JPH08118421A - 二材成形方法、金型装置及びスピーカ - Google Patents
二材成形方法、金型装置及びスピーカInfo
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- JPH08118421A JPH08118421A JP25809294A JP25809294A JPH08118421A JP H08118421 A JPH08118421 A JP H08118421A JP 25809294 A JP25809294 A JP 25809294A JP 25809294 A JP25809294 A JP 25809294A JP H08118421 A JPH08118421 A JP H08118421A
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Abstract
した成形を行うことができ、歩留りが良い二材成形方
法、金型装置及びスピーカを提供する。 【構成】型締装置及び移動装置31によって固定金型に
対して可動金型及びインナースライドを前進させてキャ
ビティを形成し、該キャビティに1次樹脂を充填(じゅ
うてん)して第1の部材を成形する。次に、前記インナ
ースライドを後退させて他のキャビティを形成し、該他
のキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材を成形す
るとともに1次樹脂と2次樹脂とを接触させる。前記イ
ンナースライドは、成形品の仕上がり形状位置より多く
後退させられて他のキャビティが厚くされるので、十分
な量の2次樹脂を他のキャビティに供給することができ
る。成形品にショートショットが発生するのを防止する
ことができ、成形条件の選択幅が広くなり、安定した成
形を行うことができるようになる。
Description
置及びスピーカに関するものである。
イナミックスピーカにおいては、スピーカ振動板を振動
させることによって音声を再現することができるように
なっている。この場合、磁界中に置いたボイスコイルに
音声電流を流すことによって振動を発生させるようにな
っている。
い)形の振動板部、該振動板部の大径側の端部に配設さ
れたエッジ部、該エッジ部の更に大径側の端部に配設さ
れたガスケット部、及び前記振動板部の小径側の端部に
配設された円筒形状のネック部から成る。前記ガスケッ
ト部はダイナミックスピーカのフレームに固定され、前
記エッジ部と一体に成形され、振動板部を支持する。一
方、ネック部にはボイスコイルが接着され、該ボイスコ
イルの周囲に永久磁石が配設され、該永久磁石によって
磁界が形成される。
磁石の磁界中に配設された前記ボイスコイルに音声電流
が流れると、それに対応してボイスコイルが移動し、前
記振動板部を振動させて音声を再現する。ところで、前
記エッジ部はガスケット部と振動板部との間に配設され
て振動板部を振動させる部分であるので、弾性の高いエ
ラストマー等によって形成される。また、振動板部は、
通常、機械的な強度の高い樹脂によって形成され、例え
ば、ポリプロピレン(PP)樹脂が使用される。この場
合、ガスケット部及びエッジ部と振動板部とをそれぞれ
別々に成形した後に接着剤等によって接合する必要があ
るので、作業が煩わしくなるだけでなくコストが高くな
ってしまう。
次成形においてガスケット部及びエッジ部を成形する二
材成形方法が提供されている。該二材成形方法において
は、1次成形においてポリプロピレン樹脂等の1次樹脂
によって振動板部を成形し、次に、コアを後退させ、2
次成形においてエラストマー等の2次樹脂によってガス
ケット部及びエッジ部を成形するようになっている。こ
の場合、コアを後退させたときに、キャビティによって
スピーカ振動板の最終寸法が得られるようになってい
る。
来の二材成形方法においては、前記エッジ部は振動板部
を振動させる部分であるので、極めて薄く成形する必要
があり、その分、キャビティのエッジ部に対応する箇所
も薄く作られるが、2次樹脂として使用されるエラスト
マー等の弾性の高い材料は流動性が悪いので、キャビテ
ィの薄い箇所に十分な量の2次樹脂を供給することがで
きない。
発生してしまう。そこで、キャビティの薄い箇所にも十
分な量の2次樹脂を供給するために、キャビティに充填
(じゅうてん)される樹脂の圧力を高くすることが考え
られるが、その場合、高い圧力が射出ノズル、スプル
ー、ゲート、キャビティ等に加わることになり、バリ、
成形品の表面のしわ、エッジ部と振動板部との接合不
良、1次成形品とコアとの間への樹脂のはみ出し、離型
不良、取出し後における成形品の変形等が発生してしま
う。
安定した成形を行うことができず、歩留りが悪くなって
しまう。本発明は、前記従来の二材成形方法の問題点を
解決して、成形条件の選択幅を広くすることができ、安
定した成形を行うことができ、歩留りが良い二材成形方
法、金型装置及びスピーカを提供することを目的とす
る。
材成形方法においては、固定金型に対して可動金型及び
インナースライドを前進させてキャビティを形成し、該
キャビティに1次樹脂を充填して第1の部材を成形す
る。次に、前記インナースライドを後退させて他のキャ
ビティを形成し、該他のキャビティに2次樹脂を充填し
て第2の部材を成形するとともに1次樹脂と2次樹脂と
を接触させる。
て成形品の仕上がり形状位置に置き、2次樹脂を押圧し
て第1の部材と第2の部材とを接合する。本発明の他の
二材成形方法においては、前記インナースライドは、第
1の部材と第2の部材との接合部に臨ませて配設され、
2次樹脂が射出された後に前進させられて該2次樹脂を
押圧することによって、前記接合部を設定された寸法に
仕上げ、1次樹脂と2次樹脂とを接合させる。
は、前記第1の部材がスピーカ振動板の振動板部であ
り、第2の部材がスピーカ振動板のエッジ部である。本
発明の更に他の二材成形方法においては、前記インナー
スライドは可動金型側に配設される。本発明の更に他の
二材成形方法においては、前記インナースライドは固定
金型側に配設される。
は、前記インナースライドは可動金型側及び固定金型側
に配設される。本発明の更に他の二材成形方法において
は、前記2次樹脂はエラストマーである。本発明の更に
他の二材成形方法においては、前記他のキャビティに2
次樹脂が完全に充填される時点より前に2次樹脂の射出
が打ち切られる。
と、該固定金型と対向させて進退自在に配設された可動
金型と、前記固定金型及び可動金型の少なくとも一方側
に進退自在に配設されたインナースライドとを有する。
また、前記可動金型を進退させる型締装置と、前記イン
ナースライドを進退させる移動装置と、前記可動金型及
びインナースライドを前進させたときに形成されるキャ
ビティに1次樹脂を充填して第1の部材を成形する第1
の可塑化装置と、インナースライドを後退させたときに
形成されるキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材
を成形する第2の可塑化装置とを有する。
ライドを前進位置、後退位置及び成形品の仕上がり形状
位置に置く。本発明のスピーカにおいては、固定金型に
対して可動金型及びインナースライドを前進させてキャ
ビティを形成し、該キャビティに1次樹脂を充填してス
ピーカ振動板の振動板部を成形する。
他のキャビティを形成し、該他のキャビティに2次樹脂
を充填してスピーカ振動板のエッジ部を成形する。そし
て、1次樹脂と2次樹脂とを接触させ、前記インナース
ライドを前進させて成形品の仕上がり形状位置に置き、
2次樹脂を押圧することによって振動板部とエッジ部と
が接合される。
締装置及び移動装置によって固定金型に対して可動金型
及びインナースライドを前進させてキャビティを形成
し、該キャビティに1次樹脂を充填して第1の部材を成
形する。次に、前記インナースライドを後退させて他の
キャビティを形成し、該他のキャビティに2次樹脂を充
填して第2の部材を成形するとともに1次樹脂と2次樹
脂とを接触させる。この場合、前記インナースライドが
後退させられているので、十分な量の2次樹脂を他のキ
ャビティに充填することができる。また、2次樹脂の圧
力を高くする必要はない。
て成形品の仕上がり形状位置に置き、2次樹脂を押圧し
て第1の部材と第2の部材とを接合する。この時、第1
の部材と第2の部材とは接合部分において融合される
か、又は完全に接着される。本発明の他の二材成形方法
においては、前記インナースライドは、第1の部材と第
2の部材との接合部に臨ませて配設され、2次樹脂が射
出された後に前進させられて該2次樹脂を押圧すること
によって、前記接合部を設定された寸法に仕上げ、1次
樹脂と2次樹脂とを接合させる。
って樹脂の配向が改善される。本発明の更に他の二材成
形方法においては、前記第1の部材がスピーカ振動板の
振動板部であり、第2の部材がスピーカ振動板のエッジ
部である。前記インナースライドを前進させて成形品の
仕上がり形状位置に置き、2次樹脂を押圧することによ
ってエッジ部の厚さを薄くすることができる。
は、前記2次樹脂はエラストマーである。この場合、2
次樹脂は流動性が悪いが、キャビティの薄い箇所に十分
な量の2次樹脂を供給することができる。本発明の更に
他の二材成形方法においては、前記他のキャビティに2
次樹脂が完全に充填される時点より前に2次樹脂の射出
が打ち切られる。この場合、前記インナースライドを前
進させて成形品の仕上がり形状位置に置き、2次樹脂を
押圧することによって成形工程の後半が行われる。
と、該固定金型と対向させて進退自在に配設された可動
金型と、前記固定金型及び可動金型の少なくとも一方側
に進退自在に配設されたインナースライドとを有する。
また、前記可動金型を進退させる型締装置と、前記イン
ナースライドを進退させる移動装置と、前記可動金型及
びインナースライドを前進させたときに形成されるキャ
ビティに1次樹脂を充填して第1の部材を成形する第1
の可塑化装置と、インナースライドを後退させたときに
形成されるキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材
を成形する第2の可塑化装置とを有する。
ライドを前進位置、後退位置及び成形品の仕上がり形状
位置に置く。この場合、型締装置によって可動金型を、
移動装置によってインナースライドを前進させてキャビ
ティを形成し、該キャビティに1次樹脂を充填して第1
の部材を成形する。次に、前記移動装置によってインナ
ースライドを後退させて他のキャビティを形成し、該他
のキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材を成形す
るとともに1次樹脂と2次樹脂とを接触させる。この場
合、前記インナースライドが後退させられているので、
十分な量の2次樹脂を他のキャビティに充填することが
できる。また、2次樹脂の圧力を高くする必要はない。
ライドを前進させて成形品の仕上がり形状位置に置き、
2次樹脂を押圧して第1の部材と第2の部材とを接合す
る。この時、第1の部材と第2の部材とは接合部分にお
いて融合されるか、又は完全に接着される。本発明のス
ピーカにおいては、固定金型に対して可動金型及びイン
ナースライドを前進させてキャビティを形成し、該キャ
ビティに1次樹脂を充填してスピーカ振動板の振動板部
を成形する。
他のキャビティを形成し、該他のキャビティに2次樹脂
を充填してスピーカ振動板のエッジ部を成形する。この
場合、前記インナースライドが後退させられているの
で、十分な量の2次樹脂を他のキャビティに充填するこ
とができる。また、2次樹脂の圧力を高くする必要がな
い。
せ、前記インナースライドを前進させて成形品の仕上が
り形状位置に置き、2次樹脂を押圧することによって振
動板部とエッジ部とが接合される。この時、第1の部材
と第2の部材とは接合部分において融合されるか、又は
完全に接着される。
ながら詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施例に
おけるスピーカ振動板の断面図である。図において、1
0はスピーカ振動板であり、該スピーカ振動板10は第
1の部材としての切頭円錐形の振動板部11、該振動板
部11の大径側の端部11aに配設されたエッジ部1
2、該エッジ部12の更に大径側の端部12aに配設さ
れたガスケット部13、前記振動板部11の小径側の端
部11bに配設された図示しない円筒形状のネック部と
から成る。前記エッジ部12及びガスケット部13によ
って第2の部材が構成される。
ダイナミックスピーカのフレームに固定され、前記エッ
ジ部12と一体に成形され、振動板部11を支持する。
一方、ネック部には図示しないボイスコイルが接着さ
れ、該ボイスコイルの周囲に永久磁石が配設され、該永
久磁石によって磁界が形成される。前記構成のスピーカ
振動板10において、永久磁石の磁界中に配設された前
記ボイスコイルに音声電流が流れると、それに対応して
ボイスコイルが移動し、前記振動板部11を振動させて
音声を再現する。
部13と振動板部11との間に配設されて振動板部11
を振動させる部分であるので、弾性の高いエラストマー
等によって形成される。また、振動板部11は、通常、
機械的な強度の高い樹脂によって形成され、例えば、ポ
リプロピレン(PP)樹脂が使用される。この場合、ス
ピーカ振動板10は1次成形及び2次成形から成る二材
成形方法によって成形され、1次成形において振動板部
11が1次樹脂によって、2次成形においてガスケット
部13及びエッジ部12が2次樹脂によって成形され
る。
装置について説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける金型装置の断面図、図3は本発明の第1の実施例
における金型装置の第1の状態図、図4は本発明の第1
の実施例における金型装置の第2の状態図、図5は本発
明の第1の実施例における金型装置の第3の状態図であ
る。
型装置21は固定金型としてのキャビティ金型22、該
キャビティ金型22と対向させて進退自在に配設された
可動金型としてのコア金型23、及び前記キャビティ金
型22と対向させて進退自在に配設された環状のコアイ
ンナースライド24から成る。該コアインナースライド
24はコア金型23に対して相対的に移動させることが
可能であり、両者は機密に摺動(しゅうどう)させられ
る。
い型締装置に連結され、型締シリンダを作動させること
によって進退させられる。また、前記コアインナースラ
イド24は、ロッド32を介して移動装置31と連結さ
れ、図示しないコアシリンダを作動させることによって
進退させられる。そして、前記型締シリンダ及びコアシ
リンダには、油圧回路に配設された圧力制御弁、切換弁
等の制御弁を制御することによって油が供給される。ま
た、前記制御弁は制御装置によって制御される。
型22を固定金型とし、コア金型23を可動金型として
いるが、キャビティ金型22を可動金型とし、コア金型
23を固定金型とすることもできる。ところで、図1及
び3に示す金型装置21の第1の状態においては、型締
装置によって型締めが行われてコア金型23は前進位置
に置かれ、キャビティ金型22との間に第1キャビティ
25及び第2キャビティ26を形成する。
(図2)に対応する形状を有する切頭円錐形部25a、
及び該切頭円錐形部25aの小径側の端部に接続されて
切頭円錐形部25aと一体に延びる円板形部25bから
成る。また、前記第2キャビティ26はガスケット部1
3に対応する形状を有する環状部から成る。そして、前
記コアインナースライド24も前進位置に置かれ、前記
コア金型23と共に第1キャビティ25及び第2キャビ
ティ26を形成する。すなわち、コアインナースライド
24は環状体から成り、コア金型23と機密に摺動させ
られ、前進位置においてコアインナースライド24の内
周側におけるキャビティ金型22と対向する部分24a
は、前記第1キャビティ25の切頭円錐形部25aにお
ける大径側の端部25cを封止する。一方、コアインナ
ースライド24の外周側におけるコア金型23と対向す
る部分24bは、前記第2キャビティ26の内径側の端
部26aを封止する。
は、前記第1キャビティ25の円板形部25bと対向さ
せてゲート28が形成され、該ゲート28は図示しない
固定プラテンに形成されたランナー、スプルー等に接続
される。さらに、前記コア金型23には、前記第2キャ
ビティ26と対向させてゲート29が形成され、該ゲー
ト29は前記固定プラテンに形成されたランナー、スプ
ルー等に接続される。
1次樹脂を第1キャビティ25に充填して1次成形を行
うと、切頭円錐形部25aに対応させて振動板部11
を、円板形部25bに対応させて皿状部を成形すること
ができる。なお、該皿状部はスピーカ振動板10を成形
した後に切断されて振動板部11から分離させられる。
次に、図4に示す金型装置21の第2の状態において
は、コア金型23は前記型締装置によって前進位置に置
かれ、キャビティ金型22との間に第1キャビティ25
及び第2キャビティ26を形成する。なお、前記第1キ
ャビティ25には既に1次樹脂が充填されている。
動装置31によって後退位置に置かれ、キャビティ金型
22及びコア金型23と共に第3キャビティ35を形成
する。この場合、コアインナースライド24は、後で行
われる2次樹脂の押圧のための圧縮代を見込み、破線で
示す成形品の仕上がり形状位置より多く後退させられ
る。そして、該第3キャビティ35の内周側の端部35
aは、第1キャビティ25の切頭円錐形部25aにおけ
る大径側の端部25cに既に充填された樹脂と面する。
2次樹脂を第2キャビティ26及び第3キャビティ35
に充填して2次成形を行うと、ガスケット部13及びエ
ッジ部12を成形することができる。このとき、第3キ
ャビティ35に充填された樹脂は前記切頭円錐形部25
aにおける大径側の端部25cに既に充填された樹脂と
接触する。
態においては、コア金型23は前記型締装置によって前
進位置に置かれ、キャビティ金型22との間に第1キャ
ビティ25及び第2キャビティ26を形成する。なお、
前記第1キャビティ25及び第2キャビティ26には既
に1次樹脂及び2次樹脂がそれぞれ充填されている。そ
して、前記コアインナースライド24は移動装置31に
よって成形品の仕上がり形状位置に置かれ、前記第3キ
ャビティ35に充填された2次樹脂が押圧される。その
結果、1次樹脂と2次樹脂との接合部P1において、前
記移動装置31が加える押圧力によって1次樹脂と2次
樹脂とが接合される。すなわち、1次樹脂と2次樹脂と
が融合されるか、又は完全に接着されるので、接合強度
を大きくすることができる。また、2次樹脂を充填する
タイミングを調整することによって、1次樹脂が硬化す
る前に2次樹脂を押圧し、1次樹脂と2次樹脂とを融着
することもできる。この場合、接合強度を更に大きくす
ることができる。
ースライド24は成形品の仕上がり形状位置より後退さ
せられて前記第3キャビティ35が厚くされるので、2
次樹脂としてエラストマー等の流動性が悪い樹脂を使用
しても、十分な量の2次樹脂を第3キャビティ35に供
給することができる。したがって、成形品にショートシ
ョットが発生するのを防止することができる。また、成
形条件の選択幅が広くなり、安定した成形を行うことが
できるようになる。
ゲート29が配設されない部分にも十分な量の2次樹脂
を充填することができ、しかも、2次樹脂が押圧される
ことによって樹脂の配向が改善されるので、エッジ部1
2の薄肉部の引張強度を大きくするとともに均一化する
ことができる。さらに、2次樹脂を第2キャビティ26
及び第3キャビティ35に充填する際の樹脂の圧力を高
くする必要がないので、バリ、成形品の表面のしわ、エ
ッジ部と振動板部との接合不良、1次成形品とコアとの
間への樹脂のはみ出し、離型不良、取出し後における成
形品の変形等が発生するのを防止することができる。
ナースライド24は成形品の仕上がり形状位置に前進さ
せられるので、成形品の仕上がり形状のエッジ部12を
薄くすることができる。その結果、成形条件の選択幅が
広くなり、安定した成形を行うことができ、歩留りが良
くなる。
を大きくすることができるとともに、エッジ部12を薄
くすることができるので、スピーカ特性における最低共
振周波数を大幅に下げることができるだけでなく、該最
低共振周波数のばらつきが発生するのを防止することが
できる。本実施例においては、第2の状態において前記
第3キャビティ35に2次樹脂を供給し、コアインナー
スライド24を成形品の仕上がり形状位置に前進させて
第3の状態を形成するようになっているので、エッジ部
12の厚さを20〔%〕程度小さくして薄肉化を図るこ
とができる。また、最低共振周波数の変化率を10
〔%〕程度小さくすることができる。
前記移動装置31による押圧力が加えられるようになっ
ているので、射出時の保圧が不要になる。したがって、
離型不良を起こしやすいスプルー、ランナ等を使用した
場合においても、容易に離型を行うことができる。さら
に、冷却時間を10秒以上短縮することもできる。次
に、前記金型装置21の動作について、図6から9まで
に基づき図1から5までを併用して説明する。
め及び射出のタイムチャート、図7は本発明の第1の実
施例における1次樹脂の充填状態図、図8は本発明の第
1の実施例における2次樹脂の充填状態図、図9は本発
明の第1の実施例における2次樹脂の押圧状態図であ
る。まず、図示しない型締装置の型締シリンダを作動さ
せ、型締装置によって図7に示すようにコア金型23を
前進位置に置き、同時に、移動装置31の図示しないコ
アシリンダを作動させることによってコアインナースラ
イド24を前進位置に置く。
置としての可塑化ユニットFの移動シリンダを作動させ
て可塑化ユニットFを前進させ、射出シリンダを作動さ
せて射出を行い、第1キャビティ25に1次樹脂を充填
する。そして、任意の時点、通常は、射出及び保圧が終
了した時点において、圧抜時間T1だけ型締シリンダを
作動させ、型締圧力を抜く。また、型締圧力の抜きを開
始した時点からコア後退遅延時間T2が経過すると、前
記コアシリンダが作動させられ、移動装置31によって
図8に示すようにコアインナースライド24が後退位置
に置かれる。
とによって、金型装置21に加わる型締力を抜き、コア
ーインナースライド24を円滑に移動させることができ
る。その結果、金型装置21の寿命を長くすることがで
きる。続いて、2次成形において、第2の可塑化装置と
しての可塑化ユニットRの移動シリンダを作動させて可
塑化ユニットRを前進させ、射出シリンダを作動させて
射出を行い、第2キャビティ26及び第3キャビティ3
5に2次樹脂を充填する。
し、その後、コア再前進遅延時間T3が経過すると、コ
アシリンダがコア再前進時間T4だけ作動させられ、コ
アインナースライド24が移動装置31によって前進さ
せられ、図9に示すように成形品の仕上がり形状位置に
移動させられる。この時のコアインナースライド24に
よる押圧力はコアシリンダに油を供給するための図示し
ない制御弁によって、また、押圧時間はタイマによって
制御される。
設定して、第2キャビティ26及び第3キャビティ35
に2次樹脂が完全に充填される前に2次樹脂の射出を打
ち切り、コアインナースライド24を前進させることが
できる。この場合、コアインナースライド24を前進さ
せて2次樹脂を押圧することによって、成形工程の後半
が行われる。
して、第2キャビティ26及び第3キャビティ35に2
次樹脂が完全に充填された後にコアインナースライド2
4を前進させることもできる。その後、移動装置31に
よってコアインナースライド24を後退位置に置き、前
記型締装置の型締シリンダを作動させ、型締装置によっ
てコア金型23を後退位置に置く。また、この時、移動
シリンダを作動させ、可塑化ユニットRを後退させる。
そして、油圧エジェクタを作動させ、成形品を突き出
す。
する。図10は本発明の第2の実施例における1次樹脂
の充填状態図、図11は本発明の第2の実施例における
2次樹脂の充填状態図、図12は本発明の第2の実施例
における2次樹脂の押圧状態図である。図において、1
21は金型装置であり、該金型装置121は固定金型と
してのキャビティ金型122、該キャビティ金型122
と対向させて進退自在に配設された可動金型としてのコ
ア金型123、及びキャビティ金型122側に前記コア
金型123と対向させて進退自在に配設された環状のキ
ャビティインナースライド124から成る。該キャビテ
ィインナースライド124はキャビティ金型122に対
して相対的に移動させることが可能であり、両者は機密
に摺動させられる。そのために、前記コア金型123は
図示しない型締装置に連結され、前記キャビティインナ
ースライド124は図示しない移動装置と連結される。
ず、図10に示すようにコア金型123を前進位置に置
き、同時に、移動装置の図示しないコアシリンダを作動
させ、移動装置によってキャビティインナースライド1
24を前進位置に置く。次に、第1キャビティ25に1
次樹脂を充填する。そして、射出及び保圧が終了した時
点において、移動装置によって図11に示すようにキャ
ビティインナースライド124を後退位置に置く。
ビティ35に2次樹脂を充填する。そして、キャビティ
インナースライド124が移動装置によって前進させら
れ、図12に示すように成形品の仕上がり形状位置に移
動させられる。次に、本発明の第3の実施例について説
明する。図13は本発明の第3の実施例における1次樹
脂の充填状態図、図14は本発明の第3の実施例におけ
る2次樹脂の充填状態図、図15は本発明の第3の実施
例における2次樹脂の押圧状態図である。
金型装置221は固定金型としてのキャビティ金型22
2、該キャビティ金型222と対向させて進退自在に配
設された可動金型としてのコア金型223、該コア金型
223側に前記キャビティ金型222と対向させて進退
自在に配設された環状のコアインナースライド224
a、及びキャビティ金型222側に前記コア金型223
と対向させて進退自在に配設された環状のキャビティイ
ンナースライド224bから成る。前記コアインナース
ライド224aはコア金型223に対して、キャビティ
インナースライド224bはキャビティ金型222に対
してそれぞれ相対的に移動させることが可能であり、両
者は機密に摺動させられる。そのために、前記コア金型
223は図示しない型締装置に連結され、前記コアイン
ナースライド224a及びキャビティインナースライド
224bは図示しない移動装置と連結される。
ず、図13に示すようにコア金型223を前進位置に置
き、同時に、移動装置の図示しないコアシリンダを作動
させ、移動装置によって前記コアインナースライド22
4a及びキャビティインナースライド224bを前進位
置に置く。次に、第1キャビティ25に1次樹脂を充填
する。
いて、移動装置によって図14に示すように前記コアイ
ンナースライド224a及びキャビティインナースライ
ド224bを後退位置に置く。続いて、第2キャビティ
26及び第3キャビティ35に2次樹脂を充填する。そ
して、前記コアインナースライド224a及びキャビテ
ィインナースライド224bが移動装置によって前進さ
せられ、図15に示すように成形品の仕上がり形状位置
に移動させられる。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させるこ
とが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するも
のではない。
れば、二材成形方法においては、型締装置及び移動装置
によって固定金型に対して可動金型及びインナースライ
ドを前進させてキャビティを形成し、該キャビティに1
次樹脂を充填して第1の部材を成形する。次に、前記イ
ンナースライドを後退させて他のキャビティを形成し、
該他のキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材を成
形するとともに1次樹脂と2次樹脂とを接触させる。
品の仕上がり形状位置より後退させられて他のキャビテ
ィが厚くされるので、十分な量の2次樹脂を他のキャビ
ティに供給することができる。したがって、成形品にシ
ョートショットが発生するのを防止することができる。
また、成形条件の選択幅が広くなり、安定した成形を行
うことができるようになる。
成形品の仕上がり形状位置に置き、2次樹脂を押圧して
第1の部材と第2の部材とを接合する。この場合、2次
樹脂が押圧されることによって樹脂の配向が改善される
ので、成形品の薄肉部の引張強度を大きくするとともに
均一化することができる。さらに、2次樹脂を他のキャ
ビティに充填する際の樹脂の圧力を高くする必要がない
ので、バリ、成形品の表面のしわ、第1の部材と第2の
部材との接合不良、第1の部材と固定金型との間への樹
脂のはみ出し、離型不良、取出し後における成形品の変
形等が発生するのを防止することができる。
安定した成形を行うことができ、歩留りが良くなる。ま
た、他のキャビティ内の樹脂に押圧力が加えられるの
で、射出時の保圧が不要になる。したがって、離型不良
を起こしやすいスプルー、ランナ等を使用した場合にお
いても、容易に離型を行うことができる。さらに、冷却
時間を短縮することもできる。
記インナースライドは、第1の部材と第2の部材との接
合部に臨ませて配設され、2次樹脂が射出された後に前
進させられて該2次樹脂を押圧することによって、前記
接合部を設定された寸法に仕上げ、1次樹脂と2次樹脂
とを接合させる。この場合、2次樹脂が押圧されること
によって樹脂の配向が改善されるので、成形品の薄肉部
の引張強度を大きくするとともに均一化することができ
る。
は、前記第1の部材がスピーカ振動板の振動板部であ
り、第2の部材がスピーカ振動板のエッジ部である。こ
の場合、前記インナースライドを前進させて成形品の仕
上がり形状位置に置き、2次樹脂を押圧することによっ
てエッジ部の厚さを薄くすることができ、第1の部材と
第2の部材との接合部における接合強度を大きくするこ
とができるので、スピーカ特性における最低共振周波数
を大幅に下げることができるだけでなく、該最低共振周
波数のばらつきが発生するのを防止することができる。
は、前記2次樹脂はエラストマーである。この場合、2
次樹脂は流動性が悪いが、キャビティの薄い箇所に十分
な量の2次樹脂を供給することができる。したがって、
成形品にショートショットが発生するのを防止すること
ができる。また、成形条件の選択幅が広くなり、安定し
た成形を行うことができるようになる。
と、該固定金型と対向させて進退自在に配設された可動
金型と、前記固定金型及び可動金型の少なくとも一方側
に進退自在に配設されたインナースライドとを有する。
また、前記可動金型を進退させる型締装置と、前記イン
ナースライドを進退させる移動装置と、前記可動金型及
びインナースライドを前進させたときに形成されるキャ
ビティに1次樹脂を充填して第1の部材を成形する第1
の可塑化装置と、インナースライドを後退させたときに
形成されるキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材
を成形する第2の可塑化装置とを有する。
ライドを前進位置、後退位置及び成形品の仕上がり形状
位置に置く。この場合、2次樹脂が押圧されることによ
って樹脂の配向が改善されるので、成形品の薄肉部の引
張強度を大きくするとともに均一化することができる。
さらに、2次樹脂を他のキャビティに充填する際の樹脂
の圧力を高くする必要がないので、バリ、成形品の表面
のしわ、第1の部材と第2の部材との接合不良、第1の
部材と固定金型との間への樹脂のはみ出し、離型不良、
取出し後における成形品の変形等が発生するのを防止す
ることができる。
安定した成形を行うことができ、歩留りが良くなる。ま
た、他のキャビティ内の樹脂に押圧力が加えられるの
で、射出時の保圧が不要になる。したがって、離型不良
を起こしやすいスプルー、ランナ等を使用した場合にお
いても、容易に離型を行うことができる。さらに、冷却
時間を短縮することもできる。
対して可動金型及びインナースライドを前進させてキャ
ビティを形成し、該キャビティに1次樹脂を充填してス
ピーカ振動板の振動板部を成形する。また、前記インナ
ースライドを後退させて他のキャビティを形成し、該他
のキャビティに2次樹脂を充填してスピーカ振動板のエ
ッジ部を成形する。
せ、前記インナースライドを前進させて成形品の仕上が
り形状位置に置き、2次樹脂を押圧することによって振
動板部とエッジ部とが接合される。この時、第1の部材
と第2の部材とは接合部分において融合されるか、又は
完全に接着される。したがって、スピーカのエッジ部を
薄肉化することができるだけでなく、最低共振周波数の
変化率を小さくすることができる。
図である。
の断面図である。
の状態図である。
の状態図である。
の状態図である。
のタイムチャートである。
状態図である。
状態図である。
状態図である。
填状態図である。
填状態図である。
圧状態図である。
填状態図である。
填状態図である。
圧状態図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 (a)固定金型に対して可動金型及びイ
ンナースライドを前進させてキャビティを形成し、
(b)該キャビティに1次樹脂を充填して第1の部材を
成形し、(c)前記インナースライドを後退させて他の
キャビティを形成し、(d)該他のキャビティに2次樹
脂を充填して第2の部材を成形するとともに1次樹脂と
2次樹脂とを接触させ、(e)前記インナースライドを
前進させて成形品の仕上がり形状位置に置き、2次樹脂
を押圧して第1の部材と第2の部材とを接合することを
特徴とする二材成形方法。 - 【請求項2】 前記インナースライドは、第1の部材と
第2の部材との接合部に臨ませて配設され、2次樹脂が
射出された後に前進させられて該2次樹脂を押圧するこ
とによって、前記接合部を設定された寸法に仕上げ、1
次樹脂と2次樹脂とを接合させる請求項1に記載の二材
成形方法。 - 【請求項3】 前記第1の部材がスピーカ振動板の振動
板部であり、第2の部材がスピーカ振動板のエッジ部で
ある請求項1又は2に記載の二材成形方法。 - 【請求項4】 前記インナースライドは可動金型側に配
設された請求項1から3までのいずれか1項に記載の二
材成形方法。 - 【請求項5】 前記インナースライドは固定金型側に配
設された請求項1から3までのいずれか1項に記載の二
材成形方法。 - 【請求項6】 前記インナースライドは可動金型側及び
固定金型側に配設された請求項1から3までのいずれか
1項に記載の二材成形方法。 - 【請求項7】 前記2次樹脂がエラストマーである請求
項1から6までのいずれか1項に記載の二材成形方法。 - 【請求項8】 前記他のキャビティに2次樹脂が完全に
充填される時点より前に2次樹脂の射出を打ち切る請求
項1から7までのいずれか1項に記載の二材成形方法。 - 【請求項9】 (a)固定金型と、(b)該固定金型と
対向させて進退自在に配設された可動金型と、(c)前
記固定金型及び可動金型の少なくとも一方側に進退自在
に配設されたインナースライドと、(d)前記可動金型
を進退させる型締装置と、(e)前記インナースライド
を進退させる移動装置と、(f)前記可動金型及びイン
ナースライドを前進させたときに形成されるキャビティ
に1次樹脂を充填して第1の部材を成形する第1の可塑
化装置と、(g)インナースライドを後退させたときに
形成されるキャビティに2次樹脂を充填して第2の部材
を成形する第2の可塑化装置とを有するとともに、
(h)前記移動装置は、前記インナースライドを前進位
置、後退位置及び成形品の仕上がり形状位置に置くこと
を特徴とする金型装置。 - 【請求項10】 (a)固定金型に対して可動金型及び
インナースライドを前進させてキャビティを形成し、
(b)該キャビティに1次樹脂を充填してスピーカ振動
板の振動板部を成形し、(c)前記インナースライドを
後退させて他のキャビティを形成し、(d)該他のキャ
ビティに2次樹脂を充填してスピーカ振動板のエッジ部
を成形するとともに1次樹脂と2次樹脂とを接触させ、
(e)前記インナースライドを前進させて成形品の仕上
がり形状位置に置き、2次樹脂を押圧することによって
振動板部とエッジ部とが接合されたことを特徴とするス
ピーカ。
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