JPH08217967A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH08217967A
JPH08217967A JP2263795A JP2263795A JPH08217967A JP H08217967 A JPH08217967 A JP H08217967A JP 2263795 A JP2263795 A JP 2263795A JP 2263795 A JP2263795 A JP 2263795A JP H08217967 A JPH08217967 A JP H08217967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated polyester
polyester resin
molding
weight
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2263795A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Matsumoto
晃治 松本
Makoto Yamaguchi
真 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2263795A priority Critical patent/JPH08217967A/ja
Publication of JPH08217967A publication Critical patent/JPH08217967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性に優れ、かつ低温、低圧でも、流動性
に優れ、良好な外観特性を有する成形品を得ることがで
きる不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形品の製
造方法を得る。 【構成】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、セチルアルコール等の融点40〜100℃の1価の
脂肪族アルコール、及びソルビタントリベヘネート、グ
リセリンモノステアレート等の融点40〜100℃のソ
ルビタン脂肪酸エステルもしくはグリセリン脂肪酸エス
テルを、それぞれ0.1〜10重量部と、無機充填材微
細粒子を50〜350重量部含有する組成物に、強化繊
維を加えて強化繊維含有量2〜40重量%としたことを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和ポリエステル樹
脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に例えば、充填
材、硬化剤、離型剤、顔料、増粘剤、等を加えた樹脂組
成物をガラス繊維等の強化用繊維物質に含浸し、シート
状あるいはバルク状に形成した不飽和ポリエステル樹脂
成形材料は、シートモールディング・コンパウンド(S
MC)、バルクモールディング・コンパウンド(BM
C)などと呼ばれ、主に圧縮成形されて、住宅設備、工
業部品、自動車部品等に広く用いられている。
【0003】これらの成形材料は、加熱下、圧縮成形さ
れることが多い。しかし、圧縮成形法において、適用製
品を拡大(大型化、多品種化)しようとすると、大型成
形機の確保、高額な金型投資等の費用負担が非常に大き
くなるという問題を生じる。従来の圧縮成形法では、圧
縮成形温度は120〜160℃、圧縮成形圧力は60〜
100kg/cm2の高圧で成形されているが、より低温、低
圧で圧縮成形できれば、上記費用負担が低減される。
【0004】しかし、低温、低圧で圧縮成形しようとす
ると、欠肉したり、巣、ピンホールが成形品表面に生じ
易いという欠点が生じる。巣、ピンホールは、外観が悪
い上に力学特性、耐久性にも悪影響を及ぼす。これらの
不具合を低減するために、材料技術の工夫がなされてき
ている。
【0005】特公昭60ー16471号公報では、低圧
での流動性を得るために、増粘剤として、水酸化カルシ
ウムを用いることにより、増粘度を下げ、成形材料の粘
度を低くする試みがなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、材料のべたつきがあるため、成形材料を覆うポ
リエチレンフィルム等の離型フィルムの剥離性や、カッ
ティング等の作業性が低下する欠点があった。また巣、
ピンホールが成形品表面に生じやすいという欠点もあっ
た。
【0007】本発明の目的は、作業性に優れ、かつ低
温、低圧でも、流動性に優れた、良好な外観特性を有す
る成形品を容易に得ることができる不飽和ポリエステル
樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、融
点40〜100℃の1価の脂肪族アルコール、及び融点
40〜100℃のソルビタン脂肪酸エステルもしくはグ
リセリン脂肪酸エステルを、それぞれ0.1〜10重量
部と、無機充填材微細粒子を50〜350重量部含有す
る組成物に強化繊維を加えて、強化繊維含有量2〜40
重量%としたことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂
組成物である。
【0009】本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹
脂としては、不飽和二塩基酸とグリコールと必要に応じ
て飽和二塩基酸とを重縮合せしめた不飽和ポリエステル
と、重合性単量体及び、必要により添加される低収縮化
のための熱可塑性樹脂からなる混合物が挙げられる。
【0010】不飽和二塩基酸としては無水マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が使用される。
グリコールとしてはエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-
ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフ
ェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物、ネオペンチルグリコール等が使用される。
【0011】飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、オ
ルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、コハク酸、テトラクロロフタル酸、ヘット酸等が使
用される。
【0012】重合性単量体としては、スチレン、ジクロ
ロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、フタル酸ジアリル等が使用されるが、スチレン
が好ましく使用される。
【0013】通常、不飽和ポリエステル樹脂に含まれる
重合性単量体の量は、20〜60重量%である。また、
低収縮化のための熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポ
リスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレン、ポリε−カプロラクトン、飽和ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチ
レン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン−ポリ酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−酢ビ共重合体、塩ビ−酢ビ共
重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等が使用
される。
【0014】本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成
物は、上記必須成分の他に、通常、硬化剤、離型剤、増
粘剤、顔料等を含有する。硬化剤としては、ターシャリ
ーブチルパーオキシイソブチレート、ターシャリーブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ターシャリー
アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、2,4,
4−トリメチルペンチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、タ
ーシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリ
ーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ターシ
ャリーブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサ
ノエート、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が
使用される。
【0015】離型剤としてはステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム等が使用される。増粘剤としては、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化亜鉛等が使用される。
【0016】本発明において使用される1価の脂肪族ア
ルコールは、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素の1つ
の水素が水酸基で置換されている化合物であり、融点4
0〜100℃のものである。好ましくは、炭素数10〜
26の脂肪族炭化水素の末端炭素に結合した水素を水酸
基で置換した化合物で融点40〜100℃のものが用い
られる。具体例としては、セチルアルコール、ステアリ
ルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0017】1価の脂肪族アルコールの融点は40〜1
00℃である。好ましくは50〜80℃である。40℃
より低いと成形前の材料の取扱い性が低下し、また、1
00℃より高いと成形加工時の流動性が低下する。
【0018】1価の脂肪族アルコールの添加量は、不飽
和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.1〜1
0重量部である。好ましくは、0.5〜7重量部であ
る。0.1重量部より少ないと、成形加工時の流動性が
低下する。また、10重量部より多いと、成形前の材料
の取扱い性が低下する。
【0019】本発明において使用されるソルビタン脂肪
酸エステルは、6価のアルコールであるソルビット(分
子式C6 146 )を脂肪酸でエステル化したもので、
融点40〜100℃のものである。好ましくは、炭素数
8〜26の脂肪酸でエステル化したもので、融点40〜
100℃のものが用いられる。具体例としてはソルビタ
ンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタン
トリステアレート、ソルビタントリベヘネート等が挙げ
られる。
【0020】本発明において使用されるグリセリン脂肪
酸エステルは、3価のアルコールであるグリセリンを脂
肪酸でエステル化したもので、融点40〜100℃のも
のである。好ましくは、炭素数8〜26の脂肪酸でエス
テル化したものが用いられる。具体例としては、グリセ
リンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、
グリセリンモノオレート、グリセリンモノベヘレート、
グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセ
リンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリ
セリンモノ・ジパルミテート、グリセリンモノ・ジステ
アレート、グリセリンジ・トリステアレート、グリセリ
ンモノ・ジオレート、グリセリンモノ・ジベヘネート、
グリセリンモノ・ジ12−ヒドロキシステアレート等が
挙げられる。
【0021】ソルビタン脂肪酸エステルまたはグリセリ
ン脂肪酸エステルの融点は40〜100℃である。好ま
しくは50〜80℃である。40℃より低いと成形前の
材料の取扱い性が低下し、また、100℃より高いと成
形加工時の流動性が低下する。
【0022】ソルビタン脂肪酸エステルまたはグリセリ
ン脂肪酸エステルの添加量は、不飽和ポリエステル樹脂
100重量部に対して、0.1〜10重量部である。
0.1重量部より少ないと、成形加工時の流動性が低下
する。また10重量部より多いと、成形前の取扱い性が
低下する。
【0023】本発明において使用される無機充填材微細
粒子としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
硫酸カルシウム、ガラス粉末、タルク、マイカ等が挙げ
られる。無機充填材微細粒子の粒径は、0.1〜100
μmである。好ましくは、0.5〜60μmである。粒
径が小さすぎると、組成物粘度が大きくなり、強化繊維
に十分含浸せず、材料内部にエアーを混入しやすくな
り、成形品に巣が入りやすい。一方、粒径が大きすぎる
と、粒子の比表面積が小さくなることにより、脂肪酸ア
ミド及び一価の脂肪族アルコールまたは高級アルコール
高級脂肪酸エステルの効果が発揮されにくくなり、流動
性が低下する。
【0024】添加量は、単独使用であっても、併用使用
であっても不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、50〜350重量部の範囲である。好ましくは、6
0〜300重量部の範囲である。添加量が少ないと、成
形前の材料の取扱い性が低下する。また、添加量が多い
と、粘度が大幅に上昇し、成形加工時の流動性が低下す
るとともに、強化繊維に対する含浸性が低下し、材料内
部にエアーを混入しやすくなり、成形品に巣が入りやす
い。
【0025】なお、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部とは、不飽和ポリエステル重合体成分と、重合性単量
体、及び、必要により添加される低収縮化のための熱可
塑性樹脂とを合計した量である。
【0026】本発明において使用される強化繊維として
は、ガラス繊維、炭素繊維、石綿繊維、ホイスカー、有
機合成繊維、天然繊維等が挙げられる。好ましくは、物
性、価格面でガラス繊維が用いられる。一定長さ、また
は連続した繊維をそのまま使用する場合の他に、マット
状やクロス状のものも使用される。たとえばガラス繊維
の場合、ストランドを一定長さに切断したチョップドス
トランド、またはチョップドストランドをバインダーで
接着しマット状にしたチョップドストランドマット等が
使用される。一定長さの繊維の長さは、通常、1〜80
mmのものが使用される。1mmより短いと補強効果がな
く、80mmより長いと、粘度が上昇して成形性が悪くな
る。また、不飽和ポリエステル樹脂組成物中の繊維の方
向性は、ランダムにしたものの他に、一方向に並べたも
の、X字状に並べたもの等が使用される。
【0027】また、強化繊維の量は、強化繊維を含む不
飽和ポリエステル樹脂組成物全体に対して2〜40重量
%の範囲で混合される。好ましくは、3〜35重量%の
範囲である。2重量%より少ないと材料の取扱い性が低
下するとともに、補強効果がなく成形品が割れ、曲がり
を生じやすい。40重量%より多いと、粘度が上昇して
流動性が悪くなる。
【0028】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は
目的に応じて、シート状及びバルク状に形成される。熟
成は、通常、半日〜2日間、30℃〜50℃の温度条件
下に材料を置くことによりなされる。
【0029】シート状成形材料は、SMCまたは、TM
Cと呼ばれ、公知の機械を用いて形成される。たとえ
ば、ポリエチレンフィルム等の離型シート上に、ドクタ
ーブレードを用いて、均一な厚みに不飽和ポリエステル
樹脂組成物を塗布し、その面に強化繊維を散布した後、
同様に作製した離型シートに塗布された不飽和ポリエス
テル樹脂組成物で強化繊維をサンドイッチし、ロールを
用いて含浸させながらシート状にすることができる。ま
た、バルク状成形材料は、BMCと呼ばれ、ニーダー等
の混合機で形成される。
【0030】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を圧縮成形
し成形体を得る製造方法である。不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、60〜120℃に加熱された金型内に必要
量投入され、圧縮成形される。好ましくは70〜120
℃、より好ましくは80〜110℃である。60℃より
低いと、成形加工時の流動性が低下したり、成形時間が
大幅に増大する。また、120℃より高いと、成形加工
時にボイドを巻き込み易くなり、成形品の表面性が低下
したり、黄色に着色し易い。また、低コストの型を使う
ことができない。
【0031】圧縮成形は成形圧力2〜30kg/cm2でなさ
れる。好ましくは、5〜20kg/cm2である。2kg/cm2
り小さくなると、流動性が低下するため、目的とする成
形品が得難く、また、ボイドを押出したり、小さくする
ことができなくなり、表面性、物性が大きく低下する。
また、30kg/cm2より大きいと、型内での材料の流動速
度が増大するため、本発明の組成物の有効性が低下す
る。また、前記した設備投資負担を低減することができ
ない。
【0032】請求項1に記載の発明における好ましい例
としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、融点50〜80℃の1価の脂肪族アルコールを0.
5〜7重量部、融点50〜80℃のソルビタン脂肪酸エ
ステルまたはグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜10
重量部、無機充填材微細粒子として、平均粒径0.5〜
20μmの炭酸カルシウム60〜300重量部、また
は、平均粒径0.5〜30μmの水酸化アルミニウム6
0〜300重量部、または平均粒径0.5〜20μmの
ガラス粉末60〜300重量部を加える。
【0033】上記充填材を併用使用する場合は、合計重
量部が60〜300重量部となるようにする。これらの
組成からなる不飽和ポリエステル組成物に、硬化剤とし
て有機過酸化物0.2〜3.0重量部、離型剤としてス
テアリン酸亜鉛2〜10重量部、増粘剤として酸化マグ
ネシウムまたは水酸化マグネシウム0.2〜3重量部を
混合し、SMCあるいはBMC製造装置を用いて、強化
繊維を組成物全体量に対し、3〜35重量%の範囲とな
るように添加する。
【0034】請求項2に記載の発明における好ましい例
としては、上記の請求項1における好ましい例で示した
材料を用いて、80〜110℃に加熱した金型内に材料
を置いて、金型を閉じ、圧力5〜20Kg/cm2で圧縮成形
する。
【0035】
【作用】請求項1に記載の発明の不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、融点40〜100℃の1価の脂肪族アルコ
ール、及び融点40〜100℃のソルビタン脂肪酸エス
テルもしくはグリセリン脂肪酸エステルを所定量含有し
ている。これらの化合物を含有することにより、これら
の化合物が加熱成形時に溶融し分散して、無機材−樹脂
界面の「ぬれ性」を高めたり、組成物と成形型との「す
べり性」を良くしたりすることにより、成形前の取り扱
い性を低下させずに、低温低圧成形時の流動性を大幅に
増大させることができるものと推察される。
【0036】また1価の脂肪族アルコールと、ソルビタ
ン脂肪酸エステルもしくはグリセリン脂肪酸エステルと
を併用することにより、上記作用効果が飛躍的に上昇す
るものと考えられる。これらの化合物はそれぞれが完全
に同一の効果を発揮するものではなく、例えば1価の脂
肪族アルコールは無機材−樹脂界面のぬれ性に特に効果
を発揮し、ソルビタン脂肪酸エステルもしくはグリセリ
ン脂肪酸エステルは組成物と成形型とのすべり性に特に
効果を発揮するというように、互いに主たる作用効果が
異なり、成形品全体としてその併用効果があらわれるも
のと思われる。
【0037】また型内の材料に対し圧力がかかり易くな
るため、加熱成形時にエアーを効率的に押し出して流動
し、巣、ピンホールのない成形品を得ることができるも
のと考えられる。
【0038】さらに請求項1に記載の発明の不飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、成形品に着色がなく、特に外観
が重要視される製品にも適用することができる。請求項
2に記載の発明の製造方法によれば、低温、低圧で流動
性に優れた不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いること
により、低温、低圧での圧縮成形が可能となり、低コス
トで外観特性に優れた成形品を容易に得ることができ
る。
【0039】
【実施例】フマル酸、イソフタル酸、プロピレングリコ
ールからなる不飽和ポリエステルと、ポリスチレンとを
スチレン単量体に溶解した不飽和ポリエステル樹脂10
0重量部(スチレン含量48重量%)に対して、表1に
示す1価の脂肪族アルコール、ソルビタン脂肪酸エステ
ルまたはグリセリン脂肪酸エステルを、表2に示すよう
に、単独で使用する場合には5重量部、併用して使用す
る場合には2.5重量部ずつ加えた。さらに平均粒径2
μmの炭酸カルシウム140重量部、酸化マグネシウム
0.7重量部(但し、比較例1及び3は表2に示す通
り)、有機過酸化物1重量部、ハイドロキノン0.03
重量部、ステアリン酸亜鉛5重量部を混合した。この混
合物を、25mmのガラスチョップドストランドに含浸
し、ポリエチレンフィルムで覆ってSMCとした。ガラ
ス繊維含有量は20重量%となるようにした。得られた
SMCを40℃で1日熟成した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】スパイラル流動評価 以上のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜
9のSMCのスパイラル流動性を、図1に示すようなス
パイラル流動金型を用いて評価した。
【0043】図1(a)はスパイラル流動金型の断面を
示しており、図1(b)は上方から見たスパイラル流動
金型の下型の平面形状を示している。図1(a)及び
(b)に示すように、スパイラル流動金型の下型1の中
央の孔には、プランジャー3が嵌め入れられている。プ
ランジャー3は上方に上昇加圧するように設けられてい
る。プランジャー3の上方にはサンプル置き部1bが形
成されている。図1(b)に示すように、サンプル置き
部1bから連続して螺旋状に外側に向かって延びる溝1
aが下型1に形成されている。上型2は、下型1のサン
プル置き部1b及び溝1aを覆うように載せられる。
【0044】実施例1〜4及び比較例1〜9のSMCサ
ンプルを、図1に示すスパイラル流動金型の下型1のサ
ンプル置き部1bの上に300g置き、その後上型2を
下型1の上に載せ、上型2及び下型1ともに温度90℃
に設定し、プランジャー3を上方に上昇させて、面圧6
0kg/cm2 で加圧した。10分間加圧した後、上型
2を下型1から外して開放し、サンプルを取り出した。
螺旋状の溝1aに沿ってサンプルが延びスパイラル状に
なった部分の長さを測定し、スパイラル流動長とした。
【0045】図2は、実施例1〜4及び比較例1〜9の
スパイラル流動長を示す図である。図2において、横軸
は押し込み長さである。この押し込み長さは、押し込み
長さ試験機(武田薬品社製)を用い、基本荷重10kg
で10秒間前押しを行った後、基本荷重10kgで30
秒間の間にサンプルがへこんだ長さを測定したものであ
る。
【0046】図2において、●は比較例1〜3を示して
いる。この比較例1〜3を通る曲線を基準曲線とし、こ
の曲線で表されるスパイラル流動長を基準とし、各サン
プルのスパイラル流動長比(=各サンプルのスパイラル
流動長/同じ押し込み長さの基準スパイラル流動長)を
算出した。得られたスパイラル流動長比を表3に示す。
【0047】簡易バス型による評価 実施例1〜4及び比較例1〜9の各SMCサンプルを、
簡易バス型(500×500×300mm)を用いて評
価した。金型温度は90℃とし、成形圧力は面圧で5k
g/cm2 とした。成形時の流動性については以下の基
準で評価した。 ○:金型の所定部分全面にサンプルが流動、チャージさ
れた。 ×:金型の一部分にサンプルがチャージされない部分が
存在した。
【0048】また簡易バス型を用いて成形した成形品の
表面性を目視で評価した。これらの結果を表3に示す。
またSMCの取り扱い性についても表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】表3に示す結果から明らかなように、本発
明に従う実施例1〜4の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、成形前の取り扱い性に優れ、かつ流動性に優れてお
り、低温、低圧においても良好な成形性及び外観特性を
示すものである。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の不飽和ポリエス
テル樹脂組成物は、1価の脂肪族アルコールと、ソルビ
タン脂肪酸エステルもしくはグリセリン脂肪酸エステル
とを所定量含有しており、これらを併用することによ
り、成形前の取り扱い性を低下させずに、低温、低圧で
の成形時の流動性を大幅に向上させ、低温低圧成形にお
いても、従来の高温高圧成形品と大差のない成形品を得
ることができる。従って、圧縮成形における多品種化、
大型化にも、低コストで対応することが可能となる。
【0052】請求項2に記載の製造方法に従えば、請求
項1に記載の発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を、
低温低圧成形することにより、従来の高温高圧成形品と
同等の外観特性等において優れた成形品を低コストで成
形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例において用いたスパイラル
流動金型を示す断面図(a)及び平面図(b)。
【図2】本発明に従う実施例のスパイラル流動長を示す
図。
【符号の説明】
1…下型 1a…溝 1b…サンプル置き部 2…上型 3…プランジャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/103 KJV C08K 5/103 KJV 7/14 KKF 7/14 KKF // B29K 67:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に
    対して、融点40〜100℃の1価の脂肪族アルコー
    ル、及び融点40〜100℃のソルビタン脂肪酸エステ
    ルもしくはグリセリン脂肪酸エステルを、それぞれ0.
    1〜10重量部と、無機充填材微細粒子を50〜350
    重量部含有する組成物に、強化繊維を加えて強化繊維含
    有量2〜40重量%としたことを特徴とする不飽和ポリ
    エステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹
    脂組成物を成形温度60℃〜120℃、成形圧力2〜3
    0kg/cm2で圧縮成形することを特徴とする不飽和ポリエ
    ステル樹脂成形体の製造方法。
JP2263795A 1995-02-10 1995-02-10 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法 Pending JPH08217967A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2263795A JPH08217967A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2263795A JPH08217967A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08217967A true JPH08217967A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12088359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2263795A Pending JPH08217967A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08217967A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509234A (ja) * 2004-08-06 2008-03-27 ペアガベ・インドゥストリアル・ソシエダッド/アノニマ Phbおよびその共重合体の物理機械的性質および加工性を改善するための可塑剤としての脂肪アルコールの使用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509234A (ja) * 2004-08-06 2008-03-27 ペアガベ・インドゥストリアル・ソシエダッド/アノニマ Phbおよびその共重合体の物理機械的性質および加工性を改善するための可塑剤としての脂肪アルコールの使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09302009A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
KR19990007951A (ko) 불포화 폴리에스테르수지 조성물 및 시트상 성형재료
JP4245751B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂及び成形材料用組成物
JPH08217967A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JP3435425B2 (ja) 繊維強化樹脂組成物及び繊維強化樹脂成形体の製造方法
JP3435424B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JP2002212408A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPH1095909A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH08231839A (ja) 熱硬化性樹脂成形体の製造方法
JP2859070B2 (ja) 浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP3259918B2 (ja) メタクリル樹脂プリミックスおよびアクリル人工大理石の製造方法
JPH10237289A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPH09118816A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形材料の製造方法
JPH0841307A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH09124915A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH08120168A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH0940788A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JP2001115000A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JPH09194544A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH0957774A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPH107895A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH10152608A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH09123294A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH10182959A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JPH08151511A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形体の製造方法