JP2859070B2 - 浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP2859070B2
JP2859070B2 JP3980393A JP3980393A JP2859070B2 JP 2859070 B2 JP2859070 B2 JP 2859070B2 JP 3980393 A JP3980393 A JP 3980393A JP 3980393 A JP3980393 A JP 3980393A JP 2859070 B2 JP2859070 B2 JP 2859070B2
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真 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴槽成形品の製造に
いられる浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤、離型
剤、顔料、充填剤または増粘剤等を加えた樹脂組成物を
ガラス繊維等の補強用繊維物質に含浸し、バルク状ある
いはシート状にした成形材料は、バルクモールディング
・コンパウンド(BMC)またはシートモールディング
・コンパウンド(SMC)等と呼ばれ、主に圧縮成形さ
れて、住宅設備、工業部品、自動車部品等に広く用いら
れている。充填剤として水酸化アルミニウムやガラス粉
末を配合した樹脂組成物を用いると、透明性および鮮映
性に優れた成形品が得られる。このような透明性および
鮮映性に優れた成形品は人造大理石と呼ばれて、その高
級感、深みのある外観などの特徴を生かして、浴槽、洗
面カウンターなどのサニタリー関連製品や、キッチンカ
ウンター、テーブル等に使用されている。
【0003】特に、浴槽成形品は、透明性が高く、高級
感を有する製品である。このため、その成形加工時のや
けによる黄変あるいは熱水劣化による黄変が、製品の色
合いのバラツキまたは使用中の色の変化等として現れ、
その結果、製品の微妙な色合いを害することになり、大
きな問題となっている。
【0004】この問題を解決するために、比較的低温に
て上記成形材料を圧縮成形する方法が考えられる。しか
し、低温で成形する場合には、成形に長時間を要するの
で生産性が低下する。また、上記樹脂組成物に抗酸化剤
を添加して上記黄変を抑制する方法も考えられるが、こ
の場合、フェノール系抗酸化剤を用いると、不飽和ポリ
エステル樹脂の重合反応に影響して硬化を阻害してしま
うので、使用することができない。また、チオエーテル
系抗酸化剤には臭気の問題があり、使用することができ
ない。
【0005】特公昭62−28525号公報には、特定
の不飽和ポリエステル樹脂に亜燐酸トリエステルを添加
した電気絶縁用樹脂組成物が開示されている。しかし、
この公報に記載されている種類の亜燐酸トリエステルを
不飽和ポリエステル樹脂に添加して浴槽成形品を製造し
た場合、成形加工時のやけによる黄変に対しては、それ
を抑制する効果を有するが、熱水劣化による黄変に対し
ては、逆に悪影響を及ぼして黄変がひどくなる現象が見
られ、成形加工時の黄変と熱水劣化による黄変との両方
に対処することができない。また、この公報に記載され
ている亜燐酸トリエステルは液体状であるので、これを
添加して成形品を製造した場合、樹脂組成物の硬化遅延
を生じ、その結果、不飽和ポリエステル樹脂中に含まれ
る、スチレン等の共重合性単量体の残存量が増大すると
いう重大な問題点を有する。特に、浴槽成形品の製造に
おいては、上記残存スチレンの問題は重要であるので、
樹脂組成物の硬化遅延を生じない添加剤が要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、浴槽成形品の成形
加工時の黄変および浴槽成形品の熱水使用時の黄変の両
方を少なくできる浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、成形加工時に硬化反応を
遅くすることがなく、しかも浴槽成形品の加工時の黄変
および浴槽成形品の熱水使用時の黄変の両方を少なくで
きる浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物は、(A)不
飽和ポリエステル樹脂と、(B)水酸化アルミニウムお
よびガラス粉末の内の少なくとも1種を含有する充填剤
と、(C)下記式〔I〕で示されるホスファイト系抗酸
化剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物であっ
て、該不飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対
して、該ホスファイト系抗酸化剤(C)が0.05〜2
重量部含有され、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して炭素数5〜20のアルキル基を示す)。
【0011】請求項2に記載の発明の浴槽成形用不飽和
ポリエステル樹脂組成物は、(A)不飽和ポリエステル
樹脂と、(B)水酸化アルミニウムおよびガラス粉末の
内の少なくとも1種を含有する充填剤と、(D)固体状
のホスファイト系抗酸化剤とを含有する不飽和ポリエス
テル樹脂組成物であって、該不飽和ポリエステル樹脂
(A)100重量部に対して、該ホスファイト系抗酸化
剤(D)が0.05〜2重量部含有され、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0012】まず、請求項1に記載の発明の浴槽成形用
不飽和ポリエステル樹脂組成物について説明する。
【0013】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)を含有す
る。この不飽和ポリエステル樹脂(A)は、不飽和二塩
基酸、グリコール、および必要に応じて使用される飽和
二塩基酸を重縮合せしめた不飽和ポリエステルと、共重
合性単量体とを含有する混合物である。
【0014】上記不飽和二塩基酸としては、無水マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が使用さ
れる。
【0015】上記グリコールとしてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビス
フェノールA、水素添加ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物、ネオペンチルグリコール等が挙げられ
る。
【0016】上記飽和二塩基酸としては、無水フタル
酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ア
ジピン酸、コハク酸、テトラクロロフタル酸、ヘット
酸、等が挙げられる。
【0017】上記共重合性単量体としては、スチレン、
ジクロロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、メタ
クリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリ
ル酸エステル、フタル酸ジアリル等が挙げられるが、特
にスチレンが好ましい。通常、上記不飽和ポリエステル
樹脂(A)に含有される共重合性単量体の量は、20〜
50重量%である。
【0018】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物において、上記不飽和ポリエステル樹脂(A)
は、樹脂分として低収縮化のための熱可塑性樹脂を含有
してもよい。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
スチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレン、ポリε−カプロラクトン、飽和ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチ
レン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン−ポリ酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体が挙げられる。
【0019】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、水酸化アルミニウムおよびガラス粉末の内
の少なくとも一方を含有する充填材(B)を含有する。
この水酸化アルミニウムは、通常、平均粒径2μm〜4
0μmの範囲のものが使用され、好ましくは3μm〜2
0μmの範囲のものが使用される。ガラス粉末は、通
常、平均粒径2μm〜50μmの範囲のものが使用さ
れ、好ましくは3μm〜30μmの範囲のものが使用さ
れる。2μmより小さいと透明性が低下する虞れがあ
り、50μmより大きいと鮮映値が低下する虞れがあ
る。
【0020】上記充填剤(B)の添加量は、水酸化アル
ミニウムまたはガラス粉末を単独で使用する場合、もし
くは両者を混合して使用する場合、不飽和ポリエステル
樹脂100重量部に対して50〜350重量部であるの
が好ましい。さらに好ましくは、100〜300重量部
の範囲である。50重量部より少ない場合には、樹脂組
成物の粘度が低すぎて成形性が悪化する虞れがあり、3
50重量部を越える場合には、樹脂組成物を構成する成
分の分散性が不十分となって、充填剤に不飽和ポリエス
テル樹脂(A)が十分行き渡らなくなったり、粘度が異
常に上昇して成形性が悪くなる虞れがある。また、水酸
化アルミニウムとガラス粉末とを混合して使用する場合
には、水酸化アルミニウム30〜95重量%に対してガ
ラス粉末5〜70重量%の割合で使用するのが好まし
い。また、上記充填剤(B)は、その他の成分として、
例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を含有して
もよい。
【0021】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、さらに、上記式〔I〕で表されるホスファ
イト系抗酸化剤(C)を含有する。
【0022】上記ホスファイト系抗酸化剤(C)として
は、例えば、2,2−ビス(4−ジドデシルホスファイ
トフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ジトリデシ
ルホスファイトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ジテトラデシルホスファイトフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ジペンタデシルホスファイトフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ジオクチルホスファ
イトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ジノニル
ホスファイトフェニル)プロパンが挙げられる。上記ホ
スファイト系抗酸化剤(C)は、不飽和ポリエステル樹
脂(A)100重量部に対して、0.05〜2重量部の
範囲で含有される。好ましくは、0.1〜1重量部の範
囲である。0.05重量部より少ない場合には、不飽和
ポリエステル樹脂組成物の成形加工時の黄変を抑制する
効果が小さい。2重量部より多い場合には、逆に、不飽
和ポリエステル樹脂組成物から得られる浴槽成形体の熱
水使用時の黄変が激しくなる。
【0023】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物には、通常、硬化剤、離型剤、顔料、増粘剤、
補強繊維などが加えられる。
【0024】上記硬化剤としては、ターシャリーブチル
パーベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイト、メチル
エチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイト等の重合開始剤が挙げられ、上記離型剤として
は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が挙
げられる。上記顔料としては、各種有機顔料および無機
顔料が挙げられ、上記増粘剤としては、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カル
シウム等が挙げられる。
【0025】上記補強繊維としては、ガラス繊維、炭素
繊維、石綿繊維、ホイスカー、有機合成繊維、天然繊維
等が挙げられる。補強繊維の長さは、1mm〜80mm
であるのが好ましい。1mmより短い場合には補強効果
が少なく、80mmより長い場合には、成形材料の粘度
が上昇して成形性が悪くなる虞れがある。
【0026】特に、本発明の浴槽成形用不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて浴槽成形品を製造する場合に
は、上記補強繊維の長さは1〜20mmであるのが好ま
しい。さらに好ましくは、1.2mm〜15mmであ
る。1mmより短い場合には補強効果が少なく、20m
mより長いと成形品の外観が損なわれる虞れがある。こ
の補強繊維は、一定長さのストランドをそのまま使用す
る以外に、マット状にしたものも使用され得る。例え
ば、ガラス繊維の場合、ストランドを一定長さに切断し
たチョップドストランドや、このチョップドストランド
をバインダーで接着し、マット状にしたチョップドスト
ランドマット等が使用される。
【0027】上記補強繊維は、成形材料全体の重量に対
して、1〜40重量%の範囲で混合されるのが好まし
い。1重量%より少ない場合には、補強効果が少なく、
40重量%より多い場合には、成形材料の粘度が上昇し
て成形性が悪くなる虞れがある。
【0028】特に、本発明の浴槽成形用不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて浴槽成形品を製造する場合に
は、上記補強繊維は1〜20重量%の範囲で混合される
のが好ましい。さらに好ましくは、3〜15重量%の範
囲である。1重量%より少ない場合には、補強効果が少
なく、20重量%より多い場合には、得られる浴槽成形
品の透明性が低下する虞れがある。
【0029】上記不飽和ポリエステル樹脂(A)、充填
剤(B)、ホスファイト系抗酸化剤(C)、および必要
に応じて上記硬化剤、離型剤、顔料、増粘剤、補強繊維
等が加えられた不飽和ポリエステル樹脂組成物は、ニー
ダー等の混合機でバルク状に形成されて、通常BMCと
呼ばれる成形材料とされる。また、上記不飽和ポリエス
テル樹脂組成物はシート状に形成してSMCと呼ばれる
成形材料としても良く、このSMCは公知の機械を用い
て形成され得る。
【0030】バルク状あるいはシート状に一体化された
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、ポリエチレンフィル
ム等の離型フィルムで覆われて熟成させることができ
る。この熟成は、通常、半日〜2日間、30〜50℃の
温度条件下に材料を置くことにより行うことができる。
このことにより、不飽和ポリエステル樹脂組成物は、増
粘して半固体状の成形材料となる。
【0031】この半固体状の浴槽成形用不飽和ポリエス
テル樹脂組成物(成形材料)は、通常公知の方法で浴槽
成形することができる。例えば、110〜160℃に
加熱された金型内に必要量投入し、40〜120kg/
cm2 の成形圧力で圧縮成形することにより、行うこと
ができる。
【0032】得られる浴槽成形品は、上記式〔I〕で示
されるホスファイト系抗酸化剤(C)が存在するため
に、成形加工時のやけによる黄変が生じず、着色の少な
いものとなる。また、熱水使用時の劣化による黄変が少
なく、色調変化の少ないものと なる。
【0033】次に、請求項2に記載の発明の浴槽成形用
不飽和ポリエステル樹脂組成物について説明する。
【0034】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物に含有される不飽和ポリエステル樹脂(A)
は、請求項1に記載の発明の浴槽成形用不飽和ポリエス
テル樹脂組成物で記載したものと同じものを用いること
ができる。
【0035】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物に含有される充填材(B)は、請求項1に記載
の発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物で記
載したものと同じものを用いることができる。
【0036】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物に含有されるホスファイト系抗酸化剤(D)
は、固体状のものである。本発明で言う固体状とは、2
3℃、常圧で、固体状態であることを意味する。好まし
くは、その融点が50℃以上である。ホスファイト系抗
酸化剤として、液状(23℃、常圧で液体状態)のもの
を用いると、通常、成形加工の初期、あるいは成形材料
の貯蔵時に、硬化剤として成形材料に添加されている過
酸化物に作用して、硬化反応を遅延させる傾向がある。
このことにより、成形時間を大きく遅らせたり上記共重
合性単量体として含有されるスチレン等の残存量が多く
なる場合がある。これに対して、固体状のホスファイト
系酸化剤(D)を用いた場合には、液状のものを用いた
場合のように硬化反応を遅延させることもなく、黄色着
色を起こし易い硬化反応後期に酸化に対して有効に作用
して、着色が低減されるものと推察される。
【0037】上記固体状のホスファイト系抗酸化剤
(D)としては、たとえば、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファ
イト、ジステアリルベンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ベンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ベンタエリスリトールジ
ホスファイト等が挙げられる。
【0038】上記固体状のホスファイト系抗酸化剤
(D)は、不飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部
に対して、0.05〜2重量部の範囲で含有される。好
ましくは、0.1〜1重量部の範囲である。0.05重
量部より少ない場合には、得られる浴槽成形品に対する
着色低減効果が小さい。また、2重量部より多い場合に
は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の硬化反応を遅延さ
せる。
【0039】本発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、第1発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル
樹脂組成物と同様の方法で浴槽に成形することができ
る。
【0040】得られる浴槽成形品は、固体状のホスファ
イト系抗酸化剤(D)が硬化反応後期に有効に作用し
て、成形加工時のやけによる黄変が生じず、着色の少な
い浴槽成形品を迅速に得ることができる。また、また、
熱水使用時の劣化による黄変が少なく、色調変化の少な
い浴槽成形品を得ることができる。
【0041】
【作用】第1発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂
組成物においては、不飽和ポリエステル樹脂(A)10
0重量部に対して、上記式〔I〕で表されるホスファイ
ト系抗酸化剤(C)が0.05〜2重量部含有されてい
る。この浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物を用
いて成形材料を作製し、これを加熱圧縮成形すると、上
記ホスファイト系抗酸化剤(C)が存在するために、成
形加工時のやけによる黄変が生じず、着色の少ない浴槽
成形品が得られる。また、熱水使用時の劣化による黄変
が少なく、色調変化の少ない浴槽成形品となる。
【0042】第2発明の浴槽成形用不飽和ポリエステル
樹脂組成物においては、不飽和ポリエステル樹脂(A)
100重量部に対して、固体状のホスファイト系抗酸化
剤(D)が0.05〜2重量部含有されている。この
槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて成形材
料を作製し、これを加熱圧縮成形すると、上記ホスファ
イト系抗酸化剤(D)が不飽和ポリエステル樹脂組成物
の硬化反応を遅らせることなく、硬化反応後期に有効に
作用して、黄変の少ない浴槽成形品を迅速に得ることが
できる。また、熱水使用時の劣化による黄変が少なく、
色調変化の少ない浴槽成形品となる。
【0043】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。なお、この実施例では、便宜上、平板を成形
して、その性能を評価したが、浴槽を成形しても同様な
性能が得られることは明らかである。
【0044】(実施例1〜5) 不飽和ポリエステル樹脂(A)として、イソフタル酸、
マレイン酸およびプロピレングリコールを主成分とする
不飽和ポリエステルとスチレンとの混合物(スチレン含
有量35%)を100重量部、充填剤(B)として、ガ
ラス粉末(平均粒径5μm の日東紡社コナックFMB5
W001)125重量部および水酸化アルミニウム(平
均粒径8μm の住友化学工業社CW−308S)125
重量部、上記式〔I〕で表されるホスファイト系抗酸化
剤(C)として、 (1)2,2−ビス(4−ジトリデシルホスファイトフ
ェニル)プロパン (2)2,2−ビス(4−ジペンタデシルホスファイト
フェニル)プロパン (3)2,2−ビス(4−ジオクチルホスファイトフェ
ニル)プロパン を表1に示す量用いて、浴槽成形用不飽和ポリエステル
樹脂組成物を調整した。
【0045】この浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組
成物に、硬化剤としてターシャリーブチル−パーオキシ
−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(化学アクゾ
社製、トリゴノックス42)を1重量部、離型剤として
ステアリン酸亜鉛を3重量部、増粘剤として酸化マグネ
シウムを1重量部、補強繊維としてガラス繊維(繊維径
13μm 、カット長1.5mm)を13重量部を加え
て、BMCを作製した。
【0046】このBMCを、300tプレス機にて、平
板(300mm×300mm×厚み8mm)金型を用
い、成形圧力100kgf/cm2 で成形した。加圧時
間は10分とし、金型温度は上型130℃、下型115
℃とした。
【0047】(比較例1〜6) 上記ホスファイト系抗酸化剤(C)として、 (1)2,2−ビス(4−ジトリデシルホスファイトフ
ェニル)プロパン (4)トリス(ミックスドモノ、ジ、ノニルフェニル)
ホスファイト(アデカ・アーガス化学社製、アデカスタ
ブ329K) (5)トリフェニルホスファイト(アデカ・アーガス化
学社製、アデカスタブTPP) を表2に示す量用いた以外は、実施例1〜5と同様にし
て、BMCの作製および成形を行った。
【0048】(成形時の黄変抑制効果の評価) 実施例1〜5および比較例1〜6で得られた成形品につ
いて、色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC
−1800)を用いて黄色度を測定した。CIEによる
(L* 、a* 、b* )色空間におけるb* 値を表1およ
び表2に示す。
【0049】 (熱水使用時の黄変に対する抑制効果の評価) 実施例1〜5および比較例1〜6で得られた成形品を8
0℃熱水に300時間片面浸漬し、浸漬前後の黄色度を
上記色差計を用いて測定した。浸漬前後のb*の差(Δ
b* )を表1および表2に示す。Δb* は、小さい方が
黄変度が小さいことを示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1および表2から、実施例で得られた成
形品は、成形時の着色および熱水使用による色変化の両
方が抑制されていることがわかる。
【0053】(実施例6〜10) 上記ホスファイト系抗酸化剤(D)として、 (6)トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト(アデカ・アーガス化学社製、アデカスタブ2
112、融点183℃−白色粉末)) (7)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)オクチルホスファイト(アデカ・アーガス化
学社製、アデカスタブHP−10、融点148℃−白色
粉末) (8)ジステアリルベンタエリスリトールジホスファイ
ト(アデカ・アーガス化学社製、アデカスタブPEP−
8、融点52℃−白色フレーク状) を表3に示す量用いた以外は、実施例1〜5と同様にし
て、BMCの作製および成形を行った。
【0054】(比較例7〜13) 上記ホスファイト系抗酸化剤(D)として、 (6)トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト(アデカ・アーガス化学社製、アデカスタブ2
112、融点183℃−白色粉末)) (9)1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデ
シルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン
(アデカ・アーガス化学社製、アデカスタブ522A、
液体状) (10)トリフェニルホスファイト(アデカ・アーガス
化学社製、アデカスタブTPP、液体状) を表4に示す量用いた以外は、実施例1〜5と同様にし
て、BMCの作製および成形を行った。
【0055】(硬化特性) 上記不飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部と、硬
化剤として(ターシャリーブチルパーオキシ−3,5,
5−トリメチルヘキサノエート)1重量部と、ホスファ
イト系抗酸化剤(6)〜(10)を表3および表4に示
す量とを混合し、ゲルタイムテスター(安田精機社製、
NO.153ゲルタイムテスター)を用いて、ゲルタイ
ムを115℃で3回測定した。この値(a)と、ホスフ
ァイト系抗酸化剤を用いないで測定した値(b)との差
から硬化特性を評価した結果を表3および表4に示す。
【0056】硬化特性は、 とした。
【0057】(成形時の黄変抑制効果の評価) 実施例6〜10および比較例7〜13で得られた成形品
について、実施例1〜5と同様にして黄色度b* を測定
した結果を表3および表4に示す。(熱水使用時の黄変に対する抑制効果の評価) 実施例6〜10および比較例7〜13で得られた成形品
について、実施例1〜5と同様にして熱水浸漬前後の黄
色度b* の差(Δb* )を測定した結果を表3および表
4に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】表3および表4から、実施例のホスファイ
ト系抗酸化剤を用いた場合は、硬化特性が優れているこ
とがわかる。また、実施例で得られた成形品は、成形時
の着色および熱水使用による色変化の両方が抑制されて
いることがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
浴槽成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物は、いずれ
も浴槽成形品の成形加工時のやけによる黄変および熱水
使用時の劣化による黄変の両方を抑制することができる
ので、実用的価値が高い。
【0062】よって、この浴槽成形用不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を用いることにより、着色のバラツキおよ
び色調変化が少なく、透明性に優れた高級感のある人造
大理石の浴槽成形品を製造することができる。
【0063】特に、請求項1に記載の浴槽成形用不飽和
ポリエステル樹脂組成物は、熱水使用時の劣化による黄
変の抑制効果が、請求項1に記載の浴槽成形用不飽和ポ
リエステル樹脂組成物よりもやや優れている。
【0064】特に、請求項2に記載の浴槽成形用不飽和
ポリエステル樹脂組成物は、請求項1に記載の浴槽成形
用不飽和ポリエステル樹脂組成物よりも、熱水使用時の
劣化による黄変の抑制効果がやや劣るが、硬化反応を遅
らせることがないので、生産性が低下しないという利点
がある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)不飽和ポリエステル樹脂と、 (B)水酸化アルミニウムおよびガラス粉末の内の少な
    くとも1種を含有する充填剤と、 (C)下記式〔I〕で示されるホスファイト系抗酸化剤
    と、 を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、 該不飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し
    て、該ホスファイト系抗酸化剤(C)が0.05〜2重
    量部含有されていることを特徴とする浴槽成形用不飽和
    ポリエステル樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して炭素数5
    〜20のアルキル基を示す)
  2. 【請求項2】 (A)不飽和ポリエステル樹脂と、 (B)水酸化アルミニウムおよびガラス粉末の内の少な
    くとも1種を含有する充填剤と、 (D)固体状のホスファイト系抗酸化剤と、 を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、 該不飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し
    て、該ホスファイト系抗酸化剤(D)が0.05〜2重
    量部含有されていることを特徴とする浴槽成形用不飽和
    ポリエステル樹脂組成物。
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桧垣 虎雄「高分子添加剤・改質剤の評価と市場」第15頁(1984年6月27日)株式会社シーエムシー

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