JPH0814195B2

JPH0814195B2 - 防音床材

Info

Publication number: JPH0814195B2
Application number: JP62221577A
Authority: JP
Inventors: 明望月
Original assignee: 株式会社ノダ
Priority date: 1987-09-04
Filing date: 1987-09-04
Publication date: 1996-02-14
Anticipated expiration: 2011-02-14
Also published as: JPS6466361A

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本発明は床材に関し、特に家屋の階上部分に使用して
床面の衝撃による固体音の階下への伝搬を防止するため
に床材基板表面に緩衝材を貼着して成る防音床材に関す
る。

〈従来技術〉この種の防音床材としては、例えば床材本体の裏面に
発泡倍率３〜10倍の軟質高発泡層とエンボス加工の施さ
れた発泡倍率1.5〜３倍の軟質低発泡層とを順次積層形
成したもの（実開昭50−49917号）や、木質板の下面全
体に複数層より成る遮音用発泡体を貼着し且つ隣接する
層における該遮音用発泡体の発泡倍率を異なるよう構成
したもの（実開昭61−47339号）等が提案されている。
これらの防音床材においては緩衝材として発泡体が用い
られ、該発泡体が衝撃を受けて圧縮ないし変形されるた
めその変形の間衝突時間が長くなり、運動量の変化即ち
力積、衝撃力の時間的積分値は一定であっても、衝撃力
のピーク値や衝撃固有周波数を低下させ、基板への衝撃
入力エネルギーを低減させ、もって衝撃による音や振動
を低下させることができるものである。また、かかる発
泡体の如き緩衝材が床材の裏面に接合された場合、床材
の曲げ振動で生じる該緩衝材の伸縮変形によって衝撃エ
ネルギーが吸収され、緩衝作用をなすものである。

〈発明が解決しようとする問題点〉これら従来の防音床材において十分な防音効果をもた
らすためには床材と緩衝材との厚さ比を適切に設定する
必要があり、一般に緩衝材を床材の２〜３倍の厚さとし
て用いられる。しかしながら緩衝材の厚さをこのように
設定すると、床材自体の撓みが大きくなり、床材の実部
分が破損したり実部に不陸が発生したりする。また、緩
衝材が余りにも軟質であるため、床上を歩行する際の歩
行感が悪化し、更にピアノ、冷蔵庫、家具等の重量物が
置かれて該床材に集中荷重が加えられると、緩衝材が圧
縮されてしまい、その緩衝効果が大幅に低下してしま
う。更には、このような大きな荷重が長期間に亙って加
えられると、緩衝材自体の復元力が弱いために床面が波
打ち、隣接する床材との突合わせ部で段差が発生する等
の問題点があった。

〈問題点を解決するための手段及び作用〉従って、本発明は従来技術における上記問題点を解決
し、防音効果に優れ且つ実用上の不便を伴うことのない
新規な防音床材を提供することを目的として創案された
ものであって、床材基板の裏面にその幅方向または長さ
方向に断面円形状または楕円形状の弾性中空緩衝材を複
数本互いに間隔をあけて貼着して成ることを特徴とする
防音床材である。

床材基板としては合板、繊維板、パーティクルボー
ド、挽材等の任意の板状体が用いられる。

基板の表面には、必要に応じ、柄模様印刷や着色を施
し、或いは化粧紙、合成樹脂或いは合成樹脂発泡体の化
粧シート、化粧単板（突板、人工突板等）等のシート状
物を貼る等して任意化粧が施される。

基板の木口面には相決まり加工、本実加工等の実加工
が施される。

かかる基板の裏面には、その幅方向または長さ方向
に、断面円形状または楕円形状の弾性中空緩衝材を、接
着材を介して接合する。

この弾性中空緩衝材の材質は特に限定されず、所要の
緩衝効果をもたらすことのできるような弾性を有するも
のであればよく、例えばゴム製、合成樹脂製、金属製の
ものである。

この弾性中空緩衝材は、床材単位体について複数本貼
着される。

このように床材基板の裏面にその幅方向または長さ方
向に断面円形状または楕円形状の弾性中空緩衝材が複数
本貼着されて成る本発明の防音床材において、床材表面
から衝撃及び振動が加えられた場合、弾性中空緩衝材自
体の材質から得られる弾性、及び弾性中空緩衝材の形状
変形に伴う板バネ的弾性によって、衝撃及び振動エネル
ギーの効率的な吸収が行なわれる。

また衝撃及び振動エネルギーは、弾性中空緩衝材の中
空部内に音エネルギーとして放出されるため、弾性中空
緩衝材の対面（床材裏面側）に伝達される振動エネルギ
ーがこれによって減衰される。

更に弾性中空緩衝材を伝搬される振動エネルギーは該
緩衝材の伸縮運動に伴って摩擦エネルギーとして吸収さ
れ、減衰される。

なお、床材基板と弾性中空緩衝材との間に介在させ
て、或いは弾性中空緩衝材の更に裏面側に床下地に接着
するよう、公知の制振シート（遮音シートとも呼ばれ
る）及び／または弾性シートを貼着することができる。
制振シートは、一般に合成ゴムと合成樹脂とを主成分と
し、例えばエチレンプロピレンゴム（EPDM）より成り、
ゴム硬度が60〜80度程度のものであり、鉄粉や酸化鉄粉
等の重質物が混合されて１〜1.2若しくはそれ以上の質
量とされより遮音性を向上されたものもある。このよう
な制振シートは、振動エネルギーを吸収して防音効果を
高めると共に、複合体としての床材全体の曲げに対して
抵抗する引張強度を与える。また弾性シートは、例えば
発泡倍率３〜30倍のポリオレフィン発泡体であって、第
二の緩衝材として振動エネルギーを吸収し、不陸の発生
を防止・吸収し、その弾性を通じて適度な歩行感を与え
る等の効果を生ずる。またこれらのシート材を弾性中空
緩衝材の裏面側に接合するときは、床下地との接着性を
高め、作業性を向上させることができる。

〈実施例〉第１図には本発明による防音床材の好適な一実施例が
示されている。図中１は合板、繊維板、パーティクルボ
ード等の板状体より成る床材基板であり、図示されては
ないが、その表面に任意化粧が施されているものであっ
てもよい。基板１の裏面には、その長さ方向に亙って、
断面円形の中空を有する筒状の弾性緩衝材２が相互間に
間隔を置いて複数本接着されている。

第２図乃至第５図には弾性中空緩衝材２の形状、配列
等についての若干の変形例が示されている。

また、遮音性や歩行感を高め、第二の緩衝材として機
能させるために、公知の弾性制振シートを用いることが
できる。第２図（Ａ）はこの弾性制振シート３を床材裏
面側において弾性中空緩衝材２に接着したものを、第２
図（Ｂ）は弾性中空緩衝材２の両側に弾性制振シート3
a,3bを接着したものを、夫々示す。床材裏面側に接着し
た弾性制振シート3,3bを床下地に対する施工性を高める
ことにも寄与する。

第３図は弾性中空緩衝材自体の形状についての具体的
変形例を示すものであり、第１図乃至第２図に示された
弾性中空緩衝材２が断面円形状であるのに対し、第３図
（Ａ）のものは断面楕円形状であり、床材基板に対する
接合面を変えることにより弾性率を調整することができ
る利点を有する。また第３図（Ｂ）のものは蛇腹状をな
しており、径方向における圧縮変形と共に長さ方向にも
伸縮変形するため、優れた緩衝効果を発揮し得るもので
ある。

第４図には断面円形状の筒形緩衝材を複数連接させて
構成された弾性中空緩衝材の若干の具体例が示されてお
り、いずれも上方に床材基板が位置して接着されるもの
として示されている。連接弾性中空緩衝材の利点は、床
材基板に対する接着施工が容易に行えることにある。連
接の手法は緩衝材の材質に応じて公知の方法を採用すれ
ばよく、例えば押出による一体成形、溶接、熱溶着等に
よる。これらの連接弾性中空緩衝材は、単体を複数接着
するよりも床材基板１に対する接着施工が容易であり、
緩衝効果の異なる各種の連接弾性中空緩衝材を予め工場
生産して準備しておいて床材に応じて適宜選択して用い
るようにすればより一層施工性を向上させることができ
る。この連接弾性中空緩衝材においては第４図（Ｅ）ま
たは（Ｆ）のように二層または多層構造としてエネルギ
ー吸収をより効果的に行うことができ、特に第５図
（Ｆ）のように上下層における中空緩衝材の位置をずら
して形成した場合には、エネルギー伝搬がジグザグ状の
経路を介して行なわれることとなるため、極めて優れた
緩衝効果を得ることができる。

同様に床材基板に対する接着施工を容易にするため、
複数本の弾性中空緩衝材を糸等で筏状に編んで連続させ
てもよい。この場合は、材質の異なる緩衝材、径の異な
る緩衝材、肉厚の異なる緩衝材等を適宜組み合わせて連
続形成することができるので、圧縮変形量の調整が容易
に行える。特に比較的大径のものと比較的小径のものと
を交互に配列して筏状に組み上げたものは、荷重を受け
て比較的大径のものが圧縮変形しても、比較的小径のも
のに床材基板の裏面が当接するに至るとそれ以上の沈み
込みを防止する効果が得られるので、歩行感の向上に効
果的である。

第５図は床材基板に対する弾性中空緩衝材の貼着方向
を示すものであり、第５図（Ａ）では緩衝材が床材長さ
方向に、第５図（Ｂ）では床材の幅方向に、夫々貼着さ
れている。また、第５図（Ｃ）は市松模様状に貼着方向
を異ならしめて緩衝材を貼着したものを、第５図（Ｄ）
はエンドレスに往復させて貼着したものを、夫々示して
いる。これら緩衝材の配列方向を異なるものとして形成
した場合は、緩衝材内部における音の共鳴を防止するこ
とができ、より一層優れた防音効果を発揮することが期
待される。

これら添付図面に図示された本発明の防音床材の実施
例は限定的なものではなく、その他特許請求の範囲の範
囲に記載された範囲内で様々な変形が可能である。

〈発明の効果〉本発明によれば防音効果に極めて優れた床材が得ら
れ、しかもこの床材は簡単な構造であって従来から市販
されている材料を用いて安価に製造することができる。
また本発明の床材は快適な歩行感を与えることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による防音床材の構成を示す
斜視図、第２図乃至第５図は本発明の防音床材における
弾性中空緩衝材の形状、配列等の変形例を夫々示す概略
説明図である。符号の説明１…床材基板、２…弾性中空緩衝材、3,3a,3b…弾性制
振シート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】床材基板の裏面に、その幅方向または長さ
方向に延長する断面円形状または楕円形状の弾性中空緩
衝材が複数本互いに間隔をあけて貼着されて成ることを
特徴とする防音床材。
【請求項２】上記弾性中空緩衝材が蛇腹状に形成され、
その長さ方向においても伸縮可能であることを特徴とす
る特許請求の範囲第１項記載の防音床材。
【請求項３】上記弾性中空緩衝材が多層に積層形成され
ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の防
音床材。
【請求項４】各層における上記弾性中空緩衝材の配列方
向が異なるものとされていることを特徴とする特許請求
の範囲第３項記載の防音床材。
【請求項５】各層における上記弾性中空緩衝材が垂直方
向において変位した位置に配置されていることを特徴と
する特許請求の範囲第３項記載の防音床材。