JP2019178085A - (ポリ)チオール化合物の製造方法 - Google Patents

(ポリ)チオール化合物の製造方法 Download PDF

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薫 大清水
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Abstract

【課題】簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得ることができる製造方法を提供する。【解決手段】本発明の(ポリ)チオール化合物の製造方法は、下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。Q1−(X)n (1)Q2−(SH)n (2)【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料用モノマー、ポリウレタン樹脂用原料、エポキシ硬化剤、塗料硬化剤、合成樹脂の加硫剤等の多種多様な用途で使われる(ポリ)チオール化合物の製造する方法に関する。
チオール化合物の製造方法は、従来数多くの方法が知られている。例えば、ジスルフィド化合物を還元する方法、有機ハロゲン化合物に水硫化ナトリウム、水硫化カリウム等の水硫化または硫化アルカリ金属塩を反応させる方法、有機ハロゲン化合物またはアルコール類にチオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩を生成し、それを塩基で加水分解する方法、ブンテ塩を経由する方法、ジチオカルバミン酸エステルを経由する方法、Grignard試薬と硫黄を用いる方法、スルフィドのC−S結合を開裂させる方法、エピスルフィドを開環させる方法、カルボニル基を有する化合物を出発化合物として硫化水素を反応させる方法、アルケンに硫化水素またはチオ酢酸を付加させる方法等が挙げられる。
中でも、有機ハロゲン化合物またはアルコール類にチオ尿素を反応させて、イソチウロニウム塩を経由し、有機メルカプト化合物または有機スルフィド化合物を製造する方法は、その他の製造方法と比較して、収率が良く、副生物が少なく、操作性に優れ、得られた製品の品質が良い場合が多く、一般的に、最もよく用いられている製造方法の一つとなっている。
特許文献1には、有機(ポリ)ハロゲン化合物または(ポリ)アルコール化合物とチオ尿素とを反応させる際に、硫酸を加え、イソチウロニウム塩を経由して(ポリ)チオール化合物を製造する方法が開示されている。
特許文献2または3には、アルコール類と硫化水素を反応させメルカプト化合物を製造する方法が記載されており、特許文献2には触媒としてコバルト系担持触媒またはモリブデン系担持触媒を、特許文献3には触媒として水素化アルミニウムリチウムを添加することが開示されている。
特許文献4には、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンを、硫化水素を飽和させたエチルアルコールに加え、水硫化ナトリウムを加え、さらに硫化水素を飽和させた後、硫化水素をゆっくり流しながら還流下で反応させることで、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを製造する方法が開示されている。
特開2001−39944号公報 中国特許出願公開第104402783号公報 中国特許出願公開第105367466号公報 特開平6−25223号公報
上記文献に記載の技術は以下の点で改良の余地があった。
特許文献1のように、従来のチオ尿素をチア化剤として用いた場合、目的物が得られてもチオ尿素由来の含窒素不純物が副生し、その廃液処理工程が煩雑となり製造コストが増加する点で改善の余地があった。
また、特許文献2のように、硫化水素と重金属触媒を用いるメルカプト化合物の製造を行う場合、廃液処理等の工程が必要であるため製造工程が煩雑になり、さらに製造コストが増大する問題があった。特許文献3のように、水素化アルミニウムリチウムを用いる場合は、ハンドリングが難しく、安定的な製造が困難であった。
なお、アルコール化合物とチオ尿素を反応させる場合は酸性条件にする必要がある場合があるが、出発物質を有機ハロゲン化合物とすることで、反応が進行しやくなり、酸性条件をとくに必要とせず、常温、常圧に近いマイルドな条件で反応できるという点で有利である。すなわち、本発明の課題は、有機ハロゲン化合物から目的とするポリ(チオール)化合物を製造する方法において、上記の課題を改善し、効率的にかつ安価にポリ(チオール)化合物を製造することができる方法を提供するものである。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、塩基化合物の存在下で、有機ハロゲン化合物と硫化水素とを混合する際に、所定の条件を満たすことで、簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示すことができる。
[1] 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
−(X)n (1)
(一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Qは、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nは1以上5以下の整数を示す。)
−(SH)n (2)
(一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。)
[2] 前記工程は極性溶媒中で行われる、[1]に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[3] 前記極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドから選択される少なくとも一種である、[2]に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[4] 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒と、を含む混合液を調製する工程と、
前記混合液において、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素を反応させる工程とを含み、
前記混合液のpHが7.0を超えて14以下である、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
−(X)n (1)
(一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Qは、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
nは1以上5以下の整数を示す。)
−(SH)n (2)
(一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。)
[5] 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応温度が0℃以上200℃以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[6] 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応圧力が100kPa以上3000kPa以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[7] 前記有機ハロゲン化合物が、2−クロロエチルエチルスルフィド、2−クロロイソブチルエチルスルフィド、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリクロロ−3,7−ジチアノナン、4,8または4,7または5,7−ジクロロメチル−1,11−ジクロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,9,13−テトラクロロ−3,7,11−トリチアトリデカン、4または5−クロロメチル−1,8,12−トリクロロ−3,6,10−トリチアドデカン、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
[8] 前記塩基化合物が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、一般式(3)で表される化合物、アンモニア、アミン化合物、ピリジン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[7]のいずれか記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
M(XH)n (3)
(一般式(3)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。XはO,Sを示す。)
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法により(ポリ)チオール化合物を製造する工程と、
前記工程で得られた(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合し、重合性組成物を調製する工程と、
当該重合性組成物をモールド内で注入硬化させる工程と、
を含む成形体の製造方法。
本発明の製造方法によれば、簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得ることができる。
以下、本発明の(ポリ)チオール化合物の製造方法を、第1実施形態、第2実施形態により説明する。
[第1実施形態]
本実施形態の一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法は、一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む。
このような、所定のpKaを有する塩基化合物を用いるという簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得ることができる。
(有機ハロゲン化合物)
本実施形態において、有機ハロゲン化合物は下記一般式(1)で表される。
−(X)n (1)
一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Qは、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
C3以上C25以下のn価の脂肪族基は、例えば、n−プロパン、n−ブタン、sec−ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン等の脂肪族化合物から誘導されるn価の基である。
C3以上C25以下のn価の脂環族基は、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロペンタン、シクロデカン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環族化合物から誘導されるn価の基である。
置換されたC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されたC3以上C25以下のn価の脂環族基の置換基としては、メルカプト基以外に、ハロゲン原子、水酸基、C1以上C10以下のアルキル基、C1以上C10以下のアルコキシル基、C1以上C10以下のアルキルチオ基、C3以上C10以下の芳香族基、アミノ基、カルボニル基等が挙げられる。
nは1〜7の整数を示し、好ましくは1〜5の整数である。
nが2以上の整数の場合、式(1)のXは、Qの同一または異なる炭素原子と結合する。
本実施形態においては、一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物として、下記一般式(1a)で表される有機ハロゲン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2019178085
一般式(1a)中、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換されてもよいC1以上C18以下の脂肪族基、置換されてもよいC3以上C20以下の脂環族基、または置換されてもよいC6以上C20以下の芳香族有機基を示す。前記脂肪族基、前記脂環族基、および前記芳香族有機基は、硫黄原子、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。前記脂肪族基、前記脂環族基、および前記芳香族有機基が硫黄原子を含む場合、これらの基の置換基であるハロゲン原子に対してβ位に位置する炭素原子に、硫黄原子が結合していてもよい。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよい。
、R、Rとして好ましくは、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、
−(CRR)−X、
−(CRX)-CRR-S-(CRR)−X、
−CR(-(CRR)−X)(−S-(CRR)−X)、
−(CRX)-CRR-S-CRR-(CRX)-CRR-S-(CRR)−X
(nは1以上3以下の整数、Rは、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、C3以上C20以下の脂環族基、C6以上C20以下の芳香族有機基を示す。Rはハロゲン原子、水酸基、メルカプト基で置換されていてもよい。)が挙げられる。
およびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、−CH−S−(CH−X(nは1以上3以下の整数)、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、メルカプト基、置換されてもよいC1以上C20以下の脂肪族基、置換されてもよいC3以上C20以下の脂環族基、または置換されてもよいC6以上C20以下の芳香族有機基を示す。前記脂肪族基、前記脂環族基または前記芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含んでもよい。R4またはR5は、R、R、Rを構成するRと結合して環を形成することができる。
C1以上C20以下の脂肪族基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
C3以上C20以下の脂環族基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンタニル基、シクロデカニル基、2−ヒドロキシシクロヘキシル基、2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル基、2−アミノシクロヘキシル基、2,3−ジアミノシクロヘキシル基、2−メルカプトシクロヘキシル基等が挙げられる。
C6以上C20以下の芳香族有機基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
「置換されたC1以上C20以下の脂肪族基、置換されたC3以上C20以下の脂環族基、または置換されたC6以上C20以下の芳香族有機基」の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、C1以上C10以下のアルキル基、C1以上C10以下のアルコキシル基、C1以上C10以下のアルキルチオ基、アミノ基等が挙げられる。
およびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、−CH−S−(CH−X(nは1以上3以下の整数)、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、メルカプト基、置換されてもよいC1以上C20以下の脂肪族基、置換されてもよいC3以上C20以下の脂環族基、または置換されてもよいC6以上C20以下の芳香族有機基を示す。前記脂肪族基、前記脂環族基または前記芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含んでもよい。
「C1以上C20以下の脂肪族基、C3以上C20以下の脂環族基、C6以上C20以下の芳香族有機基」は上記の基と同義である。
置換されたC1以上C18以下の脂肪族基、置換されたC3以上C20以下の脂環族基、または置換されたC6以上C20以下の芳香族有機基の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、C1以上C10以下のアルキル基、C1以上C10以下のアルコキシル基、C1以上C10以下のアルキルチオ基、アミノ基等が挙げられる。
なお、RまたはRは、R、R、Rを構成するRと結合して環を形成することができ、R4、R5と結合して環を形成することができる。
一般式(1a)において、Xは一般式(1)と同義である。
一般式(1)の有機ハロゲン化合物としては、2−クロロエチルエチルスルフィド、2−クロロイソブチルエチルスルフィド、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、1−クロロ−4−クロロメチル−8−ヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1−クロロ−5−クロロメチル−8−ヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1,8−ジクロロ−4−ヒドロキシメチル−3,6−ジチアオクタン、4−クロロメチル−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6−ジチアオクタン、1−クロロ−8−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリクロロ−3,7−ジチアノナン、1,5−ジクロロ−9−ヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、1,9−ジクロロ−5−ヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、1−クロロ−5,9−ジヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、5−クロロ−1,9−ジヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、1,11−ジクロロ−4,8−ジクロロメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−4−クロロメチル−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−4,8−ジクロロメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−4,8−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−4−クロロメチル−11−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−8−クロロメチル−11−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジクロロメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−11−ヒドロキシ−4,8−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4−クロロメチル−1,11−ジヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,12−トリクロロ−9−クロロメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,5,12−トリクロロ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,8−ジクロロ−4−クロロメチル−12−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジクロロ−9−クロロメチル−12−ヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジクロロ−4−クロロメチル−8−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,8−ジクロロ−12−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジクロロ−12−ヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジクロロ−4−ヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−クロロ−4−クロロメチル−8,12−ジヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、5−クロロ−9−クロロメチル−1,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1−クロロ−9−クロロメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、4−クロロメチル−1,8,12−トリヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1−クロロ−5,12−ジヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、5−クロロ−1,12−ジヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−クロロ−8,12−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、1,5,9,13−テトラクロロ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,5,9−トリクロロ−13−ヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,5,13−トリクロロ−9−ヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、5,9−ジクロロ−1,13−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,9−ジクロロ−5,13−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,5−ジクロロ−9,13−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,13−ジクロロ−5,9−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、5−クロロ−1,9,13−トリヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1−クロロ−5,9,13−トリヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,11−ジクロロ−4,7−ジクロロメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−5−クロロメチル−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−4,7−ジクロロメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−4−クロロメチル−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−5,8−ジクロロメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−7−クロロメチル−11−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−4,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−5−クロロメチル−11−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−4−クロロメチル−11−ヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジクロロメチル−1,11−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−8−クロロメチル−11−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4−クロロメチル−1,11−ジヒドロキシメチル−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−11−ヒドロキシ−5,8−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、5−クロロメチル−1,11−ジヒドロキシメチル−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−11−ヒドロキシ−4,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,12−トリクロロ−8−クロロメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,8−ジクロロ−5−クロロメチル−12−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジクロロ−8−クロロメチル−12−ヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,5,12−トリクロロ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジクロロ−5−クロロメチル−8−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、5−クロロ−8−クロロメチル−1,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,8−ジクロロ−12−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、1−クロロ−5−クロロメチル−8,12−ジヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジクロロ−12−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−クロロ−8−クロロメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジクロロ−5−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−クロロ−5,12−ジヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−クロロ−8,12−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、5−クロロメチル−1,8,12−トリヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、5−クロロ−1,12−ジヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,11−ジクロロ−5,7−ジクロロメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−5,7−ジクロロメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−5−クロロメチル−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジクロロメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−7−クロロメチル−11−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−5−クロロメチル−11−ヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジクロロ−5,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−クロロ−12−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、5−クロロメチル−1,11−ジヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられ、少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態において、本発明の効果の観点から、有機ハロゲン化合物は、2−クロロエチルエチルスルフィド、2−クロロイソブチルエチルスルフィド、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリクロロ−3,7−ジチアノナン、4,8または4,7または5,7−ジクロロメチル−1,11−ジクロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,9,13−テトラクロロ−3,7,11−トリチアトリデカン、4または5−クロロメチル−1,8,12−トリクロロ−3,6,10−トリチアドデカン、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
(塩基化合物)
本実施形態においては、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で、前記有機ハロゲン化合物を、硫化水素と反応させる。
塩基化合物は、pKaが4以上13以下、好ましくは5以上12以下である。上記のような塩基化合物の存在下で、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素とを反応させることにより、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物を選択的に得ることができる。
なお、pKa値(酸解離指数)は、例えば、(a)The Journal of Physical Chemistry vol.68, number6, page1560(1964)記載の方法、(b)京都電子工業株式会社製の電位差自動滴定装置(AT-610(商品名))等を用いる方法等により測定することができ、また、(c)日本化学会編の化学便覧(改訂3版、昭和59年6月25日、丸善株式会社発行)に記載の酸解離指数等を利用することができる。
pKaが上記範囲にある塩基化合物としては、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、一般式(3)で表される化合物などの無機塩基、または下記一般式(4)で表されるアミン化合物、ピリジン類などの有機塩基等を用いることができる。以下、括弧内の数値はpKa値を示す。
金属炭酸塩および金属炭酸水素塩の金属としてはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、より好ましくはナトリウムである。
金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等があげられる。
金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム(7.7)、炭酸水素カルシウム等があげられる。
M(QH)n (3)
一般式(3)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属であり、より好ましくはナトリウムである。Qは、酸素原子または硫黄原子を表す。nは、Mで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す。
一般式(3)で表される化合物としては、水酸化ナトリウム(13.0)、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム(11.4)、水酸化カルシウム(12.7)、硫化水素ナトリウム、硫化水素カリウム、硫化水素マグネシウム、硫化水素カルシウム等が挙げられる。本実施形態においては、水酸化ナトリウム、硫化水素ナトリウムを用いることが好ましい。
Figure 2019178085
一般式(4)中、Q、QおよびQは、互いに同一または異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。
一般式(4)で表される化合物としては、アンモニア(9.25)、メチルアミン(10.64)、エチルアミン(10.63)、n−プロピルアミン(10.71)、イソプロピルアミン(10.63)、n−ブチルアミン(10.64)、s− ブチルアミン(12.3)、t−ブチルアミン(10.68)、ジメチルアミン(10.77)、ジエチルアミン(10.93)、エチルメチルアミン、アニリン(9.42)、N−メチルアニリン(9.16)、N−エチルアニリン(8.88)、トリメチルアミン(9.80)、トリエチルアミン(10.72)、ジn−プロピルアミン(11.05)、ジイソプロピルアミン(11.05)、ジn−ブチルアミン(11.25)、トリn−プロピルアミン(10.65)、トリイソプロピルアミン(11.86)、トリn−ブチルアミン(9.90)、トリn−ヘキシルアミン(11.0)、ヘプチルアミン(10.04)、ジヘプチルアミン、トリヘプチルアミン、オクチルアミン(10.6)、ジオクチルアミン(11.01)、トリオクチルアミン(8.35)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.44)、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、トリエチレンジアミン(11.00)、ジフェニルアミン(13.21)、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン(9.2)、N,N−ジエチルエタノールアミン(9.85)、トリエタノールアミン(7.8)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(10.72)、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン(10.02)、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン(9.25)、N,N−ジエチルアニリン(9.35)等が挙げられる。
上記ピリジン類とは、下記一般式(5)で表される化合物等を表す。
Figure 2019178085
一般式(5)中、RはC1以上C20以下の直鎖アルキル基、C3以上C20以下の分岐アルキル基、C3以上C20以下のシクロアルキル基、またはハロゲン原子を示し、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。Qは炭素原子または窒素原子を示す。mは0以上5以下の整数を示す。
ピリジン類としては、例えば、ピリジン(5.25)、α−ピコリン(5.95)、β−ピコリン(5.76)、γ−ピコリン(6.04)、2,6−ルチジン(6.90)、3,5−ルチジン(6.14)、2,4,6−トリメチルピリジン(7.48)等を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
塩基は水溶液、アルコール溶液、トルエン溶液等として用いることができ、溶液として用いる場合、塩基の濃度は適宜選択することができる。
本工程は、反応溶媒中で行うことができる。
反応溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族系溶媒類、または極性溶媒等を用いることができる。
極性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、水等のプロトン性極性溶媒、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの非プロトン性極性溶媒等を用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態においては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本実施形態においては、極性溶媒を用いることが好ましく、プロトン性極性溶媒を用いることがより好ましく、水を含む溶媒を用いることが特に好ましい。β位の炭素原子に硫黄原子が結合した構造を備える一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を極性溶媒中で反応させることで、目的とする(ポリ)チオール化合物を効率的にかつ高収率で得ることができる。
硫化水素/一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物のハロゲン基1つに対するモル比は、1以上500以下、好ましくは1.5以上300以下、さらに好ましくは2以上100以下である。上記範囲であることにより、(ポリ)チオール化合物を効率的に製造することができるができる。
硫化水素の添加方法としては、硫化水素溶液を滴下する方法、反応溶液に吹込み添加する方法、反応容器内に封入混合する方法などがあげられるが、収率と副反応を抑える観点から、反応溶液に吹込み添加する方法、反応容器内に封入混合する方法が好ましい。
塩基化合物/一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物のハロゲン基1つに対するモル比は、0.8以上10以下、好ましくは0.9以上5以下、さらに好ましくは1以上1.5以下である。上記範囲であることにより、(ポリ)チオール化合物を効率的に製造することができる。
硫化水素/塩基化合物のモル比は1以上500以下、好ましくは1.5以上300以下、さらに好ましくは2以上100以下である。上記範囲であることにより、(ポリ)チオール化合物を効率的に製造することができる。
反応温度は0℃以上200℃以下、好ましくは0℃以上100℃以下、さらに好ましくは10℃以上50℃以下である。上記範囲であれば、反応系内に未反応物が滞留することなくおだやかに反応が進行し、さらに副反応による副生成物の生成が抑制されるので、成形体の色相に優れる
反応時間は、特に限定されないが10分以上100時間以下である。
反応は、特に限定されないが大気圧下または加圧下で行うことができ、100kPa以上3000kPa以下の圧力下で行うことができる。大気圧下での反応では、加圧装置等特別な装置を必要としないの点からより好ましい。大気圧下での反応が可能なため、加圧装置を必要とせず、簡便な方法で本工程を実施できるため、工業上有利である。
また、加圧条件とする場合は、120kPa以上が好ましく、300kPa以上が更に好ましく、500kPa以上が特に好ましい。加圧反応には、通常使われるオートクレーブ等を使用することができる。
本工程は、具体的には以下のように化合物を添加して行うことができる。
(a)上記一般式(1)で表される化合物、溶媒および塩基化合物を一括装入後、反応液中に硫化水素を添加
(b)上記一般式(1)で表される化合物および溶媒を装入後、塩基化合物を滴下装入または一括装入と同時に反応液中に硫化水素を添加
(c)溶媒および塩基化合物を装入後、上記一般式(1)で表される化合物を滴下装入または一括装入と同時に反応液中に硫化水素を添加
(d)上記一般式(1)で表される化合物および溶媒に硫化水素を添加後、塩基化合物を滴下装入または一括装入
(e)溶媒および塩基化合物に硫化水素を添加後、上記一般式(1)で表される化合物を滴下装入または一括装入
本工程により、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物が得られる。
さらに、必要に応じて、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物を得た後、公知の精製工程を行うこともできる。
−(SH) (2)
一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。
を構成する基は、一般式(1)のQにおいて示される基と同義であるが、−SH基が結合する炭素原子は、一般式(1)のXが結合する炭素原子と同一でも異なっていてもよい。
本実施形態においては、一般式(2)で表される有機メルカプト化合物として、下記一般式(2a)で表される有機メルカプト化合物が好ましい。
Figure 2019178085
一般式(2a)中、R、R5、、Rは一般式(1)と同義である。
、R、R10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、
−(CRR)−SH、
−(CRSH)-CRR-S-(CRR)−SH、
−CR(-(CRR)−SH)(−S-(CRR)−SH)、
−(CRSH)-CRR-S-CRR-(CRSH)-CRR-S-(CRR)−SH
(nは1以上3以下の整数、Rは、ハロゲン原子、水素原子、C1以上C10以下の脂肪族アルキル基、C3以上C20以下の脂環族基、C6以上C20以下の芳香族有機基を示す)
を示す。
「C1以上C20以下の脂肪族基、C3以上C20以下の脂環族基、C6以上C20以下の芳香族有機基」、さらにこれらの基の置換基は、一般式(1a)と同義である。
なお、RまたはRは、R、R、R10を構成するRと結合して環を形成することもできる。RまたはRは、R、R、R10を構成するRと結合して環を形成することができ、R4、R5と結合して環を形成することもできる。
一般式(2)の化合物としては、2−メルカプトエチルエチルスルフィド、2−メルカプトイソブチルエチルスルフィド、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、1−メルカプト−4−メルカプトメチル−8−ヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1−メルカプト−5−メルカプトメチル−8−ヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1,8−ジメルカプト−4−ヒドロキシメチル−3,6−ジチアオクタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1−メルカプト−8−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6−ジチアオクタン、1−メルカプト−8−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリメルカプト−3,7−ジチアノナン、1,5−ジメルカプト−9−ヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、1,9−ジメルカプト−5−ヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、1−メルカプト−5,9−ジヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、5−メルカプト−1,9−ジヒドロキシ−3,7−ジチアノナン、1,11−ジメルカプト−4,8−ジメルカプトメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−4−メルカプトメチル−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−4,8−ジメルカプトメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−4,8−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−4−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−8−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−11−ヒドロキシ−4,8−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4−メルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,12−トリメルカプト−9−メルカプトメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,5,12−トリメルカプト−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,8−ジメルカプト−4−メルカプトメチル−12−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジメルカプト−9−メルカプトメチル−12−ヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジメルカプト−4−メルカプトメチル−8−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,8−ジメルカプト−12−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジメルカプト−12−ヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジメルカプト−4−ヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−4−メルカプトメチル−8,12−ジヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、5−メルカプト−9−メルカプトメチル−1,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−9−メルカプトメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、4−メルカプトメチル−1,8,12−トリヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−5,12−ジヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、5−メルカプト−1,12−ジヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−8,12−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、1,5,9,13−テトラメルカプト−3,7,11−トリチアトリデカン、1,5,9−トリメルカプト−13−ヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,5,13−トリメルカプト−9−ヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、5,9−ジメルカプト−1,13−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,9−ジメルカプト−5,13−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,5−ジメルカプト−9,13−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,13−ジメルカプト−5,9−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、5−メルカプト−1,9,13−トリヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1−メルカプト−5,9,13−トリヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン、1,11−ジメルカプト−4,7−ジメルカプトメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−5−メルカプトメチル−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−4,7−ジメルカプトメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−4−メルカプトメチル−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−5,8−ジメルカプトメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−7−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−4,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−5−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−4−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−8−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、4−メルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシメチル−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−11−ヒドロキシ−5,8−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、5−メルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシメチル−8−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−11−ヒドロキシ−4,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,12−トリメルカプト−8−メルカプトメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,8−ジメルカプト−5−メルカプトメチル−12−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジメルカプト−8−メルカプトメチル−12−ヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,5,12−トリメルカプト−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジメルカプト−5−メルカプトメチル−8−ヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、5−メルカプト−8−メルカプトメチル−1,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,8−ジメルカプト−12−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−5−メルカプトメチル−8,12−ジヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、1,5−ジメルカプト−12−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−8−メルカプトメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10−トリチアドデカン、1,12−ジメルカプト−5−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−5,12−ジヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1−メルカプト−8,12−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,10−トリチアドデカン、5−メルカプトメチル−1,8,12−トリヒドロキシ−3,6,10−トリチアドデカン、5−メルカプト−1,12−ジヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−3,7,10−トリチアドデカン、1,11−ジメルカプト−5,7−ジメルカプトメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−5,7−ジメルカプトメチル−11−ヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−5−メルカプトメチル−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−7−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−5−メルカプトメチル−11−ヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ジメルカプト−5,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、1−メルカプト−12−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、5−メルカプトメチル−1,11−ジヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられる。
一般式(2a)の化合物としては、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリメルカプト−3,7−ジチアノナン、4,8または4,7または5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,9,13−テトラメルカプト−3,7,11−トリチアトリデカン、4または5−メルカプトメチル−1,8,12−トリメルカプト−3,6,10−トリチアドデカン等が好ましい。
[第2実施形態]
本実施形態の一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程a:一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒とを混合して、pHが7.0を超えて14以下の混合液を調製する。
工程b:前記混合液において、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素とを反応させる。
このような、所定のpHにおいて有機ハロゲン化合物と硫化水素とを反応させるという簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得ることができる。
以下、第1実施形態と同様な構成及び反応条件は適宜説明を省略する。
(工程a)
本工程においては、有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒とを混合して、混合液を調製する。混合液のpHは、7.0を超えて14以下、好ましくはpH7.1以上pH14.0以下、さらに好ましくはpH7.1以上pH13.0以下、特に好ましくはpH7.5以上pH10.0以下とすることができる。次工程において、上記範囲のpHで反応させることで、副生成物の生成を抑制でき、高収率で(ポリ)チオール化合物を得ることができる。
なお、有機ハロゲン化合物および塩基化合物は、第1実施形態に記載の化合物を用いることができる。pH(25℃)は通常用いられるpH測定装置を用いて測定される。
塩基化合物は、第1実施形態に記載の化合物を挙げることができ、反応液が上記のpHとなるように用いられる。工程aにおける混合方法や混合順序は特に限定されず、通常の攪拌装置を用いて任意の順序で混合することができる。混合工程は、室温下で行うことができ、加熱下で行ってもよい。
また、混合液のpHに影響を与えない範囲で、水とともに有機溶媒を含むことができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族系溶媒類等を挙げることができる。
(工程b)
次いで、工程aで得られた混合液に硫化水素を吹き込み、上記のpHにおいて前記塩基化合物の存在下で前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素とを反応させる。
上記範囲のpHにおいて、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素と反応させることで、副生成物の生成を抑制でき、高収率で(ポリ)チオール化合物を得ることができる。
本工程における反応条件等は、第1実施形態と同一である。
本工程により、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物が得られる。
本実施形態で得られた(ポリ)チオール化合物は、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ用モノマー、発光ダイオード等の光学材料用原料、ポリチオウレタン樹脂用原料、エポキシ硬化剤、塗料硬化剤、合成樹脂の加硫剤等の多種多様な用途で用いることができる。
本実施形態においては、(ポリ)チオール化合物の製造方法を含む、成形体の製造方法を以下に説明する。
[成形体の製造方法]
本実施形態の成形体の製造方法は以下の工程を含む。
工程1:上述の製造方法により(ポリ)チオール化合物を製造する。
工程2:前記(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合し、重合性組成物を調製する。
工程3:前記重合性組成物をモールド内で注入硬化させる。
本実施形態の成形体の製造方法は、本実施形態の(ポリ)チオール化合物の製造方法を含むことから、効率的かつ安価に、チオウレタン樹脂からなる成形体を高収率で得ることができる。
なお、工程1は本実施形態の(ポリ)チオール化合物の製造方法であることから説明を省略する。
(工程2)
本工程おいては、上述の製造方法により得られた(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合して重合性組成物を調製する。
イソ(チオ)シアネート化合物としては、例えば、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'− ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物;等を挙げることができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化またはトリマー化反応生成物等も使用できる。
イソチオシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアネートメチルエステル、リジントリイソチオシアネート、m−キシリレンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)ジスルフィド等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物;
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
トリレンジイソチオシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソチオシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5−イソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物;等を挙げることができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化またはトリマー化反応生成物等も使用できる。
本実施形態の重合性組成物は、ポリオール化合物、一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物以外のポリチオール化合物等の二官能以上の活性水素化合物を含むことができる。重合性組成物において、ポリオール化合物およびポリチオール化合物中のOH基とSH基の総和モルに対する、ポリ(チオ)イソシアネート化合物中のNCO基およびNCS基の合計モルの比((NCO基+NCS基)/(OH基+SH基))は、通常0.8〜1.2の範囲内であり、好ましくは0.85〜1.15の範囲内であり、さらに好ましくは0.9〜1.1の範囲内である。
本実施形態の重合性組成物は、その他の添加剤を含むことができる。
その他の添加剤としては、例えば、内部離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、油溶染料、調光色素、特定波長カット色素、ブルーイング剤、鎖延長剤、架橋剤、充填剤などが挙げられる。
重合性組成物は、上記の化合物を混合し、通常は0.1〜100Torr程度の減圧下で0.1〜5時間程度脱気し、通常は0.1〜10μm程度のフィルターにより濾過することで得ることができる。
(工程3)
本工程においては、工程2で得られた重合性組成物をモールド内で注入硬化させる。
具体的には、まず、ガスケットまたはテープ等で保持されたモールド内に重合性組成物を注入する。この時、得られる成形体に要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。
重合条件については、重合性組成物、触媒の種類と使用量、モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定されるものではないが、およそ、−50〜150℃の温度で1〜50時間かけて行われる。5〜150℃の温度範囲で保持または徐々に昇温して、硬化させることが好ましいが、適宜設定が可能である。
硬化後、モールドから成形体を取り出す。本実施形態の成形体は、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。処理温度は通常50〜150℃の間で行われるが、好ましくは90〜140℃で行うことであり、より好ましくは100〜130℃で行うことである。
本実施形態の重合性組成物は、注型重合時のモールドを変えることにより種々の形状の成形体として得ることができる。本実施形態の成形体は、所望の形状とし、必要に応じて形成されるコート層や他の部材等を備えることにより、様々な形状の光学材料とすることができる。
本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料は、高い屈折率及び高い透明性を備え、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダイオード等の光学用成形体として使用することが可能である。特に、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、発光ダイオード等の光学材料として好適である。
本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料は、必要に応じて、片面又は両面にコーティング層を施して用いてもよい。コーティング層としては、ハードコート層、反射防止膜層、防曇コート膜層、防汚染層、撥水層、プライマー層、フォトクロミック層等が挙げられる。これらのコーティング層はそれぞれ単独で用いることも複数のコーティング層を多層化して使用することもできる。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても、異なるコーティング層を施してもよい。
本実施形態の光学材料を眼鏡レンズに適用する場合、本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料(レンズ)の少なくとも一方の面上に形成されたハードコート層および/または反射防止コート層と、を備えることができる。さらに、上記の他の層を備えることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下に、第1実施例、第2実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下説明中、特に言及が無い限り「部」、「%」は重量基準である。
[第1実施例]
以下の分析方法により生成物を測定した。
[分析方法1:HPLC]
・HPLC機種:島津製作所社製LC−20AD
・測定波長:230nm
・流量:1mL/min
・カラム:Mightysil RP−18 GP 150−6(5μm)
・温度条件:40℃
・移動相:アセトニトリル/水/KH2PO4=400/600/0.54(vol/vol/g)
・注入量:2μL
・試料調製:反応液0.15gをアセトニトリル/水=1/1(g/g)に溶解
反応により得られたチオール化合物のピーク面積比(area%)は以下の式で算出した。
式:{[チオール化合物のピーク面積]/[全ピーク面積の和]}×100
なお、2−エチルチオエチルチオール、2−イソブチルチオエチルチオール、2−クロロエチルエチルスルフィドおよび2−クロロイソブチルチオエチルスルフィドの保持時間は以下のとおりであった。
2−エチルチオエチルチオール:7.2−7.3min
2−イソブチルチオエチルチオール:14.6−14.8min
2−クロロエチルエチルスルフィド:7.7−7.8min
2−クロロイソブチルチオエチルスルフィド:15.8−16.0min
[分析方法2:GCMS]
・GCMS機種:GCMS−QP2010
・カラム:DB−5MS
・カラムオーブン温度:100℃
・気化室温度:250℃
・注入量:1μL
・試料調製:反応液0.1gをジクロロメタン2mLに溶解
本実施例においては、以下の化合物を用いた。
化合物A:2−クロロエチルエチルスルフィド
化合物B:2−クロロエチルイソブチルスルフィド
化合物C:1−クロロヘキサン
[実施例a1]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウム(pKa:7.7)を0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを95area%、副生物としては、合計5area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。下記NMRデータから2−エチルチオエチルチオールの生成を確認した。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:1.27(t,3H)、2.53−2.62(m,2H)、2.71−2.78(m,4H)、5.31(s,1H)
[実施例a2]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミン(pKa:10.7)を0.97重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで1時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを86area%、副生物としては、合計12area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
[実施例a3]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、ピリジン(pKa:5.4)を0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを94area%、副生物としては、合計2area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
[実施例a4]
25mLの2口フラスコに、蒸留水14.5mL、25%アンモニア水(pKa:9.3)を0.66重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを62area%、副生物としては、合計37area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
[実施例a5]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、水酸化ナトリウム(pKa:13)を0.39重量部装入し、30min撹拌し、水酸化ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを58area%、副生物としては、合計40area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
[実施例a6]
25mLの2口フラスコに、蒸留水13.5mL、メタノール1.5mL、ピリジン(pKa:5.4)を0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで1時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを91area%、副生物としては、合計7area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−1に示す。
[実施例a7]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウム(pKa:7.7)を0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Bを1.22重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで3時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを73area%含有していた。測定結果を表−1に示す。
[比較例a1]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミン(pKa:10.7)を1.01重量部装入し、1min撹拌した。化合物Cを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法2にて測定した結果、目的物であるチオールを0area%含有していた。測定結果を表−1に示す。
[比較例a2]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、化合物Aを1.0重量部装入し、液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを1area%含有していた。測定結果を表−1に示す。
Figure 2019178085
[第2実施例]
第1実施例に記載の化合物A〜Cを用い、同様の分析方法により生成物を測定した。
[実施例b1]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウムを0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ7.9であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを95area%、副生物としては、合計5area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
[実施例b2]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミンを0.97重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ12.5であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで1時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを86area%、副生物としては、合計12area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
[実施例b3]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、ピリジンを0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ9.6であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを94area%、副生物としては、合計2area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
[実施例b4]
25mLの2口フラスコに、蒸留水14.5mL、25%アンモニア水を0.66重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ11.8であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを62area%、副生物としては、合計37area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
[実施例b5]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、水酸化ナトリウムを0.39重量部装入し、30min撹拌し、水酸化ナトリウムを溶解させた。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ13.2であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを58area%、副生物としては、合計40area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
[実施例b6]
25mLの2口フラスコに、蒸留水13.5mL、メタノール1.5mL、ピリジンを0.76重量部装入し、1min撹拌した。化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ9.4であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで2時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを94area%、副生物としては、合計2area%を含有しており、副生物の主成分としては2−エチルチオエタノールおよびビス(2−エチルチオエチル)スルフィドを含有していた。測定結果を表−2に示す。
[実施例b7]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、炭酸水素ナトリウムを0.81重量部装入し、10min撹拌し、炭酸水素ナトリウムを溶解させた。化合物Bを1.22重量部装入し、pHを測定したところ7.9であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで3時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを73area%含有していた。測定結果を表−2に示す。
[比較例b1]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、トリエチルアミンを1.01重量部装入し、1min撹拌した。化合物Cを1.0重量部装入し、pHを測定したところ12.5であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法2にて測定した結果、目的物であるチオールを0area%含有していた。測定結果を表−2に示す。
[比較例b2]
25mLの2口フラスコに、蒸留水15mL、化合物Aを1.0重量部装入し、pHを測定したところ7であった。液相部に硫化水素ガスを0.15g/minで0.5時間吹き込みながら内温20℃で撹拌した。液相部に窒素ガスを1時間吹込み、硫化水素ガスを追い出した。得られた反応液を上記分析方法1にて測定した結果、目的物であるチオールを1area%含有していた。測定結果を表−2に示す。
Figure 2019178085
以上のように、本発明の(ポリ)チオール化合物の製造方法によれば、簡便な方法により、効率的かつ安価に目的とする(ポリ)チオール化合物を高収率で得られることが明らかである。さらに、本発明の(ポリ)チオール化合物の製造方法を含む成形体の製造方法によれば、チオウレタン樹脂からなる成形体を効率的かつ安価に、高収率で得ることができることも推察された。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物を、pKaが4以上13以下である1種または2種以上の塩基化合物の存在下で硫化水素と反応させる工程を含む、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
    −(X)n (1)
    (一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Qは、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
    前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
    nは1以上7以下の整数を示す。)
    −(SH)n (2)
    (一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
    は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。)
  2. 前記工程は極性溶媒中で行われる、請求項1に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
  3. 前記極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドから選択される少なくとも一種である、請求項2に記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
  4. 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、1種または2種以上の塩基化合物と、少なくとも水を含む溶媒と、を含む混合液を調製する工程と、
    前記混合液において、前記有機ハロゲン化合物と硫化水素を反応させる工程とを含み、
    前記混合液のpHが7.0を超えて14以下である、下記一般式(2)で表される(ポリ)チオール化合物の製造方法。
    −(X)n (1)
    (一般式(1)中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、Qは、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含み、または少なくとも1つのメルカプト基で置換される。前記脂肪族基および前記脂環族基は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。
    前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのスルフィド結合を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子に硫黄原子が結合し、前記脂肪族基および前記脂環族基が少なくとも1つのメルカプト基を含む場合、式(1)において示されるXに対してβ位の炭素原子にメルカプト基が結合する。なお、β位の炭素原子以外の炭素原子に硫黄原子が結合していてもよく、メルカプト基が結合していてもよい。
    nは1以上5以下の整数を示す。)
    −(SH)n (2)
    (一般式(2)中、nは一般式(1)と同義である。
    は、置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂肪族基、または置換されてもよいC3以上C25以下のn価の脂環族基を示す。前記脂肪族基および前記脂環族基は、少なくとも1つのスルフィド結合を含むか、少なくとも1つのメルカプト基で置換されており、酸素原子または窒素原子を含んでもよい。当該スルフィド結合を構成する硫黄原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合しているか、またはメルカプト基が結合している炭素原子のβ位に位置する少なくとも1つの炭素原子に、式(2)において示されるメルカプト基が結合している。)
  5. 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応温度が0℃以上200℃以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
  6. 前記有機ハロゲン化合物と前記硫化水素との反応圧力が100kPa以上3000kPa以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
  7. 前記有機ハロゲン化合物が、2−クロロエチルエチルスルフィド、2−クロロイソブチルエチルスルフィド、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、1,5,9−トリクロロ−3,7−ジチアノナン、4,8または4,7または5,7−ジクロロメチル−1,11−ジクロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、1,5,9,13−テトラクロロ−3,7,11−トリチアトリデカン、4または5−クロロメチル−1,8,12−トリクロロ−3,6,10−トリチアドデカン、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
  8. 前記塩基化合物が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、一般式(3)で表される化合物、アンモニア、アミン化合物、ピリジン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか記載の(ポリ)チオール化合物の製造方法。
    M(XH)n (3)
    (一般式(3)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。XはO,Sを示す。)
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により(ポリ)チオール化合物を製造する工程と、
    前記工程で得られた(ポリ)チオール化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物とを混合し、重合性組成物を調製する工程と、
    当該重合性組成物をモールド内で注入硬化させる工程と、
    を含む成形体の製造方法。
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