JPH08151511A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形体の製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形体の製造方法

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JPH08151511A
JPH08151511A JP10598495A JP10598495A JPH08151511A JP H08151511 A JPH08151511 A JP H08151511A JP 10598495 A JP10598495 A JP 10598495A JP 10598495 A JP10598495 A JP 10598495A JP H08151511 A JPH08151511 A JP H08151511A
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JP
Japan
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weight
unsaturated polyester
polyester resin
parts
acid amide
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JP10598495A
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English (en)
Inventor
Makoto Yamaguchi
真 山口
Koji Matsumoto
晃治 松本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性に優れ、低温・低圧おいても流動性に
優れかつ良好な外観性状を有する成形品を得ることを可
能とする圧縮成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物を得
る。 【構成】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対
し、融点が80℃〜150℃の脂肪酸アミド0.1〜2
0重量部及び平均粒径0.1〜100μmの無機充填剤
粒子を50〜350重量部配合してなり、強化繊維を全
体の2〜40重量部の範囲となるように混合してなる低
温低圧成形用の不飽和ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和ポリエステル樹
脂組成物及び該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた
成形体の製造方法に関し、特に、作業性に優れ、良好な
外観性状を有する成形品を得ることを可能とする不飽和
ポリエステル樹脂組成物及び成形品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に充填剤、離型
剤、顔料及び増粘剤等を加えた樹脂組成物をガラス繊維
等の強化用繊維物質に含浸し、シート状あるいはバルク
状に形成した不飽和ポリエステル樹脂成形材料は、シー
トモールディング・コンパウンド(SMC)またはバル
クモールディング・コンパウンド(BMC)などと呼ば
れている。SMCやBMCは、主に圧縮成形されて、住
宅設備、工業部品または自動車部品等に広く用いられて
いる。
【0003】これらの成形材料は、加熱下で圧縮成形さ
れることが多い。しかし、圧縮成形法において、適用製
品を拡大(大型化、多品種化)しようとすると、大型の
成形機を確保する必要があること、高額な金型投資が必
要であること等から費用負担が非常に大きくなるという
欠点を有している。
【0004】また、従来、圧縮成形温度は120〜16
0℃、圧縮成形圧力は80〜100kg/cm2 程度と
されているが、より低温及び低圧で圧縮成形できれば、
上記費用負担を低減することができる。
【0005】しかし、従来法において単に低温・低圧で
圧縮成形しようとすると、欠肉したり、巣やピンホール
が成形品の表面に生じたりし易いという欠点が生じる。
巣やピンホールは、外観を損なうだけでなく、成形品の
力学特性や耐久性にも悪影響を及ぼす。そこで、これら
の不具合を低減するために、材料技術の工夫がなされて
きた。
【0006】例えば、特公昭60−16471号公報に
開示されているように、低圧下での流動性を高めるため
に、増粘剤として水酸化カルシウムを用い、増粘度を下
げ、成形材料の粘度を低くする試みがなされている。し
かし、この方法では、べたつきがあるため、成形材料を
覆うポリエチレンフィルム等の離型フィルムの離型性や
カッティング等の作業性が低下する欠点があった。また
巣やピンホールが成形品表面に生じ易かった。
【0007】また、市販されている粘度低下剤(例え
ば、ビックケミー社製BYK−W995や竹本油脂社製
スーパーダインV−203等)を加える方法も考えられ
るが、増粘後の粘度を低下させ易く、作業性が低下す
る。また、熱水浸漬後、変色し易くなるため、SMCの
大きな用途分野である水まわり製品への適用が不可能と
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作業
性に優れ、かつ低温・低圧下においても流動性に優れ、
従って、良好な外観特性を有する成形品を容易に得るこ
とを可能とする不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形
品の製造方法を提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、上記目的に加
えて、さらに、耐熱水性においても優れた成形品を得る
ことを可能とする不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成
形品の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、融
点80℃〜150℃の脂肪酸アミド0.1〜20重量
部、及び平均粒径0.1〜100μmの無機充填剤粒子
50〜350重量部を配合してなり、かつ全体の2〜4
0重量%となるように強化繊維を加えてなる不飽和ポリ
エステル樹脂組成物であり、該不飽和ポリエステル樹脂
組成物を用いることにより、作業性に優れ、かつ低温・
低圧下においても流動性に優れ、従って、良好な外観特
性を有する成形品を容易に得ることが可能となる。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、不飽和ポ
リエステル樹脂100重量部に対して、融点80℃〜1
50℃の不飽和基を有する脂肪酸アミド0.1〜20重
量部、及び平均粒径0.1〜100μmの無機充填剤粒
子50〜350重量部を配合してなり、かつ全体の2〜
40重量%となるように強化繊維を加えてなる不飽和ポ
リエステル樹脂組成物であり、この不飽和ポリエステル
樹脂組成物を用いることにより、圧縮成形後成形材料と
しての作業性に優れており、かつ低温・低圧下において
も成形材料の流動性に優れており、従って、良好な外観
特性を有し、かつ耐熱水性に優れた成形品を容易に得る
ことが可能となる。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、上記請求
項1または2に記載の発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いた成形体の製造方法であり、成形温度60〜
120℃及び成形圧力2〜30kg/cm2 で圧縮成形
することを特徴とする。
【0013】請求項1〜3に記載の発明(以下、本発
明)に用いられる不飽和ポリエステル樹脂組成物より得
られる成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂に、必須成
分として、融点80℃〜150℃の脂肪酸アミド、無機
充填剤粒子、強化繊維を加え、他の任意成分として、通
常、硬化剤、離型剤、増粘剤、顔料等を加えて、ポリエ
チレンフィルム等の離型フィルムで覆って、熟成して増
粘し、半固体状にしたものである。
【0014】この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い
た成形材料は目的に応じて、シート状及びバルク状に成
形される。熟成は、通常、半日〜2日間、30℃〜50
℃の温度条件下に材料を置くことによりなされる。
【0015】請求項1の発明で使用される脂肪酸アミド
とは、アンモニア、あるいはアミノ化合物と脂肪酸とか
ら誘導されるアミドであり、融点80〜150℃のもの
である。
【0016】脂肪酸としては、好ましくは、炭素数10
〜36の脂肪族炭化水素の末端炭素に結合した水素をカ
ルボキシル基で置換した化合物が用いられ、上記脂肪族
炭化水素としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素のい
ずれであっても良く、また、分岐状、直鎖状のいずれで
も良いが、好ましくは、直鎖状の飽和炭化水素が用いら
れる。
【0017】脂肪酸アミドの具体例としては、ステアリ
ン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアロ
アミド、エチレンビス(ヒドロキシステアロアミド)、
エルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチ
レンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
【0018】また、請求項2の発明において用いられる
不飽和基を有する脂肪酸アミドとは、請求項1の発明に
おける脂肪酸アミドの分子内に、少なくとも一つの不飽
和基を有する化合物である。この不飽和基は、脂肪酸に
含まれていてもよいし、アミノ化合物に含まれていても
よい。また、上記不飽和基は、2重結合を有するもので
も、3重結合を有するものであってもよい。このような
不飽和基を有する脂肪酸アミドの具体的な例としては、
上述の脂肪酸アミドのうち、エルカ酸アミド、エチレン
ビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミドな
どが挙げられる。
【0019】請求項1における脂肪酸アミドまたは請求
項2における不飽和基を有する脂肪酸アミドの融点が低
いと成形前の材料の取扱い性が低下し、逆に融点が高す
ぎると成形加工時の流動性が低下する。従って、請求項
1または2において、融点が80〜150℃、好ましく
は90℃〜145℃の脂肪酸アミドが用いられる。
【0020】請求項1における脂肪酸アミドまたは請求
項2における不飽和基を有する脂肪酸アミドの添加量が
少なすぎると成形加工時の流動性が低下し、多すぎると
成形品表面に巣やピンホールが発生し易いという問題が
生じる。そこで、上記脂肪酸アミドまたは不飽和基を有
する脂肪酸アミドの添加量は、不飽和ポリエステル樹脂
100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは
0.5〜15重量部の範囲とされる。
【0021】また、上記無機充填剤粒子としては、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ガ
ラス粉末、タルク、マイカ等の1種以上が使用される。
無機充填剤粒子の粒径は、0.1〜100μm、好まし
くは0.5〜60μmである。0.1μmより小さくな
ると、組成物粘度が大きくなり、強化繊維に十分含浸せ
ず、材料内部にエアーが混入し易くなり、成形品に巣が
入り易くなる。一方、100μmより大きいと、粒子の
比表面積が小さくなることにより、脂肪酸アミドや不飽
和基を有する脂肪酸アミドの添加効果が充分でにくく流
動性が低下する。
【0022】無機充填剤の添加量は、単独使用であって
も、2種以上の併用使用であっても、不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部に対して50〜350重量部の範囲
であり、好ましくは60〜300重量部の範囲である。
【0023】50重量部より少ないと、成形前の材料の
取扱い性が低下する。また、350重量部より多いと、
粘度が大幅に上昇し、成形加工時の流動性が低下すると
ともに、強化繊維との含浸性が低下し、材料内部にエア
ーが混入し易くなり、成形品に巣が入り易くなる。
【0024】強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊
維、石綿繊維、ホイスカー、有機合成繊維、天然繊維等
が使用される。好ましくは、物性、価格面でガラス繊維
が用いられる。一定長さ、または連続した繊維をそのま
ま使用する場合の他に、マット状やクロス状のものも使
用され得る。例えばガラス繊維の場合、ストランドを一
定長さに切断したチョップドストランド、チョップドス
トランドをバインダーで接着しマット状にしたチョップ
ドストランドマット等が使用される。一定長さの繊維と
しては、通常、1〜80mmのものが使用される。1m
mより短いと補強効果がなく、80mmより長いと粘度
が上昇して成形性が悪くなる。また、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物中の繊維の方向性は、ランダムにしたもの
の他に、一方向に並べたもの、X字状に並べたもの等が
使用され、特に限定されない。
【0025】また、強化繊維は、強化繊維を含む不飽和
ポリエステル樹脂組成物全体に対して2〜40重量%の
範囲で、好ましくは3〜35重量%の範囲で加えられ
る。2重量%より少ないと、材料の取扱い性が低下する
とともに、補強効果がなく成形品が割れ、曲がりを生じ
易い。40重量%より多いと、粘度が上昇して流動性が
悪くなる。
【0026】本発明で用いられる不飽和ポリエステル樹
脂とは、不飽和二塩基酸とグリコールと必要に応じて飽
和二塩基酸とを重縮合せしめた不飽和ポリエステルと、
重合性単量体及び必要により添加される低収縮化のため
の熱可塑性樹脂からなる混合物である。
【0027】なお、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部とは、不飽和ポリエステル重合体成分と、重合性単量
体及び必要により添加される低収縮化のための熱可塑性
樹脂とを合計した樹脂分の量が100重量であることを
意味する。
【0028】上記不飽和二塩基酸としては、無水マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が用いら
れる。上記グリコールとしては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェ
ノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコー
ル等が使用される。
【0029】飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、オ
ルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、コハク酸、テトラクロロフタル酸、ヘット酸等が使
用される。
【0030】重合性単量体としては、スチレン、ジクロ
ロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、フタル酸ジアリル等が使用されるが、スチレン
が好ましく使用される。通常、不飽和ポリエステル樹脂
に含まれる重合性単量体の量は、20〜60重量%であ
る。
【0031】また、低収縮化のための熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チルメタクリレート、ポリエチレン、ポリε−カプロラ
クトン、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリブタ
ジエン、ポリスチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチ
レン−ポリ酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体等が使用される。
【0032】硬化剤としては、ターシャリーブチルパー
オキシイソブチレート、ターシャリーブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、ターシャリーアミルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−トリ
メチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシ
ャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノ
エート、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が
使用される。
【0033】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が使用される。増粘剤としては、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化亜鉛等が使用される。
【0034】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、シート状にも、バルク状にも形成されるが、シート
状成形材料は、SMCまたはTMCと呼ばれ、公知の機
械を用いて形成される。例えば、ポリエチレンフィルム
等の離型シート上に、ドクターブレードを用いて、均一
な厚みに不飽和ポリエステル樹脂組成物を塗布し、その
面に強化繊維を散布した後、同様にして作製した離型シ
ートに支持された不飽和ポリエステル樹脂組成物で強化
繊維をサンドイッチし、ロールを用いて含浸させなが
ら、シート状にすることができる。
【0035】また、バルク状成形材料は、BMCと呼ば
れ、ニーダー等の混合機で形成される。請求項3の発明
は、上記請求項1または2の発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物を圧縮成形し成形体を得る製造方法に関す
る。
【0036】上記不飽和ポリエステル樹脂組成物は60
〜120℃に加熱された金型内に必要量投入され、圧縮
成形される。好ましくは、80〜110℃である。60
℃より低いと、成形加工時の流動性が低下したり、成形
時間が大幅に増大する。また、120℃より高いと、成
形加工時にボイドを巻き込み易く、成形品の表面性が低
下し、かつ低コストの型を使うことができない。
【0037】成形圧力は2〜30kg/cm2 、好まし
くは、5〜20kg/cm2 とされる。2kg/cm2
より小さくなると、流動性が低下するため、目的とする
成形品が得難く、また、ボイドを押出したり、小さくす
ることができなくなり、成形品の表面性及び物性が大き
く低下する。また、30kg/cm2 より大きいと、型
内での材料の流動速度が増大するため、本発明の組成物
の有効性が低下し、かつ前記した設備投資負担を低減す
ることができなくなる。
【0038】請求項1の発明における好ましい例として
は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、融
点90〜145℃の脂肪酸アミド0.5〜15重量部、
無機充填剤粒子として、平均粒径0.5〜20μmの炭
酸カルシウム60〜300重量部、平均粒径0.5〜3
0μmの水酸化アルミニウム60〜300重量部または
平均粒径0.5〜20μmのガラス粉末60〜300重
量部を加える。
【0039】上記充填剤を併用使用する場合は、合計重
量部が60〜300重量部となるようにする。これらの
組成からなる不飽和ポリエステル組成物に、好ましく
は、硬化剤として有機過酸化物0.2〜2.0重量部、
離型剤としてステアリン酸亜鉛2〜10重量部、増粘剤
として酸化マグネシウム0.2〜3重量部を混合し、S
MCあるいはBMC製造装置を用いて、強化繊維を組成
物全体量に対し、3〜35重量%の範囲となるように添
加する。
【0040】請求項2の発明における好ましい例として
は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、融
点の90℃〜145℃の不飽和基を有する脂肪酸アミド
0.5〜15重量部、無機充填剤粒子として、平均粒径
0.5〜20μmの炭酸カルシウム60〜300重量
部、または平均粒径0.5〜30μmの水酸化アルミニ
ウム60〜300重量部、または平均粒径0.5〜20
μmのガラス粉末60〜300重量部を加える。
【0041】上記充填剤を併用使用する場合は、合計重
量部が60〜300重量部となるようにする。これらの
組成からなる不飽和ポリエステル組成物に、硬化剤とし
て有機過酸化物0.2〜2.0重量部、離型剤としてス
テアリン酸亜鉛2〜10重量部、増粘剤として酸化マグ
ネシウム0.2〜3重量部を混合し、SMCあるいはB
MC製造装置を用いて、強化繊維を組成物全体量に対
し、3〜35重量%の範囲となるように添加する。
【0042】請求項3の発明における好ましい例では、
上記の請求項1または2における好ましい例での材料を
用いて以下のように圧縮成形する。80〜110℃に加
熱した金型内に材料を置いて、金型を閉じ、圧力5〜2
0kg/cm2 で圧縮成形する。
【0043】
【作用】請求項1に記載の発明の不飽和ポリエステル樹
脂組成物を用いて圧縮成形した場合、加熱成形に際し、
脂肪酸アミドが溶融し分散し、無機材料と樹脂界面との
間の濡れ性を高めたり、組成物と成形型とのすべりを高
めたりするものと考えられる。そのため、成形前の取扱
い性を低下させることなく、低圧成形時の成形材料の流
動性が大幅に高められると推察される。
【0044】また、上記成形材料の型内における流動に
際しては、空気が効果的に押し出されつつ成形材料が流
動するため、巣やピンホールのない成形品を得ることが
可能となる。
【0045】さらに、請求項2に記載の発明の不飽和ポ
リエステル樹脂組成物では、上記作用に加えて、脂肪酸
アミドが不飽和基を有するので、組成物が流れ、型形状
に賦形された後の硬化反応過程において、不飽和ポリエ
ステルと共重合することにより、トラップされ、使用中
にブリードアウトせず、耐熱水性が向上するものと推察
される。
【0046】従って、請求項1または2の発明にかかる
不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いることにより、請
求項3に記載のように、比較的低い温度でかつ低い圧力
で圧縮成形しても、巣やピンホールのない成形品を確実
に提供し得るものと考えられる。
【0047】
【実施例】以下、非限定的な実施例を説明することによ
り、本発明を明らかにする。 (請求項1の発明についての実施例)製造例 フマル酸、イソフタル酸、プロピレングリコールからな
る不飽和ポリエステルとポリスチレンとをスチレン単量
体に溶解して不飽和ポリエステル樹脂液を得た。この不
飽和ポリエステル樹脂液100重量部に対して、表1に
示す融点を有する脂肪酸アミド及び炭酸カルシウム(平
均粒径2μm)を表1に示す量、酸化マグネシウム0.
8重量部、有機過酸化物1重量部、パラベンゾキノン
0.03重量部、ステアリン酸亜鉛5重量部を混合した
組成物を、25mmのガラスチョップドストランドに含
浸し、ポリエチレンフィルムで覆ってSMCとした。こ
のSMCを40℃で1日熟成した。ガラス繊維含有率は
表1の通りである。
【0048】
【表1】
【0049】なお、使用した脂肪酸アミドにおける脂肪
酸の炭素数を表2示す。
【0050】
【表2】
【0051】表1中、材料2−1では、脂肪酸アミドを
添加しなかった。また、材料2−8では、増粘剤とし
て、酸化マグネシウムを使わず、水酸化カルシウムを
1.8重量部混合し、かつ脂肪酸アミドを添加しなかっ
た。また、材料2−9では、炭酸カルシウムの代わり
に、ケイ砂(平均粒子径450μm)を100重量部加
えた。
【0052】実施例1〜6,比較例1〜11 上記のようにして得たSMCを使用し、平板(270m
m×150mm×厚み2mm)金型を用いて表3に示す
温度、圧力にて圧縮成形した。チャージは、平板金型短
辺側の隅に置き、チャージ面積率約11%とした。
【0053】成形前のSMCの取扱い性を、以下の基準
で評価した。 ○:良好 ×:ポリエチレンフィルムに不飽和ポリエステル組成物
が粘着し易く、フィルム剥がしが困難。
【0054】成形品の評価項目としては、流動性を平板
金型投影面積に対する材料の投影充填面積率で示し、ま
た、得られた成形品の表面状態の観察(巣、ピンホール
の有無)を行った。
【0055】また、実施例3及び比較例5については、
得られた成形品の曲げ特性を評価した。実施例3(ガラ
ス含有率24重量%)の曲げ強度は、12kgf/mm
2 、比較例5(ガラス含有率1.5重量%)の曲げ強度
は、2.5kgf/mm2 であった。
【0056】評価結果を下記の表3に併せて示す。
【0057】
【表3】
【0058】(請求項2の発明に係る実施例)製造例 フマル酸、イソフタル酸及びプロピレングリコールから
なる不飽和ポリエステルと、ポリスチレンとをスチレン
単量体に溶解して不飽和ポリエステル樹脂を得た。この
不飽和ポリエステル樹脂100重量部に、下記の表4に
示す融点を有する脂肪酸アミドと、平均粒径2μmの炭
酸カルシウムを、下記の表4に示す量、酸化マグネシウ
ム0.8重量部、硬化剤としての有機過酸化物を1重量
部、パラベンゾキノン0.03重量部、ステアリン酸亜
鉛5重量部を混合し、混合された組成物を、25mmの
長さのガラスチョップドストランドに含浸し、ポリエチ
レンフィルムで覆いSMCとした。なお、ガラス繊維含
有率は表4に示す通りである。上記SMCを40℃で1
日熟成した。
【0059】
【表4】
【0060】なお、使用した脂肪酸アミドにおける脂肪
酸の炭素数、融点及び不飽和基の数を下記の表5に示
す。
【0061】
【表5】
【0062】表4において、材料4−1では、脂肪酸ア
ミドを添加しなかった。また、材料4−8では、増粘剤
として酸化マグネシウムを使わず、水酸化カルシウムを
1.8重量部混合し、かつ脂肪酸アミドを添加しなかっ
た。材料4−9では、炭酸カルシウムの代わりに、ケイ
砂(平均粒径450μm)を100重量部加えた。
【0063】実施例7〜14,比較例13〜24 上記のようにして得たSMCを用い、実施例1〜6にお
ける成形方法と同様にして、下記の表6に示す温度、圧
力にて圧縮成形し、実施例1〜6における評価方法と同
様にして、SMCの取扱い性、流動性(充填面積率)を
評価し、さらに得られた成形品の表面状態を観察した。
【0064】また、実施例7〜14及び比較例13〜2
4において、上記のようにして得た成形品の耐熱水性
を、下記の要領で評価した。すなわち、成形品を80℃
の熱水中に300時間片面浸漬し、しかる後、浸漬され
ている面を色差計(東京電色社製、カラーアナライザ
ー、TC−1800)にて測定し、CIEによるL*
* 、b* 色空間におけるΔE値で示した。なお、ΔE
値は、小さいほど耐熱水性が良好であることを示す。
【0065】なお、実施例11及び比較例17について
は、得られた成形品の曲げ特性を評価した。実施例11
(ガラス含有率24重量%)の曲げ強度は、12Kgf
/mm2 、比較例17(ガラス含有率1.5重量%)の
曲げ強度は2.5Kgf/mm2 であった。評価結果を
下記の表6に併せて示す。
【0066】
【表6】
【0067】なお、表6における実施例7,8は、請求
項1に記載の発明に係る実施例に相当するものであり、
実施例9〜14が請求項2に記載の発明に係る実施例で
ある。
【0068】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、不飽和ポリエ
ステル樹脂100重量部に対して、融点80℃〜150
℃の脂肪酸アミド0.1〜20重量部及び平均粒径0.
1〜100μmの無機充填剤粒子を50〜350重量部
含有する組成物に強化繊維を加え、強化繊維含有量2〜
40重量%とした不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い
ることにより、成形前の取扱い性を低下させずに低圧成
形時の流動性を大幅に増大させることができる。従っ
て、巣やピンホールのない成形品を安定に得ることがで
きる。
【0069】加えて、請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
と同様に、成形前の取扱い性を低下させずに低圧成形時
の流動性を大幅に増大させることができ、従って巣やピ
ンホールのない成形品を安定に得ることができるだけで
なく、耐熱水性においても優れた成形品を提供すること
が可能となる。
【0070】よって、圧縮成形における多品種化や大型
化にも、少ない設備投資で、対応することが可能とな
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に
    対して、融点80℃〜150℃の脂肪酸アミド0.1〜
    20重量部、及び平均粒径0.1〜100μmの無機充
    填剤粒子50〜350重量部を配合してなり、かつ全体
    の2〜40重量%となるように強化繊維を加えてなる不
    飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に
    対して、融点80℃〜150℃の不飽和基を有する脂肪
    酸アミド0.1〜20重量部、及び平均粒径0.1〜1
    00μmの無機充填剤粒子50〜350重量部を配合し
    てなり、かつ全体の2〜40重量%となるように強化繊
    維を加えてなる不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の不飽和ポリエ
    ステル樹脂組成物を成形温度60℃〜120℃、成形圧
    力2〜30kg/cm2 で圧縮成形することを特徴とす
    る成形体の製造方法。
JP10598495A 1994-09-28 1995-04-28 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形体の製造方法 Pending JPH08151511A (ja)

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