JPH08101687A - 鍵盤情報出力装置 - Google Patents

鍵盤情報出力装置

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JPH08101687A
JPH08101687A JP7094064A JP9406495A JPH08101687A JP H08101687 A JPH08101687 A JP H08101687A JP 7094064 A JP7094064 A JP 7094064A JP 9406495 A JP9406495 A JP 9406495A JP H08101687 A JPH08101687 A JP H08101687A
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hammer
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Satoyuki Ura
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/32Constructional details
    • G10H1/34Switch arrangements, e.g. keyboards or mechanical switches specially adapted for electrophonic musical instruments
    • G10H1/344Structural association with individual keys

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピアノ等において打弦のタイミングおよび打
弦の大きさを、より忠実にセンシングする。 【構成】 鍵の押鍵速度を検出するキーセンサ群53
と、鍵が押下されたときに回動して当該鍵に対応する弦
を打撃するハンマの、打撃過程および打撃寸前の回動速
度を検出するハンマセンサ群55とを備え、CPU51
は、原則として、ハンマセンサ群55により推定される
打撃のタイミングで、打撃の大きさを示すベロシティを
出力するが、キーセンサ群55により推定される打撃タ
イミングにあって打撃過程が異常と判断された場合に
は、キーセンサ群55により推定される打撃のタイミン
グで、ベロシティを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば消音ピアノや
自動演奏ピアノなどに用いて好適な鍵盤情報出力装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、通常の演奏とともに、押鍵し
ても打弦しない消音演奏が可能な消音ピアノが知られて
いる。かかる消音ピアノは、ハンマシャンクの回動を阻
止する機構を備えており、この機構によって、押鍵によ
り回動したハンマが、打弦寸前で戻されるようになって
いる。そして、消音演奏では、打弦による楽音発生のか
わりに、鍵等の動作をセンサにより検出して、押鍵に対
応した音高、タイミングおよび強弱を有する楽音を電子
的に発生する。このようにして発生した楽音を、演奏者
が、例えばヘッドホン等により聴くことによって、近隣
者に迷惑を掛けずに、演奏の練習を行なうことができる
ようになっている。
【0003】ところで、従来の消音ピアノにおいて、押
鍵によって本来ならば発生するであろう打弦のタイミン
グとその大きさとを検出するのに、主に次の2つ方法が
あった。
【0004】 各鍵(キー)に、光センサなどの検出
素子を設けて、押鍵過程を複数段階で検出する。そし
て、各過程間において状態から押鍵速度を求め、打弦の
タイミングおよびその大きさを予想する。 各打弦ハンマに、光センサなどの検出素子を設け
て、回動が阻止される手前の2点間の通過速度を求める
とともに、各鍵の押離鍵状態を2値的に検出するセンサ
を設ける。そして、ハンマの通過速度から打弦のタイミ
ング、およびその大きさを求めるとともに、離鍵状態を
検出して、このときの楽音の止音タイミングを求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
、の方法では、それぞれ次のような問題があった。
の方法では、鍵の操作とハンマの動作とは、必ずしも
一致しないため、連打などの特殊の奏法を行なった場合
に、発音のタイミングがズレたり、楽音の強弱が不正確
となったりする。例えば、鍵を小刻みに動かして連打す
るような場合には、打鍵ストロークが短くなるため、ア
コースティクピアノでは、さほど大きな楽音は発生しな
いが、鍵の動作が速いため、消音演奏状態では、その速
度に応じた大きな楽音が電子音源により発生してしまう
ことがある。
【0006】の方法では、実際に弦を叩くハンマの速
度から打弦のタイミングおよびその大きさを求めるた
め、かなり忠実にセンシングすることが可能となる。し
かし、打弦後のハンマが、速度検出のための一方の地点
を通過したが、他方の地点を通過しないままレストポジ
ションに戻りきらないで、次の打弦動作が行なわれた場
合には、この打弦速度を求めることができない。速度検
出には、2点間の通過時間を求めることが必要となる
が、この場合には、一点しか通過していないからであ
る。このような不都合は、例えば、演奏者が押鍵状態を
維持したまま、完全に離鍵せずに次の押鍵動作(以下、
この奏法を、説明の便宜上「深い押鍵」と呼ぶことにす
る)を行なった場合に発生するが、かかる演奏法は、グ
ランドピアノにおいては何ら特別なものではなく、ごく
普通に行なわれるのである。
【0007】また、速度検出のための2点は、できるこ
とならば、打弦寸前に設置することが望ましいが、ハン
マが打弦する手前で回動を阻止する消音ピアノにあって
は、阻止される手前に設置しなければならない。すなわ
ち、速度検出のための2点は、それだけレストポジショ
ン側に設置しなければならないのである。したがって、
消音ピアノにおいて、の方法による不都合は、より顕
著となるのである。
【0008】さらに、の方法では、ハンマの打弦地点
近傍にセンサを設置する関係上、必然的にセンサ自体が
振動しやすくなる。このため、ハンマの打弦速度を正確
に検出できないという問題がある。くわえて、打弦後に
おける離鍵が、途中で止まるほど徐々に行なわれる場合
には、ハンマの戻りもゆっくり行なわれるため、速度検
出のための2点の一方において、振動によるチャッタリ
ングが発生して、ハンマの状態を誤認識する可能性があ
る。の方法では、これを回避するため、複雑な例外処
理も必要となるという問題もあった。
【0009】このように、、のいずれの方法おいて
も、消音演奏では、センサにより求めた打弦のタイミン
グおよびその大きさが、本来ならば発生するであろうは
ずのものとは、かけ離れることが多いという欠点があっ
た。
【0010】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、ハンマの挙動を正
確に把握でき、打弦のタイミングおよび打弦の大きさ
を、より忠実にセンシングすることが可能な鍵盤情報出
力装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明にあっては、鍵の回動過程を
複数点にて検出する第1のセンサと、前記鍵が押下され
たときに、前記鍵に対応する弦を打撃するハンマの回動
過程を、少なくとも1点にて検出する第2のセンサと、
前記第1のセンサ検出結果から、前記ハンマが前記弦を
打撃するタイミングを示す第1の打撃タイミング情報を
少なくとも含む第1のセンサ情報を発生する第1のセン
サ情報発生手段と、前記第2のセンサ検出結果から、前
記ハンマが前記弦を打撃するタイミングを示す第2の打
撃タイミング情報を少なくとも含む第2のセンサ情報を
発生する第2のセンサ情報発生手段と、第1のセンサの
検出結果、第2のセンサの検出結果、前記第1のセンサ
情報、あるいは前記第2のセンサ情報のうちの少なくと
も1つから、前記第1のセンサ情報あるいは前記第2の
センサ情報の一方を選択して、鍵盤情報として出力する
制御手段とを具備することを特徴としている。
【0012】請求項2に記載の発明にあっては、請求項
1に記載の発明において、前記制御手段は、原則とし
て、前記第2のセンサ情報を鍵盤情報として選択する一
方、前記ハンマの打撃過程が異常と判断される場合に
は、前記第1のセンサ情報を鍵盤情報として選択するこ
とを特徴としている。
【0013】請求項3に記載の発明にあっては、請求項
2に記載の発明において、前記制御手段は、前記鍵が押
鍵状態を維持したまま再度押鍵されたと、前記第1のセ
ンサによる検出結果から判断した場合に、前記ハンマの
打撃過程が異常と判断することを特徴としている。
【0014】請求項4に記載の発明にあっては、請求項
2に記載の発明において、前記制御手段は、前記鍵の連
打が行なわれたと、第1あるいは第2のセンサ情報のう
ちの鍵盤情報として選択したものから判断した場合に、
前記ハンマの打撃過程が異常と判断することを特徴とし
ている。
【0015】請求項5に記載の発明にあっては、請求項
1または2に記載の発明において、前記第1のセンサ情
報発生手段は、前記第1のセンサの検出結果から押鍵速
度を求め、この押鍵速度から、第1の打弦タイミングと
ともに、その際の打弦の大きさを推定して、両者を第1
のセンサ情報として出力するものであり、前記第2のセ
ンサは、前記ハンマの回動過程を複数点にて検出するも
のであり、前記第2のセンサ情報発生手段は、前記第2
のセンサの検出結果からハンマの回動速度を求め、この
回動速度から第2の打弦タイミングとともに、その際の
打弦の大きさを推定して、両者を第2のセンサ情報とし
て出力するものであることを特徴としている。
【0016】請求項6に記載の発明にあっては、請求項
5に記載の発明において、前記第1のセンサ情報発生手
段は、押鍵速度を打撃の大きさに変換する第1のテーブ
ルと、前記押鍵速度を前記第1のテーブルよりも小さい
打撃の大きさに変換する第2のテーブルとを備え、前記
第1のセンサの検出結果にしたがってどちらか一方のテ
ーブルを用いて、押鍵速度を打撃の大きさを推定するこ
とを特徴としている。
【0017】請求項7に記載の発明にあっては、請求項
6に記載の発明において、前記第1のセンサ情報発生手
段は、押鍵状態が維持されたまま再度の押鍵が行なわれ
たれたとき、あるいは離鍵が低速で行なわれた直後に押
鍵が行なわれたときには、前記第2のテーブルを用いる
一方、それ以外のときには、前記第1のテーブルを用い
ることを特徴としている。
【0018】請求項8に記載の発明にあっては、請求項
5に記載の発明において、前記制御手段は、前記第2の
センサ情報を選択するにあたって、前記第1のセンサに
より押鍵速度が検出されていることを条件とすることを
特徴とする請求項5記を特徴としている。
【0019】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、第1のセンサ
が鍵の回動過程を検出し、第2のセンサがハンマの回動
過程を検出し、第1のセンサ情報発生手段が、鍵の回動
過程からハンマの打撃タイミングを示す第1の打撃タイ
ミング情報を少なくとも含む第1のセンサ情報を発生
し、第2のセンサ情報発生手段が、ハンマの回動過程か
らハンマの打撃タイミングを示す第2の打撃タイミング
情報を少なくとも含む第2のセンサ情報を発生する。制
御手段は、これらの検出結果およびセンサ情報を総合的
に勘案して、第1あるいは第2のセンサ情報のどちらを
選択して、鍵盤情報として出力するかを決定する。
【0020】請求項2に記載の発明によれば、鍵盤情報
は、原則としてハンマの回動過程に基づく第2のセンサ
情報を選択するが、ハンマが戻りきらないで次の打弦が
発生するなどして、ハンマの打撃過程が異常である場合
には、鍵の回動過程に基づく第1のセンサ情報を選択す
る。請求項3に記載の発明によれば、押鍵状態が維持さ
れたまま再度押鍵が行なわれたれた場合に、請求項4に
記載の発明によれば、鍵の連打が行なわれた場合に、そ
れぞれハンマの打撃過程が異常と判断される。
【0021】請求項5に記載に発明によれば、結局、鍵
の押鍵速度およびハンマの回動速度の各々により2組の
打弦タイミングおよびその大きさが求められ、これら
と、第1、第2のセンサによる検出結果とが勘案され
て、2組の打弦タイミングおよびその大きさのうち、ど
ちら一方が鍵盤情報として出力される。
【0022】アコースティックピアノにおいて、押鍵速
度は必ずしも打弦の大きさに対応しないことがある。請
求項6に記載の発明によれば、第1のセンサにより検出
された鍵の回動過程に応じて、用いるテーブルが選択さ
れるので、この状態を模倣することが可能となる。さら
に、請求項7に記載の発明によれば、押鍵状態が維持さ
れたまま再度の押鍵が行なわれたれたとき、あるいは離
鍵が低速で行なわれた直後に押鍵が行なわれたときに、
ハンマの打弦速度が、実際の押鍵に比して小さくことを
模倣することが可能となる。
【0023】請求項7、8に記載の発明によれば、その
他の原因により、例えばチャッタリングなどにより、第
2のセンサ情報発生手段により回動速度が検出された場
合、これが押鍵操作を伴わないものであれば、制御手段
は、何も出力しないことになる。したがって、押鍵操作
を伴う純粋な情報だけを出力することが可能となる。
【0024】
【実施例】
1:実施例の構成 以下、この発明の一実施例であるグランドピアノについ
て説明する。本実施例は、鍵およびハンマにそれぞれセ
ンサを取付け、打弦タイミングおよびその大きさ(ベロ
シティ)を、原則としては、ハンマセンサに基づいて、
所定の条件下においては、鍵のセンサに基づいてそれぞ
れ求めるようにした。まず、本実施例に係るキーの構成
について説明する。
【0025】1−1:キーの構成 図1は、本実施例にかかるグランドピアノのうちの、1
つの鍵にかかる構成を示す側端面図である。この図に示
すように、鍵321は、押鍵により支持部材29の支点
29aを中心に反時計回りに、図において2点鎖線で示
されるエンド位置まで回動するようになっている。な
お、この離鍵状態では、鍵321は、実線で示されるレ
スト位置まで復帰するようになっている。かかる構成
は、ピアノの88鍵のそれぞれに対して同一となる。
【0026】一方、鍵321の回動支点29aと左端と
の中間部付近の下(裏面)側には、平行四辺形形状の開
口部30aを有するシャッタ30が取り付けられてい
る。このシャッタ近傍には、発光部と受光部との2組か
らなる光センサ31が、支柱32、32を介してキーベ
ッド33に取り付けられ、押鍵状態にしたがって通光・
遮光状態が変化するようになっている。以下、光センサ
31は、「キーセンサ」と同義である。
【0027】1−1−1:キーセンサ ここで、光センサ31の出力が押鍵操作にしたがってど
のように変化するかについて、図2および図3を参照し
て説明する。ここで、光センサ31の2組のビーム(光
束)のうち、一方を31aとし、他方を31bとする。
【0028】はじめに、鍵321のレスト位置において
シャッタ30は、ビーム31a、31bの双方を遮光し
ないようになっている(図1参照)。この状態では、ビ
ーム31a、31bの両者は、ともに通光状態となる。
【0029】次に、鍵321が若干押下されると、図2
(a)に示すように、シャッタ30の先端縁はビーム3
1aのみを遮光する。したがってこの状態では、ビーム
31aが遮光状態となる一方、ビーム31bは通光状態
となる。なお、説明の便宜上、この状態を「K1オン状
態」と呼ぶことにする。
【0030】押下が進むと、図2(b)に示すように、
シャッタ30の先端縁はビーム31bも遮光する。した
がってこの状態では、ビーム31a、31bの両者は、
ともに遮光状態となる。なお、説明の便宜上、この状態
を「K2オン状態」と呼ぶことにする。
【0031】そして、押下が進むと、図2(c)に示す
ように、開口部30aによりビーム31aが通光状態と
なる。したがってこの状態では、ビーム31aは通光状
態となる一方、ビーム31bは遮光状態となる。なお、
説明の便宜上、この状態を「K3オン状態」と呼ぶこと
にする。
【0032】さらに、押下が進むと、図2(d)に示す
ように、開口部30aによりビーム31bも通光状態と
なる。したがってこの状態では、ビーム31a、31b
の両者は、ともに通光状態となる。説明の便宜上、この
状態を「K4オン状態」と呼ぶことにする。なお、打弦
は、通常、「K4オン状態」の直後に行なわれるように
なっている。また、「K1オン状態」から「K2オン状
態」まで、「K2オン状態」から「K3オン状態」ま
で、および「K3オン状態」から「K4オン状態」まで
の各押鍵ストロークは、互いに等間隔となるように設定
されている。
【0033】図2(a)〜(d)までの押鍵過程におけ
るビーム31a、31bの通光状態・遮光状態をまとめ
ると図3に示すものとなる。ここでは、光センサ31の
受光部が通光状態となっているのをHレベルとして示
し、遮光状態となっているのをLレベルとして示してい
る。また、離鍵過程は、押鍵過程とは逆の順番で、すな
わち、図2(d)〜(a)の方向で行なわれる。ここ
で、説明の便宜上、離鍵過程において図2(d)〜
(a)で示される状態となるのを、各オン状態と対抗す
べく、それぞれ「K1オフ状態」、「K2オフ状態」、
「K3オフ状態」、および「K4オフ状態」と呼ぶこと
にする。
【0034】このように、光センサ31の出力状態を見
ることによって、鍵321がどの状態にあるのかが判別
することができるとともに、その出力状態がいかなる間
隔で変化するかを検出することによって、押鍵速度を求
めることができる。本実施例では、「K1オン状態」〜
「K2オン状態」、「K2オン状態」〜「K3オン状
態」、および「K3オン状態」〜「K4オン状態」の各
通過時間から、それぞれ押鍵速度が求められ、各々が打
弦の大きさに変換される。一定地点での押鍵速度が判る
のであるから、いかなるタイミングで打弦が発生するの
かも、線形的に予測して求めることができる。なお、後
述するように押鍵速度から打弦の大きさへの変換は、後
述するようにテーブルを介して行なわれる。
【0035】1−2:ハンマアクション部 次に、1つの鍵の動作をハンマに伝達して、弦を打撃す
るハンマアクション部について説明する。 1−2−1:ハンマアクション部の構成 まず、ハンマアクション部の構成について説明する。図
4は、このハンマアクション部の構成を示す側断面図で
ある。なお、この図は、説明の便宜上、図1とは左右を
反転してあり、図における鍵321の右側を演奏者が押
鍵するようになっている。すなわち、図4における鍵3
21は、鍵盤の全長にわたって延在するキーベッド33
(図1参照)に支持されて、押鍵により支点29a(図
1参照)を中心にして図中時計回りの方向に回動するよ
うになっている。
【0036】次に、図4において符号307Aはサポー
トレールであり、サポートレール307Aの端部には、
長手方向を鍵321に沿う方向へ向けたウイペン307
の左端部が、ピン307Bにより回動自在に支持されて
いる。ウイペン307の自由端には、略L字状をなすジ
ャック308がその屈曲部分近傍において回転自在に取
り付けられている。ジャック308は、斜め上方に向け
て延在するジャック大308Aと、このジャック大30
8Aに対してほぼ直交するジャック小308Bとから構
成されている。
【0037】また、ウイペン307の中央部には支柱3
07Cが取り付けられ、支柱307Cの上端部には、レ
ペティションレバー306の中間部が回転自在に取り付
けられている。レペティションレバー306の一端部に
は、上下方向に向けて貫通する長孔306Aが形成さ
れ、長孔306Aには、ジャック大308Aの上端部が
遊挿されている。
【0038】次に、図中符号310はシャンクレールで
ある。シャンクレール310にはシャンクフレンジ30
3が取り付けられ、このシャンクフレンジ303の端部
には、先端部にハンマヘッド301が固定されたハンマ
シャンク302が、上下方向に回動自在に取り付けられ
ている。ハンマシャンク302の基端部には、下方へ突
出させられたローラ305が固着されている。ローラ3
05の下面は、ジャック大308Aの上端面と僅かな隙
間を持った状態で、レペティションレバー306の上面
に当接させられている。
【0039】さらに、シャンクレール310には、鍵盤
の全長にわたって延在するレギュレーティングレール3
11が取り付けられている。レギュレーティングレール
311には、上下方向の位置が調整可能なレギュレーテ
ィングボタン309が取り付けられ、レギュレーティン
グボタン309の下端面には、ジャック小308Bの先
端部が当接するクロス(織物)309Aが取り付けられ
ている。
【0040】次に、符号220は消音機構である。消音
機構220は、鍵盤の全長にわたって延在する軸220
Bを備えている。軸220Bにはストッパ220Aが取
り付けられ、ストッパ220Aの先端面には合成皮革な
どで構成されたクッション材220Cが固定されてい
る。ストッパ220Aは、軸220Bに接続されたモー
タ(図示略)、あるいは手動により回転可能に構成され
ている。
【0041】このように構成された消音機構220にお
いては、ストッパ220Aを略水平方向へ向けることに
より、ハンマシャンク302の通常の回動が許容される
通常演奏状態とすることができる。一方、図4に示す状
態から軸220Bを回転させてストッパ220Bを略下
方へ向けることにより、回動するハンマシャンク302
がストッパ220Aに当接し、ハンマシャンク302の
それ以上の回動が阻止され、消音演奏状態とすることが
できる。
【0042】次に、ハンマシャンク302の軸方向中間
部には、開口部71aを有するシャッタ71が取り付け
られている。一方、シャンクレール310の上面には、
側面視コ字状のブラケット330が取り付けられてい
る。ブラケット330には、グランドピアノの横方向
(図において紙面と直交する方向)へ互いに離間した複
数の支柱334が固定されている。支柱334の上端部
には、グランドピアノの横方向に延在する支持板335
が取り付けられている。支持板335には、シャッタ7
1が挿通されるスリット(図示略)が形成されている。
支持板335の一方の面には、光センサ77がその発光
部と受光部とによりスリットを挟むようにして取り付け
られている。
【0043】1−2−2:ハンマアクション部の動作 次に、上記構成のハンマアクション部の動作について説
明する。かかるハンマアクション部の動作については、
通常演奏と消音演奏では、若干異なるので、それぞれの
場合に分けて説明する。さらに、両演奏時における特殊
な奏法がなされた場合の動作についても説明する。
【0044】1−2−2−1:通常演奏の場合 まず、通常演奏の場合について説明する。押鍵が行なわ
れるとウイペン307はキャプスタン320によって突
き上げられ、ピン307Bを中心として反時計回りに回
動する。これにより、ジャック大308Aがローラ30
5を突き上げてハンマシャンク302を時計回りの方向
へ回転させ、ハンマヘッド301が押鍵された鍵321
に対応する弦Sを打撃する。この打弦操作時において、
ハンマヘッド301が弦Sを打撃する手前でジャック小
308Bがレギュレーティングボタン309の下端面に
係合してジャック308が時計回りに回転し、これによ
って、ジャック大308Aの上端部が右方向へ逃げ、ロ
ーラ305との非当接位置に移動する。
【0045】次に、弦Sを打撃したハンマヘッド301
は、弦Sの反発力と自重により下降し、鍵321の端部
に取り付けられたバックチェック322に当接して静止
する。ここで、離鍵するとウイペン307が時計回り
に、ハンマシャンク302が反時計回りに、それぞれ回
動する。これに伴って、ジャック小308Bとレギュレ
ーティングボタン309との係合状態が徐々に解除さ
れ、ジャック大308Aが反時計方向に回転してローラ
305の真下側へ移動して再び当接し、押鍵前の初期位
置に戻る。
【0046】1−2−2−2:消音演奏の場合 次に、消音演奏の場合について説明する。まず、消音演
奏状態にするには、ストッパ220Aを図4の略水平状
態から回転させて図中二点鎖線で示すように略下方へ向
ける。この状態で押鍵が行なわれると、ウイペン307
はキャプスタン320によって突き上げられ、ピン30
7Bを中心として反時計回りに回動する。これにより、
ジャック大308Aがローラ305を突き上げてハンマ
シャンク302を時計回りの方向へ回転させる。
【0047】次に、ジャック小308Bがレギュレーテ
ィングボタン309に当接することにより、ジャック大
308Aの上端面がローラ305の下面から図中右方向
へ逃げる。その間、ハンマシャンク302は慣性力で回
動を続けるが、弦Sに当たる直前でストッパ220Aに
当接し、反時計回りの方向へ跳ね返される。その後のハ
ンマシャンク302等の復帰動作は通常演奏の場合と同
じである。
【0048】1−2−2−3:両演奏において、いわゆ
る深い押鍵等のとき 上述したように、通常演奏、消音演奏の場合において
は、鍵321からハンマ301への力の伝達は、鍵32
1→キャプスタン320→ウイペン307→ジャック3
08→ローラ305→ハンマシャンク302→ハンマ3
01という経路で行なわれるが、打弦後における、ジャ
ック大308Aとローラ305との当接は、離鍵によっ
てはじめて復帰するようになっている。このため、打弦
後、離鍵が不十分のまま(すなわち、鍵321がレスト
位置に復帰しない状態で)再度、押鍵動作が行なわれる
と、ジャック大308Aは、ローラ305との当接が不
完全な状態でローラ305を押し上げることになり、こ
こで伝達力のロスが生じる。したがって、この状態で
は、鍵321の押下速度が速いにもかかわらず、伝達力
のロスにより、実際にはハンマの打弦速度は小さくな
る。
【0049】また、この状態は、ゆっくり離鍵して、鍵
321がレスト位置に戻った直後(後述するように、本
実施例では、38msec未満)に押鍵する状態でも発
生し得る。なお、説明簡略化のため、本実施例では、離
鍵して鍵がレスト位置に戻った後、127msec以内
に押鍵されることを「離即打鍵」と呼ぶことにする。す
なわち、低速な離鍵直後で、高速に行なわれる離即打鍵
によっても、鍵321の押下速度に比して、ハンマの打
弦速度が小さくなる現象が発生し得る。
【0050】さて、低速で離鍵している過程から急激に
離鍵した場合、ハンマ301は、ローラ305とハンマ
ジャック大308Aとが、当接されない状態でレストポ
ジション側に戻ってしまい、直後の押鍵によりハンマジ
ャック308は、当接が不完全な状態で、再びハンマジ
ャック大308Aと押し上げてしまうからである。な
お、深い押鍵および離即打弦について、本願がいかにし
て手当しているかについては、後述する。
【0051】1−2−3:ハンマセンサ ここで、光センサ77の出力が、ハンマ301(ハンマ
シャンク302)の回動にしたがってどのように変化す
るかについて説明する。以下、光センサ77は「ハンマ
センサ」と同義である。
【0052】図4において、鍵321の押鍵により、ハ
ンマシャンク302が時計回りに回動し、ハンマ301
が弦Sを打弦する直前でシャッタ71が支持板335の
スリットに挿入され、シャッタ71の先端縁が光センサ
77の光軸Pを横切り、この結果、光センサ77の受光
部が遮光され、その遮光タイミングが検出される(この
状態を「M1オン状態」という)。その後、ハンマシャ
ンク302がさらに回動し、シャッタ71の窓71aが
光軸Pを横切り、光センサ77の受光部が再び受光状態
になる(この状態を「M−オン状態」という)。次い
で、光センサ77の受光部が再び遮光され、その遮光タ
イミングが検出される(この状態を「M2オン状態」と
する)。こうして、光センサ77の出力では、打弦が行
なわれるまでに、「M1オン状態」、「M−オン状態」
および「M2オン状態」の計3回の状態変化が発生す
る。
【0053】本実施例においてハンマ301の打弦速度
は、「M1オン状態」から「M2オン状態」までに至る
時間から算出される。押鍵速度が判るのであるから、い
かなるタイミングで打弦が発生するのかも、線形的に予
測して求めることができる。図5に、光センサの77の
出力状態と上記3状態との関係の一例を示す。打弦後に
おいては、打弦前とは逆の順番でシャッタ71による遮
光・通光が行なわれる。ここで、説明の便宜上、打弦後
の過程を、打弦前と対抗して、発生順にそれぞれ「M2
オフ状態」、「M−オフ状態」、および「M1オフ状
態」とする。
【0054】このようにして、光センサ31では、鍵3
21の押鍵速度を求めて推定することにより、また、光
センサ77では、実際の、ハンマ301の打弦速度を求
めることにより、それぞれ打弦タイミングおよびその大
きさを求めることができる。上述のように、本願では、
条件に応じてどちらに基礎をおくべきかを判断している
ので、そこで次に、この判断を行なう電気的構成につい
て説明する。
【0055】1−3:実施例の電気的構成 次に、本実施例の電気的構成について図6を参照して説
明する。この図において、51はCPUであり、ROM
52に記憶された制御プログラムに基づいて、バス50
を介して接続された各部を制御するようになっている。
また、ROM52は、光センサ31により求めた押鍵速
度を打弦の大きさ(ベロシティ)に変換する2種類のテ
ーブルα、βおよび光センサ77より求めた打弦速度を
ベロシティに変換するテーブルを備え、これらにより各
光センサの出力からベロシティが求められる。
【0056】ここで、光センサ31に対応するテーブル
αは、押鍵速度を通常のベロシティに変換するものであ
って、ノーマルの押鍵状態に対応するものであり、テー
ブルβは、押鍵速度に比して小さいベロシティに変換す
るものであり、上述した深い押鍵を、あるいは低速な離
鍵直後に行なわれる高速な離即打弦による押鍵を、それ
ぞれ模倣するために用いられる。
【0057】53はキーセンサ群であり、1つの鍵につ
いて設けられた光センサ31(図1参照)を鍵盤の88
鍵について統括したものである。すなわち、キーセンサ
群53は、88個もの光センサ31から構成される。そ
して、キーセンサ群53の出力情報は、キーセンサイン
ターフェイス54およびバス50を介してCPU51に
供給されるようになっている。
【0058】同様に、55はハンマセンサ群であり、1
つの鍵のハンマアクション部について設けられた光セン
サ77(図4参照)を鍵盤の88鍵について統括したも
のである。すなわち、ハンマセンサ群55は、88個も
の光センサ77から構成される。そして、ハンマセンサ
群88の出力情報は、ハンマセンサインターフェイス5
6およびバス50を介してCPU51に供給されるよう
になっている。
【0059】57はパネルスイッチであり、演奏者によ
って設定される種々のスイッチやディスプレイ等により
構成され、このグランドピアノの操作パネル上に設けら
れる。そして、パネルスイッチ57による設定情報もパ
ネルインターフェイス58およびバス50を介してCP
U51に供給されるようになっている。このパネルスイ
ッチ57では、例えば、通常演奏か、消音演奏かの選択
が行なわれるようになっており、この選択によって、軸
220B(図4参照)に接続されたモータ(図6では図
示略)が、選択された演奏モードにしたがって回転する
ようになっている。
【0060】59は音源回路であり、CPU51から供
給された演奏情報に基づいて楽音信号を合成し出力す
る。本実施例において、楽音発生は、楽音の音高を示す
キーコード、および楽音の大きさを示すベロシティを供
給するノートオン(発音指令)により開始し、当該キー
の「K2オフ状態」となったときに出力されるノートオ
フ(消音指令)により終了するようになっている。
【0061】そして、音源回路59による楽音信号は、
演奏者に装着されたヘッドホン60を介して発音され
る。61はタイマであり、所定時間毎(本実施例では、
説明簡略化のため「1msec」毎)に割込信号をCP
U51に供給する。CPU51は、この割込信号により
割込処理を実行して、後述するように、各種レジスタの
内容をインクリメントあるいはデクリメントする。
【0062】62はRAMであり、各種のレジスタが作
成され、CPU51により適宜アクセスされる。そこ
で、RAM62において作成される各種レジスタについ
て説明する。
【0063】1−3−1:レジスタの構成 このレジスタの構成を図7に示す。この図において、K
C1〜KC88の各々は、鍵盤88鍵の音高にそれぞれ
対応するキーコードである。この図に示すようにキーコ
ードKC1〜KC88の各々に対応して、それぞれレジ
スタA〜Nの14種類が設定される。次に、レジスタA
〜Nの各々についてそれぞれ説明する。
【0064】・レジスタA:キーセンサイベント発音タ
イミングカウンタ 上述のように、順次3つの区間に対応してそれぞれ押鍵
速度が求められる。押鍵速度が求められると、打弦タイ
ミングが推定されて、このあと何msec秒後に打弦が
発生するかを示す値が算出される。この値は、レジスタ
Aに格納され、割込処理の度にデクリメントされるが、
区間毎に算出された時点において、その時点でのレジス
タAの値よりも大きければ、レジスタAに上書きされな
い。結局、レジスタAの内容は、3つの区間でそれぞれ
求められた打弦タイミングのうち、最も早く打弦が発生
するものであって、何msec秒後に打弦が発生するか
を示す値となる。レジスタAの値がゼロとなることは、
これすなわち、打弦のタイミングになったことを示すの
で、キーセンサ発音要求がなされるようになっている。
【0065】・レジスタB:ハンマセンサイベント発音
タイミングカウンタ 上述のように、「M1オン状態」から「M2オン状態」
までの経過時間によりハンマの打弦速度が求められ、こ
れに対応するベロシティが求められる。打弦速度が求め
られると、打弦タイミングが推定されて、このあと何m
sec秒後に打弦が発生するかを示す値が算出される。
この値は、レジスタBに格納され、割込処理の度にデク
リメントされる。レジスタBの値がゼロになることは、
これすなわち、打弦のタイミングに至ったことを示すの
で、ハンマセンサ発音要求がなされるようになってい
る。
【0066】・レジスタC レジスタCは、「K1オフ状態」からの時間を計測する
カウンタであり、「K1オフ状態」でリセットされ、割
込処理によりインクリメントされて、その後、「K1オ
ン状態」によりインクリメントが停止されるようになっ
ている。
【0067】・レジスタD レジスタDは、前回のノートオンから今回の発音要求ま
での時間を計測するカウンタである。ここで、発音要求
は、レジスタAあるいはBのいずれかがゼロとなった場
合に、なされるものである。
【0068】・レジスタE レジスタEは、「K1オン状態」からの時間を計測する
カウンタであり、「K1オン状態」により、割込処理に
よるインクリメントが許可され、「K1オフ状態」によ
りリセットされるようになっている。
【0069】・レジスタF レジスタFには、K1無効フラグが設定される。このK
1無効フラグは、レジスタEが所定値以上になると
「1」にセットされる一方、「K1オフ状態」により
「0」にリセットされるものである。このフラグを参照
することによって、「K1オン状態」となる押鍵状態が
所定時間以上継続しているか否かを判別することができ
る。
【0070】・レジスタG レジスタGは、「K2オン状態」からの時間を計測する
カウンタであり、「K2オン状態」により、割込処理に
よるインクリメントが許可され、「K2オフ状態」によ
りリセットされるようになっている。
【0071】・レジスタH レジスタHには、K2無効フラグが設定される。このK
2無効フラグは、レジスタGが所定値以上なると「1」
にセットされる一方、「K2オフ状態」により「0」に
リセットされるものである。このフラグを参照すること
によって、単に「K2オン状態」となる押鍵状態が所定
時間以上継続しているか否かを判別することができる。
【0072】・レジスタI レジスタIは、「K2オン状態」からの時間を計測する
カウンタであり、「K2オン状態」により、割込処理に
よるインクリメントが許可される点では、レジスタGと
同様であるが、「K2オフ状態」とともに、いずれかの
発音要求によってもリセットされる点で相違する。
【0073】・レジスタJ レジスタJには、サイレントノートフラグが設定され
る。このサイレントノートフラグは、レジスタIが所定
値以上なると「1」にセットされる一方、「K21オフ
状態」により、あるいはいずれかの発音要求により
「0」にリセットされるものである。このフラグを参照
することによって、「K2オン状態」となる押鍵状態が
所定時間以上継続している状態であって、ここに至るま
での押鍵操作ではハンマが打弦されるほどに鍵が押下さ
れていない状態であるか否かを判別することができる。
【0074】・レジスタK レジスタKには、ノートオンフラグが設定される。この
ノートオンフラグは、ノートオンにより「1」にセット
される一方、「K2オフ状態」により「0」にリセット
される。このフラグを参照することによって、発音指令
の後において「K2オフ状態」となるまで離鍵されてい
ない状態であるか否かを判別することができる。
【0075】・レジスタL レジスタLには、前回のベロシティ、すなわちキーセン
サあるいはハンマセンサにより求められたベロシティの
うち、発音指令として採用されたものが格納されるよう
になっている。
【0076】・レジスタM レジスタMには、レジスタAに値が格納される毎に、キ
ーセンサにより求められたベロシティ、すなわち、求め
た3区間に対応するもののうち、最も早く打弦が発生す
ると判断されたものが格納される一方、発音指令があっ
た時点でリセットされるようになっている。
【0077】・レジスタN レジスタNには、その他のもの、例えば、キーセンサあ
るいはハンマセンサの出力状態を管理するものや、「M
1オン状態」からの時間を計測するカウンタ、「M1オ
ン状態」から「M−オン状態」までに至る時間を計測す
るカウンタ等が設定される。
【0078】1−4:実施例の電気的動作 次に、かかる実施例の電気的動作について説明する。ま
ず、本実施例の電子楽器の電源が投入されると、図8に
示すメインルーチンが起動される。このルーチンが起動
されると、はじめに、ステップSa1において所定のイ
ニシャライズ処理が実行され、前述した各種レジスタ、
フラグ等が初期化される。
【0079】次に、ステップSa2において鍵盤処理が
実行され、キーセンサインターフェイス54およびハン
マインタフェイス56を介して、キーセンサ群53およ
びハンマセンサ群58の出力変化(イベント)が監視さ
れ、イベント発生が検出されたならば、所定の処理が行
なわれる。すなわち、前回、この鍵盤処理が実行された
ときと比較してキーセンサ群53およびハンマセンサ群
58の出力に、なんらかのイベントが発生したか否かが
判別され、イベントが発生していなければ、次のステッ
プSa3に処理が進行する一方、イベントが発生したな
らば、このイベントに沿った所定の処理が実行される。
【0080】ここでいう所定の処理とは、レジスタの構
成で述べたとおりである。例えば、キーセンサ群53の
うち、あるキーに対応する光センサ31の出力が、ビー
ム31aが通光状態のままであって、ビーム31aが遮
光状態から通光状態に変化した場合には、押鍵状態が
「K3オン状態」から「K4オン状態」に変化したこと
を示すので、これに要した時間から押鍵速度が求められ
る。そして、押鍵速度が求められると、打弦タイミング
が推定されて、このあと何msec秒後に打弦が発生す
るかを示す値が算出される。この値は、押鍵されたキー
コードに対応するレジスタAの値と比較され、小さけれ
ばレジスタAに上書きされる。
【0081】次に、ステップSa3に進むと、パネルイ
ンターフェイス58を介してパネルスイッチ57の設定
状態が検出され、本実施例における各種ステータスの設
定/変更等が行なわれる。そして、ステップSa4に進
むと、その他、グランドピアノとして動作するために必
要な処理が行なわれて、処理がステップSa2に戻る。
以下、電源が遮断されるまで、ステップSa2〜4の処
理がくり返し行なわれる。
【0082】一方、本実施例では、メインルーチンでの
処理とは別に、割込処理が行なわれるようになってい
る。上述のように、この割込処理は、タイマ61による
割込信号がCPU51に供給されると実行されるもので
あり、各種レジスタが、先にレジスタの構成で説明した
条件にしたがって、インクリメントあるいはデクリメン
トされるようになっている。割込信号は「1msec」
毎に供給されるので、この割込処理も「1msec」毎
に行なわれることになる。したがって、各種レジスタの
うちカウンタとして働くものは、その内容がそのまま
「msec」を単位とする時間を示すことになる。
【0083】さて、この割込処理において、レジスタA
が「0」となってキーセンサ発音要求が発生した場合、
あるいは、レジスタBが「0」となってハンマ発音要求
が発生した場合には、フラグであるレジスタF、H、
J、K、およびカウンタであるレジスタC、Dの値によ
って、図9に示すモード〜のいずれかに分類され
る。ここでモードとは、ベロシティを、ハンマセンサあ
るいはキーセンサのどちらに基礎をおくのか、また、キ
ーセンサに基礎をおくときには、押鍵速度からベロシテ
ィへの変換に、テーブルαあるいはβのどちらを用いる
のかを、それぞれ示すものである。
【0084】図9に示すように、モードにあっては、
ハンマセンサのみ基礎をおくので、テーブルを用いな
い。モード〜にあっては原則、ハンマセンサに基づ
くベロシティが採用されるが、後述する所定条件下で、
キーセンサに基づくベロシティが採用される。後者の条
件下において、押鍵速度からベロシティへの変換に際
し、モード、ではテーブルαを、モード、では
テーブルβを、それぞれ用いる。一方、モード〜に
あっては、ハンマセンサに基づくベロシティが採用され
ず、キーセンサに基づくベロシティが採用される。この
際、押鍵速度からベロシティへの変換に際してはテーブ
ルβを用いる。
【0085】ここで、各モードの特徴について説明す
る。 ・モード レジスタF、H、J、Kがすべて「0」であり、レジス
タCがC≧127であるとは、前回の離鍵から「K1オ
フ状態」となるまでに127msec経過していること
を示し、いわゆる単打(単純打鍵)が行なわれたことを
示すものである。したがって、この状態を示すモード
において本実施例は、打弦タイミングおよびベロシティ
を忠実に求めるべく、ハンマセンサのみに基礎をおい
て、打弦情報を求める。
【0086】・モード モードは、レジスタF、H、J、Kがすべて「0」で
あり、レジスタCがC<127であることから、離即打
鍵であるが、レジスタCがC≧38であるので、ジャッ
ク大308Aとローラ305との当接が復帰したと推定
される。このため、モードでは、原則としてハンマセ
ンサに基礎をおくが、後述する条件下にあってはキーセ
ンサに基礎をおき、テーブルαが用いられる。
【0087】・モード モードは、レジスタF、H、J、Kがすべて「0」で
あり、レジスタCがC<38であることから、非常に高
速な離即打鍵であるが、レジスタDがD≦150である
ことから、前回の離鍵が急激に行なわれているので、ジ
ャック大308Aとローラ305との当接が復帰したと
推定される。このため、モードと同様に、キーセンサ
に基礎をおく場合にあっては、テーブルαが用いられ
る。
【0088】・モード モードは、レジスタF、H、J、Kがすべて「0」で
あり、レジスタCがC<38であることから、非常に高
速な離即打鍵であり、レジスタDがD≦150であるこ
とから、前回の離鍵はゆっくり行なわれているので、ジ
ャック大308Aとローラ305との当接が不完全だと
推定される。このため、キーセンサに基礎をおく場合に
あっては、テーブルβが用いられる。
【0089】・モード モードは、レジスタFがF=1であることから、「K
1オン状態」となる押鍵状態が長期間にわたって継続し
て、深い押鍵であることを示している。このため、キー
センサに基礎をおく場合にあっては、テーブルβが用い
られる。
【0090】・モード モードは、レジスタHがH=1であることから、「K
2オン状態」となる押鍵状態が長期間にわたって継続し
て、深い押鍵であることを示している。この状態では、
すでに、「M1オン状態」となってしまっている可能性
が大なので、キーセンサにのみ基礎をおき、テーブルβ
が用いられる。
【0091】・モード モードは、レジスタJがJ=1であることから、「K
2オン状態」となる押鍵状態になったにもかかわらず、
ノートオンが発生しない場合を示す。この場合も深い押
鍵であり、また、すでに「M1オン状態」となってしま
っている可能性が大なので、キーセンサにのみ基礎をお
き、テーブルβが用いられる。
【0092】・モード モードは、レジスタKがK=1であることから、「K
2オフ状態」となる手前の離鍵過程にあったにもかかわ
らず、次のノートオンが発生した場合を示す。この場合
も深い押鍵であり、また、すでに「M1オン状態」とな
ってしまっている可能性が大なので、キーセンサにのみ
基礎をおき、テーブルβが用いられる。
【0093】次に、モード〜に分類された場合にお
いて、ベロシティを、ハンマセンサあるいはキーセンサ
のどちらに基礎をおくかについて説明する。上述のよう
に、発音要求が発生されて、モードに分類される場合に
は、レジスタAが「0」となる場合と、レジスタBが
「0」となる場合との2通りがある。そこで、前者につ
いては図10に示すキーセンサオンタイミングルーチン
を参照して、後者については図11に示すハンマセンサ
オンタイミングルーチンを参照して、それぞれ説明す
る。
【0094】まず、レジスタAが「0」となった場合で
は、SP1においてハンマセンサのイベントが検索さ
れ、ステップSP2において当該イベントは、発音待ち
状態であるか否かが判別される。ここで、ハンマセンサ
イベントの発音待ち状態とは、ハンマ301が「M1オ
ン状態」から「M2オン状態」に変化して、ハンマの打
弦速度が求められて、このあと何msec秒後に打弦が
発生するかを示す値がレジスタBに格納されている状態
をいう。
【0095】したがって、この発音待ち状態となってい
る場合には、やがてハンマにより打弦が行なわれること
を示すので、ハンマセンサに基づくデータを採用するべ
く、ステップSP7に進んで、キーセンサ発音要求が無
視され、当該キーのキーセンサイベントは、すべてクリ
アにされて、このルーチンは終了する。
【0096】一方、発音待ち状態となっていない場合に
は、ステップSP3に進んで、ハンマセンサのイベント
が検索され、「M2オン状態」となる寸前の「M−オン
状態」から「M2オン状態」までのステータスであるか
否かが判別される。このステータスとなっているときに
は、近々「M2オン状態」となる可能性を秘めているの
で、ステップSP4において、さらに、「M1オン状
態」から「M−オン状態」までの経過時間、および「M
1オン状態」から現時点までの経過時間が、それぞれが
正常値であるか否かが判別される。すなわち両者を勘案
して、真に「M2オン状態」となり得るのか否かが判別
される。なお、両者はレジスタNにてカウントされてい
る。
【0097】この判別結果が「Yes」ならば、次のス
テップSP5に進んで、ハンマセンサの様子を再び監視
するために、キーセンサイベント発音タイミングカウン
タ、すなわちレジスタAに「2」がセットされて、この
ルーチンは終了する。これにより、この時点から「2m
sec」後に、同じ処理が行なわれることになる。一
方、ステップSP3あるいはSP4での判別結果が「N
o」であるならば、ハンマの打弦状態が異常であると判
別して、キーセンサに基づくデータを採用するべく、ス
テップSP6において、押鍵速度に基づくベロシティで
ノートオンが行なわれ、この際、どちらのテーブルが用
いられるかは、モードにより決定される。すると、ハン
マセンサに基づくデータは不要となるので、当該キーの
ハンマセンサイベントは、すべてクリアにされて、この
ルーチンは終了する。
【0098】一方、レジスタBが「0」となると、図1
1に示すステップSQ1において、連打であるか否かが
判別される。詳細には、この判別は、レジスタDの値が
「256」以下であるか否か、すなわち、前回のノート
オンから今回の発音要求までの時間が「256mse
c」以下であるか否かにより行なわれる。連打でなけれ
ば、次のステップSQ2に進んで、レジスタAに何らか
の値がセットされていることを条件に、ハンマ打弦速度
に基づくベロシティでノートオンが行なわれる。
【0099】ここで、レジスタAに何らかの値がセット
されることを条件とするのは、ハンマセンサのデータ
が、実は振動等によるチャッタリングによるものであっ
た、という事態を防止するためである。レジスタAに
は、何等かの押鍵操作によって初めて値がセットされる
ので、この確認により、押鍵操作に起因したハンマ打弦
速度のベロシティを出力することが可能となる。
【0100】ステップSQ2の処理の後には、キーセン
サに基づくデータは不要となるので、ステップSQ3に
おいて、当該キーのキーセンサイベントは、すべてクリ
アにされて、このルーチンは終了する。
【0101】次のステップSQ4〜SQ6の説明をする
前に、再び図4に戻って、連打において想定される不都
合について説明する。連打は、いうまでもなく、鍵32
1の頻繁な押鍵・離鍵動作により行なわれるものであ
り、このため、ハンマ301が打弦後に戻ってきたとき
に、鍵321が押鍵状態を保っているとは限らない。も
し、ハンマ301が打弦後に戻ってきたとき、鍵321
がレスト位置にあるときには、ローラ305がレペティ
ションレバー306に当接してはね返ることにより、ハ
ンマ301がバウンドし、「M1オン状態」となってし
まうことがある。この直後、押鍵操作がなされると、図
12に示すように、「M1オン状態」から「M2オン状
態」までの経過時間により求められる打弦速度を示す傾
きK’は、押鍵によるハンマの実際の打弦速度を示す傾
きKよりも小さくなってしまい、ここに、両者が食い違
う不都合が発生する。
【0102】この不都合状態が発生しているか否かを判
別するために、ステップSQ1、SQ4およびSQ5の
処理が行なわれる。すなわち、ステップSQ1において
連打であるか否かが、すなわち、レジスタDがD≦25
6であるか否かが判別される。次のステップSQ4にお
いて、今回のハンマ打弦速度に基づくベロシティが、同
一キーにおいて発生した前回のベロシティよりも、所定
値(例えば「20」)以上小さいか否かが、すなわち、
ハンマ打弦速度に基づくベロシティが、レジスタLの内
容よりも所定値以上小さいか否かが判別される。連打に
おいてはどの打鍵強さもほぼ均等であり、ハンマ打弦速
度に基づくベロシティが前回のものと所定値以上小さい
のは、異常である可能性大と判別するためである。
【0103】ステップSQ4の判別結果が「No」であ
る場合には、ハンマ打弦速度に基づくベロシティを採用
してもなんら問題はないので、処理がステップSQ2に
進む一方、この判別結果が「Yes」である場合には、
ステップSQ5に進んで、打弦速度に基づくベロシティ
が、押鍵速度で推定されたベロシティよりも所定値(例
えば「15」)以上小さいか否かが、すなわち、打弦速
度に基づくベロシティが、レジスタMの内容よりも所定
値以上小さいか否かが判別される。この判別結果が「N
o」ならば、すなわち、押鍵速度で推定されたベロシテ
ィとそれほど差がないならば、連打においてその打鍵だ
けが小さく行なわれたと判断して、処理がステップSP
2に進む一方、判別結果が「Yes」ならば、上記不都
合が発生していると判断して、処理がステップSQ6に
進む。このステップSQ6では、ハンマセンサに基づく
データを採用しないで、キーセンサに基づくデータを採
用するべく、当該キーのハンマセンサイベントがすべて
クリアにされて、このルーチンは終了する。
【0104】このように、ハンマセンサ発音要求がキー
センサ発音要求より早く発生した場合には、所定の連打
が行なわれたときを除いて、ハンマセンサに基礎をおい
たベロシティにてノートオンがなされる。一方、キーセ
ンサ発音要求がハンマセンサより早く発生した場合で
も、ハンマによる打弦が起こるのであれば、やはり、ハ
ンマセンサに基礎をおいて、また、ハンマによる打弦の
可能性が低ければ、あるいはハンマの打弦過程が異常で
あれば、キーセンサに基礎をおいて、ノートオンが行な
われる。ハンマによる打弦が起こり得り、かつハンマの
打弦過程が正常であれば、「2msec」後に再び同じ
動作が繰り返される。
【0105】なお、上述した実施例は、モードでは、
条件にかかわらず、ハンマセンサのみに基礎をおいた
が、モードを、モード、と同様に、所定条件下に
おいては、キーセンサに基礎をおくように構成しても良
い。
【0106】また、上述した実施例では、レジスタA〜
Nを、説明簡略化のため、それぞれ88鍵の各々に対応
して設けたが、本願は、これに限られない。例えば、同
時押鍵可能な鍵の数だけ設け、押鍵がある毎に、レジス
タA〜Nを割り当てるような構成としても良い。
【0107】2:変形例 本願では、次のような変形例が可能である。図13に示
すように、途中で速度が鈍化するような押鍵がなされた
場合、最初の区間での押鍵速度によるものと、次の区間
での押鍵速度によるものとの2回のノートオンが発生す
る可能性がある。この変形例では、これを防ぐために、
次の方法の両方、あるいはどちらか一方が施される。 A.同一キーによる2回目のノートオン(発音指令)
は、前回の発生から「30msec」以内であるなら
ば、無視する。 B.発音されているノートオンに該当するものであって
も、前回のノートオン以後、「K3オフ状態」や「K4
オフ状態」のように、ある程度の離鍵過程を1度経過し
ていないならば、その2回目のノートオンを無視する。
【0108】また、本実施例の構成では、単純に「K2
オフ状態」となった場合に、ノートオフが行なわれるこ
とになるが、変形例では、「K2オフ状態」となる前に
次にノートオンが生じたときに、前のノートオフ処理が
行なわれないようにする。これは、実際の通常演奏と同
様にするためである。
【0109】また、離鍵過程においても離鍵速度を求め
て、これによりノートオフのタイミングを制御しても良
い。この場合、「K3オフ状態」から「K2オフ状態」
までの経過時間から求めた離鍵速度を基礎とするのが良
い。
【0110】さらに、ノートオフの処理としては、複数
の点で変化させても良い。例えば、「K3オフ状態」に
おいて徐々に発音を減衰させ、次の「K2オフ状態」に
おいて完全に消音とするように処理しても良い。
【0111】なお、上述した実施例、変形例では、消音
演奏可能なグランドピアノを例として説明したが、本願
は、これに限られない。例えば、演奏時の演奏情報を採
取して記憶し、この記憶した演奏情報に基づき自動演奏
を行なう自動演奏ピアノに対しても、勿論適用可能であ
る。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ハンマの挙動を正確に把握でき、打弦のタイミング
および打弦の大きさを、より忠実にセンシングすること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例におけるキーセンサの構成
を示す側断面図である。
【図2】 同実施例におけるキーセンサの動作を説明す
るための図である。
【図3】 同実施例におけるキーセンサの出力と、鍵位
置との関係を説明するための図である。
【図4】 同実施例におけるハンマアクション部の構成
を示す側断面図である。
【図5】 同実施例におけるハンマセンサの出力と、ハ
ンマ位置との関係を示す図である。
【図6】 同実施例の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図7】 同実施例におけるROMに作成されるレジス
タの構成を説明するための図である。
【図8】 同実施例における電気的動作のメインルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図9】 同実施例におけるモードが、レジスタの内容
によっていかにして分類されるかを説明するための図で
ある。
【図10】 同実施例の割込処理にて行なわれるキーセ
ンサオンタイミングルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図11】 同実施例の割込処理にて行なわれるハンマ
センサオンタイミングルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図12】 連打時に発生し得る不都合を説明するため
の図である。
【図13】 途中で押鍵速度が鈍化する場合において発
生し得る不都合を説明するための図である。
【符号の説明】
31……光センサ(第1のセンサ)、77……光センサ
(第2のセンサ)、51……CPU(第1、第2のセン
サ情報発生手段、制御手段)、α……テーブル(第1の
テーブル)、β……テーブル(第2のテーブル)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵の回動過程を複数点にて検出する第1
    のセンサと、 前記鍵が押下されたときに、前記鍵に対応する弦を打撃
    するハンマの回動過程を、少なくとも1点にて検出する
    第2のセンサと、 前記第1のセンサ検出結果から、前記ハンマが前記弦を
    打撃するタイミングを示す第1の打撃タイミング情報を
    少なくとも含む第1のセンサ情報を発生する第1のセン
    サ情報発生手段と、 前記第2のセンサ検出結果から、前記ハンマが前記弦を
    打撃するタイミングを示す第2の打撃タイミング情報を
    少なくとも含む第2のセンサ情報を発生する第2のセン
    サ情報発生手段と、 第1のセンサの検出結果、第2のセンサの検出結果、前
    記第1のセンサ情報、あるいは前記第2のセンサ情報の
    うちの少なくとも1つから、前記第1のセンサ情報ある
    いは前記第2のセンサ情報の一方を選択して、鍵盤情報
    として出力する制御手段とを具備することを特徴とする
    鍵盤情報出力装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、 原則として、前記第2のセンサ情報を鍵盤情報として選
    択する一方、 前記ハンマの打撃過程が異常と判断される場合には、前
    記第1のセンサ情報を鍵盤情報として選択することを特
    徴とする請求項1記載の鍵盤情報出力装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、 前記鍵が押鍵状態を維持したまま再度押鍵されたと、前
    記第1のセンサによる検出結果から判断した場合に、前
    記ハンマの打撃過程が異常と判断することを特徴とする
    請求項2記載の鍵盤情報出力装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、 前記鍵の連打が行なわれたと、第1あるいは第2のセン
    サ情報のうちの鍵盤情報として選択したものから判断し
    た場合に、前記ハンマの打撃過程が異常と判断すること
    を特徴とする請求項2記載の鍵盤情報出力装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のセンサ情報発生手段は、前記
    第1のセンサの検出結果から押鍵速度を求め、この押鍵
    速度から、第1の打弦タイミングとともに、その際の打
    弦の大きさを推定して、両者を第1のセンサ情報として
    出力するものであり、 前記第2のセンサは、前記ハンマの回動過程を複数点に
    て検出するものであり、 前記第2のセンサ情報発生手
    段は、前記第2のセンサの検出結果からハンマの回動速
    度を求め、この回動速度から第2の打弦タイミングとと
    もに、その際の打弦の大きさを推定して、両者を第2の
    センサ情報として出力するものであることを特徴とする
    請求項1または2記載の鍵盤情報出力装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のセンサ情報発生手段は、押鍵
    速度を打撃の大きさに変換する第1のテーブルと、前記
    押鍵速度を前記第1のテーブルよりも小さい打撃の大き
    さに変換する第2のテーブルとを備え、 前記第1のセンサの検出結果にしたがってどちらか一方
    のテーブルを用いて、押鍵速度を打撃の大きさを推定す
    ることを特徴とする請求項5記載の鍵盤情報出力装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のセンサ情報発生手段は、 押鍵状態が維持されたまま再度の押鍵が行なわれたれた
    とき、あるいは離鍵が低速で行なわれた直後に押鍵が行
    なわれたときには、前記第2のテーブルを用いる一方、
    それ以外のときには、前記第1のテーブルを用いること
    を特徴とする請求項6記載の鍵盤情報出力装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記第2のセンサ情報
    を選択するにあたって、前記第1のセンサにより押鍵速
    度が検出されていることを条件とすることを特徴とする
    請求項5記載の鍵盤情報出力装置。
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