、近年、各種レン
ズ等の光学用途に使用されている。光学用プラスチック
材料としては、ポリエチレングリコールビスアリルカー
ボネート(CR−39)やポリメチルメタクリレート
(PMMA)が一般に用いられている。しかしながら、
これらのプラスチック材料は屈折率が1.5以下である
ため、例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなる
ほどレンズの肉厚を厚くしなければならず、軽量である
というプラスチックの優位性が損なわれてしまうばかり
か、審美性の点でも好ましくなかった。また特に凹レン
ズにおいては、レンズの周囲の厚さ(コバ厚)が厚くな
り、複屈折や色収差が生じやすいなどの問題があった。
で割れにくく、染色が容易であるため、近年、各種レン
ズ等の光学用途に使用されている。光学用プラスチック
材料としては、ポリエチレングリコールビスアリルカー
ボネート(CR−39)やポリメチルメタクリレート
(PMMA)が一般に用いられている。しかしながら、
これらのプラスチック材料は屈折率が1.5以下である
ため、例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなる
ほどレンズの肉厚を厚くしなければならず、軽量である
というプラスチックの優位性が損なわれてしまうばかり
か、審美性の点でも好ましくなかった。また特に凹レン
ズにおいては、レンズの周囲の厚さ(コバ厚)が厚くな
り、複屈折や色収差が生じやすいなどの問題があった。
【0003】そこで、比重の小さいプラスチックの特徴
を生かし、レンズの肉厚を薄くできるようにするため、
屈折率の高いプラスチック材料が望まれていた。そのよ
うな性能を有する材料としては、例えば(1)キシリレ
ンジイソシアネート化合物とポリチオール化合物とから
なる重合体(特開昭63−46213号公報)、(2)
脂肪族直鎖状含硫二官能イソシアネート化合物とポリチ
オール化合物とからなる樹脂(特開平2−153302
号公報)、(3)脂肪族分岐状含硫二官能イソシアネー
ト化合物とポリチオール化合物とからなる重合体(特開
平10−45707号公報)などが開示されている。
を生かし、レンズの肉厚を薄くできるようにするため、
屈折率の高いプラスチック材料が望まれていた。そのよ
うな性能を有する材料としては、例えば(1)キシリレ
ンジイソシアネート化合物とポリチオール化合物とから
なる重合体(特開昭63−46213号公報)、(2)
脂肪族直鎖状含硫二官能イソシアネート化合物とポリチ
オール化合物とからなる樹脂(特開平2−153302
号公報)、(3)脂肪族分岐状含硫二官能イソシアネー
ト化合物とポリチオール化合物とからなる重合体(特開
平10−45707号公報)などが開示されている。
【0004】しかしながら、上記(1)の重合体は、重
合相手となるポリチオール化合物との組合わせを限定す
ることにより、屈折率は高くなるものの、アッベ数が低
くなり、色収差が大きくなるという問題が生じる。一
方、(2)の樹脂及び(3)の重合体は、屈折率が高
く、色収差の点での改善もみられるが、耐溶剤性に劣る
という欠点を有している。さらに、これらは、二官能性
イソシアネート化合物から得られた未架橋の重合体であ
るため、耐溶剤性を向上させるには、別途特殊な架橋剤
を必要とし、重合相手となるポリチオール化合物の種類
が制限されるのを免れないという問題がある。
合相手となるポリチオール化合物との組合わせを限定す
ることにより、屈折率は高くなるものの、アッベ数が低
くなり、色収差が大きくなるという問題が生じる。一
方、(2)の樹脂及び(3)の重合体は、屈折率が高
く、色収差の点での改善もみられるが、耐溶剤性に劣る
という欠点を有している。さらに、これらは、二官能性
イソシアネート化合物から得られた未架橋の重合体であ
るため、耐溶剤性を向上させるには、別途特殊な架橋剤
を必要とし、重合相手となるポリチオール化合物の種類
が制限されるのを免れないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高屈折率でかつ低分散である上、耐溶剤
性に優れる光学材料を与えることができる新規なポリイ
ソシアネート化合物、およびこのものを効率よく製造す
る方法を提供することを目的とするものである。
事情のもとで、高屈折率でかつ低分散である上、耐溶剤
性に優れる光学材料を与えることができる新規なポリイ
ソシアネート化合物、およびこのものを効率よく製造す
る方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、高屈折率お
よび低分散に寄与する硫黄原子を主骨格に有し、かつ重
合官能基であるイソシアネートを4つ有するポリイソシ
アネート化合物が新規な化合物であり、その目的に適合
しうること、そして、このものは、特定の方法により、
効率よく得られることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、高屈折率お
よび低分散に寄与する硫黄原子を主骨格に有し、かつ重
合官能基であるイソシアネートを4つ有するポリイソシ
アネート化合物が新規な化合物であり、その目的に適合
しうること、そして、このものは、特定の方法により、
効率よく得られることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化5】 (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基、mおよびnは、それぞれ独立に
0〜3の整数を示す。)で表されることを特徴とするポ
リイソシアネート化合物を提供するものである。
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基、mおよびnは、それぞれ独立に
0〜3の整数を示す。)で表されることを特徴とするポ
リイソシアネート化合物を提供するものである。
【0008】また、上記ポリイソシアネート化合物は、
本発明に従えば、一般式(II) HS−Z−SH …(II) (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基を示す。)で表されるジチオール
化合物から、一般式(III)
本発明に従えば、一般式(II) HS−Z−SH …(II) (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基を示す。)で表されるジチオール
化合物から、一般式(III)
【化6】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に低級アルキル
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
し、Zは前記と同じである。)で表されるテトラカルボ
ン酸エステル体を得たのち、一般式(IV)
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
し、Zは前記と同じである。)で表されるテトラカルボ
ン酸エステル体を得たのち、一般式(IV)
【化7】 (式中、Z、m、およびnは前記と同じである。)で表
されるテトラカルボニルヒドラジド体に導き、次いでカ
ルボニルヒドラジド基をイソシアネート基に変換するこ
とにより、製造することができる。
されるテトラカルボニルヒドラジド体に導き、次いでカ
ルボニルヒドラジド基をイソシアネート基に変換するこ
とにより、製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリイソシアネート化合
物は、一般式(I)
物は、一般式(I)
【化8】 で表される新規化合物である。一般式(I)から明らか
なように、この新規化合物は、硫黄原子を含む脂肪族構
造を基本骨格とし、さらに4つのイソシアネート基を有
するものである。
なように、この新規化合物は、硫黄原子を含む脂肪族構
造を基本骨格とし、さらに4つのイソシアネート基を有
するものである。
【0010】前記一般式(I)において、Zは炭素数1
〜6の鎖状アルキレン基または1つ以上の硫黄原子を含
む炭素と硫黄との合計数3〜6の鎖状チアアルキレン
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
す。上記のZのうちの鎖状チアアルキレン基としては、
例えば−CH2SCH2−、−CH2CH2SCH2CH2−
および−CH2SCH2SCH2−を好ましく挙げること
ができる。
〜6の鎖状アルキレン基または1つ以上の硫黄原子を含
む炭素と硫黄との合計数3〜6の鎖状チアアルキレン
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
す。上記のZのうちの鎖状チアアルキレン基としては、
例えば−CH2SCH2−、−CH2CH2SCH2CH2−
および−CH2SCH2SCH2−を好ましく挙げること
ができる。
【0011】このように一般式(I)で表されるポリイ
ソシアネート化合物は、硫黄原子を基本骨格に含むこと
により、ポリイソシアネート化合物自体の屈折率および
アッベ数が高められるので、このポリイソシアネート化
合物を用いて光学材料を製造した場合に、その光学材料
の屈折率およびアッベ数をも高める。また、このポリイ
ソシアネート化合物は、4つのイソシアネート基を有す
ることから、それ自体架橋剤となるため、このポリイソ
シアネート化合物を用いて光学材料を製造した場合、副
成分として他の架橋剤を加えなくても、その光学材料に
高耐溶剤性だけでなく、高耐熱性や優れた機械的物性を
与えることができる。
ソシアネート化合物は、硫黄原子を基本骨格に含むこと
により、ポリイソシアネート化合物自体の屈折率および
アッベ数が高められるので、このポリイソシアネート化
合物を用いて光学材料を製造した場合に、その光学材料
の屈折率およびアッベ数をも高める。また、このポリイ
ソシアネート化合物は、4つのイソシアネート基を有す
ることから、それ自体架橋剤となるため、このポリイソ
シアネート化合物を用いて光学材料を製造した場合、副
成分として他の架橋剤を加えなくても、その光学材料に
高耐溶剤性だけでなく、高耐熱性や優れた機械的物性を
与えることができる。
【0012】前記一般式(I)で表される本発明のポリ
イソシアネート化合物としては、具体的には、下記の構
造のものが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、具体的には、下記の構
造のものが挙げられる。
【0013】
【化9】
【化10】
【化11】 この一般式(I)で表されるポリイソシアネート化合物
の製造方法としては、所望の構造を有するポリイソシア
ネート化合物が得られる方法であればよく、特に制限は
ないが、以下に示す本発明の方法に従えば、極めて効率
よく製造することができる。
の製造方法としては、所望の構造を有するポリイソシア
ネート化合物が得られる方法であればよく、特に制限は
ないが、以下に示す本発明の方法に従えば、極めて効率
よく製造することができる。
【0014】本発明の方法においては、まず、一般式
(II) HS−Z−SH …(II) (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基を示す。)で表されるジチオール
化合物を用い、これから、一般式(III)
(II) HS−Z−SH …(II) (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基を示す。)で表されるジチオール
化合物を用い、これから、一般式(III)
【化12】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に低級アルキル
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
し、Zは前記と同じである。)で表されるテトラカルボ
ン酸エステル体を得る。
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
し、Zは前記と同じである。)で表されるテトラカルボ
ン酸エステル体を得る。
【0015】この一般式(III)で表されるテトラカル
ボン酸エステル体を得るには、例えば一般式(II)で表
されるジチオール化合物に、一般式(V) R3OOC−CH=CH−(CH2)p−COOR3 …(V) (式中、R3はR1またはR2であって、低級アルキル基
を示し、pはmまたはnであって、0〜3の整数を示
す。)で表される脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキ
ルエステルを反応させる方法、あるいは一般式(VI)
ボン酸エステル体を得るには、例えば一般式(II)で表
されるジチオール化合物に、一般式(V) R3OOC−CH=CH−(CH2)p−COOR3 …(V) (式中、R3はR1またはR2であって、低級アルキル基
を示し、pはmまたはnであって、0〜3の整数を示
す。)で表される脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキ
ルエステルを反応させる方法、あるいは一般式(VI)
【化13】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、R4はR1またはR2
であって、低級アルキル基を示し、qはmまたはnであ
って、0〜3の整数を示す。)で表されるハロゲノ脂肪
族ジカルボン酸低級アルキルエステルを反応させる方法
などを用いればよい。
であって、低級アルキル基を示し、qはmまたはnであ
って、0〜3の整数を示す。)で表されるハロゲノ脂肪
族ジカルボン酸低級アルキルエステルを反応させる方法
などを用いればよい。
【0016】また一般式(III)において、mおよびn
が同じである場合には、一般式(II)で表されるジチオ
ール化合物1モルに対して、前記一般式(V)で表され
る脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまた
は一般式(VI)で表されるハロゲノ脂肪族ジカルボン酸
低級アルキルエステルを、実質上2モルの割合で反応さ
せればよい。
が同じである場合には、一般式(II)で表されるジチオ
ール化合物1モルに対して、前記一般式(V)で表され
る脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまた
は一般式(VI)で表されるハロゲノ脂肪族ジカルボン酸
低級アルキルエステルを、実質上2モルの割合で反応さ
せればよい。
【0017】一方、一般式(III)において、mおよび
nが異なる場合には、一般式(II)で表されるジチオー
ル化合物1モルに対して、前記一般式(V)で表される
脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまたは
一般式(VI)で表されるハロゲノ脂肪族ジカルボン酸低
級アルキルエステルを、実質上1モルの割合で反応させ
たのち、一般式(V)で表され、かつpが異なる別の脂
肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまたは一
般式(VI)で表され、かつqが異なる別のハロゲノ脂肪
族ジカルボン酸低級アルキルエステルを、実質上1モル
の割合で反応させる2段階の方法を用いればよい。
nが異なる場合には、一般式(II)で表されるジチオー
ル化合物1モルに対して、前記一般式(V)で表される
脂肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまたは
一般式(VI)で表されるハロゲノ脂肪族ジカルボン酸低
級アルキルエステルを、実質上1モルの割合で反応させ
たのち、一般式(V)で表され、かつpが異なる別の脂
肪族不飽和ジカルボン酸低級アルキルエステルまたは一
般式(VI)で表され、かつqが異なる別のハロゲノ脂肪
族ジカルボン酸低級アルキルエステルを、実質上1モル
の割合で反応させる2段階の方法を用いればよい。
【0018】なお、一般式(V)で表される脂肪族不飽
和ジカルボン酸低級アルキルエステルを使用する場合に
は、ラジカル系やアニオン系触媒の存在下に反応させる
のが好ましく、一方、一般式(VI)で表されるハロゲノ
脂肪族ジカルボン酸低級アルキルエステルを使用する場
合には、ハロゲン化水素捕捉剤の存在下に反応させるの
が有利である。また、このような反応においては、必要
に応じて溶媒を使用することができる。
和ジカルボン酸低級アルキルエステルを使用する場合に
は、ラジカル系やアニオン系触媒の存在下に反応させる
のが好ましく、一方、一般式(VI)で表されるハロゲノ
脂肪族ジカルボン酸低級アルキルエステルを使用する場
合には、ハロゲン化水素捕捉剤の存在下に反応させるの
が有利である。また、このような反応においては、必要
に応じて溶媒を使用することができる。
【0019】次に、このようにして得られた一般式(II
I)で表されるテトラカルボン酸エステル体に、ヒドラ
ジン一水和物などを反応させて、一般式(IV)
I)で表されるテトラカルボン酸エステル体に、ヒドラ
ジン一水和物などを反応させて、一般式(IV)
【化14】 (式中、Z、m、およびnは前記と同じである。)で表
されるテトラカルボニルヒドラジド体に導く。この際、
必要に応じ、低級アルコールなどの溶媒を用いることが
できる。
されるテトラカルボニルヒドラジド体に導く。この際、
必要に応じ、低級アルコールなどの溶媒を用いることが
できる。
【0020】最後に、このようにして得られた一般式
(IV)で表されるテトラカルボニルヒドラジド体を、例
えば塩酸水溶中で亜硝酸と反応させたのち、熱転移させ
て、カルボニルヒドラジド基をイソシアネート基に変換
することにより、目的の一般式(I)
(IV)で表されるテトラカルボニルヒドラジド体を、例
えば塩酸水溶中で亜硝酸と反応させたのち、熱転移させ
て、カルボニルヒドラジド基をイソシアネート基に変換
することにより、目的の一般式(I)
【化15】 (式中、Z、m、およびnは前記と同じである。)で表
されるポリイソシアネート化合物が得られる。
されるポリイソシアネート化合物が得られる。
【0021】なお、R1〜R4で示される低級アルキル基
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基などである。また、一般式(I)で表されるポリイ
ソシアネート化合物は、前述の本発明の方法以外に、ホ
スゲン法によっても製造することができる。
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基などである。また、一般式(I)で表されるポリイ
ソシアネート化合物は、前述の本発明の方法以外に、ホ
スゲン法によっても製造することができる。
【0022】次に、1例を挙げてホスゲン法を説明す
る。まず、ハロゲン化水素捕捉剤の存在下、一般式(VI
I) X1−Z−X2 …(VII) (式中、X1およびX2は、それぞれ独立にハロゲン原子
を示し、Zは前記と同じである。)で表されるジハロゲ
ノ化合物1モルに対し、実質上2モルのメルカプトマロ
ノニトリルを反応させて、一般式(VIII)
る。まず、ハロゲン化水素捕捉剤の存在下、一般式(VI
I) X1−Z−X2 …(VII) (式中、X1およびX2は、それぞれ独立にハロゲン原子
を示し、Zは前記と同じである。)で表されるジハロゲ
ノ化合物1モルに対し、実質上2モルのメルカプトマロ
ノニトリルを反応させて、一般式(VIII)
【化16】 (式中、Zは前記と同じである。)で表されるテトラニ
トリル体を得る。次いで、これを水素添加して、一般式
(IX)
トリル体を得る。次いで、これを水素添加して、一般式
(IX)
【化17】 (式中、Zは前記と同じである。)で表されるテトラア
ミノメチル体を得たのち、これにホスゲンを反応させれ
ば、目的の一般式(I−a)
ミノメチル体を得たのち、これにホスゲンを反応させれ
ば、目的の一般式(I−a)
【化18】 (式中、Zは前記と同じである。)で表されるポリイソ
シアネート化合物が得られる。
シアネート化合物が得られる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。得られたポリイソシアネート化合
物および光学材料(重合体)の物性は、以下に示す方法
に従って評価した。
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。得られたポリイソシアネート化合
物および光学材料(重合体)の物性は、以下に示す方法
に従って評価した。
【0024】(1)1H−NMRスペクトル(プロトン核
磁気共鳴スペクトル) 日本電子製FT−NMR装置EX270型を用いて測定
した。 (2)IRスペクトル(赤外線吸収スペクトル) ニコレー製MAGNA−IR分光光度計560型を用い
て測定した。 (3)屈折率(nD)とアッベ数(νD) カルニュー社製精密屈折率計KPR−200型を用いて
20℃にて測定した。 (4)外観 肉眼により観察した。
磁気共鳴スペクトル) 日本電子製FT−NMR装置EX270型を用いて測定
した。 (2)IRスペクトル(赤外線吸収スペクトル) ニコレー製MAGNA−IR分光光度計560型を用い
て測定した。 (3)屈折率(nD)とアッベ数(νD) カルニュー社製精密屈折率計KPR−200型を用いて
20℃にて測定した。 (4)外観 肉眼により観察した。
【0025】(5)耐候性 サンシャインカーボンアークランプを装備したウエザー
メーターにレンズ(光学材料を用いた光学製品)をセッ
トし200時間経過したところでレンズを取り出し、試
験前のレンズと色相を比較し、下記の基準で耐候性を評
価した。 ○:変化なし △:わずかに黄変 ×:黄変 (6)耐溶剤性 アセトンを用いた拭き取りテストを行い、下記の基準で
耐溶剤性を評価した。 ○:変化がない ×:表面にあれや膨潤がみられる (7)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行い、下記の基準で光
学歪を評価した。 ○:歪が認められない ×:歪が認められる
メーターにレンズ(光学材料を用いた光学製品)をセッ
トし200時間経過したところでレンズを取り出し、試
験前のレンズと色相を比較し、下記の基準で耐候性を評
価した。 ○:変化なし △:わずかに黄変 ×:黄変 (6)耐溶剤性 アセトンを用いた拭き取りテストを行い、下記の基準で
耐溶剤性を評価した。 ○:変化がない ×:表面にあれや膨潤がみられる (7)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行い、下記の基準で光
学歪を評価した。 ○:歪が認められない ×:歪が認められる
【0026】実施例1 1,1,6,6−テトラキス(イソシアナートメチル)
−2,5−ジチアヘキサンの製造 1,2−エタンジチオール18.6g(0.20mo
l)とグルタコン酸ジエチル72.4g(0.40mo
l)をテトラヒドロフラン160mlに溶解し、氷浴
下、触媒としてテトラブチルアンモニウムフルオライド
1.04g(0.004mol)を加え2時間還流撹拌
した。放冷後、テトラヒドロフランを除去し、ベンゼン
300mlを加えたものを希水酸化ナトリウム水溶液、
水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥してか
ら、ベンゼンを十分除去することにより、無色透明な
1,1,6,6−テトラキス(エチルオキシカルボニル
メチル)−2,5−ジチアヘキサン83.9g(0.1
8mol)を得た。
−2,5−ジチアヘキサンの製造 1,2−エタンジチオール18.6g(0.20mo
l)とグルタコン酸ジエチル72.4g(0.40mo
l)をテトラヒドロフラン160mlに溶解し、氷浴
下、触媒としてテトラブチルアンモニウムフルオライド
1.04g(0.004mol)を加え2時間還流撹拌
した。放冷後、テトラヒドロフランを除去し、ベンゼン
300mlを加えたものを希水酸化ナトリウム水溶液、
水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥してか
ら、ベンゼンを十分除去することにより、無色透明な
1,1,6,6−テトラキス(エチルオキシカルボニル
メチル)−2,5−ジチアヘキサン83.9g(0.1
8mol)を得た。
【0027】このエステル化合物をメタノール72ml
に溶解し、ヒドラジン一水和物108.0g(2.16
mol)とメタノール110mlの混合溶液に室温で滴
下し、滴下終了後60℃で3時間攪拌した。放冷後、析
出した白色結晶を濾取し、メタノール−水より再結晶す
ることにより、1,1,6,6−テトラキス(ヒドラジ
ノカルボニルメチル)−2,5−ジチアヘキサン49.
6g(0.12mol)を得た。
に溶解し、ヒドラジン一水和物108.0g(2.16
mol)とメタノール110mlの混合溶液に室温で滴
下し、滴下終了後60℃で3時間攪拌した。放冷後、析
出した白色結晶を濾取し、メタノール−水より再結晶す
ることにより、1,1,6,6−テトラキス(ヒドラジ
ノカルボニルメチル)−2,5−ジチアヘキサン49.
6g(0.12mol)を得た。
【0028】このヒドラジド化合物を7.2重量%塩酸
水溶液350gに溶解し、クロロホルム240mlとの
懸濁液に、亜硝酸ナトリウム33.1g(0.48mo
l)を添加し、終了後、1時間攪拌を続けた。懸濁液か
ら有機相を取り出し、水洗、乾燥(硫酸マグネシウム)
した後、加熱することにより転移反応を完結させた。反
応溶液から溶媒であるクロロホルムを十分除去すること
により、無色透明な反応生成物28.8g(0.08m
ol)を得た。この反応生成物は、1H−NMRスペク
トルおよびIRスペクトルにより、目的のポリイソシア
ネート化合物であることが分かった。この新規ポリイソ
シアネート化合物の1H−NMRスペクトルを図1に、
IRスペクトルを図2に示す。
水溶液350gに溶解し、クロロホルム240mlとの
懸濁液に、亜硝酸ナトリウム33.1g(0.48mo
l)を添加し、終了後、1時間攪拌を続けた。懸濁液か
ら有機相を取り出し、水洗、乾燥(硫酸マグネシウム)
した後、加熱することにより転移反応を完結させた。反
応溶液から溶媒であるクロロホルムを十分除去すること
により、無色透明な反応生成物28.8g(0.08m
ol)を得た。この反応生成物は、1H−NMRスペク
トルおよびIRスペクトルにより、目的のポリイソシア
ネート化合物であることが分かった。この新規ポリイソ
シアネート化合物の1H−NMRスペクトルを図1に、
IRスペクトルを図2に示す。
【0029】応用例1 実施例1で得られた1,1,6,6−テトラキス(イソ
シアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン(表1中
でTE−1と表示)0.06mol、2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアン(表1中でBMM
Dと表示)0.12molおよびジブチルスズジラウレ
ート(表1中でDBTDLと表示)1.2×10-4mo
lの混合物を均一に撹拌し、レンズ成形用ガラス型に注
入し、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さら
に120℃で3時間加熱重合させプラスチックレンズを
得た。得られたプラスチックレンズの諸物性を表1に示
す。表1から、実施例1のポリイソシアネート化合物を
用いて得られた重合体は無色透明であり、屈折率
(nD)は1.67と非常に高く、アッベ数(νD)も3
6と高い(低分散)ものであり、耐候性及び耐溶剤性に
優れ、光学歪の無いものであった。
シアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン(表1中
でTE−1と表示)0.06mol、2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアン(表1中でBMM
Dと表示)0.12molおよびジブチルスズジラウレ
ート(表1中でDBTDLと表示)1.2×10-4mo
lの混合物を均一に撹拌し、レンズ成形用ガラス型に注
入し、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さら
に120℃で3時間加熱重合させプラスチックレンズを
得た。得られたプラスチックレンズの諸物性を表1に示
す。表1から、実施例1のポリイソシアネート化合物を
用いて得られた重合体は無色透明であり、屈折率
(nD)は1.67と非常に高く、アッベ数(νD)も3
6と高い(低分散)ものであり、耐候性及び耐溶剤性に
優れ、光学歪の無いものであった。
【0030】応用例2〜6 表1で示すように、実施例1で得られたポリイソシアネ
ート化合物TE−1[1,1,6,6−テトラキス(イ
ソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン]、ま
たは1,1,5,5−テトラキス(イソシアナートメチ
ル)−2,4−ジチアペンタン(表1中でTE−2と表
示)を含むモノマー組成物を使用した以外は応用例1と
同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。これら
のプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1か
ら、得られたプラスチックレンズは無色透明であり、屈
折率(nD)は1.65〜1.69と非常に高く、アッ
ベ数(νD)も35〜38と高い(低分散)ものであ
り、耐候性及び耐溶剤性に優れ、光学歪の無いものであ
った。
ート化合物TE−1[1,1,6,6−テトラキス(イ
ソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン]、ま
たは1,1,5,5−テトラキス(イソシアナートメチ
ル)−2,4−ジチアペンタン(表1中でTE−2と表
示)を含むモノマー組成物を使用した以外は応用例1と
同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。これら
のプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1か
ら、得られたプラスチックレンズは無色透明であり、屈
折率(nD)は1.65〜1.69と非常に高く、アッ
ベ数(νD)も35〜38と高い(低分散)ものであ
り、耐候性及び耐溶剤性に優れ、光学歪の無いものであ
った。
【0031】応用比較例1 ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネ
ート(表1中でPETMPと表示)0.06mol、m
−キシリレンジイソシアネート(表1中でXDIと表
示)0.12mol及びジブチルスズジラウレート(表
1中でDBTDLと表示)1.2×10-4molの混合
物を均一に撹拌し、レンズ成形用ガラス型に注入し、5
0℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに120
℃で3時間加熱重合させプラスチックレンズを得た。得
られたプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1
から、応用比較例1のプラスチックレンズは無色透明で
光学歪も観察されず、耐溶剤性にも優れていたが、屈折
率が1.59と低かった。
ート(表1中でPETMPと表示)0.06mol、m
−キシリレンジイソシアネート(表1中でXDIと表
示)0.12mol及びジブチルスズジラウレート(表
1中でDBTDLと表示)1.2×10-4molの混合
物を均一に撹拌し、レンズ成形用ガラス型に注入し、5
0℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに120
℃で3時間加熱重合させプラスチックレンズを得た。得
られたプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1
から、応用比較例1のプラスチックレンズは無色透明で
光学歪も観察されず、耐溶剤性にも優れていたが、屈折
率が1.59と低かった。
【0032】応用比較例2〜3 表1に示したモノマー組成物を使用した以外は応用比較
例1と同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。
これらのプラスチックレンズの諸物性を表1に示した。
表1から、応用比較例2のプラスチックレンズは屈折率
が1.68と高く、耐溶剤性にも優れているが、黄色に
着色しており、アッベ数が25と低い上に、耐候性に劣
り、光学歪が観察された。また、応用比較例3のプラス
チックレンズは、無色透明で、屈折率が1.68と高
く、光学歪も観察されなかったが、アッベ数が29と低
い上に、耐溶剤性にも劣っていた。
例1と同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。
これらのプラスチックレンズの諸物性を表1に示した。
表1から、応用比較例2のプラスチックレンズは屈折率
が1.68と高く、耐溶剤性にも優れているが、黄色に
着色しており、アッベ数が25と低い上に、耐候性に劣
り、光学歪が観察された。また、応用比較例3のプラス
チックレンズは、無色透明で、屈折率が1.68と高
く、光学歪も観察されなかったが、アッベ数が29と低
い上に、耐溶剤性にも劣っていた。
【0033】
【表1】
【0034】[注1] TE−1:1,1,6,6−テトラキス(イソシアナー
トメチル)−2,5−ジチアヘキサン TE−2:1,1,5,5−テトラキス(イソシアナー
トメチル)−2,4−ジチアペンタン HXDI:1,3−ビス(イソシアナートメチル)シク
ロヘキサン、IMTE:1,2−ビス(イソシアナート
メチルチオ)エタン、IPDI:イソホロンジイソシア
ネート、DBMD:2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアン二量体、BMMD:2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、BMMC:
2,5−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、T
MP:1,2,3−トリメルカプトプロパン、DBTD
L:ジ−n−ブチルチンジラウレート、DBTDC:ジ
−n−ブチルチンジクロライド、XDI:m−キシリレ
ンジイソシアネート、TDI:トリレンジイソシアネー
ト、TPDI:2,4−ジチアペンタン−1,3−ジイ
ソシアネート PETMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)、XDT:m−キシリレンジ
チオール、PETMA:ペンタエリスリトールテトラキ
ス(2−メルカプトアセテート)
トメチル)−2,5−ジチアヘキサン TE−2:1,1,5,5−テトラキス(イソシアナー
トメチル)−2,4−ジチアペンタン HXDI:1,3−ビス(イソシアナートメチル)シク
ロヘキサン、IMTE:1,2−ビス(イソシアナート
メチルチオ)エタン、IPDI:イソホロンジイソシア
ネート、DBMD:2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアン二量体、BMMD:2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、BMMC:
2,5−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、T
MP:1,2,3−トリメルカプトプロパン、DBTD
L:ジ−n−ブチルチンジラウレート、DBTDC:ジ
−n−ブチルチンジクロライド、XDI:m−キシリレ
ンジイソシアネート、TDI:トリレンジイソシアネー
ト、TPDI:2,4−ジチアペンタン−1,3−ジイ
ソシアネート PETMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)、XDT:m−キシリレンジ
チオール、PETMA:ペンタエリスリトールテトラキ
ス(2−メルカプトアセテート)
【0035】
【発明の効果】本発明の新規なポリイソシアネート化合
物は、硫黄原子を含む脂肪族鎖を基本骨格としているた
め、屈折率及びアッベ数が高く、4つのイソシアネート
基を有し、一分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有す
る化合物、一分子内に2つ以上のメルカプト基を有する
化合物及び一分子内に1つ以上のヒドロキシル基と1つ
以上のメルカプト基を有する化合物のうちの少なくとも
1種と容易に重合反応し、三次元架橋された光学材料を
与える。また、このポリイソシアネート化合物を用いて
得られた光学材料は、硫黄原子を主鎖に含み、さらに架
橋されているので、屈折率、アッベ数が高く、耐候性、
耐溶剤性、透明性に優れ、光学歪が見られないことか
ら、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、プリズム、
光ファイバー、光ディスク、磁気ディスク等に用いられ
る記録媒体用基板、フィルターなどの光学製品に好まし
く用いられる。さらに、高屈折率の特徴を生かしたグラ
ス、花ビン等の装飾品にも用いられる。
物は、硫黄原子を含む脂肪族鎖を基本骨格としているた
め、屈折率及びアッベ数が高く、4つのイソシアネート
基を有し、一分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有す
る化合物、一分子内に2つ以上のメルカプト基を有する
化合物及び一分子内に1つ以上のヒドロキシル基と1つ
以上のメルカプト基を有する化合物のうちの少なくとも
1種と容易に重合反応し、三次元架橋された光学材料を
与える。また、このポリイソシアネート化合物を用いて
得られた光学材料は、硫黄原子を主鎖に含み、さらに架
橋されているので、屈折率、アッベ数が高く、耐候性、
耐溶剤性、透明性に優れ、光学歪が見られないことか
ら、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、プリズム、
光ファイバー、光ディスク、磁気ディスク等に用いられ
る記録媒体用基板、フィルターなどの光学製品に好まし
く用いられる。さらに、高屈折率の特徴を生かしたグラ
ス、花ビン等の装飾品にも用いられる。
【図1】実施例1で得られた1,1,6,6−テトラキ
ス(イソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン
の1H−NMRスペクトル図である。
ス(イソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン
の1H−NMRスペクトル図である。
【図2】実施例1で得られた1,1,6,6−テトラキ
ス(イソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン
のIRスペクトル図である。
ス(イソシアナートメチル)−2,5−ジチアヘキサン
のIRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 18/77 C08G 18/77 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 323/25 C07C 319/14 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基、mおよびnは、それぞれ独立に
0〜3の整数を示す。)で表されることを特徴とするポ
リイソシアネート化合物。 - 【請求項2】 一般式(I)において、Zのうちの鎖状
チアアルキレン基が−CH2SCH2−、−CH2CH2S
CH2CH2−または−CH2SCH2SCH2−である請
求項1に記載のポリイソシアネート化合物。 - 【請求項3】 一般式(II) HS−Z−SH …(II) (式中、Zは炭素数1〜6の鎖状アルキレン基または1
つ以上の硫黄原子を含む炭素と硫黄との合計数3〜6の
鎖状チアアルキレン基を示す。)で表されるジチオール
化合物から、一般式(III) 【化2】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に低級アルキル
基、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示
し、Zは前記と同じである。)で表されるテトラカルボ
ン酸エステル体を得たのち、一般式(IV) 【化3】 (式中、Z、m、およびnは前記と同じである。)で表
されるテトラカルボニルヒドラジド体に導き、次いでカ
ルボニルヒドラジド基をイソシアネート基に変換するこ
とを特徴とする、一般式(I) 【化4】 (式中、Z、m、およびnは前記と同じである。)で表
されるポリイソシアネート化合物の製造方法。 - 【請求項4】 各一般式におけるZのうちの鎖状チアア
ルキレン基が−CH2SCH2−、−CH2CH2SCH2
CH2−または−CH2SCH2SCH2−である請求項3
に記載のポリイソシアネート化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10214377A JP2944646B1 (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | ポリイソシアネート化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10214377A JP2944646B1 (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | ポリイソシアネート化合物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2944646B1 true JP2944646B1 (ja) | 1999-09-06 |
JP2000044532A JP2000044532A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16654786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10214377A Expired - Fee Related JP2944646B1 (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | ポリイソシアネート化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2944646B1 (ja) |
-
1998
- 1998-07-29 JP JP10214377A patent/JP2944646B1/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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