JPH0940788A - 不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法

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JPH0940788A
JPH0940788A JP19340295A JP19340295A JPH0940788A JP H0940788 A JPH0940788 A JP H0940788A JP 19340295 A JP19340295 A JP 19340295A JP 19340295 A JP19340295 A JP 19340295A JP H0940788 A JPH0940788 A JP H0940788A
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JP
Japan
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weight
unsaturated polyester
polyester resin
parts
molding
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JP19340295A
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English (en)
Inventor
Koji Matsumoto
晃治 松本
Makoto Yamaguchi
真 山口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性に優れ、かつ低温、低圧でも、流動性
に優れ、良好な外観特性を示す成形品を得る。 【解決手段】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に
対して、無機充填剤50〜350重量部を加え、さらに
融点80〜150℃の脂肪酸アミドと、融点40〜10
0℃の一価の脂肪族アルコールまたは融点40〜120
℃の高級アルコールの高級脂肪酸エステルとを併用して
合計で0.1〜20重量部加えた不飽和ポリエステル樹
脂組成物を金型内にチャージした後、加熱下で成形圧力
2〜30kg/cm2 で振動を加えながら圧縮成形する
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を圧縮成形する不飽和ポリエステル樹脂成
形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に例えば、充填
剤、硬化剤、離型剤、顔料、増粘剤、等を加えた樹脂組
成物をガラス繊維等の強化用繊維物質に含浸し、シート
状あるいはバルク状に形成した不飽和ポリエステル樹脂
成形材料は、シートモールディング・コンパウンド(S
MC)、バルクモールディング・コンパウンド(BM
C)などと呼ばれ、主に圧縮成形されて、住宅設備、工
業部品、自動車部品等に広く用いられている。
【0003】これらの成形材料は、加熱下、圧縮成形さ
れることが多い。しかし、圧縮成形法において、適用製
品を拡大(大型化、多品種化)しようとすると、大型成
形機の確保、高額な金型投資等の費用負担が非常に大き
くなるという問題を生じる。従来の圧縮成形法では、圧
縮成形温度は120〜160℃、圧縮成形圧力は60〜
100kg/cm2の高圧で成形されているが、より低温、低
圧で圧縮成形できれば、上記費用負担が低減される。
【0004】しかし、低温、低圧で圧縮成形しようとす
ると、欠肉したり、巣、ピンホールが成形品表面に生じ
易いという欠点が生じる。巣、ピンホールは、外観が悪
い上に力学特性、耐久性にも悪影響を及ぼす。これらの
不具合を低減するために、材料技術の工夫がなされてき
ている。
【0005】特公昭60ー16471号公報では、低圧
での流動性を得るために、増粘剤として、水酸化カルシ
ウムを用いることにより、増粘度を下げ、成形材料の粘
度を低くする試みがなされている。
【0006】また、特開平3−24919号公報におい
ては、SMCを圧縮成形する際、振動をかけながら圧縮
成形する方法が開示されている。このように振動をかけ
ながら圧縮成形することにより、成形体中に残る気泡等
を迅速に除去することができ、表面性や物性面で優れた
SMC成形体が得られるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、増粘剤
として水酸化カルシウムを用いる上記方法では、材料の
べたつきがあるため、成形材料を被うポリエチレンフィ
ルム等の離型フィルムの剥離性や、カッティング等の作
業性が低下する欠点があった。また巣・ピンホールが成
形品表面に生じ易いという欠点もあった。
【0008】また、振動をかけながら圧縮成形する上記
方法は、従来の高温(100〜200℃)、高圧(50
〜100kg/cm2 )で成形する方法であり、この方
法を低温低圧での圧縮成形にそのまま適用することはで
きなかった。
【0009】本発明の目的は、作業性に優れ、かつ低
温、低圧でも、流動性に優れた、良好な外観特性を有す
る成形品を容易に得ることができる不飽和ポリエステル
樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、不
飽和ポリエステル100重量部に対して、無機充填剤5
0〜350重量部を加え、さらに80〜150℃の脂肪
酸アミドと、融点40〜100℃の一価の脂肪族アルコ
ールまたは融点40〜120℃の高級アルコールの高級
脂肪酸エステルとを併用して合計で0.1〜20重量部
加えた不飽和ポリエステル樹脂組成物を金型内にチャー
ジした後、加熱下、振動を加えながら成形圧力2〜30
kg/cm2 で圧縮成形することを特徴としている。
【0011】本発明の製造方法に従えば、低温、低圧下
での圧縮成形においても、良好な外観特性、及び物性を
有する成形品を容易に得ることができる。本発明に用い
られる不飽和ポリエステル樹脂組成物は、必須成分とし
て、上記のような所定の融点を有する、脂肪酸アミド、
一価の脂肪族アルコールまたは高級アルコールの高級脂
肪酸エステルを所定量加え、無機充填剤微細粒子、強化
繊維を加え、他の成分として、通常、硬化剤、離型剤、
増粘剤、顔料等を加えたものであり、ポリエチレンフィ
ルム等の離型フィルムで覆って、熟成、増粘し、半固体
状にしたものである。この不飽和ポリエステル樹脂組成
物は、目的に応じて、シート状及びバルク状に形成され
る。熟成は、通常、半日〜2日、30〜50℃の温度条
件下に材料を置くことによりなされる。
【0012】本発明において、脂肪酸アミドと、一価の
脂肪族アルコールまたは高級アルコールの高級脂肪酸エ
ステルとを併用した合計の添加量は、不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部であ
る。好ましくは、0.5〜15重量部である。0.1重
量部より少ないと、成形加工時の流動性が低下する。ま
た、20重量部より多いと、成形品表面に、巣・ピンホ
ールが発生しやすい。
【0013】本発明において使用される脂肪酸アミド
は、アンモニア、あるいは、アミノ化合物と脂肪酸とか
ら誘導され、融点80〜150℃のものである。脂肪酸
は、好ましくは、炭素数10〜36の脂肪族炭化水素の
末端炭素に結合した水素をカルボキシル基で置換した化
合物が用いられ、脂肪族炭化水素として、飽和炭化水
素、不飽和炭化水素いずれでも良く、また、分岐状、直
鎖状いずれでも良いが、好ましくは、直鎖状の飽和炭化
水素が用いられる。
【0014】具体例としては、ステアリン酸アミド、ベ
ヘニン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、エチレ
ンビスエルカ酸アミド、等が用いられる。これらは、単
独で用いられる場合の他に、併用して用いることもでき
る。
【0015】脂肪酸アミドの融点は80℃〜150℃で
ある。好ましくは90℃〜145℃である。80℃より
低いと成形前の材料の取扱い性が低下し、また、150
℃より高いと成形加工時の流動性が低下する。
【0016】脂肪酸アミドの添加量は、不飽和ポリエス
テル樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部
が好ましい。さらに好ましくは、0.2〜8重量部であ
る。0.05重量部より少ないと、成形加工時の流動性
低下の傾向がある。また、10重量部より多いと、成形
品表面に、巣・ピンホールが発生しやすい。
【0017】本発明において使用される一価の脂肪族ア
ルコールは、飽和または、不飽和の脂肪族炭化水素の1
つの水素が水酸基で置換されている化合物であり、融点
40〜100℃のものである。好ましくは、炭素数10
〜26の脂肪族炭化水素の末端炭素に結合した水素を水
酸基で置換した化合物で、融点40〜100℃のものが
用いられる。
【0018】具体例としては、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ
る。これらは、単独で用いられる場合の他に、併用して
用いることもできる。
【0019】一価の脂肪族アルコールの融点は40℃〜
100℃である。好ましくは50℃〜80℃である。4
0℃より低いと成形前の材料の取扱い性が低下し、ま
た、100℃より高いと成形加工時の流動性が低下す
る。
【0020】一価の脂肪族アルコールの添加量は、不飽
和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.05〜
10重量部が好ましい。さらに好ましくは、0.2〜8
重量部である。0.05重量部より少ないと、成形加工
時の流動性が低下する。また、10重量部より多いと、
成形品に巣・ピンホールが発生し易くなる。
【0021】本発明において使用される高級アルコール
の高級脂肪酸エステルとは、高級アルコールと高級脂肪
酸をエステル化したものである。ここで高級アルコール
とは、炭素数10〜36程度の脂肪族炭化水素の末端炭
素に結合した水素を水酸基で置換した化合物であり、脂
肪族炭化水素としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素
いずれでも良く、また、分岐状、直鎖状いずれでも良い
が、好ましくは、直鎖状の飽和炭化水素が用いられる。
【0022】また、高級脂肪酸とは、炭素数10〜36
程度の脂肪族炭化水素の末端炭素に結合した水素をカル
ボキシル基で置換した化合物であり、脂肪族炭化水素と
して、飽和炭化水素、不飽和炭化水素いずれでも良く、
また、分岐状、直鎖状いずれでも良いが、好ましくは、
直鎖状の飽和炭化水素が用いられる。
【0023】通常、高級アルコール、高級脂肪酸とも一
価の化合物であり、これらを構成成分とするモノエステ
ル化合物が用いられる。具体例としては、ステアリルス
テアレート、ベヘニルベヘネート、セチルミリステート
等が挙げられる。これらは、単独で用いられる場合の他
に、併用して用いることもできる。
【0024】高級アルコールの高級脂肪酸エステルの融
点は40℃〜120℃である。好ましくは50℃〜10
0℃である。40℃より低いと成形前の材料の取扱い性
が低下し、また、120℃より高いと成形加工時の流動
性が低下する。
【0025】高級アルコールの高級脂肪酸エステルの添
加量は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、0.05〜10重量部が好ましい。さらに好ましく
は、0.2〜8重量部である。0.05重量部より少な
いと、成形加工時の流動性低下の傾向がある。また、1
0重量部より多いと、成形品に巣・ピンホールが発生し
易くなる。
【0026】本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹
脂としては、不飽和二塩基酸とグリコールと必要に応じ
て飽和二塩基酸とを重縮合せしめた不飽和ポリエステル
と、重合性単量体及び、必要により添加される低収縮化
のための熱可塑性樹脂からなる混合物が挙げられる。
【0027】不飽和二塩基酸としては無水マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が使用される。
グリコールとしてはエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-
ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフ
ェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物、ネオペンチルグリコール等が使用される。
【0028】飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、オ
ルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、コハク酸、テトラクロロフタル酸、ヘット酸等が使
用される。
【0029】重合性単量体としては、スチレン、ジクロ
ロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、フタル酸ジアリル等が使用されるが、スチレン
が好ましく使用される。
【0030】通常、不飽和ポリエステル樹脂に含まれる
重合性単量体の量は、20〜60重量%である。また、
低収縮化のための熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポ
リスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレン、ポリε−カプロラクトン、飽和ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチ
レン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン−ポリ酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−酢ビ共重合体、塩ビ−酢ビ共
重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等が使用
される。
【0031】本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成
物は、上記必須成分の他に、通常、硬化剤、離型剤、増
粘剤、顔料等を含有する。硬化剤としては、ターシャリ
ーブチルパーオキシイソブチレート、ターシャリーブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ターシャリー
アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、2,4,
4−トリメチルペンチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、タ
ーシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリ
ーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ターシ
ャリーブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサ
ノエート、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が
使用される。
【0032】離型剤としてはステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム等が使用される。増粘剤としては、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化亜鉛等が使用される。
【0033】本発明において使用される無機充填剤とし
ては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カル
シウム、ガラス粉末、タルク、マイカ等が挙げられる。
無機充填剤の粒径は、0.1〜100μmである。好ま
しくは、0.5〜60μmである。粒径が小さすぎる
と、組成物粘度が大きくなり、強化繊維に十分含浸せ
ず、材料内部にエアーを混入しやすくなり、成形品に巣
が入りやすい。一方、粒径が大きすぎると、粒子の比表
面積が小さくなることにより、脂肪酸アミド及び一価の
脂肪族アルコールまたは高級アルコールの高級脂肪酸エ
ステルの効果が発揮されにくくなり、流動性が低下す
る。
【0034】添加量は、単独使用であっても、併用使用
であっても不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、50〜350重量部の範囲である。好ましくは、6
0〜300重量部の範囲である。添加量が少ないと、成
形前の材料の取扱い性が低下する。また、添加量が多い
と、粘度が大幅に上昇し、成形加工時の流動性が低下す
るとともに、強化繊維に対する含浸性が低下し、材料内
部にエアーを混入しやすくなり、成形品に巣が入りやす
い。
【0035】なお、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部とは、不飽和ポリエステル重合体成分と、重合性単量
体、及び、必要により添加される低収縮化のための熱可
塑性樹脂とを合計した量である。
【0036】本発明において必要により添加使用される
強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、石綿繊維、
ホイスカー、有機合成繊維、天然繊維等が挙げられる。
好ましくは、物性、価格面でガラス繊維が用いられる。
一定長さ、または連続した繊維をそのまま使用する場合
の他に、マット状やクロス状のものも使用される。たと
えばガラス繊維の場合、ストランドを一定長さに切断し
たチョップドストランド、またはチョップドストランド
をバインダーで接着しマット状にしたチョップドストラ
ンドマット等が使用される。一定長さの繊維の長さは、
通常、1〜80mmのものが使用される。1mmより短いと
補強効果が少なく、80mmより長いと、粘度が上昇して
成形性が悪くなる。また、不飽和ポリエステル樹脂組成
物中の繊維の方向性は、ランダムにしたものの他に、一
方向に並べたもの、X字状に並べたもの等が使用され
る。
【0037】また、強化繊維の量は、強化繊維を含む不
飽和ポリエステル樹脂組成物全体に対して通常2〜40
重量%の範囲で混合される。より好ましくは、3〜35
重量%の範囲である。2重量%より少ないと材料の取扱
い性が低下するとともに、補強効果がなく成形品が割
れ、曲がりを生じやすい。40重量%より多いと、粘度
が上昇して流動性が悪くなる。
【0038】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は
目的に応じて、シート状及びバルク状に形成される。熟
成は、通常、半日〜2日間、30℃〜50℃の温度条件
下に材料を置くことによりなされる。
【0039】強化繊維が分散されたシート状成形材料
は、SMCまたは、TMCと呼ばれ、公知の機械を用い
て形成される。たとえば、ポリエチレンフィルム等の離
型シート上に、ドクターブレードを用いて、均一な厚み
に不飽和ポリエステル樹脂組成物を塗布し、その面に強
化繊維を散布した後、同様に作製した離型シートに塗布
された不飽和ポリエステル樹脂組成物で強化繊維をサン
ドイッチし、ロールを用いて含浸させながらシート状に
することができる。
【0040】また、強化繊維が分散されたバルク状成形
材料は、BMCと呼ばれ、ニーダー等の混合機で形成さ
れる。本発明においては、上記不飽和ポリエステル樹脂
組成物を加熱下、金型内に必要量投入し、振動を加えな
がら、2〜30kg/cm2 の成形圧力で圧縮成形す
る。
【0041】成形温度は、好ましくは60〜120℃で
ある。さらに好ましくは、80〜110℃である。60
℃より低いと、成形加工時の流動性が低下したり、成形
時間が大幅に増大する。また120℃より高いと、成形
加工時にボイドを巻き込み易くなり、成形品の表面性が
低下したり、黄色に着色し易い。また、低コストの型を
使うことができない。
【0042】成形圧力は2〜30kg/cm2 で圧縮成
形される。好ましくは、2.5〜20kg/cm2 であ
る。2kg/cm2 より小さくなると流動性がかなり低
下するため、目的とする成形品が得難く、またボイドを
押し出したり、小さくすることができなくなり、表面
性、物性が大きく低下する。また30kg/cm2 より
大きいと、型内での材料の流動速度が増大するため、本
発明の組成物の有効性が低下する。また、設備投資負担
を低減することができない。
【0043】金型に振動を加える時間は、通常、不飽和
ポリエステル樹脂組成物や、SMCやBMCを雌型、及
び雄型のうちいずれか一方の型に配置後、他方の型が、
成形材料に接触した瞬間から、成形材料の流動性がなく
なるまでの間である。成形材料の流動性がなくなってか
ら金型に振動を加えても振動による高流動化及び表面性
の向上効果がない。
【0044】振動特性として好ましくは、振動周波数が
20〜5000Hzで、振幅が2〜60μmであるが、
振動の効果及び型の耐久性とバランス上、振動周波数が
500〜3000Hzで振幅が5〜30μmがより好ま
しい。
【0045】振動の方向は、垂直、水平、3次元振動の
いずれの振動でも良いが、3次元形状を有する成形体を
得るには、3次元振動が適当である。振動の発生方法と
はして、カム・クランク式、アンバランスウェイト式等
の機械的方式、動電型加振機などの電磁型の電気的方
式、電気油圧方式等を用いることができる。
【0046】
【作用】本発明の製造方法では、脂肪酸アミドに一価の
脂肪族アルコールあるいは高級アルコールの高級脂肪酸
エステルを併用して添加した不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いている。これらの添加剤は、成形条件近傍で
溶融し、分散して、無機剤−樹脂界面の“ぬれ”を高め
たり、組成物と成形型との“すべり”を良好にし、低温
(例えば、60〜120℃)、低圧(例えば、2〜30
kg/cm2 )における金型内の材料の流動性を向上さ
せる。さらに、本発明においては、このような不飽和ポ
リエステル樹脂組成物に対し振動を加えながら圧縮成形
している。これにより、溶融した上記添加剤がさらに流
動し易くなり、より“ぬれ”や“すべり”の効果を高
め、金型内の材料の流動性が大幅に向上する。従って、
本発明によれば、これらの流動化のための添加剤を用
い、さらに振動圧縮成形することにより、より低温、低
圧下でも、巣、ピンホールがなく、表面性が良好な製品
を得ることができる。
【0047】特に、不飽和ポリエステル樹脂組成物中に
強化繊維を含有せしめた場合は、力学特性に優れ、巣、
ピンホールがなく、表面性の良好な成形体が、低温低圧
条件で得ることができる。
【0048】
【実施例】実施例1 〔SMCの調製〕フマル酸、イソフタル酸、プロピレン
グリコールからなる不飽和ポリエステル樹脂と、ポリス
チレンとをスチレン単量体に溶解した不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部(スチレン含有量48重量%)に対
して、平均粒径2μmの炭酸カルシウムを140重量
部、酸化マグネシウム0.7重量部、有機過酸化物1重
量部、ハイドロキノン0.03重量部、ステアリン酸亜
鉛5重量部を混合した組成物に、流動化のための添加剤
として、ステアリン酸アミド2.5重量部、セチルアル
コール2.5重量部を加え、25mmのガラスチョップ
ドストランドに含浸し、ポリエチレンフィルムで覆って
SMCとした。ガラス繊維含有量は20重量%となるよ
うにした。
【0049】〔簡易バス型による成形性評価〕上記SM
Cサンプルを、簡易バス型(500×500×300m
m)を用いて振動を加えながら圧縮成形し評価した。
【0050】振動については、300トン振動プレス機
(アサヒエンジニアリング社製)を用いて、成形圧力5
kg/cm2 で圧縮成形した。振動は、材料が金型に接
触してから開始し、60秒間行った(振動数1000H
z,振幅20μm)。加圧時間は7分間とした。金型温
度は雄型及び雌型ともに90℃とした。
【0051】以上のように簡易バス型で成形して得られ
た成形体について、成形体の成形性及び表面観察を行っ
た。成形体の成形性については、以下の基準で評価し
た。
【0052】○:金型内にほぼ100%充填された。 △:金型内の充填割合は80〜100%であった。 ×:金型内の充填割合は80%未満であった。 表面観察については、成形体表面に巣、ピンホールが認
められるか否かで評価した。
【0053】実施例2 流動化のための添加剤として、ステアリン酸アミド、セ
チルアルコールの代わりに、ステアリン酸アミド2.5
重量部、ベヘニルベヘネート2.5重量部を加えたこと
以外は、上記実施例1と同様にしてSMCを作製し、成
形性を評価した。
【0054】比較例1〜3 流動化のための添加剤を加えず、増粘剤としての酸化マ
グネシウムを0.6重量部(比較例1)、0.7重量部
(比較例2)、0.8重量部(比較例3)加えたこと以
外は、上記実施例1と同様にしてSMCを作製し、圧縮
成形時に振動を与えなかったこと以外は、実施例と同様
にして成形性を評価した。
【0055】比較例4 実施例1と同じSMCを用い、圧縮成形時に振動を与え
なかったこと以外は、上記実施例1と同様にして成形性
の評価をした。
【0056】比較例5 流動化のための添加剤として加えるステアリン酸アミド
を0.025重量部、セチルアルコールを0.025重
量部としたこと以外は、上記実施例1と同様にしてSM
Cを作製し、成形性の評価をした。
【0057】比較例6 流動化のための添加剤として加えるステアリン酸アミド
を15重量部、セチルアルコールを15重量部としたこ
と以外は、上記実施例1と同様にしてSMCを作製し、
成形性の評価をした。
【0058】比較例7 流動化のための添加剤としてステアリン酸アミド、セチ
ルアルコールの代わりに、ステアリン酸アミド5重量部
を加えたこと以外は、上記実施例1と同様にしてSMC
を作製し、成形性の評価をした。
【0059】比較例8 流動化のための添加剤としてステアリン酸アミド、セチ
ルアルコールの代わりに、セチルアルコール5重量部を
加えたこと以外は、上記実施例1と同様にしてSMCを
作製し、成形性の評価をした。
【0060】比較例9 流動化のための添加剤としてステアリン酸アミド、セチ
ルアルコールの代わりに、ベベニルベヘネート5重量部
を加えたこと以外は、上記実施例1と同様にしてSMC
を作製し、成形性の評価をした。
【0061】〔スパイラル流動評価〕なお、得られた実
施例1及び2並びに比較例1〜9の上記SMCの流動性
についても、図1に示すようなスパイラル流動金型を用
いて評価した。
【0062】図1(a)はスパイラル流動金型の断面を
示しており、図1(b)は上方から見たスパイラル流動
金型の下型の平面形状を示している。図1(a)及び
(b)に示すように、スパイラル流動金型の下型1の中
央の孔には、プランジャー3が嵌め入れられている。プ
ランジャー3は上方に上昇加圧するように設けられてい
る。プランジャー3の上方にはサンプル置き部1bが形
成されている。図1(b)に示すように、サンプル置き
部1bから連続して螺旋状に外側に向かって延びる溝1
aが下型1に形成されている。上型2は、下型1のサン
プル置き部1b及び溝1aを覆うように載せられる。
【0063】SMCサンプルを、図1に示すスパイラル
流動金型の下型1のサンプル置き部1bの上に300g
置き、その後上型2を下型1の上に載せ、上型2及び下
型1ともに温度90℃に設定し、プランジャー3を上方
に上昇させて、面圧60kg/cm2 で加圧した。10
分間加圧した後、上型2を下型1から外して開放し、サ
ンプルを取り出した。螺旋状の溝1aに沿ってサンプル
が延びスパイラル状になった部分の長さを測定し、スパ
イラル流動長とした。
【0064】加圧時の振動は、300トン振動プレス機
(アサヒエンジニアリング社製)により、材料が金型に
接触してから振動を開始し、60秒間行った(振動数1
000Hz,振幅20μm)。加圧時間は7分間であ
る。金型温度は雄型、雌型とも90℃とした。
【0065】図2は、実施例1及び比較例1〜3のスパ
イラル流動長を示す図である。図2において、横軸は押
し込み長さである。この押し込み長さは、押し込み長さ
試験機(武田薬品社製)を用い、基本荷重10kgで1
0秒間前押しを行った後、基本荷重10kgで30秒間
の間にサンプルがへこんだ長さを測定したものである。
【0066】図2において、●は比較例1〜3を示して
いる。この比較例1〜3を通る曲線を基準曲線とし、こ
の曲線で表されるスパイラル流動長を基準とし、各サン
プルのスパイラル流動長比(=各サンプルのスパイラル
流動長/同じ押し込み長さの基準スパイラル流動長)を
算出した。得られたスパイラル流動長比を表1に示す。
【0067】以上のようにして得られた簡易バス型によ
る評価及びスパイラル流動評価の評価結果を表1に示
す。
【0068】
【表1】
【0069】表1に示す結果から明らかなように、本発
明に従う実施例1及び2のSMCは成形前の取扱い性に
優れ、本発明に従い振動を加えながら圧縮成形すること
により、流動性が改善され、低温、低圧においても良好
な成形性及び外観特性を示すことがわかる。
【0070】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体
の製造方法によれば、低温、低圧での成形時の流動性を
大幅に向上させることができ、巣、ピンホールのない表
面性の良好な成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例において用いたスパイラル
流動金型を示す断面図(a)及び平面図(b)。
【図2】本発明に従う実施例のスパイラル流動長を示す
図。
【符号の説明】
1…下型 1a…溝 1b…サンプル置き部 2…上型 3…プランジャー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル100重量部に対し
    て、無機充填剤50〜350重量部を加え、さらに融点
    80〜150℃の脂肪酸アミドと、融点40〜100℃
    の一価の脂肪族アルコールまたは融点40〜120℃の
    高級アルコールの高級脂肪酸エステルとを併用して合計
    で0.1〜20重量部加えた不飽和ポリエステル樹脂組
    成物を金型内にチャージした後、加熱下、振動を加えな
    がら成形圧力2〜30kg/cm2 で圧縮成形すること
    を特徴とする不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方
    法。
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