JPH11247423A

JPH11247423A - 防音床材

Info

Publication number: JPH11247423A
Application number: JP6449398A
Authority: JP
Inventors: Hidetaka Hanajima; 秀隆花島; Yoshihiro Maekawa; 吉弘前川; Matataro Muramatsu; 又太郎村松; Shigetaka Isoyama; 重孝磯山; Hirokazu Wakabayashi; 博和若林
Original assignee: Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd; Toyo Quality One Corp
Current assignee: Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd; Toyo Quality One Corp
Priority date: 1998-02-27
Filing date: 1998-02-27
Publication date: 1999-09-14

Abstract

(57)【要約】【課題】材料層の数を増やすことなく、より広い周波
数域に対して防音効果を発揮でき、それにより、防音性
能を向上させることができるとともに、容易かつ安価に
製造することができる防音床材を提供する。【解決手段】緩衝材６を含む複数の材料層２、３、
４、５、６を表裏方向に積層することによって形成され
た防音床材１であって、緩衝材６が、表裏方向に互いに
積層・接着された、密度の異なる複数の緩衝材シート６
ａ、６ｂ、６ｃを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、防音性能を得るた
めの緩衝材を含む複数の材料層を積層した防音床材に関
する。

【０００２】

【従来の技術】図４および図５は、従来のこの種の防音
床材の２つの例を示している。図４に示す防音床材５１
は、３層構造のものであり、表層側から順に化粧材５
２、基材５３および緩衝材５４で構成され、これらを積
層・接着することによって形成されている。化粧材５２
は、ナラやカバなどの化粧単板である。基材５３は、合
板やＭＤＦなどの比較的剛性の高い材料で構成され、そ
の裏面には複数の溝５５が形成されている。また、緩衝
材５４は、発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂、不織布
や、ＳＢＲ、ＮＢＲまたは天然ゴムなどから成る均質な
シート材で構成されている。以上の構成によれば、基材
５３によって防音床材５１の剛性が確保されるととも
に、緩衝材５４によって防音性とクッション性が得られ
る。

【０００３】また、図５の防音床材６１は、５層構造に
よって防音性とクッション性を高めたものであり、表層
側から順に、積層・接着された化粧材６２、第１基材６
３、第１緩衝材６４、第２基材６５および第２緩衝材６
６で構成されている。化粧材６２は、図４の化粧材５２
と同様の化粧単板であり、第１および第２基材６３、６
５は、図４の基材５３と同様、合板やＭＤＦなどで構成
され、第２基材６３の裏面には複数の溝６７が形成され
ている。第１緩衝材６４は、発泡ＳＢＲシートなどで構
成されている。また、第２緩衝材６６は、図４の緩衝材
５４と同様の材料で構成されるとともに、その表裏面に
は、防音性能を高めるための凹凸６８が形成されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一般に、防音床材によ
って防音すべき音は、広い周波数域を有している。これ
に対して、上述した２つの防音床材５１、６１は、緩衝
材５４、第１および第２緩衝材６４、６６がそれぞれ均
質な材料で構成されているので、その密度などに応じた
特定の範囲の周波数域でしか吸音効果を発揮することが
できず、得られる防音性能には限界がある。

【０００５】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、材料層の数を増やすことなく、
より広い周波数域に対して防音効果を発揮でき、それに
より、防音性能を向上させることができるとともに、容
易かつ安価に製造することができる防音床材を提供する
ことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、緩衝材を含む複数の材料層を表裏方向に
積層することによって形成された防音床材であって、緩
衝材が、表裏方向に互いに積層・接着された、密度の異
なる複数の緩衝材シートを備えていることを特徴として
いる。

【０００７】この防音床材では、表層側から緩衝材に伝
搬した音のエネルギーは、まず、緩衝材の上部に存在す
る上側の緩衝材シートにより、その密度に応じた特定の
周波数域が主に減衰され、次いで、異なる密度を有する
下側の緩衝材シートに伝搬する際に、密度の変化によっ
て減衰され、さらに、下側の緩衝材シートの密度に応じ
た他の特定の周波数域が主に減衰される。このように、
緩衝材が密度の異なる複数の緩衝材シートを表裏方向に
備えることにより、ある周波数域に対する上側の緩衝材
シートによる吸音効果と、他の周波数域に対する下側の
緩衝材シートによる吸音効果とを、複数の段階で発揮さ
せることができる。したがって、緩衝材が均質な従来の
防音床材と比較して、より広い周波数域に対して防音効
果を発揮でき、それにより、防音性能を向上させること
ができる。また、緩衝材自体は、互いに接着された複数
の緩衝材シートにより一層として構成されるので、防音
床材全体の材料層数が増えることはない。

【０００８】この場合、複数の緩衝材シートが、互いに
積層・接着された３層の緩衝材シートで構成され、その
中間層の緩衝材シートが他の緩衝材シートよりも高密度
で構成されていることが好ましい。

【０００９】この構成では、表層側から緩衝材に伝搬し
た音のエネルギーは、まず、緩衝材の上部に存在する密
度の低い緩衝材シートにより、その密度に応じた特定の
周波数域が主に減衰される。また、その下側に配置され
た中間層の密度の高い緩衝材シートの上面で、音が反射
することにより、音の伝搬が減衰される。そして、この
密度の高い緩衝材シート内では、その密度に応じた特定
の周波数域が主に減衰される。さらに、その下側に配置
された密度の低い緩衝材シートにより、その密度に応じ
た特定の周波数域が主に減衰される。また、この防音床
材がコンクリートなどの密度の高い下地に張られる場合
には、このコンクリートの上面で音が反射することによ
り、音の伝搬が減衰される。以上のように、この防音床
材では、各緩衝材シートによるそれぞれの特定の周波数
域に対する吸音効果に加えて、高密度部分での音の反射
による遮音効果を有効に発揮させることができ、したが
って、防音性能をさらに向上させることができる。

【００１０】この場合、複数の緩衝材シートが、低融点
で融解する熱融着フィルムを介して互いに熱圧着された
３層のウレタンフォームシートで構成されていることが
好ましい。

【００１１】この構成では、熱融着フィルムを２層のウ
レタンフォームの間にそれぞれ挿入し、熱圧着するだけ
で緩衝材を一体化できるので、接着剤やその塗布作業が
不要となり、緩衝材を容易に形成することができる。ま
た、ウレタンフォーム自体の材料コストも安価であるの
で、緩衝材の材料・製造コスト、ひいては防音床材の製
造コストを削減することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照しながら説明する。図１は、本発明を適
用した防音床材（以下、単に「床材」という）を示して
いる。同図に示すように、この床材１は、５層構造のも
のであり、表層側から順に、化粧材２、第１基材３、第
１緩衝材４、第２基材５および第２緩衝材６で構成され
ている。これらの材料層のそれぞれの構成は、第２緩衝
材６を除き、図５の防音床材６１と基本的に同じであ
る。

【００１３】すなわち、化粧材２としては、ナラやカバ
などの化粧単板などが用いられる。第１および第２基材
３、５は、合板やＭＤＦなどの比較的高い剛性の材料で
構成され、その裏面には、音の減衰を促進して、防音性
能を高めるための複数の溝７が、等間隔で形成されてい
る。なお、これらの溝７は省略することが可能である。
また、第１緩衝材４は、発泡ＳＢＲシートなどで構成さ
れている。

【００１４】第２緩衝材６は、互いに熱圧着された上中
下３枚のウレタンフォームシート６ａ、６ｂ、６ｃで構
成されている。ウレタンフォーム６ａ、６ｂ、６ｃは、
互いに異なる所定の密度を有しており、６ｂが最も高密
度である。例えば、それらの密度は、それぞれ１６〜５
０ｋｇ／ｍ³ 、５０〜２００ｋｇ／ｍ³ 、１６〜５０ｋ
ｇ／ｍ³ である。上下のウレタンフォームシート６ａ、
６ｃは、中ウレタンフォームシート６ｂよりも大きな厚
さを有している（例えば、２〜４ｍｍ、１〜２ｍｍ、２
〜４ｍｍ）。また、第２緩衝材６の表裏面、すなわち上
ウレタンフォームシート６ａの上面と下ウレタンフォー
ムシート６ｃの下面には、防音性能を高めるための凹凸
８ａ、８ｂがそれぞれ形成されている。

【００１５】図２は、上記構成の第２緩衝材６の作製方
法の一例を示している。この作製方法では、まず、それ
ぞれ所定の密度および厚さを有する上中下のウレタンフ
ォームシート６ａ、６ｂ、６ｃの素材の間に、低融点で
融解する熱融着フィルム９を挿入して重ね合わせ（同図
（ａ））、次いで、所定のプレス面形状を有するプレス
成形機により、所定の温度および圧力条件で熱圧するこ
とによって、同図（ｂ）に示すように、ウレタンフォー
ム６ａ、６ｂ、６ｃが熱圧着されると同時に、凹凸８
ａ、８ｂが形成される。

【００１６】このように構成された床材１は、コンクリ
ートなどの下地に敷設される。この床材１の化粧材２に
音源となる振動が加わると、その音のエネルギーは、化
粧材２および第１基材３を介して、第１緩衝材４に伝搬
し、ここである程度、減衰された後、第２基材５を介し
て、第２緩衝材６に伝搬する。この第２緩衝材６では、
まず、低密度の上ウレタンフォームシート６ａにより、
音のエネルギーのうちのある特定の周波数域が主に減衰
される。次いで、高密度の中ウレタンフォームシート６
ｂの上面で音が反射することにより、音の伝搬が減衰さ
れる。次いで、音のエネルギーは、中ウレタンフォーム
シート６ｂに伝搬し、その際、他の特定の周波数域が主
に減衰される。さらに、音のエネルギーは、低密度の下
ウレタンフォームシート６ｃにより、特定の周波数域が
主に減衰され、さらに、その下側のコンクリートの上面
で音が反射することにより、音の伝搬が減衰される。ま
た、音の減衰は、第２基材５の裏面の溝７、および第２
緩衝材６の表裏面の凹凸８ａ、８ｂによって、促進され
る。

【００１７】以上のように、本実施形態の床材１によれ
ば、第２緩衝材６が、密度の異なる上中下のウレタンフ
ォームシート６ａ、６ｂ、６ｃで構成されることによ
り、それぞれが持つ特定の周波数域に対する吸音効果
を、３段階で発揮させることができる。また、中間のウ
レタンフォーム６ｂが上下のウレタンフォーム６ａ、６
ｃに比べて高密度であることにより、中間のウレタンフ
ォーム６ｂの上面で音の反射による遮音効果を発揮させ
ることができる。さらに、下ウレタンフォーム６ｃが低
密度であることにより、コンクリートの上面で遮音効果
を発揮させることができる。したがって、緩衝材が均質
な従来の防音床材と比較して、より広い周波数域に対し
て防音効果を発揮できるとともに、これに加えて遮音効
果も有効に発揮でき、それにより、防音性能を向上させ
ることができる。

【００１８】また、第２緩衝材６自体は、互いに一体化
された上中下のウレタンフォームシート６ａ、６ｂ、６
ｃにより、一層として構成されるので、床材１全体の材
料層数が増えることはない。さらに、上中下のウレタン
フォームシート６ａ、６ｂ、６ｃの間に熱融着フィルム
９をそれぞれ挿入し、熱圧着するだけで第２緩衝材６を
一体化できるので、接着剤やその塗布作業が不要とな
り、第２緩衝材６を容易に形成することができる。ま
た、ウレタンフォーム自体の材料コストも安価であるの
で、第２緩衝材６の材料・製造コスト、ひいては床材１
の製造コストを削減することができる。

【００１９】なお、上記の第１実施形態において、３枚
のウレタンフォームシート１６ａ〜１６ｃの密度をすべ
て異ならせてもよく、さらには、４枚以上とすること
も、もちろん可能であり、それにより、防音性能をさら
に向上させることができる。また、第２緩衝材６の表裏
面に形成した凹凸８ａ、８ｂは、いずれか一方だけとす
ることも、両方を省略することも可能である。

【００２０】図３は、本発明の第２実施形態による床材
２１を示している。この床材２１は、第１実施形態の床
材１と比較し、その第１緩衝材４を省略するとともに、
第１および第２基材３、５を１枚の基材としたものであ
り、その結果、化粧材２２、基材２３および緩衝材２４
の３層構造になっている。緩衝材２４の構成は、第１実
施形態の第２緩衝材６と同じである。したがって、この
床材２１によれば、第１実施形態の床材１と比較し、第
１緩衝材４が省略された分、防音性能はやや劣るもの
の、緩衝材２４の存在により、単純な３層構造でありな
がら、良好な防音性能を得ることができる。

【００２１】なお、本発明は、すでに説明した以外の種
々の態様で実施することができる。例えば、説明した実
施形態では、緩衝材を構成する複数の緩衝材シートとし
て、ウレタンフォームシートを採用しているが、他の材
質の緩衝材シートを用いることも、本発明の趣旨の範囲
内である。また、例示した密度や寸法を適宜、変更でき
ることはもとより、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構
成を適宜、変更することが可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の防音床材
は、材料層の数を増やすことなく、より広い周波数域に
対して防音効果を発揮でき、それにより、防音性能を向
上させることができるとともに、容易かつ安価に製造す
ることができるなどの効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態による防音床材の断面図
である。

【図２】図１の防音床材の第２緩衝材の構成および作製
方法を示す図である。

【図３】本発明の第２実施形態による防音床材の断面図
である。

【図４】従来の防音床材の断面図である。

【図５】図４とは別の従来の防音床材の断面図である。

【符号の説明】

１防音床材２化粧材３第１基材４第１緩衝材５第２基材６第２緩衝材６ａ上ウレタンフォームシート６ｂ中ウレタンフォームシート６ｃ下ウレタンフォームシート２１防音床材２２化粧材２３基材２４緩衝材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者村松又太郎静岡県浜松市寺島町200番地株式会社河合楽器製作所内 (72)発明者磯山重孝東京都中央区日本橋室町３丁目１番20号株式会社東洋クオリティワン内 (72)発明者若林博和東京都中央区日本橋室町３丁目１番20号株式会社東洋クオリティワン内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】緩衝材を含む複数の材料層を表裏方向に
積層することによって形成された防音床材であって、前記緩衝材が、表裏方向に互いに積層・接着された、密
度の異なる複数の緩衝材シートを備えていることを特徴
とする防音床材。
【請求項２】前記複数の緩衝材シートが、互いに積層
・接着された３層の緩衝材シートで構成され、その中間
層の緩衝材シートが他の緩衝材シートよりも高密度で構
成されていることを特徴とする、請求項１に記載の防音
床材。
【請求項３】前記複数の緩衝材シートが、低融点で融
解する熱融着フィルムを介して互いに熱圧着された３層
のウレタンフォームシートで構成されていることを特徴
とする、請求項１または２に記載の防音床材。