JP2004044315A - 防音床材 - Google Patents

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Hideki Kanai
金井 英樹
Sunao Furuichi
古市 直
Takashi Goto
後藤 高史
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Abstract

【課題】表面側の硬度が高くて耐キャスター性を向上できる防音床材を提供する。
【解決手段】中密度繊維板の成形原板1を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質層2を有する分割板3を硬質層2が表面側になるように配置すると共に複数枚の板を積層一体化した合板基材4の表面側に上記分割板3を積層一体化する。合板基材4の最表面側の第1層4aの厚さを第1層4aより下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材4の裏面側から第2層4bまで至るように溝部5を穿設する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床上をキャスターで移動してもキャスターからの荷重に耐えられる強度を有する耐キャスター性のある防音床材の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようする課題】
一般に、防音床材は複数枚の板を積層した合板基材の表面側に木質単板を貼り、合板基材の裏面から合板基材に溝部を穿設し、合板基材の裏面にクッション材を積層一体化して形成してある。
【0003】
ところが、木質の合板基材のみを使用した防音床材は、表面側の硬度が足りなく、床上でキャスターを使用したり、物を落としたりしたときの凹み傷ができるおそれがあって外観が見苦しくなるという問題があった。またキャスターを長い期間使用すると合板剥離や単板剥離の発生が見られる場合もあった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、表面側の硬度が高くて耐キャスター性を向上できる防音床材を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の防音床材Aは、中密度繊維板の成形原板1を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質層2を有する分割板3を硬質層2が表面側になるように配置すると共に複数枚の板を積層一体化した合板基材4の表面側に上記分割板3を積層一体化し、合板基材4の最表面側の第1層4aの厚さを第1層4aより下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材4の裏面側から第2層4bまで至るように溝部5を穿設して成ることを特徴とする。上記のように表面側に中密度繊維板よりなる硬質部分を合板基材4の表面に設けてあることにより、表面が硬質で十分な耐キャスター性を有しており、凹み傷が付いたりしなくて外観が見苦しくならない。また中密度繊維板の成形原板1は最初から薄く作り難いが、中密度繊維板の成形原板1を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質層2を有する分割板3を用いていることにより、所望の厚さの中密度繊維板を容易に得ることでき、防音床材Aの厚さを必要以上に厚くすることなく耐キャスター性のある防音床材Aを形成できる。また合板基材4の最表面側の第1層4aの厚さを第1層4aより下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材4の裏面側から第2層4bまで至るように溝部5を穿設したことにより、合板基材4に柔軟性を持たせることができて床下地に対して馴染みやすくできると共に防音性を持たせることができる。
【0006】
また中密度繊維板の成形基板1を厚さ方向に複数に分割した分割板3を合板基材4の裏面側にも積層一体化したことを特徴することも好ましい。表面と同じように裏面側にも分割板3を積層一体化したことにより、厚さ方向の層を表裏で対称にでき、防音床材Aに反りが発生したりしにくくできる。
【0007】
また中密度繊維板の成形基板1を厚さ方向に1/4割に分割して得られた分割板3のうち硬質層2を含む分割板3を合板基材4の表面側に積層一体化すると共に硬質層2を含まない分割板3を合板基材4の裏面側に積層一体化して成ることを特徴することも好ましい。この場合、硬質層2を含まない分割板3を裏面側に用いることでこの分割板3を廃棄することなく有効利用でき、材料ロスの低減とコストダウンが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に防音床材Aの一例を示す。防音床材Aの合板基材4は板を奇数の複数枚積層一体化して形成されている。本例の合板基材4は5プライの合板であり、上から第1層4a、第2層4b、第3層4c、第4層4d及び第5層4eの5つの層で構成されている。第1層4a、第3層4c及び第5層5eは繊維の方向が平行であり、第2層4b及び第4層4dの繊維の方向は上記の繊維方向と直交する方向である。また第1層4a及び第5層4eは他の層4b,4c,4dに比べて厚さが薄く、約半分程度厚さである。上記第1層4aや第5層4bは例えば厚さが0.3〜0.6mm程度であり、第2層4b、第3層4c及び第4層4dの合計の厚さは5.95〜7.5mm程度である。この合板基材4は厚さ方向に対称な層構成となっており、反りを生じたりしにくいようにバランスをとってある。
【0009】
この合板基材4の表面側には中密度繊維板が積層一体化されるのであるが、本発明の場合、中密度繊維板の成形原板1を厚さ方向に複数に分割した中密度繊維板の分割板3を積層一体化してある。中密度繊維板の成形原板1は製造の都合上、
最初から薄く作りづらいので凡そ2.7mm程度の成形原板1を厚さ方向に分割して分割板3の状態で用いるようになっている。中密度繊維板の成形原板1は合板に比べて十分に硬質であるが、表面に比べて内部が徐々に軟らかくなっており、図2(a)のように硬質層2の部分と軟質層6の部分がある。この成形原板1を厚さ方向に半割り(2分割)したのが図2(b)の状態であり、片面に硬質層2のある2つの分割板3が形成される。またこの成形原板1を1/4割り(4分割)下のが図2(c)の状態であり、片面に硬質層2のある2つの分割板3と硬質層2のない2つの分割板3が形成される。
【0010】
図1の例の場合、上記のように分割した中密度繊維板の分割板3のうち、片面の硬質層2のある分割板3が硬質層2を上にして貼り合わせて積層一体化されている。この分割板3の上には表面化粧単板7が単板プレスにて積層一体化され、必要に応じて塗装を施してある。上記中密度繊維板の分割板3の厚さは例えば0.7〜1.35mmであり、表面化粧単板7の厚さは0.2〜0.5mmである。このように分割板3及び表面化粧単板7を積層一体化した状態で合板基材4の裏面から複数本の溝部5が平行に穿設してある。この溝部5を穿設するとき合板基材4の裏面から第2層4bまで穿設してある。また溝部5を穿設するとき第1層の繊維方向と溝部5の長手方向とが直交するように穿設してある。この溝部5を穿設した後に合板基材4の裏面側には不織布、発泡ウレタン等のクッション材8を貼り付けてある。
【0011】
上記のように防音床材Aが形成され、表面に中密度繊維板の硬質部が形成されているために耐キャスター性を向上でき、凹み傷が付いたりしなくて外観が見苦しくならない。中密度繊維板の成形原板1を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質層2を有する分割板3を用いていることにより、所望の厚さの中密度繊維板を容易に得ることでき、防音床材Aの厚さを必要以上に厚くすることなく耐キャスター性のある防音床材Aを形成できる。また合板基材4の最表面側の第1層4aの厚さを第1層4aより下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材4の裏面側から第2層4bまで至るように溝部5を穿設したことにより、合板基材4に柔軟性を持たせることができて床下地に対して馴染みやすくできると共に防音性を持たせることができる。また第1層4aの繊維方向と溝部5の長手方向とを直交させることにより溝部5により柔軟性を持たせてあっても割れを発生しにくくできる。
【0012】
次に図3に示す例についてい述べる。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。本例の場合も、合板基材1の上に硬質部2のある分割板3が積層一体化されると共に表面化粧単板7が積層一体化されるが、本例では合板基材1の裏面側にも分割板3を貼り合わせて積層一体化してある。この裏面側に貼り合わせる分割板3は表面側に貼り合わせる分割板3と同じ厚さで例えば0.7〜1.3mmである。このように裏面側に分割板3を貼り合わせた状態で裏面側の分割板3から合板基材1に複数の溝部5を平行に穿設してある。この溝部5も合板基材1の第2層4bまで穿設してある。溝部5を穿設した後に合板基材4の裏面側には不織布、発泡ウレタン等のクッション材8を貼り付けてある。この防音床材Aの場合、裏面側にも中密度繊維板の分割板3があるので、基材部分の表裏が対称になり、防音床材Aに反りが発生したりしにくくできる。
【0013】
また図3の例のもので中密度繊維板の成形原板1を1/4割りした分割板3を用いる場合、硬質部2のある分割板3を合板基材1の表面側に積層一体化し、硬質部2のない分割板3を合板基材1の裏面側に積層一体化することが好ましい。このようにすると、硬質部2のない分割板を廃棄することなく裏面側に貼り付けて使用できて材料ロスをなくすことができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明の請求項1の発明は、叙述の如く表面側に中密度繊維板よりなる硬質部分を合板基材の表面に設けてあるので、表面が硬質で十分な耐キャスター性を有しており、凹み傷が付いたりしなくて外観が見苦しくならないものであり、また、中密度繊維板の成形原板を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質層を有する分割板を用いているので、所望の厚さの中密度繊維板を容易に得ることができ、防音床材の厚さを必要以上に厚くすることなく耐キャスター性のある防音床材を形成できるものであり、また合板基材の最表面側の第1層の厚さを第1層より下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材の裏面側から第2層まで至るように溝部を穿設したので、合板基材に柔軟性を持たせることができて床下地に対して馴染みやすくできると共に防音性を持たせることができるものである。
【0015】
また本発明の請求項2の発明は、請求項1において、中密度繊維板の成形基板を厚さ方向に複数に分割した分割板を合板基材の裏面側にも積層一体化したので、表面と同じように裏面側にも分割板を積層一体化して厚さ方向の層を表裏で対称にでき、防音床材に反りが発生したりしにくくできるものである。
【0016】
また本発明の請求項3の発明は、請求項2において、中密度繊維板の成形基板1を厚さ方向に1/4割に分割して得られた分割板のうち硬質層を含む分割板を合板基材の表面側に積層一体化すると共に硬質層を含まない分割板を合板基材の裏面側に積層一体化しているので、硬質層を含まない分割板を裏面側に用いることでこの分割板を廃棄することなく有効利用でき、材料ロスの低減とコストダウンが可能になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音床材の一例の要部の断面図である。
【図2】(a)(b)(c)は同上の中密度繊維板の成形原板を分割する状態を説明する説明図である。
【図3】同上の他の例の要部の断面図である。
【符号の説明】
A 防音床材
1 中密度繊維板の成形原板
2 硬質層
3 中密度繊維板の分割板
4 合板基材
5 溝部

Claims (3)

  1. 中密度繊維板の成形原板を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質層を有する分割板を硬質層が表面側になるように配置すると共に複数枚の板を積層一体化した合板基材の表面側に上記分割板を積層一体化し、合板基材の最表面側の第1層の厚さを第1層より下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材の裏面側から第2層まで至るように溝部を穿設して成ることを特徴する防音床材。
  2. 中密度繊維板の成形原板を厚さ方向に複数に分割した分割板を合板基材の裏面側にも積層一体化したことを特徴する請求項1記載の防音床材。
  3. 中密度繊維板の成形原板を厚さ方向に1/4割に分割して得られた分割板のうち硬質層を含む分割板を合板基材の表面側に積層一体化すると共に硬質層を含まない分割板を合板基材の裏面側に積層一体化して成ることを特徴する請求項2記載の防音床材。
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