JP2019178085A - (ポリ)チオール化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2または3には、アルコール類と硫化水素を反応させメルカプト化合物を製造する方法が記載されており、特許文献2には触媒としてコバルト系担持触媒またはモリブデン系担持触媒を、特許文献3には触媒として水素化アルミニウムリチウムを添加することが開示されている。
特許文献1のように、従来のチオ尿素をチア化剤として用いた場合、目的物が得られてもチオ尿素由来の含窒素不純物が副生し、その廃液処理工程が煩雑となり製造コストが増加する点で改善の余地があった。
また、特許文献2のように、硫化水素と重金属触媒を用いるメルカプト化合物の製造を行う場合、廃液処理等の工程が必要であるため製造工程が煩雑になり、さらに製造コストが増大する問題があった。特許文献3のように、水素化アルミニウムリチウムを用いる場合は、ハンドリングが難しく、安定的な製造が困難であった。
[1] 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
Q1−(X)n (1)
(一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Q1は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nは1以上5以下の整数を示す。)
Q2−(SH)n (2)
(一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
Q2は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。)
[2] 前記工程は極性溶媒中で行われる、[1]に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[3] 前記極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドから選択される少なくとも一種である、[2]に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[4] 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒と、を含む混合液を調製する工程と、
前記混合液において、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素を反応させる工程とを含み、
前記混合液のpHが7.0を超えて14以下である、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
Q1−(X)n (1)
(一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Q1は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nは1以上5以下の整数を示す。)
Q2−(SH)n (2)
(一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
Q2は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。)
[5] 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応温度が0℃以上200℃以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[6] 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応圧力が100kPa以上3000kPa以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[7] 前記有機ハロゲン化合物が、2−クロロエチルエチルスルフィド、2−クロロイソブチルエチルスルフィド、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリクロロ−3,7−ジチアノナン、4,8または4,7または5,7−ジクロロメチル−1,11−ジクロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,9,13−テトラクロロ−3,7,11−トリチアトリデカン、4または5−クロロメチル−1,8,12−トリクロロ−3,6,10−トリチアドデカン、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[8] 前記塩基化合物が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、一般式(3)で表される化合物、アンモニア、アミン化合物、ピリジン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[7]のいずれか記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
M(XH)n (3)
(一般式(3)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。XはO,Sを示す。)
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法により(ポリ)チオール化合物を製造する工程と、
前記工程で得られた(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合し、重合性組成物を調製する工程と、
当該重合性組成物をモールド内で注入硬化させる工程と、
を含む成形体の製造方法。
本実施形態の一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法は、一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む。
このような、所定のpKaを有する塩基化合物を用いるという簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得ることができる。
本実施形態において、有機ハロゲン化合物は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Q1は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nが2以上の整数の場合、式(1)のXは、Q1の同一または異なる炭素原子と結合する。
−(CRR)n−X、
−(CRX)-CRR-S-(CRR)n−X、
−CR(-(CRR)n−X)(−S-(CRR)n−X)、
−(CRX)-CRR-S-CRR-(CRX)-CRR-S-(CRR)n−X
(nは1以上3以下の整数、Rは、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、C3以上C20以下の脂環族基、C6以上C20以下の芳香族有機基を示す。Rはハロゲン原子、水酸基、メルカプト基で置換されていてもよい。)が挙げられる。
置換されたC1以上C18以下の脂肪族基、置換されたC3以上C20以下の脂環族基、または置換されたC6以上C20以下の芳香族有機基の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、C1以上C10以下のアルキル基、C1以上C10以下のアルコキシル基、C1以上C10以下のアルキルチオ基、アミノ基等が挙げられる。
なお、R6またはR7は、R1、R2、R3を構成するRと結合して環を形成することができ、R4、R5と結合して環を形成することができる。
一般式(1a)において、Xは一般式(1)と同義である。
本実施形態においては、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で、前記有機ハロゲン化合物を、硫化水素と反応させる。
塩基化合物は、pKaが4以上13以下、好ましくは5以上12以下である。上記のような塩基化合物の存在下で、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素とを反応させることにより、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物を選択的に得ることができる。
金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等があげられる。
金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム(7.7)、炭酸水素カルシウム等があげられる。
一般式(3)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属であり、より好ましくはナトリウムである。Qは、酸素原子または硫黄原子を表す。nは、Mで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す。
塩基は水溶液、アルコール溶液、トルエン溶液等として用いることができ、溶液として用いる場合、塩基の濃度は適宜選択することができる。
反応溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族系溶媒類、または極性溶媒等を用いることができる。
本実施形態においては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
反応時間は、特に限定されないが10分以上100時間以下である。
また、加圧条件とする場合は、120kPa以上が好ましく、300kPa以上が更に好ましく、500kPa以上が特に好ましい。加圧反応には、通常使われるオートクレーブ等を使用することができる。
(a)上記一般式(1)で表される化合物、溶媒および塩基化合物を一括装入後、反応液中に硫化水素を添加
(b)上記一般式(1)で表される化合物および溶媒を装入後、塩基化合物を滴下装入または一括装入と同時に反応液中に硫化水素を添加
(c)溶媒および塩基化合物を装入後、上記一般式(1)で表される化合物を滴下装入または一括装入と同時に反応液中に硫化水素を添加
(d)上記一般式(1)で表される化合物および溶媒に硫化水素を添加後、塩基化合物を滴下装入または一括装入
(e)溶媒および塩基化合物に硫化水素を添加後、上記一般式(1)で表される化合物を滴下装入または一括装入
さらに、必要に応じて、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物を得た後、公知の精製工程を行うこともできる。
一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
Q2は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。
R8、R9、R10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、
−(CRR)n−SH、
−(CRSH)-CRR-S-(CRR)n−SH、
−CR(-(CRR)n−SH)(−S-(CRR)n−SH)、
−(CRSH)-CRR-S-CRR-(CRSH)-CRR-S-(CRR)n−SH
(nは1以上3以下の整数、Rは、ハロゲン原子、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、C3以上C20以下の脂環族基、C6以上C20以下の芳香族有機基を示す)
を示す。
なお、R4またはR5は、R8、R9、R10を構成するRと結合して環を形成することもできる。R6またはR7は、R8、R9、R10を構成するRと結合して環を形成することができ、R4、R5と結合して環を形成することもできる。
本実施形態の一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程a:一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒とを混合して、pHが7.0を超えて14以下の混合液を調製する。
工程b:前記混合液において、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素とを反応させる。
このような、所定のpHにおいて有機ハロゲン化合物と硫化水素とを反応させるという簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得ることができる。
以下、第1実施形態と同様な構成及び反応条件は適宜説明を省略する。
本工程においては、有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒とを混合して、混合液を調製する。混合液のpHは、7.0を超えて14以下、好ましくはpH7.1以上pH14.0以下、さらに好ましくはpH7.1以上pH13.0以下、特に好ましくはpH7.5以上pH10.0以下とすることができる。次工程において、上記範囲のpHで反応させることで、副生成物の生成を抑制でき、高収率で(ポリ)チオール化合物を得ることができる。
なお、有機ハロゲン化合物および塩基化合物は、第1実施形態に記載の化合物を用いることができる。pH(25℃)は通常用いられるpH測定装置を用いて測定される。
次いで、工程aで得られた混合液に硫化水素を吹き込み、上記のpHにおいて前記塩基化合物の存在下で前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素とを反応させる。
本工程における反応条件等は、第1実施形態と同一である。
本工程により、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物が得られる。
本実施形態においては、(ポリ)チオール化合物の製造方法を含む、成形体の製造方法を以下に説明する。
本実施形態の成形体の製造方法は以下の工程を含む。
工程1:上述の製造方法により(ポリ)チオール化合物を製造する。
工程2:前記(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合し、重合性組成物を調製する。
工程3:前記重合性組成物をモールド内で注入硬化させる。
本実施形態の成形体の製造方法は、本実施形態の(ポリ)チオール化合物の製造方法を含むことから、効率的かつ安価に、チオウレタン樹脂からなる成形体を高収率で得ることができる。
なお、工程1は本実施形態の(ポリ)チオール化合物の製造方法であることから説明を省略する。
本工程おいては、上述の製造方法により得られた(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合して重合性組成物を調製する。
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'− ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物;等を挙げることができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化またはトリマー化反応生成物等も使用できる。
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
トリレンジイソチオシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソチオシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5−イソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物;等を挙げることができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化またはトリマー化反応生成物等も使用できる。
その他の添加剤としては、例えば、内部離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、油溶染料、調光色素、特定波長カット色素、ブルーイング剤、鎖延長剤、架橋剤、充填剤などが挙げられる。
本工程においては、工程2で得られた重合性組成物をモールド内で注入硬化させる。
具体的には、まず、ガスケットまたはテープ等で保持されたモールド内に重合性組成物を注入する。この時、得られる成形体に要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。
本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料は、高い屈折率及び高い透明性を備え、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダイオード等の光学用成形体として使用することが可能である。特に、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、発光ダイオード等の光学材料として好適である。
本実施形態の光学材料を眼鏡レンズに適用する場合、本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料(レンズ)の少なくとも一方の面上に形成されたハードコート層および/または反射防止コート層と、を備えることができる。さらに、上記の他の層を備えることもできる。
以下の分析方法により生成物を測定した。
[分析方法1:HPLC]
・HPLC機種:島津製作所社製LC−20AD
・測定波長:230nm
・流量:1mL/min
・カラム:Mightysil RP−18 GP 150−6(5μm)
・温度条件:40℃
・移動相:アセトニトリル/水/KH2PO4=400/600/0.54(vol/vol/g)
・注入量:2μL
・試料調製:反応液0.15gをアセトニトリル/水=1/1(g/g)に溶解
反応により得られたチオール化合物のピーク面積比(area%)は以下の式で算出した。
式:{[チオール化合物のピーク面積]/[全ピーク面積の和]}×100
なお、2−エチルチオエチルチオール、2−イソブチルチオエチルチオール、2−クロロエチルエチルスルフィドおよび2−クロロイソブチルチオエチルスルフィドの保持時間は以下のとおりであった。
2−エチルチオエチルチオール:7.2−7.3min
2−イソブチルチオエチルチオール:14.6−14.8min
2−クロロエチルエチルスルフィド:7.7−7.8min
2−クロロイソブチルチオエチルスルフィド:15.8−16.0min
・GCMS機種:GCMS−QP2010
・カラム:DB−5MS
・カラムオーブン温度:100℃
・気化室温度:250℃
・注入量:1μL
・試料調製:反応液0.1gをジクロロメタン2mLに溶解
化合物A:2−クロロエチルエチルスルフィド
化合物B:2−クロロエチルイソブチルスルフィド
化合物C:1−クロロヘキサン
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウム(pKa:7.7)を0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを95area%、副生物としては、合計5area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。下記NMRデータから2−エチルチオエチルチオールの生成を確認した。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ:1.27(t,3H)、2.53−2.62(m,2H)、2.71−2.78(m,4H)、5.31(s,1H)
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミン(pKa:10.7)を0.97重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで1時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを86area%、副生物としては、合計12area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、ピリジン(pKa:5.4)を0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを94area%、副生物としては、合計2area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水14.5mL、25%アンモニア水(pKa:9.3)を0.66重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを62area%、副生物としては、合計37area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、水酸化ナトリウム(pKa:13)を0.39重量部装入し、30min撹拌し、水酸化ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを58area%、副生物としては、合計40area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水13.5mL、メタノール1.5mL、ピリジン(pKa:5.4)を0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで1時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを91area%、副生物としては、合計7area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウム(pKa:7.7)を0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Bを1.22重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで3時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを73area%含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミン(pKa:10.7)を1.01重量部装入し、1min撹拌した。化合物Cを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法2にて測定した結果、目的物であるチオールを0area%含有していた。測定結果を表−1に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを1area%含有していた。測定結果を表−1に示す。
第1実施例に記載の化合物A〜Cを用い、同様の分析方法により生成物を測定した。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウムを0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ7.9であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを95area%、副生物としては、合計5area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミンを0.97重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ12.5であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで1時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを86area%、副生物としては、合計12area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、ピリジンを0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ9.6であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを94area%、副生物としては、合計2area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水14.5mL、25%アンモニア水を0.66重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ11.8であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを62area%、副生物としては、合計37area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、水酸化ナトリウムを0.39重量部装入し、30min撹拌し、水酸化ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ13.2であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを58area%、副生物としては、合計40area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水13.5mL、メタノール1.5mL、ピリジンを0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ9.4であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを94area%、副生物としては、合計2area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウムを0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Bを1.22重量部装入し、pHを測定したところ7.9であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで3時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを73area%含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミンを1.01重量部装入し、1min撹拌した。化合物Cを1.0重量部装入し、pHを測定したところ12.5であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法2にて測定した結果、目的物であるチオールを0area%含有していた。測定結果を表−2に示す。
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ7であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを1area%含有していた。測定結果を表−2に示す。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
Q1−(X)n (1)
(一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Q1は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nは1以上7以下の整数を示す。)
Q2−(SH)n (2)
(一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
Q2は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。) - 前記工程は極性溶媒中で行われる、請求項1に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
- 前記極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドから選択される少なくとも一種である、請求項2に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
- 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒と、を含む混合液を調製する工程と、
前記混合液において、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素を反応させる工程とを含み、
前記混合液のpHが7.0を超えて14以下である、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
Q1−(X)n (1)
(一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Q1は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nは1以上5以下の整数を示す。)
Q2−(SH)n (2)
(一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
Q2は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。) - 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応温度が0℃以上200℃以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
- 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応圧力が100kPa以上3000kPa以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
- 前記有機ハロゲン化合物が、2−クロロエチルエチルスルフィド、2−クロロイソブチルエチルスルフィド、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリクロロ−3,7−ジチアノナン、4,8または4,7または5,7−ジクロロメチル−1,11−ジクロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,9,13−テトラクロロ−3,7,11−トリチアトリデカン、4または5−クロロメチル−1,8,12−トリクロロ−3,6,10−トリチアドデカン、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
- 前記塩基化合物が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、一般式(3)で表される化合物、アンモニア、アミン化合物、ピリジン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
M(XH)n (3)
(一般式(3)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。XはO,Sを示す。) - 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により(ポリ)チオール化合物を製造する工程と、
前記工程で得られた(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合し、重合性組成物を調製する工程と、
当該重合性組成物をモールド内で注入硬化させる工程と、
を含む成形体の製造方法。
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