JP3221141B2 - 環状スルフィド化合物、それを用いて得られる光学用樹脂及び光学製品 - Google Patents

環状スルフィド化合物、それを用いて得られる光学用樹脂及び光学製品

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JP3221141B2 JP05765193A JP5765193A JP3221141B2 JP 3221141 B2 JP3221141 B2 JP 3221141B2 JP 05765193 A JP05765193 A JP 05765193A JP 5765193 A JP5765193 A JP 5765193A JP 3221141 B2 JP3221141 B2 JP 3221141B2
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  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な環状スルフィド化
合物、および該化合物を用いて得られるレンズその他の
光学用途に適した重合性組成物および光学製品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズはガラスレンズと比
較して軽い、割れ難い、成型加工しやすい、染色しやす
い等の様々な利点を持ち、これらの特徴が評価されて近
年光学用材料として重要な位置を占めるようになった。
【0003】従来より眼鏡用レンズ、プリズムあるいは
光ファイバー等の光学用途向けの樹脂としてポリメチル
メタクリレート、ポリカーボネート、ポリジエチレング
リコールビスアリルカーボネート等が一般に用いられて
おり、特に眼鏡用レンズ材料としてはポリジエチレング
リコールビスアリルカーボネートが透明性、加工性、表
面硬度等に優れているため最も多く用いられている。
【0004】しかしながらこの樹脂は屈折率が1.50
と低いため、強度の視力矯正用レンズとした場合レンズ
が厚くしかも重くなって軽いというプラスチックの利点
が失われ、また美的外観を著しく損われることが問題で
あった。そこで、これらの欠点を改良するためにより屈
折率の高いレンズ用材料がいくつか公開されている。特
に硫黄原子を含む化合物は屈折率が1.60以上の例が
多い(例えば特開昭59−87126号,特開昭60−
199016号,特開昭60−217229号,特開昭
63−150324号,特開昭63−199210号,
特開平1−163701号,特開平1−242612
号,特開平2−270859号各公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、プラスチックレ
ンズの市場は屈折率の値によって1.50の低屈折率、
1.55〜1.56の中屈折率、1.60〜1.62の
高屈折率、1.65以上の超高屈折率とほぼ0.05き
ざみで開発が行なわれ、商品化されてきた経緯があり、
これらの中間的な屈折率を示すレンズ材料はあまり望ま
れていない。本発明の新規な環状スルフィド化合物を用
いて得られる光学用樹脂および光学製品は高屈折率また
は超高屈折率に分類されるものである。ここで、高屈折
率化の際に特に問題となるのは光分散の指標であるアッ
ベ数である。一般にプラスチックレンズは屈折率が高く
なるにつれてアッベ数が低くなる傾向があり、光分散が
大きくなってレンズの縁に虹が生じ易くなり、目の疲労
度が大きくなるという欠点を有している。したがって、
実用的なレンズ材料を開発する場合には屈折率とアッベ
数のバランスが重要であり、高屈折率かつアッベ数も十
分に高いレンズ材料が求められている。また、屈折率や
アッベ数以外にもプラスチックレンズに求められる重要
な物性は多く、例えばより軽くするために低比重である
こと、染色や研磨時の熱により変形することのないよう
に耐熱性に優れていること、割れにくくより安全性を高
めるために耐衝撃性に優れていること、紫外線等により
変色することのないように耐光性に優れいてること等が
あり、これらを含めた物性のバランスが重要である。し
かしながら、上記の文献を含め、これまでに提案されて
いるレンズ材料では1.60以上に高屈折率化した場合
にアッベ数の低下、比重の増加および耐熱性、耐衝撃
性、耐光性、染色性の悪化が起こり易いという問題があ
った。本発明の新規な環状スルフィド化合物は上記の化
合物と同様に超高屈折率に類する屈折率と高いアッベ数
を示すため該化合物を芳香族ポリイソシアネートと付加
重合させることにより優れた耐熱性、耐衝撃性および耐
光性を有する超高屈折率のレンズ材料を提供することが
でき、また、脂環族ポリイソシアネートと付加重合させ
るだけで高屈折率かつより高いアッベ数とより高い耐熱
性、優れた耐衝撃性および耐光性を示し、さらに1.3
0以下とより低比重のレンズ材料を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、下記の一般式(I)で表わされる環状スルフィ
ド化合物は高屈折率かつ高アッベ数であり、該化合物を
主成分とする重合性組成物は成形性および作業性に優
れ、該重合性組成物より得られる光学製品は超高屈折率
かつ高アッベ数もしくは高屈折率かつ高アッベ数かつ低
比重であり、しかも光学的均一性、加工性、耐熱性、耐
衝撃性および耐光性に優れ、そして特に眼鏡用プラスチ
ックレンズとして極めて好適であることを見出し、本発
明に到達した。
【0007】
【化4】
【0008】本発明はすなわち上記の一般式(I)で表
わされる新規な環状スルフィド化合物(A)(以下化合
物(A)という)、および化合物(A)と下記一般式
(II)で表わされる化合物(B)(以下化合物(B)と
いう)よりなる重合性組成物、ならびに化合物(A)、
化合物(B)と下記一般式(III) で表される化合物(た
だし、化合物(A)を除く)(C)(以下化合物(C)
という)よりなる重合性組成物、さらに該重合性組成物
を共重合してなることを特徴とする光学製品である。な
お本明細書全体を通じてイソ(チオ)シアナト基とはイ
ソシアナト基およびイソチオシアナト基を、(メタ)ア
クリロイル基とはアクリロイル基およびメタクリロイル
基を、またイソ(チオ)シアネートとはイソシアネート
およびイソチオイアネートを、(メタ)アクリレートは
アクリレートおよびメタクリレートを意味する。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】化合物(A)の代表例としては2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,
6−ビス(メルカプトメチル)テトラヒドロチオピラ
ン、3,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−オキ
サチアン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,3
−オキサチオラン、2,4−ビス(メルカプトメチル)
−1,3−ジチオラン、2,6−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ジチアンが挙げられる。
【0012】化合物(A)は例えば下記の反応式(1)
または反応式(2)に従って式中に示した一般式(I
V)、(V)、(VI)、(VII) 、(VIII)で表わされる化
合物(以下各々化合物(IV)、(V)、(VI)、(VII)
、(VIII)という)を経由して合成される。
【0013】反応式(1)
【化7】
【0014】反応式(2)
【化8】
【0015】以下反応について詳しく述べる。反応
(A)は化合物(IV) に二塩化硫黄を作用させて化合物
(V)を作る反応であり、用いられる化合物(IV) とし
ては1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、ジ
アリルエーテル、ジアリルスルフィドが挙げられる。本
反応に用いられる溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン等の炭化水素類、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
酢酸エチル等のエステル類が好ましく、また二塩化硫黄
の使用量は化合物(IV)の1モルに対し0.5〜1.5
モル、好ましくは0.7〜1.2モルである。本反応の
反応温度は好ましくは−30〜50℃、より好ましくは
−20〜30℃であり、−30℃未満では反応は極めて
遅く、また50℃を超えると副生成物が著しく増加す
る。本反応は通常5〜50時間で終了する。
【0016】反応(B)は化合物(V)とチオ尿素を反
応させてイソチウロニウム塩である化合物(VI)を作る
反応である。本反応の溶媒としてはメタノール、エタノ
ール等のアルコール類、水または両者の混合溶媒が好ま
しく、通常は還流下に加熱する。チオ尿素の使用量は化
合物(V)1モルに対して2モル以上、好ましくは2.
0〜2.4モルである。反応は通常1〜20時間で終了
する。
【0017】反応(C)は化合物(VI)をアルカリで加
水分解して化合物(A)を得るものである。反応溶媒と
してはメタノール、エタノール等のアルコール類、水ま
たは両者の混合溶媒が好ましい。本反応に用いるアルカ
リの金属元素としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属
が好ましく、アルカリの例としてはこれら金属の水酸化
物(水酸化ナトリウム等)、酸化物(酸化カルシウム
等)、水素化物(水素化ナトリウム等)、およびアルコ
キシド(ナトリウムメトキシド等)が好ましい。特に水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムは反応性も高く安価で
あるので好ましい。アルカリの使用量は化合物(VI)1
モルに対して2モル以上、好ましくは2.0〜2.4モ
ルである。反応温度は好ましくは50〜100℃であ
り、通常1〜20時間で反応は完結する。反応終了後は
酸を加えて中和し、化合物(A)を遊離させる。用いる
酸としては塩酸、硫酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸等の有機カ
ルボン酸が好ましく、その使用量は反応液のpHが4〜
8、好ましくは5〜7を示すまで加えればよい。
【0018】反応(D)はハロゲノアセトアルデヒドジ
アルキルアセタールとチオカルボン酸塩とを反応させて
化合物(VII) を得るものである。ハロゲノアセトアルデ
ヒドジアルキルアセタールの例としてはクロロアセトア
ルデヒドジメチルアセタール、ブロモアセトアルデヒド
ジエチルアセタール等が挙げられる。またチオカルボン
酸塩の例としてはチオ酢酸カリウム、チオ安息香酸ナト
リウム等が挙げられ、その使用量はハロゲノアセトアル
デヒドジアルキルアセタール1モルに対し1.0モル以
上、好ましくは1.0〜2.0モルである。本反応の溶
媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール類、
水、ジメチルホルムアミド等のアミド類が好ましい。反
応温度は40〜100℃が好ましく、100℃を超える
と副反応が顕著になり好ましくない。反応は通常1〜2
0時間で終了する。
【0019】反応(E)は化合物(VII) にプロパンジチ
オール誘導体を作用させて化合物(VIII)を得るものであ
る。ここに用いるプロパンジチオール誘導体は2,3−
ジメルカプト−1−プロパノール、1,2,3−トリメ
ルカプトプロパンであり、その使用量は化合物(VII) 1
モルに対し1.0モル以上、好ましくは1.0〜2.0
モルである。本反応はそのままでは反応が極めて遅いた
め酸触媒を加えるのが好ましい。用いる酸触媒としては
三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸、塩
酸、硫酸等の鉱酸が好ましく、その使用量は化合物
(V)1モルに対し1.0モル以下、好ましくは0.0
5〜0.5モルが好ましい。本反応の溶媒としてはヘキ
サン、トルエン等の炭化水素類もしくはジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類
が好ましい。反応は通常0.5〜30時間で終了する。
【0020】反応(F)は化合物(VIII)をアルカリで加
水分解し化合物(A)を得るものであり、各種条件は反
応(C)と同様である。ただし本反応は反応(C)より
反応速度が大きいので、反応温度としては0〜70℃が
好ましく、反応時間も0.5〜5時間で十分である。
【0021】なお反応(C)および(F)で化合物
(A)を塩基性条件下で扱っている段階では酸化による
ジスルフィドの生成を抑さえるため窒素、アルゴン等の
不活性ガス気流下に反応を行なうのが好ましい。上記の
ようにして得た化合物(A)は溶媒抽出、クロマトグラ
フイ、蒸留等の通常の精製手段を使って高純度に単離す
ることができる。
【0022】本発明の光学用樹脂の他の成分である化合
物(B)は化合物(A)のメルカプト基と反応する重合
性官能基、すなわちイソ(チオ)シアナト基、(メタ)
アクリロイル基、ビニル基から選ばれた官能基の少なく
とも1種を分子内に合計2個以上有する化合物である。
これらは単独で用いても良く、混合して用いても良い
が、プラスチックレンズの市場に合わせて成形物の屈折
率が1.60〜1.62の高屈折率あるいは1.65以
上の超高屈折率が得られる化合物であることが好まし
い。一般に化合物(B)が芳香環を有する場合には芳香
環による高屈折率化と密度の上昇により1.65以上の
超高屈折率を示す成形物を得ることができ、また、化合
物(B)として脂肪族または脂環族系の化合物を用いた
場合には1.60〜1.62の高屈折率を示す成形物を
得ることができる。本発明の化合物の大きな特徴の1つ
は化合物(B)の種類を変えるだけでプラスチックレン
ズに求められている1.60〜1.62の高屈折率ある
いは1.65以上の超高屈折率に容易に対応することが
できる点にある。これは従来の化合物では屈折率を調節
するために加えた成分により例えば耐熱性の低下が避け
られなかったことを考えると極めて有利な点である。
【0023】本発明の光学用樹脂において化合物(A)
および化合物(B)と共に使用することができる他の成
分である化合物(C)は分子内にメルカプト基かつ/ま
たはヒドロキシル基を合計2個以上有する化合物である
が、このうちヒドロキシル基は(メタ)アクリロイル基
およびビニル基と反応しないので化合物(B)の重合性
官能基が(メタ)アクリロイル基またはビニル基のみで
ある場合には化合物(C)としてヒドロキシル基を有す
る化合物を用いることはできない。
【0024】以下化合物(B)として好ましい具体例を
挙げると、分子内に2個以上のイソ(チオ)シアナト基
を有する化合物としては1,6−ヘキサメチレンジイソ
(チオ)シアネート、2,2,4−または2,4,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソ(チオ)シアネート、
m−フェニレンジイソ(チオ)シアネート、2,4−ま
たは2,6−トルイレンジイソ(チオ)シアネート、m
−キシリレンジイソ(チオ)シアネート,α,α’−ジ
メチルキシリレンジイソ(チオ)シアネート、α,α,
α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソ(チオ)シ
アネート,4,4’−ジフェニルメタンジイソ(チオ)
シアネート、4,4’−ジイソ(チオ)シアナト−3,
3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジイソ(チオ)
シアナト−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、ナフ
チレン−1,5−ジイソ(チオ)シアネート、1,3,
5−ベンゼントリイソ(チオ)シアネート、4,4’,
4”−トリイソ(チオ)シアナトトリフェニルメタン、
イソホロンジイソ(チオ)シアネート、1,3−ビス
(イソ(チオ)シアナトメチル)シクロヘキサン、1,
3,5−トリ(イソ(チオ)シアナトメチル)シクロヘ
キサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ(チ
オ)シアネート、2,5−ビス(イソ(チオ)シアナト
メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ビ
ス(イソ(チオ)シアナトメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6 ]デカン等がある。
【0025】分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル
基またはビニル基を有する化合物の例としてはエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、1,3−または1,4−シ
クロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4
−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレー
ト、p−キシリレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、ジビ
ニルベンゼン、o−ビス(ビニルスルホニルメチル)ベ
ンゼン等が挙げられる。
【0026】分子内に1個以上のイソ(チオ)シアナト
基と1個以上の(メタ)アクリロイル基またはビニル基
を有する化合物の例としては2−イソ(チオ)シアナト
エチル(メタ)アクリレート、3−または4−ビニルベ
ンジルイソ(チオ)シアネート、3−または4−ビニル
−α,α−ジメチルベンジルイソ(チオ)シアネート、
3−または4−イソプロペニル−α,α−ジメチルベン
ジルイソ(チオ)シアネート等が挙げられる。
【0027】本発明に用いられる化合物(C)の例とし
ては1,2−エタンジチオール、1,2−または1,3
−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール,
1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオ
ール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、1,2
−ビス(2’−メルカプトエチルオキシ)エタン、ビス
(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ベンゼ
ンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、4,5
−ビス(メルカプトメチル)−o−キシレン、1,3,
5−ベンゼントリチオール、m−またはp−キシリレン
ジチオール、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)
ベンゼン、4,4’−ジメルカプトビフェニル、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジメルカプトビフェニル、
エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、
1,4−ブタンジオールビス(メルカプトアセテー
ト)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセ
テート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプ
トアセテート)、トリメチロールプロパントリス(β−
メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテ
トラキス(β−メルカプトプロピオネート)、2−メル
カプトエタノール、2−メルカプト−1−プロパノー
ル、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2,
3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2,3−ト
リメルカプトプロパン、ジチオエリスリトール、2−メ
ルカプト−4−メチル−5−(β−ヒドロキシエチル)
チアゾリン、p−メルカプトフェノール、2,2’−チ
オジエタノール、2,2’−ジチオジエタノール、テト
ラメチレンビス(β−ヒドロキシエチルスルフィド)、
4,4’−チオジフェノール、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、p−キシリレングリコー
ル、グリセリン等が挙げられる。
【0028】本発明の光学用樹脂を形成する化合物
(A)、化合物(B)および化合物(C)の各共重合成
分の使用量は化合物(B)が重合性官能基としてイソ
(チオ)シアナト基を有する場合、化合物(A)中のメ
ルカプト基の総モル数もしくは化合物(A)中のメルカ
プト基と化合物(C)中のメルカプト基かつ/またはヒ
ドロキシル基の総モル数に対して化合物(B)中のイソ
(チオ)シアナト基、(メタ)アクリロイル基、ビニル
基の総モル数が1〜3倍、好ましくは1〜1.5倍であ
り、化合物(B)が重合性官能基として(メタ)アクリ
ロイル基、ビニル基のみを有する場合、化合物(A)も
しくは化合物(A)と化合物(C)の混合物中のメルカ
プト基の総モル数に対して化合物(B)中の(メタ)ア
クリロイル基、ビニル基の総モル数が1〜3倍、好まし
くは1〜1.5倍である。また、化合物(C)の使用量
は化合物(A)のモル数に対して1倍以下、好ましくは
0.5倍以下である。この範囲を外れると本発明の光学
用樹脂が有する高屈折率,高アッベ数という特徴が損な
われる。
【0029】上記化合物(A)および化合物(B)の混
合物、または化合物(A)、化合物(B)および化合物
(C)の混合物を共重合させて光学用樹脂を成形する場
合において重合速度の調整のために触媒を加えることが
あり、特に(メタ)アクリロイル基またはビニル基有す
る化合物(B)を使用する場合に触媒を加えずに共重合
させるとメルカプト基の二重結合への付加速度が極めて
遅い。化合物(B)として2個以上のイソ(チオ)シア
ナト基を有する化合物を用いる場合の触媒はイソ(チ
オ)シアナト基とメルカプト基またはヒドロキシル基と
の反応を促進させるもので、例えばジブチル錫ジラウレ
ート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジクロリド等の有機錫
化合物、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジ
アミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ン等の脂肪族三級アミンが好ましい。また、化合物
(B)として(メタ)アクリロイル基またはビニル基を
有する化合物を用いる場合の触媒は一般にラジカル重合
反応に用いられる触媒が好ましく、具体的な例としては
ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジ
カーボネートなどの過酸化物およびアゾビス(イソブチ
ロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物が挙げられる。化合物(B)と
して1個以上のイソ(チオ)シアナト基と1個以上の
(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有する化合物
を用いる場合には上記2種の触媒を併用することが好ま
しい。これら触媒の添加量は特に限定されるものではな
いが、通常樹脂100重量部に対して合計0.01〜1
0重量部用いられる。また、要求されている種々の特性
や性能を満足させるために必要に応じて本発明の光学用
樹脂に安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、内
部離型剤等を少量添加しても良い。
【0030】本発明樹脂の重合成形は従来より公知の注
型重合法により行うことができる。例えば、化合物
(B)と化合物(A)またはこれらに化合物(C)を配
合したものを混合し、必要に応じて触媒や各種の添加剤
を加え、減圧下に脱気した後にガラスまたは金属製のモ
ールドおよび樹脂製のガスケットよりなる型の中に注入
し、ゆっくり昇温させて重合を完結させる。重合成形時
の温度は特に限定されないが、通常は−50〜150℃
である。成形開始から終了までの時間は重合様式および
発熱量によって変わるが、通常は0.5〜72時間であ
る。
【0031】
【作用】本発明の化合物(A)は分子中に2個のメルカ
プト基と1個ないし2個のスルフィド基を有し、しかも
それらがすべて芳香環でなく脂肪族炭素鎖によって結ば
れているため高屈折率かつ高アッベ数を示す。また、化
合物(A)は蒸気圧が比較的小さいためメルカプト化合
物に特有の悪臭がかなり軽減され、したがって化合物
(A)を含有してなる樹脂およびプラスチックレンズの
製作時における作業性が大きく改善される。そのうえ化
合物(A)は5員環ないし6員環という環構造を持つた
め熱的に安定であり、蒸留による精製が可能であるとい
う大きな利点を有している。また、化合物(A)および
化合物(B)の共重合体、または、化合物(A)、化合
物(B)および化合物(C)の共重合体は化合物(A)
の特徴である高屈折率かつ高アッベ数という特徴をその
まま有するだけでなく、透明で光学的歪みのないという
優れた性質を有している。また、前述のように化合物
(A)は化合物(B)の種類を変えるだけで超高屈折率
または高屈折率のプラスチックレンズに成形することが
でき、屈折率を合わせるために他の成分を大量に混入す
ることによりせっかくの優れた物性を損なうことのない
点で極めて有利である。しかも、耐熱性、耐衝撃性およ
び耐光性にも優れている。
【0032】
【実施例】以下に示す実施例において本発明の化合物お
よびそれらより得られた重合体の諸物性は次の方法によ
り測定した。 (1)質量分析(MS) 日本電子社製「AX−505W」を用い、直接導入(D
I)法によりサンプルを導入、電子イオン化(EI)法
によりイオン化し、マススペクトルを測定した。 (2)核磁気共鳴分析 (1H−NMR) 日本電子社製「GSX−270」を用い、重クロロホル
ムを溶媒とし、テトラメチルシランを内部標準として 1
H−NMRスペクトルを測定した。 (3)屈折率(nD )およびアッベ数(νD ) 10mm×20mm×3mmの試験片を作成し、アタゴ
社製「アッベ屈折計3T」を用いて、30℃における屈
折率(nD )とアッベ数(νD )を測定した。接触液は
ジヨードメタンを使用した。 (4)比重(d) 10mm×20mm×3mmの試験片を作成し、東洋精
機製作所製「DENSIMETER D−1」を用いて
測定した。 (5)黄色度(b* ) 30mm×30mm×3mmの成形物を作成し、ミノル
タカメラ社製「CR−300」を用いて測定し、CIE
(国際照明委員会)1976L* * * 表色系の黄色
度(b* )で表わした。黄色度の評価は無色に近いほ
ど、すなわち黄色度の値が0に近いほど良く、実用的に
は1.0以下であれば良好と見られる。 (6)耐熱性 1)熱機械分析(TMA(thermomechanical analysis)) セイコー電子工業社製「TMA120C」を用い、7m
m×7mm×3mmの試験片に10gfの荷重をかけて
2.0℃/分で昇温しながらTMA測定を行い、TMA
曲線の変位点から軟化温度を読み取った。 2)ビカット軟化温度(VST(Vicat softening tempe
rature)) 東洋精機製作所製「HDT&VSPT TESTER」
を用い、シリコーンオイル中において10mm×10m
m×3mmの試験片に1.0kgfの荷重をかけて50
℃/時で昇温しながらVST測定を行ない、針状圧子が
0.1mm進入した時の温度を読み取った。 (7)耐衝撃性 直径78mm、曲率半径0.1m、中心厚1.3mmの
試験用サンプルを10枚作成し、これに重さ16.2g
(直径10/16inch)の鋼球を1.27m(50
inch)の高さから落下させ、FDA落球衝撃強さの
規格にしたがって10枚とも割れなかったものを○と
し、1枚でも割れたものを×とした。 (8)耐光性 30mm×30mm×2mmの成形物を作成し、耐光試
験機としてJAS(日本農林規格)規定の退色試験機
(UV強度1mW/cm2 、測定波長域320〜390
nm)を用いて1ヵ月間光照射を行なった成形物の黄色
度をミノルタカメラ社性「CR−300」を用いて測定
した。光照射後の成形物の黄色度(b* )の値が光照射
前の2倍以内である場合に○、2倍より大きな場合に×
とした。
【0033】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。 実施例1 1,5−ヘキサジエン35.2gのペンタン50ml溶
液と二塩化硫黄36.9gのペンタン25ml溶液を室
温でペンタン625ml中に滴下モル数が同じになるよ
うに同時に1時間かけて加え、さらに室温で12時間撹
拌した。沈澱したポリマーをデカンテーションおよびろ
過で除き、減圧下にペンタンを留去した。残渣を減圧蒸
留し、沸点102℃/3.5torrの留分を集めて2,5
−ビス(クロロメチル)テトラヒドロチオフェン45.
5gを得た。収率68.6%。
【0034】次に、この化合物37.4gのエタノール
200ml溶液にチオ尿素32.8gを加え、還流下に
6時間加熱した。析出した結晶をろ過し、エタノールで
洗浄後乾燥し、イソチウロニウム塩55.7gを得た。
収率81.8%。
【0035】続いて、この塩55.7gを水酸化ナトリ
ウム15.1gの水200ml溶液に加え、80℃で4
時間加熱後35%塩酸で中和し、液のpHを6とした。
ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後ろ過し、ジクロロメタンを減圧下に留去した。残渣を
減圧蒸留し、沸点126℃/3.5torrの留分を集めて
2,5−ビス(メルカプトメチル)テトラヒドロチオフ
ェン25.4gを得た。収率85.2%。 nD =1.602 νD =36.7 MS:m/z=180(M+ 1 H−NMR:δ(ppm) 1.63(2H,s,−S) 1.91〜1.98,2.10〜2.16(4H,m,
−(C 2 2 −) 2.72(4H,d,−C 2 SH) 3.52〜3.57(2H,m,>CS−)
【0036】実施例2 ジアリルエーテル42.1gのジクロロメタン675m
l溶液に二塩化硫黄33.0gのジクロロメタン25m
l溶液を−15℃で1時間かけて滴下し、続いて0℃で
12時間撹拌した。減圧下にジクロロメタンを留去し、
残渣を減圧蒸留し、沸点100℃/1torrの留分を集め
て3,5−ビス(クロロメチル)−1,4−オキサチア
ン31.8gを得た。収率49.3%。
【0037】次に、この化合物29.8gとチオ尿素2
5.3gをエタノール200ml中で還流下に7時間加
熱し、析出した結晶をろ過しエタノールで洗浄後乾燥
し、イソチウロニウム塩40.5gを得た。収率77.
3%。
【0038】続いて、この塩40.5gを水酸化ナトリ
ウム13.1gの水200ml溶液に加え、80℃で4
時間加熱後35%塩酸で中和し、液のpHを6とした。
ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後ろ過し、ジクロロメタンを減圧下に留去した。残渣を
減圧蒸留し、沸点131℃/1.5torrの留分を集めて
3,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−オキサチ
アン18.3gを得た。収率81.4%。 nD =1.597 νD =37.9 MS:m/z=196(M+ 1 H−NMR:δ(ppm) 1.64(2H,t,J=8.40Hz,−S) 2.65(4H,dt,J=8.40,1.80Hz,
−C 2 SH) 2.98〜3.08(2H,m,>CS−) 3.43(2H,dd,J=11.60,8.85H
z,−CHO−) 4.23(2H,dd,J=11.60,3.34H
z,−HCO−)
【0039】実施例3 粒状水酸化カリウム8.5gのエタノール170ml溶
液にチオ酢酸11.5gのエタノール15ml溶液を滴
下し、続いてブロモアセトアルデヒドジエチルアセター
ル20.1gのエタノール15ml溶液を滴下し、還流
下に12時間撹拌した。減圧下にエタノールを留去し、
水を加え、分離した油状物を酢酸エチルで抽出した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、酢酸エチルを減圧
下に留去した。残渣を減圧蒸留し、沸点125℃/33
torrの留分を集め、アセチルチオアセトアルデヒドジエ
チルアセタール16.3gを得た。収率78.8%。
【0040】次に、この化合物9.9gのジクロロメタ
ン60ml溶液に1,2,3−トリメルカプトプロパン
7.5gと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル付加物4m
lを室温で加え、1時間撹拌した。反応液を水洗し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ジクロロメタンを
減圧下に留去した。続いて、残渣にメタノール100m
lと水酸化ナトリウム6.5gを加え、室温で30分撹
拌した。希塩酸で中和後、ジクロロメタンで抽出し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ジクロロメタンを
減圧下に留去した。残渣を減圧蒸留し、沸点134〜1
38℃/0.5torrの留分を集めて2,4−ビス(メル
カプトメチル)−1,3−ジチオラン6.7gを得た。
収率65.0%。 nD =1.648 νD =35.0 MS:m/z=198(M+ 1 H−NMR:δ(ppm) 1.64,1.70(1H(total),t(each), J=8.
55Hz,−S) 1.89,1.90(1H(total),t(each), J=8.
55Hz,−S) 2.76〜2.92(4H(total),m,−C 2 SH) 3.20〜3.38(2H(total),m,−SCHC 2
S−) 3.83〜3.88(1H(total),m,−SCCH2
S−) 4.56〜4.63(1H(total),t,J=7.02H
z,−SCS−) 実施例4 ジアリルスルフィド86.3gのヘキサン50ml溶液
と、二塩化硫黄77.8gのヘキサン25ml溶液と
を、0℃に保ちながらヘキサン100ml中に滴下モル
数が同じになるように同時に1時間かけて滴下し、その
後0℃で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下にヘキ
サンを留去し、減圧蒸留を行い沸点113〜116℃/
0.8torrの留分として2,6−ビス(クロロメチル)
−1,4−ジチアンを53.2g得た。収率32.4
%。
【0041】次に2,6−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン51.1gとチオ尿素40.1gをエタノ
ール200ml中に加え、還流下に6時間加熱し、室温
に冷却後、析出した結晶を濾過して集め、エタノールで
十分に洗浄乾燥し、イソチウロニウム塩51.6gを得
た。収率59.3%。
【0042】次にイソチウロニウム塩51.6gを水酸
化ナトリウム13.0gの水溶液200mlに加え、8
0℃で4時間加熱後放冷し、35%塩酸で中和し液のp
Hを6とした。反応液を塩化メチレンで抽出し、硫酸マ
グネシウムで乾燥濾過後、減圧下にジクロロメタンを留
去した。残渣を減圧蒸留し沸点175〜177℃/3to
rrの留分を集め2,6−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアン25.2gを得た。収率84.8%。 nD =1.643 νD =35.7 MS:m/z=212(M+ 1 H−NMR:δ(ppm) 1.65(2H,t,J=8.55Hz,−SH) 2.81〜3.24[10H,m,−SC(C2
H)C2 S−]
【0043】実施例5 実施例1で得られた2,5−ビス(メルカプトメチル)
テトラヒドロチオフェン1.82gと1,3−ビス(イ
ソシアナトメチル)シクロヘキサン2.00gを混合
し、重合触媒としてジブチル錫ジラウレート5.4mg
(0.14PHR)を加えて均一化し、さらに減圧して
十分に脱気した後にガラス製モールド中に入れ、エアー
オーブン中で加熱硬化させた。成形温度は40℃から1
0時間かけて60℃に昇温、60℃で4時間保持、60
℃から120℃まで1時間かけて昇温、120℃で3時
間保持、120℃から60℃まで2時間かけて冷却とい
う条件で行なった。このようにして得られた注型物の物
性を表1に示した。これらより明らかなように本注型物
は高屈折率かつ高アッベ数であり、透明性、耐熱性、耐
衝撃性および耐光性に優れたものであった。
【0044】実施例6〜24 実施例1〜4の方法により製造した環状スルフィド化合
物(A)と表1、表2および表3に示した化合物
(B)、またはこれらに化合物(C)を加えたものを混
合し、必要に応じて重合触媒を加えた後に実施例5に準
ずる成形条件で注型して得たものの物性を表1、表2お
よび表3に示した。これらの注型物はいずれも屈折率と
アッベ数が高く、しかも両者のバランスがとれており、
無色で透明性、耐熱性、耐衝撃性および耐光性に優れた
ものであった。
【0045】比較例1〜4 表4に示した重合組成を必要に応じ重合触媒の存在下に
実施例5に準ずる条件で注型したものの特性を同じく表
4に併記した。これらの注型物は屈折率またはアッベ数
のいずれかが悪くてバランスがとれておらず、また時と
して黄色に着色したり耐熱性、耐衝撃性または耐光性に
問題があり、明らかに本発明の注型物より物性面で劣る
ものであった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば高屈折率かつ高アッベ数
を示す新規な環状スルフィド化合物が得られ、またこの
化合物を主成分とする重合性組成物は超高屈折率かつ高
アッベ数のプラスチックレンズ材料として、また、高屈
折率かつ高アッベ数かつ低比重のプラスチックレンズ材
料として容易に成形することができる。しかも、該重合
性組成物より得られる成形物は歪みがなく、加工性、透
明性、耐熱性、耐衝撃性ならびに耐光性にも優れてお
り、眼鏡用プラスチックレンズとして有用である。さら
に、この光学用樹脂はプリズム、光ファイバ、光ディス
ク基板、着色用フィルタあるいは赤外線吸収フィルタな
どの光学製品に好ましく用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 339/08 C07D 339/08 C08G 18/38 C08G 18/38 75/04 75/04 G02B 1/04 G02B 1/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 333/18 C07D 327/04 C07D 327/06 C07D 335/02 C07D 339/06 C07D 339/08 C08G 18/38 C08G 75/04 G02B 1/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表わされる環状ス
    ルフィド化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表わされる化合物が2,
    5−ビス(メルカプトメチル)テトラヒドロチオフェ
    ン、3,5−ビス(メルカプトメチル)−1,−オキ
    サチアン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,3
    −ジチオラン及び2,6−ビス(メルカプトメチル)−
    1,4−ジチアンから選ばれる化合物である請求項1に
    記載の環状スルフィド化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表わされる化合物(A)
    及び下記の一般式(II)で表される化合物(B)よりな
    る重合性組成物。 【化2】
  4. 【請求項4】 一般式(I)及び(II)で表される化合
    物(A)及び(B)と下記一般式(III) で表される化合
    物(但し、化合物(A)を除く)(C)よりなる重合性
    組成物。 【化3】
  5. 【請求項5】 化合物(B)が脂環式の単環もしくは多
    環化合物、又はこれらの混合物である請求項3又は4に
    記載の重合性組成物。
  6. 【請求項6】 脂環式化合物がシクロヘキサン環を有す
    る化合物である請求項5に記載の重合性組成物。
  7. 【請求項7】 シクロヘキサン環を有する化合物が1,
    3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリ
    (イソシアナトメチル)シクロヘキサン又はイソホロン
    ジイソシアネートである請求項6に記載の重合性組成
    物。
  8. 【請求項8】 化合物(B)が芳香環を有する化合物、
    又はこれらの混合物である請求項3又は4に記載の重合
    性組成物。
  9. 【請求項9】 芳香環を有する化合物がm−キシリレン
    ジイソシアネート、α,α’,α’−テトラメチルキシ
    リレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニ
    ルメタントリイソシアネート又は3−イソプロペニル−
    α,α−ジメチルベンジルイソシアネートである請求項
    8に記載の重合性組成物。
  10. 【請求項10】 化合物(B)が脂肪族化合物、又はこ
    れらの混合物である請求項3又は4に記載の重合性組成
    物。
  11. 【請求項11】 脂肪族化合物が1,6−ヘキサメチレ
    ンジイソシアネート、2−イソシアナトエチルメタクリ
    レート、エチレングリコールジメタクリレート又はトリ
    メチロールプロパントリメタクリレートである請求項1
    0に記載の重合性組成物。
  12. 【請求項12】 化合物(C)が脂肪族化合物、又はこ
    れらの混合物である請求項4に記載の重合性組成物。
  13. 【請求項13】 脂肪族化合物が1,2,3−トリメル
    カプトプロパン、3−メルカプト−1,2−プロパンジ
    オール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジ
    エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
    パントリス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリ
    トールテトラキス(メルカプトアセテート)、トリメチ
    ロールプロパントリス(β−メルカプトプロピオネー
    ト)又はペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカ
    プトプロピオネート)である請求項12に記載の重合性
    組成物。
  14. 【請求項14】 化合物(C)が芳香環を有する化合
    物、又はこれらの混合物である請求項4に記載の重合性
    組成物。
  15. 【請求項15】 芳香環を有する化合物がm−キシリレ
    ンジチオール、1,3,5−トリス(メルカプトメチ
    ル)ベンゼン又はp−キシリレングリコールである請求
    項14に記載の重合性組成物。
  16. 【請求項16】 請求項3〜15のいずれかに記載の重
    合性組成物を共重合してなることを特徴とする光学製
    品。
  17. 【請求項17】 光学製品がプラスチックレンズである
    請求項16に記載の光学製品。
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