JP3238313B2 - 光学材料用組成物およびその用途 - Google Patents

光学材料用組成物およびその用途

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JP3238313B2
JP3238313B2 JP27875095A JP27875095A JP3238313B2 JP 3238313 B2 JP3238313 B2 JP 3238313B2 JP 27875095 A JP27875095 A JP 27875095A JP 27875095 A JP27875095 A JP 27875095A JP 3238313 B2 JP3238313 B2 JP 3238313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料用組成物
およびその用途に関するものである。本発明の光学材料
用組成物は、非常に高い屈折率を有し、且つ、耐熱性に
優れたプラスチックレンズ、フィルター、記録媒体用基
板、光ファイバー等の光学製品を与えるのに有用な組成
物である。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べて軽量で、割れにくく、染色が可能で、切削および研
磨等の加工性が良好であるため、近年、眼鏡レンズ、カ
メラレンズ等の光学素子分野で急速に普及してきてい
る。しかし、ファッション性豊かなニーズに対応できる
ためには、レンズの中心厚、コバ厚、および曲率を下
げ、全体的に肉薄であることが必要である。この点か
ら、光学材料としての樹脂材料には、ますます高い屈折
率が求められている。高屈折率レンズとしては、既に含
硫ポリウレタンレンズが開示されている。例えば、US
P−4775733号公報(特開昭63−46213号
公報)においては、キシリレンジイソシアナート化合物
とポリチオール化合物との重合物からなるポリウレタン
レンズが提案されており、眼鏡用レンズなどの光学用レ
ンズとして広く普及している。また、更に屈折率の高い
ポリウレタンレンズとしては、例えば、USP−519
1055号公報(特開平2−270859号公報)に記
載の1,2−ビス((2−メルカプトエチル)チオ)−
3−メルカプトプロパンとポリイソシアナート化合物と
の重合体からなるポリウレタンレンズが提案されてい
る。この樹脂組成物も、その高い実用性特に高い屈折率
が認められ多くのレンズメーカーにおいて商品化がなさ
れている。しかし、これらのポリウレタン樹脂は、高い
屈折率を示すものの、オレフィン基のラジカル重合型の
樹脂、例えば、DAC(ジエチレングリコールビスアリ
ールカーボネート)樹脂、に比べて耐熱性が劣るため、
通常、60〜90℃程度の熱加工を必要とするレンズの
染色や表面コートなどの後加工の際に、レンズの変形が
起こり易く、熱加工温度に留意する必要がある。
【0003】これらのポリウレタン樹脂の耐熱性を向上
させる方法としては、特開平2−275901号公報、
US5310847号公報(特開平3−56525号公
報)等に記載の方法が知られている。しかしながら、特
開平2−275901号公報に記載されている2種類の
脂肪族ポリチオール化合物と芳香族ポリイソシアナート
化合物との重合物からなるポリウレタン樹脂は、耐熱性
面では改良されているものの、屈折率が1.57〜1.
61程度と低く、ポリウレタンレンズの利点を失ってい
ると言わざるを得ない。また、US5310847号公
報(特開平3−56525号公報)にも、特定の硫黄含
有率の高いポリチオールとポリイソシアナートを組み合
わせてポリウレタン樹脂の耐熱性を向上させる方法が開
示されている。しかし、この方法では、用いることので
きるポリチオールが低分子で高硫黄含有率の化合物に限
定され、また、それらの低分子ポリチオールは極めて強
い悪臭を有するために工業的に用いる場合に問題が多
い。
【0004】従来、眼鏡レンズ用樹脂に関しては、ファ
ッション性を重視したニーズに応えるため、その染色性
の確保は極めて重要であった。高屈折率ポリウレタン樹
脂においては、その染色性は耐熱性と相反するため、こ
とに眼鏡レンズとして用いる場合には、用いる樹脂の耐
熱性を適度な範囲に調整することが必要であった。しか
しながら、近年の各種キャリヤーを利用する樹脂染色法
技術の発達は、従来の染料単独による染色法では染色で
きなかった極めて高い耐熱性を有する樹脂についても、
耐熱性の低い樹脂と同様に染色することを可能にした。
このため、最近では、光学材料としての樹脂に対し、高
い屈折率はもとより、一層高い耐熱性が要求される傾向
にある。このように眼鏡用レンズ等の各種光学用レンズ
などに用いられるプラスチックレンズ、および該レンズ
を製造するための組成物には、高い耐熱性と高い屈折率
を両立することがますます求められてきているが、この
目的のためにはポリチオール化合物の改良だけでは不十
分であり、高い耐熱性と高い屈折率を実現するポリイソ
シアナート化合物が必要となる。
【0005】高い屈折率を実現することに主眼をおいた
ポリイソシアナート化合物及びその組成物としては、例
えば、特開平2−153302号公報に、スルフィドま
たはジスルフィド構造を有する含硫ポリイソシアナート
誘導体と、ポリチオール誘導体とを反応させて得られる
チオカバミン酸S−アルキルエステル系レンズが開示さ
れている。しかし、これらのポリイソシアナート誘導体
を用いてポリウレタンレンズを製造する場合、重合相手
のポリチオール誘導体との組み合わせを選択することで
高い屈折率は実現可能であるが、近年要求されるように
なってきた、極めて高い耐熱性に関しては余り考慮され
ていない。また、特開平6−65193号公報には硫黄
原子を含有するトリイソシアナート誘導体とポリチオー
ル誘導体からなる混合物を重合させて得られる光学材料
が開示されている。しかし、この含硫トリイソシアナー
ト誘導体の3つの重合性官能基は耐熱性の向上にはある
程度寄与するものの、高い原子屈折を有する硫黄原子の
含量を下げてしまうため、屈折率の面では必ずしも満足
な樹脂組成物を与えない。特に、ここで開示されている
ポリイソシアナート化合物は、長いメチレン鎖を有し、
これが耐熱性に於いても、屈折率向上の点に於いても不
利に働く分子構造であるため、高屈折率を有する樹脂組
成物の実現という点からは十分なものではなかった。
【0006】さらに高い耐熱性を有する高屈折率樹脂と
して、特開平5−105677号公報には、ジチオラン
環を分子内に含有するトリイソシアナート誘導体とポリ
チオール誘導体からなる混合物を重合させて得られる光
学材料が開示されている。また、特開平4−15927
5には、2つのイソシアナートアルキル基で置換された
1,4−ジチアン誘導体が開示されている。しかしなが
ら、極めて高い耐熱性と屈折率を両立する重合物を得る
ためには、ここに開示されているトリイソシアナート誘
導体やジイソシアナート誘導体では、いずれのイソシア
ナート誘導体を用いても、組み合わせて用いうるポリチ
オール誘導体が限定されるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極め
て高い屈折率、および耐熱性に優れた光学材料を与える
ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含
有する光学材料用組成物、それらの組成物重合して得ら
れる高屈折率プラスチックレンズ、それに用いられる新
規含硫イソシアナートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するためには、構造的に高い屈折率と耐熱性を
両立しうる構造を持ったポリイソシアナートが必要であ
り、その様な物性を有するポリイソシアナート化合物
は、 屈折率面で不利なイソシアナート基数を最小限にし
て高屈折率を実現し、中心となる分子骨格または重合相
手のポリチオール誘導体で耐熱性を実現しうるポリイソ
シアナート化合物、または、 イソシアナート基数が多く、重合物の架橋密度を高
めて耐熱性を向上させるポリイソシアナート誘導体に、
高い屈折率を実現する硫黄原子をイソシアナート基数に
見合うだけ導入した化合物、であるとの観点から、鋭意
検討を行った。その結果、ポリイソシアナート化合物と
して、樹脂を形成しうる最小限のイソシアナート基数、
すなわち、2官能のポリイソシアナート化合物に、化学
的に安定な多数の硫黄原子を含む構造を導入したポリイ
ソシアナート化合物、および/または、高い耐熱性を実
現しうる数のチオアルキルイソシアナート基を重合性官
能基単位とするポリイソシアナート化合物を用いること
により、極めて高い屈折率、および耐熱性に優れたレン
ズを得ることができることを見出し、本発明を完成する
に到ったものである。
【0009】すなわち、本発明は、 (1) 下記(a)および(b)の二成分を含んでなる光学
材料用組成物。 (a)一般式(1)で表されるポリイソシアナートの少
なくとも一種を含有する成分 A−(S−B−NCO)n (1) 〔式中、Aは硫黄原子を含んでいてもよいアルカンジイ
ルまたはアルカンテトライル、もしくはジチアンテトラ
イル基を示し、アルカンジイルまたはアルカンテトライ
ルはフェニル基で置換されていてもよく、Bは硫黄原子
を含んでいてもよい−(CH2 m −で表されるメチレ
ン鎖(mは1〜4の整数を示す)を示し、同一であって
も、異なっていてもよく、nは2または4の整数を示
す〕 (b)2個以上のメルカプト基を有するポリチオールの
少なくとも一種を含有する成分 (2) ポリイソシアナートが一般式(2)で表されるポリ
イソシアナートである前記(1) の光学材料用組成物、 OCN−B−S−X−S−B−NCO (2) 〔式中、Xは硫黄原子を含んでいてもよい低級アルカン
ジイルを示し、アルカンジイルはフェニル基で置換され
ていてもよく、Bは硫黄原子を含んでいてもよい−(C
2 m −で表されるメチレン鎖(mは1〜4の整数を
示す)を示し、同一であっても、異なっていてもよい〕 (3) ポリイソシアナートが一般式(3)(化6)で表さ
れるポリイソシアナートである前記(1) の光学材料用組
成物、
【0010】
【化6】 (式中、Yは低級アルカンテトライルまたはジチアンテ
トライルを表す) (4) 前記(1) 〜(3) のいずれかの光学材料用組成物を重
合して得られる高屈折率プラスチックレンズ、および、 (5) 一般式(4)で表されるポリイソシアナートに関す
るものである。
【0011】 Z−(S−B’−NCO)n (4) 〔式中、Zは下記(化7)のいずれかの基を表し、B’
は−CH2 −または−CH2 CH2 −を示し、nは2ま
たは4の整数を示す。但し、Zが−CH2 CH2−のと
き、B’は−CH2 CH2 −である〕
【0012】
【化7】
【0013】
〔式中、Aは硫黄原子を含んでいてもよいアルカンジイルまたはアルカンテトライル、もしくはジチアンテトライル基を示し、アルカンジイルまたはアルカンテトライルはフェニル基で置換されていてもよく、Bは硫黄原子を含んでいてもよい−(CH2 m −で表されるメチレン鎖(mは1〜4の整数を示す)を示し、同一であっても、異なっていてもよく、nは2または4の整数を示す〕
(b)2個以上のメルカプト基を有するポリチオールの
少なくとも一種を含有する成分
【0014】本発明で用いられる一般式(1)において
n=2であるジイソシアナート化合物は、特開平6−6
5193号公報に開示された硫黄原子を含有するトリイ
ソシアナート誘導体に比して、硫黄含量が多く、屈折率
の点で極めて有利である。また、このジイソシアナート
化合物より製造される樹脂組成物の耐熱性に関しては、
イソシアナートの分子構造を工夫することにより、或い
は、重合相手のポリチオール化合物を選択することによ
り望ましい物を得ることができる。好ましいジイソシア
ナート化合物は、一般式(2)で表されるポリイソシア
ナートである。 OCN−B−S−X−S−B−NCO (2) ここで、Xは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜4
の低級アルカンジイルを示し、このアルカンジイルはフ
ェニル基で置換されていてもよく、Bは硫黄原子を含ん
でいてもよい−(CH2 m −で表されるメチレン鎖
(mは1〜4の整数を示す)を示し、同一であっても、
異なっていてもよい。
【0015】また、本発明で用いられる一般式(1)に
おいてn=4であるテトライソシアナート化合物は、特
開平6−65193号公報に開示された硫黄原子を含有
するトリイソシアナート誘導体や、特開平4−1592
75に記載された2つのイソシアナートアルキル基で置
換された1,4−ジチアン誘導体に比して、得られる樹
脂組成物の耐熱性の点に於いて、極めて有利である。好
ましいテトライソシアナート化合物は、一般式(3)で
表されるポリイソシアナートである。一般式(3)にお
いて、Yは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜4の
低級アルカンテトライルまたはジチアンテトライルであ
る。本発明で用いるイソシアナート化合物としては、耐
熱性と製造の容易さを考えれば、テトライソシアナート
誘導体がより好ましい。
【0016】本発明で用いられる一般式(1)で表され
るポリイソシアナートとしては、具体的には、ビス(イ
ソシアナートメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナー
トメチルチオ)メチルチオメタン、ビス(2−イソシア
ナートエチルチオ)メタン、ビス(3−イソシアナート
プロピルチオ)メタン、イソシアナートメチルチオ(2
−イソシアナートエチルチオ)メタン、2−イソシアナ
ートエチルチオ(3−イソシアナートプロピルチオ)メ
タン、ビス(イソシアナートメチルチオ)フェニルメタ
ン、ビス(2−イソシアナートエチルチオ)フェニルメ
タン、ビス(3−イソシアナートプロピルチオ)フェニ
ルメタン、1,2−ビス(イソシアナートメチルチオ)
エタン、1,2−ビス(2−イソシアナートエチルチ
オ)エタン、1−イソシアナートメチルチオ−2−(2
−イソシアナートエチルチオ)エタン、1−イソシアナ
ートエチルチオ−2−(3−イソシアナートプロピルチ
オ)エタン、ビス(イソシアナートメチルチオエチル)
スルフィド等、またテトラキス(イソシアナートメチル
チオ)メタン、1,1,2,2−テトラキス(イソシア
ナートメチルチオ)エタン、2,2,5,5−テトラキ
ス(イソシアナートメチルチオ)−1,4−ジチアン、
2,2,5,5−テトラキス(イソシアナートメチルチ
オ)−1,3−ジチアン等が挙げられる。
【0017】好ましくは、ビス(イソシアナートメチル
チオ)メタン、ビス(イソシアナートメチルチオ)フェ
ニルメタン、1,2−ビス(イソシアナートメチルチ
オ)エタン、1,2−ビス(2−イソシアナートエチル
チオ)エタン、ビス(イソシアナートメチルチオエチ
ル)スルフィド、1,1,2,2−テトラキス(イソシ
アナートメチルチオ)エタン、2,2,5,5−テトラ
キス(イソシアナートメチルチオ)−1,4−ジチアン
であり、より好ましくは、ビス(イソシアナートメチル
チオ)メタン、1,2−ビス(イソシアナートメチルチ
オ)エタンであり、特に好ましくは、ビス(イソシアナ
ートメチルチオ)メタンである。
【0018】成分(a)には、光学材料の物性を適宜改
良する目的で、一般式(1)で表されるポリイソシアナ
ート以外のポリイソシアナート化合物を含んでいても良
い。その場合、一般式(1)で表されるポリイソシアナ
ートの使用量は、全ポリイソシアナート中、60モル%
以上であり、好ましくは、70モル%以上、より好まし
くは、80モル%以上である。一般式(1)で表される
ポリイソシアナート以外のポリイソシアナート化合物と
しては、具体的には、o−キシリレンジイソシアナー
ト、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレン
ジイソシアナート、α,α,α’,α’−テトラメチル
−p−キシリレンジイソシアナート、α,α,α’,
α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアナー
ト、1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)ベン
ゼン及びこれらの核塩素化物、臭素化物、メチル化物ま
たはエチル化物等、例えば、4−クロル−m−キシリレ
ンジイソシアナート、4,5−ジクロル−m−キシリレ
ンジイソシアナート、2,3,5,6−テトラブロム−
p−キシリレンジイソシアナート、4−メチル−m−キ
シリレンジイソシアナート、4−エチル−m−キシリレ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、ノルボルネンジイソ
シアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナ
ート)、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサ
ン、1,3−ジチオラン−4,5−ジイソシアナート、
4,5−ビス(イソシアナートメチル)−1,3−ジチ
オラン、トリス(イソシアナートメチルチオ)メタン等
が挙げられる。これらの一部は市販されている。
【0019】成分(b)は、少なくとも一種の2個以上
のメルカプト基を有するポリチオールを含有するもので
ある。これらのポリチオールとしては、例えば、メタン
ジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロ
パンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3
−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、
1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパント
リチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,
2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロ
パン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン
−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−
2,3−ジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ペプタ−
exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス
(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビ
ス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメル
カプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、
2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカ
プトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパ
ノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレン
グリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチ
レングリコールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、
2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2
−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオ
ール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレ
ングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチ
レングリコールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトア
セテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカ
プトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,
2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプ
トプロパン、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,
6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール等
の脂肪族ポリチオール、
【0020】1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−
ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼ
ン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,
3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス
(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカ
プトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベン
ゼン、1,2−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベン
ゼン、1,2−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベン
ゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,
4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカ
プトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチ
ル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチ
ル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチ
ル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチ
ル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチレ
ンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプト
メチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メル
カプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス
(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−
トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,
3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼ
ン、
【0021】1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼ
ン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,
2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,
4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,
2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼ
ン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)
ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエ
チル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカ
プトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス
(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テト
ラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,
2,3,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)
ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメ
チレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス
(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,
5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼ
ン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチレン
オキシ)ベンゼン、2,2'−ジメルカプトビフェニル、
4,4'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−ジメルカプ
トビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−
トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、
1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジ
チオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジ
メチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチ
ルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラ
センジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェ
ニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェ
ニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−
1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェ
ニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、
【0022】2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−
sym−トリアジン、2−エチルアミノ−4,6−ジチ
オール−sym−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジ
チオール−sym−トリアジン、2−モルホリノ−4,
6−ジチオール−sym−トリアジン、2−シクロヘキ
シルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジ
ン、2−メトキシ−4,6−ジチオール−sym−トリ
アジン、2−フェノキシ−4,6−ジチオール−sym
−トリアジン、2−チオベンゼンオキシ−4,6−ジチ
オール−sym−トリアジン、2−チオブチルオキシ−
4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン等の複素環
を含有したポリチオール、1,2−ビス(メルカプトメ
チルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル
チオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチルチ
オ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)
ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベン
ゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼ
ン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベン
ゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベ
ンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)
ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチ
オ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル
チオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチ
ルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メル
カプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラ
キス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4,
5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、
1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチルチオ)
ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエ
チルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メ
ルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アル
キル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳
香族ポリチオール、
【0023】ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビ
ス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプト
プロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)
メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビ
ス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビ
ス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2
−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−
メルカプトプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(メル
カプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メル
カプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メル
カプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス
(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリ
ス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3
−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、テ
トラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テト
ラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テ
トラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタ
ン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィ
ド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン等、及び
これらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸
のエステル、
【0024】ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メ
ルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビ
ス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチ
ルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒド
ロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオ
ネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メ
ルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィド
ビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプ
トエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、
2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプ
ロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオール
ビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン
−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチル
エステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプト
エチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−
メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビ
ス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピ
オン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4
−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステ
ル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプト
プロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3
−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール
酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジ
チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピ
ルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有す
る脂肪族ポリチオール、3,4−チオフェンジチオー
ル、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化
合物等が挙げられる。さらには、これらポリチオールの
塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用して
もよい。これらは、それぞれ単独で用いることも、また
二種類以上を混合して用いてもよい。好ましくは、2,
2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチ
オール、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−
3−メルカプトプロパン、4,8−ビス(メルカプトメ
チル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカン
ジチオール、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)
ベンゼンである。
【0025】式(1)で表されるポリイソシアナートの
うち、いくつかのものは公知の方法で製造される。例え
ば、ビス(イソシアナートメチルチオ)メタン、1,2
−ビス(イソシアナートメチルチオ)エタンは、J. Pra
kt. Chem., 335(1993)p.294 〜6に記載の方法で製造
することができる。ビス(イソシアナートメチルチオ)
メタンは、ビス(ヒドラジノカルボニルメチルチオ)メ
タンを、希塩酸中で亜硝酸ナトリウムと反応後、熱ベン
ゼン中でのCurtius 転移により得ることができる。1,
2−ビス(イソシアナートメチルチオ)エタンも全く同
様である。また、ビス(ヒドラジノカルボニルメチルチ
オ)メタンは、容易に入手できる市販のメチレンビスチ
オグリコール酸を、英国特許1129085に記載の方
法、すなわち、酸触媒共存下に、エタノールと加熱環流
下に反応して得られるビスエチルエステル誘導体を、氷
冷下にヒドラジン水和物と反応することにより得ること
ができる。
【0026】本発明の光学材料用組成物において、成分
(a)に適したイソシアナート化合物の中、一般式
(4)で表されるポリイソシアナート化合物は新規な化
合物である。次に、新規なイソシアナート化合物の製法
について説明する。下記式(5)で表される1,2−ビ
ス(2−イソシアナートエチルチオ)エタンは、入手容
易な市販のエチレンビス(チオプロピオン酸)より、次
の方法で製造することができる。 OCNCH2 CH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 NCO (5) まず、エチレンビス(チオプロピオン酸)を、適当な酸
触媒共存下、低級アルコールと反応させ、エステル誘導
体に変換する。酸触媒としては、硫酸、塩酸、p−トル
エンスルホン酸等を用いることができ、低級アルコール
としては、メタノール、エタノール、プロパノール等を
例示できる。反応は、用いるアルコールを溶媒としても
良く、また、トルエン、ベンゼン等の溶媒中で行っても
良い。反応で生じる水は、無水硫酸ナトリウム、モレキ
ュラーシーブの様な脱水剤を用いて除去しても、トルエ
ンなどを溶媒としディーンスターク装置を用いて共沸脱
水しても良い。反応は、室温以上、溶媒の沸点以下で実
施可能だが、還流下で行うのが望ましい。
【0027】得られたビスエステル誘導体を、ヒドラジ
ン水和物と反応させることにより、1,2−ビス(2−
ヒドラジノカルボニルエチルチオ)エタンとする。この
時、反応溶媒としては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、THF、ジオキサン、水等を用
いることができるが、原料のジエステル誘導体が溶解
し、生成物が析出する低級アルコールを用いるのが望ま
しい。また、反応温度は、0℃以上、溶媒の沸点以下で
実施できるが、室温以下で実施するのが望ましい。次い
で、1,2−ビス(2−ヒドラジノカルボニルエチルチ
オ)エタンを、希酸中で亜硝酸塩と反応させた後、加熱
条件下で、Curtius 転移させて、1,2−ビス(2−イ
ソシアナートエチルチオ)エタンを得ることができる。
希酸としては、希塩酸水溶液、希硫酸水溶液などを用い
ることができ、反応を妨げない溶媒と共に用いることも
できる。反応温度としては、Curtius 転移反応を起こさ
ない反応温度で有れば特に制限はないが、0〜10℃の
範囲が望ましい。Curtius 転移の際の溶媒は、生成物と
反応しない溶媒なら特に制限はないが、ベンゼン、トル
エン等が望ましい。反応も室温以上、溶媒の沸点以下の
任意の温度で実施可能である。
【0028】下記式(6)で表されるビス〔2−(イソ
シアナートメチルチオ)エチル〕スルフィドは、以下の
ようにして製造することができる。 OCNCH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 SCH2 NCO (6) 例えば、容易に入手可能な市販のビス(2−メルカプト
エチル)スルフィドを、塩基存在下、ハロゲン化酢酸低
級アルキルエステルと反応させて、ビス〔2−(アルキ
ルオキシカルボニルメチルチオ)エチル〕スルフィドを
得る。塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、トリエチルアミン等を用いることが
できる。溶媒としては、反応を妨害しない限り特に限定
されないが、水、エタノール、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等が望ましい。得られたビス〔2
−(アルキルオキシカルボニルメチルチオ)エチル〕ス
ルフィドは、単離精製しても、そのまま次の反応に供し
ても良い。
【0029】次いで、ビス〔2−(アルキルオキシカル
ボニルメチルチオ)エチル〕スルフィドを、ヒドラジン
水和物と反応させ、ビス〔2−(ヒドラジノカルボニル
メチルチオ)エチル〕スルフィドを得る。この時反応溶
媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、THF、ジオキサン、水等を用いることが
できるが、低級アルコールを用いるのが望ましい。反応
は、0℃以上、溶媒の沸点以下で実施できるが、3℃以
上、室温以下で実施するのが望ましい。さらに、このビ
ス〔2−(ヒドラジノカルボニルメチルチオ)エチル〕
スルフィドを、希酸中で亜硝酸塩と反応させた後、加熱
条件下で、Curtius 転移させることにより、ビス〔2−
(イソシアナートメチルチオ)エチル〕スルフィドを得
ることができる。ここで希酸としては、希塩酸水溶液、
希硫酸水溶液などを用いることができ、反応を妨げない
溶媒と共に用いることもできる。反応温度は、Curtius
転移反応を起こさない反応温度で有れば特に制限はない
が、0〜10℃の範囲が望ましい。Curtius 転移の際の
溶媒は、生成物と反応しない溶媒なら特に制限はない
が、ベンゼン、トルエン等が望ましい。反応も室温以
上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実施可能である。下
記式(7)(化8)で表されるビス(イソシアナートメ
チルチオ)フェニルメタンは、以下のように製造するこ
とができる。
【0030】
【化8】 例えば、チオグリコール酸低級アルキルエステルとベン
ズアルデヒドを、酸触媒共存下に反応させ、(ベンジリ
デンジチオ)ジ酢酸低級アルキルエステル誘導体を得
る。ついで、ヒドラジン水和物と反応させ(ベンジリデ
ンジチオ)ビス(ヒドラジノカルボニルメタン)を得る
が、(ベンジリデンジチオ)ジ酢酸低級アルキルエステ
ル誘導体は、単離精製しても、そのまま次の反応に供し
ても良い。反応溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、THF、ジオキサン、
水等を用いることができるが、低級アルコールを用いる
のが望ましい。反応は0℃以上、溶媒の沸点以下で実施
できるが、3℃以上、室温以下で実施するのが望まし
い。
【0031】さらに、この(ベンジリデンジチオ)ビス
(ヒドラジノカルボニルメタン)を、希酸中で亜硝酸塩
と反応させた後、加熱条件下で、Curtius 転移させるこ
とにより、ビス(イソシアナートメチルチオ)フェニル
メタンを得ることができる。希酸としては、希塩酸水溶
液、希硫酸水溶液などを用いることができ、反応を妨げ
ない溶媒と共に用いることもできる。反応温度として
は、Curtius 転移反応を起こさない反応温度で有れば特
に制限はないが、0〜10℃の範囲が望ましい。Curtiu
s 転移の際の溶媒は、生成物と反応しない溶媒なら特に
制限はないが、ベンゼン、トルエン等が望ましい。反応
も室温以上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実施可能で
ある。下記式(8)(化9)で表される1,1,2,2
−テトラキス(イソシアナートメチルチオ)エタンは、
以下のようにして製造することができる。
【0032】
【化9】 例えば、容易に入手できる市販のエタンジイリデンテト
ラキスチオ酢酸を、適当な低級アルキルエステル化剤で
テトラキス低級アルキルエステル誘導体に変換する。こ
の時、エステル化は、p−トルエンスルホン酸、硫酸、
塩酸のような酸触媒と、低級アルコール、硫酸ジアルキ
ルエステル、ジアゾメタン、ヨウ化アルキル等を用いて
行うことができるが、酸触媒と低級アルコールまたはジ
アゾメタンが望ましい。反応には、エチルエーテル、低
級アルコールなど反応を妨害しない溶媒なら任意に用い
ることができる。次に、このテトラキスエステル誘導体
を、ヒドラジン水和物と反応させることにより、1,
1,2,2−テトラキス(ヒドラジノカルボニルメチル
チオ)エタンとする。この時、反応溶媒として、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、TH
F、ジオキサン、水等を用いることができるが、原料の
ジエステル誘導体が溶解し、生成物が析出する低級アル
コールを用いるのが望ましい。反応は、0℃以上、溶媒
の沸点以下で実施できるが、室温以下で実施するのが望
ましい。
【0033】さらに、この1,1,2,2−テトラキス
(ヒドラジノカルボニルメチルチオ)エタンを、希酸中
で亜硝酸塩と反応させた後、加熱条件下で、Curtius 転
移させることにより、1,1,2,2−テトラキス(イ
ソシアナートメチルチオ)エタンを得ることができる。
亜硝酸塩との反応では、希酸として、希塩酸水溶液、希
硫酸水溶液などを用いることができ、反応を妨げない溶
媒と共に用いることもできる。また、反応温度として
は、Curtius 転移反応を起こさない反応温度で有れば特
に制限はないが、0〜10℃の範囲が望ましい。Curtiu
s 転移の際の溶媒としては、生成物と反応しない溶媒な
ら特に制限はないが、ベンゼン、トルエン等が望まし
い。反応も室温以上、溶媒の沸点以下の任意の温度で実
施可能である。下記式(9)(化10)で表される2,
2,5,5−テトラキス(イソシアナートメチルチオ)
−1,4−ジチアンも全く同様に製造することができ
る。
【0034】
【化10】 すなわち、Ann. Chem., 595 (1955), p.101 ( A. Schob
erl ら)に記載の方法によって、塩酸触媒存在下に、チ
オグリコール酸を縮合させて製造される2,2,5,5
−テトラキス(カルボキシメチルチオ)−1,4−ジチ
アンを、適当な低級アルキルエステル化剤でテトラキス
低級アルキルエステル誘導体に変換する。エステル化
は、温和な酸触媒と、低級アルコール、硫酸ジアルキル
エステル、ジアゾメタン、ヨウ化アルキル等を用いて行
うことができるが、酸触媒と低級アルコールまたはジア
ゾメタンが望ましい。反応には、トルエン、ベンゼン、
低級アルコールなど反応を妨害しない溶媒なら任意に用
いることができる。次に、このテトラキスエステル誘導
体をヒドラジン水和物と反応させることにより、2,
2,5,5−テトラキス(ヒドラジノカルボニルメチル
チオ)−1,4−ジチアンとする。この時、反応溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、THF、ジオキサン、水等を用いることができ
るが、低級アルコールを用いるのが望ましい。反応は、
0℃以上、溶媒の沸点以下で実施できるが、室温以下で
実施するのが望ましい。
【0035】さらに、この2,2,5,5−テトラキス
(ヒドラジノカルボニルメチルチオ)−1,4−ジチア
ンを、希酸中で亜硝酸塩と反応させた後、加熱条件下
で、Curtius 転移させることにより、2,2,5,5−
テトラキス(イソシアナートメチルチオ)−1,4−ジ
チアンを得ることができる。亜硝酸塩との反応では、希
酸として、希塩酸水溶液、希硫酸水溶液などを用いるこ
とができ、反応を妨げない溶媒と共に用いることもでき
る。反応温度としては、Curtius 転移反応を起こさない
反応温度で有れば特に制限はないが、0〜10℃の範囲
が望ましい。Curtius 転移の際の溶媒は、生成物と反応
しない溶媒なら特に制限はないが、ベンゼン、トルエン
等が望ましい。反応も室温以上、溶媒の沸点以下の任意
の温度で実施可能である。
【0036】本発明の組成物における各成分の使用割
合、即ち、成分(a)と成分(b)との使用割合は、N
CO基/SH基の比率で、0.5〜1.5の範囲であ
り、好ましくは、0.6〜1.4、特に好ましくは、
0.7〜1.3の範囲である。また、本発明の組成物に
は、重合反応の促進のための重合触媒、耐候性改良のた
めの紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、蛍光染
料、光安定剤、油溶染料などの添加剤を、必要に応じ
て、適宜加えてもよい。さらに、必要に応じて、内部離
型剤を加えてもよい。
【0037】本発明のレンズは、成分(a)と成分
(b)を含むレンズ用組成物に、必要に応じて、重合触
媒、添加剤等を加えた後、十分に脱泡したのち、公知の
注型重合法、すなわち、ガラス製または金属製のモール
ドと樹脂製ガスケットを組み合わせたモールド型の中に
混合液を注入し、加熱して、硬化させることにより得ら
れる。この時、成型後の樹脂の取り出しを容易にするた
めに、モールドに公知の離型処理を施しても、なんら差
し支えない。注型重合の際の重合温度、重合時間は、モ
ノマーの組成、添加剤の種類や量によっても異なるが、
一般的には、5〜20℃から昇温を開始し、100℃〜
130℃程度まで8〜30時間で昇温する。
【0038】本発明で得られるレンズは、必要に応じ
て、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向
上、防曇性付与、あるいは、ファッション性付与等の改
良を行なうため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコー
ト処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理等の物
理的あるいは化学的処理を施すことができる。また、本
発明で得られるレンズは、通常の分散染料を用い、水ま
たは溶媒中で容易に染色が可能である。染色の際、更に
染色を容易にするために染色浴に染色助剤であるキャリ
ヤーを加えてもよい。本発明の組成物を硬化させて得ら
れる含硫ウレタン樹脂は、極めて低分散で、高屈折率、
耐熱性に優れ、かつ、無色透明であり、軽量で、耐候
性、耐衝撃性に優れ、更に、低吸水性で、表面硬度に優
れた特徴を有しており、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の
光学素子材料のみでなく、グレージング材料、塗料、接
着剤の材料としても好適である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は、これによって何等制限されるも
のではない。尚、実施例中に示す部は、重量部を示す。
得られたレンズの性能試験は以下の試験法により評価し
た。 ・屈折率、アッベ数:プルフリッヒ屈折計を用い、20
℃で測定する。 ・外 観:目視により着色、透明性を観察する。 ・耐熱性:サーモメカニカルアナライザー、TAS30
0(理学電機製)を用いて、試験片に5g加重し、2.
5℃/分で加熱して、その熱変形開始温度を測定する。 ・染色性:三井東圧染料(株)製のプラスチックレンズ
用分散染料であるML−Yellow、ML−Red、
ML−Blueを、各々5g/Lの水溶液に調製した染
色槽を使って、95℃で5分間浸漬し、9mmの厚さの平
板を染色した。染色後、スペクトロフォトメーター、U
−2000(日立製作所製)を用いて、400〜700
nmの透過率を測定する。総合評価として染色性が良好な
ものを(○)、染色性に劣るか、全く染色できないもの
を(×)とする。 ・染色耐熱性:95℃の染色浴に5分間浸積した後、レ
ンズが変形しているか否かを、目視により観察する。 ・吸水率:JIS−K−7209に基づいて、試験片を
作製し、室温で、水中に48時間浸漬し、その後の重量
変化から吸水率を測定する。 ・表面硬度:JIS−K−5401の塗膜用鉛筆引っ掻
き試験機を使用して、鉛筆硬度を測定する。
【0040】実施例1〔1,2−ビス(イソシアナート
エチルチオ)エタンの製造〕 市販のエチレンビス(チオプロピオン酸)25gを、ト
ルエン150mlとエタノール300mlの混合溶媒に
溶解し、濃硫酸1滴を加え、加熱還流下に、モレキュラ
ーシーブス(4A)で脱水しつつ4時間反応を行った。
反応液を室温まで冷却後、エバポレータにて、エタノー
ルの大半を留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50
mlで2回洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、
減圧下に溶媒を濃縮して、粗エチレンビス(チオプロピ
オン酸エチル)を淡黄色油状物として得た。これを、エ
タノール50mlに溶解し、5℃に保ちつつ、ヒドラジ
ン一水和物12.2gを滴下した。2時間後、生じた
1,2−ビス(ヒドラジノカルボニルエチルチオ)エタ
ンの白色結晶を濾過した。これを冷エタノール10ml
で、2回洗浄した。乾燥後、水18mlに溶解し、5℃
に冷却して濃塩酸6.7gを滴下した。さらに、亜硝酸
ナトリウム4.2gを水8mlに溶解した溶液を滴下し
た。30分後、ベンゼン30mlを加え、激しく撹拌し
つつ、室温まで昇温した。有機層を分液し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、60℃のベンゼン100ml中
に、窒素が継続して発生するくらいの速度で緩やかに滴
下した。同温で3時間反応後、室温にまで冷却し、減圧
下にベンゼンを留去した。得られた淡黄色油状物を減圧
蒸留(145℃/1mmHg)して、1,2−ビス(イ
ソシアナートエチルチオ)エタン8.6gを無色油状物
として得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ) δ:3.02(bs,4H),3.44(m,4H),
4.18(m,4H) ・IR:2270cm-1
【0041】実施例2〔ビス(イソシアナートメチルチ
オ)フェニルメタンの製造〕 ベンズアルデヒド13.5mlとチオグリコール酸エチ
ル60gを混合し、これに濃塩酸13.5mlを加え、
室温で2日間反応した。反応物を氷水400gにあけ、
酢酸エチル100mlで抽出し、水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して、粗(ベン
ジリデンジチオ)ジ酢酸低級アルキルエステル誘導体を
淡黄色油状物として得た。これを単離精製することな
く、n−プロパノール50mlに溶解し、5℃に保ちつ
つ、ヒドラジン一水和物14gを滴下した。2時間後、
生じた(ベンジリデンジチオ)ビス(ヒドラジノカルボ
ニルメタン)の白色結晶を濾過した。これを冷エタノー
ル10mlで2回洗浄した。乾燥後、水40mlに溶解
し、5℃に冷却して、濃塩酸13gを滴下した。さら
に、亜硝酸ナトリウム8gを水20mlに溶解した溶液
を滴下した。30分後、ベンゼン90mlを加え、激し
く撹拌しつつ、室温まで昇温した。有機層を分液し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、65℃のベンゼン200
ml中に、窒素が継続して発生するくらいの速度で緩や
かに滴下した。同温で3時間反応後、室温にまで冷却
し、生じた白色沈殿を濾過して除き、減圧下にベンゼン
を留去した。得られた無色油状物を0.3mmHgの減
圧下、80℃で2時間かけて不純物を留去して、目的と
するビス(イソシアナートメチルチオ)フェニルメタン
を得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ) δ:4.42(m,4H),5.04(s,1H),
7.28(m,5H) ・IR:2270cm-1
【0042】実施例3〔ビス[2-(イソシアナートメチル
チオ) エチル] スルフィドの製造〕 ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド27.8g
を、メチルエチルケトン360mlに溶解し、5℃に冷
却して、45%水酸化ナトリウム水溶液32gを滴下
し、激しく撹拌した。ここへブロモ酢酸エチル60gを
滴下し、室温で1時間反応させた。酢酸エチル200m
lを加えて、飽和塩化アンモニウム水溶液50mlで2
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧
下に留去し、ビス〔2−(エチルオキシカルボニルメチ
ルチオ)エチル〕スルフィドを淡黄色油状物(44g)
として得た。これをイソプロパノール70mlに溶解
し、5℃に保ちつつ、ヒドラジン一水和物18gを滴下
した。2時間後、生じたビス〔2−(ヒドラジノカルボ
ニルメチルチオ)エチル〕スルフィドの白色結晶を濾過
した。これを冷イソプロパノール20mlで2回、次い
でヘキサン10mlで洗浄した。乾燥後、水150ml
に溶解し、5℃に冷却して、濃塩酸25gを滴下した。
さらに、亜硝酸ナトリウム16gを水50mlに溶解し
た溶液を滴下した。30分後、ベンゼン150mlを加
え、激しく撹拌しつつ、室温まで昇温した。有機層を分
液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、トルエンを加え
て500mlに希釈して、55℃にまでゆっくり加熱
し、窒素が継続して発生するように緩やかに反応した。
70℃で3時間反応後、室温にまで冷却し、そのまま終
夜放置して、生じた白色沈殿を濾過して除き、減圧下に
溶媒を留去した。得られた無色油状物を0.3mmHg
の減圧下で、80℃2時間かけて不純物を留去し、目的
とするビス〔2−(イソシアナートメチルチオ)エチ
ル〕スルフィドを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ) δ:2.9〜3.3(m,8H),4.23(m,4
H) ・IR:2270cm-1
【0043】実施例4〔1,1,2,2−テトラキス
(イソシアナートメチルチオ)エタンの製造〕 エタンジイリデンテトラキスチオ酢酸25gを、エタノ
ール300ml、トルエン150mlに溶解し、濃硫酸
1滴を加え、加熱還流下に、モレキュラーシーブを用い
て脱水しつつ、6時間反応した。反応後、室温まで冷却
して、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml
で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に
濃縮して、粗エタンジイリデンテトラキスチオ酢酸テト
ラエチルエステルを淡黄色の油状物として得た。次に、
このテトラキスエステル誘導体を、イソプロパノール6
5mlに溶解し、5℃に冷却して、2時間かけてヒドラ
ジン一水和物11.5gを滴下した。生じた1,1,
2,2−テトラキス(ヒドラジノカルボニルメチルチ
オ)エタンの白色結晶を濾取し、風乾した。この1,
1,2,2−テトラキス(ヒドラジノカルボニルメチル
チオ)エタンを、水120mlに溶解し、5℃に冷却し
た。ここへ、濃塩酸25gを滴下して、さらに亜硝酸ナ
トリウム16gを水25mlに溶解して滴下した。2時
間後、ベンゼン120mlを加えて激しく撹拌しつつ、
室温にまで昇温した。有機層を分液して、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。このベンゼン溶液を、緩やかに窒
素ガスが発生する程度に、ゆっくりと55℃まで昇温
し、2時間加熱還流した後、室温で終夜放置した。生じ
た白沈を濾過して除き、減圧下に濃縮した。得られた無
色透明油状物を、0.3mmHg、80℃で処理して低
沸点不純物を除去し、無色透明油状の1,1,2,2−
テトラキス(イソシアナートメチルチオ)エタン9.2
gを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ) δ=3.11(bs,2H),4.29(m,8H) ・IR:2270cm-1
【0044】実施例5〔2,2,5,5−テトラキス
(イソシアナートメチルチオ)−1,4−ジチアンの製
造〕 Ann. Chem., 595 (1955), p.101に記載の方法により、
チオグリコール酸80gを、濃塩酸100mlに溶解
し、塩酸ガスを5℃で、2時間通じて飽和した。そのま
ま室温まで昇温し、7日間放置した。生じた白沈を濾取
し、冷水で水洗して風乾した。これをエタノール300
mlに懸濁し、室温で激しく撹拌しつつ、TLC(薄層
クロマト)で観察しながら、反応が完結するまで、ジア
ゾメタンのエチルエーテル溶液を滴下した。過剰のジア
ゾメタンを微量の酢酸で処理し、反応液を減圧下に濃縮
して、微淡黄色の油状物として2,2,5,5−テトラ
キス(カルボキシメチルチオ)−1,4−ジチアンを得
た。次に、このテトラキスエステル誘導体を、イソプロ
パノール120mlに溶解し、5℃で、ヒドラジン一水
和物13.2gを滴下した。そのまま同温度で、4時間
反応し、生じた2,2,5,5−テトラキス(ヒドラジ
ノカルボニルメチルチオ)−1,4−ジチアンの白色結
晶を濾取し、冷エタノール30mlで洗浄し、風乾し
た。さらに、この2,2,5,5−テトラキス(ヒドラ
ジノカルボニルメチルチオ)−1,4−ジチアンを、水
125mlに溶解し、氷浴上で冷却しつつ、濃塩酸28
gを滴下した。30分後、亜硝酸ナトリウム17.7g
を水55mlに溶解して滴下した。同温で、4時間反応
した後、ベンゼン150mlを加えて激しく撹拌して分
液した。このベンゼン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾
燥して、緩やかに窒素ガスが発生する程度に、ゆっくり
と55℃まで昇温し、2時間加熱還流させた後、室温で
終夜放置した。生じた白沈を濾過して除き、減圧下に濃
縮した。得られた無色透明油状物を、0.3mmHg、
80℃で処理し、低沸点不純物を除去して、無色透明油
状の2,2,5,5−テトラキス(イソシアナートメチ
ルチオ)−1,4−ジチアン10.5gを得た。 ・ 1H−NMR(CDCl3 ) δ=3.22(m,4H),4.30(m,8H) ・IR:2270cm-1
【0045】実施例6 ビス(イソシアナートメチルチオ)メタン35.3部
(0.186モル)、1,2,4−トリス(メルカプト
メチル)ベンゼン26.8部(0.124モル)、ジブ
チルチンジラウレート0.01重量%(混合物の全量に
対して)を混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離
型処理を施したガラスモールドとガスケットよりなるレ
ンズ用のモールド型に注入した。ついで、40℃から1
20℃まで徐々に昇温しながら、20時間かけて加熱硬
化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レンズをモール
ドより取り出した。得られたレンズは、無色透明で、屈
折率nd =1.69、アッベ数νd =31であり、熱変
形開始温度は112℃であった。95℃の染色浴で染色
してもレンズは変形しなかった。染色後の透過率は、M
L−Yellowで30%、ML−Redで38%、M
L−Blueで48%であり、染色性の総合評価は
(○)であった。48時間後の吸水率は0.02%であ
り、また、表面硬度はHであった。
【0046】実施例7 ビス(イソシアナートメチルチオ)メタン30部(0.
158モル)、4,8−ビス(メルカプトメチル)−
3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオー
ル28.9部(0.078モル)を混合して均一液と
し、十分に脱泡した後、離型処理を施したガラスモール
ドとガスケットよりなるレンズ用のモールド型に注入し
た。ついで、30℃から120℃まで徐々に昇温しなが
ら、23時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐々
に冷却し、レンズをモールドより取り出した。得られた
レンズは、無色透明で、屈折率nd =1.69、アッベ
数νd =32であり、熱変形開始温度は107℃であっ
た。95℃の染色浴で染色してもレンズは変形しなかっ
た。染色後の透過率は、ML−Yellowで28%、
ML−Redで32%、ML−Blueで45%であ
り、染色性の総合評価は(○)であった。48時間後の
吸水率は0.01%であり、また、表面硬度は2Hであ
った。
【0047】実施例8 ビス(イソシアナートメチルチオ)メタン30部(0.
158モル)、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチ
オ)−3−メルカプトプロパン27.4部(0.105
モル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%(混
合物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分に脱
泡した後、離型処理を施したガラスモールドとガスケッ
トよりなるレンズ用のモールド型に注入した。ついで、
30℃から120℃まで徐々に昇温しながら、23時間
かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レ
ンズをモールドより取り出した。得られたレンズは、無
色透明で、屈折率nd =1.68、アッベ数νd =32
であり、熱変形開始温度は100℃であった。95℃の
染色浴で染色してもレンズは変形しなかった。染色後の
透過率は、ML−Yellowで33%、ML−Red
で33%、ML−Blueで41%であり、染色性の総
合評価は(○)であった。48時間後の吸水率は0.0
2%であり、また、表面硬度はHであった。
【0048】実施例9 ビス(イソシアナートメチルチオ)メタン30部(0.
158モル)、2,2−ビス(メルカプトメチル)−
1,3−プロパンジチオール15.8部(0.079モ
ル)を混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処
理を施したガラスモールドとガスケットよりなるレンズ
用のモールド型に注入した。ついで、30℃から120
℃まで徐々に昇温しながら、23時間かけて加熱硬化さ
せた。重合終了後、徐々に冷却し、レンズをモールドよ
り取り出した。得られたレンズは、無色透明で、屈折率
d =1.69、アッベ数νd =32であり、熱変形開
始温度は154℃であった。95℃の染色浴で染色して
もレンズは変形しなかった。染色後の透過率は、ML−
Yellowで35%、ML−Redで38%、ML−
Blueで46%であり、染色性の総合評価は(○)で
あった。48時間後の吸水率は0.01%であり、ま
た、表面硬度は2Hであった。
【0049】実施例10 ビス(イソシアナートメチルチオ)メタン21部(0.
11モル)、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,
6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール2
5部(0.068モル)、イソホロンジイソシアナート
6.1部(0.027モル)を混合して均一液とし、十
分に脱泡した後、離型処理を施したガラスモールドとガ
スケットよりなるレンズ用のモールド型に注入した。つ
いで、30℃から120℃まで徐々に昇温しながら、2
3時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却
し、レンズをモールドより取り出した。得られたレンズ
は、無色透明で、屈折率nd =1.68、アッベ数νd
=32であり、熱変形開始温度は111℃であった。9
5℃の染色浴で染色してもレンズは変形しなかった。染
色後の透過率は、ML−Yellowで30%、ML−
Redで35%、ML−Blueで46%であり、染色
性の総合評価は(○)であった。48時間後の吸水率は
0.01%であり、また、表面硬度はHであった。
【0050】実施例11 1,2−ビス(イソシアナートメチルチオ)エタン2
6.0部(0.11モル)、1,2−ビス[(2−メル
カプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン19.
5部(0.075モル)、ジブチルチンジラウレート
0.01重量%(混合物の全量に対して)を混合して均
一液とし、十分に脱泡した後、離型処理を施したガラス
モールドとガスケットよりなるレンズ用のモールド型に
注入した。ついで、40℃から120℃まで徐々に昇温
しながら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了
後、徐々に冷却し、レンズをモールドより取り出した。
得られたレンズは、無色透明で、屈折率nd =1.6
6、アッベ数νd =33であり、熱変形開始温度は10
0℃であった。染色後の透過率は、ML−Yellow
で30%、ML−Redで34%、ML−Blueで4
3%であり、染色性の総合評価は(○)であった。48
時間後の吸水率は0.04%であり、また、表面硬度は
Hであった。
【0051】実施例12 1,2−ビス(イソシアナートメチルチオ)エタン2
2.0部(0.095モル)、1,2,4−トリス(メ
ルカプトメチル)ベンゼン14.0部(0.062モ
ル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%(混合
物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分に脱泡
した後、離型処理を施したガラスモールドとガスケット
よりなるレンズ用のモールド型に注入した。ついで、4
0℃から120℃まで徐々に昇温しながら、20時間か
けて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レン
ズをモールドより取り出した。得られたレンズは、無色
透明で、屈折率nd =1.68、アッベ数νd =31で
あり、熱変形開始温度は122℃であった。染色後の透
過率は、ML−Yellowで34%、ML−Redで
39%、ML−Blueで50%であり、染色性の総合
評価は(○)であった。48時間後の吸水率は0.02
%であり、また、表面硬度はHであった。
【0052】実施例13 1,2−ビス(2−イソシアナートエチルチオ)エタン
30.0部(0.12モル)、1,2,4−トリス(メ
ルカプトメチル)ベンゼン16.7部(0.077モ
ル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%(混合
物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分に脱泡
した後、離型処理を施したガラスモールドとガスケット
よりなるレンズ用のモールド型に注入した。ついで、4
0℃から120℃まで徐々に昇温しながら、20時間か
けて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レン
ズをモールドより取り出した。得られたレンズは、無色
透明で、屈折率nd =1.67、アッベ数νd =31で
あり、熱変形開始温度は115℃であった。染色後の透
過率は、ML−Yellowで32%、ML−Redで
36%、ML−Blueで45%であり、染色性の総合
評価は(○)であった。48時間後の吸水率は0.03
%であり、また、表面硬度はHであった。
【0053】実施例14 ビス[2−(イソシアナートメチルチオ)エチル]スル
フィド40.0部(0.136モル)、1,2,4−ト
リス(メルカプトメチル)ベンゼン20.0部(0.0
57モル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%
(混合物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分
に脱泡した後、離型処理を施したガラスモールドとガス
ケットよりなるレンズ用のモールド型に注入した。つい
で、40℃から120℃まで徐々に昇温しながら、20
時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却
し、レンズをモールドより取り出した。得られたレンズ
は、無色透明で、屈折率nd =1.67、アッベ数νd
=32であり、熱変形開始温度は111℃であった。染
色後の透過率は、ML−Yellowで33%、ML−
Redで35%、ML−Blueで43%であり、染色
性の総合評価は(○)であった。48時間後の吸水率は
0.04%であり、また、表面硬度はHであった。
【0054】実施例15 ビス(イソシアナートメチルチオ)フェニルメタン3
9.2部(0.147モル)、1,2−ビス[(2−メ
ルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン2
5.5部(0.098モル)、ジブチルチンジラウレー
ト0.01重量%(混合物の全量に対して)を混合して
均一液とし、十分に脱泡した後、離型処理を施したガラ
スモールドとガスケットよりなるレンズ用のモールド型
に注入した。ついで、40℃から120℃まで徐々に昇
温しながら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了
後、徐々に冷却し、レンズをモールドより取り出した。
得られたレンズは、無色透明で、屈折率nd =1.6
8、アッベ数νd =31であり、熱変形開始温度は11
4℃であった。染色後の透過率は、ML−Yellow
で35%、ML−Redで38%、ML−Blueで4
9%であり、染色性の総合評価は(○)であった。48
時間後の吸水率は0.04%であり、また、表面硬度は
Hであった。
【0055】実施例16 1,1,2,2−テトラキス(イソシアナートメチルチ
オ)エタン22部(0.052モル)、1,2,4−ト
リス(メルカプトメチル)ベンゼン15.1部(0.0
7モル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%
(混合物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分
に脱泡した後、離型処理を施したガラスモールドとガス
ケットよりなるモールド型に注入した。ついで、40℃
から120℃まで徐々に昇温しながら、20時間かけて
加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レンズを
モールドより取り出した。得られたレンズは、無色透明
で、屈折率nd=1.70、アッベ数νd=30であ
り、熱変形開始温度は200℃までの範囲で明確に認め
られなかった。キャリヤーとして2%ベンジルアルコー
ルを用いた染色後の透過率は、ML−Yellowで3
4%、ML−Redで42%、ML−Blueで48%
であり、染色性の総合評価は(○)であった。48時間
後の吸水率は0.01%であり、また、表面硬度は2H
であった。
【0056】実施例17 1,1,2,2−テトラキス(イソシアナートメチルチ
オ)エタン22部(0.052モル)、4,8−ビス
(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,1
1−ウンデカンジチオール19.3部(0.052モ
ル)を混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処
理を施したガラスモールドとガスケットよりなるモール
ド型に注入した。ついで、30℃から120℃まで徐々
に昇温しながら、23時間かけて加熱硬化させた。重合
終了後、徐々に冷却し、レンズをモールドより取り出し
た。得られたレンズは、無色透明で、屈折率nd=1.
71、アッベ数νd=30であり、熱変形開始温度は2
00℃までの範囲で明確に認められなかった。キャリヤ
ーとして2%ベンジルアルコールを用いた染色後の透過
率は、ML−Yellowで29%、ML−Redで3
6%、ML−Blueで45%であり、染色性の総合評
価は(○)であった。48時間後の吸水率は0.01%
であり、また、表面硬度は2Hであった。
【0057】実施例18 1,1,2,2−テトラキス(イソシアナートメチルチ
オ)エタン21部(0.05モル)、1,2−ビス
[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプ
ロパン17.3部(0.067モル)、ジブチルチンジ
ラウレート0.01重量%(混合物の全量に対して)を
混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処理を施
したガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に
注入した。ついで、40℃から120℃まで徐々に昇温
しながら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了
後、徐々に冷却し、レンズをモールドより取り出した。
得られたレンズは、無色透明で耐衝撃性に優れ、屈折率
nd=1.69、アッベ数νd=31であり、熱変形開
始温度は179℃であった。キャリヤーとして2%ベン
ジルアルコールを用いた染色後の透過率は、ML−Ye
llowで30%、ML−Redで37%、ML−Bl
ueで45%であり、染色性の総合評価は(○)であっ
た。48時間後の吸水率は0.01%であり、また、表
面硬度は2Hであった。
【0058】実施例19 2,2,5,5−テトラキス(イソシアナートメチルチ
オ)−1,4−ジチアン48.1部(0.092モ
ル)、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼ
ン26.7部(0.123モル)、ジブチルチンジラウ
レート0.01重量%(混合物の全量に対して)を混合
して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処理を施した
ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に注入
した。ついで、40℃から120℃まで徐々に昇温しな
がら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐
々に冷却し、レンズをモールドより取り出した。得られ
たレンズは、無色透明で、屈折率nd=1.69、アッ
ベ数νd=31であり、熱変形開始温度は200℃まで
の範囲で明確に認められなかった。キャリヤーとして2
%ベンジルアルコールを用いた染色後の透過率は、ML
−Yellowで36%、ML−Redで41%、ML
−Blueで49%であり、染色性の総合評価は(○)
であった。48時間後の吸水率は0.01%であり、ま
た、表面硬度は2Hであった。
【0059】実施例20 2,2,5,5−テトラキス(イソシアナートメチルチ
オ)−1,4−ジチアン66.8部(0.128モ
ル)、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]
−3−メルカプトプロパン44.5部(0.17モ
ル)、ジブチルチンジラウレート0.01重量%(混合
物の全量に対して)を混合して均一液とし、十分に脱泡
した後、離型処理を施したガラスモールドとガスケット
よりなるモールド型に注入した。ついで、40℃から1
20℃まで徐々に昇温しながら、20時間かけて加熱硬
化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レンズをモール
ドより取り出した。得られたレンズは、無色透明で、屈
折率nd=1.68、アッベ数νd=31であり、熱変
形開始温度は170℃であった。キャリヤーとして2%
ベンジルアルコールを用いた染色後の透過率は、ML−
Yellowで32%、ML−Redで33%、ML−
Blueで44%であり、染色性の総合評価は(○)で
あった。48時間後の吸水率は0.01%であり、ま
た、表面硬度は2Hであった。
【0060】比較例1 ビス(2−イソシアナートエチル)スルフィド25.3
部(0.147モル)、1,2−ビス[(2−メルカプ
トエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン25.5部
(0.098モル)混合して均一液とし、十分に脱泡し
た後、離型処理を施したガラスモールドとガスケットよ
りなるレンズ用のモールド型に注入した。ついで、40
℃から120℃まで徐々に昇温しながら、20時間かけ
て加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、レンズ
をモールドより取り出した。得られたレンズは、無色透
明だった。屈折率nd =1.63、アッベ数νd =36
であり、熱変形開始温度は106℃であった。染色後の
透過率は、ML−Yellowで31%、ML−Red
で33%、ML−Blueで46%であり、染色性の総
合評価は(○)であった。48時間後の吸水率は0.0
4%であり、また、表面硬度はHであった。
【0061】比較例2 ビス(イソシアナートメチルチオ)(3−イソシアナー
トプロピル)メタン44部(0.16モル)、1,2−
ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプ
トプロパン28部(0.107モル)を混合して均一液
とし、十分に脱泡した後、離型処理を施したガラスモー
ルドとガスケットよりなるレンズ用のモールド型に注入
した。ついで、40℃から120℃まで徐々に昇温しな
がら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐
々に冷却し、レンズをモールドより取り出した。得られ
たレンズは、無色透明だった。屈折率nd =1.65、
アッベ数νd =34であり、熱変形開始温度は130℃
であった。染色後の透過率は、ML−Yellowで4
5%、ML−Redで58%、ML−Blueで58%
であり、染色されず、染色性の総合評価は(×)であっ
た。キャリヤーとして2%ベンジルアルコールを用いた
染色後の透過率は、ML−Yellowで28%、ML
−Redで31%、ML−Blueで35%であり、染
色性の総合評価は(○)であった。48時間後の吸水率
は0.04%であり、また、表面硬度はHであった。
【0062】比較例3 2,5−ビス(イソシアナートメチル)−1,4−ジチ
アン33.9部(0.147モル)、1,2−ビス
[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプ
ロパン25.5部(0.098モル)混合して均一液と
し、十分に脱泡した後、離型処理を施したガラスモール
ドとガスケットよりなるモールド型に注入した。つい
で、40℃から120℃まで徐々に昇温しながら、20
時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却
し、レンズをモールドより取り出した。得られたレンズ
は、無色透明だった。屈折率nd=1.67、アッベ数
νd=33であり、熱変形開始温度は126℃であっ
た。染色後の透過率は、ML−Yellowで35%、
ML−Redで35%、ML−Blueで46%であ
り、染色性の総合評価は(○)であった。48時間後の
吸水率は0.04%であり、また、表面硬度はHであっ
た。
【0063】1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)
チオ]−3−メルカプトプロパンを用いた場合について
比較する。本発明の2つのイソシアナート基をもつイソ
シアナートを用いた実施例8、11、15と、同様に2
つのイソシアナート基をもつイソシアナートを用いた比
較例1とを比較すると、実施例では、屈折率が1.6
8、1.66、1.68と高く、比較例1では1.63
と低い。3つのイソシアナート基をもつイソシアナート
を用いた比較例2と比較すると、耐熱性の点では比較例
2より若干劣ってはいるものの、屈折率および染色性の
点で優れていることが判る。さらに、4つのイソシアナ
ート基をもつイソシアナートの例(実施例18)では、
比較例2に比べ、屈折率、耐熱性共に優れていることが
判る。また、1,4−ジチアン環に2つのイソシアナー
ト基をもつイソシアナートを用いた比較例3では、イソ
シアナートがジチアン環を有するため、2つのイソシア
ナート基をもつものとしては、屈折率は本願並であり、
かつ、耐熱性も高くなっている。しかしながら、同じ
1,4−ジチアン環をもつイソシアナートを用いた本願
の実施例20に比較すると、耐熱性において大幅に劣る
ことが判る。
【0064】
【発明の効果】本発明の硫黄原子を含むジイソシアナー
トまたはテトライソシアナートを含む光学材料用組成物
は、非常に高い屈折率を有し、且つ、耐熱性に優れたプ
ラスチックレンズ、フィルター、記録媒体用基板、光フ
ァイバー等の光学製品を与える。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02C 7/02 G02C 7/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C07C 323/57 C07D 339/08 G02B 1/04 G02C 7/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)および(b)の二成分を含ん
    でなる光学材料用組成物。 (a)一般式(1)で表されるポリイソシアナートの少
    なくとも一種を含有する成分 A−(S−B−NCO)n (1) 〔式中、Aは硫黄原子を含んでいてもよいアルカンジイ
    ルまたはアルカンテトライル、もしくはジチアンテトラ
    イル基を示し、アルカンジイルまたはアルカンテトライ
    ルはフェニル基で置換されていてもよく、Bは硫黄原子
    を含んでいてもよい−(CH2 m −で表されるメチレ
    ン鎖(mは1〜4の整数を示す)を示し、同一であって
    も、異なっていてもよく、nは2または4の整数を示
    す〕 (b)2個以上のメルカプト基を有するポリチオールの
    少なくとも一種を含有する成分
  2. 【請求項2】 ポリイソシアナートが一般式(2)で表
    されるポリイソシアナートである請求項1記載の光学材
    料用組成物。 OCN−B−S−X−S−B−NCO (2) 〔式中、Xは硫黄原子を含んでいてもよい低級アルカン
    ジイルを示し、アルカンジイルはフェニル基で置換され
    ていてもよく、Bは硫黄原子を含んでいてもよい−(C
    2 m −で表されるメチレン鎖(mは1〜4の整数を
    示す)を示し、同一であっても、異なっていてもよい〕
  3. 【請求項3】 ポリイソシアナートが一般式(3)(化
    1)で表されるポリイソシアナートである請求項1記載
    の光学材料用組成物。 【化1】 (式中、Yは硫黄原子を含んでいてもよい低級アルカン
    テトライルまたはジチアンテトライルを表す)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光学材
    料用組成物を重合して得られる高屈折率プラスチックレ
    ンズ。
  5. 【請求項5】 一般式(4)で表されるポリイソシアナ
    ート。 Z−(S−B’−NCO)n (4) 〔式中、Zは下記(化2)のいずれかの基を表し、 【化2】 B’は−CH2 −または−CH2 CH2 −を示し、nは
    2または4の整数を示す。但し、Zが−CH2 CH2
    のとき、B’は−CH2 CH2 −である)
  6. 【請求項6】 ポリイソシアナートが式(5)で表され
    る1,2−ビス(2−イソシアナートエチルチオ)エタ
    ンである請求項5記載のポリイソシアナート。 OCNCH2 CH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 NCO (5)
  7. 【請求項7】 ポリイソシアナートが式(6)で表され
    るビス[2−(イソシアナートメチルチオ)エチル]ス
    ルフィドである請求項5記載のポリイソシアナート。 OCNCH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 SCH2 NCO (6)
  8. 【請求項8】 ポリイソシアナートが式(7)(化3)
    で表されるビス(イソシアナートメチルチオ)フェニル
    メタンである請求項5記載のポリイソシアナート。 【化3】
  9. 【請求項9】 ポリイソシアナートが式(8)(化4)
    で表される1,1,2,2−テトラキス(イソシアナー
    トメチルチオ)エタンである請求項5記載のポリイソシ
    アナート。 【化4】
  10. 【請求項10】 ポリイソシアナートが式(9)(化
    5)で表される2,2,5,5−テトラキス(イソシア
    ナートメチルチオ)−1,4−ジチアンである請求項5
    記載のポリイソシアナート。 【化5】
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