JPH0996094A - 床用遮音材及びそれを用いた床構造 - Google Patents

床用遮音材及びそれを用いた床構造

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JPH0996094A
JPH0996094A JP25765995A JP25765995A JPH0996094A JP H0996094 A JPH0996094 A JP H0996094A JP 25765995 A JP25765995 A JP 25765995A JP 25765995 A JP25765995 A JP 25765995A JP H0996094 A JPH0996094 A JP H0996094A
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floor
sound
synthetic resin
sound insulation
floor structure
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JP25765995A
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Kiyoshi Matsumoto
清 松本
Toshiya Shiozu
利也 塩津
Nozomi Haraguchi
望 原口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩行感を低下させることなく、軽量衝撃音及
び重量衝撃音に対する遮音性能を向上するとともに、任
意の位置で仕上げ材を釘打ち固定可能とする床用遮音材
及びそれを用いた床構造を提供する。 【解決手段】 静的バネ定数が1×106 N/m3
上、5×106 N/m3未満の合成樹脂発泡板8の表面
側に釘打ち可能なベース板9を積層状に設け、両者を一
体化させた床用遮音材4を、スラブ2上に設けたモルタ
ル団子3の上にレベル調整しながら敷設し、ベース板9
上に硬質捨張り材5と軟質捨張り材6を介在させた状態
で仕上げ板7を敷設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、静的バネ定数が1
×106 N/m3 以上、5×106 N/m3 未満の合成
樹脂発泡板を用いた床用遮音材及びそれを用いた床構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンクリート建築物の床構造とし
ては、スラブ上面に合成樹脂発泡板からなる下地材を、
モルタル団子や筋状モルタル等のレベル調整材を用いて
レベル出し並びに平面出しをしながら敷設し、更にその
上面に木質系素材からなる床仕上げ材を敷設すること
で、軽量衝撃音を効果的に遮音するように構成したもの
が広く採用されている。ところが、この床構造において
は、軽量衝撃音は効果的に遮音できるものの、重量衝撃
音に対する遮音性能は、スラブのみの場合よりも多少低
下することが知られている。この重量衝撃音は、基本的
には、スラブの厚さを厚くすることで解決できるが、建
築物の製作コストが高くなるので、床下地材により効果
的に重量衝撃音を遮音する技術が要望されている。
【0003】この要望に応えるため、例えば、特開昭6
0−152768号公報に記載のように、発泡合成樹脂
材を低温プレスして製作したエラスティックな合成樹脂
発泡板からなる下地材上に、床仕上げ材を敷設すること
で、重量衝撃音を効果的に低減するように構成した床構
造が提案されている。尚、この公報には、合成樹脂発泡
板の静的バネ定数を5〜30×106 N/m3 に設定し
てあり、この理由として、静的バネ定数の上限値に関し
ては、合成樹脂発泡板の密度が大きくなって遮音性能が
低下するので、30×106 N/m3 に設定することが
記載されている。また、静的バネ定数の下限値の設定理
由については記載されてないが、合成樹脂発泡板上に直
接的に床仕上げ材を配置させていることから、5×10
6 N/m 3 よりも小さくなると、ひずみ量が大きくなり
歩行感が低下するので、5×10 6 N/m3 以上に設定
したものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載の床構
造では、エラスティックな合成樹脂発泡板からなる下地
材上に床仕上げ材を配置してあるので、軽量衝撃音を効
果的に遮音しつつ、重量衝撃音もかなり効果的に遮音で
きる。しかし、静的バネ定数が5×106 N/m3 未満
の合成樹脂発泡板を使用していないので、合成樹脂発泡
板の遮音性能を十分に引き出せるものではなかった。
【0005】また、仕上げ板は、合成樹脂発泡板の上面
に接着剤で接合したり、合成樹脂発泡板に一体的に設け
た合木に対して釘打ちしたりして固定されている関係
上、接着により固定する場合には、経年変化や疲労等に
より接着剤が部分的に剥離して歩行時等に音鳴りが発生
という問題があり、釘で固定する場合には、釘打ち可能
な部位が限定されて、建築物の設計自由度が大幅に制約
されるという問題がある。また、合木を合成樹脂発泡板
に一体的に取付けるため、低温プレスした後に合成樹脂
発泡板に対して溝加工を施して接着剤等で合木を固定す
る必要があり、合成樹脂発泡板の製造工程数が増えてコ
ストアップの要因になっていた。
【0006】更に、前記公報記載の床構造においては、
レベル調整材よりも上側の床構造体の固有振動数を、捨
張り合板やインシュレーションボードにより適切に調整
し、衝撃音を効率的に低減するという発想が全く導入さ
れていなかった。本出願人は、従来の床構造では125
Hz付近の特定周波数帯域の重量衝撃音及び軽量衝撃音
に対する遮音性能が他の周波数帯域と比較して低下して
いることに着目し、床構造体の固有振動数をこの特定周
波数帯域から極力引き離すことで、遮音性能の変動を平
均化できることを見いだした。
【0007】本発明の目的は、歩行感を低下させること
なく、軽量衝撃音及び重量衝撃音に対する遮音性能を向
上するとともに、任意の位置で床仕上げ材を釘打ち固定
可能とする床用遮音材及びそれを用いた床構造を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】1請求項1に係る床用遮
音材は、静的バネ定数が1×106 N/m3 以上、5×
106 N/m3 未満の合成樹脂発泡板の表面側に釘打ち
可能なベース板を積層状に設け、両者を一体化させたも
のである。ここで、請求項2記載のように、接着剤によ
り合成樹脂発泡板の表面にベース板を一体化させるこ
と、請求項3記載のように、合成樹脂発泡板の厚さが4
0mm以上、120mm以下であること、請求項4記載
のように、ベース板の厚みが1mm以上、40mm以下
であること、請求項5記載のように、合成樹脂発泡板
が、ポリスチレン発泡板からなるものであること、請求
項6記載のように、ベース板が、合板、合成木材、コン
クリート板のいずれかで構成されていること、などが好
ましい実施例である。
【0009】請求項7記載の床構造は、コンクリートス
ラブ上にレベル調整材を介してレベル調整した状態に請
求項1〜6のいずれか1項記載の床用遮音材を載置し、
床遮音材のベース板の表面に木質系床仕上げ材を積層状
に設けたものである。ここで、請求項8記載のように、
ベース板と木質系床仕上げ材間に曲げヤング係数が10
000Kgf/cm2 以上の硬質捨張り材を積層状に設
けること、請求項9記載のように、捨張り材が、厚さが
3mm以上、40mm以下の合板からなるものであるこ
と、請求項10記載のように、木質系床仕上げ材と硬質
捨張り材間に曲げ強度が5〜100Kgf/cm2 の軟
質捨張り材を積層状に設けること、請求項11記載のよ
うに、軟質捨張り材としてインシュレーションボードを
用いること、請求項12記載のように、レベル調整材よ
りも上側の床構造体の固有振動数を100Hz以下に設
定すること、などが好ましい実施例である。
【0010】
【作用】本発明に係る床用遮音材においては、合成樹脂
発泡板の表面に、釘打ち可能なベース板を積層状に設け
て、両者を一体化させてあるので、床用遮音材上に敷設
される床仕上げ材は、任意の位置でベース板に対して釘
打ち固定できることになる。また、合成樹脂発泡板とし
て、静的バネ定数が1×106 N/m3 以上、5×10
6 N/m3 未満のエラスティックなものを用いてあるの
で、合成樹脂発泡板による遮音性能が高められ、特に軽
量衝撃音が効果的に遮音される。更に、合成樹脂発泡板
の上側にベース板を敷設することで、床用遮音材の表面
部の強度、剛性が高められ、歩行感の低下が防止される
とともに、重量衝撃音に対する遮音性能も高められる。
【0011】本発明に係る床構造においては、請求項1
〜6のいずれか1項記載の床用遮音材を、コンクリート
スラブ上にモルタル団子や筋状モルタル等のレベル調整
材を介在させてレベル調整した状態で敷設し、この床用
遮音材上に床仕上げ材を直接或いは硬質捨張り材や軟質
捨張り材を介在させて配置し、この床仕上げ材をベース
板に対して釘打ち固定して建築物に施工される。このた
め、前述の床用遮音材と同様に、任意の位置で床仕上げ
材をベース板に釘打ち固定出来るし、合成樹脂発泡板に
より遮音性能が高められ、特に軽量衝撃音が効果的に遮
音される。また、ベース板により床用遮音材の表面部の
強度、剛性が高められ、歩行感の低下が防止されるとと
もに、重量衝撃音に対する遮音性能も一層高められる。
【0012】また、床仕上げ材と床用遮音材間に、合板
などからなる硬質捨張り材やインシュレーションボード
などからなる軟質捨張り材を設けると、床構造の表面部
の強度、剛性が高くなり、歩行感の低下が一層効果的に
防止され、軽量衝撃音及び重量衝撃音に対する遮音性能
が大幅に改善される。但し、軟質捨張り材は、床構造の
表面部の強度アップにもある程度寄与するが、床仕上げ
材や硬質捨張り材と比較すると軟質な部材であり、この
ような比較的軟質な部材を強度、剛性の高い床仕上げ材
と硬質捨張り材間にサンドすることで、段階的に衝撃音
を減衰させて遮音性能の改善に大きく寄与する。
【0013】更に、レベル調整材よりも上側の床構造体
の固有振動数を100Hz以下に設定すると、床構造体
の共振による特定周波数における遮音性能の低下が防止
され、重量衝撃音及び軽量衝撃音に対する遮音性能が大
幅に改善される。つまり、従来の床構造では125Hz
付近の特定周波数帯域において重量衝撃音及び軽量衝撃
音に対する遮音性能が低下するので、床構造体の固有振
動数をこの特定周波数帯域から極力引き離すことで、遮
音性能の変動を平均化させて、重量衝撃音及び軽量衝撃
音に対する遮音性能が全体的に改善される。
【0014】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施の態様につい
て図面を参照しながら説明する。図1に示すように、建
築物の床構造1は、基本的には、コンクリート製のスラ
ブ2と、スラブ2上に設けられたレベル調整材としての
複数のモルタル団子3と、モルタル団子3上に敷設され
たユニット状の床遮音材4と、床遮音材4上に下側から
順番に積層状に敷設された硬質捨張り材5と軟質捨張り
材6と床仕上げ材7とから構成されている。
【0015】床遮音材4は、図1に示すように、相互に
間隔をあてけ配置された複数の板状の合成樹脂発泡板8
と、これら複数の合成樹脂発泡板8の上面に亙って敷設
されて接着剤で合成樹脂発泡板8に結合されたベース板
9とから構成され、隣接する合成樹脂発泡板8間に配管
や配線を配置させるための隙間を形成したものである。
尚、隣接する合成樹脂発泡板8は突き合わせ或いは合い
じゃくりにより密接配置しても良い。また、このように
密接配置する場合には、合成樹脂発泡板8の下面に配管
や配線を配置させるための溝部を形成してもよい。
【0016】合成樹脂発泡板8は、発泡ポリスチレン、
発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン等の合成樹脂発
泡体を、例えば低温プレスしたり、減圧下でプレスした
り、例えば60℃前後の雰囲気中でプレスすることでエ
ラスティックに改質したものであり、その静的バネ定数
は、1×106 N/m3 以上、5×106 N/m3
満、好ましくは2〜4×106 N/m3 に設定されてい
る。ここで、静的バネ定数が1×106 N/m3 未満の
場合には、床の沈み込みにより歩行感が悪くなるという
問題が発生し、5×106 N/m3 以上になると、図2
に示すように、軽量衝撃音に対する遮音性能が低下す
る。但し、図2の線図は、床構造1として、厚さ12m
mの床仕上げ材7と、厚さ4mmのベース板9と、厚さ
64mmの合成樹脂発泡板8と、厚さ200mmのスラ
ブ2とからなる床構造を用いて、軽量衝撃音に対する遮
音性能試験を行い得たものである。
【0017】合成樹脂発泡板8の厚さは、40〜120
mm、好ましくは45〜100mm、より好ましくは5
0〜80mmに設定されている。つまり、図3に示すよ
うに、軽量衝撃音に対する遮音性能を向上するためには
厚く設定することが好ましいが、あまり厚くしても遮音
性能は殆ど改善されず、しかも床面が高くなって居住性
が低下するので、40〜120mmの範囲内に設定され
ている。但し、図3の線図は、図2で用いた床構造の合
成樹脂発泡板8の厚みのみを順次変更して、軽量衝撃音
に対する遮音性能試験を行い得たものである。
【0018】ベース板9としては、釘打ち可能なもので
あれば、種々の素材を用いることが可能で、合板、合成
木材、コンクリート板、紙、金属板、低発泡プラスチッ
ク板、非発泡プラスチッチ板などからなるものが採用さ
れる。ベース板9の厚さは、1mm未満の場合には強
度、剛性が低くなり、歩行感が低下するとともに、重量
衝撃音に対する遮音性能が低下し、40mmを越える場
合には、合成樹脂発泡板8の厚さを十分に確保できなく
なることから、1〜40mmの厚さに設定されている。
【0019】また、接着剤としては、ベース板9と合成
樹脂発泡板8との接合強度等を考慮して、エチレン酢酸
ビニル、ポリアミド、ポリエステル、合成ゴム系樹脂な
どの接着剤から適宜選定するものとする。
【0020】硬質捨張り材5は、合板、パーティクルボ
ード、硬質繊維板等で構成されている。この硬質捨張り
材5の曲げヤング係数は、10000Kgf/cm2
満の場合には、強度、剛性が低く、歩行感が低下すると
ともに、遮音性能の改善も期待できないので、1000
0Kgf/cm2 以上、好ましくは30000Kgf/
cm2 以上に設定されている。例えば、合板で構成する
場合には、その全体の厚さが、3mm未満のときには強
度、剛性が低くなり、重量衝撃音に対する遮音性能が殆
ど改善されず、40mmを越えるときには、合成樹脂発
泡板8の厚さを十分に確保できなくなることから、3〜
40mmの厚さのものを用いることになる。
【0021】軟質捨張り材6は、合成木材或いは改良木
材からなるものである。この軟質捨張り材6の曲げ強度
は、5〜100Kgf/cm2 、好ましくはJIS規格
の軟質繊維板に規定される15〜50Kgf/cm2
設定されている。軟質捨張り材6としてインシュレーシ
ョンボードを用いる場合には、その厚さは、3mm未満
の場合には強度、剛性が低くなり、重量衝撃音に対する
遮音性能が殆ど改善されず、40mmを越える場合に
は、合成樹脂発泡板8の厚さを十分に確保できなくなる
ことから、3〜40mm、より好ましくは5〜20mm
の厚さに設定することになる。尚、この軟質捨張り材6
は、床構造1の表面部の強度アップにもある程度寄与す
るが、硬質な床仕上げ材7と硬質捨張り材5間に積層状
に設けることで、段階的に衝撃音を減衰させて遮音性能
の改善に寄与する。但し、床構造1において、軟質捨張
り材6及び硬質捨張り材5は必須の構成部材ではなく、
少なくとも一方は省略することが可能である。
【0022】床構造1のモルタル団子3よりも上側の床
構造体(図例では床遮音材4と硬質捨張り材5と軟質捨
張り材6と床仕上げ材7)の固有振動数は、100Hz
よりも大きくすると、125Hz付近の特定周波数帯域
において重量衝撃音及び軽量衝撃音に対する遮音性能が
低下するので100Hz以下に設定されている。
【0023】次に、前記床構造1に対して行った遮音性
能試験について説明する。一般的な集合住宅におけるス
ラブ2と床の上面間の距離が、約100mmであること
に鑑み、表1に示すように、実施例1〜3及び比較例
1、2では、スラブ2の厚さを200mm、仕上げ板の
厚さを12mm、モルタル団子3の厚さを8mmに設定
し、モルタル団子3と床仕上げ材7間に配置される床構
造の厚さが80mmになるように合成樹脂発泡板8、硬
質捨張り材5、軟質捨張り材6の厚さを設定した。ま
た、合成樹脂発泡板8として、実施例1〜3、比較例
1、2では静的バネ定数が2.4×106 N/m3
2.5×106 N/m3 、3.0×106 N/m3
2.7×106 N/m3 、7.0×106 N/m3 のエ
ラスティックなものを夫々用い、比較例3では25.0
×106 N/m3 のエラスティックでないものを用い
た。また、比較例4では、厚さ200mmのスラブ2の
みの場合について試験を行った。
【0024】重量衝撃音及び軽量衝撃音に対する遮音性
能に関しては、JIS A1418で規定されている測
定方法で測定し、夫々の床構造に対して3カ所の遮音性
能試験を行って、それぞれの箇所の床衝撃音レベルを測
定し、その平均を採って図4〜図10に示す結果を得
た。また、この結果に基づいて、表1に示す遮音性能を
求めた。歩行感に関しては10人の官能検査員により夫
々の床構造の歩行感を測定し、表1に示す結果を得た。
但し、表1中の◎、○、△、×の記号は歩行感の程度を
表したもので、◎、○、△、×の順番で段階的に低下す
るものとする。
【0025】固有振動数に関しては、基本的には、JI
S A6332で規定される測定方法に基づいて、減衰
振動波形を測定し、自由振動になった減衰振動波形の隣
合うピーク間から3個の周期を読み取り、その平均値か
ら固有振動数を求めた。但し、試験体としては、170
×170mmのサイズのものを用い、荷重板としては、
直径10cm、質量2kg(1m2 当たりの積載荷重6
9.2Kg)の円板状の荷重板を用いた。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示すように、比較例1においては、
スラブ2のみの場合と比較して、軽量衝撃音に対する遮
音性能はかなり改善され、また重量衝撃音に対する遮音
性能においてもエラスティックでない合成樹脂発泡板を
用いた比較例3よりも多少改善されているが、歩行感は
低下する。また、比較例2においては、静的バネ定数が
比較例1よりも大きいことから、歩行感は改善されるも
のの、軽量衝撃音に対する遮音性能は比較例1程には改
善されず、更に重量衝撃音に対する遮音性能も同様に比
較例1程には改善されていない。
【0028】一方、実施例1においては、重量衝撃音に
対する遮音性能の改善は比較例4と同じレベルではある
が、軽量衝撃音に対する遮音性能が大幅に改善され、歩
行感も良好になっていることが判る。つまり、実施例1
は、比較例1と比べてベース板9を設けている分だけ、
合成樹脂発泡板8の厚さは薄くなるが、ベース板9によ
り床構造1の表面部の強度、剛性が高くなり、軽量衝撃
音に対する遮音性能が大幅に向上し、重量衝撃音に対す
る遮音性能も比較例1〜3に比べて改善されている。
【0029】また、実施例2においては、硬質捨張り材
5を設けることで、床構造1の表面部の強度、剛性が高
くなり、軽量衝撃音及び重量衝撃音に対する遮音性能の
改善が認められる。更に、実施例3においては、硬質捨
張り材5及び軟質捨張り材6を設けることで、床構造1
の表面部の強度、剛性が一層高くなり、軽量衝撃音及び
重量衝撃音に対する遮音性能が一層改善されていること
が判る。
【0030】また、実施例1〜3において軽量衝撃音及
び重量衝撃音に対する遮音性能が改善されていること
は、固有振動数からも読み取れる。即ち、固有振動数が
220Hzの比較例3では、図9に示すように、125
〜250Hzの衝撃音が重量、軽量ともに、63Hzの
衝撃音(特に軽量衝撃音に顕著)に較べて大幅に高くな
っている。一方、固有振動数が145Hzの比較例2で
は、図8に示すように、床構造体の固有振動数を低周波
数側へ移行させることで、床衝撃音レベルのピーク周波
数を低周波数側へ移動させることが判る。この傾向は、
図4〜図7に示すように、比較例1、実施例1〜3の順
番で、床構造体の固有振動数が小さくなるにしたがって
顕著に現れ、実施例2、3では、63〜125Hzの周
波数における床衝撃音レベルがL−45のラインに略沿
って配置され、125〜250Hzの衝撃音レベルが高
くなることによる、遮音性能の低下が防止されているこ
とが判る。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る床用遮音材によれば、合成
樹脂発泡板の表面に、釘打ち可能なベース板を積層状に
設けるという簡単な構成で、床仕上げ材を任意の位置で
釘打ち固定することが可能となり、建築物の設計自由度
が大きくなる。また、合成樹脂発泡板の静的バネ定数を
1×106 N/m3 以上、5×106 N/m3 未満に設
定することで、合成樹脂発泡板による遮音性能を高め
て、軽量衝撃音を効果的に遮音することが可能となる。
更に、ベース板により床用遮音材の表面部の強度、剛性
が高められ、歩行感の低下が防止されるとともに、重量
衝撃音に対する遮音性能も高められる。
【0032】本発明に係る床構造によれば、請求項1〜
6のいずれか1項記載の床用遮音材上に、床仕上げ材を
直接或いは硬質捨張り材や軟質捨張り材等を介在させて
配置し、この床仕上げ材をベース板に対して釘打ち固定
して建築物に施工するので、前述の床用遮音材と同様
に、建築物の設計自由度が大きくなるとともに、軽量衝
撃音に対する遮音性能が向上する。また、床仕上げ材と
床用遮音材間に、硬質捨張り材や軟質捨張り材を設ける
と、床構造の表面部の強度、剛性が高くなり、歩行感の
低下が一層効果的に防止されるとともに、軽量衝撃音及
び重量衝撃音に対する遮音性能も改善される。更に、レ
ベル調整材よりも上側の床構造体の固有振動数を100
Hz以下に設定すると、床構造体の共振による局部的な
遮音性能の低下が防止され、重量衝撃音及び軽量衝撃音
に対する遮音性能が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 床構造の縦断面図
【図2】 合成樹脂発泡板の静的バネ定数と軽量衝撃音
に対する遮音性能の関係を示す線図
【図3】 合成樹脂発泡板の厚さと軽量衝撃音に対する
遮音性能の関係を示す線図
【図4】 実施例1の床構造のオクターブ帯域中心周波
数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【図5】 実施例2の床構造のオクターブ帯域中心周波
数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【図6】 実施例3の床構造のオクターブ帯域中心周波
数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【図7】 比較例1の床構造のオクターブ帯域中心周波
数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【図8】 比較例2の床構造のオクターブ帯域中心周波
数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【図9】 比較例3の床構造のオクターブ帯域中心周波
数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【図10】 比較例4の床構造のオクターブ帯域中心周
波数と床衝撃音レベルの関係を示す線図
【符号の説明】
1 床構造 2 スラブ 3 モルタル団子 4 床遮音材 5 硬質捨張り材 6 軟質捨張り材 7 床仕上げ材 8 合成樹脂発泡
板 9 ベース板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静的バネ定数が1×106 N/m3
    上、5×106 N/m 3 未満の合成樹脂発泡板の表面側
    に釘打ち可能なベース板を積層状に設け、両者を一体化
    させた床用遮音材。
  2. 【請求項2】 接着剤により合成樹脂発泡板の表面にベ
    ース板を一体化させた請求項1記載の床用遮音材。
  3. 【請求項3】 合成樹脂発泡板の厚さが40mm以上、
    120mm以下である請求項1又は2記載の床用遮音
    材。
  4. 【請求項4】 ベース板の厚みが1mm以上、40mm
    以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の床用遮音
    材。
  5. 【請求項5】 合成樹脂発泡板が、ポリスチレン発泡板
    からなるものである請求項1〜4のいずれか1項記載の
    床用遮音材。
  6. 【請求項6】 ベース板が、合板、合成木材、コンクリ
    ート板のいずれかで構成されている請求項1〜5のいず
    れか1項記載の床用遮音材。
  7. 【請求項7】 コンクリートスラブ上にレベル調整材を
    介してレベル調整した状態に請求項1〜6のいずれか1
    項記載の床用遮音材を載置し、床遮音材のベース板の表
    面に木質系床仕上げ材を積層状に設けた床構造。
  8. 【請求項8】 ベース板と木質系床仕上げ材間に曲げヤ
    ング係数が10000Kgf/cm2 以上の硬質捨張り
    材を積層状に設けた請求項7記載の床構造。
  9. 【請求項9】 硬質捨張り材が、厚さが3mm以上、4
    0mm以下の合板からなる請求項8記載の床構造。
  10. 【請求項10】 木質系床仕上げ材と硬質捨張り材間に
    曲げ強度が5〜100Kgf/cm2 の軟質捨張り材を
    積層状に設けた請求項9記載の床構造。
  11. 【請求項11】 軟質捨張り材としてインシュレーショ
    ンボードを用いた請求項10記載の床構造。
  12. 【請求項12】 レベル調整材よりも上側の床構造体の
    固有振動数を100Hz以下に設定した請求項7〜11
    のいずれか1項記載の床構造。
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