JPH10152609A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法

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JPH10152609A
JPH10152609A JP8313736A JP31373696A JPH10152609A JP H10152609 A JPH10152609 A JP H10152609A JP 8313736 A JP8313736 A JP 8313736A JP 31373696 A JP31373696 A JP 31373696A JP H10152609 A JPH10152609 A JP H10152609A
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Japan
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unsaturated polyester
polyester resin
molding
weight
resin composition
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Makoto Yamaguchi
真 山口
Takeshi Muranaka
健 村中
Koji Matsumoto
晃治 松本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性が良好で、低圧成形が可能であり、か
つ外観や耐熱水性の優れた成形体の得られる不飽和ポリ
エステル樹脂組成物、及びこの不飽和ポリエステル樹脂
組成物を使用した圧縮成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に
対して、下記化合物(1)0.1〜20重量部、及び平
均粒子径0.1〜100μmの無機充填材50〜350
重量部を混合し、さらに強化繊維を加えてなる組成物で
あって、強化繊維の含有率が2〜50重量%である不飽
和ポリエステル樹脂組成物及び該組成物を用いて圧縮成
形する成形体の製造方法。 Cn 2n+1−NH2 (1) (n=10〜36)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧で成形可能な
不飽和ポリエステル樹脂組成物及び低圧で成形する不飽
和ポリエステル樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に充填材、硬化
剤、離型剤、顔料、増粘剤等を加えた樹脂組成物を、ガ
ラス繊維等の強化繊維に含浸し、シート状またはバルク
状に形成した不飽和ポリエステル樹脂成形材料は、シー
ト・モールディング・コンパウンド(以下、SMCとい
う)、又はバルク・モールディング・コンパウンド(以
下、BMCという)と呼ばれ、主として圧縮成形され
て、住宅資材、工業部品、自動車部品等に広く用いられ
る。
【0003】このようなSMC又はBMCは加熱下、圧
縮成形されることが多い。しかし、圧縮成形において
は、製品が大型化したり多品種化すると、大型の圧縮成
形機が必要になり、また、高価な金型が多数必要になる
等投資金額が多額になる問題ある。
【0004】従来のSMC又はBMCは、通常、圧縮成
形の温度は130〜160℃、圧力は80〜100kg
/cm2 の高温高圧でなされるが、より低圧で圧縮成形
が可能になれば、上記成形機や金型の費用が低減でき
る。さらに、低温(60〜120℃)低圧で圧縮成形が
可能になれば、金型の費用がより低減できるので、低温
低圧で圧縮成形が可能な材料が求められている。
【0005】しかし、従来のSMCやBMCを低圧で圧
縮成形すると、欠肉したり、巣、ピンホールが成形体表
面に生じやすくなる等の問題が生じる。
【0006】この問題の解決策として、特公昭60−1
6471号公報では、増粘剤として水酸化カルシウムを
用い、増粘度を下げ、成形材料の粘度を低くし低圧での
流動性を確保する方法が提案されている。しかしこの方
法では、常温における成形材料にべたつきをもたらすた
め、成形材料を覆うポリエチレンフイルム等の離型フイ
ルムの剥離作業や、成形材料の切断作業等の作業性が低
下する問題がある。また、欠肉、巣、ピンホールの発生
を完全に解決できる方法ではない。
【0007】また、例えば、ポリエチレングリコール系
化合物(例えば、竹本油脂社製 スーパーダインV−2
03)のような粘度低下剤を用いる方法もあるが、これ
ら粘度低下剤を用いると、増粘後の粘度が十分上がら
ず、上記作業性の低下問題は解決できない。しかも、得
られた成形体を熱水浸漬したとき変色しやすくなり、浴
槽等の水まわり製品への適用が困難になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如
き、従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物の問題点に着
目してなされたものであり、作業性が良好で、低圧成形
が可能であり、かつ外観や耐熱水性の優れた成形体の得
られる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及びこの不飽和
ポリエステル樹脂組成物を使用した圧縮成形体の製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の不飽和ポリエス
テル樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部に対して、下記化合物(1)0.1〜20重量部、及
び平均粒子径0.1〜100μmの無機充填材50〜3
50重量部を混合し、さらに強化繊維を加えてなる組成
物であって、強化繊維の含有率が2〜50重量%である
ことを特徴とする。 Cn 2n+1−NH2 (1) (n=10〜36)
【0010】本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の
製造方法は、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を、成
形圧力2〜30kg/cm2 で圧縮成形することを特徴
とする。
【0011】好ましい本発明の不飽和ポリエステル樹脂
成形体の製造方法の1態様は、上記不飽和ポリエステル
樹脂組成物を、成形温度60〜120℃、成形圧力2〜
30kg/cm2 で圧縮成形することである。
【0012】本発明で用いられる不飽和ポリエステル樹
脂は、公知慣用の方法により、通常、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水添
ビスフェノール等の有機グリコールと、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和酸
と、さらに必要に応じて、無水フタル酸、オルソフタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の飽和酸とから製造
された不飽和ポリエステルを、一定量のビニル単量体で
希釈したものである。
【0013】前記不飽和ポリエステルを希釈するビニル
単量体としては、例えば、スチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、
メタクリル酸エステルが挙げられる。価格、反応性等か
らスチレンが好ましく用いられる。不飽和ポリエステル
樹脂に含まれるビニル単量体の量は、20〜60重量%
が好ましい。
【0014】上記不飽和ポリエステル樹脂には、必要に
応じ、低収縮化のための熱可塑性樹脂が添加される。
【0015】上記熱可塑性樹脂としては、従来より不飽
和ポリエステル樹脂の低収縮剤として汎用されている適
宜の熱可塑性樹脂を用いることができる。使用し得る熱
可塑性樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリε
−カプロラクトン、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリブタジエン、スチレン−アクリル酸共重合体、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体などが挙げられる。添加量
は3〜30重量%程度であり、通常は上記ビニル単量体
で溶解して用いられる。
【0016】上記不飽和ポリエステル樹脂には、通常、
硬化剤として有機過酸化物が用いられる。上記有機過酸
化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ
3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
等が挙げられる。
【0017】低温(60〜120℃)で圧縮成形する場
合には、例えば、低温で分解する2,4,4−トリメチ
ルペンチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等の硬
化剤が用いられ、高温(120〜160℃)で圧縮成形
する場合には、例えば、高温で分解するt−ブチルパー
オキシベンゾエート等の硬化剤が用いられる。
【0018】上記不飽和ポリエステル樹脂には、必要に
応じ、離型剤、増粘剤、重合禁止剤、顔料等が添加され
る。離型剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が挙げられる。増粘剤としては、
例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0019】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
使用される化合物(1)とは、以下の構造で示される化
合物である。 Cn 2n+1−NH2 (1) (n=10〜36)
【0020】化合物(1)の炭化水素基の炭素数nは、
10未満では成形材料の取扱い性が低下しやすく、ま
た、36を超えると成形加工時の流動性が低下するの
で、10〜36の範囲に限定される。入手のしやすさ、
価格等の点から10〜25が好ましい。具体例として
は、例えば、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペ
ンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシル
アミン等が挙げられる。
【0021】化合物(1)の不飽和ポリエステル樹脂1
00重量部に対する添加量は、0.1重量部未満では圧
縮成形時の流動性が悪く、また、20重量部を超えると
成形体表面に、巣やピンホールが発生しやすくなるの
で、0.1〜20重量部に限定される。好ましくは、
0.5〜15重量部である。
【0022】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
使用される無機充填材は、例えば、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ガラス粉末、タル
ク、マイカ等が挙げられ、単独または2種以上が混合し
て用いられる。この無機充填材の平均粒子径は、0.1
μm未満では組成物の粘度が大きくなって強化繊維への
含浸が不十分になり、従って組成物に空隙が残りやすく
なり成形体に巣が入りやすくなる。一方、100μmを
超えると充填材粒子の比表面積が小さくなるため化合物
(1)の添加効果が発揮しにくくなり、組成物の流動性
が低下する。それ故、無機充填材の平均粒子径は0.1
〜100μmに限定される。好ましくは0.5〜60μ
mである。
【0023】上記無機充填材の不飽和ポリエステル樹脂
100重量部に対する添加量は、50重量部未満では組
成物の取扱作業性が不良であり、350重量部を超える
と組成物の粘度が大きくなって強化繊維への含浸が不十
分になり、従って組成物に空隙が残りやすくなり成形体
に巣が入りやすくなるので、50〜350重量部に限定
される。好ましくは60〜300重量部である。
【0024】なお、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部とは、不飽和ポリエステルとビニル単量体及び必要に
より添加される低収縮化のための熱可塑性樹脂とを合計
した量である。
【0025】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
使用される強化繊維は、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、石綿繊維、ホイスカー、有機合成繊維、天然繊維等
が挙げられる。物性、価格等の点からガラス繊維が好ま
しい。一定の長さに切断した短繊維、連続長繊維の他、
マット状としたものやクロスに織ったものも使用でき
る。ガラス繊維の場合には、例えば、チョップドストラ
ンド、チョップドストランドマット、クロス等が使用さ
れる。短繊維を用いる場合には、繊維長さが1mm未満
では補強効果が小さく、繊維長さが80mmを超えると
組成物の粘度が高く圧縮成形性が悪くなるので、通常は
1〜80mmの長さの短繊維が用いられる。
【0026】強化繊維の量は、強化繊維を含む不飽和ポ
リエステル樹脂組成物全体に対して、2重量%未満では
組成物の取扱作業性が不良で、かつ補強効果も不足し、
また、50重量%を超えると組成物の粘度が高くなりす
ぎ圧縮成形時の流動性が悪化するので、2〜50重量%
に制限される。中でも3〜40重量%が好ましい。
【0027】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、強化繊維を除く上記成分を配合・混練し、慣用の手
段及び装置を用い、強化繊維に含浸させることにより、
SMCまたはBMCに形成される。例えば、ポリエチレ
ンフイルム等の離型シート上に不飽和ポリエステル樹脂
組成物をドクターブレードを用いて塗布し、該塗面に強
化繊維を散布した後、同様に不飽和ポリエステル樹脂組
成物を塗布した離型シートを重ねてサンドイッチ状と
し、ロールで押さえながら強化繊維に該組成物を含浸さ
せシート状とする。次いで、シート状体を巻き取り、半
日〜2日間、30〜50℃の熟成室にて増粘させてSM
Cを得る。また、BMCは、ニーダー等の混合機で形成
される。
【0028】本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の
製造方法は、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を低圧
条件下で圧縮成形する方法である。圧縮成形の圧力は、
2kg/cm2 未満では圧力が不足して目的とする成形
体が得難く、成形体の表面状態が不良になりがちとな
る。一方、30kg/cm2 を超えると金型内の組成物
に熱が十分伝達する以前に流動が完了するため、本発明
の組成物の有効性が低下する。また、低圧で圧縮成形す
る利点が失われる。それ故、圧縮成形の圧力は、2〜3
0kg/cm2 に限定され、好ましくは、5〜20kg
/cm2 である。
【0029】本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の
製造方法の好ましい1態様は、上記不飽和ポリエステル
樹脂組成物を低温低圧条件下で圧縮成形する方法であ
る。成形温度は60℃未満では、成形時の流動性が不足
したり、必要な成形時間が増大し、また、120℃を超
えると低コスト型が使用できなくなるので、60〜12
0℃に限定される。好ましくは、80〜110℃であ
る。この場合の成形温度とは、圧縮成形に用いられる金
型の温度をいう。
【0030】なお、上記低コスト型としては、例えば、
アルミ型、低融点合金型、電鋳型、熔射型、樹脂型等が
挙げられる。
【0031】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の
好ましい例としては、不飽和ポリエステル樹脂100重
量部に対して、化合物(1)0.5〜15重量部、無機
充填材として平均粒径0.5〜20μmの炭酸カルシウ
ム60〜300重量部、または平均粒径0.5〜30μ
mの水酸化アルミニウム60〜300重量部、または平
均粒径0.5〜20μmのガラス粉末60〜300重量
部を加える。上記充填材を併用する場合には合計重量部
が60〜300重量部となるようにする。これらの組成
からなる不飽和ポリエステル樹脂に、硬化剤として有機
過酸化物0.2〜2.0重量部、離型剤としてステアリ
ン酸亜鉛2〜10重量部、増粘剤として酸化マグネシウ
ム0.2〜3重量部を混合し、SMCあるいはBMC製
造装置を用いて、強化繊維を組成物全体に対し3〜40
重量%となるよう添加した組成物である。
【0032】本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の
製造方法の好ましい例としては、上記不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物の好ましい例の組成物を、80〜150℃
に加熱した金型内に載置し、金型を閉じ、成形圧力5〜
20kg/cm2 で圧縮成形する製造方法である。
【0033】本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の
製造方法のさらに好ましい例としては、上記不飽和ポリ
エステル樹脂組成物の好ましい例の組成物を、80〜1
10℃に加熱した金型内に載置し、金型を閉じ、成形圧
力5〜20kg/cm2 で圧縮成形する製造方法であ
る。
【0034】(作用)本発明の不飽和ポリエステル樹脂
組成物を圧縮成形すると、化合物(1)が成形時の温度
により溶解して分散し、無機充填材や強化繊維と樹脂の
界面の「ぬれ」を高め、組成物と金型との「すべり」を
良くし、低圧でも組成物の流動性が十分確保され成形で
きると推察される。
【0035】すなわち、該組成物をSMCに形成したと
き、離型シートの剥離性が良好になるまで増粘度を上げ
ても低圧成形が可能で、しかも、成形流動の初期におい
て粘度を保持しつつ流動するため、空気を確実に排出さ
せながら成形がなされれるので、巣やピンホールのない
成形体を得ることができると推察される。また、化合物
(1)はアミノ基を含むため、圧縮成形の硬化反応工程
において、不飽和ポリエステルの末端カルボキシル基と
反応して一体となり、成形体の表面からブリードアウト
したり、耐熱水性を悪化させたりしない。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。1.不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製 フマル酸、イソフタル酸、プロピレングリコールからな
る不飽和ポリエステルとポリスチレンをスチレン単量体
に溶解した不飽和ポリエステル樹脂100重量部に、化
合物(1)としてオクタデシルアミン(炭素数n=1
8、融点56℃)及び平均粒子径2μmの炭酸カルシウ
ムを表1に示す量、酸化マグネシウム0.8重量部、有
機過酸化物(実施例2及び比較例2、6、7、9〜12
についてはt−ブチルパーオキシベンゾエート、その他
の例についてはt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサ
ノエート)1重量部、パラベンゾキノン0.03重量
部、ステアリン酸亜鉛5重量部とを十分に混練し、従来
公知のSMC製造装置により離型シートとして用いたポ
リエチレンフイルムの上に塗布し、25mmのガラスチ
ョップドストランドに含浸させ、40℃にて24時間熟
成してSMC1〜3を得た。これらSMCの組成物全体
に占めるガラス繊維の重量%は表1のとおりとした。
【0037】SMC4は、オクタデシルアミンを使用し
ない他はSMC1と同様にして調製した。SMC5〜9
は、オクダデシルアミンの量、炭酸カルシウムの量及び
ガラス繊維の重量%を表1に示した数値にした他はSM
C1と同様にして調製した。SMC10は、オクタデシ
ルアミンを使用せず、酸化マグネシウムに代えて水酸化
カルシウム1.8重量部用いた他はSMC1と同様にし
て調製した。SMC11は、オクダデシルアミンの量を
5重量部とし、炭酸カルシウムに代えて平均粒子径45
0μmの珪砂を100重量部用い、ガラス繊維の重量%
を25重量%にした他はSMC1と同様にして調製し
た。SMC12は、オクタデシルアミンに代えて、分子
内にアミノ基を持たないステアリルアルコールを5重量
部用い、炭酸カルシウムを140重量部にした他はSM
C1と同様にして調製した。SMC13は、オクタデシ
ルアミンに代えて、市販の粘度低下剤であるスーパーダ
インV−203(竹本油脂社製)を5重量部用い、炭酸
カルシウムを140重量部にした他はSMC1と同様に
して調製した。
【0038】
【表1】
【0039】2.圧縮成形 プレス成形機を用い、金型としては縦270mm×横1
50mm×厚さ2mmの平板の成形体を与えるものを用
いた。また、SMCのチャージは平板状金型の短辺側の
隅とし、チャージ面積は、平板の底面積の11%とし
た。
【0040】3.評価 SMCの取扱作業性、流動性、得られた成形体の表面状
態、耐熱水性及び曲げ強度は、以下の方法で行い評価し
た。 1)SMCの取扱作業性:ポリエチレンフイルムに不飽
和ポリエステル樹脂組成物が粘着し、剥離が困難なもの
を×、剥離性が良好なものを○と評価した。 2)SMCの流動性(充填率):表2に示した金型温度
及び圧力の条件で圧縮成形を行った後、上記金型の底面
積に対する成形体の底面積を比率を充填率として評価し
た。(完全充填したものを100%とした。) 3)表面状態:圧縮成形して得られた成形体の表面を目
視観察し、表面が平滑で美麗なものを○、巣又はピンホ
ールの認められたものを×と評価した。 4)耐熱水性:圧縮成形して得られた成形体の片面を、
80℃の熱水に300時間浸漬し、浸漬面を色差計(東
京電色社製、カラーアナライザーTC−1800)にて
測定し、CIEによるL* 、a* 、b* 色空間における
ΔE値で示した。ΔE値は、小さい程耐熱水性が良好で
ある。 5)曲げ強度:JIS K 7055に準じて曲げ試験
を行った。
【0041】実施例1〜3、比較例1〜14 用いたSMC、圧縮成形時の金型温度、圧力を表2のと
おりとして圧縮成形を行い成形体を得た。SMCの取扱
作業性の評価結果は表1に示した。また、充填率、表面
状態、耐熱水性及び曲げ強度の結果はいずれも表2に示
した。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
の構成は、上記のとおりであり、本発明によると、作業
性が良好で、低圧成形が可能であり、かつ外観や耐熱水
性の優れた成形体を与える不飽和ポリエステル樹脂組成
物が得られる。低圧成形が可能であるため、圧縮成形の
ためのプレス機や金型等の設備費の投資が節減できる。
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方
法(請求項2)は、上記のとおりであり、本方法を用い
ると、低い成形圧力で圧縮成形が可能であり、外観や耐
熱水性の優れた成形体を得ることができる。さらに、本
発明の不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法(請求
項3)は上記のとおりであり、本方法を用いると、より
廉価な金型を用いて外観や耐熱水性の優れた成形体を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 105:06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に
    対して、下記化合物(1)0.1〜20重量部、及び平
    均粒子径0.1〜100μmの無機充填材50〜350
    重量部を混合し、さらに強化繊維を加えてなる組成物で
    あって、強化繊維の含有率が2〜50重量%であること
    を特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。 Cn 2n+1−NH2 (1) (n=10〜36)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物を、成形圧力2〜30kg/cm2 で圧縮成形す
    ることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂成形体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物を、成形温度60〜120℃、成形圧力2〜30
    kg/cm2 で圧縮成形することを特徴とする不飽和ポ
    リエステル樹脂成形体の製造方法。
JP8313736A 1996-11-25 1996-11-25 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法 Pending JPH10152609A (ja)

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